水曜日, 2月 13, 2019

ミルグロム2007^2004#3:メモ

ミルグロム:メモ
NAMs出版プロジェクト: ミルグロム『組織の経済学』1997 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html 
マクミラン『市場を創る』
http://nam-students.blogspot.com/2019/02/2007-john-mcmillan.html
ケネス・J・アロー 1963[1972年ノーベル賞受賞] (Kenneth J. Arrow), 1921-
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/j-kenneth-j-arrow-1921.html
ハーバート・サイモン 1947,1983[1978年ノーベル賞受賞](Herbert Alexander Simon)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/herbert-alexander-simon.html
制度学派
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/thorstein-veblen-1857-1929.html
組織の経済学55頁でミルグロムはウィリアムソンの以下を評価する
The Economic Institutions of Capitalism: Firms, Markets, Relational Contracting, (Free Press, 1985)
取引費用の全体像

全11p
scrib
Economic theories of the firm: past, present, and future
PAUL MILGROM and JOHN ROBERTS
Stanford University 1988

『組織の経済学』vii日本語版序文で言及された続編
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/1-be-thing-of-past.html

上は日本語版最終章#17と関連するがその章は2001原書ed2では削除されたようだ
補完性がキーワード
656頁人的資源参照(17.1.5)

Complementarities and systems: Understanding japanese economic organization

Paul Milgrom (milgrom@stanford.edu) and John Roberts
Estudios Económicos, 1994, vol. 9, issue 1, 3-42
バージョン違いがあるらしい
青木昌彦が参照される
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E6%98%8C%E5%BD%A6
Information, Incentives, and Bargaining in the Japanese Economy, Cambridge University Press, (1988年)
 =永易浩一 訳『日本経済の制度分析―情報・インセンティブ・交渉ゲーム』筑摩書房、1992年
The Japanese Firm: the Sources of Competitive Strength, with Ronald Dore, (Oxford University Press, 1994).
 =NTTデータ通信システム科学研究所訳『国際・学際研究システムとしての日本企業』(NTT出版、1995年)



青木昌彦「福島原発事故に学ぶ — 危機に強い産業組織築け」2011年8月4日
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/201184.html
ただし青木はTPP推進派

日本の補完性ネットワークの強さが検証される
(エッジワース理論)
http://nam-students.blogspot.jp/2017/07/francis-ysidro-edgeworth1881.html







ミルグロム:メモ
経済学説史

両面性市場におけるプラットフォーム戦略 に関する研究 海 野 大 (Adobe PDF)
上121頁によれば保険用語のモラルハザードを経済学に適用したのはアローが最初。
 …初期の保険統計での経験を活かして、アローは医療保険に関する有名な 1963 年論文を書いた。これはモラルハザードの概念を経済学に導入し、情報理論の夜明けを告げるものだった。1965 年の講演集 Aspects of the Theory of Risk Bearing (リスク負担理論の諸側面) は、有名な「アロー=プラットのリスク(危険)回避度」の概念や、わかりやすくした非対称情報と「モラルハザード」条件、そして「逆選択」などの概念を導入している。モラルハザード、最適保険や最適リスク負担配分に関するアローの業績のほとんどは、有名な 1971 年の著書 Essays in the Theory of Risk- Bearing に収められた。アローの教育と人種差別に関する研究 (1972, 1973) は、非対称情報のもとでのシグナリングとスクリーニング機構の応用として有名な練習問題となっている。
ミルグロム1997:55頁参照
アロー邦訳組織の限界1994

