宇沢弘文著作集
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宇沢弘文著作集
―― 新しい経済学を求めて ――
■構成 全12巻
1960年代に理論経済学の最先端に立っていた著者は,やがて現代文明を根源的に問い直しつつ,経済学のあり方について根本的再検討を開始する.この20年間の苦闘が経済学の新しいパラダイムをひらく.
〈 全巻の構成 〉
◆ I 社会的共通資本と社会的費用
◆ II 近代経済学の再検討
◆ III ケインズ『一般理論』を読む
[目次]
第1講 なぜ『一般理論』を読むか
第2講 序論
第3講 ケインズのヴィジョン
第4講 定義と概念
第5講 消費性向
第6講 投資誘因
第7講 貨幣賃金と価格
第8講 『一般理論』から導き出されるいくつかの覚書
◆ IV 近代経済学の転換
[要旨]
世界資本主義の「不均衡の時代」を解明する。
[目次]
第1部 近代経済学の転換(不均衡の時代
ケインズ経済学の生成
『一般理論』と不均衡動学
戦後経済学の潮流
ヴェトナム戦争と経済学
合理的期待形成の仮説
ジョーン・ロビンソンとその思想)
第2部 試練に立つ経済学(学問の自由と経済学の危機
低開発国援助と近代経済学の考え方)
◆ V 経済動学の理論
◆ VI 環境と経済
◆ VII 現代日本経済批判
◆ VIII 公共経済学の構築
◆ IX 経済学の系譜
◆ X 高度経済成長の陰影
[要旨]
水俣、そして成田、高度成長社会の縮図。“効用”の思想を批判する。
[目次]
第1部 「豊かな社会」の貧しさ
第2部 「成田」とは何か
◆ XI 地球温暖化の経済分析
◆ XII 20世紀を超えて
[要旨]
制度主義という新しい体制理念の構築。持続可能な発展を探る。
[目次]
第1部 20世紀を超えて
第2部 制度主義と自治主義
宇沢弘文著作集 全12冊セット
定価(本体 62,400円 + 税)
上記著作集版Vには以下の論文は入っていないが、重要。
経済動学の理論 (単行本)
宇沢 弘文 (著)VII、社会的不安定性と社会的共通資本
:5 ,ミニマル・インカムと社会的不安定性436~7頁
経済解析展開篇第17章
社会的不安定性と社会的共通資本
”Social Stability and Collective Public Consumption”(1982)
Hirofumi Uzawa, OPTIMALITY, EQUILIBRIUM, AND GROWTH,
University of Tokyo Press所収
______
社会的共通資本とは、「市民一人一人が人間的尊厳をまもり、魂の自立をはかり、市民的自由が最大限に保たれるような生活を営むために重要な役割を果たすため、私有や私的管理が認められず、社会の共通の財産として、社会的な基準にしたがって管理・維持されるべき財」のことであった。具体的には、自然環境を中心とした「自然資本」、生活の根幹を支える電気・ガス・鉄道・下水道などのインフラとしての「社会資本」、さらには医療制度・学校教育制度・司法制度・行政制度・金融制度なども、「制度資本」と呼んで取り込んでいるのが特徴的なのであった。
宇沢は、これらの社会的共通資本について、「自由競争による価格取引にさらされてはならない」、と論じている。つまり、個人個人が勝手気ままに生産や消費に利用することが許されず、なんらかの社会的管理とコントロールがなされなければならない、と主張しているのである。ここまでなら、通常の「環境に関する経済学」(外部性に関する経済学)が、市場取引には何らかの規制や課税が必要だ、とする論理と同じなのだが、宇沢の理論の特徴はその先にある。それは、「社会的共通資本の適切な供給と配分によって、自由競争市場社会よりもより人間的でより快適な社会を作ることができる」、と主張することである。これは、環境についての、全く新しいポジティブな捉え方なのだ。つまり、「環境」を、市場システムで最適化できない「やっかいもの」として扱うのではなく、むしろ逆に、市場システムが決して実現することのできないより魅力的な社会を生み出す源泉だと見なす、いわば「コペルニクス的転換」の理論だといっていい。
この宇沢の考えを象徴するのが、以下の「ミニマム・インカムの理論」だ。
一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからといって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なインフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わる財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によって行うべき。これが宇沢の主張である。
これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。
つまり、生活保護をお金でもらう社会よりも、良好な空気・水資源を備え、下水道・鉄道等が整備され、人間として不可欠な教育や医療が十分に享受できる、そういう社会のがいいでしょ、そうことなのである。
この考えは、ある意味、驚くべき逆説の理論だ。伝統的な厚生経済学では、最低生活保障は物資での供給ではなく、貨幣での供給のほうが望ましいとされる。なぜなら、その物資がいいならお金で買えばいいのだし、別の物資を好むならそれを購入することもできるからである。つまり、「貨幣」には「選択の自由」があるということだ。そのようないわば経済学的「常識」に、まっこうから挑戦的なスタンスを、宇沢はとっていることになる。
ぼくは、この理論をレクチャーされたとき、生まれて初めて「魂を揺さぶられた」気分になった[*1]。なぜなら、このような主張が、思想・信条としてなされているのではなく、「(ある仮定のもとで)数学的に証明される事実」として論じられているからだ。それまで、自分の思想・信条を個人的な嗜好から大上段に押しつけてくる人たちにはやまほど出会った。正直いって、「社会科学」というのはそういった「嗜好のバトル」だと思っていた。そんなぼくは、数学を使った論証によってこのような議論を展開することができる、と知って驚愕したのである。この理論こそまさに、ぼくのそれまでの数学観を覆し、学問観も人生観もひっくり返し、ぼくを経済学の虜にしたものなのであった。
というわけで、(啖呵を切ってしまった手前) 、最後にこの「ミニマム・インカムの理論」をおおざっぱに数理的な解説[*2]をすることにするが、数理的な関心のない人は、ここまで読んで感動できたなら(笑い) 、それで十分なので、ここでやめておくのが華である。
では、証明しよう。
今、財は2つだけあり、第1財が社会的共通資本、第2財は通常の財とする。
財の消費の価格弾力性とは、価格が1パーセント上がると消費が何パーセント増えるかを表すものである(普通、消費は減るので、その場合はマイナスで表記する)。また、供給の価格弾力性とは、同じく価格が1パーセント高くなると供給が何パーセント増えるかを表すものとする。
(第1財の消費量)=(第1財の生産量)という均衡式を、弾力性の式に直せば、
(第1財の第1財価格に対する消費弾力性)×(第1財のインフレ率)
+ (第1財の第2財価格に対する消費弾力性)×(第2財のインフレ率)
+(第1財の所得増加に対する消費弾力性)×(所得の成長率)
=(第1財の第1財価格に対する供給弾力性)×(第1財のインフレ率)
という式が成り立つ[*3]。
今、社会的共通資本は、価格が変化しても簡単に増産できないし、消費も減らせない財である、と仮定しているので、消費弾力性も供給弾力性もほぼゼロだと考えていい。したがって、この式から、
(第2財のインフレ率)≒(所得の成長率) ・・・(1)
が成り立つことがわかる[*4]。(「≒」は、「ほぼ等しい」の意味)
他方、第2財の消費量と生産量の均衡から、同じく、
(第2財の第1財価格に対する消費弾力性)×(第1財のインフレ率)
+ (第2財の第2財価格に対する消費弾力性)×(第2財のインフレ率)
+(第2財の所得増加に対する消費弾力性)×(所得の成長率)
=(第2財の第2財価格に対する供給弾力性)×(第2財のインフレ率)
が得られるが、これに先ほど得られた結果(1)を代入すれば、
a×(第1財のインフレ率)≒(a+b)×(所得の成長率)
が得られる[*4]。ここでa=(第2財の第1財価格に対する消費弾力性)、b=(第2財の第2財価格に対する供給弾力性)である。
この式によって、
(第1財のインフレ率)>(所得の成長率)≒(第2財のインフレ率)・・・(2)
がわかる。
さて、ここで、市民として保障される最低限度の効用水準(消費の好ましさの水準)をuとしよう。また、現時点でのこの効用uを得るための最低の所得をmとし、仮にmのうち8割を第1財に2割を第2財に使うことで効用u を得ているとしよう。このとき、物価上昇下では、
(効用uを得るための最低所得の成長率)
=0.8×(第1財のインフレ率)+0.2×(第2財のインフレ率) ・・・(3)
