土曜日, 12月 05, 2015

Irving Fisher: Stamp Scrip; 1933 :スタンプ通貨 土曜社 – 2018/01/04 ア ー ヴィング・フィッシャー (著)


http://www.wsk.or.jp/work/b/h14-b-01/02.html
地域通貨によるコミュニティの再生
第2章 地域通貨の歴史的背景
 第1節 シルビオ・ゲゼル(Silvio Gesell)の理論
 ...
 第2節 1930年代の世界大恐慌時代の地域通貨
 ...
  第3項 米国のスタンプ通貨

1930年代の世界恐慌から抜け出すことから地域通貨が各国で盛んに生まれていった。特にスタンプ通貨が、米国で盛んに実施されていた。当時エール 大学教授であったアーヴィング・フィッシャーはオーストラリアのヴェルグルの労働証明書について調査し、不況脱出のためにはヴェルグルモデルが必要と考 え、スタンプ通貨の理論的な支柱となった。
米国で使用された数千の地域限定通貨を網羅したカタログも出版されたという。
1933年2月にスタンプ通貨の法案化の動きもでてきて、フィッシャー教授は当時の財務次官ディーン・アチソンと何度も会談し行政からの支援を取り 付けようとした。スタンプ通貨こそ大恐慌から脱出できる唯一の手段であることを説いた。これを聞いたアチソンは、当時著名な経済学者ラッセル・スプラーク に助言を求めた。彼の意見も「大恐慌から脱出できるであろう」というものであったが、「非中央集権化する影響があるため、大統領と協議した方がよい」と進 言した。
ルーズベルト大統領は、金融体制再建公社や連邦政府による大規模な雇用創出プログラムなどにより中央集権的な解決策を発表していたため(ニューディール政策)、大統領令によって「緊急通貨」を禁止した。
 ...


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フィッシャーの交換方程式 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/フィッシャーの交換方程式
マーシャルのk に移動 - [編集]. マーシャルのkは、前述したような、ケンブリッジ方程式における貨幣の所得速度Vの逆数kとして知られるものである。あるいは、名目国民所得に対する貨幣の保有比率を意味している。

フィッシャーの交換方程式は、次の式で表される。
MV=PT
ここで
  • M : 貨幣量
  • V : 貨幣の取引流通速度
  • P : 物価
  • T : 1期間における財・サービスの取引量
である。

アーヴィング・フィッシャー
新古典派経済学
生誕1867年2月27日
ニューヨーク州ソーガティーズ
死没1947年4月29日(満80歳没)
ニューヨーク州ニューヨークシティ
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野数理経済学、金融論
母校イェール大学
影響を
受けた人物
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ
ウィラード・ギブズ
ウィリアム・グレアム・サムナー
オイゲン・フォン・ベーム=バヴェルク
影響を
与えた人物
ミルトン・フリードマン
ジェームズ・トービン
フランコ・モディリアーニ
ベン・バーナンキ
実績貨幣数量説理論の確立(フィッシャーの交換方程式)
為替の均衡
物価指数
債務デフレーション
フィリップス曲線
貨幣錯覚
フィッシャー分離定理
テンプレートを表示
アーヴィング・フィッシャー(Irving Fisher、1867年2月27日 - 1947年4月29日)は、アメリカ合衆国経済学者、健康運動家である。
フィッシャーは貨幣数量説を復活させて物価指数の初期の提唱者の1人となったほか、フィリップス曲線無差別曲線への重要な貢献をおこなった。フィッシャーの分離定理を提案したと言われている。また国際フィッシャー効果およびフィッシャー方程式も彼にちなんで名づけられたものである。
フィッシャーは最も初期のアメリカ新古典派経済学者の1人であり最初の有名な米国経済学者とされる。

目次

略歴編集

  • 1867年 ニューヨーク州Saugentiesで生まれる。
  • 1888年 イェール・カレッジを卒業する(B.A.)。卒業後、ベルリン、パリなどを旅行する。
  • 1890年 イェール大学の講師(Tutor)となる。
  • 1891年 イェール大学から博士号を得る(Ph.D.)。
  • 1892年 博士論文'Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices'を出版する。
  • 1896-1910年 イェール大学発行のYale Reviewの編集者となる。
  • 1898年 イェール大学の政治経済学教授となる。
  • 1930年 最初の計量経済学会会長となる。
  • 1935年 アメリカ経済学会会長となる。イェール大学の名誉教授となる。
  • 1947年 ニューヨーク・シティで死去(80歳)。

来歴編集

フィッシャーの父は教師であり、会衆派教会の牧師であった[1]。息子のフィッシャーは、自分が社会の有益な一員であらねばならないと信じるように育てられた。フィッシャーは数学的能力と発明の才能を持っていた。彼がイェール大学に入学を認められた1週間後に、彼の父親は53歳で死去した。しかし彼は大学を続け、主に家庭教師によって自分同様彼の母親や兄弟を援助した。
1898年、フィッシャーはイェール大学の教授であり、幸福な結婚をしてまだ2歳にしかならない2人目の子供がいたが彼が結核に感染していることが発覚した。彼の父親はこの病で死亡していたのだった。療養所で3年過ごした後、フィッシャーはさらに大きな精力と健康運動家としての第2の職業で仕事に復帰した。世間には、彼は健康と衛生に関する著書『如何に生活すべきか : 最近科学を基礎としたる健康的生活法の諸規則』("How to Live: rules for healthful living based on modern science", 1915)で知られるようになった[2]。彼の健康運動の擁護とジョギングの促進と赤身の肉の忌避は彼を変人として際立たせ、そして恐らくは彼の真面目な経済学者としての権威を弱めた。彼はまた確信的な優生学者だった。
フィッシャーは途方も無く多作の著作家であり、成功した1920年代と不振の1930年代第一次世界大戦の諸問題を語る専門書や新聞雑誌を生み出した。

研究編集


Theory of interest as determined by impatience to spend income and opportunity to invest it, 1930
  • フィッシャーの最も大きな研究題目は数学だったが、経済学はより彼の社会的関心に合致した。経歴のため、そしてより直接的には博士論文のため彼はその2つを結合して数理経済学の研究を行い、1892年に経済学で最初のイェール大学博士号を取得した。この時の指導教員は、数学者・物理学者のウィラード・ギブズと経済学者のウィリアム・グレアム・サムナーだった。フィッシャーが研究を始めたときは数理経済学上の重要な文献が既にあることを理解していなかったが、彼は欧州の経済学者に追いつき、フランシス・イシドロ・エッジワースのような欧州の大家達が第一級と認めるような貢献を行った。彼は自著の『価値と価格の理論の数学的研究』("Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices", 1892)を補足するためにポンプとレバーからなる機械を作った。フィッシャーはいつも彼の分析に対して全人格を傾倒するほどに打ち込み、一方で彼の著書や経済の話題に関する論説は(当時としては)類の無い数学的精巧さを示して彼の理論のすべてを非常に明晰な手法で示した。





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貨幣の経済学―インフレ、デフレ、そして貨幣の未来 | 岩村 充  集英社2008
https://www.amazon.co.jp/dp/toc/4087805069
目次 
第1章 貨幣の経済史―金貨から金本位制へ
第2章 貨幣は漂うか―貨幣価値を支える仕組み
第3章 アンカーを探せ―国債の意外な役割
第4章 貨幣価値の坂と水準―金融政策の理論
第5章 明日はデジタルで―競争的貨幣供給論と電子マネー

#3でFTPLが、179頁#4,179頁で落語花見酒★★★★★が紹介される。以下の#5,182,190頁の物価理論が
重要。

フィッシャーの利子率物価均衡条件:

  1+名目金利
___________ = 1+物価上昇率
  1+自然利子率
(#4,182頁)

①来年の物価水準(P1)は、

[B0:今期国債の金額、B1:来期国債の金額]

P1=__B0(1+i)+B1__
      s

[s:国債償還財源の実質額、i:名目金利]

②今年の物価水準(P0)は、

1+i/1+r=P1/P0

_1+i_ = _P1_
 1+r   P0

[r:自然利子率]

P0=__B0+B1/(1+i)__
     s/(1+r)

(#4,191頁)

アーヴィング・フィッシャー (Irving Fisher), 1867-1947.

原ページ
 
Google 
WWW 検索 cruel.org 検索

 アーヴィング・フィッシャーは、非凡な数学的能力を持った最初期のアメリカ新古典派の一人だ。かれは新古典派限界革命に無数の貢献をしている。以下に挙げるのはそのごく一部でしかない:
  1. 1892 年のワルラス流均衡価格理論への貢献 (かれは無差別曲線の考案者でもある)
  2. 資本と投資理論に関する大著群 (1896, 1898, 1906, 1907, 1930)。これはオーストリア学派の期間をまたがる理論を英語圏に紹介し、その中でかれは「ストック」と「フロー」がちがうということ、フィッシャー分離定理 (Fisher Separation Theorem) と、貸付資金 説(金利が貸し出し可能資金量で決まるという理論)を導入している。
  3. 有名な貨幣数量説の再興 (1911, 1932, 1935)
  4. 物価指数 (index numbers) の理論 (1922)
  5. フィリップス曲線 (1926)
  6. 債務デフレ理論 (1933)。これはポストケインズ派経済学にも影響を与えている。
 このイェール大の経済学者はエキセントリックで華々しい人物だった。1892 年に博士論文を書いたとき、フィッシャーは自分の価格理論を説明するためにポンプ、車輪、レバーやパイプでできたすごい機械を作り上げた――その草稿
第二のプロトタイプを見て欲しい。
社会的には、かれは優生学と健康食品の熱心な支持者だった。そして可視型インデックスカード方式――今日ロロデックスとして知られるもの――で一財産築き、また銀行に対するリザーブ 100 パーセントを求めるように主張した。1929 年のウォール街暴落で、かれは財産を失い、またそのほんの数日前に投資家に対して株価は高すぎませんよ、単に新しい永続的な踊り場に出たんですよ、と保証していたので、評判も地に落ちた。(訳注:その後かれは、アメリカにおけるリフレ政策導入を提言し、成功させる)。

アーヴィング・フィッシャーの主要著作

アーヴィング・フィッシャーに関するリソース


Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices - Irving Fisher - Google ブックス
https://books.google.co.jp/books?id=djIoAAAAYAAJ&pg=PA1&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false




個人Iがその所得を財A,B,C,……Mに配分する…(邦訳32頁)













部分的にゲゼルのIVA図解に似ている。影響を受けたとしたら時系列的にはゲゼルの方か?
全体の構成はマルクス再生産表式に近い。
こうした物理的発想で交換方程式を発見したのだろう。

第1部 各財のみの量に依存すると仮定した各財の効用

エネルギーは力と距離の積…

類推の対照表(邦訳104頁)
[力学]         [経済学]
質点           個人
空間           財
力            限界効用または限界非効用
仕事           非効用
エネルギー        効用

縦座標は財の単位に対する限界効用を表わす。(邦訳41頁)

栓Iを押す。これはIの所得を増加するというのと同じ…(49頁)

I,II,IIIはこの場合それぞれ富者、中産者、貧者を表す。(50頁)


追記:
国際連盟はフィッシャーのアイデアらしい。(171頁解説)

再版時の書評:
寺尾琢磨 三田会雑誌 1926/11より
慶應義塾経済学会
http://web.econ.keio.ac.jp/org/kes/ja/pub/
慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/listitem.php?index_id=9550
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/AN00234610-19261101-0141.pdf?file_id=84640


《第一部は一貨物の利用は単に該貨物量のみの函数と見做し…》
《[#1(2)]物理学及び液体静力学機械に比較…》
交換問題を脱明するに氏は幾何図形よりも機械學の理を応用する。曰く「経済学者にして斯学と機械學との対比を毫も試みざる者は殆ど無い。…equilibrium, stability,clasticity, expansion, inflation etc. etc.。》
《「…数学は灯火である。之に従って従来朦朧たりしものを正確に曝露する。…」













