木曜日, 3月 10, 2016

宇沢弘文(1928~2014):メモ

                 ( 経済学リンク::::::::::
NAMs出版プロジェクト: 宇沢弘文(1928~2014):メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_10.html
宇沢弘文著作集:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_82.html
NAMs出版プロジェクト: Thorstein Veblen, 1857-1929.
NAMs出版プロジェクト: 河上肇 貧乏物語:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_23.html
NAMs出版プロジェクト: 公共財:再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_22.html
DSGE批判(まとめ) 動学マクロ経済学 二神孝一 他 

"Optimum Technical Change in an Aggregative Model of Economic Growth PDF", 1965, IER.http://kisi.deu.edu.tr/yesim.kustepeli/uzawa1965.pdf


社会的共通資本SOCの説明(生産と消費両方に関わることで人間の経済活動をSOCは内包する):

社会的共通資本の賦与量V。
生産主体jの生産量Qjは、その使用する私的な資本の量Kj、労働雇用量Njに当然依存して定まってくる。
これら私的な生産要素の限界生産のスケジュールは、共通資本から生み出されるサービスの使用量Xjによって左右される。
生産主体jが、生産主体jの生産的諸条件を要約する生産関数はつぎのような形をしていると考えられる。
 Qj=Fj(Kj,Nj,Xj,X,V)
ここで、Xは、経済全体で、共通資本のサービスがどれだけ使用されているかということをあらわす。
効用水準Uiは、私的消費の量Ci、共通資本のサービスの使用量Xi、経済全体での共通資本のサービスの使用量X、および共通資本の賦与量Vに依存して定められる。
 Ui=Ui(Ci,Xi,X,V)
Xが増加するとiの効用水準は低下する。

『経済学の考え方』253~5頁より要約。

わかりにくいが、宇沢は公害を例に挙げている。



「国富が大きくなること」 と 「国民が豊かになること」 は違う/NHK・クローズアップ現代 「経済学者・宇沢弘文(うざわひろふみ) ~格差・貧困への処方箋~」 – @動画
http://www.at-douga.com/?p=12271
veoh - クローズアップ現代「人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困社会への処方箋」_20141031_HD-1-a1
http://www.veoh.com/watch.php?v=v79749424NAFzZhCA
2014年10月30日に放送された、NHK・クローズアップ現代「人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困への処方箋」を紹介します。(所要時間:約26分)


UZAWA_SUGAWARA - Dailymotion動画
NHK 耳をすませば 第3回 
「信じる道を歩んで 未来へ伝えたい言葉」 
宇沢弘文(経済学者)、菅原文太(俳優) 
2014年12月31日放送 
経済学者ながら、水俣病、成田空港闘争の現場に足を運び、人間の幸福を実現する経済学を提唱した宇沢弘文さんと、映画、ドラマの世界で大スターに上りつめたのち、農業や地域の再生に取り組んだ菅原文太さん。専門分野の枠を越えて貫いた、信念に耳を傾けます。(『自動車の社会的費用』1974年岩波新書などに触れている。)


_____


《…そして 『社会的共通資本 』を読んだ時も 、多くの点で賛同しながらも 、違和感が残った 。そもそも 「社会的共通資本 」という概念が気に入らなかった 。それは新古典派にもとづく考えである 。マルクスの場合 、 「資本とは 、自らを商品に転化し 、この商品から最初の額より多くの貨幣に再転化すべき貨幣である 」 ( 『資本論 』 ) 。つまり 、 「資本 」は M —C —M 'という蓄積過程の全体を指す 。ゆえに 、コモンズは社会的共通資本ではなく 、社会的共通財と呼ぶべきである 。
 といっても 、私がこの差異にこだわるのは 、特にマルクス派に与するからではない 。そもそも 、宇沢はこれを新古典派への批判として考えたのであり 、本書の主題は 、社会的共通財が 「資本 」の蓄積過程に入ってしまうことへの批判にあったからだ 。社会的共通財は資本にはならない 。むろんそれは私有化 ・分割されて 、資本に転化することがありうる 。が 、そのとき 、それはもはや社会的共通財ではない 。まさに 「資本 」に変態している 。
 宇沢の考えでは 、これまでの日本の農政は 、個々の農家を経営単位として 、その経営的規模を大きくし 、労働生産性を高めることによって 、工業部門と比較して劣らないものとし 、他の国々の農業とも競争しうる効率的なものにするということに焦点がおかれてきた 。しかし 、 《独立した生産 、経営単位としてとられるべきものは 、一戸一戸の農家ではなく 、一つ一つのコモンズとしての農村でなければならない 》 ( 『社会的共通資本 』 、岩波新書 、 p . 7 7 ) 。コモンズとしての農村は 、林業 ・水産業 、牧畜などを含む生産だけではなく 、それらの加工 、販売 、研究開発を統合的に 、計画的に実行する一つの社会的組織である 。それは 、数十戸ないし一〇〇戸前後からなる 。
 そうすると 、宇沢が提唱することは 、柳田がかつて提唱したことと同じである 。》
(柄谷行人「宇沢弘文と柳田国男」『現代思想』(青土社)2015年3月増刊号より)

SOCIAL OVERHEAD CAPITAL (Iwanami Paperbacks)
by Hirofumi Uzawa
November 2000, 173 x 105 mm, 239 pp., yen660-

Contents
Foreword
Introduction - Definition of an Affluent Society
Chapter 1:Concept of Social Overhead Capital 
a.Definition of Social Overhead Capital
b.Concept of Civil Rights and Economics
Chapter 2:Farming and Farm Villages 
a.The Farming Way of Life
b.In Search of a Farming Revival
Chapter 3:Cities 
a.Cities as Social Overhead Capital
b.Social Cost of Automobiles
c.Shift in Urban Thought
Chapter 4:School Education 
a.School Education as Social Overhead Capital
b.Educational Theories Advocated by John Dewey and Other Liberals
Chapter 5:Thorstein B. Veblen's Views on Universities
Chapter 6:Medical Services as Social Overhead Capital
Chapter 7:Financial Systems as Social Overhead Capital 
a.Financial Crisis in the United States
b.Financial Crisis in Japan
Chapter 8:The Global Environment 
a.The Environment in Human History
b.Two International Conferences on Environmental Problems
c.Global Warming
Afterword



■宇沢 弘文 20001120 『社会的共通資本』,岩波書店(岩波新書696).239p.  

■目次

はしがき
序章 ゆたかな社会とは
第1章 社会的共通資本の考え方
第1節 社会的共通資本とは何か
第2節 市民的権利と経済学の考え方

第2章 農業と農村
第1節 農の営み
第2節 農の再生を求めて

第3章 都市を考える
第1節 社会的共通資本としての都市
第2節 自動車の社会的費用
第3節 都市思想の転換

第4章 学校教育を考える
第1節 社会的共通資本としての教育
第2節 デューイとリベラル派の教育論
第3節 ヴェブレンの大学論

第5章 社会的共通資本としての医療
第6章 社会的共通資本としての金融制度
第1節 アメリカの金融危機
第2節 日本の金融危機

第7章 地球環境
第1節 人類史における環境
第2節 環境問題に対する二つの国際会議
第3節 地球温暖化
あとがき

社会的共通資本は岩波新書で入手しやすいが、代表作は以下だろう。

経済解析 基礎篇  
著者名等   宇沢弘文/著  
出版者    岩波書店  
出版年    1990.2  
大きさ等   27cm 659p  NDC分類  331.19  
件名     数理経済学  
要旨 
現実の経済を分析するさいの基本的視点をどこにおいたらよいか。またその方法はどうか 。将来経済理論の研究を志す人々、あるいは先端的な理論研究の源流を探りたいと思う人 々のために、経済解析の基礎的事項と分析手法を解説した。永年の研究のうえに立って体 系化を試みた「宇沢経済学」の展開であり、現代経済学の真髄を提示する。  
目次
第1部 消費の理論;第2部 貯蓄の理論;第3部 生産の理論;第4部 市場均衡;第 5部 経済成長;第6部 経済動学と投資理論;第7部 最適理論;数学付論

経済解析 展開篇  
著者名等   宇沢弘文/著  
出版者    岩波書店  出版年    2003.7  
大きさ等   27cm 714p  NDC分類  331.19  
件名     経済分析  
要旨    
本書は、『経済解析 基礎篇』で解説した経済解析の考え方と分析的手法を使って、いく つかの重要な現代的課題を考察し、その政策的、制度的意味を明らかにする。  
目次    
第1部 地球温暖化と経済理論(地球温暖化と動学的帰属理論;地球温暖化とリンダール 均衡の安定性 ほか);
第2部 経済分析の精緻化(パレート最適、競争均衡、リンダー ル均衡;競争均衡とコアの理論 ほか);
第3部 社会的共通資本の理論(「コモンズの 悲劇」と社会的共通資本の理論;社会的共通資本の一般理論 ほか);
第4部 国際経済 学にかんする若干の問題(経済統合と政策協調のゲーム理論的アプローチ;資本蓄積と対 外債務の最適なパターン ほか);
第5部 経済学の新しい展開を求めて(20世紀の経 済学を振り返って;新しい経済学への展望);付論 ゲーム理論入門(ゲーム理論入門; オーマン・レクチャー―ゲーム理論の数学的基礎)  
内容    
「基礎篇」で導入した経済解析の考え方と分析的手法を精緻化し、地球環境問題をはじめ 、社会的共通資本にかかわる現代的な諸課題を考察。あわせて新しい経済学への展望を語 った書。 