組織の限界 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2017/3/8

経済学説の系譜と論点:   
  19世紀   20世紀                    21世紀 

  リカード                      分析的マルクス主義      
   投下労働価値説━労働価値説・恐慌論━━┳正統派 数理的マルクス主義
     ┃┃マルクス(学派)┗━━┓   ┗宇野派    森嶋通夫       
     ┃┃  ┗━━カレツキ━┓┃    ┗━日本人経済学者     生産者費用
     ┃┗━━━━━スラッファ┃┃            宇沢弘文   マルクス
     ┃           ┃┣━━━━━━━━━━レギュラシオン学派
     ┃┏━━━━━━━━━━┛┃ ______________________
     ┃┃ドイツ歴史学派━━━━制度学派  新制度学派
     ┃┃エンゲル シュモラー ヴェブレン コース     組織の経済学
     ┃┃   ウェーバー ゾンバルト 
     ┃┗━━━━━━━━━━━━━┓                    D
     ┣プルードンゲゼル     ┃            岩村充 プルードン
     ┃              ┃                生産者効用
     ┃              ┃ ____________________
     ┃         リンダールレーン=メイドナー  岩井克人
     ┃(北欧ヴィクセル┳┛   ┃            清滝信宏
     ┃       ケインズ   ┃     ミンスキー 情報の経済学
     ┃        ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃        ┃ハロッド カルドア ロビンソン   ┃ マンキュー
ペティ  ┃      ケンブリッジ学派             ┃クルーグマン
 ┃   ┃        ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
 ┗古典派┫          レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミスJ.S.ミル  ┏━━━━━━━━┛トービン   ┗━┓    
18世紀 ┃      マーシャル 部分均衡       奥野正寛┃ 
     ┃        ┃ピグー           ルイス ┃ピケティ
     ┃        ┣━ヒックス IS・LM マンデル  ┃    B
   シスモンディ     ┃                  ┃ 消費者費用
  マルサス        ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ マルサス
   支配労働価値説┓   ┃ ________┃ _______┃_______
          ┃  ┏┛ノイマン 内生的━┛  OLG   ┃ゲーム理論
          :  :  ┃                :
┏━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
             1972 アロー 一般均衡理論と厚生理論への先駆的な貢献
             1988 モーリス・アレ 市場と資源の効率的利用に関する理論
*            1991 ロナルド・コース 取引費用経済学
ゲーム理論_______________________________
 1994                人間行動・制度   I    I
 ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン             行動ゲーム理論 I
      \                     実験ゲーム理論 I 
       \インセンティブ・制度設計           I    I
        \                      I    I
        /\___情報の非対称性           I    I
       /  \  1996マーリーズ/ヴィックリー  I    I
      /    \ 2001アカロフスペンス/    I    I
     /      \    スティグリッツ I     I    I
    /        \           I 行動実験経済学 I
 対立と協力        \          I 2002     I
 2005         /\         I カーネマン/スミスI
 オーマン/シェリング  /  \        I I        I
            /    \       I I        I
  マーケット・デザイン  メカニズム・デザイン I I        I
       /  \     2007     I I経済ガバナンスの理論
      /    \  ハーヴィッツ/    I I 2009
 サーチ理論      \ マスキン/      I I オストロム
 2010        \マイヤーソン     I I ウィリアムソン
 ダイアモンド/      \     \    I I
 モーテンセン/ピサリデス  \     \   I I
 マッチング理論        \     \  I I 
 2012       オークション理論  契約理論 I
 ロス/シャープレイ  (未受賞)     2014 I
            ミルグロム    ティロール I
                      2016 行動経済学 ナッジ理論
              ハートホルムストローム 2017 リチャード・セイラー
┗━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
          :  :  ┃                :
          ┗新古典派経済学 シュンペーター   ローマー┃ 
           ワルラス 一般均衡        AKモデル┃    C
 テュルゴー  クールノーパレート  シカゴ学派 バロー    ┃ ワルラス
 コンディヤック  主流派┃ クズネッツ フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー          ┃    ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
             ┃    ┃        サージェント
   (貨幣中立説)  フィッシャーRBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
 機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛     外生的  プレスコット
ヒューム        ┃       ハイエク     キドランド
 連続的影響説     エッジワース  ドラッカー        ┃
      シーニョア ┃オーストリア学派   内生的  ┏━━━┛
  平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク       ┗DSGE
     セイ   ジェボンズ  転形論争
                                 消費者  生産者
                        四元的   費用  B    A
                        価値論   効用  C    D