《ジェヴォンズはあからさまに「一つの快楽が他の快楽の正確に何倍であるかを確言することはほとんどあるいは全然不可能である」(経済学の理論)と告白している。
われわれの最初の問題は二つの無限小の効用の比を見出すことである。もし、個人Iが1年に100塊のパンを消費するとすれば、最終の無限小の効用、あるいは観念をはっきりさせるために最終のひと塊りの効用は、彼が150塊を消費した場合のその効用よりも大であると推定せられる。その比とは何であるか。それは100番目の塊と150番目の塊の効用を第三の効用と比較することによって見出される。この第三の効用を(.例えば)石油の効用とし…
第100塊の効用=βの効用  全量はB
および
第150塊の効用=β/2の効用  全量は同じくB
であるときその比は次式によって定義せられる。
第100塊の効用/第150塊の効用=β/(β/2)=2     》
フィッシャー『価値と価格の理論の数学的研究』(邦訳7~8頁)

「フィッシャー方程式」について考える|ユウ坊の経済を考えるブログ
2014-06-17 11:03:27
テーマ:

「フィッシャー方程式」とは“アーヴィング・フィッシャーの理論(「利子論」)で展開されたもので

『名目利子率=実質利子率+期待インフレ率』

となること“をいう。フィッシャー方程式について考える。「フィッシャー方程式」は、『フィッシャーの交換方程式』とは異なることに注意されたい。

 「フィッシャー方程式」については、マクロ経済学の分野で論争というか、ケインズ派と新しい古典派の間で異なった見解がなされている。
 すなわち、ケインズ派では、まず、『流動性選好説』、つまり、貨幣市場で名目利子率が決定し、その後に期待インフレ率(物価水準)、実質利子率が決定すると考える。
 しかし、新しい古典派では、『貸付資金説』、すなわち、実物市場(投資と貯蓄の均等)で実質利子率が決定し、その後に期待インフレ率(物価水準)、名目利子率が決定すると考える。

 ケインズ派と新しい古典派の考え方の相違は、金融政策の相違となる。ケインズ派では、『金融緩和によって名目利子率を引き下げることによって、投資を誘発しよう』と考える。つまり、金融政策のターゲットに名目利子率を置く。一方、新しい古典派では、『利子率は政策目標とはならない』と考える。実質利子率が実物市場で決定し、貨幣数量説によって物価水準が決定するので金利は金融政策のターゲットとならず、マネタリストによれば金融政策に利子率を置くと誤導になるとしている。

 これは、少し難しい話になるが、ケインズ派では『貨幣ヴェール観※』がなく、新しい古典派では『貨幣ヴェール観』があるとする。『これによって上記のような相違が生じる』と考える。
※ 貨幣ヴェール観とは貨幣は実物経済の規模とは無関係であることを意味する。古典派の二分法ともいう。

 ケインズ派及び新しい古典派のどちらも 「フィッシャー方程式」が成り立つことに相違はないと考えているが、その決定過程や要因が相違するものと考える。


フィッシャー方程式 ~ インフォバンク マネー百科
http://money.infobank.co.jp/contents/H300128.htm

 ふぃっしゃーほうていしき
 Fisher Equation
 フィッシャー方程式とは、実質金利名目金利から期待(予想)インフレ率を引いたものに等しいという関係(名目金利実質金利に期待インフレ率を加えたもの)を指し、米国の経済学者であり統計学者でもあるアーヴィング・フィッシャー(I.Fisher)の理論(1930年、「利子論」)によるものです。預金債券金利や借入れの金利などはすべて名目金利によっており、名目金利にはインフレの進行による実質の金利収入や金利負担の目減り分などは考慮されていません。しかし、実際の経済活動に影響を与えているのは実質金利であり、名目金利実質金利はこれを区別してみる必要があります。ケインジアンたちは、マネーストックを増やせば、流動性選好理論から単に金利は下がり景気を刺激すると考えるのに対して、マネタリストたちは、マネーストックを増加させれば、短期的にはともかく長期的に見れば人々の物価上昇期待の高まりとともに実質金利が上昇を始め、フィッシャー方程式から名目金利も上昇していく結果になると考えます。このように期待インフレ率の変化が名目金利の変化に影響を及ぼす過程をフィッシャー効果と呼んでいます


"[Monsieur Locke] a bien senti que l'abondance de l'argent encherit toute chose, mais il n'a pas recherche comment cela se fait. La grande difficulte de cette recherche consiste a savoir par quelle voie et dans quelle proportions l'augmentation de l'argent hausse le prix des choses" 
(R. CantillonEssai sur la Nature du Commerce en General, 1755: p.160)
ジョン・スチュアート・ミルが檻から解き放ってしまった獣とも言うべき、ヒュームの「純粋」数量説を最初に拾ったのはサイモン・ニューカム (1885) で、その後最も有名になったのがアーヴィング・フィッシャーによる Purchasing Power of Money (1911) での扱いだった。この貨幣数量説は、この二人の経済学者が導入した悪名高い "交換の等式 (equation of exchange)" であっさり表現できる:
MV = PT
ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準で T は取引水準だ。つまり古い数量説をニューカム=フィッシャーが述べ直すにあたり、3 つの基盤がある。まずはマネーサプライに対して V と T は固定されていること。第二に、お金の供給は外生であること。第三に、因果関係は左辺 (MV) から右辺 (PT) に向かうこと。
この最後の二つの基盤が一番大事だ。というのも以前見たように、リカードは最初の説は認めたけれど、因果律を逆にして、マネーサプライを内生にしたからだ。スミスソーントンヴィクセルもまた、マネーは内生にしていた。
つまり貨幣数量説のお話はこんな具合だ:V と T は固定で M は外生だから、お金の供給が増えれば価格水準は正確に比例して増える。だからマネーサプライの拡大は物価インフレを引きおこす。
でもこんな物言いは、あまり理論的基盤がないし、カンティリョンも冒頭の引用文で尋ねているとおり、これってはっきり言って、なぜそうなるわけ? この点でフィッシャーもニューカムも、ちょっと口ごもる。財の供給は、経済の「リアルな側」で与えられるし、セイの法則によって財の需要がそれに伴う。でも、なぜかは知らないけれど(その理由は一度も説明されないから)、交換にはお金が必要不可欠だってことになってる。これは制度的にそうなってる、というわけ。取引にはお金が必要で、だからエージェントたちは、取引を行うためにある程度のお金を要求する。さっきの式を変形して M/P = T/V としてやろう。ここで T/V はいまや、制度的な制約 V が与えられたときに T の水準の取引を満足させるために必要なマネー需要となる。
産出がリアル側で与えられて、お金の需要は制度的な仕組みからくるなら、V と T はほぼ固定だ。すると残った変数は M と P しかない。上の等式が常に成り立つなら、M が上がれば同じだけ P もあがる。これは貨幣数量説を述べ直したことになる。
でもこれだけですでにちょっと変だ。相変わらずカンティリョンの質問には答えていない:つまり、はっきり言ってどういう仕組みでそれが起きるの? 実はこれに対するまともな答えが出てくるのはずっと先になってからだ。でもフィッシャーは、かなりおおざっぱとは言え考え方だけは出している。M が増えて T/V が固定なら、 M/P > T/V となる。つまりお金の供給(マネーサプライ)はお金の需要よりも大きい。人々は余って供給されたお金を、あらゆる財をもっと要求することで処分する。これによりあらゆる財の価格(つまり P) は上がり、やがてその追加の需要が吸い取られる。ちなみに、マネーサプライの実質価値は実質マネー需要の水準 (T/V) に引き下ろされて、再び均衡に戻る。
つまりこの説明は、左手側の因果律を理論的に正当化するものとなる。マネーサプライの上昇は、きっかり同じ比率の価格上昇で迎えられる。これがフィッシャー (1911: p.29) 言うところの「正真正銘」貨幣数量説だ。
いくつか重要な点を指摘しておこう。まず、この話が成り立つには、T/V が安定してなきゃいけない。言い換えると、取引需要との関係で安定したマネーの需要関数が必要だ。そしてまさに、ミルトン・フリードマンとアンナ・J・シュワルツの有名な 1963 研究は、この安定した関係を実証的に明らかにしようとしたものだ (うちの マネタリズムの議論を見てね)。
第二に、アーヴィング・フィッシャーはリアル側とマネー側との二律背反を繰り返し強調している。お金はリアルの世界に影響を持たないよ、というわけ。でもフィッシャーは本気でそんなことを信じていたんだろうか? ある意味で、それは不可能だったはずだ。だって、マネーサプライが増えると財の需要が増えるって言ってるでしょ。だから財に対する「リアル」(実質)需要は、「名目」マネーに左右されちゃうってことだ。でも、これって当のフィッシャーが「お金の幻影」といってバカにしていたことでは? フィッシャーのお話はすてきだけれど、まちがってる――それはかれがセイの法則が成り立つことを前提にしているからだ。これについては後でパティンキン論争を説明するときにもっと出てくる。
でも、他にもいくつか重要な点がある。初期の貨幣数量理論家たちは、ミルを見ればわかる通り、分配の格差やセクターごとの過剰キャパシティ、金融仲介といった議論と頑張って格闘していた。厳密な貨幣数量理論は、長期的な理論でお金の「ヘリコプターばらまき」に依存するものとしか思われていなかった。特にフィッシャーは、「新しい均衡が確立した後の(そんな均衡などという条件がそもそも確立することがあるなどと言えればの話だが)永続的・究極的影響とは別に、移行期における一時的な影響」(Fisher, 1911: p. 55-6) の議論にかなりの力を割いている。かれは「『貨幣数量説』は移行期には厳密にも絶対的にも成立しない」 (Fisher, 1911: p.161) とあっさり述べている。この意味で、フィッシャーはヒュームとはちがって、後の新古典派経済学者たちが思ったほどにはこの二律背反をガチガチに信じていたわけじゃない。
フィッシャーの最も有名な発見の一つは、credit cycleで、これは各種の影響を取り入れている(ただし総需要や総産出に関するかれのすばらしい詳細がどんな影響をもたらすか知らない、ということが大きなマイナスではあるけれど)。フィッシャーのお話の主要部分は、サイクルはもっぱら、(インフレに比べて)調整のおそい金利水準によるのだ、ということだ。このお話だと、厳密な貨幣数量説はセイルつぃない。というのも速度や実質金利へのリアルな影響があるからだ(そして産出への影響もちょっとある)。でもここでも、かれが提示している考え方は移行期の現象についてだ。長期的には、調整の遅れも追いついてきて、貨幣数量説が戻ってくる。金利の変化は一対一対応で価格変化をもたらす。さもないとクレジットサイクルが生じて貨幣数量説も崩壊する。
最後に、フィッシャーのマネー需要に関する議論を強調しておこう:
「つまり貨幣数量説は究極的には、あらゆる人間の財の中でお金だけが持っている根本的な特異性に依存している――つまりそれがそれ自体では人間の欲望を満たすことはなく、欲望を満たすようなモノを買う力しかない、ということだ」
(I. FisherPurchasing Power of Money, 1911: p.32; 強調原文ママ)
つまり、お金は「取引需要」、つまり交換の媒体としてだけ需要されるだけだ。それ以外にお金を持ちたいという動機――投機、価値の保存、万が一のため等々――はフィッシャーのお話にはまったく含まれていない。


フィッシャー効果 / Fisher Effect - Technical Tips - - Archives

autantlevent.sakura.ne.jp/memo/fisher.shtm
フィッシャー効果:Fisher Effect. 経済学者フィッシャー (Irving Fisher :1867-1947) の 考えた理論。 インフレ対策のお話の時によく出てくる言葉。 単に「名目金利と実質金利と の関係」を言っているだけ。単純。 物価上昇率が高い経済(インフレな状態)では金利( ...

フィッシャー効果 意味・解説 : 金融用語辞典 - 転職×天職

ten-navi.com>...>金融の転職求人特集>転職×天職 金融用語辞典
フィッシャー効果とは、現実の物価上昇から生じる人々のインフレ期待が名目利子率に 織り込まれる効果のことです。

フィッシャー効果 証券投資用語辞典

secwords.com/フィッシャー効果.html
フィッシャー効果 証券用語辞典は、株式投資・金融・証券・債権などの用語を分かり やすく説明する用語集です.