東洋経済新報社のインタビューを読むと、宇沢自身はケインズとの比較で(柳田国男ではなく)石橋湛山に親近感を覚えているようで、さらにヴェブレンを推奨している(岩波新書『経済学の考え方』(1989)でも一章をヴェブレンに当てている)。

『経済学の考え方』は『経済動学の理論 』(1986/10)のエッセンスをまとめていてかつ読みやすい。社会的共通資本が経済学的に導かれた概念だとわかる。厳密には以下を読むべきだろうが。

展開篇の第3部が重要。はしがきでアダム・スミス『国富論』第5編、ハーシュマンが言及、推奨されている。

《公共事業および公共施設の費用について   主権者または国家の、第三のそしてさいごの義務は、つぎのような公共施設および公共事業を設立し維持するという義務であって、…》(河出『国富論』第五篇第三部。国防、司法に続く部)

アダム・スミスは『経済学の考え方』1989冒頭が詳しい。

ちなみにハーシュマン『経済発展の戦略』第五章ではSOC(邦訳では社会的間接資本と訳される)が言及され、その用役が輸入できないことがSOCの条件に挙げられている(邦訳ハーシュマン146頁)。

経済動学の理論 | 宇沢 弘文 |  1986/10
http://www.amazon.co.jp/dp/4130410407/



著作集版は縦書き。VIIが未所収。単行本版を勧める。





KJ00005116121

 
(Adobe PDF)
 

無差別曲線は原点から遠いものほど高い効用水準をあらわずから, 第ー図. の関係をB 氏の立場から ... 効用水準を一定に保ったまま生産Qが. 生産可能性曲線上を ...... 第 ー3図の SMCは社会共通資本の, 社会的費用を内部化した限界費用曲. 線を表わず。
里中論考


SMCはSOCの社会的費用を内部化した限界費用曲線。税収を超えてはならない。

参考:
企業の理論 | T. ヴェブレン, Thorstein Veblen, 小原 敬士 | 本 | Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/dp/4326500115

企業の理論 単行本 – 1996/3



宇沢(宇澤) 弘文(うざわ ひろふみ、1928年昭和3年)7月21日 - 2014年平成26年)9月18日[4])は、日本経済学者。専門は数理経済学東京大学名誉教授。意思決定理論、二部門成長モデル、不均衡動学理論などで功績を認められた。従三位


専門的な論文として、最適成長論や二部門成長論などによって名声を博した[14]。なお、ジョセフ・スティグリッツは、 1965年から1966年にかけて、シカゴ大学の宇沢の下で研究を行った[15]

新古典派成長理論を数学的に定式化し、二部門成長モデルや最適値問題の宇沢コンディションも彼の手による。新古典派経済成長モデルではその成長経路が安定的とされてきたが、宇沢は「安定的」なものではなくむしろ不安定なものである、また経済はケインズ的な失業を伴うという点に着目した[19]不均衡動学の展開により、アメリカ・ケインジアンたちに挑んだが、自らの着想の定式化に苦心した。
人物像:
健康法はジョギング[8][20]趣味は山歩き[8]であった。ランニングと短パン姿の宇沢は東京都内でよく目撃されており、新幹線の中でもその姿が目撃されている[20]
  • 数学から経済学へ転じたのは、河上肇の『貧乏物語』を読み感動を覚えたからと言われている[13]太平洋戦争敗戦による日本の経済困窮をなんとかしたいという希望から経済学に転向した[21]
  • アメリカのシカゴ大学で「教授」であったにもかかわらず帰国した東京大学でなぜ「助教授」なのかと当時の世界の経済学界で話題となった[22]。日本の当時の大学は年功序列で、宇沢が教授になる年齢に達していなかったというのが理由である[22]。また、アメリカを去った理由の一つとして、当時のアメリカがベトナム戦争にコミットしていたことに抗するところがあった[22]。著書『再検討』で、アメリカの経済学者が、費用便益分析でベトナム戦の殺戮率を計算していたことを批判している[19]。宇沢は「ベトナム戦争は、広島・長崎への原爆投下にも匹敵する人類に対する最悪・最凶の犯罪である」と述べている[23]

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算数から数学へ 単行本 – 1998/7/10 宇沢 弘文  (著)



60年代にはそれを動学的に拡張した成長理論を構築し、内生的成長理論の先駆とされる。この分野でノーベル賞が出れば、Paul Romerとともに受賞する可能性もあった。彼の最適成長理論も、のちの動学的均衡理論の原型になった。

しかし宇沢モデルは家計消費を最大化する条件を導く規範的理論だったのに、ルーカス以降は「代表的家計」が永遠の未来を正確に予想し、実際に消費を最大化すると想定する理論にすり替わった。これに彼は批判的で、「合理的期待は水際で止める」と公言し、日本の経済学界は世界から取り残された。

ワルラス的な均衡理論を動学的なマクロ経済に拡張すると時間の扱いがむずかしく、ルーカス以降の理論は実質的に時間を無視して未来を現在に引き戻す理論だった。それがナンセンスだという批判は正しいのだが、まじめに時間を入れた動学モデルをつくると、彼の「不均衡動学」のように複雑怪奇で理解できないものになる。

数学的に行き詰まった40代以降の彼の業績には、見るべきものがない。数学者としては超一流だったが、「社会科学はわからない」と言っていた。思想的には左翼で、晩年には農本主義に回帰して荒唐無稽な農業保護論を主張した。

学問的には、宇沢先生の批判は正しい。最近の動学マクロ理論は、動的計画法でマクロ経済を計画経済として記述するようになっているが、これはアセモグルも認めるように「頭の体操」である。現実のマクロ経済は数学で記述するには複雑すぎるので、それを理解するための大ざっぱなベンチマークにすぎない。

最近は、動学的均衡理論への批判が強まっている。クルーグマンなども「DSGEのような超長期の均衡理論には意味がない」といって「一時的均衡理論」を提唱している。そういう理論の元祖は、ケインズである。宇沢先生も、毎年ケインズの『一般理論』をゼミのテキストにしていた。

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東京大学社会科学研究所:研究スタッフ:大瀧雅之
http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/mystaff/ohtaki.html
  1. 「「なぜ」という問いが足りないメディア:事実追認や既得権益擁護から脱却せよ」,『Journalism』(朝日新聞社)2014年10月号, pp. 71-80.
  2. 「宇沢弘文先生とケインズ経済学」,『現代思想』(青土社)2015年3月増刊号,pp. 62-75.
  3. 「The General Theory of Employment, Interest and Moneyを読む」,『社会科学研究』特集「ケインズとその時代を読む」第66巻第2号,2015年,pp. 3-40.
  4. 「Activities 1931-1939: World Crises and Policies in Britain and Americaを読む」,『社会科学研究』特集「ケインズとその時代を読む」第66巻第2号,2015年,pp. 41-61.

〈著書〉

  1. 『景気循環の理論:現代日本経済の構造』東京大学出版会, 1994年1月, 454頁. (第37回日経・経済図書文化賞受賞)
  2. 『現代マクロ経済動学』(浅子和美と共編著) 東京大学出版会, 1997年4月, 448頁.
  3. 『成長と循環のマクロ経済学』(吉川洋と共編著) 東京大学出版会, 2000年2月 , 263頁.
  4. 『景気循環の読み方:バブルと不良債権の経済学』 筑摩書房(ちくま新書289), 2001年4月, 190頁.
  5. 『動学的一般均衡のマクロ経済学:有効需要と貨幣理論』 東京大学出版会, 2005年9月249頁.
  6. 『平成長期不況:政治経済学的アプローチ』(編著)東京大学出版会, 2008年7月, VIII+340頁.
  7. 『基礎からまなぶ経済学・入門』有斐閣, 2009年8月, XI+286頁.
  8. 『貨幣と雇用の基礎理論』勁草書房, 2011年5月, xi + 151頁.
  9. 『平成不況の本質:雇用と金融から考える』岩波新書, 2011年12月, iv + 185 + 3頁.
  10. 『金融システムと金融規制の経済分析』(花崎正晴・随清遠との共編著)勁草書房,2013年8月,xiii + 258頁.
  11. 『国際金融・経済成長理論の基礎』勁草書房,2013年12月,xi + 182頁.