2014~2015年版 新しい経済の教科書 (日経BPムック 日経ビジネス) 雑誌 – 2014/4/14
日経ビジネス (編集)
ヴァリアンとミルグロムのインタビューの完全版
ネットにあったのは一部

このシリーズは充実していたがこの号は突出してお得

ミルグロム2007^2004#3

82:
ホルムストロム1979
マイヤーソン1981

決定成果関数=z(t)
Vi =参加者iの利得の最大値

107:
ミルグロムウェーバー1982
ミルグロムホルムストロム1987

ヴァリアン経由のドブリュー的連続性の前提の希求…
オークション理論とデザイン / 原タイトル:Putting auction theory to work
ポール・ミルグロム 川又邦雄 奥野正寛 計盛英一郎 馬場弓子
5832円

発売日 2007/11/28 発売

目次

第1章 さあ、始めよう

第I部 メカニズム・デザインによるアプローチ
第2章 ヴィックリー=クラーク=グローブス・メカニズム
第3章 包絡面定理と収入等価定理
第4章 オークションの均衡と収入の相違
第5章 タイプと価値の相互依存性
第6章 状況に応じたオークション

第2)部 複数財のオークション
第7章 一律価格オークション
第8章 パッケージ・オークションと組み合わせ入札
日本語版序文に1998年マクミランと築地市場へ行き感嘆したことが書かれている
収入等価定理が関係しているらしい
ちなみにマクミランは『市場を創る』☆#10:184で日本漁業の乱獲を批判している
☆#6冒頭では築地の競りが活写されているが…
『市場を創る』☆#9:148でプルードンに半分批判的に言及しており、『組織の経済学』におけるプルードンへの言及もマクミラン(からの影響)によるものかも知れない

『オークション理論とデザイン』(東洋経済新報社)2007

オークション 理論とデザイン 単行本 – 2007/11/1
ポール ミルグロム (著), Paul Milgrom (原著), 川又 邦雄 (翻訳), 奥野 正寛 (翻訳), 計盛 英一郎 (翻訳), 馬場 弓子 (翻訳)

5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
ミルグロム,ポール
1948年米国デトロイト生まれ。1970年にミシガン大学を卒業し、数年間保険数理士(アクチュアリー)の仕事に就いた後、1978年にスタンフォード大学ビジネス・スクールでPh.D.の学位を取得。ノースウエスタン大学の助教授(1979~81年)、准教授(1981~82年)、教授(1982~83年)、イェール大学教授(1985年~87年)を経て、1987年からスタンフォード大学経済学部教授。その間ハーバード大学、MITでも教鞭をとり、ゲーム理論や数理経済学などのさまざまな分野で多数の研究論文を専門誌上に発表し、とりわけオークション理論の世界的権威として現代経済学をリードする研究者。同僚のジョン・ロバーツ教授との共著『組織の経済学』(邦訳はNTT出版、奥野正寛ほか訳、1997年)は、ビジネス・スクールの標準的教科書として高く評価されている

川又/邦雄
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了。ミネソタ大学大学院修了(Ph.D.)。慶應義塾大学経済学部助教授、同教授を経て、同大学名誉教授、および立命館アジアパシフィック大学マネジメント学部客員教授。この間、プリンストン大学客員研究員、ミネソタ大学訪問教授等も務める

奥野/正寛
東京大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。イリノイ大学シャンペン・アーバナ校経済学部助教授、横浜国立大学経済学部助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授

計盛/英一郎
東京大学教養学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。カリフォルニア工科大学・スタンフォード大学ビジネススクールリサーチフェローを経て、東京大学経済学部金融教育センターリサーチフェロー。ヨーロッパ計量経済学会Young Economist Award受賞。平成19年度情報処理推進機構未踏ソフトウエア創造事業採択

