木曜日, 4月 06, 2017

法と経済学:ロナルド・コース他


             (経済学リンク::::::::::) 
NAMs出版プロジェクト: 法と経済学:ロナルド・コース他
NAMs出版プロジェクト: コースの定理 Coase's theorem
http://nam-students.blogspot.jp/2016/07/coase-theorem.html
NAMs出版プロジェクト: ミルグロム『組織の経済学』1997 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html 

法と経済学 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/法と経済

法と経済学


法と経済学(ほうとけいざいがく、law and economics)とは、経済学のうち、特にミクロ経済学ゲーム理論の観点および手法を利用して法的理論を分析、再解釈する学問である、また近年では統計計量経済学を用いた分析も行われている。近接する分野として契約理論がある。

法と経済学の歴史編集

18世紀の初頭に、アダム・スミス重商主義者の立法がもたらす経済的効果を議論した。 その後も、独占禁止法や証券取引法などの分野においては、経済学的アプローチが用いられた。しかし近年まで、経済学が、市場外の活動を調整する法律の分析に適用されることはなかった。1961年に、ロナルド・コースおよびグイド・カラブレイジは、「社会的費用の問題」および「危険分配と不法行為法に関する若干の考察」という論文を、それぞれ独自に公表した。これらが、現代における法と経済学の起源であるとみなされている。その後、シカゴ大学ロー・スクール教授でアメリカ合衆国第7巡回区控訴裁判所裁判官(判事)のリチャード・ポズナーなどを中心に多くの研究者によって研究が進められてきた。
1970年代以降、アメリカの主なロースクールで法と経済学の教育プログラムが設けられるようになった。今日では、法と経済学はハーバード大学エール大学シカゴ大学スタンフォード大学ジョージタウン大学ミシガン大学などのロースクール経済学部で発展を続けている。現代のアメリカでは法政策に関わるテクノクラート官僚は法と経済学を理解し、実際の政策・法整備などに必須のものとなっている。
法学の世界で用いられる場合には、企業法・経済法分野などで、何が合理的で認められるべきものなのか、何は不合理で否定されるべきものかを決定する背景的基準として用いられる場面がみられる。例えば、企業を巡る多数当事者の利害関係を調整する場合に、単純な古典的モラルによって正邪を決めにくい場面であっても、経済的合理性をもって価値を図ることによって、より説得的で、かつ、経済面でも発展を損なわない結論を法学として導くことが期待されている。
但し、資源配分の効率化、最適化を目的関数とする経済学的アプローチは当然のことながら「社会的公正」の要素を考慮しないため(資源配分の最適化が経済「厚生」のみならず社会的「公正」に繋がるといった信仰に近い極端な考え方は除く。もっとも基本的には、談合や独占やパターナリスティックな介入による資源配分よりは市場を通じた資源配分の方が幾分公正であろう。)、正義の実現という価値判断も必要な法律においては、そのアプローチの限界をも十分に認識すべきであり、経済学的アプローチが普遍的に通用するものではない。たとえば、「パターナリスティックな介入による資源配分」であっても、社会保障の分野のように、そのこと自体が公平性の実現から期待される場合もあるからである。
また経済モデルのような高度に抽象的なモデルから得た解が現実社会の中でうまく働くとは限らないが、法と経済学は法という現実社会に密接に関わる分野について経済学を応用する学問分野であることから、常に現実との対話が必要となる。とすると、現実の社会の中では何が経済的に合理的なのかという判断自体が経済学者の間で論争となることも多く、経済学の利用によって現実社会の中で一意に最適な解が得られるとは限らない。近年ではヤミ金問題に端を発した、消費者金融における上限金利の引き下げについて、経済学者の中でも意見が別れたことが注目された。池尾、大竹論争など。消費者金融の上限金利等の引き下げ

日本における法と経済学編集

従前、法と経済学を法学部の科目としての設置例はそれほど多くはなかったが、法科大学院及び公共政策大学院の設置に伴い、その数は飛躍的に増大した。特に会社法や税法、知的財産法といった領域において研究が進められている。政策レベルでは、重要法案の立案・検討に関して、理系出身官僚が法務省に出向するとともに、法と経済学を専門とする研究者を任期付研究官として採用して理論研究にあたらせるといった形での導入が進んでいる。
2002年スタンフォード大学ロースクールのローレンス・レッシグ教授が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の「ネットワーク社会論」(担当 國領二郎教授)にて特別講演を行った。

