木曜日, 9月 13, 2018

無差別曲線



リチャード・セイラーはフィッシャーが無差別曲線を発明したという。
本当だろうか?

Thaler, Richard H. 2015. Misbehaving: The Making of Behavioral Economics. New York: W. W. Norton & Company. ISBN 978-0-393-08094-0.
リチャード・セイラー著 遠藤真美訳『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年

1921年
「将来を見透すわれわれの望遠能力には欠陥があり……したがって、将来の快楽は小さく見えてしまう」というピグーの言葉はよく知られている(5)。

5 Pigou (1932),時間選好の概念の変遷が見事に概括されているLoewenstein (1992)に引用.

Loewenstein, George. 1992. “The Fall and Rise of Psychological Explanations in the Economics of Intertemporal Choice.” In George Loewenstein and Jon Elster, eds., Choice Over Time,. 3-34. New York: Russell Sage Foundation.
http://www.cmu.edu/dietrich/sds/docs/loewenstein/FallRise.pdf
p.15


#11
異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…

1776年のアダム・スミスを見ても、1930年のアーヴィング・フィッシャーを見ても、経済学者がヒューマンを見据えて異時点間選択を考えていたことはまちがいない。

1930
Fisher, Irving. 1930. The Theory of Interest: As Determined by Impatience to Spend Income and Opportunity to Invest It. New York: MacMillan. 
[『利子論』気賀勘重・気賀健三訳,日本経済評論社]

2:4:4:

3:10:3:



3:10:8:

無差別曲線

無差別曲線の例
青が無差別曲線、赤で示すものが予算線であり、ここではX*において効用が最大化している。
無差別曲線(むさべつきょくせん、Indifference curve)は、ミクロ経済学で、消費者選好の幾何学的表現で、同等に好ましい、または、同じ効用が得られる財の組み合わせを結んだ曲線。等効用線ともいう。消費者行動の分析に用いられる。
一般的に消費者は、予算線と無差別曲線が接するところ(主体的均衡点または最適消費点と呼ぶ)で効用を最大化する。財の価格が変動したときにおけるこの点集合を価格消費曲線と呼ぶ。
価格変動時におけるこの接点の移動は代替効果所得効果に分解されることによって表される。代替効果とは、財の相対価格の変化による消費量の変化を示し、所得効果とは、価格変化がもたらす実質所得の変化による消費量の変化を示す。この分解はスルツキー分解と呼び、スルツキー方程式であらわされる。また、比較可能である2財XとYを想定したとき、財Yに対する財Xの限界代替率が2財の相対価格と等しくなる。このとき消費者の効用は予算線と無差別曲線が接する点で最大になっている。

関連項目編集