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大瀧雅之「宇沢弘文先生とケインズ経済学」,『現代思想』(青土社)2015年3月増刊号,pp. 62-75.




































































参照


宇沢弘文の経済学 社会的共通資本の論理 - | 日経ブック&ビデオクラブ
http://www.nikkeibookvideo.com/item-detail/35635/
格差を取り上げた『21世紀の資本』(ピケティ著)は高額本にも関わらず非常に注目されている。それと同様に、市場メカニズムへの評価が変わりつつある現在、宇沢氏の考えに共鳴する人々も多い。
商品説明
宇沢弘文の出発点は、社会的弱者への思いだった―。「自動車の社会的費用」「ヴェブレン論」「地球温暖化問題」などの幅広い論考を、到達点である社会的共通資本に即して総括したウザワ・ワールド凝縮の一冊。
目次
 第I部 リベラリズムの経済学と社会的共通資本
第1章 アダム・スミスからジョン・スチュアート・ミルへ
第2章 ジョン・スチュアート・ミルと木村健康先生
第3章 ソースティン・ヴェブレン
第4章 制度主義の考え方
第5章 社会的共通資本の考え方

 第II部 自動車の社会的費用と社会的共通資本
第6章 自動車の社会的費用
第7章 水俣病問題とむつ小川原の悲劇
第8章 「コモンズの悲劇」論争

 第III部 自然・都市・制度資本
第9章 コモンズと都市
第10章 地球温暖化の経済分析
第11章 社会的共通資本としての学校教育
第12章 社会的共通資本としての医療
第13章 社会的共通資本としての金融制度
第14章 社会的共通資本としての都市

解説--凝縮されたウザワ・ワールド(小島寛之)


宇沢弘文の経済学 社会的共通資本の論理 | 宇沢 弘文 | 本 | Amazon.co.jp 2015/03
http://www.amazon.co.jp/dp/4532356350/

トップカスタマーレビュー

投稿者 hiroshi トップ500レビュアーVINE メンバー 投稿日 2015/3/30
 本書は、2005年に私家版として出された宇沢弘文氏の著作を日本経済新聞社が再編集して刊行したものである。宇沢弘文氏がその構築に50年におよぶ精力を注ぎ込んだ社会的共通資本の体系が平易に語られていて初学者でも読みやすくまとめられている。宇沢氏の生涯と思想を記述した「経済学は人びとを幸福にできるか」(東洋経済新報社)、「経済と人間の旅へ」(日本経済新聞出版社)を併せて読めば、宇沢氏の思いがより深く理解できるだろう。

 全体が3つの部に分かれている。第1部はジョン・スチュアート・ミルに始まるリベラリズムの思想がソースティン・ヴェブレンの制度主義の経済学へと展開されていった歴史を振り返る。ヴェブレンは、すべての人々が人間的尊厳を守られ、市民的な権利が最大限に享受できるようなリベラルな理念に立った経済体制を実現しようとした。宇沢氏はこの制度主義の考え方を具体的なかたちで社会的共通資本と表現したのであった。

 初めに印象的な挿話が紹介されている。宇沢氏は旧制一高時代に木村健康先生からジョン・スチュアート・ミルの「自由論」を教わったが、先生は弾圧された河合栄治郎教授を弁護したため憲兵に睨まれ拘留される。憲兵隊へ木村先生を迎えに行った宇沢氏は過酷な取り調べでやつれ果てた先生を見ることになる。この体験が宇沢氏の反権力、リベラリズムの原点になったのだろう。後に宇沢氏はシカゴ大学から東大に戻り、退官する木村先生の講座を継いだのである。

 第2部は、「自動車の社会的費用と社会的共通資本」。宇沢氏が社会的共通資本を考えるきっかけは、1960年代に日本において自動車が大きな社会的費用を発生していることに注目したことにある。宇沢氏は、道路建設、交通事故、子供の遊び場の消滅、排ガスの発生、等々の費用を算出し、1台当たり200万円という数字を提出した。そして、社会的費用の概念は市民の基本的人権に密接に結びついていて、自動車が安全で健康的に生きる市民の権利を脅かしていることを強調したのである。一方で、社会的費用を算出する意義を認めない、あるいは過小に算出する新古典派経済学を宇沢氏は厳しく批判した。

 第3部は、「自然・都市・制度資本」。ここでは地球温暖化の経済分析をスタートに、社会的共通資本としての学校教育、医療、金融制度、都市を順に分析している。社会的共通資本の体系の中でも、中心になるのが自然環境であるが、とりわけ後世にも大きな影響を与える地球温暖化を宇沢氏は取り上げている。解決策として、大気中に排出される二酸化炭素の量に応じて税金を課す仕組みを提案している。それが国力に応じて徴収することが最適であると主張しているのは注目に値する。医療について宇沢氏は、「一般的に国民医療費が高いことは望ましい」と言っている。なぜなら国民医療費が高いのは、医療従事者の数が多く、人々が有効性の高い医療品を適正な量を利用でき、優れた設備の医療施設で適切なサービスを受けられることを意味するからである。

 これらの主張からもわかるように宇沢弘文氏は、一貫して市民の側に立って経済学を研究し、社会的な弱者に優しい真のリベラリストとしての生涯を全うされたのであった。いま私たちが直面する環境問題、教育や医療の問題、農村の疲弊、格差の拡大などの諸問題に宇沢氏が体系化した社会的共通資本の思想の有効性が明らかにされつつある。宇沢氏の思想を受け継ぎ、実践と改革を進めるのが残された者の役割であろう。
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「社会的共通資本」という考え方を提示し、日本の経済学者として世界に知られた著者の遺作。

アダム・スミス、ジョン・スチュアート・ミル、そしてヴェブレンまで著者の考え方に影響を与えた経済学者を紹介し、著名な「自動車の社会的費用」をはじめ、地球温暖化、学校教育、医療、金融制度そして、都市問題までを社会的共通資本の考え方で包含し、著者の主要な論考が理解できる。

「社会的共通資本は、官僚的な基準によって行われるものではない。それぞれ独立の機構によって管理される。」
「森林をはじめとして、…その社会的管理組織として歴史的に形成されてきたのがいわゆるコモンズの制度である。」
「経済学が問題とするのは資源配分の効率性だけであって所得分配の公正性という問題は、なんらかの価値判断に基づくものであり経済学の対象とはなり得ない。しかし、この効率性をのみ基準とすること自体一つの価値基準に基づいている。現実には、所得分配の不平等化に伴って多くの深刻な社会的な問題が起きているのにもかかわらず経済学の客観性をのみ追求しようとするのはもともと経済学者の志向してきた社会的な監視とは離れるものである。」
「このように、大きな経済的精神的損失を他の市民に与えながら自動車利用者が自ら負担する費用はそのごく一部分にすぎない。」
「ブラジル政府は、アマゾンの長老たちに特許料を支払う制度を新たに作った。ところが、アマゾンの長老たちはこぞってアメリカの製薬会社から特許料を受け取ることを拒んだ。自分の持っている知識が人間の幸福のために使われることほど嬉しいことはない。その喜びをお金に変えるというさもしいことはしたくないというヴェブレン的な理由からであった。」
「公共的輸送機関の整備によって、都市における生活の自動車依存度を大幅に低下させることが、エネルギー効率、社会的環境の安定化に必須の条件である。特にジェイコブズの「アメリカ大都市の生と死」の主張に対して耳を傾ける必要があろう。」

こうしてみると、早くから従来の経済学では対応が困難な分野について、望ましい社会のあり方について、継続して提言をし続けてきた偉大な経済学者であったことが改めてよくわかる。
先生の考えが、今後も継承されて行くことを期待したい。
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投稿者 hisao 投稿日 2015/4/16
Amazonで購入
社会的共通資本は、人々の生活を基盤とする自然環境、社会的装置、社会制度である。住民のためにである。
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スティグリッツ氏… blogos.com/outline/167294/
《宇沢(弘文)氏の経済理論は、(1)貧しい人たちのために経済がどう機能すべきかという社会正義(2)世代の中の公正さ(3)平和への確信――に価値を置いたもの… 「GDPの最大化は経済の目的ではなく、平等性が重要」》

20160317
 (民主/進)党共生社会創造本部は17日朝、ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授を招き、東京都内で講演会を開いた。スティグリッツ教授は2014年に亡くなった経済学者の故宇沢弘文氏のシカゴ大学での教え子で、今回の訪日は宇沢氏の追悼講演を行うのが目的。宇沢氏が、かつて民主党が設立したシンクタンクの理事長を務めた経緯から、今回の講演会が実現した。

ポール・A・サミュエルソン (Paul A. Samuelson)
http://cruel.org/econthought/profiles/samuelson.html
"The Pure Theory of Public Expenditure", 1954, REStat
サミュエルソンのいう公共財は循環しないことが宇沢『自動車~』1974年で批判される。
Mod3_Samuelson.pdf
http://www.ses.unam.mx/docencia/2007II/Lecturas/Mod3_Samuelson.pdf


社会的共通財は以下のXに当たるということか?
______
第7章.税制と資源配分/7-3.超過負担の測定と最適課税の理論
 課税による消費者余剰の減少は所得課税に伴う価格上昇で需要がどの程度減少するかに依存します。
つまり、需要の価格弾力性が大きい場合、その分超過負担は大きくなります。
・最適間接税
 税目を消費税に限定し、その中で個別消費税の税率をどのように設定するのが資源配分の視点から望ましいか分析してみます。
この方法で求められた消費税は最適間接税と呼ばれ、着想はラムゼーまでさかのぼります。

ここで、二つの財(X、Y)があり、需要は独立であると考えます。すると、下の図のようになります。


X|\            Y|              
の| \           の|               
価|  \          価|              
格|   \         格|              
 |    \         | ̄-_            
 |_____\小       |___ ̄-_大       
 |____|T\       |___|T_ ̄-_      
 |    |  \      |   |  |   ̄-_ 
 |____|___\____ |___|__|_____ ̄-__  
 0       需要量     0         需要量

             最適間接税

 この二つの財に対する課税の超過負担を最小にするには、X財の税率を高め、Y財に対する税率を低くする必要があります。
 すると、弾力性の低い製品には高い税を課し、弾力性の高い製品には低い税を課すことになります。弾力性の低い財は常識的に必需品であり、 最適間接税は逆進的というというパラドックスが生じることになります。