アメリカにおける法と経済学編集

アメリカでは、法の経済分析が非常に有力である。裁判所は事件の判断に当り、しばしば経済分析の結果や、法と経済学の理論を利用する。立法政策立案過程でも、当該立法および政策の経済分析の結果が、考慮されることが多い。さらに、法学教育の分野でも、法と経済学の影響は大きい。多くのロースクールに経済学位を持つ教員が所属しており、民事法刑事法公法と、幅広い法分野にわたって、経済的分析を行っている。また、経済学部に所属する研究者の多くも、法と経済学の研究に携わっている。

近年の動向編集

法と経済学は、その学際的性質もあり、経済学の理論の発展を柔軟に取り込んでいる。近年の重要な傾向としては、法的問題へのゲーム理論の適用が挙げられる。さらに、法の経済分析において、行動経済学計量経済学などの分析手法を利用する研究も進んでいる。

参考文献編集

関連項目編集

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ロナルド・コース

ロナルド・コース
新制度派経済学
Ronald Harry Coase
生誕1910年12月29日
ロンドン近くのウィリスデン
死没2013年9月2日(満102歳没)
シカゴ
国籍イギリスの旗 イギリス
研究機関バファロー大学
ヴァージニア大学
シカゴ大学
研究分野法と経済学外部性
母校LSE
影響を
受けた人物
フランク・ナイト
論敵アーサー・ピグー
影響を
与えた人物
オリバー・ウィリアムソン
アルメン・アルキアン
デヴィッド・フリードマン
スティーヴン・チュング
ダンカン・ブラック
スティーヴン・ランズバーグ
実績コースの定理
取引費用分析
コースの推量(Coase conjecture)
受賞ノーベル経済学賞 (1991)
情報 - IDEAS/RePEc
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1991年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:制度上の構造と経済機能に於ける取引コスト財産権の発見と明確化を称えて
ロナルド・H・コース(Ronald H. Coase、1910年12月29日 - 2013年9月2日)は、イギリス生まれの、アメリカ経済学者1991年ノーベル経済学賞を受けた。

経歴編集

1910年12月29日ロンドンのミドルセックス・ウィルズデンで生まれた[1]。コースは足が不自由で少年時代は特別学校に通っていたが、息子の将来を考えあぐねた両親は骨相学者の見立てを伺ったところ、「知的な職業」を進められ、奨学金により中等学校に進むことができたという[2]。コースの父親は高等教育を受けていない電気技師であったが、当時ロンドン大学は労働者階級の子弟にも広く門戸を開いていたため、通信教育聴講生として進学することができた[2]。ロンドン大学入学当初、コースは歴史学を専攻しようとしたが、(当時英国の教養として常識であった)ラテン語の教育を受けていなかったために、歴史学専攻を許されなかった。歴史学への道を諦めたコースは化学を専攻しようとしたが、数学の成績があまりに悪かったため、化学専攻も諦めざるを得なかったという[2]1932年に産業論の研究でLSEを卒業した後、スコットランドダンディー・スクール・オブ・エコノミクス1932-1934年)、リヴァプール大学1934-1935年)、LSE(1935-1951年)で教鞭をとり[1]第二次世界大戦中はイギリス政府の軍務に就いた[2]。軍務では統計業務に携わっていたが、シカゴ大学時代の同僚リチャード・エプスタインは「あいつは生まれてから数字を見たことがない」と語り、数学が苦手なコースが統計の仕事をしていたことに驚いたという[3]1951年にLSEから博士号を取得した後、ロックフェラー財団の奨学金により渡米し、バッファロー大学1951-1958年)、バージニア大学1958-1964年)の教授職を経て、1964年シカゴ大学に移籍した[2][1]。シカゴ大学移籍を機に学術誌Journal of Law and Economics の編集者となり、「法と経済学」の発展に尽力した[2]1979年にシカゴ大学経済学部教授を退職した後は1982年まで編集者の職に専念した[1]。また、名誉職として、アメリカ経済学会ディスティングッシュド・フェロー、シカゴ大学ロースクールシニア・フェロー、クリントン・R・ミュッサー名誉教授、アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・サイエンスフェロー、ブリティッシュ・アカデミーフェローとなる[1]1991年にはノーベル経済学賞を受賞した。2013年9月2日シカゴで死去[4]。102歳没。

業績編集

  • The Nature of the Firm(1937年)とThe Problem of Social Cost(1960年)の二つの業績により、1991年にノーベル経済学賞を受賞した。これら二つの論文はいずれも大著ではなく、執筆している論文の数自体も多くはなかったが、それまで経済学において議論されてこなかった「権利」や「法」による外部性の分析、「取引コスト」概念による企業存在の基礎付けというユニークな業績を認められての受賞であった[5]
  • Durability and Monopoly(1972年)は耐久消費財市場における独占企業の市場支配力の問題を扱ったものだが、そこでのコースの主張は、「コースの推論」と呼ばれ、その厳密な証明の展開など、産業組織論の多くの理論家たちの関心を集めた[6]