が満たされなければならない[*3]。
得られた(2)式と(3)式を合わせて眺めてみよう。(2)式の(第1財のインフレ率) のところを、(所得の成長率)に置き換えると、右辺は(所得の成長率)そのものとなり、明らかに左辺より小さくなる。したがって、(効用uを得るための最低所得の成長率)、つまり、ミニマム・インカムの成長率は、所得の成長率より大きいことが示されたことになるのだ[*5]。(がんばって読んだ人は、ご苦労さま) 。
[*1] 宇沢先生のゼミに参加していた頃の思い出は、ぼくの個人ブログの「宇沢師匠のこと」に書いた。
[*2] 完全な理解には、以下の文献を推奨する。
”Social Stability and Collective Public Consumption”(1982)
Hirofumi Uzawa, OPTIMALITY, EQUILIBRIUM, AND GROWTH,
University of Tokyo Press所収
[*3] いわゆる偏微分に関するチェインルールである。
[*4] 需要関数が0次同次であることとチェインルールから、以下が常に成り立つ。
(第1財の第1財価格に対する消費弾力性)+ (第1財の第2財価格に対する消費弾力性)
+(第1財の所得増加に対する消費弾力性)=0
[*5] これは上級ミクロ経済学程度の議論であり、価格理論の基礎的な計算しか用いられていないので、決してトリッキーな議論ではない。
魅力的な都市とは〜ジェイコブスの四原則 | ワイアードビジョン アーカイブ
ジェイコブスは、アメリカの代表的な都市について、第二次世界大戦前後の都市開発を具に調査・分析し、魅力的な都市の備える4条件を見出した[*3]。それは次のようなある意味、逆説的にも見える原則たちであった。
第一は、「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二は、「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三は、「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。そして、第四は、「人工密度ができるだけ高いこと」。これら四条件をすべて満たす都市こそが魅力的な都市であり続けている、ということをジェイコブスは発見したのである。
前々回と前回は、宇沢弘文の提唱する「社会的共通資本」のことを書いた。「社会的共通資本」とは、自然環境、社会インフラ、それに教育制度・医療制度のような社会制度を合わせたもののことである。これらは、市民の生活に必要不可欠であり、その希少性と公共性から、私的所有や自由な価格取引が認められず、その適切な供給と制御によってこそより人間的で快適な経済生活を設計することができる、そう宇沢は主張しているのであった。
前回までは、この「社会的共通資本の理論」の根幹を成す基礎の部分を解説したので、今回からは各論に入ることとしよう。
今回は、「都市」について論じる。つまり、「社会的共通資本」という観点から見たとき、どんな都市が好ましいのか、という問題を、宇沢弘文と間宮陽介の研究からまとめることにする[*1]。ちなみに間宮陽介は、宇沢の弟子であり、現在は京都大学の教授である。日本の言論界の代表的な論客で、最近、ケインズ『一般理論』の新訳を岩波文庫から刊行したことでも話題である[*2]。
さて、社会的共通資本の観点からいえば、「都市」は社会的共通資本を機能させる基本的な単位であると考えていいだろう。したがって、「都市」がどのように生成されているか、あるいは、設計されているかは、経済的なパフォーマンスがいかなる水準になるかに対して非常に重要なカギとなると考えられる。
都市設計者が陥りがちな誤りは、安易な「機能優先の合理主義」で都市を設計してしまう、ということだ。どういうことかというと、物理的な時間や物理的な空間だけを尊重して設計するなら、「道はまっすぐなほうがいい」、「道路は格子状がいい」、「区域はオフィス地帯、工業地帯、商業地帯、住宅地帯などのように、機能別になっていたほうがいい」、などと推論しがちであるが、これが誤りなのである。このような発想で都市を構成することを「ゾーニング」と呼ぶ。
ル・コルビジェやミース・ファン・デル・ローエなどがこのような「ゾーニング」の発想を持った典型的な都市デザインの巨匠であった。例えば、コルビジェは、「都市とは純粋な幾何学である」といい、格子状に伸びるまっすぐで幅広い道、所々にそびえる高層ビル、十分距離をとった建物の間に緑地帯が広がる、そんな都市を実際にデザインして、「輝ける都市」と名付けた。ところがこのような思想が実践に移されたプルーイット・アイゴーやチャンディガール、ブラジリア等々が次々と劣悪な失敗作の都市となってしまったのだ。なぜなら、それらの都市は、とても暮らしづらく、人々を憂鬱にし、犯罪の多発する危険な都市となってしまったからだ。
では、なぜ、この一見もっともらしく見える「機能優先の合理主義」が失敗に陥ったのだろうか。それについて間宮は、次のようにいっている。「コルビジェが想定する人間は、じっさいに生活を営んでいる人間ではない。微妙な心理や繊細な感受性を備え、さまざまの経歴を持った人間ではなく、生物学的な意味での人間である」。
この間宮の指摘するコルビジェの失敗の原因は、ジェーン・ジェイコブスというアメリカの都市学者の研究から演繹されたものであった。ジェイコブスは、アメリカの代表的な都市について、第二次世界大戦前後の都市開発を具に調査・分析し、魅力的な都市の備える4条件を見出した[*3]。それは次のようなある意味、逆説的にも見える原則たちであった。
第一は、「街路の幅が狭く、曲がっていて、一つ一つのブロックの長さが短いこと」。第二は、「古い建物と新しい建物が混在すること」。第三は、「各区域は、二つ以上の機能を果たすこと」。そして、第四は、「人工密度ができるだけ高いこと」。これら四条件をすべて満たす都市こそが魅力的な都市であり続けている、ということをジェイコブスは発見したのである。
この四条件は、すべてコルビジェの「輝ける都市」と正反対の性格をしていることがすぐに見て取れるだろう。そして、「自分の大好きな街」を頭に思い浮かべよ、と命じられたならば、ほとんどの読者の思い浮かべる都市はこの四条件を満たしているのではあるまいか。また逆に、冷え冷えとして気分を滅入らせる街を思い浮かべよ、と言われれば、この原則の何かを(あるいはおいおうにしてすべてを)満たしていないことに思い当たるのではなかろうか。
実際、宇沢は、ある日本の大学学園都市を失敗例としてあげている。その大学は、自然発生的にできたものではなく、計画設計されたものであり、しかもその設計思想は多分にコルビジェ的でジェイコブスの4原則にみごとに反していた。そして、その大学は創立当初、構内での自殺者が異例に多いことで有名となったのである。
このようなジェイコブスの4原則を、「経済学的な合理性」からはずれているように思う読者もいるかもしれない。そして、「だから経済学なんて机上の空論なんだ」と勝ち誇るかもしれない。しかし、それは性急な結論である。「経済学的な合理性からはずれている」のではなく、「難しすぎて既存の経済学ではまだ十分に分析できない」と判断するのが正しい態度なのだ。
一般に現状の経済学は、「多機能なもの」、を分析するのが苦手である。
株式市場がその代表例といっていい。株式市場は、株式に「いつでも売買できる」という機能(これを流動性という) を付与し、この機能のおかげで株式保有がより魅力的なものとなり、株式会社制度を下支えしているといっていだろう。他方、このような「いつでも売買できる」という性質は、株所有になんら興味のない人間にも「値動きを利用して利益を稼ぐ」という投機のチャンスを与える。また別の人たちには、企業買収(M&A)のチャンスをも与えるのである。このような「多機能性」は、様々な問題を引き起こす原因でもあるが、それは株式市場がより魅力的なことの副作用だといっていい。そして、株式市場についての経済学がまだまだ未成熟な段階にしかないのは、このような「多機能性」を分析するのに十分有効な手法がないから、といえるのである。
社会的共通資本を制御する装置としての「都市」をどう設計するのがいいか、どうすれば「最適な都市」を構築できるか、そのような問題が未解決なのは、同じように、経済学がいまだに成熟の途にあることの証拠であり、身内のひいき目でいえば、経済学の新しい可能性のありかを示しているのである。
[*1] 間宮陽介の論文、『都市の思想』 宇沢弘文・堀内行蔵 編『最適都市を考える』東京大学出版会所収、を主に参考にしている。
[*2] ちなみに世田谷区の市民講座で宇沢先生のゼミに参加したときは、間宮先生がアシスタントをしてくださった。今思えば、なんと豪華な市民講座であったことだろう。
[*3] Jacobs, J., 1961, The Death and Life of Great American Cities, London: Jonathan Cape.
