(
経済学、
リンク::::::::::)
スティグリッツ 公共経済学 Economics of the Public Sector by Joseph E. Stiglitz
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/economics-of-public-sector-by-joseph-e_65.html
新しい金融論―信用と情報の経済学 スティグリッツ他、Towards a New Paradigm in Monetary Economics -Stiglitz
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/towards-new-paradigm-in-monetary.html
地域再投資法(CRA= Community Reinvestment Act)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/cra.html(本頁)
イエレン演説:地域再投資法への言及(2014/03/31)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/20140331frb-yellen-what-federal-reserve.html
「地域再投資法」(CRA= Community Reinvestment Act)は、1977年、アメリカ
(シカゴ発祥)で地域の低所得者やマイノリティーなどに対し、金融機関がその融資
活動で差別的な扱いをすることを防止する目的で制定されたもの。
NHK『続エンデの遺言』(書籍版タイトル『エンデの警鐘』)で紹介されていた。
社会デザイン的にはゲゼル式減価マネーの前段階にあるべきものだ。
また、以下のマイナス金利に関する文章の最後のスティグリッツによる提案は
地域再投資法(CRA)そのものだ。…今日本に一番必要なシステムと言ってもいい。
http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__160219.html
: 松尾匡のページ より
《望ましい効果を発揮するためには、量的緩和にともなって次のことがなければ
ならなかった。ひとつは、損なわれた貸付チャンネルを修復するための公的な取
組み(特に、中小企業への直接の貸付について)である。そしてそれだけではなく、
銀行に対して一定の貸付目標を課すべきであった。銀行に対して貸付させないよ
うに効果的に煽るやり方ではなくて、フェッドは超過準備を保持することへの
ペナルティを銀行に課すべきだった。》
原文:What's Holding Back the World Economy Joseph E. Stiglitz, Hamid Rashid; 8.Feb.16
参考:
松尾匡のページ
…
最近、日銀が、民間銀行から預かっているおカネに利子をつけていたのをやめて、逆に手数料を取るという、いわゆる「マイナス金利」政策を始めて、世の中大騒ぎになっています。
日銀が、民間銀行の預けているおカネにプラスの利子をつけたのは、2008年のリーマンショックのあと、一時やめていた量的緩和(金融緩和のすごいやつ)を復活してからです。私はなんでこんなことするのかわかりませんでしたけどね。当時は白川さんの時代でしたけど。
実は、アメリカの中央銀行(フェッド)も、ほぼ同じ時期に、民間銀行の預けているおカネに利子をあげることを始めています。
この政策について、去年の末、サンダースさんがニューヨークタイムズに書いた論評の中でこんなふうに言っています。
The New York Times
Bernie Sanders: To Rein In Wall Street, Fix the Fed
By BERNIE SANDERS, DEC. 23, 2015
より
Second, the Fed must stop providing incentives for banks to keep money out of the economy. Since 2008, the Fed has been paying financial institutions interest on excess reserves parked at the central bank ― reserves that have grown to an unprecedented $2.4 trillion. That is insane. Instead of paying banks interest on these reserves, the Fed should charge them a fee that would be used to provide direct loans to small businesses.
[拙訳]第二に、フェッド(アメリカの中央銀行)は、銀行が経済の外におカネを置いておくことへのご褒美を与えるのをやめなければならない。2008年以来、フェッドは、中央銀行に預けてある超過準備(民間の銀行が決められた額以上に中央銀行に預けてあるおカネ)への利子を、金融機関に対して支払ってきた。おかげで、超過準備は史上空前の2兆4千億ドルにまで膨れ上がっている。全く正気のさたではない。こんな超過準備への利子を銀行に払う代わりに、フェッドは、銀行から手数料を取るべきである。本来そのおカネは、中小企業のための直接の貸付として使われるべきもののはずだからである。
…
あるいは、スティグリッツさん。やはり私の本でも取り上げましたけど、アメリカの代表的なリベラル派のノーベル賞経済学者ですね。
このスティグリッツさんが、つい先日、ラシドさんってバングラデシュの人らしいのですが、その人と連名でエッセーを書いています。その中で、やっぱり、中央銀行が、民間の銀行が預けているおカネに利子をつけていることを批判しています。こんなことをしたせいで、量的緩和でジャブジャブおカネを出しても、そのまま民間の銀行が中央銀行の口座に預けたままにしてしまって効果が殺がれてしまったと言っているのです。
そしてそれに続いてこんなことを言っています。
What's Holding Back the World Economy
Joseph E. Stiglitz, Hamid Rashid; 8.Feb.16
より
This amounts to a generous - and largely hidden - subsidy from the Fed to the financial sector. And, as a consequence of the Fed's interest-rate hike last month, the subsidy will increase by $13 billion this year.