フィッシャーの方程式

hakase-jyuku.com>...>貨幣とインフレーション
すなわち名目利子率とは、実質利子率とインフレ率の和だということである。 そしてこの 方程式によるとインフレ率の1%の上昇は名目利子率の1%の上昇を招く。 インフレ率の 変化と名目利子率の変化が1対1の関係にあることを特に「フィッシャー効果」と呼ぶ。

フィッシャー効果とは? | 経済用語集 - 投資用語集

www.glossary.jp>投資用語集>経済用語>経済学
米国の経済学者であり統計学者でもあるアーヴィング・フィッシャー(Irving Fisher)により 提唱された、現実の物価上昇から生じるインフレ期待が名目利子率に織り込まれる効果 (名目利子率=実質利子率+期待インフレ率)のこと。

フィッシャー効果(Fisher effect)とは…経済学の基本|医学部受験生 ...

ameblo.jp/katekyu-osaka/entry-11969103255.html
フィッシャー効果(Fisher effect)とは、現実の物価上昇から生じるインフレ 期待にが名目 利子 率に織り込まれる効果のこと。I.フイッシャーにより提唱された。フイッシャー効果は 名目利子 率が実質利子 率と期待インフレ 率を加えた水準に等しく ...

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追記:
アーヴィング・フィッシャーIrving Fisher
Booms and Depressions, 1932.










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フィリップス曲線で有名なフィリップスによる、
MONIAC、Monetary National Income Analogue Computer(貨幣的国民所得自動計算機)1949
http://wired.jp/2014/12/05/moniac/
The Reserve Bank Museum | Activities | The Moniac | Introduction
    所得 →
 ┏━━━━━━━━━┓
 ┃     ┏━━━┻━━━税
 ┃[可処分所得]      ┃
 ┃ 消費━━┻━━貯蓄   ┃
 ┃ ┃      ┃    ┃↓
所得 ┃ [投資貯蓄・信託]☆┃
 ┃[消費]    ┃    ┃
 ┃ ┗┳━━━━━投資   ┃ 
 ┃  ┗┳━━━━━━━━政府購入
 ┃[国内消費]
 ┃   ┏┻━━━━━━━━━輸入
 ┃   ┃          ┃
 ┃   ┃        [貿易収支
 ┃   ┃          ┃
ポ┃   ┗┳━━━━━━━━━輸出
ン┗[国民所得
プ  ←
 [ ](本来だとアンダーラインのみ)はタンク=ストック機能、☆はバルブ=利率調節機能
(元モデルで本来なら税は内側(左側)だが、ニュージーランドの銀行のサイトに従った)
Bill Phillips Moniac Economic Analog Computer アラン・マクロビー教授による解説
https://youtu.be/rVOhYROKeu4
ちなみに、フィリップス曲線のアイデアはフィッシャーだし、水を使った上も明らかにフィッシャーの影響を受けている。


アカロフが引用しているのは以下、

Fisher, Irving. 1928. The Money Illusion. New York: Adelphi. 邦訳フィッシャー『貨幣錯覚』(山本米治訳,日本評論社,1930).

国立国会図書館デジタルコレクション - 貨幣錯覚

 インターネット公開  図書館送信資料  国立国会図書館内限定
貨幣錯覚 
標題
目次
第一章 貨幣錯覺の一瞥/1
第二章 貨幣價値動搖の大いさ/18
第三章 何故貨幣は變動するか/29
第四章 インフーション及びデフレーションの直接弊害/53
第五章 インフレーション及びデフレーションの間接弊害/87
第六章 我々は何を爲し得るか/105
第七章 銀行は何を爲し得るか/124
第八章 政府は何を爲し得るか/144
附錄
第一部 貨幣安定策の梗槪/185
第二部 今後の硏究問題/201
第三部 著書目錄/206
第四部 諸文献の引用/226

著作:ジョージ・アカロフ、ロバート・シラー
訳:山形浩生
価格: 2,200円+税176円
3.30(31件)
シラー教授は2013年に、アカロフ教授は2001年にノーベル経済学賞を受賞。ともにノーベル賞を受賞した、主流のなかの主流の二人が、主流派経済学のあり方を批判しつつ、「人間」を軸に据えたマクロ経済学が必要だと説いた意欲作。偉大な経済学者ジョン・メイナード・ケインズが代表作『雇用、利子、お金の一般理論』で提示したアニマルスピリットと、経済学の新しい分野である行動経済学の成果を組み合わせて、危機に陥った現実経済の説明を試みる。「金融学とは金儲けのための学問ではない。人間行動の研究である」というシラー教授の基本思想どおりに、人間のアニマルスピリット(衝動、血気)を安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語といった要素に分解して、それぞれがアメリカの有名な経済現象にどう関与していたかを紹介していく。たとえば、・1991年ころのS&L危機・2001年ころのエンロン問題・2007年ころのサブプライムローン問題などだ。もっと古い経済問題では、1890年代の不況や、1920年代の過熱経済、1930年代の大恐慌も分析の対象となっている。本書自体が、説得力のある一つの物語となっているようだ。本書が刊行された2009年当時、金融危機で途方に暮れていた当局に対して、本書は独自の分析と鋭い政策提言を行い、注目を集めた。専門家ではない人も読めるタイムリーな経済書として、世界各国で読まれた。日本でも、週刊ダイヤモンドの2009年ベスト経済書ランキングで、堂々1位に輝いている。一流の経済学者がどのように経済を見ているかを追体験できる本。
【主な内容】
第I部 アニマルスピリット 
第1章 安心とその乗数 
第2章 公平さ 
第3章 腐敗と背信 
第4章 貨幣錯覚 ☆
第5章 物語
第II部 八つの質問とその回答 
第6章 なぜ経済は不況に陥るのか? 
第7章 なぜ中央銀行は経済に対して(持つ場合には)力を持つのか? 
第8章 なぜ仕事の見つからない人がいるのか? 
第9章 なぜインフレと失業はトレードオフ関係にあるのか? 
第10章 なぜ未来のための貯蓄はこれほどいい加減なのか? 
第11章 なぜ金融価格と企業投資はこんなに変動が激しいのか? 
第12章 なぜ不動産価格には周期性があるのか? 
第13章 なぜ黒人には特殊な貧困があるのか? 
第14章 結論
…フィッシャーはわれわれがコーラと呼ぶ女性の悲惨な物語がことさらお気に入りのようだ。フィッシャーは、コーラと一緒に彼女の投資顧問を訪れたという。コーラは債券で五万ドル持っていたそうな。これは一九二八年には相当な金額だったろう。だが二〇年前の彼女はもっと裕福だった。コーラがその債券を相続してから二〇年の間に、ポートフォリオの名目値は変わらなかった。だがフィッシャーによれば、物価はほとんど四倍増したとか★2。というわけで次の場面は、フィッシャーと、かれにかなり怒られたコーラとが一九二八年頃の投資顧問のオフィスにいるところだ。投資顧問は弁解している。自分はコーラのポートフォリオを安全に投資して最低限のリスクしか取らなかったのだ、と。でもフィッシャーは怒っている。投資顧問がインフレのリスクを理解し損ね、ドルの実質価値が変わっていることを考えなかった、と。
  フィッシャーはまた、コーラがインフレの発生に気がつかず、債券の実質価値が下がる可能性も知らなかったと述べる★3。

★2 Fisher(1928,pp.75-78).われわれのもっと現代的な計算によれば,価格増は2倍に近いようだ. ★3 Ibid.,pp.3-18.

アカロフの要約は誤解を生む。フィッシャーはドルの不安定性を教えるような経済学を知らないことで貧しい人が一部の投資家の犠牲になっていると主張しているのだ。


NAMs出版プロジェクト: アカロフ=イエレン、「景気循環の近似合理的なモデル」(1、2)


  • 1928, The Money Illusion(貨幣錯覚), New York: Adelphi Company. Scroll to chapter-preview links.

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Thaler, Richard H. 2015. Misbehaving: The Making of Behavioral Economics. New York: W. W. Norton & CompanyISBN 978-0-393-08094-0.
  • リチャード・セイラー著 遠藤真美訳『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年

    1921年

「将来を見透すわれわれの望遠能力には欠陥があり……したがって、将来の快楽は小さく見えてしまう」というピグーの言葉はよく知られている(5)。


5 Pigou (1932),時間選好の概念の変遷が見事に概括されているLoewenstein (1992)に引用.



Loewenstein, George. 1992. “The Fall and Rise of Psychological Explanations in the Economics of Intertemporal Choice.” In George Loewenstein and Jon Elster, eds., Choice Over Time,. 3-34. New York: Russell Sage Foundation.


http://www.cmu.edu/dietrich/sds/docs/loewenstein/FallRise.pdf

p.15

#11

異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…

「…雨漏りのする屋根をけっして修繕しなかったという1人の農夫の物語…」

「禁酒令以前には、土曜日の晩に家に帰る途中で酒場の誘惑に抵抗することができなかった職工」にも、冷ややかな目を向けている。

(邦訳『利子論』70頁(図),82~84頁(職工の実例))

1776年のアダム・スミスを見ても、1930年のアーヴィング・フィッシャーを見ても、経済学者がヒューマンを見据えて異時点間選択を考えていたことはまちがいない。

1930
Fisher, Irving. 1930. The Theory of Interest: As Determined by Impatience to Spend Income and Opportunity to Invest It. New York: MacMillan. [『利子論』気賀勘重・気賀健三訳,日本経済評論社]

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経済論戦は甦る 単行本 – 2002/10(2007文庫化)

。。。。。。

表紙はシュンペーターとフィッシャー

竹森は1927年のムッソリーニ、1932年のフーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだ。竹森はフィッシャーの以下を参照している。

  • Stabilizing the Dollar, 1920.
  • The Making of Index Numbers: A study of their varieties, tests and reliability, 1922.

★★

THE ROLES OF DEBT AND DEFLATION 
24. Assuming, accordingly, that, at some point of time, a state of over-indebtedness exists, this will tend to lead to liquidation, through  the alarm either of debtors or creditors or both. Then we may deduce the following chain of consequences in nine links:
 (1) Debt liquidation leads to distress selling and to
 (2) Contraction of deposit currency, as bank loans are paid off, and to a slowing down of velocity of circula- tion. This contraction of deposits and of their velocity, precipitated by distress selling, causes
 (3) A fall in the level of prices, in other words, a swelling of the dollar. Assuming, as above stated, that this fall of prices is not interfered with by reflation or otherwise, there must be
 (4) A still greater fall in the net worths of business, precipitating bank- ruptcies and 
(5) A like fall in profits, which in a "capitalistic," that is, a private-profit society, leads the concerns which are running at a loss to make
 (6) A reduction in output, in trade and in employment of labor. These losses, bankruptcies, and unemployment, lead to
 (7) Pes- simism and loss of confidence, which in turn lead to
 (8) Hoarding and slowing down still more the velocity of circulation. 
 The above eight changes cause
 (9) Complicated disturbances in the rates of interest, in particular, a fall in the nominal, or money, rates and a rise in the real, or commodity, rates of interest. 