効率性と公平性のトレードオフ、二律背反。ラムゼイルール。
(角野浩財政学104頁、宇沢弘文経済解析基礎篇588~9頁参照。)
図のTは超過負担を表す。

tx/ty=ey/ex

必需品Xに対して高税率を課し、奢侈品Yに対して低税率を課すことになり、逆弾力性ルールによる最適間接税は逆進的になるというパラドックスが生じてしまうことになり、効率性と公平性のトレード・オフが存在することになる。

上の数式は、次のように書き換えることが出来る。
txex=tyey
これは価格が1%上昇したときの需要の変化率に価格の変化率を掛けた値であり、各財の課税に対して各財の需要の減少率が等しいことを要請するものであり、ラムゼイの比例性命題(ラムゼイ・ルール)が導かれる。ラムゼイ・ルールは価格の変化ではなく、需要量の変化こそが超過負担の要因であるという観点から同量の需要量の変化率が最適間接税のルールであることを主張するものである。
(角野浩『財政学』105~6頁)
_______
追記:
宇沢弘文著作集:目次

宇沢弘文 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E6%B2%A2%E5%BC%98%E6%96%87
宇沢(宇澤) 弘文(うざわ ひろふみ、1928年昭和3年)7月21日 - 2014年平成26年)9月18日[4])は、日本経済学者。専門は数理経済学東京大学名誉教授。意思決定理論、二部門成長モデル、不均衡動学理論などで功績を認められた。従三位

 宇沢弘文著作集
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/09/6/091851+.html#SERIES
宇沢弘文著作集
―― 新しい経済学を求めて ――
■構成 全12巻
1960年代に理論経済学の最先端に立っていた著者は,やがて現代文明を根源的に問い直しつつ,経済学のあり方について根本的再検討を開始する.この20年間の苦闘が経済学の新しいパラダイムをひらく.
〈 全巻の構成 〉
◆ I 社会的共通資本と社会的費用

◆ II 近代経済学の再検討

◆ III ケインズ『一般理論』を読む
[目次]
第1講 なぜ『一般理論』を読むか
第2講 序論
第3講 ケインズのヴィジョン
第4講 定義と概念
第5講 消費性向
第6講 投資誘因
第7講 貨幣賃金と価格
第8講 『一般理論』から導き出されるいくつかの覚書
◆ IV 近代経済学の転換
[要旨]
世界資本主義の「不均衡の時代」を解明する。
[目次]
第1部 近代経済学の転換(不均衡の時代
ケインズ経済学の生成
『一般理論』と不均衡動学
戦後経済学の潮流
ヴェトナム戦争と経済学
合理的期待形成の仮説
ジョーン・ロビンソンとその思想)
第2部 試練に立つ経済学(学問の自由と経済学の危機
低開発国援助と近代経済学の考え方)

◆ V 経済動学の理論

◆ VI 環境と経済

◆ VII 現代日本経済批判

◆ VIII 公共経済学の構築

◆ IX 経済学の系譜

◆ X 高度経済成長の陰影
[要旨]
水俣、そして成田、高度成長社会の縮図。“効用”の思想を批判する。
[目次]
第1部 「豊かな社会」の貧しさ
第2部 「成田」とは何か
◆ XI 地球温暖化の経済分析

◆ XII 20世紀を超えて
[要旨]
制度主義という新しい体制理念の構築。持続可能な発展を探る。
[目次]
第1部 20世紀を超えて
第2部 制度主義と自治主義
宇沢弘文著作集 全12冊セット
定価(本体 62,400円 + 税)

上記著作集版Vには以下の論文は入っていないが、重要。

経済動学の理論 (単行本)

宇沢 弘文 (著)VII、社会的不安定性と社会的共通資本
:5 ,ミニマル・インカムと社会的不安定性436~7頁
経済解析展開篇第17章
社会的不安定性と社会的共通資本

 ”Social Stability and Collective Public Consumption”(1982)
Hirofumi Uzawa, OPTIMALITY, EQUILIBRIUM, AND GROWTH,
 University of Tokyo Press所収
______
参考:
お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム | ワイアードビジョン アーカイブ
小島寛之
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/kojima/200801/200801170100.html
 社会的共通資本とは、「市民一人一人が人間的尊厳をまもり、魂の自立をはかり、市民的自由が最大限に保たれるような生活を営むために重要な役割を果たすため、私有や私的管理が認められず、社会の共通の財産として、社会的な基準にしたがって管理・維持されるべき財」のことであった。具体的には、自然環境を中心とした「自然資本」、生活の根幹を支える電気・ガス・鉄道・下水道などのインフラとしての「社会資本」、さらには医療制度・学校教育制度・司法制度・行政制度・金融制度なども、「制度資本」と呼んで取り込んでいるのが特徴的なのであった。
 宇沢は、これらの社会的共通資本について、「自由競争による価格取引にさらされてはならない」、と論じている。つまり、個人個人が勝手気ままに生産や消費に利用することが許されず、なんらかの社会的管理とコントロールがなされなければならない、と主張しているのである。ここまでなら、通常の「環境に関する経済学」(外部性に関する経済学)が、市場取引には何らかの規制や課税が必要だ、とする論理と同じなのだが、宇沢の理論の特徴はその先にある。それは、「社会的共通資本の適切な供給と配分によって、自由競争市場社会よりもより人間的でより快適な社会を作ることができる」、と主張することである。これは、環境についての、全く新しいポジティブな捉え方なのだ。つまり、「環境」を、市場システムで最適化できない「やっかいもの」として扱うのではなく、むしろ逆に、市場システムが決して実現することのできないより魅力的な社会を生み出す源泉だと見なす、いわば「コペルニクス的転換」の理論だといっていい。
 この宇沢の考えを象徴するのが、以下の「ミニマム・インカムの理論」だ。
 一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからといって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なインフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わる財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によって行うべき。これが宇沢の主張である。
 これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。
 つまり、生活保護をお金でもらう社会よりも、良好な空気・水資源を備え、下水道・鉄道等が整備され、人間として不可欠な教育や医療が十分に享受できる、そういう社会のがいいでしょ、そうことなのである。
 この考えは、ある意味、驚くべき逆説の理論だ。伝統的な厚生経済学では、最低生活保障は物資での供給ではなく、貨幣での供給のほうが望ましいとされる。なぜなら、その物資がいいならお金で買えばいいのだし、別の物資を好むならそれを購入することもできるからである。つまり、「貨幣」には「選択の自由」があるということだ。そのようないわば経済学的「常識」に、まっこうから挑戦的なスタンスを、宇沢はとっていることになる。
 ぼくは、この理論をレクチャーされたとき、生まれて初めて「魂を揺さぶられた」気分になった[*1]。なぜなら、このような主張が、思想・信条としてなされているのではなく、「(ある仮定のもとで)数学的に証明される事実」として論じられているからだ。それまで、自分の思想・信条を個人的な嗜好から大上段に押しつけてくる人たちにはやまほど出会った。正直いって、「社会科学」というのはそういった「嗜好のバトル」だと思っていた。そんなぼくは、数学を使った論証によってこのような議論を展開することができる、と知って驚愕したのである。この理論こそまさに、ぼくのそれまでの数学観を覆し、学問観も人生観もひっくり返し、ぼくを経済学の虜にしたものなのであった。
 というわけで、(啖呵を切ってしまった手前) 、最後にこの「ミニマム・インカムの理論」をおおざっぱに数理的な解説[*2]をすることにするが、数理的な関心のない人は、ここまで読んで感動できたなら(笑い) 、それで十分なので、ここでやめておくのが華である。
 では、証明しよう。
 今、財は2つだけあり、第1財が社会的共通資本、第2財は通常の財とする。
 財の消費の価格弾力性とは、価格が1パーセント上がると消費が何パーセント増えるかを表すものである(普通、消費は減るので、その場合はマイナスで表記する)。また、供給の価格弾力性とは、同じく価格が1パーセント高くなると供給が何パーセント増えるかを表すものとする。
 (第1財の消費量)=(第1財の生産量)という均衡式を、弾力性の式に直せば、
(第1財の第1財価格に対する消費弾力性)×(第1財のインフレ率)
+ (第1財の第2財価格に対する消費弾力性)×(第2財のインフレ率)
+(第1財の所得増加に対する消費弾力性)×(所得の成長率)
=(第1財の第1財価格に対する供給弾力性)×(第1財のインフレ率)
という式が成り立つ[*3]。
 今、社会的共通資本は、価格が変化しても簡単に増産できないし、消費も減らせない財である、と仮定しているので、消費弾力性も供給弾力性もほぼゼロだと考えていい。したがって、この式から、
(第2財のインフレ率)≒(所得の成長率)  ・・・(1)
が成り立つことがわかる[*4]。(「≒」は、「ほぼ等しい」の意味)
 他方、第2財の消費量と生産量の均衡から、同じく、
(第2財の第1財価格に対する消費弾力性)×(第1財のインフレ率)
+ (第2財の第2財価格に対する消費弾力性)×(第2財のインフレ率)
+(第2財の所得増加に対する消費弾力性)×(所得の成長率)
=(第2財の第2財価格に対する供給弾力性)×(第2財のインフレ率)
が得られるが、これに先ほど得られた結果(1)を代入すれば、
a×(第1財のインフレ率)≒(a+b)×(所得の成長率)
が得られる[*4]。ここでa=(第2財の第1財価格に対する消費弾力性)、b=(第2財の第2財価格に対する供給弾力性)である。
 この式によって、
(第1財のインフレ率)>(所得の成長率)≒(第2財のインフレ率)・・・(2)
がわかる。
 さて、ここで、市民として保障される最低限度の効用水準(消費の好ましさの水準)をuとしよう。また、現時点でのこの効用uを得るための最低の所得をmとし、仮にmのうち8割を第1財に2割を第2財に使うことで効用u を得ているとしよう。このとき、物価上昇下では、
(効用uを得るための最低所得の成長率)
=0.8×(第1財のインフレ率)+0.2×(第2財のインフレ率) ・・・(3)
が満たされなければならない[*3]。
 得られた(2)式と(3)式を合わせて眺めてみよう。(2)式の(第1財のインフレ率) のところを、(所得の成長率)に置き換えると、右辺は(所得の成長率)そのものとなり、明らかに左辺より小さくなる。したがって、(効用uを得るための最低所得の成長率)、つまり、ミニマム・インカムの成長率は、所得の成長率より大きいことが示されたことになるのだ[*5]。(がんばって読んだ人は、ご苦労さま) 。

