木曜日, 11月 12, 2015

クルーグマン(Krugman)、ベビーシッター協同組合

以下の記事は、デフレ下における地域通貨の可能性を示唆する。インフレ時と違い原資が担保される必要がある。それが遠廻りに法定通貨の信用を支える
ことにも繋がるからだ。景気に関係なく共同の信用が必要だが、その形が変わる。

ポール・クルーグマン 「さっさと不況を終わらせろ」
http://fu-rai-bo.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html

…クルーグマンの出した「子守り協同組合」のアナロジーは、社会経済構造の
要点を的確に説明しており面白い。社会全体の心理が悪化すると需要が不足するのである。:

若い議会職員(約150組)が、ベビーシッター代を節約するために、交代でお互いの子供の
面倒を見る仕組みを作ったのである。互いが公平に子守を受け持つように、クーポン制にして
あった。子守をしてもらうときにクーポンを相手に渡し、自分が子守をするとクーポンを受け
取る、そして、初めに受け取るクーポン数を脱退するときに返すのである。ところが、クーポ
ン制にしたせいで、手持ちのクーポン数を気にするようになった。いざという用事にクーポン
を取っておきたいために、それまでであれば頼んでいた子守の依頼を控えるようになったの
である。皆が子守の依頼を控えることで、クーポンが回転しなくなり、手持ちのクーポン数
が少ない者は一層子守の依頼を控えるようになった。こうして、子守協同組合が機能しなく
なったのである。この子守協同組合は、クーポンを増刷して増やすことで、参加者の心理を
変化させ需要が出るようにしたところ見事に改善した。

これはつまり以下のわかりやすい特徴を説明している。

あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる

参照:
「さっさと不況を終わらせろ」 早川書房 クルーグマン著 山形浩生訳 
ベビーシッター協同組合『世界大不況からの脱出』23頁
および、
経済を子守りしてみると。(Baby-Sitting The Economy の日本語訳)
Paul Krugman 著,1998 年 8 月13日 Slate 掲載 (2008年以降見直された短文)
http://cruel.org/krugman/babysitj.html
_____
上昇(インフレ)貨幣優勢→ 利 子 率 ←財優勢(デフレ)下降
                 輸入
       財の需要 財・サービス 財の供給 
 お金の流れ------→D市場S←--------- 
  |支出    均衡点E_\/    販売された財・|
  (=GDP)      /\       サービス|
  |  -------←S  D→-------  |
  | |購入された    | ↑        収入| |
  | |財・サービス 消費税|補助金 (=GDP) |
  | |         |政府購入    産出| |
  | | ←生活保護-- ||         | |輸出
  | |(←短期国債-→)||(---助成金→ | |
  \ / ---所得税→【政府】←保険・法人税)\ /
 【家\計】    公的貯蓄||政府赤字    【企\業】
  / \ ←利子・貸付け  ↓ |(----融資→ / \
  | | -預金・利息→【銀行】←利息・取付け)| | 
  | |         金融         | |
  | | --民間貯蓄→ 市場 →投資 ↑     | |
  | |                 生産へ| |
  | (GDP=)所得 生産要素     の投入| |
  |  -------←D市場S→-------  |
  |         E_\/均衡点   賃金・地代|
  |労働・土地・資本   /\   ・利潤(=GDP)
   ---------→S  D←---------
      労働の供給        労働の需要

上の図の中央は十字であるべき。つまり政府から雇用関係の助成金がもっとなければならない。
あと、足を使った地域金融を活性化させる地域再投資法(CRA)が必要だ。
東京都の雇用支援はいいが、地方再生には国全体で動くべき

       生産物市場
【家計】      【企業】
     要素市場
  ↓
      外国
【家計】  政府  【企業】
    金融システム

(現代社会では一般に下の意識構造になっているが、要素市場の課題は消えない)
:ハバード経済学参照
_____

ハバード経済学より:

       家計
生産物市場      要素市場
       企業
    ↓
       家計
   外国  政府  金融システム
       企業



       家計
生産物市場      要素市場
       企業
または、
   生産物市場
家計      企業
   要素市場


    家計
外国  政府  金融システム
    企業

または、

    外国
家計  政府  企業
  金融システム

ハバード経済学より:

