1 :野良ハムスター ★ 転載ダメ©2ch.net:2016/02/20(土) 22:25:47.70 ID:CAP_USER*土と生きる豊かな暮らしは、あの日、一変した。福島県須賀川市で農業を営む樽川和也さんは、
東京電力福島第一原発の事故後まもなく父親を自死により失った。田畑も放射能で汚染された。
東京で20日公開のドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」で苦悩を訴えている。
もう取り戻せない、償うことなどできない現実を聞いた。
――事故から5年。いまの状況を教えてください。
「放射能は、こっちの中通りにも降りました。田んぼも畑もビニールハウスも、みんなやられて、うぢらは
職場を汚染されたんです。だけど、東電は資産への賠償をしたわけでもねえ、放射能を取り除いたわけでもねえ。
ただ、5年の月日が流れただけ。たーだ被害かぶって苦しんで、うぢらはいったい、なあんなのって」
「精神的な慰謝料として事故の年に8万円、翌年に4万円はもらいましたよ。
ただ、それだけ。12万円で、あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうことでしょう。
とても、そんなんで済む損害じゃねえべ」
――生前、お父さんは野菜の有機栽培に熱心だったそうですね。
「環境のこと、よく考える人でした。寒キャベツをつくり始めたのも、冬なら1回も消毒やんねくたって
虫がつかねえからです。雪の下で成長して、味もかなり甘くなる。地元の学校は全部うぢのキャベツを
給食に使ってました。本当に安全でおいしいものを子どもらに食わせられる、って喜んでた。
学校に呼ばれて、食の教育でしゃべったこともあんだ。そういうのが誇りだったの」
「国から野菜の出荷停止の連絡が届いた翌朝、首をつりました。収穫前のキャベツ7500個がダメになった。
畑も汚された。これから先、どうやって生きてくっぺ、と思い詰めたんでしょう」
――この件は原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)の仲介で和解し、東電も事故との因果関係を
認めたんですね。
「おやじの無念を晴らしてえ、無駄死にさせたくねえと思って訴えました。
ようやく和解して、賠償も出た。やっと東電も線香上げに来てくれる、
謝罪してくれると思ってたんだ。だけど違った。届いたのはファクスでした」
――除染は進んでいますか。
「田んぼは、やりました。大型のトラクターで40センチぐらい耕し、ゼオライトをまいて、また耕す。
その粒に土の放射能が吸着する、それが除染だ、つうから」
「だけど、おがしいっしょ。稲は放射能、吸わねくなるかもしんねえよ。でも土にある絶対量は
変わってねえんだから。汚染された土の上で、俺たち毎日、朝から晩まで働いてんだよ。
将来どうなんのかな、いつか影響出んじゃねえかなって不安だらけだもん」
「国との交渉のときも、ひな壇に座ってる農水省の人に向かって何度も言いました。あんたら除染の『除』って、
どういう漢字書くか、わがってんのかって。たーだ混ぜただけで、なんで除染になんのって。
したら、みんな下向いて書類見てるんだ。その通りだって、思ってんじゃねえの」
――汚染された表土を、はぎ取れないものですか。
「薄くはぎとれんなら、まだいがったの。だけど事故の翌月に、耕していいっていう県の指示があったんだから。
俺も半信半疑だったんだけど、みんな耕したんだ。あそこで耕さねきゃよかったの。
1年は作物つくんな、補償は出すって言えば、いがったんだ。おっきな分かれ道だったんだ」
「機械で、はぎとんのは簡単です。だけど40センチも土とっちゃったら、今度はろくな作物できねえから。
ふかふかのいい土、1センチつくんのに何十年もかかんだよ」
「8代目の俺の代で、田んぼを荒らすわけにいがねから続けてんだ。
やんねで、ぶん投げとけば、すぐに荒れ地になる。周りにも迷惑がかかる。
それに、つくんねきゃあ賠償も出ねえし、収入もねえもん。生活できねえ」(>>2に続く)
http://i.huffpost.com/gen/4021926/images/n-KAZUYA-TARUKAWA-large570.jpg
http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/19/fukushima_n_9277684.html
2 :野良ハムスター ★ 転載ダメ©2ch.net:2016/02/20(土) 22:26:01.23 ID:CAP_USER*――育てた農産物への賠償は?
「販売実績があって損害を証明できるものにだけ出ます。たとえば、事故前に2000円で売れたのが
1500円にしかなんねえんだったら、その差額は東電が賠償する。だけど、天候不順で値が上がった
キュウリはこの2年、賠償出てねえんです。事故前より高い値段で売れたんだから払いませんって。
おがしいっしょ。もしも事故なかったら、もっと高く売れてたんだよ。他県より安いんだよ。
もう、東電はカネ出したくねぐて、しょうがねえんだから」
「俺たちだって請求もできねえようなものも、いっぱいあんだ。もう戻ってこねえものが。うぢで毎年
つくって食べてた椎茸(しいたけ)も、山のふきのとう、たらの芽も、全部ダメになったけど一切出ねえ」
――風評被害はどうですか。
「うぢのコメも、11年のは放射能が最高値30ベクレルぐれえあったの。規制値が500ベクレル以下
(1キロあたり。12年度以降は100ベクレル)だったから十分に大丈夫な数値なんだけど、やっぱ口に
入れるもんでしょう。俺も本当は食いだくねかった。まあ、よそで買うわけにもいがねから食いましたけど」
「ただ、出荷すんのは、なんか悪いことしてる気がして。だから東京の人が、福島のは食いたくねえという
気持ちは、よくわかる。こんなボロ原発あっとこの、わざわざ買って食いてえかえ。これは風評被害じゃねえよ。
根も葉もない噂(うわさ)が広まって売れねえのが風評被害だけど、じぇねえっしょ。根も葉もあんだから。
現実に降ったんだよ、放射能が」
――いまも検出されますか。
「コメは去年もおととしも、放射能は未検出だったの。やれることはやったから。放射能の吸収を抑える
塩化カリウムも毎年まいてるし。全袋を検査して、もしも数値が出たら出荷できないんだもの、
いま福島のコメは、他県よりずっと安全だと思ってる」
「実際、コメは売れてますよ。外食産業とか病院とか、福島県産とわがんねえところで。表には出ねえだけで、
すごい量が動いてんの。うまいから、福島のコメは。粘りと甘みがあって。
だから外食産業の人らは、いいみたいです。うまいコメを安く買えて」
(朝日新聞デジタル 2016年2月20日05時05分)
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