宇沢弘文 (Hirofumi Uzawa), 1928-
宇沢弘文の主要著作
- "On Preferences and Axioms of Choice", 1956, Annals of Statistical Mathematics.
- "On the Rational Selection of Decision Functions", 1957, Econometrica.
- "On the Menger-Wieser Theory of Imputation", 1958, ZfN.
- Studies in Linear and Non-Linear Programming with K.J.Arrow and Leonid Hurwicz, 1958.
- "Prices of Factors of Production in International Trade", 1959, Econometrica.
- "Locally Most Powerful Rank Tests for Two-Sample Problems", 1960, Annals of Mathematical Statistics.
- "Preference and Rational Choice in the Theory of Consumption", 1960, in Arrow, Karlin and Suppes, editors, Mathematical Models in Social Science.
- "Walras' Tatonnement in the Theory of Exchange", 1960, RES.
- "Market Mechanisms and Mathematical Programming", 1960, Econometrica.
- "Stability and Non-Negativity in a Walrasian Adjustment Process" with H. Nikaido, 1960.
- "Constraint Qualifications in Non-Linear Programming", with K.J. Arrow and L. Hurwicz, 1961, Naval Research Logistics Quarterly
- "On a Two-Sector Model of Economic Growth, I", 1961, RES.
- "Natural Inventions and the Stability of Growth Equilibrium", 1961, RES.
- "The Stability of Dynamic Processes", 1961, Econometrica
- "On the Stability of Edgeworth's Barter Process", 1962, IER.
- "Walras's Existence Theorem and Brouwer's Fixed Point Theorem", 1962, Economic Studies Quarterly.
- "Aggregative Convexity and the Existence of Competitive Equilibrium", 1962, Economic Studies Quarterly.
- "Production Functions with Constant Elasticities of Substitution", 1962, RES.
- "On a Two-Sector Model of Economic Growth, II", 1963, RES.
- "On Separability in Demand Analysis", with S.M. Goldman, 1964, Econometrica.
- "On Professor Solow's Model of Technical Progress", 1964, Economic Studies Quarterly.
- "Optimal Growth in a Two-Sector Model of Capital Accumulation", 1964, RES.
- "Duality Principles in the Theory of Cost and Production", 1964, IER.
- "On an Akerman-Wicksellian Model of Capital Accumulation", with T. Yasui, 1964 Economic Studies Quarterly.
- "Optimum Technical Change in an Aggregative Model of Economic Growth", 1965, IER.
- "Patterns of Trade and Investment in a Dynamic Model of International Trade", with H. Oniki, 1965, RES.
- "On a Neoclassical Model of Economic Growth", 1966, Economic Studies Quarterly.
- "Market Allocation and Optimum Growth", Australian EP.
- "The Penrose Effect and Economic Growth", 1968, Economic Studies Quarterly.
- "Time Preference, the Consumption Function and Optimum Asset Holdings", 1968, in Wolfe, editor, Value, Capital and Growth.
- "Time Preference and the Penrose Effect in a Two-Class Model of Economic Growth", 1969, JPE.
- "Optimum Fiscal Policy in an Aggregative Model of Economic Growth", 1969, in Adelman and Thorbecke, editors, Theory and Design of Economic Development.
- "On the Integrability of Demand Functions", with L. Hurwicz, 1971, in Preferences, Utility and Demand.
- "Diffusion of Inflationary Processes in a Dynamic Model of International Trade", 1971, Economic Studies Quarterly.
- "Towards a Keynesian Model of Monetary Growth", 1973, in Mirrlees and Stern, editors, Models of Economic Growth.
- "Optimum Investment in Social Overhead Capital", 1974, in Economic Analysis of Environmental Problems.
- "La theorie economique du capital collectif social", 1974, Cahier d'econometrie et economique.
- "On the Dynamic Stability of Economic Growth", 1974, in Trade, Stability and Growth.
- "Disequilibrium Analysis and Keynes's General Theory", 1976.
- Preference, Production and Capital: Selected papers of Hirofumi Uzawa., 1988.
- Optimality, Equilibrium and Growth: Selected papers of Hirofumi Uzawa, 1988.
- An Endogenous Rate of Time Preference, the Penrose effect, and dynamic optimality of environmental quality, 1996, Proceedings of the National Academy of Sciences.
宇沢弘文に関するリソース
社会的共通財は以下のXに当たるということか?
______
第7章.税制と資源配分/7-3.超過負担の測定と最適課税の理論
課税による消費者余剰の減少は所得課税に伴う価格上昇で需要がどの程度減少するかに依存します。
つまり、需要の価格弾力性が大きい場合、その分超過負担は大きくなります。
・最適間接税
税目を消費税に限定し、その中で個別消費税の税率をどのように設定するのが資源配分の視点から望ましいか分析してみます。
この方法で求められた消費税は最適間接税と呼ばれ、着想はラムゼーまでさかのぼります。
ここで、二つの財(X、Y)があり、需要は独立であると考えます。すると、下の図のようになります。
X Y
の|\ の|
価| \ 価|
格| \ 格|
| \ |
| \ | ̄-_
|_____\小 |___ ̄-_大
|____|T\ |___|T_ ̄-_
| | \ | | |  ̄-_
|____|___\____ |___|__|_____ ̄-__
0 需要量 0 需要量
最適間接税
この二つの財に対する課税の超過負担を最小にするには、X財の税率を高め、Y財に対する税率を低くする必要があります。
すると、弾力性の低い製品には高い税を課し、弾力性の高い製品には低い税を課すことになります。弾力性の低い財は常識的に必需品であり、 最適間接税は逆進的というというパラドックスが生じることになります。
効率性と公平性のトレードオフ、二律背反。ラムゼイルール。
(角野浩財政学104頁、宇沢弘文経済解析基礎篇588~9頁参照。)
図のTは超過負担を表す。
tx/ty=ey/ex
必需品Xに対して高税率を課し、奢侈品Yに対して低税率を課すことになり、逆弾力性ルールによる最適間接税は逆進的になるというパラドックスが生じてしまうことになり、効率性と公平性のトレード・オフが存在することになる。
(角野浩財政学105頁)
二律背反。ラムゼイルール。
次のように書き換えることが出来る。
txex=tyey
これは価格が1%上昇したときの需要の変化率に価格の変化率を掛けた値であり、各財の課税に対して各財の需要の減少率が等しいことを要請するものであり、ラムゼイの比例性命題(ラムゼイ・ルール)が導かれる。ラムゼイ・ルールは価格の変化ではなく、需要量の変化こそが超過負担の要因であるという観点から同量の需要量の変化率が最適間接税のルールであることを主張するものである。
