経済をやるなら簿記の基本も知っておこう ~ 政府の〇〇は民間の●● ~
「ツイッター、広報力や返信もらいやすいのはいいですね!(使っていれば)」
ということを学習しました。その反面、
「ダラダラ見がち。リアルな声もわかっていいなぁ、、、ってニュースだこれ」
と思いました。中には勉強なる人もいるわけですが、見ててもそれ以上に深まるわけではないので。ツイッターでもっと発信したいなら、ツイッター以外のことも、きっと必要ですね!
「経済をわかるようになりたいなら、簿記の基本だけでも知っておこう」
お盆とかいつもの友人と長野に行ったりしたんですが、その会話の中で。
一応経済系の学部を出ているんですが、簿記は知らないって言います。
これ結構問題だと思うんですよね。
なぜかといえば、経済と簿記、この基本を組み合わせるだけで、
政府の負債 = 民間の資産
政府の黒字 = 民間の赤字
これが本当なら、いわゆる国の借金(国債=政府の負債)を増やした方が、民間の資産は増える、ということです。同様に、政府が黒字を目指す、ということは、民間の赤字を目指す、ということが言えます。
いやはや、これをニュースに投下したら大問題ですね。しかし、これが簿記と経済の基本から言えてしまいます。これに反する人には「簿記わかんないの?」って言っておしまいです。というわけで、説明していきます。
簿記は仕訳をいっぱい書いて整理したもの
簿記。簡単に言えば、鉛筆買ったら
事務消耗品100円 / 現金100円
とメモします。これを仕訳と言います。終わり。
仕訳いっぱい書いて整理したのが簿記です。
左を借方(かりかた)、右を貸方(かしかた)
と言います(覚えて)。お金出ていくのが、現金を右に書きます(これも覚えて)。会社で経理やるなら以上だけど、経済なら相手を意識。鉛筆売った相手が同時にいるので、相手は
現金100円 / 売上100円
となります。左は入金(暗記)
こんなふうに、相手がいる場合は、相手だって仕訳があります。
簿記3級の教科書でも、最初の方に書いてあることです。
誰かの費用は誰かの収益
仕訳項目の名前=勘定にはいろいろありますが、大きく5分類あります
資産、負債、純資産、費用、収益です。
先の鉛筆の話だと以下の通りです。
買った人 「 事務消耗品100円 / 現金100円 」 ( 費用 / 資産 )
売った人 「 現金100円 / 売上100円 」 ( 資産 / 収益 )
というわけで、買った人の費用は売った人の収益となっています。
買った売っただから当たり前ですね。
資産や負債も同じ。例えばお金貸すとか。
借りる人 「 現金 / 借入金 」 ( 資産 / 負債 )
貸した人 「 貸付金 / 現金 」 ( 資産 / 資産 )
というわけで、あなたの会社でも家計簿でもいいですが、それを仕訳して、
「今月の収益はいくらだなぁ」「費用はこんだけかぁ」
「うち、いま資産はいくらあって、負債はこんだけあるのかぁ」
と分類してみたとき、それは反対に、誰かにも逆勘定が発生している、ということです。
だから、誰かの負債は誰かの資産。誰かの費用は誰かの収益、と言えます。
ちなみに資産や負債をまとめたのが、貸借対照表:バランスシートBS
費用や収益をまとめたのが、損益計算書:プロフィット & ロス ステイトメントPL
と言います。いろんな会社が発表していますね。
立場で大別すると民間と政府しかいない
さて、今度はマクロ経済の話にちょっと飛ぶと、経済の立場には、大きく分けると民間と政府しかありません。内閣府のGDP統計見たりするとよくわかります(外国は今はおいときます。外国だって同じ構造だし)。それに、政府でなかったら何?って民間ですしね。
つまり、マクロ的に大きく分けると、政府の相手は民間となります。民間の相手も政府しかいません。ですから、先ほどの「誰かの費用は誰かの収益」としましたが、「誰か」に主語を入れると「政府の費用は、民間の収益」となります。
これは、政府が入札などで仕事を発注して、それを受注して仕事をし、お金をもらうのは民間業者ですね。こうやって、政府サイドから民間サイドへのお金の経路となっているわけです。まさに民間のパイの拡大ですね。
ですから、政府がお金ないとか言って、支出を減らすと、入札企業の売上が下がり、トータルでも民間景気は悪化します。だって、売上が下がった企業は、仕入れだって、給料の支払いだって減るので、周囲だって悪化しますからね。
また、逆に「政府の収益は、民間の費用」とも言えます。これは税収のことですね。これは民間サイドから政府サイドにお金を引き上げていますから、民間のパイの縮小が起きています。
じゃあ次の話は、民間のパイ、お金の総量は、どのくらいだったらいいの?って話になります。増えもせず、減りもせず、一定ならいいのか?増え続けるものなのか?それとも減っていく?ものなのか?