業績に対する誤解編集

「社会的費用の問題」(1960年)で提起された「コースの定理」は「一部に大きな誤解を生んでいる」[7]ことでも有名である。「コースの定理」は標準的な教科書においては「企業間に外部性が存在しても、もし取引費用がなければ、資源配分は損害賠償に関する法的制度によって変化することはなく、また常に効率的なものが実現する」[8]や「外部性の出し手と受け手との間で交渉が行われれば、それが理想的な形で機能する限り、授権のあり方に関わらず、常にパレート効率的な資源配分を実現する」[9]と要約されるが、一方で、定理を正しく理解していない経済学者からはしばしば「政府の介入を極力嫌い、自由放任の市場競争を良しとするシカゴ学派の思想に基づくもの」[10]等と誤解される。しかし、コース自身、「これらの洞察は取引費用がプラスの現実世界の分析に向けてのステップとして以外には価値が無い。(中略)取引費用ゼロの世界の詳細の研究に多くを費やすべきではない」と述べており[11]、この「コースの定理」は「経済システムを構成する諸制度のあり方の決定において、取引費用が果たす、あるいは果たすべき基本的な役割を、明らかにすること」[12]を目的としたアイデアであって、決して市場の万能性を主張しているのではなく、「取引費用が無視できない現実的な世界では、なぜ非効率性が発生し、市場メカニズムがうまく機能しないようなケースが起こるのかを解明しようとした」[2]のであった。なお、「コースの定理」の命名者はシカゴ学派の代表的経済学者と知られるジョージ・スティグラーであった[13]

著作編集

著書編集

  • Published Balance Sheets as an Aid to Economic Investigation—Some Difficulties (Accounting Research Association, 1938) (with R. S. Edwards and R. F. Fowler).
  • The Iron and Steel Industry 1926-1935: An Investigation Based on the Accounts of Public Companies, Special Memorandum No. 49 of the London and Cambridge Economic Service (1939) (with R. S. Edwards and R. F. Fowler).
  • British Broadcasting: A Study in Monopoly (Longmans Green, London; Harvard University Press, Cambridge, MA, 1950).
  • Educational TV: Who Should Pay? Rational Debate Seminars, American Enterprise Institute (1968) (with Edward W. Barrett). Also in Educational Broadcasting Review (April 1968); and Television Quarterly (Winter 1968).
  • The Firm, the Market, and the Law (University of Chicago Press, 1988). (Foreign editions: Japanese, 1992; Swedish, 1992; Spanish, 1994; Chinese, 1995; Italian, 1995; French, 1997).
宮沢健一後藤晃藤垣芳文訳『企業・市場・法』(東洋経済新報社、1992年)
  • Essays on the Institutional Structure of Production (Chinese, Shanghai, 1990).
  • Essays on Economics and Economists (University of Chicago Press, 1994).
  • How China Became Capitalist (Palgrave Macmillan, 2012), with Ning Wang.
栗原百代訳『中国共産党と資本主義』(日経BP、2013年)