いま、ある時点で、過剰債務の状態が起こっていたとしよう。それはやがて、債務者もしくは債権者(あるいは両方)がパニックを起こして、「債務の清算」へと走る結果を生む。これを受けて、つぎのような九項目の連鎖反応が起こるだろう。
①「債務の清算」の結果、「投げ売り」が発生する。
②銀行ローンが繰り延べされないことにより、「預金通貨の減少」が生まれ、同時に「貨幣の流通速度の低下」が起こる。「投げ売り」によって生じた、預金通貨と貨幣流通速度の減少とは、つぎに、
③「物価水準の下落」、いい換えれば「ドルの価値の上昇」を生む。もしも、この物価水準の下落がリフレ政策によっておさえられない場合には、つぎに、
④「企業の純資産価値のさらなる低下」が生まれ、その結果、「破産」が起こる。そして、
⑤「利潤の低下」が起こり、それが損失を生んでいる私企業に、
⑥「生産」、「販売」、「雇用」の削減をうながす。このようにして、「損失」、「破産」、「失業」が積み重なる結果、
⑦「悲観論」と「自信喪失」とが生まれる。そのためさらに、
⑧「買い控え」が起こり、それがさらにいっそう、「貨幣の流通速度の減少」を深刻なものとする。こうした八項目が重なった結果は、
⑨「利子率の複雑な攪乱」である。すなわち、名目利子率は低下するのに、実質利子率は上昇するのである。 

まとめ:
「債務の清算」の結果、
①「投げ売り」
②「預金通貨の減少」が生まれ、同時に「貨幣の流通速度の低下」
③「ドルの価値の上昇」
④「企業の純資産価値のさらなる低下」が生まれ、その結果、「破産」
⑤「利潤の低下」
⑥「生産」、「販売」、「雇用」、の削減=「損失」、「破産」、「失業」
⑦「悲観論」「自信喪失」
⑧「買い控え」、「貨幣の流通速度の減少」が深刻化
⑨「利子率の複雑な攪乱」=名目利子率は低下するのに、実質利子率は上昇。

フィッシャー1933年(竹森 2007年129~130頁)

大恐慌の検証であるとともに予言、清滝ムーアに先行する認識。


竹森俊平『経済論戦は甦る』日経ビジネス人文庫 2007
https://www.amazon.co.jp/dp/4532193826/

竹森俊平『経済論戦は甦る』(2002,2007)ではコラム的に簡潔に清滝・ムーアモデルに先行するフィッシャーを伝える。
本書の文庫版は表紙がいい。シュンペーターとフィッシャーを使っている。
ハイエクとケインズで語られる問題をさらに金融問題として具体的に展開している。執筆動機的には対小泉経済改革路線の時事的な意味が大きかっただろうが、普遍的に読める。
竹森(というよりフィッシャー)はリーマンショック以前に、過去の恐慌の検証からリーマンショックを予見していると言える。
リーマンショック以降に出た本で私はそれを予見していたという本はあるが、本書は違う。
アーヴィング・フィッシャーは再評価されるべきだ。
例えばフィリップス曲線はフィッシャーが発見している。
フィッシャー・フィリップス曲線と呼ぶべきだ。
恐慌で財産をなくした事が喜劇的に語られる事が多いが、当時の映像を見るとパニックを止めるために率先して投資し続けたのかもしれないと思わせる。
https://youtu.be/e_Im69cn1tw
伝記としては吉川洋『経済学をつくった巨人たち』(2001)の小文がいい。
これらは対デフレ理論的に再評価したものだ。
なおフィッシャーは実体経済を見ているのでマネタリストではない。フリードマンはフィッシャーの一部しか見ていない。
リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』では行動経済学的にフィッシャーが再評価されている。
フィッシャー邦訳は『価値と価格の理論の数学的研究(1892,訳1981)』『貨幣の購買力(1911,訳1936)』『貨幣錯覚(1928,訳1930)』『利子論(1930,訳2011)』等。『スタンプ通貨(1933,訳2018?)』(一部邦訳は雑誌に既出)の邦訳が待たれる。

竹森は1927年のムッソリーニ、1932年のフーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだ。竹森は主にフィッシャーの以下を参照している。

"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, Econometrica.https://campus.fsu.edu/bbcswebdav/users/jcalhoun/Courses/Growth_of_American_Economy/Chapter_Supplemental_Readings/Chapter_23/Fisher-The_Debt_Deflation_Theory.pdf 

以下、竹森本エピグラフ(&109頁):

 つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へと戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。

アービング・フイッシャー、1931年。

8. There may be equilibrium which, though stable, is so delicately poised that, after departure from it beyond certain limits, instability ensues, just as, at first, a stick may bend under strain, ready all the time to bend back, until a certain point is reached, when it breaks. This simile probably applies when a debtor gets "broke,"or when the breaking of many debtors constitutes a "crash," after which there is no coming back to the original equilibrium. To take another simile, such a disaster is somewhat like the "capsizing" of a ship which, under ordinary conditions, is always near stable equilibrium but which, after being tipped beyond a certain angle, has no longer this tendency to return to equilibrium, but, instead, a tendency to depart further from it. 
p.339


  • Stabilizing the Dollar, 1920.
  • The Making of Index Numbers: A study of their varieties, tests and reliability, 1922.

竹森俊平『経済論戦は甦る』(2007)日経ビジネス人文庫 2007

https://www.amazon.co.jp/dp/4532193826/

メディア掲載レビューほか

経済論争の正しい愉しみ方
「今日の日本の経済学者は、1930年代の大恐慌の時と同じくらい、経済学の進路にとって重要な状況に立たされている」。著者である竹森俊平・慶応義塾大学経済学部教授は、構造改革の是非に揺れ動く我が国にあって、マクロ経済学的視点に基づく意思決定こそが国の命運を左右すると論じる。

とはいえ、理論と現実の狭間で意見を180度転換させる経済学者に対しては風当たりも強い。大恐慌の際、「財政金融政策を講じなければ経済は『デフレ・スパイラル』に陥って崩壊する」と説いたのは米国の経済学者アービング・フィッシャーであった。一方、世に言う「フィッシャー効果」とは「インフレ対策が無効になる可能性を示唆したもの」である。著者はこれを「矛盾」とは解さず、常に新たな難問に対峙する経済学者の宿命であり、真摯な姿勢であると位置づける。

フィッシャー理論の対極には、オーストリアの経済学者シュンペーターが説いた「創造的破壊」、すなわち不況の破壊力で企業、雇用、資産の非効率なものを一掃してしまえという「清算主義」がある。著者は、小泉純一郎内閣による構造改革の思想をそれに重ね合わせることで、マクロ経済の視点から改革の落とし穴を検証し日本経済の行く末に警鐘を鳴らす。


(日経ビジネス2002/11/11Copyright©2001日経BP企画..Allrightsreserved.)
-- 日経BP企画 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容紹介

日本経済の低迷からの脱出策をめぐって、百家争鳴・甲論乙駁の論争が行われている。本書は、まるで小説を読むように、楽しみながら経済論争の論点を学べる。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

不況の最中に、緊縮的な政策をスローガンにするとはどういう神経か―。日本経済の「失われた15年」をもたらした経済政策の失敗を完璧に解説した名著。フィッシャー、シュムペーターという二大経済学者の理論的対立とからめて、昭和恐慌、世界恐慌からの歴史的教訓を引き出している。第4回読売・吉野作造賞受賞。

内容(「MARC」データベースより)

日本経済の低迷からの脱出策をめぐって、百家争鳴・甲論乙駁の論争が行われている。アービング・フィッシャーの経済思想と人生のストーリーを織り込みながら、経済学者にも焦点を当て、日本経済の現状を分析・検討。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

竹森/俊平
慶應義塾大学経済学部教授。1956年東京生まれ。81年慶應義塾大学経済学部卒業。86年同大学院経済学研究科修了。同年同大学経済学部助手。86年7月米国ロチェスター大学に留学、89年同大学経済学博士号取得。著書『経済論戦は甦る』で、第4回読売・吉野作造賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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"Stabilizing The Dollar"メモ

Full text of "Stabilizing The Dollar"
https://archive.org/stream/stabilizingthedo031282mbp/stabilizingthedo031282mbp_djvu.txt


google transrate
https://translate.google.co.jp/translate?hl=ja?sl=en&tl=ja&u=http%3A//nam-students.blogspot.jp/2017/10/full-text-of-dollar.html



「コモディティ・ダラー」の考え方を、フィッシャーはつぎのように説明している。

《 一ドルによっては、つねに同じだけのパン、バター、ベーコン、大豆、砂糖、衣服、燃料、その他必需品の集計量が買えるようにすること。これがわれわれの求めている一ドル価値の決定法である。》(Fisher 1920)


ようするに、「ドル」の購買力をつ組に一定に保つという提案なのだがヽそれは同時に価値の尺度としての「ドル」を確立するということでもある。

《 ヤード尺度、ボンド重量、ブッシェル容積、馬力、ボルト電力といったような、「ドル」以外のすべての商業に関係する単位をわれわれが標準化し、安定化させたのと同じように、いちばん肝心の「ドル単位」についても標準化、安定化をはかることが必要なのである。》

56~7頁

第1章 二人の経済学者、二つの経済ビジョン

人間は貨幣錯覚を持つ
 しかし、フィッシャーがこの提案をしている一九二〇年に、アメリカはすでに「金本位制」に復帰している。「金本位制」はもともと、物価安定化のために有効な通貨システムではなかったのだろうか?
 いや、「金本位制」は、今日、われわれが考えるほどには、物価を安定させなかった。そこが問題だ。この通貨制度のもとでは、世界全体の国内総生産の成長率が、世界全体の金生産の成長率を上回るたびに、貨幣不足が生まれて、「デフレ」つまり物価の下落が生じた。とくに一八七〇年から一八九〇年代中ごろまでは、金の生産が停滞したことが一因で、長期のデフレが続き、農産物価格は六〇%から七〇%も下落している。

《 このようなことが二度と起きないようにするためには、金本位制を修正することが必要なのである。誰かが私に、この提案はゴールド・スタンダード(金本位制)を放棄するものではないかと聞いてきたときには、私は、いや、それはゴールド・スタンダードにスタンダード(基準)をあたえる試みなのだと答えることにしている。しかし、現行の金本位制を修正する試みかと聞かれれば、そのとおりだということになる。購買力指数が安定するようにそれを修正するのが意図なのだから。》


だが、現行の金本位制のどこをいじればよいのか?

《 簡単だ。 一ドル金貨の重量を適切に変更していくのである。現在の一ドル金貨というものは、重量を固定されているために、その価値が変動する。われわれが必要としているのは、購買力を固定するために、その重量が物価水準に応じて変更されていく一ドル金貨なのである。》

 一九世紀後半の長期にわたるデフレにおいて、アメリカの農家には、債務が支払えなくなって破産するものが続出した。じつは、このときにデフレをこと細かに観察し、デフレ…



(参考:
Full text of "The making of index numbers; a study of their varieties, tests, and reliability"
https://archive.org/stream/makingofindexnum00fishrich/makingofindexnum00fishrich_djvu.txt

 CHAPTER IV. A REMEDY 1.
SUMMARY BY SECTIONS xxxvii 
offered gets a hearing. Some of these are bad. Such was " free silver " proposed in 1896 and such is much of the reckless radicalism of to-day. 16. The Loss Is General. Few gain permanently either from rising or falling prices, for the envious losers contrive in some way to balk them, e.g. by sabotage. Again when prices fall foreclosures are forced which throw the management of industry into hands often ill fitted for the task. In short, in the end, almost every one loses from an unstable dollar. 17. Conclusion. An unstable dollar is the unsus- pected cause of many of the greatest events, including the greatest evils and injustices, which history records. Remedies Which Have Been Proposed. The 43 remedies proposed almost ignore the money side of the problem. They aim at economy and efficiency, and concern the problem of our incomes rather than that of the purchasing power of the dollar. 2. The Dollar the Only Unit as Yet Unstandardized. The dollar is now a unit of weight, not a unit of power to purchase goods, which is what we need. We have gradually stabilized or standardized every other unit used in commerce, including the yard, pound, bushel, horsepower, volt. Formerly these were as roughly defined as the dollar is now. The yard was once the girth of the chief. 3. An Imaginary Goods-Dollar. Two commodities like gold and silver make a better standard than one and many make a better standard than two. The dollar standard should be worth a specified bill of goods such as one board foot of lumber, fifteen pounds of coal, 



82 STABILIZING THE DOLLAR [CHAP. IV 
value or general purchasing power than is a pound of sugar or a dozen eggs. It is almost as absurd to define a unit of value, or general purchasing power, in terms of weight, as to define a unit of length in terms of weight, to define a yardstick as, let us say, any stick which weighs an ounce. What good does it do us to be assured that our dollar weighs just as much as ever? Does this fact help us in the least to bear the high cost of living? What we really want to know is whether the dollar buys as much as ever. We want a dollar which will always buy the same aggregate quantity of bread, butter, beef, bacon, beans, sugar, clothing, fuel, and the other essential things for which we spend it. There used to be a song about a shopkeeper who, being asked the price of a box of socks, replied, " One dollar a box." " I'll take the box/' said the customer, handing over his dollar; whereupon the shopkeeper took out the socks and handed over the box. " I sold you the box, not the socks," said he ! Our dollar is somewhat like that box. It keeps its form, but loses its content. The removal, in this case, is not intentional or committed by one of the parties to the contract, but so much the worse ! for the in- jured pa.rty has no recourse. It is as though the buyer of the box of socks were forced to agree in advance to let a bystander remove or insert socks ad libitum. What is needed is to stabilize, or standardize, the dollar just as we have already standardized the yard- stick, the pound weight, the bushel basket, the pint cup, the horsepower, the volt, and indeed all the units of commerce except the dollar. All these units of 