馬場/弓子
慶應義塾大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院経済学研究科助手、青山学院大学経済学部専任講師を経て、青山学院大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報
単行本: 419ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2007/11/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4492313850
ISBN-13: 978-4492313855
発売日: 2007/11/1
梱包サイズ: 21 x 15.6 x 2.6 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 736,254位 (本の売れ筋ランキングを見る)
3214位 ─ 本 > ビジネス・経済 > 経済学・経済事情 > 経済学
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2007年12月1日
形式: 単行本Amazonで購入
ゲーム理論にもとづくオークション理論の権威Milgromによる
Putting Auction Theory to Workの邦訳。
本書の特徴は一財オークションの包絡線定理による一貫した分析であるが、
一財オークションだけでなく、一様価格オークションや組み合わせオークションまでも
含んでおり、文句なく現状のオークション理論の最高峰テキストであると言えるだろう。
原書を持っているのだが、邦訳が出たと聞いて人から借りて照らし合わせてみたところ、
訳も原文に忠実に行われており、信頼できそうだと感じた。
しかしいかんせん、この教科書にもひとつだけ欠点?がある。
文章が読みにくいのである。
別に訳者のせいではない。論文もそうなのだけどMilgromが単著で書いているものは
癖のある文章というのか非常に読みづらいのである。
(Rubinsteinのエレガントなわかりにくさとはまた別の意味で。)
優秀な指導者を中心とした輪読や講義にはよいだろうが、
独学する人は内容の難しさもさることながら癖のある文章とも対決しなければならないので、
購入する場合少し注意が必要(だと思う)。

5つ星のうち4.0邦語で唯一のオークション専門書
2009年2月28日
形式: 単行本
現在、日本語で読める唯一の大学院レベルのオークション専門書です。他の方のレビューで訳出の硬さ/読みにくさが指摘されているようですが、もともと原著も決して読みやすいとは言えないので(基本的にMilgromの文章はやや読みにくい気がします)、訳出の仕方自体は大きなDisadvantageとは言えないでしょう。むしろ原著でも難解とされる本書の翻訳を行ったこと自体が評価されるべきように思います。他のオークション関連の専門テキストと比べた本書の大きな特色は
1.包絡線定理と単調比較静学という数学ツールを軸に統一的な視点から様々な結果を導いている
2.Milgrom自身の体験を通じた現実のオークション設計の実例や教訓がふんだんに散りばめられている
3.近年ますます重要性が高まっている複数財オークションについてまとまった分析がなされている
といった点ではないでしょうか。特に1は本書をかなりユニークなテキストにしている要因なのですが、通常の講義等で習う「顕示原理を用いたスタンダードなアプローチ」とは大きく異なりますので、慣れない人にはかなり理解しにくいかもしれません。このへんの注意を踏まえた上で、関心のある方はぜひ画期的なオークション本である本書に挑戦して頂きたいと思います。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています



Reinventing the Bazaar: A Natural History of Markets [Paperback] [2003] Reprint Ed. John McMillan ペーパーバック – 2002
John McMillan (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/475712127X/
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”) 単行本 – 2007/3/1

ジョン マクミラン (著), John McMillan (原著), 瀧澤 弘和 (翻訳), 木村 友二 (翻訳)
5つ星のうち 4.6 13件のカスタマーレビュー

ベスト500レビュアー
5つ星のうち5.0極めてよくできた市場設計のための一般書
2011年6月24日
形式: 単行本
市場に関する議論では、「完全放任」と「完全統制」の二極になりやすい。
その議論を乗り越えても「必要な範囲で必要な規制を」という曖昧な結論でお茶を濁すことは多いだろう。
本書では、「ではどのように、どうしたら市場はうまく行くのか」を、豊富な例と経済学の知識をフル活用して、分かりやすくかつ面白く論じてくれる。

取り上げられるのは、オークションの設計、電力自由化がうまく行く場合と行かない場合、不正をなくすための制度設計、特許や知的財産権保護が有効に機能する場合としない場合、など、具体性に富みかつ興味深い問題である。
一つ一つ絶妙なバランスの設計で初めてうまく行くような問題であることが、文章からは伝わってくる。