[拙訳] (フェッドが超過準備に利子を払ったために、量的緩和の力が殺がれてしまったという議論のあとで)
これは結局のところ、気前のいい──そして大方には隠された──フェッドから金融業界への補助金だったと言ってよい。そして、フェッドの先月の利上げの結果として、その補助金は今年130億ドルにものぼるだろうというわけだ。
To have the desired effect, QE should have been accompanied not only by official efforts to restore impaired lending channels (especially those directed at small- and medium-size enterprises), but also by specific lending targets for banks. Instead of effectively encouraging banks not to lend, the Fed should have been penalizing banks for holding excess reserves.
[拙訳]望ましい効果を発揮するためには、量的緩和にともなって次のことがなければならなかった。ひとつは、損なわれた貸付チャンネルを修復するための公的な取組み(特に、中小企業への直接の貸付について)である。そしてそれだけではなく、銀行に対して一定の貸付目標を課すべきであった。銀行に対して貸付させないように効果的に煽るやり方ではなくて、フェッドは超過準備を保持することへのペナルティを銀行に課すべきだった。
…
参考:
地域再投資法について 福光寛
http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/42101.pdf
この不況下で進行しつつある金融再編成の動きは、残念ながら、日本経済の中長期的な展望を念頭に置いたものとはなっていない。それは、結局のところ中小金融機関の切り捨て、あるいは吸収・合併による「集中」化の推進にほかならない。その結果、信用金庫や信用組合の数が「着実」に減少しつつあることは指摘した通りである。
こうした「集中」化推進の論理は、「自由化」による競争促進とそのことによる金融効率化の実現ということであって、地域分散や中小企業金融の安定性等の問題は、「市場メカニズムへの依存」という事のなかに埋没してしまっている。
しかし、一般的にいって、市場メカニズムは、「集中」を媒介するものではあっても、「分散」を誘導するのは難しい。バランスのとれた「分散型経済」を実現するためには、むしろ市場メカニズムに対する一定の効果的なコントロールが必要になる。
そのことを示すものとして、ここでは、アメリカで実施されている「地域再投資法」(CRA= Community Reinvestment Act)に関する事例をみておくことにしよう。同法は、一九七七年、地域の低所得者やマイノリティーなどに対し、金融機関がその融資活動で差別的な扱いをすることを防止する目的で制定されたものである。同法によって、連邦金融監督機関は、金融機関が地域の金融ニーズの充足に継続的に貢献するように、その権限を行使することを義務づけられている。その権限は合併や支店開設などの申請に際して行使され、金融機関の地域貢献が不十分であると判断されると、その申請は認可されないことになる。
たとえば、一九八九年二月、連邦準備銀行理事会は、シカゴを拠点とする大手銀行であるコンチネンタル銀行からの銀行買収の申請を、「地域再投資法」に関する活動(CRA活動)が不十分だという理由で却下した。
〈問い〉 日本共産党は、中小企業を安定させるために「地域再投資法」を制定すべきだと主張していますが、どんな法律なのですか。(山形、一読者)
〈答え〉 アメリカの「地域再投資法(CRA)」(一九七七年)は、低所得者層などが多く住む地域への金融機関の融資差別をなくすためにつくられた法律で、地域の活性化に効果を発揮しています。
全文六条からなり、銀行など預金を扱う金融機関に対し、低所得者や中小企業を含め、営業地域の資金需要に適切にこたえる責任があることを明らかにし、監督官庁は、CRAの評価基準にそって銀行の合併や支店の開設などの可否を判断します。
CRAは、とくに八九年の法改正で強化され、同法に基づき銀行を監視する機関が置かれ、銀行の取り組みを四段階で格付けして公表することになり、住民運動も活発化します。監督官庁は、合併などの審査の際、厳格に対応し始め、買収が却下されることもおきました。九五年には、貸し出しだけだった評価項目に投資とサービスを加え、中小企業への貸し出しを評価対象とするなど、評価基準が明確になりました。
さらに昨年の金融改革では、金融持株会社が銀行の枠を越えて証券・保険業に進出する際にも、さん下の銀行がすべてCRA評価で「良好」以上の格付けを受けていることが条件になりました。
日本では、銀行同士が統合して、金融持株会社を設立する際に、統合する銀行がどんなに貸し渋りをしても、また、どんなに多くの支店を廃止しても銀行の自由勝手です。しかも、過疎化がどんどん進み、首都圏と他の地方との地域間格差も広がっています。預金額と融資額を比べると、資金が地方から都市部へ集まり、都道府県ごとに大きな格差があります。
日本共産党は、昨年十一月に発表した中小企業政策で、大企業・大銀行の横暴を規制し、中小企業の事業活動を守るルールを確立する問題の一つとして、アメリカにならい、日本版「地域再投資法」―金融機関が地域のニーズにどのように応じているか、具体的な数字を公表し、一定割合の融資を義務づける―を制定すべきことを提案しています。(ゆ)
〔2000・4・9(日)〕
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「地域再投資法」(CRA= Community Reinvestment Act)は、1977年、アメリカ
(シカゴ発祥)で地域の低所得者やマイノリティーなどに対し、金融機関がその融資