      【家計】
生産物市場      要素市場
      【企業】
    ↓
      【家計】
   外国  政府  金融システム
      【企業】

(現代社会では一般に下の意識構造になっているが、要素市場の課題は消えない)
_______

メモ:
ハバード経済学入門編の2種の経済のフロー循環図、
1番目(1.2:p53)は定番だが2番目(1.10:p285、3.3:p57)が興味深い。
ただしそれはあくまで経済学の腐敗を無意識に表しているからだ。
よくあるGDP解説図ではあるが、確信犯的に要素市場を捨象しているとも読める。

以下、『ハバード経済学』より:

      【家計】
生産物市場      要素市場
      【企業】
    ↓
      【家計】
  外国   政府  金融システム
      【企業】

(現代社会では一般に下の意識構造になっているが、要素市場の課題は消えない。)
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh_n8gP0ifErKoOxU3u2BTsZ7FSrtWrmAIEpq1AhQ8oaoc-Y3rmaB7goi386qcgU8kVjm1E7ZAY5wYAQFxVgNkOwjen2wO46Ci3fZu-mlKevEecL1BRzKpLHAaKV7A4nqMPhaeAOw/s1600/fubbardint1a.jpg 1.2
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEin9JV_kJdUToU-shhQmQITX19zfS5l5gYH5IJBGjY75E8_6TEVdtJkZdF7km03oYqdp804osYgnk6l9Uw2THlfbo85oUMmAUCLriUmAWjtNJ9A7fLs8cao2H3tR0TgKntOFt8U0w/s1600/hubbard1a.jpg 1.10、3.3
______

     生産物市場
家計      企業
   要素市場
  ↓
    外国
家計  政府  企業
  金融システム
_______

       生産物市場
【家計】      【企業】
     要素市場
  ↓
      外国
【家計】  政府  【企業】
    金融システム

(現代社会では一般に下の構造認識になっているが、要素市場の課題は消えない)
:ハバード経済学参照
______
メモ:
ハバード経済学入門編の2種の経済のフロー循環図、
1番目(1.2:p53)は定番だが2番目(1.10:p285、3.3:p57)が興味深い。
ただしそれはあくまで経済学の腐敗を無意識に表しているからだ。
よくあるGDP解説図ではあるが、確信犯的に要素市場を捨象しているとも読める。

以下、『ハバード経済学』より(改変):

      生産物市場

【家計】      【企業】

     要素市場
  ↓

      外国

【家計】  政府  【企業】

    金融システム

現代社会では一般に下の意識構造になっているが、要素市場の課題は消えないのだ。
さらに、海外の問題、外国との紛争は時に自国の本質的な問題から目を逸らさせる。
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh_n8gP0ifErKoOxU3u2BTsZ7FSrtWrmAIEpq1AhQ8oaoc-Y3rmaB7goi386qcgU8kVjm1E7ZAY5wYAQFxVgNkOwjen2wO46Ci3fZu-mlKevEecL1BRzKpLHAaKV7A4nqMPhaeAOw/s1600/fubbardint1a.jpg 1.2
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEin9JV_kJdUToU-shhQmQITX19zfS5l5gYH5IJBGjY75E8_6TEVdtJkZdF7km03oYqdp804osYgnk6l9Uw2THlfbo85oUMmAUCLriUmAWjtNJ9A7fLs8cao2H3tR0TgKntOFt8U0w/s1600/hubbard1a.jpg 1.10、3.3

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メモ:
ハバード経済学1入門編の2種の経済のフロー循環図、1番目(1.2:p53)は
定番だが2番目(1.10:p285,3.3:p57)が興味深い。
ただしそれは経済学の腐敗を無意識に表しているからだ。

ハバード経済学より:
      【家計】
生産物市場      要素市場
      【企業】
    ↓

2基礎ミクロ編では、大学教授と野球選手の賃金の比較が笑わせる(2:p345)。
が類書では例のない分かりやすさで特筆される。
1929年の大恐慌も45度線で説明される(3.7:p223)。