SEC. 4] A REMEDY 89 
the spot. When a man was about to make a cash pur- chase it was immaterial to him what the monetary unit was. But to-day if a man buys an article and promises to pay for it in three months, the case is different. When the time for payment arrives it is very important for him to know whether the " dollar " is the same as was contemplated when the agreement was made. With our modern contracts, running months, years, generations, or even centuries, including hundreds of billions of dollars' worth of agreements to pay money, promissory notes, mortgages, debentures, railway bonds, Government bonds, leases, insurance contracts, etc., the function of a standard of value, that is, a standard of deferred payments, has grown to be perhaps the more important of the two functions of money. Yet because our ancestors found a good medium of exchange we now find ourselves saddled with a bad standard of value. What we need to do, therefore, is to retain gold as a good medium and yet to make it into a good standard ; not to abandon the gold standard but to correct it ; not to rid ourselves of the gold dollar, but to make it conform in purchasing power to the composite or goods-dollar. Under the plan about to be presented, gold is retained ; and there is essentially the same mechanism by which it freely enters or leaves the circulation. But under this plan the gold dollar becomes a standard of value instead of a standard of weight. We now have a gold standard with the " standard " left out ! When I am asked with a horrified air, whether this proposal is not really one to " abandon the gold standard " I like to answer : " No ! it is to put the standard into the gold standard ! " But abandon the present gold standard, so called, it certainly does, by converting or rectifying it into conformity with the composite standard. 
p.90
5. Merely the Weight of the Gold Bullion Dollar to Be Varied But how can we rectify the gold standard ? That is the question which we set out in this chapter to answer. In brief the answer is : by varying, suitably, the weight of the gold dollar. The gold dollar is now fixed in weight and therefore variable in purchasing power. What we need is a gold dollar fixed in purchasing power and therefore variable in weight. I do not think that any sane man, whether or not he accepts the theory of money which I accept, 1 will deny that the weight of gold in a dollar has a great deal to do with its purchasing power. More gold will buy more goods. Therefore, more gold than 23.22 grains will, barring counteracting causes, buy more goods than 23.22 grains will buy. Therefore if the dollar, instead of being 23.22 grains, or about one twentieth of an ounce of gold, were an ounce or a pound or a ton of gold, it would, other things equal, surely buy more than it does now, which is the same thing as saying that the price level would be lower than it is now. A Mexican gold dollar weighs about half as much as ours and therefore has less purchasing power. If Mex- ico should adopt the same dollar that we have, no one 1 Thus B. M. Anderson, Jr., probably the ablest writer among the few who still dissent from the "quantity theory " in any form, nevertheless approves of the proposal to stabilize the value of a dollar by adjusting its weight.


アレックス・タバロック 「アーヴィング・フィッシャー ~過小評価の偉大なる経済学者~」 — 経済学101

http://econ101.jp/アレックス・タバロック-「アーヴィング・フィッ/

●Alex Tabarrok, “Irving Fisher: Underappreciated economist”(Marginal Revolution, November 30, 2009)


その成果に比べて過小評価されている経済学者は誰だろうか? コーエンはマルサスの名を挙げておりジョン・キャシディ(John Cassidy)はピグーだと答えている。私の頭に真っ先に浮かぶのは何と言ってもアーヴィング・フィッシャー(Irving Fisher)だ。フィッシャーを高く評価する意見はあちこちで見られるようだが(例えば、London BankerYves Smithによる評価を参照せよ)、その洞察の深さと思考の明晰さに比べるとフィッシャーの評価は依然としてあまりにも低いと言わざるを得ないだろう。

フィッシャーの洞察の深さを示す例として今や古典の一つとなっている彼の論文 “The Debt-Deflation Theory of Great Depressions(pdf)”(「大恐慌に関する債務デフレ(デット・デフレーション)理論」)の中から以下に少しだけ引用することにしよう。

以上に挙げた九つの要因は互いに絡み合うことで次のような連鎖反応を引き起こすことになるかもしれない。(1)多くの人々が債務の返済に向けてこぞって(商品や手持ち資産の)投げ売りに走り(「債務の圧縮」)、その結果として(2)銀行ローンの返済が進み、それにあわせて預金通貨残高が縮小する。また、投げ売りは貨幣の流通速度を低下させることにもなる。(投げ売りをきっかけとして生じた)「預金通貨の縮小」と「貨幣の流通速度の低下」を受けて、(3)物価水準が下落する――言い換えると、ドル(貨幣)の価値が高まる――(「デフレーション」)。このようにして生じた物価の下落がリフレーションをはじめとしたその他の手段や出来事によって打ち消されないようであれば、(4)各企業の純資産は物価下落のペースを凌駕する勢いで縮小し(「純資産の縮小」)、その結果として企業の間で破産が広がり始めるだけでなく、(5)企業の利潤も同様に(物価下落のペースを上回る勢いで)減少することになる(「利潤の低下」)。資本主義社会――言い換えると、営利企業が経済活動の主役を務める社会――においては、利潤がマイナスに転じた(赤字を出した)企業を中心として(6)生産や取引の縮小、雇用の削減に向けた動きが広がることになる(「生産や取引の縮小」)。このようにして生じた赤字や破産、失業の結果として、(7)人々の間で悲観的なムードが広がり、信頼感が大きく毀損されることで(「信頼感の毀損」)(8)貨幣を手元に退蔵する動きが広がり、その結果として貨幣の流通速度がさらに一層低下することになる。

そして以上の八つの変化の結果として(9)金利の複雑な変動が生じることになる。具体的には、名目金利――ドル単位で測った金利――は低下する一方で、実質金利――財単位で測った金利――は上昇することになるだろう。

このように「債務」と「デフレーション」という2つの要因には多岐にわたる現象を極めてシンプルかつロジカルなかたちで説明できるだけの大きな力が備わっているのだ。

名目金利だけではなく実質金利も低下するというように修正したら、今まさに我々が直面している状況を見事なまでに描写しているように見えないだろうか? さて、このような危機に対してフィッシャーはどのような解決策を講じているのだろうか? 引き続き引用することにしよう。

これまでの分析が正しければ、リフレーションを通じてこの種の不況を食い止めたり、防いだりすることはいつだって可能だということになろう。すなわち、貸し手と借り手の間で契約が結ばれた時点――既存の債権・債務関係が発生した時点――の平均的な水準にまで物価を引き上げ(リフレートさせ)、その後は物価をその水準に保てばよいのである。

物価水準を一定に保つというのではなくインフレ率を一定に保つというように修正したら、現代版の分析そのものだと言えないだろうか? この直後の文章では期待(予想)の重要性が匂わされており、「この文章はサムナーが書いたのではないか」と見紛うばかりである(いや、正しくはサムナーの分析の方こそがフィッシャーそっくりだと言うべきか)。

・・・適切な手段を用いることで、あるいは適切な手段が用いられそうだと見込まれるだけでも、それほど時間をかけることなく容易にデフレーションを反転させることができるということはルーズベルト大統領が実証しているところである。この点については図表のVIIとVIIIをご覧いただきたい。

最後になるが、次の引用文が示しているように、フィッシャーにとっては現在行動経済学の分野で語られているような話題も特段目新しくは感じられなかったことだろう。

金銭的な利得の獲得を目指して多くの人々が過剰なまでの債務を背負うに至る過程で観察される集団心理は次のようにいくつかの区別可能な局面を辿ることになる。 (a)株式を購入してからしばらく待っていれば巨額の配当が得られるに違いないという誘惑に満ちた最初の局面。 (b)配当の支払いを待たずとも近いうちに株価は上昇するに違いなく、そうなれば株を売ってキャピタルゲインを得られるはずだという希望に溢れる第二の局面。 (c)高められた期待に感覚が麻痺した庶民をカモにした怪しい金融商品の宣伝が流行する第三の局面。 (d)イケイケの雰囲気に飲まれてしまって疑うことを忘れた庶民に文字通りの詐欺が仕掛けられる第四の局面。

クラレンス・ヘイトリーやイーヴァル・クルーガー、サミュエル・インサルのような人物が引き起こしたスキャンダル事件に世間が気付いた頃にはもう手遅れである。言葉巧みな宣伝を通じた詐欺こそが危機の原因であることを示す本がこれまでに少なくとも一冊は書かれているが、大きな儲けを約束する(そして実際にも当初のうちは大きな儲けをもたらすことになる)事業機会がそもそも最初に存在しなければそういった詐欺行為がこれほどまでに大きな影響を及ぼすこともおそらくなかったことだろう。いつの時代であれ、「新時代」思考が蔓延る背後ではそれを裏付ける正当な理由があるものの、しばらくすると実態との乖離が生じ始め、終いにはまんまと騙された犠牲者たちを後に残して「新時代」思考はその姿をくらますという顛末になるのだろう。



竹森はフィッシャーのエピソードに関しては以下を参照していると思われる。Research in the history of economic thought and methodology: ...

https://books.google.com/books?isbn...
Warren J. Samuels - 1994 - スニペット表示 - 他の版
Archival supplement Warren J. Samuels. Letter 2: From Irving Fisher to Benito Mussolini 19 April 1927 My dear Sir, May I introduce myself as a friend of the late Profs. Pareto and Pantaleoni and a member of the Regja Lincheorum Academia.

26 Comments:

Blogger yoji said...


スタンプ通貨 単行本(ソフトカバー) 2016/3/31 アーヴィング・フィッシャー (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/490751123X/

Irving Fisher: Stamp Scrip,1933
1933b. Stamp Scrip. full text online
http://userpage.fu-berlin.de/roehrigw/fisher/

参考:
http://www.wsk.or.jp/work/b/h14-b-01/02.html
 ...
  第3項 米国のスタンプ通貨

1930年代の世界恐慌から抜け出すことから地域通貨が各国で盛んに生まれていった。特に
スタンプ通貨が、米国で盛んに実施されていた。当時エール 大学教授であったアーヴィング・
フィッシャーはオーストラリアのヴェルグルの労働証明書について調査し、不況脱出のために
はヴェルグルモデルが必要と考 え、スタンプ通貨の理論的な支柱となった。

10:21 午後  
Blogger yoji said...

スタンプ通貨には
森野栄一訳
自由経済研究#2がすでにある


http://grsj.org/book/book/jiyuukeizaikenkyuu.html
自由経済研究
第2号 1995年11月

特集 シルビオゲゼル素描

スタンプ代用貨幣 /アーヴィング・フィッシャー
金とフランス並びに世界に対するボアギュベールの現代性 /サンチャゴ・フェルナンデス
ゲゼルに眩惑(2) /森野栄一
シルビオ・ゲゼルと重農主義者とアナキスト(下) /ギュンター・バルチェ
市場経済の貨幣的条件(1) /モーリス・アレ
「保守vsリベラル」の貧しい選択肢 奥沢邦成

4:41 午後  
Blogger yoji said...

2017年に延期


English follows Japanese(日本語に続き、英語でのご案内があります)

Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。

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アーヴィング・フィッシャー "スタンプ通貨"
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アーヴィング・フィッシャー "スタンプ通貨"

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================
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9:27 午前  
Blogger yoji said...

不況期は利子率は名目的に低いが、しかしそれはまた通貨錯覚に基づく
トリックの一つだ。多くの人々は、物価下落が利子負担を増加させることによって、
利子率が実質的に高くなってるときに低いと感じる。
不況期間中は、実質利子率が時には50%をこえてるが、人々はそれを知らない。

アーヴィング・フィッシャーの負債デフレーションの理論

10:08 午後  
Blogger yoji said...

フローの分析は欲望の分析

ストックの分析は制度、コナトゥスの分析

10:12 午後  
Blogger yoji said...