活動で差別的な扱いをすることを防止する目的で制定されたもの。
NHK『続エンデの遺言』(書籍版タイトル『エンデの警鐘』)で紹介されていた。
社会デザイン的にはゲゼル式減価マネーの前段階にあるべきものだ。
また、以下のマイナス金利に関する文章の最後のスティグリッツによる提案は
地域再投資法(CRA)そのものだ。
http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__160219.html :松尾匡のページ
《望ましい効果を発揮するためには、量的緩和にともなって次のことがなければ
ならなかった。ひとつは、損なわれた貸付チャンネルを修復するための公的な取
組み(特に、中小企業への直接の貸付について)である。そしてそれだけではなく、
銀行に対して一定の貸付目標を課すべきであった。銀行に対して貸付させないよ
うに効果的に煽るやり方ではなくて、フェッドは超過準備を保持することへの
ペナルティを銀行に課すべきだった。》
原文:What's Holding Back the World Economy Joseph E. Stiglitz, Hamid Rashid; 8.Feb.16
Community Reinvestment Act
https://en.wikipedia.org/wiki/Community_Reinvestment_Act
"Study Details How Big Banks Are Avoiding Lending Obligations Under Community Reinvestment Act", video report byDemocracy Now!, August 12, 2010; accessed September 23, 2014.
"The Effectiveness of the Community Reinvestment Act", fas.org; accessed September 23, 2014.
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イエレン演説(2014)より
《This commitment is strong, and I believe the Fed's policies will continue to help sustain progress in the job market. But the scars from the Great Recession remain, and reaching our goals will take time. In the meanwhile, the Federal Reserve will continue to expand its efforts to promote community development. The Board and each of the 12 Reserve Banks have community development staff members who focus on improving the availability of financial services in low- and moderate-income communities. They help bankers comply with the Community Reinvestment Act, but they are also a source of research and a facilitator of communication among financial institutions and practitioners to identify and share best practices.》
《この公約(*労働市場に関与し、経済回復の処置を維持すること)は重要であり、この連邦準備制度理事会の方針が求人市場における進展を継続するものと考えてい
る、と言う。しかし大恐慌の爪痕は残り、定めたゴールに到建するにも時間が必要だ。その間、連邦準備制度
理事会はコミュニティ開発を促進する努力を拡大して行く。委員会と12人からなる準備銀行の各々は、低収入で穏やかなコミュニティにおける金融サービスの有効性の改善に注目する地域開発職員である。彼らは銀行家が
地域社会再投資法に応じる援助を行なうが、さらには連邦政府の研究と銀行家とのコミュニケーションを援助し、最適な実行方法を確認し共有する医者の役割も務める。》
(『日本人なら知っておきたいイエレン議長異例の演説!』より)
Speech
Chair Janet L. Yellen
At the 2014 National Interagency Community Reinvestment Conference, Chicago, Illinois
March 31, 2014
What the Federal Reserve Is Doing to Promote a Stronger Job Market
This commitment is strong, ; and I believe the Fed's policies will continue to help sustain progress in the
. job market. But the scars from the Great Recession remain, and rcachinp our goals will take time. In
the meanwhile, the Federal Reserve will continue \o exp\ml its efforts to promote community
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identify and share best practices.