角野105~6頁
ただし、ピケティの以下の図の方がわかりやすい。無論公共財とSOCはイコールではないが。
33 Comments:
>>90
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092601001371.html
経済学者の宇沢弘文氏死去 理論経済第一人者、環境でも活動
日本の理論経済学の第一人者で東大名誉教授の宇沢弘文(うざわ・ひろふみ)氏が
18日午前4時49分、肺炎のため東京都内の自宅で死去した。86歳。鳥取県出身。
葬儀・告別式は近親者で執り行った。喪主は妻浩子(ひろこ)さん。
経済成長のメカニズムに関する理論を確立し、「宇沢モデル」として世界的に知られた。
1983年文化功労者、97年に文化勲章。
行動する経済学者として有名で、環境問題でも積極的に活動した。
成長重視の日本社会を批判し、自動車公害の構造を分析した
「自動車の社会的費用」(74年)はロングセラーになった。
成田空港問題では対話路線に導く調停役を務めた。
2014/09/26 10:21 【共同通信】
http://img.47news.jp/PN/201409/PN2014092601001420.-.-.CI0003.jpg
哀悼の意を表します
社会的共通資本SOCの説明(生産と消費両方に関わることで人間の経済活動をSOCは内包する):
社会的共通資本の賦与量V。
生産主体jの生産量Qjは、その使用する私的な資本の量Kj、労働雇用量Njに当然依存して定まってくる。
これら私的な生産要素の限界生産のスケジュールは、共通資本から生み出されるサービスの使用量Xjによって左右される。
生産主体jが、生産主体jの生産的諸条件を要約する生産関数はつぎのような形をしていると考えられる。
Qj=Fj(Kj,Nj,Xj,X,V)
ここで、Xは、経済全体で、共通資本のサービスがどれだけ使用されているかということをあらわす。
…
効用水準Uiは、私的消費の量Ci、共通資本のサービスの使用量Xi、経済全体での共通資本のサービスの使用量X、および共通資本の賦与量Vに依存して定められる。
Ui=Ui(Ci,Xi,X,V)
Xが増加するとiの効用水準は低下する。
『経済学の考え方』253~5頁より要約。
わかりにくいが、宇沢は公害を例に挙げている。
マルクス再生産表式に似ている
宇沢はケインズよりホートレーが正しいと経済学の考え方で述べている
1)ホートレー理論での金利の作用する経路とその発展
ホートレーの理論のエッセンスは、短期金利が流通業者の在庫投資を通じて卸売物価に影響し、
その経路から産出量に通じるパスを考えていた。これを、在庫ストックの最適化と言う見地から
再構成し、フローの生産と需要の不均衡が在庫ストックの変動で吸収され、そこでの価格変化が
生産と需要の変動を招くとしたのが、宇沢さんがお勧めで一時は結構受けていた小谷&ホートレー
の不均衡動学モデルと言う奴だよ。
2)ケインズの金融政策批判
君も好きな一般理論の中で、流動性トラップの部分を良く読んでごらん。もちろんケインズの
いつもの調子で色んな事が、時に相互に矛盾するような形で書かれてはいるが、長期金利の低下
に限界が生じるのは、将来に渡っての中央銀行の短期金利操作について投資家が不信感を抱き、
どうせ景気が悪くても金利の引き上げに走るから、ある水準以下の長期金利はあり得ないと考え
ているのが原因だと明確に書いてある。長期金利が動けば、当然ながら資産選択行動を通じて、
株価やその他の金融資産価格、されには償却期間の極めて長い建設投資のようなものは、必ず
影響を受けるはずだ。その意味で、デフレ下にあっても金融政策が原理的に無効になるとばかり
考えていた訳ではない可能性は十分ある。
>当座預金目標とケインズ
これはケインズ全集に出てくる。BOEがこれ以上の短期金利の引き下げは無効だと主張したと
き、ケインズは「これまで試みたことはないので、効果は確実とは言えないだろうが、理論的に
効果を期待できる以上、試してみるべきだ」と明確に述べている。量的緩和論の元祖はケインズ。
281 名前:ドラエモン 投稿日:2002/06/02(Sun) 17:26
最近読んだ本:『経済学の考え方』(宇沢弘文 1989 岩波新書新赤版53) | ほーほの落穂拾い
http://hoch.jugem.jp/?eid=741
プロローグ
I 経済学はどのような性格をもった学問か
II アダム・スミスの『国富論』
III リカードからマルクスへ
IV 近代経済学の誕生 ―ワルラスの一般均衡理論―
V ソースティン・ヴェブレン ―新古典派理論の批判者―
VI ケインズ経済学
VII 戦後の経済学
VIII ジョーン・ロビンソンの経済学
IX 反ケインズ経済学の流行
X 現代経済学の展開
エピローグ
あとがき
これを見ると、経済学の祖と言われるアダム・スミスから現代経済学まで時代を追った章立てになっているので、経済学史を噛み砕いて書いたもののように見えますが、著者は「あとがき」で「本書は、経済学史の書物ではない。」(p.264)と言い、また「本書では、筆者がこれまでに大きな感動を覚えながら読んだ経済学の書物を中心にして、筆者自身の経済学の考え方がどのようにして形成されてきたかということを説明してきた。」(p.263)とも書いています。
確かに本書を通読してみると、アダム・スミスに端を発した経済学(上記II)がリカード(上記III)からワルラス(上記IV)を経て理論的・数学的に精密化され(新古典派)、しかしその理論の前提や命題が現実とかけ離れたものであることをヴェブレンが批判し(上記V)、ヴェブレンの批判とそれに基づく予見的分析どおりに起きた1929年の世界大恐慌を受けて新古典派の経済学は破綻しケインズ経済学が成立(上記VI)、その後第二次大戦後に世界の経済学研究の中心となったアメリカで、1950年代のマッカーシズムの影響を受けながらもケインズ経済学を基にした計量経済モデルや経済成長理論等の発展があった(上記VII)が、1960年代のベトナム戦争によるアメリカ社会の大変動を受けてジョーン・ロビンソンの言う「経済学の第二の危機」、すなわちケインズ経済学の行き詰まりを迎え(上記VIII;ちなみに経済学の第一の危機は大恐慌を契機とした新古典派経済学の崩壊をさし、ケインズ経済学によって切り抜けられた)、それに対して1970年代を通じて反ケインズ経済学(合理的期待形成仮説、実証経済学、合理主義経済学、サプライサイド経済学、マネタリズムなど)が勢力をふるい(上記IX)、それらが1980年代に終息した後、世界は市場的不均衡(市場における需要と供給の乖離が市場機構を通じて解消されないような条件が存在し、場合によっては螺旋的に不安定となるような状況)と社会的不均衡(国民経済における希少資源のアンバランス;日本では環境破壊による公害の発生や、GDPなどの優れた経済的パフォーマンスと人々の生活内容や文化的水準とのアンバランスとなって表れている)の時代を迎え、これに対応する経済学の発展が望まれる(上記X)という一本の流れが明らかに見えるのです。
私の知る限り、学問というものはこのように一本道の単線で発展することはありません。互いに対立する理論が並び立ち百家争鳴、それぞれの派が栄枯盛衰・離合集散を繰り返し、昨日までの定説が明日は異端に貶せられながら発展(ある瞬間には退行)してゆくものです。私はよく知りませんが経済学だってその例外ではありますまい。つまり本書のように一筋の流れが見えるのは、著者の主観によってそのように取捨選択され整理されたからで、まさに本書は上掲の「あとがき」からの引用のとおり、経済学史ではなく著者自身がとらえた経済学の形成をあとづけたものなのです。
さらに本書の書名や上掲の引用に「(経済学の)考え方」とあるとおり、本書はそれぞれの学者なり学派の理論そのものの紹介ではなく、理論の背景にある「考え方」を追っているので、たとえば数式はワルラスの一般均衡理論のところと、最終章の社会的共通資本のところに(私には)何となく雰囲気はわかるかな~みたいなヤツ(笑)が数本と、「X 現代経済学の展開」の中のホートレー=小谷理論のところに足し算引き算だけの方程式が3本あるだけですし、グラフはもう少しありますが、その説明はあくまでも定性的なものです。
このように本書は著者によって一本の流れに整理された「経済学の考え方」の発展史が書かれたもので、私にも面白く読めました。
そのようなわけで本書は、客観的で取り澄ましたような経済学の入門書ではなく、あくまでも宇沢氏の考える経済学のあり方を披瀝したものになっていて、たとえば「IX 反ケインズ経済学」の章では、「1970年代の経済学は、一言でいえば、反ケインズ経済学といってもよいように思われる。(中略)反ケインズ経済学は......その共通の特徴として、理論的前提条件の非現実性、政策的偏向性、結論の反社会性をもち、いずれも市場機構の果たす役割に対する宗教的帰依感をもつものである。ここで、これらの反ケインズ経済学の考え方について、紙数を割くのに忍びないが、これらの考え方がかつて果たした社会的、政治的影響の大きさという点から、これらの反ケインズ経済学の主要な考え方を簡単に説明することにしたい。」(p.189)といった、普通の入門書・概説書なら適切を欠くというか余計なというか、せいぜい「あとがき」に書くであろうような内容が堂々と本文に書かれていて、その当否はともかくとして痛快ですし、逆に社会的共通資本や環境の経済的分析に紙数を割いているのも宇沢氏らしいと感じられました。
社会的共通資本 / 宇沢 弘文【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア
2000 岩波新書
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784004306962
ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。その考え方や役割を、経済学史のなかに位置づけ、農業、都市、医療、教育といった具体的テーマに即して明示する。混迷の現代を切り拓く展望を説く、著者の思索の結晶。
目次
序章 ゆたかな社会とは
第1章 社会的共通資本の考え方
第2章 農業と農村
第3章 都市を考える
第4章 学校教育を考える
第5章 社会的共通資本としての医療
第6章 社会的共通資本としての金融制度
第7章 地球環境
著者紹介
宇沢弘文[ウザワヒロフミ]
1928年鳥取県に生まれる。1951年東京大学理学部数学科卒業。専攻は経済学。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授
出版社内容情報
宇沢弘文著作集
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/09/6/091851+.html#SERIES
宇沢弘文著作集
―― 新しい経済学を求めて ――
■構成 全12巻
1960年代に理論経済学の最先端に立っていた著者は,やがて現代文明を根源的に問い直しつつ,経済学のあり方について根本的再検討を開始する.この20年間の苦闘が経済学の新しいパラダイムをひらく.