[*1] 宇沢先生のゼミに参加していた頃の思い出は、ぼくの個人ブログの「宇沢師匠のこと」に書いた。
[*2] 完全な理解には、以下の文献を推奨する。
 ”Social Stability and Collective Public Consumption”(1982)
Hirofumi Uzawa, OPTIMALITY, EQUILIBRIUM, AND GROWTH,
 University of Tokyo Press所収
[*3] いわゆる偏微分に関するチェインルールである。
[*4] 需要関数が0次同次であることとチェインルールから、以下が常に成り立つ。
(第1財の第1財価格に対する消費弾力性)+ (第1財の第2財価格に対する消費弾力性)
+(第1財の所得増加に対する消費弾力性)=0
[*5] これは上級ミクロ経済学程度の議論であり、価格理論の基礎的な計算しか用いられていないので、決してトリッキーな議論ではない。
   魅力的な都市とは〜ジェイコブスの四原則 | ワイアードビジョン アーカイブ
 ジェイコブスは、アメリカの代表的な都市について、第二次世界大戦前後の都市開発を具に調査・分析し、魅力的な都市の備える4条件を見出した[*3]。それは次のようなある意味、逆説的にも見える原則たちであった。
 第一は、「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二は、「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三は、「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。そして、第四は、「人工密度ができるだけ高いこと」。これら四条件をすべて満たす都市こそが魅力的な都市であり続けている、ということをジェイコブスは発見したのである。



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 前々回前回は、宇沢弘文の提唱する「社会的共通資本」のことを書いた。「社会的共通資本」とは、自然環境、社会インフラ、それに教育制度・医療制度のような社会制度を合わせたもののことである。これらは、市民の生活に必要不可欠であり、その希少性と公共性から、私的所有や自由な価格取引が認められず、その適切な供給と制御によってこそより人間的で快適な経済生活を設計することができる、そう宇沢は主張しているのであった。
 前回までは、この「社会的共通資本の理論」の根幹を成す基礎の部分を解説したので、今回からは各論に入ることとしよう。
 今回は、「都市」について論じる。つまり、「社会的共通資本」という観点から見たとき、どんな都市が好ましいのか、という問題を、宇沢弘文と間宮陽介の研究からまとめることにする[*1]。ちなみに間宮陽介は、宇沢の弟子であり、現在は京都大学の教授である。日本の言論界の代表的な論客で、最近、ケインズ『一般理論』の新訳を岩波文庫から刊行したことでも話題である[*2]。
 さて、社会的共通資本の観点からいえば、「都市」は社会的共通資本を機能させる基本的な単位であると考えていいだろう。したがって、「都市」がどのように生成されているか、あるいは、設計されているかは、経済的なパフォーマンスがいかなる水準になるかに対して非常に重要なカギとなると考えられる。
 都市設計者が陥りがちな誤りは、安易な「機能優先の合理主義」で都市を設計してしまう、ということだ。どういうことかというと、物理的な時間や物理的な空間だけを尊重して設計するなら、「道はまっすぐなほうがいい」、「道路は格子状がいい」、「区域はオフィス地帯、工業地帯、商業地帯、住宅地帯などのように、機能別になっていたほうがいい」、などと推論しがちであるが、これが誤りなのである。このような発想で都市を構成することを「ゾーニング」と呼ぶ。
 ル・コルビジェやミース・ファン・デル・ローエなどがこのような「ゾーニング」の発想を持った典型的な都市デザインの巨匠であった。例えば、コルビジェは、「都市とは純粋な幾何学である」といい、格子状に伸びるまっすぐで幅広い道、所々にそびえる高層ビル、十分距離をとった建物の間に緑地帯が広がる、そんな都市を実際にデザインして、「輝ける都市」と名付けた。ところがこのような思想が実践に移されたプルーイット・アイゴーやチャンディガール、ブラジリア等々が次々と劣悪な失敗作の都市となってしまったのだ。なぜなら、それらの都市は、とても暮らしづらく、人々を憂鬱にし、犯罪の多発する危険な都市となってしまったからだ。
 では、なぜ、この一見もっともらしく見える「機能優先の合理主義」が失敗に陥ったのだろうか。それについて間宮は、次のようにいっている。「コルビジェが想定する人間は、じっさいに生活を営んでいる人間ではない。微妙な心理や繊細な感受性を備え、さまざまの経歴を持った人間ではなく、生物学的な意味での人間である」。
 この間宮の指摘するコルビジェの失敗の原因は、ジェーン・ジェイコブスというアメリカの都市学者の研究から演繹されたものであった。ジェイコブスは、アメリカの代表的な都市について、第二次世界大戦前後の都市開発を具に調査・分析し、魅力的な都市の備える4条件を見出した[*3]。それは次のようなある意味、逆説的にも見える原則たちであった。
 第一は、「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二は、「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三は、「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。そして、第四は、「人工密度ができるだけ高いこと」。これら四条件をすべて満たす都市こそが魅力的な都市であり続けている、ということをジェイコブスは発見したのである。
 この四条件は、すべてコルビジェの「輝ける都市」と正反対の性格をしていることがすぐに見て取れるだろう。そして、「自分の大好きな街」を頭に思い浮かべよ、と命じられたならば、ほとんどの読者の思い浮かべる都市はこの四条件を満たしているのではあるまいか。また逆に、冷え冷えとして気分を滅入らせる街を思い浮かべよ、と言われれば、この原則の何かを(あるいはおいおうにしてすべてを)満たしていないことに思い当たるのではなかろうか。
 実際、宇沢は、ある日本の大学学園都市を失敗例としてあげている。その大学は、自然発生的にできたものではなく、計画設計されたものであり、しかもその設計思想は多分にコルビジェ的でジェイコブスの4原則にみごとに反していた。そして、その大学は創立当初、構内での自殺者が異例に多いことで有名となったのである。
 このようなジェイコブスの4原則を、「経済学的な合理性」からはずれているように思う読者もいるかもしれない。そして、「だから経済学なんて机上の空論なんだ」と勝ち誇るかもしれない。しかし、それは性急な結論である。「経済学的な合理性からはずれている」のではなく、「難しすぎて既存の経済学ではまだ十分に分析できない」と判断するのが正しい態度なのだ。
 一般に現状の経済学は、「多機能なもの」、を分析するのが苦手である。
 株式市場がその代表例といっていい。株式市場は、株式に「いつでも売買できる」という機能(これを流動性という) を付与し、この機能のおかげで株式保有がより魅力的なものとなり、株式会社制度を下支えしているといっていだろう。他方、このような「いつでも売買できる」という性質は、株所有になんら興味のない人間にも「値動きを利用して利益を稼ぐ」という投機のチャンスを与える。また別の人たちには、企業買収(M&A)のチャンスをも与えるのである。このような「多機能性」は、様々な問題を引き起こす原因でもあるが、それは株式市場がより魅力的なことの副作用だといっていい。そして、株式市場についての経済学がまだまだ未成熟な段階にしかないのは、このような「多機能性」を分析するのに十分有効な手法がないから、といえるのである。
 社会的共通資本を制御する装置としての「都市」をどう設計するのがいいか、どうすれば「最適な都市」を構築できるか、そのような問題が未解決なのは、同じように、経済学がいまだに成熟の途にあることの証拠であり、身内のひいき目でいえば、経済学の新しい可能性のありかを示しているのである。
[*1] 間宮陽介の論文、『都市の思想』 宇沢弘文・堀内行蔵 編『最適都市を考える』東京大学出版会所収、を主に参考にしている。
[*2] ちなみに世田谷区の市民講座で宇沢先生のゼミに参加したときは、間宮先生がアシスタントをしてくださった。今思えば、なんと豪華な市民講座であったことだろう。
[*3] Jacobs, J., 1961, The Death and Life of Great American Cities, London: Jonathan Cape.  