民間のパイはマネーストックを見ます
政府サイドはマネタリーベースとかベースマネーって言いますね。私たち民間人は普通の銀行口座は持っていますが、日本銀行の口座は持っていません。日本銀行の口座を持っていて、そこのお金を出し入れできるのは、政府と日銀、それから日銀代理店となっている銀行だけになります。
というわけで、民間を見るならマネーストック。以下の状況です。
ちょっと面倒くさかったので、日銀上のグラフそのまま・・・ともあれ、マネーストック。順調に増えている様に見えます。
しかし、経済は前年比で見ます。それは前年比でいろんな指標が連動しているからです。それを教科書ではなぜか教えられません。よって、以下のグラフは%表示となります。物価もGDPもニュースで前年比2%やら3%目標と言われてますよね。
で、グラフを見ると、政府支出と連動して、マネーストックも底辺だとわかります。よって、政府の支出(費用)と民間のパイ(資産)は連動しているとわかりました。残念な連動でしたが。
民間の収益を計算したいなら、GDPの政府支出抜きと相関取ればいいですかね。それ=民間消費+民間投資なので、うん、何度もグラフ作っているので、間違いなく相関していますね。
政府の費用 ≒ 民間の資産 ≒ 民間の収益
結論:政府の〇〇は民間の●●
ほかには?一度書き出してみると
① 政府の費用 ≒ 民間の収益 ≒ 民間の資産 :いまやったやつ
② 政府の収益 = 民間の費用
③ 政府の資産 = 民間の負債
④ 政府の負債 = 民間の資産
一応正反対のものばかり書き出し。簿記から正しいと言えます。
①で民間資産が出てますが、④にもあるので、タテ列も繋がってそうですね。①≒④
④政府の負債は国債のことで、財源なので、①の政府の費用=支出を通して、民間の収益となり、民間の資産となっているのでしょう。
経済指標で言えば、国債×政府支出×民間GDP×マネーストック
ああ、民間GDP=民間支出+民間投資は、合算して言えば、民間支出、と言えますので、民間の費用②とも言えますね。
また、②については、これ税収のことも言えますね。ちなみに税収もGDPと連動していますので、民間GDP(民間の収益)とも、連動しているでしょう。なのでやはり①≒②です。
③の資産や負債って私はやったことないですねー。
① 政府の費用 = 民間の収益 ≒ ②④
② 政府の収益 = 民間の費用 ≒ ①
③ 政府の資産 = 民間の負債
④ 政府の負債 = 民間の資産 ≒ ①
①も②も④もすぐ繋がりが見えてしまいました。
③やったことなのでちょっと今度やってみたいところです。
以上、簿記から既に正しいと言えるので、統計でやってみたりしても、すんなり相関が見えそう。今までのデータと突き合わせても齟齬がありません。当たり前ですがよかたよかた。
ということで
「政府が収支 ※ で黒字(収益)目指します!」とか言うのは、イコール
「民間赤字目指します!」って、簿記から言えるわけです。
※ 基礎的財政収支=プライマリーバランスPB
他にも
「国の借金(政府の負債)を減らします!」というのは
「民間の資産を減らします!」のと同じ。(だって財源けずる話ですし)
「政府の費用を節約して減らします!」というのは
「民間の収益を減らします!」のと同じ。(だって入札金額へる話ですし)
簿記、基本だけでも重要じゃありませんか?
ニュースを見れば真逆ばかり
よく、プライマリーバランスの黒字(収益)を目指して、財政を健全化します!って言ってますけど、それやってるから民間赤字(費用)で不景気なんですよね。
安倍総理が
①消費税の増税分を、
②国の借金返済に使いました。さらに
③翌年度の国債はさらに1兆円減らします。
とも報道ありましたが
①増税したら、政府の収益UP = 民間の費用がUP。
②回収したけど再分配せず。
③税収外の財源も減らす。翌年の政府の負債が減少=民間の資産も減少。
です。
皆さんもおかしなこと見かけたら「簿記わかんないの?」で済んでしまうのではないかと思います。
そもそも日銀と政府はひとつ
そんなこと言っても、政府に財源がないと、ダメじゃないか、の考えにも答えておくと、
日本円は日銀で発行しており、政府はそれを得るために、国債を現金交換券として使っているので、自分の国のお金なら、何の問題もありません。そもそも日銀と政府はひとつだったから、形式上、このようになっています。
ただし、直接交換しているわけではなく、
・政府は民間に国債を販売
・日銀は民間から国債を買い取る
という形式になっています。財政法で直接交換は原則禁止となっています。原則なので、いくらかは直接ありますけどね。
実務だともう少し違うでしょうが、ざっくりこういう形、原理かと思います。
発行銀行券が右側の貸方にあって、奇妙に思うかもしれませんが、これは負債扱いなので、OKです。日銀ホームページを見てください。昔はここからさらに、小判や銀貨に交換していたので、その名残らしいです。
ということで、国債は日銀に、現金(当座預金)は政府に渡りました。まとめにて、国債が両方にあるので、交換していることがわかりますね。日銀は元手無しにお金を作る。政府も元手無しに国債証券を作る。それを交換する。
なので私は国債を現金交換券と言います。国債は現金で財源みたいなものですから。国債残高を見れば、過去にどのくらいのお金を交換してきたのか?がわかりますね。国債も途中からできましたけど。1965年あたりからだったかな?
さて、そんなただの記録、、、政府はこれを財源にして、民間に支出してきたのだから、国債残高が多いことは、それだけ民間にお金を流してきたことの名残ですが、現在では「国の借金」と言って「減らせ!」と糾弾するわけです。
確かに政府の右側にあるので「負債」ではありますが、簿記で言えば、政府の負債は民間の資産なわけです。皆さんも、自分たちの首を絞めろ!という人には「簿記わかんないの?」と言ってあげてください。それで終わります。
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----編集後記----
ツイッターはよく更新しないとあれなんで、不定期にまとめるなら、自分はブログの方があっていそうです。よく練ることができるので。ツイッターは単発式ですし。
アメーバの記録を信用すれば、こんなブログでも30-60名くらい、コンスタントに見てくれる人がいるようなので、なかなか悪くないように思います。
1837年11月の父への手紙に
カント法学を勉強して間違えたとある
学生時代
マルクスはカント哲学と近かった