〈 全巻の構成 〉
◆ I 社会的共通資本と社会的費用
◆ II 近代経済学の再検討
◆ III ケインズ『一般理論』を読む
◆ IV 近代経済学の転換
◆ V 経済動学の理論
◆ VI 環境と経済
◆ VII 現代日本経済批判
◆ VIII 公共経済学の構築
◆ IX 経済学の系譜
◆ X 高度経済成長の陰影
◆ XI 地球温暖化の経済分析
◆ XII 20世紀を超えて
宇沢弘文著作集 全12冊セット
定価(本体 62,400円 + 税)
お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム | ワイアードビジョン アーカイブ
小島寛之
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/kojima/200801/200801170100.html
…
一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからと
いって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみ
ればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性
質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なイ
ンフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半
に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わ
る財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額
(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだ
ろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム
以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移
転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、
社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠
であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によっ
て行うべき。これが宇沢の主張である。
これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。
…
参考:
宇沢弘文「社会的不安定性と社会的共通資本」
『経済解析 展開篇 』、『経済動学の理論』 所収
お金より環境でしょ〜社会的共通資本とミニマム・インカム | ワイアードビジョン アーカイブ
小島寛之
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/kojima/200801/200801170100.html
…
一般に社会的共通資本は、生産量を簡単に増やしたりできず、また、価格が高騰したからと
いって、他の財で安易に消費を代替できないようなものである(空気や医療を思い浮かべてみ
ればいい)。このことを経済学では、「生産や消費の価格弾力性が低い」、という。このような性
質を持つ社会的共通資本は、インフレーション(物価の上昇)の継続する経済では、平均的なイ
ンフレ率を超えて価格が高騰することが容易に想像される。(ちゃんとした理論的説明は後半
に行う) 。社会的共通資本は市民に法律で保障されている最低水準の生活に根本的に関わ
る財であるから、このようなインフレ経済のもとでは、最低限度の生活を保障するための金額
(ミニマム・インカムと呼ばれる)は、平均所得の上昇に比べて高い上昇率を示すことになるだ
ろう。したがって、インフレーションの恒常化する通常の経済においては、ミニマム・インカム
以下の所得の市民が増加し、社会は不安定化する。そして、生活保障を貨幣による所得移
転で行う現行制度では、貧困者の生活水準は次第に悪化をしていくことになる。したがって、
社会の不安定化を防ぐためには、社会的共通資本の十分な公的供給と社会的管理が不可欠
であり、市民の最低生活水準の保障は、金銭の給付ではなく社会的共通資本の充実によっ
て行うべき。これが宇沢の主張である。
これをぶっちゃけていうなら、「お金よりも環境の整備」、ということだ。
…
参考:
宇沢弘文「社会的不安定性と社会的共通資本」
『経済解析 展開篇 』、単行本版『経済動学の理論』
ちなみにピケティは21世紀の資本#16で、
「公的資本の最適な蓄積と民間資本との関係について検討」している。
最近話題になっているトリクルダウン効果は、A・ハーシュマンが『経済発展の戦略』
(邦訳1961年,原著1958年O. Hirschman, The Stategy of Economic Development)、
「第十章 経済成長の地域的・国際的波及」の中で言い出した概念だ。
重要なのはトリクルダウン(浸透効果)に、ポラリゼイション(分裂効果)と
いう対立概念があるということだ。
この視点がないとトリクルダウンの反対はトリクルダウンしない、ということでしかなくなり、
公的資金注入の課題点が見えない。
例えば豊かな工業中心の北部をさらに豊かにしたら、貧しい農業中心の南部の工業は、
北部に負けて消滅してしまうだろう。これが分裂だ。これは国家間でも起こり得る。
ハーシュマン自身は成長拠点を持つべきだと考え、長期的展望に立ってトリクルダウンを
支持しているが、同時に政府の政策に対しては細心の注意を要求している。
ベルグソンの道徳論やチャップリンの『キッド』(ガラス屋のエピソード)が引用されるなど、
本書は興味深く、洞察力を感じさせる。ハーシュマンは単なるリフレ派ではない。
(ハーシュマンの言うトリクルダウンは国家による経済政策で、リフレは金融政策。
ジャンルは違うが双方親和性がある。ハーシュマンはこの中間に切り込んだのが功績だ。)
参考:http://cruel.org/econthought/profiles/hirschm.html
その著書『情念の政治経済学』には柄谷も『トランスクリティーク』『ネーションと美学』で言及
している。
経済解析基礎篇567頁他で宇沢弘文は社会的共通資本を定式化する元としてハーシュマンの著書に触れている。
経済発展の戦略
http://www.ganshodo.co.jp/books/files/fl001.html
経済発展の戦略―現代経済学選書―
ISBN:87356-001-2
新ISBN:978-4-87356-001-4
A.O.ハーシュマン著 麻田四郎訳
判型:B6判並製
ページ数:414頁
定価:本体1,100円+税
内容:「不均整成長理論」をもとに「低開発均衡」をめざして、低開発国の経済発展の諸戦略を提唱。ヌルクセの『後進諸国の資本形成』に対極する多くの議論を喚起した名著の邦訳。
経済発展の戦略 目次
第1章 予備的考察
第2章 成長模型と発展過程
第3章 均整成長(バランスト・グロース)
第4章 不均整成長(アンバランスト・グロース)
第5章 投資選択と投資戦略
第6章 相互依存性と工業化
第7章 工業化-特徴的諸側面再論
第8章 個別企業の能率と成長
第9章 攪乱要因の役割
第10章 経済成長の地域的・国際的波及
第11章 結論・政府の機能と外国援助の機能など
初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス)
篠原 総一著
エディション: 単行本
価格: ¥ 3,024
5つ星のうち 4.0 入門の入門, 2016/4/13
Amazonで購入(詳細)
レビュー対象商品: 初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) (単行本)
例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。
「リンダールメカニズム」
公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。
リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:
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B0|_\____/_BG
| \ ↓↓/
価格| \/L
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A0|__/_↑↑\__AG
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公共財需要量
左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)
しかし本書ではこうだ。
リンダールの考え方:
____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
|____価格____| ┃
┗ーーーー(公共財生産者)
┏ーーーー 警 備 会 社
____市場H___ ┃
花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
|____価格____|
政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。
公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
=花子の公共財の需要量
価格PtとPhは必ずしも一致しない。
初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁
いい悪いではなく、初心者にはこうしたワンクッションが必要だ。
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初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス)
篠原 総一著
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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。
「リンダールメカニズム」
公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。
リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:
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公共財需要量
左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)
しかし本書ではこうだ。
リンダールの考え方:
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┗ーーーー(公共財生産者)
┏ーーーー 警 備 会 社
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政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。
公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
=花子の公共財の需要量
価格PtとPhは必ずしも一致しない。
初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁
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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。
「リンダールメカニズム」
公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。
リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:
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公共財需要量
左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
(奧野ミクロ336頁参照)
しかし本書ではこうだ。
リンダールの考え方:
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政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。
公共財の供給量=太郎の公共財の需要量
=花子の公共財の需要量
価格PtとPhは必ずしも一致しない。
初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁
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例えば他の入門書だとリンダール均衡は以下のように説明されている。
「リンダールメカニズム」
公共財の租税価格を調節することによって各個人の公共財の需要量(平等一定)と租税価格(変数)が釣り合うように調整し て達成された均衡点を「リンダール均衡」という。リンダール均衡はパレート効率的な資源配分を可能にする。
リンダール均衡へと至る、
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B|\ Bの需要曲線
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(奧野ミクロ336頁参照)
しかし本書ではこうだ。
リンダールの考え方:
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┏ーーーー 警 備 会 社
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政府が市場に任せて価格の均衡が決まる。
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リンダール均衡へと至る、
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(奧野ミクロ336頁参照)
しかし本書ではこうだ。
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リンダール均衡へと至る、
リンダール・プロセスの図解:
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B0|_\_______Bの公共財需要量
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格| \/L
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公共財需要量
左下には消費者Aの原点が取られており、そこから上方向に消費者Aのリンダール価格、右方向に公共財需要量が取られている。斜めに伸びる線が消費者Aの公共財に対する需要曲線である。左上には消費者Bの原点が取られており…
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リンダールの考え方:
____市場T___
太郎ーーーーーー|→需要 pt 供給←|ーー┓
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┗ーーーー(公共財生産者)
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花子ーーーーーー|→需要 ph 供給←|ーー┛
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初歩から学ぶ経済入門―経済学の考え方 (有斐閣ブックス) 単行本 1999/2
篠原 総一 (著), 入谷 純 (著), 野間 敏克 (著) 254頁
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宇沢弘文「宇沢弘文 傑作論文全ファイル」
https://itun.es/jp/OuOSfb.l
wiki
ボウルズは、長年の盟友となるハーバート・ギンタスと同様、もともと新古典派経済学を学んだが、
1960年代から1970年代にかけての激動期を通じて、正統派経済学に対して根元的な懐疑を抱くようになり、
マルクス経済学の概念的枠組みにつよく傾斜し、ラディカル・エコノミックスという新しい経済学の考え方を
定式化し、発展させてきた。
主な研究としては、教育を通じて不平等が是正されないメカニズムを精緻に分析した『アメリカ資本主義と学校教育』[1]、
また現代アメリカの直面する経済的困難の原因を、アメリカ経済を支える広範な社会的・制度的構造にまで遡って
えぐり出し打開策を提示した『アメリカ衰退の経済学』[2]などがある。
また資本主義的労働過程に内在する権力関係の構造を分析するモデルとして抗争交換モデルを提示して[3]、
労働現場への参加の決定権(採用/解雇の権限)を握る雇用者が、労働者による労働努力の発揮態度を自己に
有利な方向に誘導することを示し、同じく雇い主−労働者の間の情報の非対称性の点から出発するが、
交渉の参加主体の構成を所与と考える取引費用経済学やプリンシパル=エージェント理論とは異なる分析視座を提供した。
抗争交換モデルは、労働市場だけでなく、借り手がどのような条件を提示しても資金を調達できない現象が生じる
資本市場の分析にも用いられる。
抗争交換モデルは、初出論文の副題「資本主義の政治経済学のための新しいミクロ的基礎」が示す通り、
これまでマクロ・レベル(階級間レベル)でとらえられがちだった資本主義内の権力関係を、
ミクロ・レベル(個人間レベル)から分析し得るツールである。
現在でも不平等の原因とその帰結についての研究は、ボウルズの中心的関心の一つだが、最近ではそれに加えて、
最新の行動経済学や進化心理学の成果を下にした「互恵的利他行動」の研究[4]にも力を注いでいる。
^ H. Gintis & S. Bowles (1976). Schooling in Capitalist America : Education Reform and the Contradictions of Economic Life. New York: Basic Books. 宇沢弘文訳『アメリカ資本主義と学校教育1,2』(岩波現代選書 1986年-1987年)
平等主義の政治経済学 市場・国家・コミュニティのための新たなルール
著者名等 サミュエル・ボールズ/他著 ≪再検索≫
著者名等 エリック・オリン・ライト/編 ≪再検索≫
著者名等 遠山弘徳/訳 ≪再検索≫
出版者 大村書店
出版年 2002.07
大きさ等 21cm 327,20p
注記 Recasting egalitarianism.
NDC分類 331.85
件名 分配 ≪再検索≫
要旨 「全ての人にとって豊かな社会」を可能にする平等主義の展開とは?著名な米ラディカル
経済学の中心理論家たちが提案する「ケインズ主義的な再分配に代わる、資産ベースの平
等主義的再分配を軸にした、ラディカルな社会改革への試み」である。
目次 第1部 平等主義的市場の提案(効率的再分配:市場、国家およびコミュニティのための
新たなルール);第2部 提案の一般的評価(平等性、コミュニティ、および「効率的再
分配」;ノルムと効率性 ほか);第3部 具体的な制度的文脈(対立と協調:再分配と
効率性の必要性を経験的な観点から見る);第4部 経済モデルへの批判(私有財産ベー
スの平等主義の限界;資産の再分配vs所得の再分配 ほか);第5部 再考(平等主義
を作り直す)
内容 内容:平等主義的市場の提案 効率的再分配:市場、国家およびコミュニティのための新
たなルール サミュエル・ボールズ/著 ハーバート・ギンタス/著. 提案の一般的評
価 平等性、コミュニティ、および「効率的再分配」 エリック・オリン・ライト/著.
ノルムと効率性 エリノア・オストロム/著. 効率性の政治学 アンドリュー・レヴ
ァイン/著. 具体的な制度的文脈 対立と協調:再分配と効率性の必要性を経験的な観
点から見る デーヴィッド・M.ゴードン/著. 経済モデルへの批判 私有財産ベース
の平等主義の限界 ジョン・E.ローマー/著. 資産の再分配vs所得の再分配 カー
ル・オーヴ・モーン/著 マイケル・ウォーラーステイン/著. 平等主義的政策の危機
と資産ベースの再分配の見込み ピーター・スコット/著. 再考 平等主義を作
内容 り直す サミュエル・ボールズ/著 ハーバート・ギンタス/著. 文献あり
宇沢弘文氏:TPPは「社会的共通資本」を破壊する【Part1】
https://youtu.be/29XZo5p_ZY8
Part2
https://youtu.be/2QGXmHUsAyg
497 名無しさん@お腹いっぱい。[] 2019/03/25(月) 17:31:33.78 ID:N0czaPsV
>>491
宇沢弘文はキルレートを考案したシカゴ大学の同僚を非難して教授を辞任した。
CoDなどのFPSゲームで良く言われる、キルレートとはなんですか?
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sta********さん2013/8/717:08:59
CoDなどのFPSゲームで良く言われる、キルレートとはなんですか?
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ベストアンサーに選ばれた回答
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kur********さん 2013/8/717:43:30
後半部分で意味が変わるが
大抵は「倒した数/死亡数」の比率をさします。
キルレートの場合と、キルレシオ、二通りの呼び名(計算法)があり、
困った事に日本語での略称ではどちらも「キルレ」と呼ぶ人がとても多いです。
(英語だと普通に「レート」「レシオ」のみ言えば通じます)
@どういった違いが有るか
キルレートの場合は単純に数を足した際のキル数の割合(%)を言います。
例えば【15人殺したけど5回死んだ】、という場合。
合わせて20なのでキルレートは15/20 =75%、という答えになります。
逆に死亡数を考えるデスレートなんてのもあります。
対してキルレシオの場合は15:5で考えます。
なので15/5=3.00がキルレシオ。
1回死ぬ迄にどれだけ倒したか、を考える計算方法です。
実際に「キルレいくつよー?」と聞かれたらこちらの【レシオ】を聞いてる場合が多め。
個人での腕前を示す目安になります。
@じゃぁキルレートって何に使うの?
主に制作側やクラン、チームの計算で他の物と組み合わせて使います。
例えば全体の撃ち勝った数と撃ち負けた数を計算する場合はレートで計算。
他にも攻略するのに最適なルートを見つける為にデータを紐解くのにも使われます。
「ここのキルレートやばい」=最前線やら不利な地形、
といった感じに相手との優劣をデータ化できますからね。
巧いチームや個人技以上の物を求められる大規模戦闘ゲームではこちらが主流です。
FPSじゃなくてRTS(リアルタイムストラテジー)とか戦術ゲームで使われるかな?