宇沢(宇澤) 弘文(うざわ ひろふみ、1928年昭和3年)7月21日 - 2014年平成26年)9月18日[4])は、日本経済学者。専門は数理経済学東京大学名誉教授。意思決定理論、二部門成長モデル、不均衡動学理論などで功績を認められた。従三位

宇沢弘文 (Hirofumi Uzawa), 1928-

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Photo of H.Uzawa from Econometrica

宇沢弘文の主要著作

  • "On Preferences and Axioms of Choice", 1956, Annals of Statistical Mathematics.
  • "On the Rational Selection of Decision Functions", 1957, Econometrica.
  • "On the Menger-Wieser Theory of Imputation", 1958, ZfN.
  • Studies in Linear and Non-Linear Programming with K.J.Arrow and Leonid Hurwicz, 1958.
  • "Prices of Factors of Production in International Trade", 1959, Econometrica.
  • "Locally Most Powerful Rank Tests for Two-Sample Problems", 1960, Annals of Mathematical Statistics.
  • "Preference and Rational Choice in the Theory of Consumption", 1960, in Arrow, Karlin and Suppes, editors, Mathematical Models in Social Science.
  • "Walras' Tatonnement in the Theory of Exchange", 1960, RES.
  • "Market Mechanisms and Mathematical Programming", 1960, Econometrica.
  • "Stability and Non-Negativity in a Walrasian Adjustment Process" with H. Nikaido, 1960.
  • "Constraint Qualifications in Non-Linear Programming", with K.J. Arrow and L. Hurwicz, 1961, Naval Research Logistics Quarterly
  • "On a Two-Sector Model of Economic Growth, I", 1961, RES.
  • "Natural Inventions and the Stability of Growth Equilibrium", 1961, RES.
  • "The Stability of Dynamic Processes", 1961, Econometrica
  • "On the Stability of Edgeworth's Barter Process", 1962, IER.
  • "Walras's Existence Theorem and Brouwer's Fixed Point Theorem", 1962, Economic Studies Quarterly.
  • "Aggregative Convexity and the Existence of Competitive Equilibrium", 1962, Economic Studies Quarterly.
  • "Production Functions with Constant Elasticities of Substitution", 1962, RES.
  • "On a Two-Sector Model of Economic Growth, II", 1963, RES.
  • "On Separability in Demand Analysis", with S.M. Goldman, 1964, Econometrica.
  • "On Professor Solow's Model of Technical Progress", 1964, Economic Studies Quarterly.
  • "Optimal Growth in a Two-Sector Model of Capital Accumulation", 1964, RES.
  • "Duality Principles in the Theory of Cost and Production", 1964, IER.
  • "On an Akerman-Wicksellian Model of Capital Accumulation", with T. Yasui, 1964 Economic Studies Quarterly.
  • "Optimum Technical Change in an Aggregative Model of Economic Growth", 1965, IER.
  • "Patterns of Trade and Investment in a Dynamic Model of International Trade", with H. Oniki, 1965, RES.
  • "On a Neoclassical Model of Economic Growth", 1966, Economic Studies Quarterly.
  • "Market Allocation and Optimum Growth", Australian EP.
  • "The Penrose Effect and Economic Growth", 1968, Economic Studies Quarterly.
  • "Time Preference, the Consumption Function and Optimum Asset Holdings", 1968, in Wolfe, editor, Value, Capital and Growth.
  • "Time Preference and the Penrose Effect in a Two-Class Model of Economic Growth", 1969, JPE.
  • "Optimum Fiscal Policy in an Aggregative Model of Economic Growth", 1969, in Adelman and Thorbecke, editors, Theory and Design of Economic Development.
  • "On the Integrability of Demand Functions", with L. Hurwicz, 1971, in Preferences, Utility and Demand.
  • "Diffusion of Inflationary Processes in a Dynamic Model of International Trade", 1971, Economic Studies Quarterly.
  • "Towards a Keynesian Model of Monetary Growth", 1973, in Mirrlees and Stern, editors, Models of Economic Growth.
  • "Optimum Investment in Social Overhead Capital", 1974, in Economic Analysis of Environmental Problems.
  • "La theorie economique du capital collectif social", 1974, Cahier d'econometrie et economique.
  • "On the Dynamic Stability of Economic Growth", 1974, in Trade, Stability and Growth.
  • "Disequilibrium Analysis and Keynes's General Theory", 1976.
  • Preference, Production and Capital: Selected papers of Hirofumi Uzawa., 1988.
  • Optimality, Equilibrium and Growth: Selected papers of Hirofumi Uzawa, 1988.
  • An Endogenous Rate of Time Preference, the Penrose effect, and dynamic optimality of environmental quality, 1996, Proceedings of the National Academy of Sciences.

宇沢弘文に関するリソース



社会的共通財は以下のXに当たるということか?
______
第7章.税制と資源配分/7-3.超過負担の測定と最適課税の理論
 課税による消費者余剰の減少は所得課税に伴う価格上昇で需要がどの程度減少するかに依存します。
つまり、需要の価格弾力性が大きい場合、その分超過負担は大きくなります。
・最適間接税
 税目を消費税に限定し、その中で個別消費税の税率をどのように設定するのが資源配分の視点から望ましいか分析してみます。
この方法で求められた消費税は最適間接税と呼ばれ、着想はラムゼーまでさかのぼります。

ここで、二つの財(X、Y)があり、需要は独立であると考えます。すると、下の図のようになります。


X              Y
の|\            の|              
価| \           価|               
格|  \          格|              
 |   \          |              
 |    \         | ̄-_            
 |_____\小       |___ ̄-_大       
 |____|T\       |___|T_ ̄-_      
 |    |  \      |   |  |   ̄-_ 
 |____|___\____ |___|__|_____ ̄-__  
 0       需要量     0         需要量

             最適間接税

 この二つの財に対する課税の超過負担を最小にするには、X財の税率を高め、Y財に対する税率を低くする必要があります。
 すると、弾力性の低い製品には高い税を課し、弾力性の高い製品には低い税を課すことになります。弾力性の低い財は常識的に必需品であり、 最適間接税は逆進的というというパラドックスが生じることになります。

効率性と公平性のトレードオフ、二律背反。ラムゼイルール。
(角野浩財政学104頁、宇沢弘文経済解析基礎篇588~9頁参照。)
図のTは超過負担を表す。

tx/ty=ey/ex

必需品Xに対して高税率を課し、奢侈品Yに対して低税率を課すことになり、逆弾力性ルールによる最適間接税は逆進的になるというパラドックスが生じてしまうことになり、効率性と公平性のトレード・オフが存在することになる。
(角野浩財政学105頁)
二律背反。ラムゼイルール。
次のように書き換えることが出来る。
txex=tyey
これは価格が1%上昇したときの需要の変化率に価格の変化率を掛けた値であり、各財の課税に対して各財の需要の減少率が等しいことを要請するものであり、ラムゼイの比例性命題(ラムゼイ・ルール)が導かれる。ラムゼイ・ルールは価格の変化ではなく、需要量の変化こそが超過負担の要因であるという観点から同量の需要量の変化率が最適間接税のルールであることを主張するものである。
角野105~6頁


   
ただし、ピケティの以下の図の方がわかりやすい。無論公共財とSOCはイコールではないが。



ちなみにピケティは21世紀の資本最終章#16で、
「公的資本の最適な蓄積と民間資本との関係について検討」している。


追記:
近年話題になってたトリクルダウン効果は、A・ハーシュマンが『経済発展の戦略』
(邦訳1961年,原著1958年O. Hirschman, The Stategy of Economic Development)、
「第十章 経済成長の地域的・国際的波及」の中で言い出した概念だ。
重要なのはトリクルダウン(浸透効果)に、ポラリゼイション(分裂効果)と
いう対立概念があるということだ。
この視点がないとトリクルダウンの反対はトリクルダウンしない、ということでしかなくなり、
公的資金注入の課題点が見えない。
例えば豊かな工業中心の北部をさらに豊かにしたら、貧しい農業中心の南部の工業は、
北部に負けて消滅してしまうだろう。これが分裂だ。これは国家間でも起こり得る。
ハーシュマン自身は成長拠点を持つべきだと考え、長期的展望に立ってトリクルダウンを
支持しているが、同時に政府の政策に対しては細心の注意を要求している。
ベルグソンの道徳論やチャップリンの『キッド』(ガラス屋のエピソード)が引用されるなど、
本書は興味深く、洞察力を感じさせる。ハーシュマンは単なるリフレ派ではない。
(ハーシュマンの言うトリクルダウンは国家による経済政策で、リフレは金融政策。
ジャンルは違うが双方親和性がある。ハーシュマンはこの中間に切り込んだのが功績だ。)
参考:http://cruel.org/econthought/profiles/hirschm.html

その著書『情念の政治経済学』に柄谷行人も『トランスクリティーク』『ネーションと美学』で言及
している。

さらに、宇沢弘文は、経済解析基礎篇567頁他で社会的共通資本の定式化の元としてハーシュマンの著書に触れている。
ハーシュマン『経済発展の戦略』(原著初版1958年)の第五章「投資選択と投資戦略」においてSOC(邦訳では社会的間接資本と訳される)が言及され、その用役が輸入できないことがSOCの条件に挙げられている(邦訳ハーシュマン146頁)。ハーシュマンはDPA(Directly Productive Activities-直接的生産活動)とのバランスを重視している。宇沢のSOCは直接生産にも関わるからハーシュマンの概念とイコールではない。
第八章ではルイスが言及されている。ルイス→ハーシュマン→宇沢という影響関係が考えられる。


18 Comments:

Blogger yoji said...