主要論文編集

  • The Problem of Duopoly Reconsidered, 2 Review of Economic Studies 137-143 (1935).
  • Bacon Production and the Pig-Cycle in Great Britain, 2 Economica (n.s.) 142-147 (1935) (with R. F. Fowler).
  • The Pig-Cycle: A Rejoinder, 2 Economica (n.s.) 423-428 (1935) (with R. F. Fowler).
  • The Pig-Cycle in Great Britain: An Explanation, 4 Economica (n.s.) 55 (1937) (with R F. Fowler).
  • Some Notes on Monopoly Price, 5 Review of Economic Studies 17-31 (1937).
  • “The Nature of the Firm”, Economica 386, (1937)
  • Business Organization and the Accountant (a series of 12 articles), The Accountant (October–December 1938). Also in Studies in Costing (David Solomons ed., R. D. Irwin Publishers, Homewood, Illinois, 1952); and in a shortened form under the title The Nature of Costs, in Studies in Cost Analysis (David Solomons ed., R. D. Irwin Publishers, Homewood, Illinois, 1968), and elsewhere.
  • Rowland Hill and the Penny Post, 6 Economica (n.s.) 423-435 (1939).
  • The Analysis of Producers’ Expectations, 7 Economica (n.s.) 280-292 (1940) (with R. F. Fowler).
  • Price and Output Policy of State Enterprise: A Comment, 55 Economic Journal 112 (1945).
  • B.B.C. Enquiry? 176 Spectator 446-447 (1946).
  • The Marginal Cost Controversy, 13 Economica (n.s.) 169 (1946).
  • Monopoly Pricing with Interrelated Costs and Demands, 13 Economica (n.s.) 278-284 (1946).
  • The Marginal Cost Controversy: Some Further Comments, 14 Economica (n.s.) 150 (1947).
  • The Economics of Uniform Pricing Systems, 15 The Manchester School of Economics and Social Studies 139-156 (1947).
  • The Origin of the Monopoly of Broadcasting in Great Britain, 14 Economica (n.s.) 189-210 (1947). Also in Reader in Public *Opinion and Communication (Free Press, Glencoe, Illinois, 1950).
  • Wire Broadcasting in Great Britain, 15 Economica (n.s.) 194-220 (1948).
  • The Nationalization of Electricity Supply in Great Britain, 26 Land Economics 1-16 (1950).
  • British Television Policy: Questions of Control and Finance, The [London] Times, September 9, 1950.
  • The B.B.C. Monopoly, Time and Tide, October 7, 1950.
  • Report on the B.B.C., Time and Tide, January 20, 1951.
  • The Beveridge Report and Private Enterprise in Broadcasting, The Owl (1951).
  • The Development of the British Television Service, 30 Land Economics 207-222 (1954).
  • The Postal Monopoly in Great Britain: An Historical Survey, in Economic Essays in Commemoration of the Dundee School of Economics, 1931-55 25-37 (J. K. Eastham ed., W. Culross, Dundee School of Economics, Dundee, 1955).
  • The Federal Communications Commission, 2 Journal of Law and Economics 1-40 (1959). Also in the Yearbook of Broadcasting Articles, Anthology Edition (Federal Publication, Washington DC, 1980) and elsewhere.
  • “The Problem of Social Cost”, Journal of Law and Economics 3: 1-44, (1960)
  • Why Not Use the Pricing System in the Broadcasting Industry? The Freeman 52-57, July 1961.
  • The British Post Office and the Messenger Companies, 4 Journal of Law and Economics 12-65 (1961).
  • The Outreach of Government: At What Point Peril? Analysis, October 1962.
  • The Interdepartment Radio Advisory Committee, 5 Journal of Law and Economics 17-47 (1962).
  • Evaluation of Public Policy Relating to Radio and Television Broadcasting: Social and Economic Issues, 41 Land Economics 161-167 (1965).
  • Discussion of "Evaluation of Public Policy Relating to Radio and Television Broadcasting: Social and Economic Issues," with H.H. Goldin, 41 Land Economics 167-168 (1965).
  • The Economics of Broadcasting and Government Policy, 56 American Economic Review, Papers and Proceedings 440 (1966). Also in *The Crisis of the Regulatory Commissions (P. W. McAvoy ed., Norton, New York, 1970).
  • The Theory of Public Utility Pricing, in The Economics of Regulation of Public Utilities 96-106 (Northwestern University, Evanston, Illinois, 1966).
  • Consumer’s Surplus, in International Encyclopedia of the Social Sciences 354-358 (Macmillan, New York, 1968).
  • Social Cost and Public Policy, in Exploring the Frontiers of Administration 33-44 (George A. Edwards ed., York University, 1970).
  • The Theory of Public Utility Pricing and its Application, 1 Bell Journal of Economics 113 (1970). Also in The Crisis of the Regulatory Commissions (P.W. McAvoy ed., Norton, New York, 1970).
  • The Auction System and North Sea Gas: A Comment, 13 Journal of Law and Economics 45-47 (1970).
  • Industrial Organization: A Proposal for Research, in Policy Issues and Research Opportunities in Industrial Organization (Victor R. Fuchs ed., National Bureau of Economic Research, Cambridge, MA, 1972).
  • “Durability and Monopoly”, Journal of Law and Economics 15: 143-149, (1972)
  • The Appointment of Pigou as Marshall’s Successor, 15 Journal of Law and Economics 473-485 (1972).
  • The Market for Goods and the Market for Ideas, 64 American Economic Review, Papers and Proceedings 384 (1974).
  • Also in Price Theory: Selected Readings 559 (Harry Townsend ed., Penguin, Hardwordsworth, 2nd edn 1980).
  • Economists and Public Policy, in Large Corporations in a Changing Society 169-187 (J. Fred Weston ed., New York University Press, New York, 1974).
  • The Lighthouse in Economics, 17 Journal of Law and Economics 357-376 (1974).
  • Also in The Theory of Market Failure 255 (Tyler Cowen ed., George Mason University Press, Washington, DC, 1988).
  • The Choice of the Institutional Framework: A Comment, 17 Journal of Law and Economics 493-496 (1974).
  • Marshall on Method, 18 Journal of Law and Economics 25-31 (1975).
  • Adam Smith’s View of Man, 19 Journal of Law and Economics 529-546 (1976).
  • Introduction to Francis A. Allen, The Causes of Popular Dissatisfaction with Legal Education, International Institute for Economic Research (Reprint Paper 3, 1977).