@簡単に言うと
キルレシオ=個人成績、キルレート=全体での損失計算のための(数値)材料。
という形になります。
FPSの個人成績が響くCoDなんかはキルレ=キルレシオという考え方が多いです。
BFシリーズやアルマなどのような戦術が絡むゲームではレートの方が重要になっています。
@追記として
SPM(=score per minute)という項目が有ります。
Bo2ではほぼスコア=殺害数や敵の発見数と捉えてもいいです。
これは時間単位(分)でどれだけスコアを稼いだか、ということ。
どちらかというと「レート計算」寄りの考え方です。
数値が高い程、前線などでの活躍がおおい、という事。
ただしデス分は加味されていませんので前述のキルレシオとのバランスが重要です。
突っ込んで死にまくっても道連れにできればSPMは上がりますからね。
逆にキルレが高くてもSPMが低いと効果的なポイントを抑えられていない、ということになります。
kill rateの意味・使い方|英辞郎 on the WEB:アルク
eow.alc.co.jp/search?q=kill+rate
kill rate 殺傷率 - アルクがお届けするオンライン英和・和英辞書検索サービス。
資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界 Kindle版
2019
佐々木実 (著)
5つ星のうち 5.0 4件のカスタマーレビュー
75 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 2019/06/10(月) 13:02:37.58 ID:tSl+IEtn
日本人がとれないノーベル経済学賞 先駆者が残した宿題
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45820720X00C19A6I00000/
宇沢弘文氏の唱えた経済理論とは
https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO4582050007062019I00001&dc=1&ng=DGXMZO45820720X00C19A6I00000&z=20190610
ノーベル経済学賞の有力候補とされた故宇沢弘文・東京大学名誉教授が受賞を逃し、
2018年の同賞の受賞対象は宇沢氏が開拓した分野にもかかわらず、選考委員会が同氏の業績に言及しなかったのはなぜか――。
こう問いかける論文が話題になっている。
論文では宇沢氏の業績を改めて点検するとともに、世界に十分、情報を発信できていない日本の経済学界に
「より組織的に、より戦略的にふるまう」よう求めている。
「なぜ宇沢先生の名前が出ないのだろう」。
1970年代に東大経済学部の宇沢氏のゼミナールで学んだ姉川知史・慶応大学教授は、
昨年のノーベル経済学賞の発表直後から違和感を持ち、思いをぶつける形で論文をまとめた。
3月発行の慶応大学の機関誌に寄稿し、6月9日の日本経済学会で発表した。
昨年のノーベル経済学賞は「気候変動を長期マクロ経済分析に統合した」ウィリアム・ノードハウス米エール大学教授、
「技術革新を長期マクロ経済分析に統合した」ポール・ローマー米ニューヨーク大学教授の2人が受賞した。
マクロ分野での受賞は久しぶり。
「経済成長に関連づけて、マクロ経済学への貢献が大きい2人を選んだ選考委員会の工夫の跡がうかがえる」との評価もあった。
姉川氏は論文で、
「技術革新と気候変動の双方の研究領域で画期的な貢献をした宇沢氏は存命であれば当然に受賞の候補者となった。
選考委員会が18年の授賞理由の説明文書の中で宇沢氏の研究に一切言及していないのは、
経済成長論と地球温暖化の経済学の学説の展開過程を知る者にとっては違和感がある」と指摘したうえで
、「宇沢氏の業績に言及しなかったのはその執筆者に学問的な配慮がなかったといえる」との見方を披露している。
宇沢氏の業績のうち、米スタンフォード大学や米シカゴ大学で手掛けた「最適成長理論」や「投資理論」は国際的に極めて高い評価を得た。
1968年に日本に帰国後、環境問題に注目して生み出した「社会的共通資本」の理論はポール・サムエルソンらが
展開した公共財の議論の域を出ていないとの厳しい見方もあるが、
姉川氏は「環境への影響を数値化し、経済学のモデルに組み込む試みは先進的だった」と評価する。
76 名無しさん@お腹いっぱい。[] 2019/06/10(月) 13:04:39.01 ID:tSl+IEtn
(承前)
しかし、帰国後の宇沢氏は研究業績を海外に十分、発信できなかった。
最適成長理論は世界に広く知られていたが、社会的共通資本の理論を知っていた人は限られるだろう。
むしろ「反市場主義」ととられる言動のほうに注目が集まり、
日本の経済学者の間からは「経済学者というより社会運動家になってしまったのは残念だ」との声が出るようになった。
経済学界での影響力は徐々に弱まり、ノーベル賞からも遠のいていく。
ノードハウス氏も当初は経済成長理論を研究し、やがて環境問題に軸足を移した点で宇沢氏と足跡が似ているが、
世界の学界での影響力を保ち続けた点が大きく異なっている。
宇沢氏は、教育者としても優れていたとの見方は多い。
シカゴ大学のワークショップには、のちにノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフ、ジョセフ・スティグリッツ、ノードハウスの各氏らが集まり、
宇沢氏の指導を受けたことはよく知られている。
ところが、日本では同志社大学に社会的共通資本研究センターを立ち上げて後継者を育てようとしたものの、
期待した成果は上げられなかった。
宇沢氏の影響力を探る尺度として、姉川氏は博士論文での論文引用件数に注目した。
研究者の卵たちは影響を受けた学者の論文を引用する傾向があるためだ。
学位論文のデータベースをもとに1960年代から直近までの博士論文での引用件数を調べたところ、宇沢氏は556件。
ちなみにローマー氏は1239件、ノードハウス氏は872件と水をあけられている。テーマ別の内訳は明らかにしていないが、
宇沢氏の論文は大半が米国での業績とみられる。
姉川氏は「日本の大学、政府、企業は宇沢氏の研究を十分に活用してこなかった。
宇沢スクールと呼べるような研究者の集団を育てられず、
海外とのパイプも細くなったことがノーベル賞を受賞できなかった大きな原因」と結論づける。
6月8、9日に開かれた日本経済学会のテーマは、公共経済、国際貿易、数理経済、ゲーム理論、行動経済学など多岐にわたったが、
世界の学界に影響を与えるような論文がどれだけあっただろうか。
「日本銀行と金融市場」と題する分科会の座長を務めた福田慎一・東京大学教授は
「経済学の歴史を振り返ると、世界で活躍した日本人の経済学者は、宇沢氏を筆頭に数理経済学者がほとんどだ。
日本人の学者は現実の問題を相手を説得するようにうまく英語で説明できず、
日本経済の研究をしても米国人らは興味を示さない、といった傾向は現在も続いている」と指摘する。
若い世代を中心に海外で実績を残す日本人の経済学者が近年、増えてはきたが、全体の中では少数派だ。
現状に甘んじていると、日本の経済学界は世界の潮流から取り残されかねない。
資本主義と闘った男 佐々木実著 異彩放つ戦後経済学の巨人 :日本経済新聞
2019/6/29
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO46708830Y9A620C1MY7000/
資本主義と闘った男 佐々木実著
私が大学生の頃、セミナーの張り紙を見て、まだ見ぬ大経済学者の謦咳(けいがい)に接したいと心躍らせた。教室に現れたのは、はげ頭で白鬚(しらひげ)をたらした異形の巨人だった。その人物なら先ほど見かけたばかりだ。両脇に段ボールを抱え、構内を闊歩(かっぽ)していたのだ。当時の京都大学では見慣れた光景だったが、路上生活者が寝床を探しているのかと思った。頭が混乱する中、浮世離れした仙人はおもむろに通俗ケインズ経済学のIS・LM曲線を描き、朗々とよく通る声で投資関数がないと駄目出しをした。
(講談社・2700円) ささき・みのる 66年生まれ。阪大経卒。日本経済新聞記者を経てフリーランスのジャーナリストに。『市場と権力』で大宅賞などを受賞。 ※書籍の価格は税抜きで表記しています
(講談社・2700円)
ささき・みのる 66年生まれ。阪大経卒。日本経済新聞記者を経てフリーランスのジャーナリストに。『市場と権力』で大宅賞などを受賞。
※書籍の価格は税抜きで表記しています
宇沢弘文は日本が生んだ戦後経済学の巨人である。数理経済学の先端論文を次々と発表し、本場、米国経済学のど真ん中に君臨し、ノーベル経済学賞も有望と思われた頃、突如シカゴ大学教授の座を捨てて、東京大学助教授として帰国した。著者は宇沢に接したジャーナリストで、アロー、ソロー、スティグリッツ、アカロフという歴代のノーベル賞経済学者の証言を丹念に拾い、起伏の大きな人生を大著にまとめ上げた。
宇沢の人生には4つの転機があった。第1に、戦後の混乱期に数学の道を捨てて、マルクス経済学を極めるために経済学に転じたことだ。宇沢の数学的才能を高く買っていた恩師は激怒したが、その後も陰日なたで支えたエピソードが心を打つ。第2に、尊敬するアローの招きで米国へ渡ったことだ。世界最高の数理経済学者が極東の無名の若者の論文を一読してその異才を見抜き、破格の条件で渡米を助ける。夢物語のようだ。
第3に、恩人の影から逃れるようにスタンフォード大からシカゴ大へ移籍したことだ。この決断が賢明だったのかどうか。第4に、日本へ帰国し、公害や環境のような社会問題に身を投じていく。社会的共通資本を唱えるが、著者によるとその姿は孤独だった。
もし宇沢が米国に留(とど)まれば日本人で最初にノーベル経済学賞を受賞したのではないか。宇沢と親しかったノーベル賞受賞者は口をそろえてその可能性に賛同する。昨年、ノーベル経済学賞は宇沢が貢献した成長理論と環境経済学の研究者2人に授与された。ノーベル賞は最大3人まで。真ん中の空席に巨人が君臨する姿を思い浮かべるのは感傷的に過ぎるだろうか。
《評》京都大学教授 依田 高典
Kate Raworth (@KateRaworth)
2020/09/22 6:16
@lizjsutherland @WEAll_Alliance @ycbeau @CCEDNet_RCDEC Love it - a beautiful echo of Hazel Henderson's layer cake from 1982. I had this picture pinned above my desk in the early 2000s - I know it went deep into my subconscious and came out as a doughnut. pic.twitter.com/H0agTEPrAg
https://twitter.com/kateraworth/status/1308153275225604097?s=21
Love it - a beautiful echo of Hazel Henderson's layer cake from 1982. I had this picture pinned above my desk in the early 2000s - I know it went deep into my subconscious and came out as a doughnut. pic.twitter.com/H0agTEPrAg; Kate Raworth (@KateRaworth) September 21, 2020
Hazel Henderson
https://freeassociations2020.blogspot.com/2020/09/httpsmobile_22.html @
… 社会共通資本または社会間接資本とも呼ばれる。 具体的には,道路,住宅,港湾,空港,鉄道,上下水道,公共的公園,文教施設,社会福祉施設,電気,都市ガス,病院,治山治水施設・海岸保全施設(ダム,堤防)など,生産活動や生活環境の基盤をなす社会的設備・施設をさす。…
社会間接資本とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC...