>>90
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092601001371.html
経済学者の宇沢弘文氏死去 理論経済第一人者、環境でも活動

日本の理論経済学の第一人者で東大名誉教授の宇沢弘文(うざわ・ひろふみ)氏が
18日午前4時49分、肺炎のため東京都内の自宅で死去した。86歳。鳥取県出身。
葬儀・告別式は近親者で執り行った。喪主は妻浩子(ひろこ)さん。

経済成長のメカニズムに関する理論を確立し、「宇沢モデル」として世界的に知られた。
1983年文化功労者、97年に文化勲章。

行動する経済学者として有名で、環境問題でも積極的に活動した。
成長重視の日本社会を批判し、自動車公害の構造を分析した
「自動車の社会的費用」(74年)はロングセラーになった。
成田空港問題では対話路線に導く調停役を務めた。

2014/09/26 10:21 【共同通信】

http://img.47news.jp/PN/201409/PN2014092601001420.-.-.CI0003.jpg

哀悼の意を表します

2:38 午前  
Blogger yoji said...

社会的共通資本SOCの説明(生産と消費両方に関わることで人間の経済活動をSOCは内包する):

社会的共通資本の賦与量V。
生産主体jの生産量Qjは、その使用する私的な資本の量Kj、労働雇用量Njに当然依存して定まってくる。
これら私的な生産要素の限界生産のスケジュールは、共通資本から生み出されるサービスの使用量Xjによって左右される。
生産主体jが、生産主体jの生産的諸条件を要約する生産関数はつぎのような形をしていると考えられる。
 Qj=Fj(Kj,Nj,Xj,X,V)
ここで、Xは、経済全体で、共通資本のサービスがどれだけ使用されているかということをあらわす。

効用水準Uiは、私的消費の量Ci、共通資本のサービスの使用量Xi、経済全体での共通資本のサービスの使用量X、および共通資本の賦与量Vに依存して定められる。
 Ui=Ui(Ci,Xi,X,V)
Xが増加するとiの効用水準は低下する。

『経済学の考え方』253~5頁より要約。

わかりにくいが、宇沢は公害を例に挙げている。

マルクス再生産表式に似ている

8:07 午前  
Blogger yoji said...

宇沢はケインズよりホートレーが正しいと経済学の考え方で述べている

1)ホートレー理論での金利の作用する経路とその発展
ホートレーの理論のエッセンスは、短期金利が流通業者の在庫投資を通じて卸売物価に影響し、
その経路から産出量に通じるパスを考えていた。これを、在庫ストックの最適化と言う見地から
再構成し、フローの生産と需要の不均衡が在庫ストックの変動で吸収され、そこでの価格変化が
生産と需要の変動を招くとしたのが、宇沢さんがお勧めで一時は結構受けていた小谷&ホートレー
の不均衡動学モデルと言う奴だよ。

2)ケインズの金融政策批判
君も好きな一般理論の中で、流動性トラップの部分を良く読んでごらん。もちろんケインズの
いつもの調子で色んな事が、時に相互に矛盾するような形で書かれてはいるが、長期金利の低下
に限界が生じるのは、将来に渡っての中央銀行の短期金利操作について投資家が不信感を抱き、
どうせ景気が悪くても金利の引き上げに走るから、ある水準以下の長期金利はあり得ないと考え
ているのが原因だと明確に書いてある。長期金利が動けば、当然ながら資産選択行動を通じて、
株価やその他の金融資産価格、されには償却期間の極めて長い建設投資のようなものは、必ず
影響を受けるはずだ。その意味で、デフレ下にあっても金融政策が原理的に無効になるとばかり
考えていた訳ではない可能性は十分ある。

>当座預金目標とケインズ
これはケインズ全集に出てくる。BOEがこれ以上の短期金利の引き下げは無効だと主張したと
き、ケインズは「これまで試みたことはないので、効果は確実とは言えないだろうが、理論的に
効果を期待できる以上、試してみるべきだ」と明確に述べている。量的緩和論の元祖はケインズ。
281 名前:ドラエモン 投稿日:2002/06/02(Sun) 17:26

8:40 午前  
Blogger yoji said...

最近読んだ本:『経済学の考え方』(宇沢弘文 1989 岩波新書新赤版53) | ほーほの落穂拾い
http://hoch.jugem.jp/?eid=741


プロローグ
I 経済学はどのような性格をもった学問か
II アダム・スミスの『国富論』
III リカードからマルクスへ
IV 近代経済学の誕生 ―ワルラスの一般均衡理論―
V ソースティン・ヴェブレン ―新古典派理論の批判者―
VI ケインズ経済学
VII 戦後の経済学
VIII ジョーン・ロビンソンの経済学
IX 反ケインズ経済学の流行
X 現代経済学の展開
エピローグ
あとがき
 これを見ると、経済学の祖と言われるアダム・スミスから現代経済学まで時代を追った章立てになっているので、経済学史を噛み砕いて書いたもののように見えますが、著者は「あとがき」で「本書は、経済学史の書物ではない。」(p.264)と言い、また「本書では、筆者がこれまでに大きな感動を覚えながら読んだ経済学の書物を中心にして、筆者自身の経済学の考え方がどのようにして形成されてきたかということを説明してきた。」(p.263)とも書いています。
 確かに本書を通読してみると、アダム・スミスに端を発した経済学(上記II)がリカード(上記III)からワルラス(上記IV)を経て理論的・数学的に精密化され(新古典派)、しかしその理論の前提や命題が現実とかけ離れたものであることをヴェブレンが批判し(上記V)、ヴェブレンの批判とそれに基づく予見的分析どおりに起きた1929年の世界大恐慌を受けて新古典派の経済学は破綻しケインズ経済学が成立(上記VI)、その後第二次大戦後に世界の経済学研究の中心となったアメリカで、1950年代のマッカーシズムの影響を受けながらもケインズ経済学を基にした計量経済モデルや経済成長理論等の発展があった(上記VII)が、1960年代のベトナム戦争によるアメリカ社会の大変動を受けてジョーン・ロビンソンの言う「経済学の第二の危機」、すなわちケインズ経済学の行き詰まりを迎え(上記VIII;ちなみに経済学の第一の危機は大恐慌を契機とした新古典派経済学の崩壊をさし、ケインズ経済学によって切り抜けられた)、それに対して1970年代を通じて反ケインズ経済学(合理的期待形成仮説、実証経済学、合理主義経済学、サプライサイド経済学、マネタリズムなど)が勢力をふるい(上記IX)、それらが1980年代に終息した後、世界は市場的不均衡(市場における需要と供給の乖離が市場機構を通じて解消されないような条件が存在し、場合によっては螺旋的に不安定となるような状況)と社会的不均衡(国民経済における希少資源のアンバランス;日本では環境破壊による公害の発生や、GDPなどの優れた経済的パフォーマンスと人々の生活内容や文化的水準とのアンバランスとなって表れている)の時代を迎え、これに対応する経済学の発展が望まれる(上記X)という一本の流れが明らかに見えるのです。
 私の知る限り、学問というものはこのように一本道の単線で発展することはありません。互いに対立する理論が並び立ち百家争鳴、それぞれの派が栄枯盛衰・離合集散を繰り返し、昨日までの定説が明日は異端に貶せられながら発展(ある瞬間には退行)してゆくものです。私はよく知りませんが経済学だってその例外ではありますまい。つまり本書のように一筋の流れが見えるのは、著者の主観によってそのように取捨選択され整理されたからで、まさに本書は上掲の「あとがき」からの引用のとおり、経済学史ではなく著者自身がとらえた経済学の形成をあとづけたものなのです。
 さらに本書の書名や上掲の引用に「(経済学の)考え方」とあるとおり、本書はそれぞれの学者なり学派の理論そのものの紹介ではなく、理論の背景にある「考え方」を追っているので、たとえば数式はワルラスの一般均衡理論のところと、最終章の社会的共通資本のところに(私には)何となく雰囲気はわかるかな~みたいなヤツ(笑)が数本と、「X 現代経済学の展開」の中のホートレー=小谷理論のところに足し算引き算だけの方程式が3本あるだけですし、グラフはもう少しありますが、その説明はあくまでも定性的なものです。
 このように本書は著者によって一本の流れに整理された「経済学の考え方」の発展史が書かれたもので、私にも面白く読めました。

 そのようなわけで本書は、客観的で取り澄ましたような経済学の入門書ではなく、あくまでも宇沢氏の考える経済学のあり方を披瀝したものになっていて、たとえば「IX 反ケインズ経済学」の章では、「1970年代の経済学は、一言でいえば、反ケインズ経済学といってもよいように思われる。(中略)反ケインズ経済学は......その共通の特徴として、理論的前提条件の非現実性、政策的偏向性、結論の反社会性をもち、いずれも市場機構の果たす役割に対する宗教的帰依感をもつものである。ここで、これらの反ケインズ経済学の考え方について、紙数を割くのに忍びないが、これらの考え方がかつて果たした社会的、政治的影響の大きさという点から、これらの反ケインズ経済学の主要な考え方を簡単に説明することにしたい。」(p.189)といった、普通の入門書・概説書なら適切を欠くというか余計なというか、せいぜい「あとがき」に書くであろうような内容が堂々と本文に書かれていて、その当否はともかくとして痛快ですし、逆に社会的共通資本や環境の経済的分析に紙数を割いているのも宇沢氏らしいと感じられました。

8:43 午前  
Blogger yoji said...

