ティロール:メモ Tirole, Jean (1985). “ Asset Bubbles andOverlappingGenerations”
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1120096982180122624/pu/vid/1280x720/tAOuPqwM3eiWLR4Z.mp4
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2014.html
井堀利宏
https://nam-students.blogspot.com/2019/03/1952.html
世代重複モデル:再(々)考
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/overlappinggenerationsmodel.html
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_34.html
National Debt in a Neoclassical Growth Model
The Diamond OLG Model - Economics
National Debt in a Neoclassical Growth Model - Economics E-Journal
- #4
情報の経済学は 、ケネス ・アロ ー (一九七二年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジョ ージ ・アカロフ 、マイケル ・スペンス 、ジョセフ ・スティグリッツ (三人ともに二〇〇一年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジェ ームズ ・マ ーリ ーズとウィリアム ・ヴィクリ ー (二人ともに一九九六年にノ ーベル賞受賞 ) 、レオニ ード ・ハーヴィッツ 、ロジャ ー ・マイヤ ーソン 、エリック ・マスキン (三人ともに二〇〇七年にノ ーベル賞受賞 ) 、オリバ ー ・ハ ート 、ベント ・ホルムストロ ーム (二人ともに二〇一六年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジャン =ジャック ・ラフォン 、ポ ール ・ミルグロムらによって発展した 。この理論で重要な役割を果たすのは 、次の二つの基本概念である 。
一つは 、モラルハザ ードである 。モラルハザ ードは 、ある契約当事者の行動が 、その行動に影響を受ける契約相手からも 、あるいは係争になったときに契約条件の遵守を強制するはずの裁判所からも 、見られずに済む場合に起こりうる 。モラルハザ ードの例として 、小作契約すなわち収穫の一部を地主に納めるという条件で耕作を小作人に託す契約を考えてみよう……
情報の経済学におけるもう一つの基本概念は 、逆選択である (逆淘汰とも言う ) 。これは 、契約後ではなく 、契約する時点ですでに 、一方が他方の知らない情報を持っている可能性に注目した概念である 。…
#4
このほか契約の理論研究では 、契約の次の四つの面に注目して分析フレ ームワ ークの拡張に取り組んだ 。
第一は 、ダイナミクスである 。契約関係は繰り返されることが多く 、また契約期間中に再交渉が行われることもある 。ジャン =ジャック ・ラフォン 、オリバ ー ・ハ ート 、ドリュ ー ・フュ ーデンバ ーグとの共同研究 (および後年のロジェ ・ゲスネリ 、ハビエル ・フレイシャスとの共同研究 )では 、契約の動学的な見方を開発した 。たとえば逆選択の状況 (エ ージェントはプリンシパルの知らない情報を持っている )では 、エ ージェントの成果が当人の特徴や環境に関する情報 (仕事の難度 、エ ージェントの能力 、意欲など )を露呈し 、将来の契約に影響をおよぼす 。たとえば豊富な収穫を見た地主は 、貸した土地が肥沃であったこと 、あるいは小作人が勤勉であることを推察する 。すると地主は 、将来の契約により厳しい条件を課そうとする 。定額契約の場合には料金を吊り上げる 、収穫の一部を納める契約では収穫の目標を高めに設定する 、などだ 。こうした地主の行動を予想した小作人は 、対抗策として耕作を怠けたり 、収穫の一部を隠したりする 。
第二は 、階層である 。契約には 、しばしば両当事者 (プリンシパルとエ ージェント )以外の人間が関与する 。たとえば 、収穫を地主と小作人で折半する折半契約では 、収穫の計量と監視を代理人に委託することがある 。実際の経済でも 、こうした代理人や仲介人はあちこちに存在する 。金融サ ービス事業者 (銀行 、投資ファンドなど )はその代表例である 。このほか 、現場監督 、工場長などもそうだ 。多数のプレ ーヤ ーが関与していることに目をつけたプレ ーヤ ーの中には 、他の組織のメンバ ーと共謀を図る者も出てくる 。研究では 、クリ ーク (組織内に形成されるインフォ ーマル ・グル ープ )における共謀の危険性と組織内での情報の分布を関連づけ 、組織設計への影響を分析した 。
第三は 、情報に通じたプリンシパルである 。この研究はマスキンと共同で行い 、独自情報を持っているプリンシパルからエ ージェントに契約が提案されたケ ースを想定し 、その選択をモデル化する概念ツ ールを開発した 。たとえば 、金融市場で資金調達する企業経営者 (プリンシパル )は 、有望なプロジェクトのためにほんとうに資金を必要としているのかもしれないが 、自社に関する悪いニュ ースが公に出回る前に資産の一部を現金化したがっているのかもしれない 。投資家 (エ ージェント )は 、この企業が発行する形態 (株 、社債など )と数量をシグナルとして経営者の意図を読み取ろうとする 。