  • The Wealth of Nations. An Address by Professor R. H. Coase. Los Angeles, Foundation for Research in Economics and Education, 1976. Also 15 Economic Inquiry 309-325 (1977).
  • Advertising and Free Speech, 6 Journal of Legal Studies 1 (1977). Also in Advertising and Free Speech (Allen Hyman and M. Bruce Johnson eds, Lexington Books, Lexington, MA, 1977).
  • Economics and Contiguous Disciplines, in The Organization and Retrieval of Economic Knowledge 481-491 (Mark Perlman ed., Westview Press, Boulder, Colorado, 1977). Also in 7 Journal of Legal Studies 201 (1978).
  • Introduction, in Armen Alchian, Economic Forces at Work (Liberty Press, Indianapolis, Indiana,1977).
  • Economics and Biology: A Comment, 68 American Economic Review 244 (1978).
  • Payola in Radio and Television Broadcasting, 22 Journal of Law and Economics 269-328 (1979).
  • Should the Federal Communications Commission Be Abolished?, in Regulation, Economics, and the Law 41 (Bernard H. Siegan ed., Lexington Books, Lexington MA, 1979) (with Nicholas Johnson).
  • The Coase Theorem and the Empty Core: A Comment, 24 Journal of Law and Economics 183-187 (1981).
  • Duncan Black: A Biographical Sketch, in Toward a Science of Politics: Essays in Honor of Duncan Black 1-10 (G. Tullock ed., *Virginia Polytechnic Institute and State University, Blacksburg, Virginia, 1981).
  • Economics at LSE in the 1930s: A Personal View, 10 Atlantic Economic Journal 31-34 (1982).
  • How Should Economists Choose? G. Warren Nutter Lecture in Political Economy (American Enterprise Institute, 1982).
  • The New Institutional Economics, 140 Zeitschrift für die Gesamte Staatswissenschaft (Journal of Institutional and Theoretical Economics) 229 (1984).
  • Alfred Marshall’s Mother and Father, 16 History of Political Economy 519 (1984).
  • Professor Sir Arnold Plant: His Ideas and Influence, in The Unfinished Agenda, Essays in Honour of Arthur Seldon, 79 (1986).
  • Arnold Plant, in 3 The New Palgrave, A Dictionary of Economics 891 (John Eatwell, Murray Milgate, and Peter Newman, eds, Macmillan, New York, 1987).
  • The Nature of the Firm, 1. Origin, 2. Meaning, 3. Influence, 4 Journal of Law, Economics, and Organization, 3-47 (1988). *Reprinted in The Nature of the Firm: Origins, Evolution, and Development (Oliver E.Williamson and Sidney G.Winter, eds, Oxford University Press, 1991).
  • Blackmail, 74 Virginia Law Review 655 (1988).
  • Also as Occasional Paper No. 24, Law School, University of Chicago (1988).
  • How Should Economists Choose? In Ideas, Their Origins and Their Consequences: Lectures to Commemorate the Life and Work of G. *Warren Nutter 63 (Thomas Jefferson Center Foundation ed., American Institute for Public Policy Research, Washington, DC, 1988).
  • Alfred Marshall’s Family and Ancestry, in Alfred Marshall in Retrospect (Rita McWilliams Tullberg ed., Edward Elgar, Aldershot, UK, 1990).
  • Accounting and the Theory of the Firm, 12 Journal of Accounting and Economics 3 (1990).
  • George J. Stigler, in Remembering the University of Chicago (Edward Shils ed., University of Chicago Press, Chicago, Illinois, 1991).
  • Contracts and the Activities of Firms, 34 Journal of Law and Economics 451-452 (1991).
  • The Institutional Structure of Production: The 1991 Alfred Nobel Memorial Prize Lecture in Economic Sciences (Les Prix Nobel and 82 American Economic Review 713-719 (September 1992) and elsewhere).
  • Coase on Posner on Coase and Concluding Comment, 149 Zeitschrift für die Gesamte Staatswissenschaft (Journal of Institutional and Theoretical Economics) 96, 360 (1992).
  • Duncan Black 1908-1991, Proceedings of the British Academy, 82 (1993).
  • Law and Economics at Chicago, 36 Journal of Law and Economics 239-254 (1993).
  • My Evolution as an Economist, in Lives of the Laureates 227 (William Brent and Roger W. Spencer eds, the MIT press, Cambridge, MA,1995).
  • The Present State of Economics, Lecture given at the University of Buckingham 1995.
  • The Problem of Social Costs: The Citations, 71 Chicago-Kent Law Review 809, (1996).
  • Law and Economics and A. W. Brian Simpson, Journal of Legal Studies (Oxford University Press, Oxford, UK, January 1996).
  • Foreward, Firms, Organizations and Contracts (Peter J. Buckley and Jonathan Mitchie eds, 1996).
  • Foreward, in Duncan Black, The Theory of Committees and Elections, and in Duncan Black and R.A. Newing, Committee Decisions with Complementary Valuation, revised second edns (Kluwer, Boston, 1998).
  • Aaron Director, The New Palgrave Dictionary of Economics and the Law (Paul Newman ed., Macmillan, New York, 1998).
  • The New Institutional Economics, 88 (2) American Economic Review, Papers and Proceedings 72-74 (May 1998).
  • Comment on Thomas W. Hazlett, Assigning Property Rights to Radio Spectrum Users: Why Did FCC License Auctions Take 67 Years? 41 Journal of Law and Economics 577-580 (1998).
  • Interview, 2 (1) Newsletter of the International Society for New Institutional Economics 3-10 (Spring 1999).
  • The Task of the Society, Opening Address to the Annual Conference, September 17, 1999, 2 (2)
  • Newsletter of the International Society for New Institutional Economics 1, 3-6 (Fall 1999).
  • The Acquisition of Fisher Body by General Motors, 43 Journal of Law and Economics 15-31 (2000).
  • Why Economics Will Change, 4 (1) Newsletter of the International Society for New Institutional Economics 1, 4-7 (Summer 2002).
  • The Conduct of Economics: The Example of Fisher Body and General Motors 15 (2) Journal of Economics & Management Strategy 255-278 (Summer 2006).
  • The Industrial Structure of Production: A Research Agenda for Innovation in an Entrepreneurial Economy, Entrepreneurship Research Journal, Berkeley Electronic Press,1 (2), 1 (2011). With Ning Wang.
  • Saving Economics from the Economists, Harvard Business Review (November 20, 2012).
  • How China Became Capitalist, Cato Policy Report, XXXV, 1 (January/February 2013), with Ning Wang.

