水曜日, 2月 24, 2016

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) 水野和夫

 資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) 

水野和夫×町亞聖×大竹まこと:資本主義の終焉と矢が尽きたアベノミクス - 
http://www.youtube.com/watch?v=4p1Um0x6vy0

水野和夫(エコノミスト)×山下範久(歴史社会学者) 資本主義の終焉 国家はその後、どうなるか? -
http://www.youtube.com/watch?v=10s_sQNOSTQ

アリギのように歴史の反復、循環性をもっと強調してよかったのではないか?
その方が事態の特異性が浮かび上がる。

(図1)




Amazon.co.jp: 資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)の 柳野 健さんのレビュー

http://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R20V6ZR8SY5LLC/ref=cm_cr_pr_viewpnt?ie=UTF8&ASIN=B00MXLQIPU#R20V6ZR8SY5LLC
5つ星のうち 5.0 ポスト資本主義の社会とは2014/4/4
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レビュー対象商品: 資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) (新書)
 著者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト時代から、電子・金融取引
空間の(歴史経済学的な)意味を考察し続けた希少な賢者である。
 本書の論旨の骨格は、「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」に立脚している。
著者は、利子率を指標(図1)として、資本主義の構造変化を解明する。16世紀に利子率が
低下し限界状況に至ったとき、「地理的・物的空間の拡大」(帝国主義)により資本の増殖
を図った。20世紀末に利子率が低下したとき、「電子・金融空間の拡大」(グローバル経済)
により資本の増殖を図った。

 現在、グローバル経済が直面している限界状況は、
(1)資本の増殖のために塊集(収奪)対象とする辺境は、ほとんど残されていない。
(2)豊かになれる上限定員は15%程度である。以前は国家間格差であったが、新興国も辺境
 でなくなってきたので、国家の内側に辺境を生み出す(格差の拡大、中間層の没落)。
(3)それでも足りず、未来世代からの収奪をも起こしている(ツケの支払いは未来世代へ)。
(4)紙幣を増刷、増税と企業減税で資本の塊集をしても、投資先が少なくなっている。
(5)地球の資源は無限という前提で走っている。中国・インドなどの人口大過剰国まで近代化
 して資源多消費国にしている。当然、地球システム自体が崩壊へ向かう(イースター島に)。
 
 著者は自らを変人と呼び、その変人には資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえる
と締めくくっている。日本人には「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響き」を連想させるだろう。
 著者の前向きな意見は、(1)資本主義の崩壊を加速させない。(2)今の赤字財政ペースでは、
あと4年くらいが限界だろう。(3)財政健全化する(国連分担金やODAの額も、分不相応では…)。
(4)猶予期間でポスト資本主義の社会を用意する。(5)ポスト資本主義の社会がどういう社会で
あるか不明である。衆智で模索すべきである。
 
 このような理性的な警世の書は重要だと思う。中国共産党は、2025年までに崩壊するはず。
(日本も舵取りを誤れば崩壊する)未曾有の混乱が起きる可能性は高い。巻き添えを少なくし、
日本をどう手直しして未来への準備をしていくか? 誰かが何とかしてくれるのではないかと
いう他力本願ではなく、一人一人が考え、日本国の衆智へと反映させ、日本をリニューアルす
ることが、今まで以上に切実になっているのではないだろうか。

補足: 大局的にはそうではあるが、科学技術上の革新は重要である。例えば、1リットルの
石油で50km走行する車は飛ぶように売れ、資源枯渇スピードを減速させ、日本経済をも潤す。
(省エネ+太陽光発電=正味エネルギーゼロ)住宅は、エネルギー資源輸入国という不利を減
少させる。藻類による原油生産の技術開発が成功すれば、日本は持続的繁栄を約束されるので
あり、最重要テーマのひとつである等。従前の延長である史観を超えた展開の可能性もある。



2016年2月22日
 本書は、資本主義が終焉の淵に立っているという著者の見解に基づいて、資本主義の誕生から歴史を俯瞰した書物である。筆者は、経済学の博士号をもつ学者である。しかし、本書の記述は、歴史家あるいは社会学者の筆を想起させる。参考文献も歴史について書かれたものが多い。
本書のテーマは、日本で1997年に国債利回りが2%を下回り、その後、ITバブルや戦後最長の景気拡大を経験しても、なお、利回りが回復しない状況に直面したことが切っ掛けであった。著者は、資本主義の歴史の中で、超低金利時代がかつてあったことに気がつく。イタリアのジェノバの「利子率革命」である。それが中世封建制の終焉と近代の幕開けを告げる兆候ととらえ、現在日本の超低金利は近代資本主義の終焉のサインと考え、資本主義の考察を進める。
 そして、現代日本の状況から、今日、我々は資本主義の終わりに直面している、と結論づける。しかし、著者は、本書の中で、資本主義の次に来る制度には言及していない。明確に言及できないためとしている。そして、資本主義が終わり、次の制度への移行がハードランディングされるか、ソフトランディングされるかは、まさに我々にかかっているのである、と。(2015/1/31)








ポスト資本主義は自給自足に決まっているが…
素人から見て、どう考えても現在の閉塞的な世界経済の打開策としては地域再投資法(CRA)と減価マネーしかない
しかし、特に減価マネーのハードルは高い

1,市民団体の(成功した)現実データを元に
2,自治体がまず取り上げる
3,国が取り上げる

という三段階が必要だろう
今回のマイナス利子で飛び越えも模索すべきか思うが…

マイナス金利政策(NIRP)との違いをその中で説明しなければならない
(NIRPは端的には末端で作用しないし、貨幣全体にかからない)

電子アプリとの連動
もしくは先行もあり得る
デザイナー、プログラマーの協力が必要だ

自分の研究課題は、

1,減価分、つまり手数料分を利益にし、税金のない世界を可能にできる唯一のツールが減価マネー
だと考えるがゲゼル的にはどうか?
(ゲゼルは手数料分を重視すべきではないとしている)

2,減価率は、変動すべきか?
(ゲゼル案とヴェルグルの事例だと減価率がほぼ倍違う)

3,硬貨は、スタンプ購入用に減価を免れると考えるべきか?
(貨幣全体で減価してゆくと考える)

4,自由土地、世界通貨案は同時に進行する必要があるか?
(自由土地は理念的なものだと思うが…日本の戦後の農地改革を真剣に受け止める
べきかも知れない)