各章の内容は、タイトルだけ見てもわからないので、横に簡単に書いておく。

唯一の自然な経済(市場経済の歴史:総論)
知性の勝利(市場の自然的発生とその精巧さ)
地獄の沙汰も金次第(抗エイズ剤の開発インセンティブとその高値の問題)
情報は自由を求めている(バザールにおける探索費用の問題)
正直は最善の策(契約と信頼の形成の問題)
最高札の値付け人へ(競争と交渉の関係)
サァ、いくらで買う!(オークションの設計問題)
自分のために働くときには(市場と財産権の関係)
特許という困惑(知的財産権保護の問題)
なんびとも孤島にあらず(外部性の解消の問題)
公衆に対する陰謀(賄賂の市場への影響)
草の根の努力(統制の範囲の問題)
他人のお金を管理する人々(企業の管理の問題)
競争の新時代(汚染権取引の問題)
空気を求めて(統制経済から市場経済への移行の問題)
貧困撲滅の戦士たち(貧困・不平等と経済成長の関係)
市場の命令(まとめ)
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役に立った


「市場」はどのように「設計」されてきたか、あなたの側にある、その成功と失敗。教科書が教えない「市場」の原理。新しい時代の経済学入門。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
マクミラン,ジョン
107:
22) たとえば,Milgrom and Weber(1982)は絶対的リスク回避が一定である仮定を用
いて統計的な情報開示が価格にどう影響するかを調べた. 1つの影響はこのような情報
開示がリスクを平均的に減少させるというものである.資産効果を差し引いても,この
効果は入札者が支払おうとする平均価格を上昇させる効用関数が滑らかで,絶対的リ
スク回避度が定数でない場合には,賭けや統計的情報で,情報を開示する場合の所得効
果が, リスクの減少の効果を上回る例が常に存在する.

Milgrom, Paul and Robert J. Weber (1982). "A Theory of Auctions and Competitive
Bidding, II." The Economic Theory of Auctions. P. Klemperer. Cheltenham: Edward
Elgar Publishing, Ltd. 2: 179-194.

 同様に, Holmstrom and Milgrom (1987)はエージェントの過去の所得が,現在の
リスク回避に影響するのを防ぐために,絶対的リスク回避度が定数である場合のプリン
シパル·エージェント問題を検討した.セールスマンに対するコミッションや工場労働
者に対する歩合制などの線形の報酬契約が最適であるのはこれらの仮定が満たされる場
合である.

Holmstrom, Bengt and Paul Milgrom (1987). "Aggregation and Linearity in the 
Provision of Intertemporal Incentives." Econometrica 55 (2): 303-328.


ることが所得効果を重要でないとしているわけではないのと同様である.
所得効果はここでの分析とは別個に研究されるべきものであり,この2つの効
果の相対的な重要性は個々の応用ごとに異なるものである.

3.4結論

 この章では,メカニズム·デザイン理論の主要な結果を包絡面定理とそれ
に関連したホルムストローとマイヤソンの補題を用いて整理した.
 需要理論とインセンティブの理論の関連性を強調するために, まずホテリン
グの補題を2つの形式で示した. この章で用いられた重要な積分形式の補題に
よれば,生産者余剰は,供給関数と縦軸との間の区域の面積で示される.
 同種の公式がより抽象的な選択空間におけるメカニズム·デザインの理論
でも成り立つが,そのためには,まず包絡面定理を拡張する 要がある.この
定理において,パラメータが価格の場合がホテリングの補題である. またパラ
メータが参加者のタイプで,参加者が他の参加者のタイプを知って期待利得を
最大化する場合がホルムストロームの補題である, さらにマイヤソンの補題は,

107:
22) たとえば,Milgrom and Weber(1982)は絶対的リスク回避が一定である仮定を用
いて統計的な情報開示が価格にどう影響するかを調べた. 1つの影響はこのような情報
開示がリスクを平均的に減少させるというものである.資産効果を差し引いても,この
効果は入札者が支払おうとする平均価格を上昇させる効用関数が滑らかで,絶対的リ
スク回避度が定数でない場合には,賭けや統計的情報で,情報を開示する場合の所得効
果が, リスクの減少の効果を上回る例が常に存在する.