脚注編集

  1. a b c d e 宮沢健一他訳『企業・市場・法』の「訳者あとがきと略解」を参照(p.250)。
  2. a b c d e f g 依田高典(2013)『現代経済学』、p.137-143。
  3. ^ トーマス・カリアー『ノーベル経済学賞の40年〈上〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、p.111。
  4. ^ “Ronald H. Coase, 102, Who Wielded Influence as an Economist, Is Dead”New York Times. (2013年9月3日2013年9月4日閲覧。
  5. ^ 根井雅弘『経済学88物語』pp182-183。
  6. ^ 宮沢健一他訳『企業・市場・法』の「訳者あとがきと略解」を参照(p.252)。
  7. ^ 宮沢健一他訳『企業・市場・法』の「訳者あとがきと略解」を参照(p.245)。
  8. ^ 武隈慎一(1999)『ミクロ経済学(増補版)』,p. 249。強調は引用者によるもの。
  9. ^ 奥野正寛(2008)『ミクロ経済学』,p.314(強調は引用者によるもの)。もちろん、この記述の直後に「交渉による解決の問題点」が詳述されている。
  10. ^ 神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』, p.269。
  11. ^ The Coase Theorem and the Empty Core: A Comment, 24 Journal of Law and Economics 183-187 (1981)。
  12. ^ 宮沢健一他訳『企業・市場・法』の「訳者あとがきと略解」を参照(p.246)。
  13. ^ トーマス・カリアー『ノーベル経済学賞の40年〈上〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、p.109。

参考文献編集

  • 坂井豊貴「ロナルド・コースの世界」,『経済セミナー』2014年4-5月号(2014年)
  • R.H.コース『企業・市場・法』(宮沢健一他訳、東洋経済新報社、1992年)
  • 根井雅弘 編『経済学88物語』(新書館、1997年)
  • 中村達也 八木紀一郎 新村聡 井上義明『経済学の歴史』(有斐閣アルマ、2001年)
  • 奥野正寛『ミクロ経済学』(東京大学出版会、2008年)
  • 武隈慎一『ミクロ経済学(増補版)』(新世社、1999年)
  • 神取道宏『ミクロ経済学の力』(日本評論社、2014年)
  • 依田高典『現代経済学』(放送大学教育振興会、2013年)

関連項目編集

外部リンク編集

2 Comments:

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小林秀之、神田秀樹『「法と経済学」入門』(1986)弘文堂
浜田宏一『損害賠償の経済分析』(1977)東京大学出版会
J・マーク・ラムザイヤー『法と経済学:日本法の経済分析』(1990)弘文堂