社会的間接資本とは - コトバンク
kotobank.jp/word/社会的間接資本-75650
-キャッシュ
世界大百科事典内の社会的間接資本の言及. 【インフラストラクチャー】より … これに,学校,博物館等の教育・文化施設 ...
社会的間接資本(しゃかいてきかんせつしほん)の意味 - goo国語辞書
dictionary.goo.ne.jp > 辞書 > 国語辞書 > 品詞 > 名詞
-キャッシュ
社会的間接資本(しゃかいてきかんせつしほん)とは。意味や解説、類語。⇒ 社会資本 - goo国語辞書は30万2千件語 ...
社会間接資本(SOC)投資 - SHIN & KIM 法務法人(有)世宗
www.shinkim.com/jpn/business/view/U1018
-キャッシュ
社会間接資本(SOC)に対する民間投資事業(PPP事業)は、社会的議論と政策の趨勢にもかかわらず、持続的な成長 ...
社会資本 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/社会資本
-キャッシュ
社会資本(しゃかいしほん)とは、主として次の2つの意味で使われる ... もともと、アメリカの経済学者、アルバート・ハーシュマンが社会的間接資本 として定義した。日本ではハーシュマンを批判的に ...
経済学における社会資本-社会資本整備-社会資本整備総合交付金
社会的間接資本の充実
www5.cao.go.jp/keizai3/.../wp.../wp-je60-030306.html
-キャッシュ
社会的間接資本の充実. ここ数年のめざましい発展によって、我が国経済は著るしく規模の拡大をみせ、自由化に耐え、 ...
「社会間接資本」の英語・英語例文・英語表現 - Weblio和英辞書
ejje.weblio.jp/content/社会間接資本
-キャッシュ
社会間接資本を英語で訳すと social overhead capital - 約1159万語ある英和辞典・和英辞典。発音・イディオムも分かる ...
社会資本(しゃかいしほん)とは - 社会資本の読み方 Weblio辞書
www.weblio.jp/content/社会資本
-キャッシュ
道路・港湾・工業用地などの生産関連と、住宅・公園・上下水道などの生活関連に大別される。社会的間接資本。
地域の社会間接資本投資、雇用難突破に苦肉の策…「土建国家 ...
japan.hani.co.kr/arti/economy/32686.html
-キャッシュ
2019/1/29 -社会間接資本投資の足かせを解き、景気浮揚に急旋回 バランス発展など例外条項をあげ 10年ぶりに ...
世界随一の経済学者が、すべてを投げ捨てても守りたかったもの(佐々木 実) | 現代新書 | 講談社(2/3)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60245?page=2
世界随一の経済学者が、すべてを投げ捨てても守りたかったもの
宇沢弘文の孤独と怒り
グローバリゼーションの荒波に対抗して
宇沢が闘っていた相手は、いわば、現在のグローバリゼーションを推進した経済学者たちです。
論敵の名をひとりだけ挙げるなら、シカゴ大学の同僚だったミルトン・フリードマンでしょう。『Capitalism and Freedom(資本主義と自由)』『Free to Choose(選択の自由)』という、世界中で熱狂的な読者を獲得した市場原理主義の啓蒙書を著した経済学者です。
宇沢氏とフリードマン氏
フリードマンは「シカゴ学派」を率い、新自由主義思想を世界に布教することに成功しました。フリードマン信者(“Friedmanite”)にアメリカのロナルド・レーガン大統領、イギリスのマーガレット・サッチャー首相という大物がいたからです。
「自由」の概念でさえ、資本主義との関係のなかで論じなければ意味をもたない。それがグローバリゼーションという時代です。高度に発展した資本主義の社会では、思想闘争の中心に経済学者がいる。
問題は、経済学という学問内の闘争はわれわれシロウトには容易にはわからないということです。
ところで、フリードマンは好敵手として親しく交わった宇沢が日本に帰国してからというもの、フリードマン信奉者の日本人に依頼して、宇沢が日本語で著した論文や記事を英語に訳させ、丹念にチェックしていました。自分にとって脅威となりうる経済学者とみなしていたのです。
思想闘争では「敗者」とならざるをえなかった宇沢は、「自由」をめぐる論戦の世界的な動向と深く関わりつつ、新たな経済理論の構築に悪戦苦闘しました。
しかし残念ながら、彼が何とどのように闘っていたのか、経済学という専門知の壁にさえぎられ、当時もいまも、ほとんどの人には理解がおよびません。宇沢の闘いの全貌を描いた作品がこのたび上梓した『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』なのです。
思い返せば、初対面の場面から、わたしは術中にはまっていました。宇沢亡きあと浩子夫人から教えられたのですが、宇沢独特の教授法はアメリカ滞在時代、「Socratic Method(ソクラテス式問答法)」と呼ばれ、教え子たちのあいだで有名だったそうです。
対話を重ねるたび、わたしも自分が何を知らないのかはっきり認識するようになりました。自分の思考がいかに薄っぺらなものであるか、いやというほど思い知らされました。宇沢はまるで魔術のような対話術をもっていたのです。
落とし穴もそこにありました。魔術のような問答法をもつ経済学者に、術中にはまっているシロウトがインタビューするのですから、当然といえば当然です。
わたしは宇沢に誘われ、宇沢がセンター長をつとめる同志社大学の社会的共通資本研究センターに参加するようになりました。
とはいっても、わたしは研究者ではありません。はじめから、なんとかして宇沢弘文に本格的インタビューを試みるチャンスはないものかとうかがっていました。
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岩波講座: 環境経済・政策学 - 第 1 巻 - 69 ページbooks.google.co.jp › books
2001 · スニペット表示
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その一つの系譜は,アメリカ制度派経済学の祖とされるヴェブレンの影響を受けたクラークの議論に代表される.そこでは「社会的間接経費」または「社会的共通経費」( social overhead costs )の重視という文脈のなかで「社会的費用」という概念が登場して ...
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Transport Investment and Economic Development - 67 ページbooks.google.co.jp › books · このページを訳す
David Banister, Joseph Berechman · 2003
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Hirschman (1958) contrasted 'social overhead capital' and directly productive activities. He defines social overhead capital as comprising those basic services without which primary, secondary and tertiary productive services cannot ...
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Development Economics in the Twenty-First Centurybooks.google.com › books · このページを訳す
Claudia Sunna, Davide Gualerzi · 2015
This book is suitable for researchers and students with an interest in Development Economics, the History of Economic development and the Economics of Developing Countries.
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The Political Economy of the World Bank: The Early Years - 103 ページbooks.google.co.jp › books · このページを訳す
Michele Alacevich · 2009
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One example comes from the comparison between “social overhead capital” (SOC) and “directly productive activities” (DPA), as proposed by Hirschman in his book The Strategy of Economic Development ([1958] 1963, ...
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