今年中に以下が発売されるはず…

スタンプ通貨 単行本(ソフトカバー) – 2017(原著1933年)
アーヴィング・フィッシャー (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/490751123X/
単行本(ソフトカバー)
出版社: 土曜社

参考:
http://www.wsk.or.jp/work/b/h14-b-01/02.html
1930年代の世界恐慌から抜け出すことから地域通貨が各国で盛んに生まれていった。
特にスタンプ通貨が、米国で盛んに実施されていた。当時エール 大学教授であったアー
ヴィング・フィッシャーはオーストラリアのヴェルグルの労働証明書について調査し、不況
脱出のためにはヴェルグルモデルが必要と考 え、スタンプ通貨の理論的な支柱となった。
米国で使用された数千の地域限定通貨を網羅したカタログも出版されたという。
1933年2月にスタンプ通貨の法案化の動きもでてきて、フィッシャー教授は当時の財務次官
ディーン・アチソンと何度も会談し行政からの支援を取り 付けようとした。スタンプ通貨こそ
大恐慌から脱出できる唯一の手段であることを説いた。これを聞いたアチソンは、当時著名
な経済学者ラッセル・スプラーク に助言を求めた。彼の意見も「大恐慌から脱出できるであ
ろう」というものであったが、「非中央集権化する影響があるため、大統領と協議した方がよ
い」と進 言した。
ルーズベルト大統領は、金融体制再建公社や連邦政府による大規模な雇用創出プログラム
などにより中央集権的な解決策を発表していたため(ニューディール政策)、大統領令によっ
て「緊急通貨」を禁止した。

_______

ゲゼルのもう一つの超国家通貨案はケインズがバンコールという名前でやろうとした…
こちらは邦訳資料、紹介がかなりある

9:27 午前  
Blogger yoji said...

アーヴィング・フィッシャーの経済学 均衡・時間・貨幣をめぐる形成過程
著者名等  中路敬/著  ≪再検索≫
出版者   日本経済評論社
出版年   2002.10
大きさ等  22cm 221p
NDC分類 331.77
件名    フィッシャー アーヴィング
件名    Fisher Irving.
要旨    本書の目的は、アメリカにおける近代経済学の礎を築いた経済学者アーヴィング・フィッ
シャーの理論体系の特質ならびにその限界を明らかにすることにある。彼の経済学は、一
見した限りでは雑多な理論の寄せ集めであり、その対象も多岐にわたる。しかし、時の経
過につれてフィッシャーの経済学が「砂」に埋もれてもなお、その理論の構想を把握でき
る普遍性を備えている。
目次    第1章 人と歴史背景;第2章 一般均衡理論からの出発;第3章 資本と所得:展開軸
の設定;第4章 複本位制をめぐる問題;第5章 利子率決定の理論;第6章 貨幣の購
買力:貨幣数量説と過渡期分析;第7章 景気循環と負債デフレーション理論;第8章 
フィッシャーの経済学の学説史的意義
内容    文献あり 索引あり

9:05 午後  
Blogger yoji said...

1930年のゲゼルの死の後
フィッシャーはゲゼルを評価している
恐慌とともに再評価の背景として考慮していい

2:19 午前  
Blogger yoji said...


https://ja.wikipedia.org/wiki/世界恐慌

1929年9月26日、イングランド銀行が金利を引き上げ、アメリカの資金がイギリスへ流れた。

1929年10月 編集

ニューヨーク・ウォール街の群衆
そのような状況の下1929年10月24日10時25分、ゼネラルモーターズの株価が80セント下落した。下落直後の寄り付きは平穏だったが、間もなく売りが膨らみ株式市場は11時頃までに売り一色となり、株価は大暴落した。この日だけで1289万4650株が売りに出た。ウォール街周囲は不穏な空気につつまれ、400名の警官隊が出動して警戒にあたらなければならなかった。

シカゴとバッファローの市場は閉鎖され、投機業者で自殺した者はこの日だけで11人に及んだ。この日は木曜日だったため、後にこの日は「暗黒の木曜日(Black Thursday)」と呼ばれた。翌25日金曜の13時、ウォール街の大手株仲買人と銀行家たちが協議し、買い支えを行うことで合意した。このニュースでその日の相場は平静を取り戻したが、効果は一時的なものだった。

週末に全米の新聞が暴落を大々的に報じたこともあり、28日には921万2800株の出来高でダウ平均が一日で13%下がるという暴落が起こり、更に10月29日、24日以上の大暴落が発生した。この日は取引開始直後から急落を起こした。最初の30分間で325万9800株が売られ、午後の取引開始早々には市場を閉鎖する事態となった。当日の出来高は1638万3700株に達し[11]、株価は平均43ポイント[12]下がり、9月の約半分になった。一日で時価総額140億ドルが消し飛び、週間では300億ドルが失われた計算になった[13]。

10月29日は後に「悲劇の火曜日(Tragedy Tuesday)」と呼ばれた。投資家はパニックに陥り、株の損失を埋めるため様々な地域・分野から資金を引き上げ始めた。1928年アメリカ市場の投信株の取引高は1万株しかなかったが、翌年に11万株を超えた[7]。そしてアメリカ経済への依存を深めていた脆弱な各国経済も連鎖的に破綻することになる。

過剰生産によるアメリカ工業セクターの設備投資縮小に始まった不況に金融恐慌が拍車をかけ、強烈な景気後退が引き起こされた。産業革命以後、工業国では10年に1度のペースで恐慌が発生していた。しかし1930年代における世界恐慌は規模と影響範囲が絶大で、自律的な回復の目処が立たないほど困難であった。

11:57 午前  
Blogger yoji said...

世界大百科事典内のmovietoneの言及

【20世紀フォックス[会社]】より


…フォックス映画社は,1906年に,アメリカの最初の映画常設館であったニッケルオデオンの経営からスタートしてしだいにニューヨークを中心に映画館を増やし,10年代には製作,配給も始め,バンプvamp女優第1号として知られる妖艶なスター,セダ・バラTheda Bara(1890‐1955)を売り出し,20年代にはアドルフ・ズーカーのパラマウント,マーカス・ローのMGMとともにハリウッド最大の映画企業体に成長した。

〈ムービートンmovietone〉と名づけたフィルム式トーキーsound‐on‐film processを開発,

ワーナー・ブラザースの〈バイタフォンvitaphone〉に対抗しつつトーキー実用化の先鞭をつけたが,トーキー特許権をめぐって金融資本に敗北,29年の経済恐慌から事業不振におちいり,ロックフェラー系のチェース・ナショナル銀行に大部分の株を買い占められ,35年,20世紀映画社と合併した。 20世紀フォックス映画のカラーをつくり上げたのは,42年から62年まで社長の任にあり,製作のすべてを掌握し,独裁的であるとさえいわれた強力で個性的なスパイロス・スクーラスSpyros Skouras(1893‐1971)と,1935年から56年まで製作本部長を担当し,62年からはスクーラスの後を継いで社長となったダリル・F.ザナックである。…
※「movietone」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

5:25 午後  
Blogger yoji said...

経済物理学 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/経済物理学
経済物理学(けいざいぶつりがく、英語:econophysics)は、経済現象を物理学的な手法・観点から解明することを目指す学問である。現在のところ、扱う対象としては、株式、為替、先物などの市場、企業間ネットワーク(例えば株の持ち合いなど)、個人・法人の所得などのような例がある。これらの対象を扱う理由は、大量のデータを用意でき、その結果、後に述べるようにベキ分布(ファットテール)が観察しやすくなるからである。

大量の市場データを扱う試みはマーケットマイクロストラクチャーなどの分野で、すでに1980年代には始まっていた。1980年代半ばごろ、Yale大学経済学部の教授、浜田宏一と当時Yale大学の客員研究員だった高安秀樹が、なぜ、市場価格がランダムウォークになるのかという根本的な疑問に対し、エージェントモデルのアプローチを導入していた。物理学者が本格的に市場研究に乗り出したのは1990年代に入ってからである。1990年代には経済物理学という用語は、ユージン・スタンレー(H. Eugene Stanley)および、その大学院生たち、また、独立に高安秀樹(Hideki Takayasu)らにより提案された。その後、新たな統計物理学の応用研究として注目されるようになり、1995年、カルカッタの統計物理学の会議で最初に用いられた。さらに1997年には、ブダペストで世界初の経済物理学の会議が行われた。

ここでは、特に経済物理学が市場をどのように扱うかについて述べる。

目次
背景 編集
従来の経済学による市場理論としては、一般均衡理論がある。これは消費者の効用関数・生産者の生産関数を所与とし、多市場の価格・需給量を同時決定するモデルであり、数学的にエレガントな構造をしている。しかし、動学的な理論ではなく、市場がどのように均衡に到達するか、あるいは市場は本当に均衡しているのか、という問題は扱いにくい。また、バブルやクラッシュといったダイナミカルな現象を統一的な視点から理解するモデルの構築が求められていた

初期の金融工学では、原資産の価格変化率の分布が対数正規分布に従い、裁定機会が存在しないなどの仮定の上で、オプションの理論価格を導くことができた(ブラック・ショールズ方程式)。あくまで、数学的に扱いやすいから正規分布としている。この段階での金融工学の理論は、時間が明示的に入っているため動学的ではあるが、実際の価格変化率の分布は正規分布ではなくパレート分布(ベキ分布)に従うため、現実的なモデルとはなっていない。金融工学は、その後、ARCH、GARCHモデルのように、価格変化率の標準偏差の時間変動を取り入れ、ベキ分布、ボラティリティ・クラスタリングを再現する方向へと発展していく。ただし、なぜそうした分布に従うのかといった疑問に答えるのが経済物理学の狙いである。

価格変化率の分布がなぜパレート分布(ベキ分布)に従うのかということの理解は重要である。なぜなら、大きな価格変動は暴落・暴騰を意味するので、それが正規分布の予言よりも多いということは、それだけ市場が不安定な存在であることを意味するからである。また、オプションの理論価格は、価格変化率の分布と関係があることが分かっているので、オプションの価格理論にとっても重要である。

では、ベキ分布は一般にどのような状況で出現するのだろうか。また、物理学的な手法によってベキ分布はどのように理解されているのだろうか。

手法 編集
経済物理学では、主に統計物理学的な手法を用いて経済を研究する。時には、流体力学・量子力学的な手法を用いることもある。

統計物理学で重要な概念の一つが相転移である。相転移が起きる前後では、比熱などの物理量がベキ分布に従うことが多い。このことは、相転移の前後では典型的なスケールが存在しないということを意味している(スケールフリー)。

市場にもバブル・暴落相とフラット相(平穏な状態)の2つの相があり、その相の間を転移することで、ベキ分布が生じるというのが、経済物理学の典型的な考え方である。極端な例だが、第2次世界大戦後のハンガリーでは、指数関数の肩に時間の指数関数がのるほどの猛烈なインフレーションが起きた。その結果、16年間で貨幣価値が1垓3000京分の1になったという。普通のインフレーションでは貨幣価値は時間の指数関数程度に大きくなるから、ハンガリーの指数関数よりずっとはやく発散するインフレーションは明らかに異常なインフレーションであり、相が異なると考えるのが合理的である。あたかも磁気相転移のように、投資家の思考が一方向にそろってしまうためにバブル・暴落相が出現するのである。もっとも、最近の研究では、価格変化率がベキ分布に従うのは、投資家の意思決定に関する相転移というよりも市場メカニズムそのものに内在する理由からであることが分かっている。詳細はファットテールを参照。このように、相転移という概念は、物理現象だけでなく、経済現象を捉えるのにも役立つと考えられている。

さらに、経済物理学では、相転移だけでなく、複雑系を理解するためのキーワードである、フラクタル・自己組織化・ネットワーク・カオスなどの概念を用いて、市場を理解しようとしている。

批判とそれに対する反応 編集
経済物理学は新しい学問領域であるが、その対象は決して新しくはない。さらに使われている手法も物理学では当然のものであり、新たな手法が登場するには至っていなかったが近年は、経済物理学から物理学に対しても示唆的な成果が生み出されるようになってきている。したがって、市場を伝統的な手法で研究している経済学者や、主流派の物理学者から様々な批判がなされている。

関連項目 編集
相転移
複雑系
フラクタル
人工市場
金融工学
量子ファイナンス
脚注 編集
関連文献 編集
ロザリオ・ヌンジオ・モンテグナ、H.ユジーン・スタンリー著、中嶋眞澄訳、『経済物理学入門 -ファイナンスにおける相関と複雑性』エコノミスト社、2000年 ISBN 9784873151014
高安秀樹 著 『経済物理学の発見』光文社、2004年 ISBN 4334032672
一般向け。
ディディエ ソネット著, 森谷 博之 訳『入門 経済物理学―暴落はなぜ起こるのか?』PHP研究所、2004年 ISBN 4569634141
参考文献が豊富。統計物理を知っていたほうが読みやすい。

家富洋,池田裕一,相馬亘,藤原義久 著 『パレート・ファームズ -企業の興亡とつながりの科学』日本経済評論社、2007年 ISBN 4818819506
一般向け。
杉原 正顯、 高安 美佐子、和泉 潔、佐々木 顕、杉山 雄規
「岩波講座 計算科学第6巻 計算と社会」  岩波書店 2012年6月 ISBN 4000113062

高安美佐子編著
「ソーシャルメディアの経済物理学 ウェブから読み解く人間行動」日本評論社 2012年8月 ISBN 9784535556782

一般向け。
増川 純一, 水野 貴之, 村井 浄信, 尹 煕元
「株価の経済物理学」 ISBN 4563062030



B K Chakrabarti, A Chakraborti,A Chatterjee, Econophysics and Sociophysics : Trends and Perspectives, Wiley-VCH, Berlin (2006)
Sitabhra Sinha, Arnab Chatterjee, Anirban Chakraborti, Bikas K Chakrabarti, Econophysics: An Introduction, Wiley-VCH, 2010.
Joseph McCauley, Dynamics of Markets, Econophysics and Finance, Cambridge University Press (Cambridge, 2004)
Bertrand Roehner, Patterns of Speculation - A Study in Observational Econophysics, Cambridge University Press (Cambridge, 2002)
A Chatterjee, S Yarlagadda, B K Chakrabarti, Econophysics of Wealth Distributions, Springer-Verlag Italia (Milan, 2005)
Hagen Kleinert, Path Integrals in Quantum Mechanics, Statistics, Polymer Physics, and Financial Markets, 3rd edition, World Scientific (Singapore, 2004)(also available online here)
外部リンク 編集
リンク集
Ph.D. program in Econophysics at Univ. of Houston
Econophysics Forum
Econophysics Hub at moneyscience.org

3:09 午前  
Blogger yoji said...