『日本人なら知っておきたいイエレン議長異例の演説!』より
《この公約(*労働市場に関与し、経済回復の処置を維持すること)は重要であり、この連邦準備制度理事会の方針が求人市場における進展を継続するものと考えてい
る、と言う。しかし大恐慌の爪痕は残り、定めたゴールに到建するにも時間が必要だ。その間、連邦準備制度
理事会はコミュニティ開発を促進する努力を拡大して行く。委員会と12人からなる準備銀行の各々は、低収
入で穏やかなコミュニティにおける金融サービスの有効性の改善に注目する地域開発職員である。彼らは銀行
家が地域社会再投資法に応じる援助を行なうが、さらには連邦政府の研究と銀行家とのコミュニケーションを
援助し、最適な実行方法を確認し共有する医者の役割も務める。
イエレン流の期待の操作
3月31日にFRBのイエレン議長はシカゴで、雇用市場を活性化させるためにFRBは何ができるかについての講演を行った。失業の社会的コストや理由の研究といった労働経済学が専門のイエレン議長だけに、自らの専門分野に焦点をあててFRBの金融政策の在り方を説明したものと思われる。
今回の講演では「金融当局者としては珍しく」(日経新聞電子版)、厳しい雇用環境に直面する人々の実例も挙げて、わかりやすい説明を心がけていたようである。失業率は改善してきてはいるが、賃金の伸びの鈍さや労働参加率の低下などをあげて雇用環境は厳しい状況にあることを示している。
その雇用環境を示す用語として「slack」という言葉を使い、その説明もしていた。「slack」は緩み、たるみ、だぶつきといった意味があるが、労働環境で言えば、良い生活をしたくとも適切な仕事に就ける十分な機会は与えられず、雇用における需給のバランスが崩れており、経済環境で言えばやはり需給バランスがまだ取れてはいない状況を示すものと思われる。
理想的な完全雇用というものが存在するのか、それはどのような状況を示すのは定かではない。しかし、イエレン議長は雇用に関する実例を挙げて、まだまだ改善の余地があり、物価の安定とともに雇用の安定という2つの目的を果たすため、「異例の金融支援を実行することにしており、この約束は強力なものだ」とコメントしていた。
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参考書籍:
現代の地域金融 「分権と自立」に向けての金融システム
木村温人/著 日本評論社 2004.3 238p
目次
第1章 歴史認識としての地域金融;
第2章 わが国の地域金融の実態と課題;
第3章 米国の地域金融の実態とCRA(地域再投資法);
第4章 韓国の地域金融の実態とその動向;
第5章 台湾の地域金融の実態とその動向;
第6章 北九州市都市圏の地域金融構造―歴史・現状・課題;
第7章 「分権と自立」に向けての金融システム
形式: 単行本
本書では、中盤の多くを米国のCRA(地域再投資法)の説明に費やしている。金融庁によるリレーションシップバンキング強化の指導などで注目される地域金融であるが、米国ではリレーションシップバンキングの進展に地域再投資法が大きな役割を果たしている。
本書は地域再投資法の制定の歴史から地域で定着するプロセスを丁寧に説明している入門書・参考図書として多くの人に読んで欲しい。
金融アセスメント法の制定に向けて、今後さらに注目される地域再投資法については、金融専門家を目指す研究者だけでなく、地域活性化や都市経営など幅広い研究者や実務家に知っておいて欲しいものである。
地域再投資法ついて一番詳しい一般書籍(第三章)だが、日本の民主党による金融アセスメント法の提案で記述が終わっている。その後の改訂版が望まれる。
地域金融問題は分権化の重要な柱の一つなのに、これまで十分に論議されてこなかった。地域経済社会の健全な発展にとって、地域金融の好循環こそが生命線である。各国の事例研究を踏まえ、日本の地域金融のあり方を論じる。 |
はしがき 第1章 歴史認識としての地域金融 1 地域金融(機関)の概念 2 歴史認識としての地域金融 第2章 わが国の地域金融の実態と課題 1 90年以降の地域金融機関の「破綻」とその動向 2 90年以降の地域金融機関の店舗展開とネットワークの動向 3 90年以降の地域金融機関の財務状況 4 わが国地域金融機関の課題と問題点――リレーションシップ・バンキングと地域金融機関 第3章 米国の地域金融機関とCRA(地域再投資法) 1 米国地域金融の太宗:コミュニティ・バンク 2 米国のクレジット・ユニオン(信用組合) 3 米国の貯蓄金融機関 4 米国の地域金融機関を支えるCRA 第4章 韓国の地域金融の実態とその動向 1 東アジアの地域金融の発展段階と発展様式 2 IMF管理下の韓国の金融経済 3 韓国の金融システムの特徴と問題点 4 韓国の地域金融機関の実態とその動向 第5章 台湾の地域金融の実態とその動向 1 軽微に済んだアジア通貨危機とその背景 2 台湾の金融システムの特徴 3 台湾の地域(基層)金融と中小企業銀行の実態 第6章 北九州市都市圏の地域金融構造――歴史・現状・課題 1 歴史から見た北九州市都市圏の金融構造の特徴と変化 2 財務から見た北九州市都市圏の地域金融機関の実態 3 アンケートから見た北九州市都市圏の地域金融機関の特徴 4 地域自立の金融システムと北九州市都市圏の地域金融の実験例 第7章 「分権と自立」に向けての金融システム 1 「分権と自立」に向けた金融システムのフレームワーク 2 「分権と自立」のための金融政策の具体的事例 あとがき