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法と経済学
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法と経済学(ほうとけいざいがく、英: law and economics)とは、経済学のうち、特にミクロ経済学・ゲーム理論の観点および手法を利用して法的理論を分析、再解釈する学問である、また近年では統計・計量経済学を用いた分析も行われている。近接する分野として契約理論がある。

目次
法と経済学の歴史
日本における法と経済学
アメリカにおける法と経済学
近年の動向
参考文献
関連項目
法と経済学の歴史 編集
18世紀の初頭に、アダム・スミスは重商主義者の立法がもたらす経済的効果を議論した。 その後も、独占禁止法や証券取引法などの分野においては、経済学的アプローチが用いられた。しかし近年まで、経済学が、市場外の活動を調整する法律の分析に適用されることはなかった。1961年に、ロナルド・コースおよびグイド・カラブレイジは、「社会的費用の問題」および「危険分配と不法行為法に関する若干の考察」という論文を、それぞれ独自に公表した。これらが、現代における法と経済学の起源であるとみなされている。その後、シカゴ大学ロー・スクール教授でアメリカ合衆国第7巡回区控訴裁判所裁判官(判事)のリチャード・ポズナーなどを中心に多くの研究者によって研究が進められてきた。

1970年代以降、アメリカの主なロースクールで法と経済学の教育プログラムが設けられるようになった。今日では、法と経済学はハーバード大学、エール大学、シカゴ大学、スタンフォード大学、ジョージタウン大学、ミシガン大学などのロースクールや経済学部で発展を続けている。現代のアメリカでは法政策に関わるテクノクラートや官僚は法と経済学を理解し、実際の政策・法整備などに必須のものとなっている。

法学の世界で用いられる場合には、企業法・経済法分野などで、何が合理的で認められるべきものなのか、何は不合理で否定されるべきものかを決定する背景的基準として用いられる場面がみられる。例えば、企業を巡る多数当事者の利害関係を調整する場合に、単純な古典的モラルによって正邪を決めにくい場面であっても、経済的合理性をもって価値を図ることによって、より説得的で、かつ、経済面でも発展を損なわない結論を法学として導くことが期待されている。

但し、資源配分の効率化、最適化を目的関数とする経済学的アプローチは当然のことながら「社会的公正」の要素を考慮しないため(資源配分の最適化が経済「厚生」のみならず社会的「公正」に繋がるといった信仰に近い極端な考え方は除く。もっとも基本的には、談合や独占やパターナリスティックな介入による資源配分よりは市場を通じた資源配分の方が幾分公正であろう。)、正義の実現という価値判断も必要な法律においては、そのアプローチの限界をも十分に認識すべきであり、経済学的アプローチが普遍的に通用するものではない。たとえば、「パターナリスティックな介入による資源配分」であっても、社会保障の分野のように、そのこと自体が公平性の実現から期待される場合もあるからである。

また経済モデルのような高度に抽象的なモデルから得た解が現実社会の中でうまく働くとは限らないが、法と経済学は法という現実社会に密接に関わる分野について経済学を応用する学問分野であることから、常に現実との対話が必要となる。とすると、現実の社会の中では何が経済的に合理的なのかという判断自体が経済学者の間で論争となることも多く、経済学の利用によって現実社会の中で一意に最適な解が得られるとは限らない。近年ではヤミ金問題に端を発した、消費者金融における上限金利の引き下げについて、経済学者の中でも意見が別れたことが注目された。池尾、大竹論争など。消費者金融の上限金利等の引き下げ

4:37 午後  
Blogger yoji said...

日本における法と経済学 編集
従前、法と経済学を法学部の科目としての設置例はそれほど多くはなかったが、法科大学院及び公共政策大学院の設置に伴い、その数は飛躍的に増大した。特に会社法や税法、知的財産法といった領域において研究が進められている。政策レベルでは、重要法案の立案・検討に関して、理系出身官僚が法務省に出向するとともに、法と経済学を専門とする研究者を任期付研究官として採用して理論研究にあたらせるといった形での導入が進んでいる。

2002年スタンフォード大学ロースクールのローレンス・レッシグ教授が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の「ネットワーク社会論」(担当 國領二郎教授)にて特別講演を行った。

アメリカにおける法と経済学 編集
アメリカでは、法の経済分析が非常に有力である。裁判所は事件の判断に当り、しばしば経済分析の結果や、法と経済学の理論を利用する。立法や政策立案過程でも、当該立法および政策の経済分析の結果が、考慮されることが多い。さらに、法学教育の分野でも、法と経済学の影響は大きい。多くのロースクールに経済学位を持つ教員が所属しており、民事法、刑事法、公法と、幅広い法分野にわたって、経済的分析を行っている。また、経済学部に所属する研究者の多くも、法と経済学の研究に携わっている。