エコノミスト社:経済物理学入門
http://www.economist.co.jp/1_01_finance/1_01_4_butsuri.htm

経済物理学入門
 :ファイナンスにおける相関と複雑性

Mantegna & Stanley 著
中嶋 眞澄訳

A5判/240頁
本体価格4,800円

ISBN4-87315-101-5

(本書について)
 本書は,世界最初の「経済物理学」のテキストであり,出版と同時に大変大きな話題となった注目のテキストである。Econophysicsという耳慣れないタイトルであるが,直訳すれば「経済物理学」となる。これは元々物理学者が中心となって付けたこの分野の名称であり,内容は副題の通り,金融理論への数学的,物理学的アプローチであり,数理経済学,ゲームの理論,数理ファイナンスとともに,新たに物理学的アプローチを加えて経済学の一分野となろうとしている非常に新しい分野である。そのような中で出版されたのが本書で,原著は,この分野の教科書としては英語圏で初めて,おそらく世界でも初めての出版となる。勿論,日本での出版は,本翻訳書がこの分野で最初となる。
 本書は決して大部の本ではなく,入門書であり,物理学者がその著者ではあるが,経済を専門にしている読者にはその数学的,物理学的入門となるよう,物理を専門にしている読者には数学的,経済学的入門となるよう,又数学を専門にしている読者には経済学的,物理学的入門となるよう,従って一般の読者には経済学的,数学的,物理学的入門となるように意図されて書かれた,最近の研究にも言及しているこの分野最初の本である。この方面の学生にも,研究者にもそしてこの方面に興味ある一般の読者にとっても待望の本と言える。


(本書の特長)
- 日本で多数出版される数理ファイナンス系書籍とは異なり,本書は入門書であるのにも拘わらず最新理論も扱う。
- 数学的厳密性にこだわることなく理学者らしく直観的に数学理論を扱い,読者にわかりやすく説明しようと試みている。
- 記号一覧,参考文献,索引が充実しており,希望した箇所を簡単に参照できる。


(もくじ)
序文
1. はじめに
 端緒/先駆者たちのアプローチ/カオス的アプローチ/現在注目されている話題
2. 効率的市場仮説
 コンセプト,パラダイム,そして変数/裁定取引/効率的市場仮説/アルゴリズム的複雑性理論/金融時系列の情報量/物理学における理想化モデルと金融論における理想化モデル
3. ランダム・ウォーク
 1次元離散的場合/その連続的極限/中心極限定理/極限定理における収束のスピード/ベリー・エッセンの第1定理/ベリー・エッセンの第2定理/アトラクション領域
4. レヴィ過程と極限定理
 安定分布/スケーリングと自己相似性/安定分布への極限定理/ベキ乗分布則(パワー則)/価格変動の統計学/無限分解可能確率過程/安定過程/ポワソン過程/ガンマ分布/一様分布/まとめ
5. 金融データのスケール則
 金融市場での価格スケール則/金融市場での時間スケール則/まとめ
6. 定常性と時間相関
 定常過程/相関/短時間相関過程/長時間相関過程/長時間相関雑音と短時間相関雑音
7. 金融時系列の時間相関
 自己相関関数とスペクトル密度/高次相関:ヴォラティリティー/価格変動の定常性/まとめ
8. 価格ダイナミックスと確率モデル
 非正規レヴィ過程/ステューデントのt分布/混合正規分布/切断レヴィ飛行
9. スケール則とその破れ
 S&P500インデックスと現象論的分析/切断レヴィ飛行との比較/たまに起こる高利潤と大損失の統計学
10. ARCH過程とGARCH過程
 ARCH過程/GARCH過程/ARCH過程とGARCH過程の統計的性質/GARCH(1,1)過程と経験則/まとめ
11. 金融市場と乱流
 乱流/価格ダイナミックスと流体速度のアナロジー/乱流でのスケール則と金融市場でのスケール則/ディスカッション
12. 株価の相関と自己相関
  2銘柄株価のダイナミックス/相関行列の統計的性質/ディスカッション
13. ポートフォリオの分類学
 銘柄間距離/ウルトラ距離空間/ポートフォリオのサブドミナント・ウルトラ距離空間/まとめ
14. 理想市場のオプション
 先渡し契約/先物取引/オプション/投機とヘッジ/理想市場におけるオプション価格/ブラック・ショールズの公式/金融市場の複雑性/もう一つのオプション価格決定法/ディスカッション
15. 現実市場でのオプション
 株収益の不連続性/現実市場でのヴォラティリティー/現実市場でのヘッジ/ブラック・ショールズ モデルの一般化/まとめ
付録A:記号一覧/付録B:マルチンゲール

3:32 午前  
Blogger yoji said...



価値と価格の理論の数学的研究 (1981年) (近代経済学古典選集〈11〉) , 1981/2[1892,1925] フィッシャー (著), 久武 雅夫 (翻訳)

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,
ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。

3:49 午前  
Blogger yoji said...



価値と価格の理論の数学的研究 (1981年) (近代経済学古典選集〈11〉) , 1981/2[1892,1925] フィッシャー (著), 久武 雅夫 (翻訳)

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣も商品の一つなのに…
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。

3:50 午前  
Blogger yoji said...



価値と価格の理論の数学的研究 (1981年) (近代経済学古典選集〈11〉) , 1981/2[1892,1925] フィッシャー (著), 久武 雅夫 (翻訳)

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣も商品の一つなのに…
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。
物理学モデルは全体を量として捉える上で重要。
金融工学による熱伝導理論の応用は循環のイメージを放棄していて危険がある。

3:52 午前  
Blogger yoji said...



価値と価格の理論の数学的研究 (1981年) (近代経済学古典選集〈11〉) , 1981/2[1892,1925] フィッシャー (著), 久武 雅夫 (翻訳)

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣も商品の一つなのに…
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。
フィッシャーの物理学モデルは全体を量として捉える上で重要。
近年の金融工学における熱伝導力学の応用は循環のイメージを放棄していて危険がある。


3:53 午前  
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 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣も商品の一つなのに…
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。
フィッシャーの物理学モデルは全体を量として捉える上で重要。
近年の金融工学における熱伝導力学の応用は循環のイメージを放棄していて危険がある。

3:56 午前  
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5つ星のうち4.0貨幣への過信を取り除くために
投稿者yojiseki2017年9月12日
Amazonで購入
Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices, 1892.『価値と価格の理論の数学的研究』

フィッシャーは自分の価格理論を説明するためにポンプ、車輪、レバーやパイプでできた奇妙な機械を作り上げた。
これはフィリップス曲線のフィリップスに影響を及ぼした。

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

フィッシャーはマネタリストではない。
数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネーの意義がわからない。

11:08 午後  
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5つ星のうち4.0貨幣への過信を取り除くために
投稿者yojiseki2017年9月12日
Amazonで購入
Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices, 1892.『価値と価格の理論の数学的研究』

フィッシャーは自分の価格理論を説明するためにポンプ、車輪、レバーやパイプでできた奇妙な機械を作り上げた。
これはフィリップス曲線のフィリップスに影響を及ぼした。

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

フィッシャーはマネタリストではない。
数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネー(フィッシャー『スタンプ貨幣』参照)の意義がわからない。

11:08 午後 削除

11:10 午後  
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Mathematical Investigations in the Theory of Value and Prices, 1892.『価値と価格の理論の数学的研究』

フィッシャーは自分の価格理論を説明するためにポンプ、車輪、レバーやパイプでできた奇妙な機械を作り上げた。
これはフィリップス曲線のフィリップスに影響を及ぼした。

「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)

 交換方程式(貨幣数量説) 
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準

《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)

フィッシャーはマネタリストではない。貨幣を可視化しただけだ。
数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネー(フィッシャー『スタンプ貨幣』1933参照)の意義がわからない。

11:54 午後  
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Thaler, Richard H. 2015. Misbehaving: The Making of Behavioral Economics. New York: W. W. Norton & Company. ISBN 978-0-393-08094-0.
リチャード・セイラー著 遠藤真美訳『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年

「将来を見透すわれわれの望遠能力には欠陥があり……したがって、将来の快楽は小さく見えてしまう」というピグーの言葉はよく知られている(5)。1932

#11

異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…



1776年のアダム・スミスを見ても、1930年のアーヴィング・フィッシャーを見ても、経済学者がヒューマンを見据えて異時点間選択を考えていたことはまちがいない。

1930
Fisher, Irving. 1930. The Theory of Interest: As Determined by Impatience to Spend Income and Opportunity to Invest It. New York: MacMillan. [『利子論』気賀勘重・気賀健三訳,日本経済評論社]

#22
合理的な世界では、取引量はそれほど多くならないだろう。むしろほとんどないはずである。経済学者はしばしばこれを「グルーチョ・マルクスの定理」と呼ぶ(1)。グルーチョはアメリカの昔の喜劇俳優で、「自分をメンバーに迎えるようなクラブなんて入りたくない」という名言を残している。このジョークには、経済学バージョンがある。「他の合理的経済主体が売りたがるような株式なんて買いたくない」──だ。案の定というか、ジ

第22章 1 このアイデアはMilgrom and Stokey (1982)で定式化された.