日米の比較。日本の地域金融の弱さがわかる。
(柴田武男(1994)「地域再投資法改正の影響と現行の規制構造」『証券研究』108号156頁) |
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文化と都市の公共政策 創造的産業と新しい都市政策の構想
後藤和子/著
有斐閣 2005.9 276p
著者等紹介 1954年生まれ。76年京都大学理学部卒。その後、学童保育、おやこ劇場、高校講師
等を経て、98年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、埼玉大学経済学部教
授。文化経済学会〈日本〉理事、「文化経済学」編集主幹。
要旨
創造性の発揮へと導く政策をいかにデザインするか。文化の機能の革新とも言うべき「創
造性」の視点からの文化・産業・都市政策のデザインについて、文化経済学、文化政策学
、財政学など幅広い視点に立脚しつつ、文化と経済の相互作用に着目してまとめあげた待
望の意欲作。
目次
第1部 創造性を支援する文化支出の理論的基礎
(芸術・文化と財政;分権型社会における文化支出の理論的基礎);
第2部創造性の公共政策に向けて
(創造性と財政システム―文化政策の視点から;文化政策の評価);
第3部 都市・地域の創造性を支える金融システム
(コミュニティ再生における地域通貨の理論的位置;創造性を発展させる地域金融のデザイン―3つのセクターを視野に入れた資金循環);
第4部 創造的都市の理論と現実
(福祉国家から創造的都市へ―スウェーデンとフィンランドを中心として;創造的都市論への理論的アプローチ―場と関係性の概念を中心として ほか)
内容
文化の機能の革新とも言うべき「創造性」の視点からの文化・産業・都市政策のデザイン
について、文化経済学、文化政策学、財政学など幅広い視点に立脚しつつ、文化と経済の
相互作用に着目してまとめた待望の意欲作。
地域通貨について懐疑的だが詳しい記述がある。ただヴェルグル等歴史的にはあまり詳しく調べていない。
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Economic Development Finance Karl F Seidman
googlebook
Economic
Development Finance is a comprehensive and in-depth presentation of
private, public, and community financial institutions, policies and
methods for financing local and regional economic development projects.
The treatment of policies and program models emphasizes their
applications and impact, key design and management issues, and best
practices. A separate section addresses critical management issues for
development finance programs: program and product design, the lending
and investment process, and capital management. Case studies are
included throughout the book to help readers develop their skills and
apply policies and tools to real practice issues. A glossary of finance
terms is also included.
http://www.amazon.com/Economic-Development-Finance-Karl-Seidman/dp/0761927093
http://www.amazon.co.jp/Economic-Development-Finance-Karl-Seidman-ebook/dp/B00UVK3PE2/
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また、実践部隊においても、「これまで、銀行の使命、公共性などの観点からも、合理化・効率化に手をつけにくかった。たとえば、 ... 手段へアクセスできるような政策が形成されていった。さらに「地域再投資法」が、地域のニーズを満たす案件に資金を提供することにもっと積極的になるように銀行を督励することを意図して制定された。これにより、 ...