社会的共通資本 / 宇沢 弘文【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア
2000 岩波新書
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784004306962
ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。その考え方や役割を、経済学史のなかに位置づけ、農業、都市、医療、教育といった具体的テーマに即して明示する。混迷の現代を切り拓く展望を説く、著者の思索の結晶。
目次
序章 ゆたかな社会とは
第1章 社会的共通資本の考え方
第2章 農業と農村
第3章 都市を考える
第4章 学校教育を考える
第5章 社会的共通資本としての医療
第6章 社会的共通資本としての金融制度
第7章 地球環境
著者紹介
宇沢弘文[ウザワヒロフミ]
1928年鳥取県に生まれる。1951年東京大学理学部数学科卒業。専攻は経済学。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授
出版社内容情報

8:48 午前  
Blogger yoji said...

 宇沢弘文著作集
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/09/6/091851+.html#SERIES
宇沢弘文著作集
―― 新しい経済学を求めて ――
■構成 全12巻
1960年代に理論経済学の最先端に立っていた著者は,やがて現代文明を根源的に問い直しつつ,経済学のあり方について根本的再検討を開始する.この20年間の苦闘が経済学の新しいパラダイムをひらく.
〈 全巻の構成 〉
◆ I 社会的共通資本と社会的費用

◆ II 近代経済学の再検討

◆ III ケインズ『一般理論』を読む

◆ IV 近代経済学の転換

◆ V 経済動学の理論

◆ VI 環境と経済

◆ VII 現代日本経済批判

◆ VIII 公共経済学の構築

◆ IX 経済学の系譜

◆ X 高度経済成長の陰影

◆ XI 地球温暖化の経済分析

◆ XII 20世紀を超えて

宇沢弘文著作集 全12冊セット
定価(本体 62,400円 + 税)

9:31 午前  
Blogger yoji said...

お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム | ワイアードビジョン アーカイブ
小島寛之
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/kojima/200801/200801170100.html


 一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからと
いって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみ
ればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性
質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なイ
ンフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半
に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わ
る財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額
(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだ
ろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム
以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移
転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、
社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠
であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によっ
て行うべき。これが宇沢の主張である。
 これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。


参考:
宇沢弘文「社会的不安定性と社会的共通資本」
『経済解析 展開篇 』、『経済動学の理論』 所収

1:24 午前  
Blogger yoji said...

お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム | ワイアードビジョン アーカイブ
小島寛之
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/kojima/200801/200801170100.html

 一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからと
いって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみ
ればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性
質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なイ
ンフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半
に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わ
る財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額
(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだ
ろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム
以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移
転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、
社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠
であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によっ
て行うべき。これが宇沢の主張である。
 これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。


参考:
宇沢弘文「社会的不安定性と社会的共通資本」
『経済解析 展開篇 』、単行本版『経済動学の理論』

3:50 午前  
Blogger yoji said...

ちなみにピケティは21世紀の資本#16で、

「公的資本の最適な蓄積と民間資本との関係について検討」している。

3:49 午前  
Blogger yoji said...


最近話題になっているトリクルダウン効果は、A・ハーシュマンが『経済発展の戦略』
(邦訳1961年,原著1958年O. Hirschman, The Stategy of Economic Development)、
「第十章 経済成長の地域的・国際的波及」の中で言い出した概念だ。
重要なのはトリクルダウン(浸透効果)に、ポラリゼイション(分裂効果)と
いう対立概念があるということだ。
この視点がないとトリクルダウンの反対はトリクルダウンしない、ということでしかなくなり、
公的資金注入の課題点が見えない。
例えば豊かな工業中心の北部をさらに豊かにしたら、貧しい農業中心の南部の工業は、
北部に負けて消滅してしまうだろう。これが分裂だ。これは国家間でも起こり得る。
ハーシュマン自身は成長拠点を持つべきだと考え、長期的展望に立ってトリクルダウンを
支持しているが、同時に政府の政策に対しては細心の注意を要求している。
ベルグソンの道徳論やチャップリンの『キッド』(ガラス屋のエピソード)が引用されるなど、
本書は興味深く、洞察力を感じさせる。ハーシュマンは単なるリフレ派ではない。
(ハーシュマンの言うトリクルダウンは国家による経済政策で、リフレは金融政策。
ジャンルは違うが双方親和性がある。ハーシュマンはこの中間に切り込んだのが功績だ。)
参考:http://cruel.org/econthought/profiles/hirschm.html

その著書『情念の政治経済学』には柄谷も『トランスクリティーク』『ネーションと美学』で言及
している。

経済解析基礎篇567頁他で宇沢弘文は社会的共通資本を定式化する元としてハーシュマンの著書に触れている。

9:05 午後  
Blogger yoji said...

経済発展の戦略
http://www.ganshodo.co.jp/books/files/fl001.html
経済発展の戦略―現代経済学選書―




ISBN:87356-001-2
新ISBN:978-4-87356-001-4
A.O.ハーシュマン著 麻田四郎訳
判型:B6判並製
ページ数:414頁
定価:本体1,100円+税



内容:「不均整成長理論」をもとに「低開発均衡」をめざして、低開発国の経済発展の諸戦略を提唱。ヌルクセの『後進諸国の資本形成』に対極する多くの議論を喚起した名著の邦訳。

経済発展の戦略 目次
第1章 予備的考察
第2章 成長模型と発展過程
第3章 均整成長(バランスト・グロース)
第4章 不均整成長(アンバランスト・グロース)
第5章 投資選択と投資戦略
第6章 相互依存性と工業化
第7章 工業化-特徴的諸側面再論
第8章 個別企業の能率と成長
第9章 攪乱要因の役割
第10章 経済成長の地域的・国際的波及
第11章 結論・政府の機能と外国援助の機能など

10:05 午後  
Blogger yoji said...

初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス)
篠原 総一著
エディション: 単行本
価格: ¥ 3,024

5つ星のうち 4.0 入門の入門, 2016/4/13


Amazonで購入(詳細)
レビュー対象商品: 初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) (単行本)
例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

「リンダールメカニズム」
 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

  |
  |\ 
B0|_\____/_BG
  |  \ ↓↓/
価格|   \/L
  |   /\   
A0|__/_↑↑\__AG
  | /    \
  |/
     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし本書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

価格PtとPhは必ずしも一致しない。

初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

いい悪いではなく、初心者にはこうしたワンクッションが必要だ。
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3:10 午前  
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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

「リンダールメカニズム」
 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

  |
  |\     BD
B0|_\____/_BG
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価格|   \/L
  |   /\   
A0|__/_↑↑\__AG
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  |/      AD
     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし本書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

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初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

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3:18 午前  
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初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス)
篠原 総一著
エディション: 単行本
価格: ¥ 3,024

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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

「リンダールメカニズム」
 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

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B0|_\______BG
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価格|   \/L
  |   /\   
A0|__/_↑↑\__AG
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     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし本書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

価格PtとPhは必ずしも一致しない。

初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

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4:11 午前  
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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

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 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

  |
 B|\    Bの需要曲線
 0|_\______BG
 価|  \ ↓↓/
 格|   \/L
 A|   /\   
 0|__/_↑↑\__AG
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  |/
     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし本書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

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篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

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4:14 午前  
Blogger yoji said...

5つ星のうち 4.0 入門の入門, 2016/4/13


Amazonで購入(詳細)
レビュー対象商品: 初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) (単行本)
例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

「リンダールメカニズム」
 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

  |
 B|\    Bの需要曲線
 0|_\_______Bの公共財需要量
 価|  \ ↓↓/
 格|   \/L
 A|   /\   
 0|__/_↑↑\__Aの公共財需要量
  | /   Aの需要曲線
  |/
     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし本書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

価格PtとPhは必ずしも一致しない。

初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

いい悪いではなく、初心者にはこうしたワンクッションが必要だ。

4:17 午前  
Blogger yoji said...

5つ星のうち 4.0 入門の入門, 2016/4/13


Amazonで購入(詳細)
レビュー対象商品: 初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) (単行本)
例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。

「リンダールメカニズム」
 公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。

リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:

  |
  |\    Bの需要曲線
B0|_\_______Bの公共財需要量
 価|  \ ↓↓/
 格|   \/L
  |   /\   
A0|__/_↑↑\___Aの公共財需要量
  | /   Aの需要曲線
  |/
     公共財需要量

左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)

しかし篠原入門書ではこうだ。

リンダールの考え方:
         ____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
        |____価格____|  ┃
                      ┗ーーーー(公共財生産者)
                      ┏ーーーー 警 備 会 社
         ____市場H___   ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
        |____価格____|

政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。

公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
       =花子の公共財の需要量

価格PtとPhは必ずしも一致しない。

初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁

いい悪いではなく、初心者にはこうしたワンクッションが必要だ。

4:27 午前  
Blogger yoji said...

宇沢弘文「宇沢弘文 傑作論文全ファイル」
https://itun.es/jp/OuOSfb.l

9:33 午後  

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