Milgrom, Paul and Robert J. Weber (1982). "A Theory of Auctions and Competitive
Bidding, II." The Economic Theory of Auctions. P. Klemperer. Cheltenham: Edward
Elgar Publishing, Ltd. 2: 179-194.

 同様に, Holmstrom and Milgrom (1987)はエージェントの過去の所得が,現在の
リスク回避に影響するのを防ぐために,絶対的リスク回避度が定数である場合のプリン
シパル·エージェント問題を検討した.セールスマンに対するコミッションや工場労働
者に対する歩合制などの線形の報酬契約が最適であるのはこれらの仮定が満たされる場
合である.

Holmstrom, Bengt and Paul Milgrom (1987). "Aggregation and Linearity in the 
Provision of Intertemporal Incentives." Econometrica 55 (2): 303-328.
Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives.(Adobe PDF)1987
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1987%20EMA%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全27頁
邦訳組織の経済学267頁#7参照
110:
第1部
メカニズム·デザインによるアプローチ
110
1239
Holmstrom, Bengt (1979). "Groves Schemes on Restricted Domains," Econo
Holmstrom, Bengt and Paul Milgrom (1987). "Aggregation and Linearity in the Pr
Jehiel, Philippe and Benny Moldovanu (2001). "Efficient Design with Interdependent
Klemperer, Paul (2002). "Why Every Economist Should Learn Some Auction Theory.
Laffont, Jean-Jacques and Eric Maskin (1980). "A Differentiable Approach to Dominant
Mas-Colell, Andreu, Michael Whinston, and Jerry Green (1995). Microeconomic Theory
Matthews, Stephen (1983). "Selling to Risk Averse Buyers with Unobservable Tastes."
McAfee, R. Preston, and John McMillan (1992). "Bidding Rings." American Economic
1137-1144.
ovi
sion of Intertemporal Incentives." Econometrica 55 (2): 303-328.
Valuations." Econometrica 69 (5): 1237-1259.
http://www.paulklemperer.org/
Strategy Mechanisms." Econometrica 48: 1507-1520.
New York: Oxford University Press.
Journal of Economic Theory 30: 370-400.
Review 82 (3): 579-599
Milgrom, Paul and Ilya Segal (2002). "Envelope Theorems for Arbitrary Choice Sets."
Milgrom, Paul and Robert J. Weber (1982). "A Theory of Auctions and Competitive
Milgrom, Paul and Robert J. Weber (2000). "A Theory of Auctions and Competitive
Econometrica 70 (2): 583-601.
Bidding." Econometrica 50: 463-483.
Bidding, II." The Economic Theory of Auctions. P. Klemperer. Cheltenham: Edward
Mirrlees, James (1971). "An Exploration in the Theory of Optimal Taxation." Review of
Myerson, Roger B (1981). "Optimal Auction Design." Mathematics of Operations
Myerson, Roger B. (1991). Game Theory. Cambridge, MA: Harvard University Press.
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Williams, Steven R. (1999) "A Characterization of Efficient, Bayesian Incentive Com-
patible Mechanism." Economic Theory XIV: 155-180.