第四は 、企業や政府の内部組織である 。マティアス ・ドュワトリポン (ブリュッセル自由大学 )との共同研究では 、説明責任を徹底させる方法を研究した 。意見対立の際に中立の第三者に仲介させるのではなく 、弁護士を介入させ対決させることによって 、裁定者あるいは経営者はより多くの情報を引き出すことが可能になる (両当事者の弁護士が不都合な情報を伏せておこうとしても ) 。この研究では政府部内の業務分担の分析も行い 、包括的な責任を負わせるよりも明確に定義した業務を割り当てるほうが良いケース (二兎を追う者は一兎をも得ず )をあきらかにした 。
…- #5-3
マルチタスク問題 (本来 、複数の任務を負っている労働者 〔代理人 〕に対して 、報酬を目に見えやすい貢献についてだけ連動させることにより 、努力配分の歪みを引き起こすこと )は多くの分野で見受けられる ( 3 8 ) 。そうした中から 、いくつか例を挙げよう 。金融部門の一部のプレ ーヤ ーは 、短期的な実績に基づくインセンティブを与えられた結果 、長期的に社会に害をおよぼす行為に走った 。その結果が 、二〇〇八年の世界金融危機である (第 1 2章参照 ) 。ある企業は 、コスト削減を奨励し 、その成果に報奨を与えた 。すると保守点検作業が削られ 、事故のリスクが増大した 。したがってコスト削減に対してインセンティブが設けられるときには 、規制当局が保守点検の監視を強化する必要がある (第 1 7章参照 ) 。 - 3 8マルチタスク問題は 、次の論文などで分析されている 。
- Multitask Principal-Agent Analyses: Incentive Contracts, Asset Ownership, and Job Design 1991
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1991%20JLEO%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全30頁
- 近年では、バブル 、エ ージェンシー理論 、金融恐慌 、行動ファイナンス理論 、市場摩擦を切り口に 、より精緻な市場分析に取り組む研究が増えてきた 。以下ではこの五つの見方を一つひとつ検討する 。
…
[数量限定、「長期」資産がバブルになる ](バブルに関しては1985年の論考の方がいい)
…
- エ ージェンシ ー理論:個人の利益と社会の利益の乖離市場を見る第二の切り口は 、エ ージェンシ ー理論である 。この理論では 、個人にとっての合理性と社会にとっての合理性の不一致に注目する 。ある経済システムの中の経済主体は 、自分の立場からすれば合理的な行動をとることができるが 、その結果は社会全体からすれば有害だということがありうる 。規制の経済学において古くて新しいこのテ ーマは 、本書でも繰り返し論じてきた 。ここでは 、ある銀行が何らかのリスク資産 、たとえば株式を大量に抱えているとしよう 。何も問題が起きなければこの株は大きなリタ ーンを生み 、株主は大金を手にするはずだ 。だが…
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWFYPLZ/
EXISTENCE AND UNIQUENESS OF STEADY-STATE ...
ピケティを先取りしている言うのは正しい
経済を動かす単純な論理 Kindle版
バブル経済の第 3の特徴はすこしショッキングです。実はティロールが明らかにしたのは、バブル経済では、経済全体のバブルの総和が経済成長と同じ率で成長するということです。つまり、世の中にバブルが複数あれば、そのバブルを足し合わせた総額が、経済成長率と同率で成長するといっているのです。言い換えれば、ひとつひとつのバブルが経済成長率と同率で成長する必然性はないということになるのです。 …
「バブルの代替の図 」は 、ティロールが 「バブルの代替 (Bubble Substitution) 」と呼んだ図です 。
資産 S(株式)のバブルb^stと資産 G(金)のバブルb^gtの動きは不規則な動きをしています(経済学ではランダムウォークという )が、その総和b~tは規則的な動きをしており、時間が経つにつれて、一定値b~に収束しています 。つまり、経済には、一般に複数のバブルが存在しており、それぞれのバブルが経済成長率と異なったスピードで変動することがあったとしても、すべてのバブルを足し合わせた総額が経済成長率と同率で成長すれば、バブルは長期的に維持可能であるということになる。言い換えれば、ひとつのバブルが弾けても、別のバブルが取って代わる、つまりバブルは代替するというのです。
─ ─イマヌエル ・カント 『道徳形而上学原論 ( 1 ) 』
( 1 7 8 5 ) , I I .この引用文は 、バカロレアの哲学の試験でたびたび出題されている 。
本を読んだら一ドルあげると子供に言ったら (一部の学校はそうしている ) 、読書はお金になると子供に教えるだけでなく 、読書のほんとうの価値を子供から永久に奪ってしまうことになりかねない 。市場は無垢ではないのである 。 ─ ─マイケル ・サンデル ( 2 )
2ガ ーディアン紙二〇一三年四月二七日付 。