10:40 午後  
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Thaler, Richard H. 2015. Misbehaving: The Making of Behavioral Economics. New York: W. W. Norton & Company. ISBN 978-0-393-08094-0.
リチャード・セイラー著 遠藤真美訳『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年

1921年
「将来を見透すわれわれの望遠能力には欠陥があり……したがって、将来の快楽は小さく見えてしまう」というピグーの言葉はよく知られている(5)。

5 Pigou (1932),時間選好の概念の変遷が見事に概括されているLoewenstein (1992)に引用.


Loewenstein, George. 1992. “The Fall and Rise of Psychological Explanations in the Economics of Intertemporal Choice.” In George Loewenstein and Jon Elster, eds., Choice Over Time,. 3-34. New York: Russell Sage Foundation.

http://www.cmu.edu/dietrich/sds/docs/loewenstein/FallRise.pdf

p.15




#11

異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…



1776年のアダム・スミスを見ても、1930年のアーヴィング・フィッシャーを見ても、経済学者がヒューマンを見据えて異時点間選択を考えていたことはまちがいない。

1930
Fisher, Irving. 1930. The Theory of Interest: As Determined by Impatience to Spend Income and Opportunity to Invest It. New York: MacMillan. [『利子論』気賀勘重・気賀健三訳,日本経済評論社]

6:32 午後  
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.0アーヴィング・フィッシャーの再評価
投稿者yojiseki2017年10月19日
形式: 文庫|Amazonで購入

竹森俊平『経済論戦は甦る』(2002,2007)ではコラム的に簡潔に清滝・ムーアモデルに先行するフィッシャーを伝える。
本書の文庫版は表紙がいい。シュンペーターとフィッシャーを使っている。
ハイエクとケインズで語られる問題をさらに金融問題として具体的に展開している。執筆動機的には対小泉経済改革路線の時事的な意味が大きかっただろうが、普遍的に読める。
竹森(というよりフィッシャー)はリーマンショック以前に、過去の恐慌の検証からリーマンショックを予見していると言える。
リーマンショック以降に出た本で私はそれを予見していたという本はあるが、本書は違う。
アーヴィング・フィッシャーは再評価されるべきだ。
例えばフィリップス曲線はフィッシャーが発見している。
フィッシャー・フィリップス曲線と呼ぶべきだ。
恐慌で財産をなくした事が喜劇的に語られる事が多いが、当時の映像を見るとパニックを止めるために率先して投資し続けたのかもしれないと思わせる。

伝記としては吉川洋『経済学をつくった巨人たち』(2001)の小文がいい。
これらは対デフレ理論的に再評価したものだ。
なおフィッシャーは実体経済を見ているのでマネタリストではない。フリードマンはフィッシャーの一部しか見ていない。
リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』では行動経済学的にフィッシャーが再評価されている。
フィッシャー邦訳は『価値と価格の理論の数学的研究(1892,訳1981)』『貨幣の購買力(1911,訳1936)』『貨幣錯覚(1928,訳1930)』『利子論(1930,訳2011)』等。『スタンプ通貨(1933,訳2018?)』(一部邦訳は雑誌に既出)の邦訳が待たれる。

竹森は1927年のムッソリーニ、1932年のフーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだ。竹森は主にフィッシャーの以下を参照している。

"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, Econometrica. 全22p

以下、竹森本エピグラフ:

 つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へと戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。

アービング・フイッシャー、1931年。

8. There may be equilibrium which, though stable, is so delicately poised that, after departure from it beyond certain limits, instability ensues, just as, at first, a stick may bend under strain, ready all the time to bend back, until a certain point is reached, when it breaks. This simile probably applies when a debtor gets "broke,"or when the breaking of many debtors constitutes a "crash," after which there is no coming back to the original equilibrium. To take another simile, such a disaster is somewhat like the "capsizing" of a ship which, under ordinary conditions, is always near stable equilibrium but which, after being tipped beyond a certain angle, has no longer this tendency to return to equilibrium, but, instead, a tendency to depart further from it.
p.339
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8:07 午後  
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5つ星のうち 4.0 アーヴィング・フィッシャーの再評価, 2017/10/19
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レビュー対象商品: 経済論戦は甦る (日経ビジネス人文庫) (文庫)
竹森俊平『経済論戦は甦る』(2002,2007)ではコラム的に簡潔に清滝・ムーアモデルに先行するフィッシャーを伝える。
本書の文庫版は表紙がいい。シュンペーターとフィッシャーを使っている。
ハイエクとケインズで語られる問題をさらに金融問題として具体的に展開している。執筆動機的には対小泉経済改革路線の時事的な意味が大きかっただろうが、普遍的に読める。
竹森(というよりフィッシャー)はリーマンショック以前に、過去の恐慌の検証からリーマンショックを予見していると言える。
リーマンショック以降に出た本で私はそれを予見していたという本はあるが、本書は違う。

本書の記述を敷衍するなら、
アーヴィング・フィッシャーは再評価されるべきだ。
例えばフィリップス曲線はフィッシャーが発見している。
フィッシャー・フィリップス曲線と呼ぶべきだ。
恐慌で財産をなくした事が喜劇的に語られる事が多いが、当時の映像を見るとパニックを止めるために率先して投資し続けたのかもしれないと思わせる。

伝記としては吉川洋『経済学をつくった巨人たち』(2001)の小文がいい。
これらは対デフレ理論的に再評価したものだ。
なおフィッシャーは実体経済を見ているのでマネタリストではない。フリードマンはフィッシャーの一部しか見ていない。
リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』では行動経済学的にフィッシャーが再評価されている。
フィッシャー邦訳は『価値と価格の理論の数学的研究(1892,訳1981)』『貨幣の購買力(1911,訳1936)』『貨幣錯覚(1928,訳1930)』『利子論(1930,訳2011)』等。『スタンプ通貨(1933,訳2018?)』(一部邦訳は雑誌に既出)の邦訳が待たれる。

竹森はフィッシャーの1927年ムッソリーニ、1932年フーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだというとがわかるし、金本位制についての認識はケインズよりフィッシャーの方が深い。竹森は主にフィッシャーの以下を参照している。

"Stabilizing The Dollar"1920
"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, Econometrica. 全22p

以下、竹森本エピグラフ:

 つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へと戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。

アービング・フイッシャー、1931年。

8. There may be equilibrium which, though stable, is so delicately poised that, after departure from it beyond certain limits, instability ensues, just as, at first, a stick may bend under strain, ready all the time to bend back, until a certain point is reached, when it breaks. This simile probably applies when a debtor gets "broke,"or when the breaking of many debtors constitutes a "crash," after which there is no coming back to the original equilibrium. To take another simile, such a disaster is somewhat like the "capsizing" of a ship which, under ordinary conditions, is always near stable equilibrium but which, after being tipped beyond a certain angle, has no longer this tendency to return to equilibrium, but, instead, a tendency to depart further from it.

"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, p.339

10:06 午後  
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竹森俊平『経済論戦は甦る』(2002,2007)ではコラム的に簡潔に清滝・ムーアモデルに先行するフィッシャーを伝える。
本書の文庫版は表紙がいい。シュンペーターとフィッシャーを使っている。
ハイエクとケインズで語られる問題をさらに金融問題として具体的に展開している。執筆動機的には対小泉経済改革路線の時事的な意味が大きかっただろうが、普遍的に読める。
竹森(というよりフィッシャー)はリーマンショック以前に、過去の恐慌の検証からリーマンショックを予見していると言える。
リーマンショック以降に出た本で私はそれを予見していたという本はあるが、本書は違う。

本書の記述を敷衍するなら、
アーヴィング・フィッシャーは再評価されるべきだ。
例えばフィリップス曲線はフィッシャーが発見している。
フィッシャー・フィリップス曲線と呼ぶべきだ。
恐慌で財産をなくした事が喜劇的に語られる事が多いが、当時の映像を見るとパニックを止めるために率先して投資し続けたのかもしれないと思わせる。

伝記としては吉川洋『経済学をつくった巨人たち』(2001)の小文がいい。
これらは対デフレ理論的に再評価したものだ。
なおフィッシャーは実体経済を見ているのでマネタリストではない。フリードマンはフィッシャーの一部しか見ていない。
リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』では行動経済学的にフィッシャーが再評価されている。
フィッシャー邦訳は『価値と価格の理論の数学的研究(1892,訳1981)』『貨幣の購買力(1911,訳1936)』『貨幣錯覚(1928,訳1930)』『利子論(1930,訳2011)』等。『スタンプ通貨(1933,訳2018?)』(一部邦訳は雑誌に既出)の邦訳が待たれる。

竹森はフィッシャーの1927年ムッソリーニ、1932年フーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだというとがわかるし、金本位制についての認識はケインズよりフィッシャーの方が深い。竹森は主にフィッシャーの以下を参照している。

"Stabilizing The Dollar"1920
"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, Econometrica. 全22p

以下、竹森本エピグラフ:

 つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へと戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。

アービング・フイッシャー、1931年。

8. There may be equilibrium which, though stable, is so delicately poised that, after departure from it beyond certain limits, instability ensues, just as, at first, a stick may bend under strain, ready all the time to bend back, until a certain point is reached, when it breaks. This simile probably applies when a debtor gets "broke,"or when the breaking of many debtors constitutes a "crash," after which there is no coming back to the original equilibrium. To take another simile, such a disaster is somewhat like the "capsizing" of a ship which, under ordinary conditions, is always near stable equilibrium but which, after being tipped beyond a certain angle, has no longer this tendency to return to equilibrium, but, instead, a tendency to depart further from it.

"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, p.339


《誰かが私に、この提案はゴールド・スタンダード(金本位制)を放棄するものではないかと聞いてきたときには、私は、いや、それはゴールド・スタンダードにスタンダーギ(基準)をあたえる試みなのだと答えることにしている。しかし、現行の金本位制を修正する試みかと聞かれれば、そのとおりだということになる。購買力指数が安定するようにそれを修正するのが意図なのだから。》56頁

《When I am asked with a horrified air, whether this proposal is not really one to " abandon the gold standard " I like to answer : " No ! it is to put the standard into the gold standard ! " But abandon the present gold standard, so called, it certainly does, by converting or rectifying it into conformity with the composite standard. 》f"Stabilizing The Dollar"1920 ,p.89

10:16 午後  
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竹森俊平『経済論戦は甦る』(2002,2007)ではコラム的に簡潔に清滝・ムーアモデルに先行するフィッシャーを伝える。
本書の文庫版は表紙がいい。シュンペーターとフィッシャーを使っている。
ハイエクとケインズで語られる問題をさらに金融問題として具体的に展開している。執筆動機的には対小泉経済改革路線の時事的な意味が大きかっただろうが、普遍的に読める。
竹森(というよりフィッシャー)はリーマンショック以前に、過去の恐慌の検証からリーマンショックを予見していると言える。
リーマンショック以降に出た本で私はそれを予見していたという本はあるが、本書は違う。

本書の記述を敷衍するなら、
アーヴィング・フィッシャーは再評価されるべきだ。
例えばフィリップス曲線はフィッシャーが発見している。
フィッシャー・フィリップス曲線と呼ぶべきだ。
恐慌で財産をなくした事が喜劇的に語られる事が多いが、当時の映像を見るとパニックを止めるために率先して投資し続けたのかもしれないと思わせる。

伝記としては吉川洋『経済学をつくった巨人たち』(2001)の小文がいい。
これらは対デフレ理論的に再評価したものだ。
なおフィッシャーは実体経済を見ているのでマネタリストではない。フリードマンはフィッシャーの一部しか見ていない。
リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』では行動経済学的にフィッシャーが再評価されている。
フィッシャー邦訳は『価値と価格の理論の数学的研究(1892,訳1981)』『貨幣の購買力(1911,訳1936)』『貨幣錯覚(1928,訳1930)』『利子論(1930,訳2011)』等。『スタンプ通貨(1933,訳2018?)』(一部邦訳は雑誌に既出)の邦訳が待たれる。

竹森はフィッシャーの1927年ムッソリーニ、1932年フーヴァー大統領との会談も紹介している。フィッシャーとシュンペーターの理論上の対立はケインズとハイエクの対立と同じだというとがわかるし、金本位制についての認識はケインズよりフィッシャーの方が深い。竹森は主にフィッシャーの以下を参照している。

"Stabilizing The Dollar"1920
"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, Econometrica. 全22p

以下、竹森本エピグラフ:

《 つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へと戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。》
アービング・フイッシャー、1931年。

《8. There may be equilibrium which, though stable, is so delicately poised that, after departure from it beyond certain limits, instability ensues, just as, at first, a stick may bend under strain, ready all the time to bend back, until a certain point is reached, when it breaks. This simile probably applies when a debtor gets "broke,"or when the breaking of many debtors constitutes a "crash," after which there is no coming back to the original equilibrium. To take another simile, such a disaster is somewhat like the "capsizing" of a ship which, under ordinary conditions, is always near stable equilibrium but which, after being tipped beyond a certain angle, has no longer this tendency to return to equilibrium, but, instead, a tendency to depart further from it.》
"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions", 1933, p.339


《…誰かが私に、この提案はゴールド・スタンダード(金本位制)を放棄するものではないかと聞いてきたときには、私は、いや、それはゴールド・スタンダードにスタンダーギ(基準)をあたえる試みなのだと答えることにしている。しかし、現行の金本位制を修正する試みかと聞かれれば、そのとおりだということになる。購買力指数が安定するようにそれを修正するのが意図なのだから。》56頁

《When I am asked with a horrified air, whether this proposal is not really one to " abandon the gold standard " I like to answer : " No ! it is to put the standard into the gold standard ! " But abandon the present gold standard, so called, it certainly does, by converting or rectifying it into conformity with the composite standard. 》
"Stabilizing The Dollar"1920 ,p.89

10:17 午後  

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