月曜日, 7月 22, 2019

数式の話

数式の話がよく出るが同じ数式でも見方で違う(政府の負債とするか民間の財産とするかetc.)?

以下参考例3つ、

 《…カレツキは、表の左側に国民所得勘定を、右側に国民生産物(支出)勘定を置いて 
対照させます。すなわち、左側には、利潤(資本家の所得)十賃金(労働者の所得)=国民 
所得を、右側には、投資十資本家の消費十労働者の消費=国民生産物、を書き込みます。 
ここで、労働者はその所得をすべて消費する(賃金=労働者の消費)という仮定を置くと、 
あとに残されたものの関係から、
 利潤P=投資I十資本家の消費C
という式が出てきます。 
 これがカレツキの利潤決定の命題ですが、彼は、この式を右辺が左辺を決定する(資本家 
の投資および消費に関する決意が利潤を決定する)というように解釈します。…》
(根井雅弘『経済学の教養』2006年20頁より)
 
《松尾さんとMMTとの違い。
C+S+T=C+I+G+X-M
S-I=(G-T)+(X-M)
民間の貯蓄超過=政府と海外部門の赤字
松尾さんはこの恒等式を左を原因として右の結果が生じると読む。(「反緊縮のマクロ経済政策
諸理論とその総合」p.26)
MMTは逆に政府が赤字を出すから民間の貯蓄が可能と読む、ということなのだろうか?…》
https://twitter.com/l1jb8nuvz96ucub/status/1152478425484914688?s=21

《かくして、ポストケインジアンにとって変動の主要な因果的連鎖は、主に慣性的な貨幣価格のも
とでの生産量の変化から借入れ金の需要の変化へと向かう…
 これを形式的に表現すると、まず、マネタリストの場合ではMV=Py という交換方程式は、V
(貨幣の流通速度)とy(実質産出量)を一定としているので、次のように因果関係の連鎖がM(貨幣
供給量)からP (物価) に向かうことがわかる。
    →
   MV'=Py'
 それに対してポストケインジアンの場合は、 交換方程式は依然として有効であるが、 
…因果関係の方向は、次に示すようにほとんどの場合、yからMへ向かう。
     ←
    MV'=Py'
 中央銀行は、費用(特に賃金費用)の漸増に対して利子率を引き上げることにより反応するであ
ろう(現にそうである)。ところが、最初の効果は物価水準に対してではなく、必然的に産出量と
雇用量に対するものである。連邦準備制度は失業を創出することによってのみ、賃金を抑制でき、
それゆえ、物価水準の上昇を遅らせることができる。…》
(ジェームス・K・ガルブレイス『現代マクロ経済学』(1998年原著1994年)352頁より)

ケルトン教授はJGP最低賃金時給15ドルがベンチマークとして機能するという。この数字はわかりやすく決定的だ。
彼らは貯蓄しないで消費に回すだろうし、民間の賃金の最低ラインを自然と決める。