近年の動向 編集
法と経済学は、その学際的性質もあり、経済学の理論の発展を柔軟に取り込んでいる。近年の重要な傾向としては、法的問題へのゲーム理論の適用が挙げられる。さらに、法の経済分析において、行動経済学や計量経済学などの分析手法を利用する研究も進んでいる。

参考文献 編集
小林秀之、神田秀樹『「法と経済学」入門』(1986)弘文堂
浜田宏一『損害賠償の経済分析』(1977)東京大学出版会
J・マーク・ラムザイヤー『法と経済学:日本法の経済分析』(1990)弘文堂

関連項目 編集
囚人のジレンマ
コースの定理
パレート効率性
不法行為法
契約法
ジュリメトリックス (計量法学)

9:50 午後
Blogger yoji said...
法と経済学―市場の質と日本経済 | 矢野 誠 |本 | 通販 | Amazon
2007
https://www.amazon.co.jp/法と経済学_市場の質と日本経済-矢野-誠/dp/4130421247/
トップカスタマーレビュー

5つ星のうち 5.0各種規制(=法律)が経済に与える影響を知るのに最適
投稿者 三四郎 投稿日 2007/7/8
形式: 単行本
各種の法律、制度について、法と経済学の観点から深堀されています。章ごとにテーマと執筆者が異なるため、自分の関心分野だけを読むことができます。

個人的には、交換の利益の配分という観点から独禁法の優先的地位の濫用禁止を論じた第2章、アンチ・ダンピング措置を不当廉売との対比で整理する第3章、敵対的買収の是非を企業の相対取引市場の概念により整理する第7章などは秀逸と感じました。

また、薬事制度、出資法・利息制限法、借家法などのパートでは、規制(=法律)が経済にどういった影響をあたえているかが論じられており、本書は規制と経済の関係について学ぶのにも有用でしょう。
コメント 7人のお客様がこれが役に立ったと考えています.

9:53 午後
Blogger yoji said...
法と経済学 | スティーブン・シャベル, 田中 亘, 飯田 高 |本 | 通販 | Amazon
2010
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5つ星のうち 5.0法と経済学に違和感を感じている人こそ読むべき良書
投稿者 another_theory_of_justice 投稿日 2010/2/22
形式: 単行本
 本書は法と経済学の基礎を平明に紹介してくれる良い教科書であり,分厚いですが,数学の知識に乏しい私のような者でも(数学的な説明の詳細を無視すれば)スイスイと読み進めることができます。

 正直にいうと,自分自身も法の経済分析を何となく肌に合わないものとして毛嫌いしていましたし,会社法などの経済法分野では妥当するにしても,他の法分野でそう上手くいくのだろうかと疑問に思っていました。しかし,本書第24章の「刑法」についての説明を読んで,そのような印象は全く変わりました。

 故意犯処罰の原則や未遂犯処罰の根拠,更には錯誤論などの刑法独自の概念についての法と経済分析の観点からの説明は,刑法学の伝統的な論理にしか接してこなかった者にとっては,本当に目からウロコものです。本書を読むと,「なるほど,法と経済分析の観点からは(ある制度の存在理由について)そのように説明ができるのか!」という驚きと同時に,「これまでの立法や伝統的な法律学も,実は法と経済分析の観点を多分に取り入れているではないか!」という両面の驚きがあります。

 伝統的な法律学の中に既に取り入れられている法と経済分析的な説明を自覚的に取り上げて精緻化するためにも,特に法学部生の段階で本書を読むことは非常に有益であると思います。経済学や数学を毛嫌いしている人にこそ読んでもらいたい一冊です。

 最後に,法実務の観点からの雑感ですが,法と経済分析は,立法の場面には当然に大いに活用されるべきであるし,法律学においても取り入れられるべきであると思うのですが,司法の場においては法と経済分析的な説明を裁判の理由付けとして用いることには困難があるのではないかと思われます。
 というのも,民主的な正統性や社会的厚生の計算を行う能力に欠ける(とされる)裁判所が,「このような結論が社会的厚生を最大化するので正しい結論である」という理由付けを裁判において明示的に採用することはできない(不可能でないにしても困難である)からです。
 そうすると,現実の法実務(裁判)に役立つ法理論としては,やはり伝統的な法律学のドグマティックな説明が支配的にならざるえを得ないのではないかと思います。このような事情も,法と経済分析が法律学の主流に明示的に取り入れられない理由かも知れません。

4:38 午後  

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