_______________________


改訂新版試作:

             ( 経済学リンク::::::::::
新改訂新版試作:
経済学説の系譜と論点:   
  19世紀   20世紀                    21世紀 

  リカード                      分析的マルクス主義      
   投下労働価値説━労働価値説・恐慌論━━┳正統派 数理的マルクス主義
     ┃┃マルクス(学派)┗━━┓   ┗宇野派    森嶋通夫       
     ┃┃  ┗━━カレツキ━┓┃    ┗━日本人経済学者     生産者費用
     ┃┗━━━━━スラッファ┃┃            宇沢弘文   マルクス
     ┃           ┃┣━━━━━━━━━━レギュラシオン学派
     ┃           ┃┃ ______________________
     ┣プルードンゲゼル  ┃┃              岩村充     D
     ┃           ┃┃                  プルードン
     ┃┏━━━━━━━━━━┛┃                  生産者効用
     ┃┃ドイツ歴史学派━━━━制度学派  新制度学派
     ┃┃エンゲル シュモラー ヴェブレン コース    ミルグロム
     ┃┃   ウェーバー ゾンバルト 
     ┃┗━━━━━━━━━━━━━┓ ____________________
     ┃         リンダールレーン=メイドナー  岩井克人
     ┃(北欧ヴィクセル┳┛   ┃            清滝信宏
     ┃       ケインズ   ┃     ミンスキー スティグリッツ
     ┃        ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃        ┃ハロッド カルドア ロビンソン   ┃ マンキュー
ペティ  ┃      ケンブリッジ学派             ┃クルーグマン
 ┃   ┃        ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
 ┗古典派┫          レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミスJ.S.ミル  ┏━━━━━━━━┛トービン   ┗━┓    
18世紀 ┃      マーシャル 部分均衡      AKモデル┃ 
     ┃        ┃ピグー           ルイス ┃ピケティ
     ┃        ┣━ヒックス IS・LM マンデル  ┃    B
   シスモンディ     ┃                  ┃ 消費者費用
  マルサス        ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ マルサス
   支配労働価値説┓   ┃ ________┃ _______┃_______
          ┃  ┏┛ノイマン 内生的━┛  OLG   ┃ゲーム
          ┗新古典派経済学 シュンペーター   ローマー┃ 理論
           ワルラス 一般均衡         奥野正寛┃    C
 テュルゴー  クールノーパレート  シカゴ学派 バロー    ┃ ワルラス
 コンディヤック  主流派┃ クズネッツ フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー          ┃    ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
             ┃    ┃        サージェント
   (貨幣中立説)  フィッシャーRBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
 機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛     外生的  プレスコット
ヒューム        ┃       ハイエク     キドランド
 連続的影響説     エッジワース  ドラッカー        ┃
      シーニョア ┃オーストリア学派   内生的  ┏━━━┛
  平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク       ┗DSGE
     セイ   ジェボンズ  転形論争
                                 消費者  生産者
                        四元的   費用  B    A
                        価値論   効用  C    D



ゲーム理論の系譜図
http://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_25.html@
再々再々新改訂版:
http://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_87.html


瀧澤弘和『現代経済学』より[上下逆にして改変]: 
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞

価値学説の系譜
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/blog-post_53.html
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_63.html