文化と都市の公共政策: 創造的産業と新しい都市政策の構想
創造性の発揮へと導く政策をいかにデザインするか。文化の機能の革新とも言うべき「創造性」の視点からの文化・産業・都市政策のデザインについて、文化経済学、文化政策学、財政学など幅広い視点に立脚しつつ、文化と経済の相互作用に着目してまとめあげた待望の意欲作。
文化と都市の公共政策: 創造的産業と新しい都市政策の構想
160 ページ 地域における長期間の取引を通じた信頼関係の酸成はえ IX パットナムが指摘して以来 注目されている「社会関係資本」の 1 つであ ... は)地域再投資法あるいは金融 アセスメント法の提案一金融の公共性とは何か 1998 年以降の,銀行への公的資金 投入や ...
161 ページ 金融アセスメント法」は, 1998 年,山ロ義行が,「21 世紀政策構想フォーラム」ポ?0 法人) から提言したものである。この提言は,アメリカの「地域再投資法」と考え方としては共通 する部分が多いが,日本の中小企業へのアンケート調査(中小企業家同友会が行った ...
271 ページ リージョン 196 地域金融 24, 154 ——の流れ 151 ——の役割 153 地域金融公社 164 地域経済のダイナミズム 137 地域コミュニティの再生 120, 125 地域再投資法 156, 160, 161, 165 地域資源 110 地域政策 4, 6 地域総合整備事業費 41 地域通貨 24, ...
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参考書籍:
http://www.amazon.co.jp/dp/4535553513
現代の地域金融 「分権と自立」に向けての金融システム
木村温人/著 日本評論社 2004.3 238p
目次
第1章 歴史認識としての地域金融
第2章 わが国の地域金融の実態と課題
第3章 米国の地域金融の実態とCRA(地域再投資法)
第4章 韓国の地域金融の実態とその動向
第5章 台湾の地域金融の実態とその動向
第6章 北九州市都市圏の地域金融構造―歴史・現状・課題
第7章 「分権と自立」に向けての金融システム
NHKエンデの警鐘が具体的な取材(足で稼いだ取材)に基づいていて一番参考になるのだが...
日本ではおそらく地域再投資法ついて一番詳しい一般書籍が本書(第三章)。日本の民主党による
金融アセスメント法(山口義行『誰のための金融再生か―不良債権処理の非常識 』ちくま新書で
詳細が読める)の提案で記述が終わっている。その後の改訂版が望まれる。
英語書籍では以下が詳しい。
Economic Development Finance Karl F Seidman
https://books.google.co.jp/books?id=z1luBwAAQBAJ
SAGE Publications,
2004/06/22 - 520 ページ
書評:
現代の地域金融 「分権と自立」に向けての金融システム
木村温人/著 日本評論社 2004.3 238p
目次
第1章 歴史認識としての地域金融
第2章 わが国の地域金融の実態と課題
第3章 米国の地域金融の実態とCRA(地域再投資法)
第4章 韓国の地域金融の実態とその動向
第5章 台湾の地域金融の実態とその動向
第6章 北九州市都市圏の地域金融構造―歴史・現状・課題
第7章 「分権と自立」に向けての金融システム
NHKドキュメンタリー『続エンデの遺言』が具体的な取材(足で稼いだ取材)に基づいていて一番参考になるのだが...
日本ではおそらく地域再投資法*について一番詳しい一般書籍が本書(第三章)。日本の民主党による
金融アセスメント法(山口義行『誰のための金融再生か―不良債権処理の非常識 』ちくま新書で
詳細が読める)の提案で記述が終わっている。
図を使った日米の比較などで、日本の地域金融の弱さがわかる。
イギリスや韓国のケースも紹介されている。
その後の改訂版が望まれる。
*
「地域再投資法」(CRA= Community Reinvestment Act)は、1977年、アメリカ
(シカゴ発祥)で地域の低所得者やマイノリティーなどに対し、金融機関がその融資
活動で差別的な扱いをすることを防止する目的で制定されたもの。
ちなみに、NHK続エンデの遺言は書籍化されている。
エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」: 坂本 龍一, 河邑 厚徳
英語書籍では以下が詳しい。
Economic Development Finance Karl F Seidman
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