経済学説の系譜と論点:   
  19世紀   20世紀                    21世紀 

     シュモラー 
      ウェーバー
      ゾンバルト ヴェブレン コース 
    ドイツ歴史学派━制度学派  新制度学派
    エンゲル    ┣━━━━━━━━━━━━━━━レギュラシオン学派
  リカード      ┃              分析的マルクス主義      
   投下労働価値説━労働価値説・恐慌論┳正統派  数理的マルクス主義
     ┃┃マルクス(学派)     ┗宇野派    森嶋通夫       
     ┃┃  ┗━━━カレツキ━━━┓┗━━日本人経済学者      生産者費用
     ┃┗━━━━━━スラッファ  ┃        宇沢弘文     マルクス
     ┃              ┃ ____________________
     ┣プルードンゲゼル     ┃            岩村充   D
     ┃              ┃                プルードン
     ┃              ┃                生産者効用
     ┃              ┃ ____________________
     ┃         リンダールレーン=メイドナー  岩井克人
     ┃(北欧ヴィクセル┳┛   ┃            清滝信宏
     ┃       ケインズ   ┃     ミンスキー スティグリッツ
     ┃        ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃        ┃ハロッド カルドア ロビンソン   ┃ マンキュー
ペティ  ┃      ケンブリッジ学派             ┃クルーグマン
 ┃   ┃        ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
 ┗古典派┫          レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミスJ.S.ミル  ┏━━━━━━━━┛トービン   ┗━┓    
18世紀 ┃      マーシャル 部分均衡       奥野正寛┃ 
     ┃        ┃ピグー           ルイス ┃ピケティ
     ┃        ┣━ヒックス IS・LM マンデル  ┃    B
   シスモンディ     ┃                  ┃ 消費者費用
  マルサス        ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ マルサス
   支配労働価値説┓   ┃ ________┃ _______┃_______
          ┃  ┏┛ノイマン 内生的━┛  OLG   ┃ゲーム
          ┗新古典派経済学 シュンペーター   ローマー┃ 理論
           ワルラス 一般均衡        AKモデル┃    C
 テュルゴー  クールノーパレート  シカゴ学派 バロー    ┃ ワルラス
 コンディヤック  主流派┃ クズネッツ フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー          ┃    ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
             ┃    ┃        サージェント
   (貨幣中立説)  フィッシャーRBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
 機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛     外生的  プレスコット
ヒューム        ┃       ハイエク     キドランド
 連続的影響説     エッジワース  ドラッカー        ┃
      シーニョア ┃オーストリア学派   内生的  ┏━━━┛
  平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク       ┗DSGE
     セイ   ジェボンズ  転形論争
                                 消費者  生産者
                        四元的   費用  B    A
                        価値論   効用  C    D

3 Comments:

Blogger yoji said...

References
Masahiko Aoki (1988), Information, Incentives and Bargaining in the Japanese Economy, Cambridge University Press.
Masahiko Aoki (1992), “Ex Post Monitoring of Team Production by the Main Bank,” Center for Economic Policy Research Discussion Paper, Stanford University.
Masahiko Aoki (1994), “The Japanese Firm as a System of Attributes: A Survey and Research Agenda,” in M. Aoki and R. Dore, (eds.), The Japanese Firm: Sources of Competitive Strength, Oxford University Press.
Masahiko Aoki and Paul Sheard (1992), “Corporate Monitoring and Governance in the Main Bank System,”Center for Economic Policy Research Discussion Paper, Stanford University.

7:36 午前  
Blogger yoji said...

青木昌彦wikiより
The Co-operative Game Theory of the Firm', Oxford University Press, (1984年)
日本語訳版は『現代の企業―ゲームの理論からみた法と経済』
Information, Incentives, and Bargaining in the Japanese Economy, Cambridge University Press, (1988年)☆
永易浩一 訳『日本経済の制度分析―情報・インセンティブ・交渉ゲーム』筑摩書房、1992年
The Hiromi Arisawa Prize (有沢広巳記念)第1回受賞作、イタリア・イグネシア経済科学賞受賞
The Co-operative Game Theory of the Firmとの二冊の英文著書により日本学士院賞受賞(1990年)
『日本企業の組織と情報』(東洋経済新報社、1989年)

7:39 午前  
Blogger yoji said...

編集
The Firm as a Nexus of Treaties, with Bo Gustafsson and Oliver E. Williamson, (Sage, 1990).

The Japanese Firm: the Sources of Competitive Strength, with Ronald Dore, (Oxford University Press, 1994).☆
NTTデータ通信システム科学研究所訳『国際・学際研究システムとしての日本企業』(NTT出版、1995年)☆

The Japanese Main Bank System: Its Relevance for Developing and Transforming Economies, with Hugh Patrick, (Oxford University Press, 1994).
東銀サーチインターナショナル訳『日本のメインバンク・システム』(東洋経済新報社、1996年)
Corporate Governance in Transitional Economies: Insider Control and the Role of Banks, with Hyung-Ki Kim, (The World Bank, 1995).
(奥野正寛)『経済システムの比較制度分析』(東京大学出版会、1996年)

7:41 午前  

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