Karl August Wittfogel -ウィットフォーゲル(&山田盛太郎関連)
NAMs出版プロジェクト: Karl August Wittfogel -ウィットフォーゲル
http://nam-students.blogspot.jp/2017/03/karl-august-wittfogel.html@地政学の逆襲
http://nam-students.blogspot.jp/2018/02/blog-post_4.html
NAMs出版プロジェクト: 定本柄谷行人集(付『世界共和国へ』『NAM原理』)総合索引
http://nam-students.blogspot.jp/2006/05/nam_31.html
ウィットフォーゲル.Wittfogel,Karl August,◉W.34-5(「水力社会」),61(『オリエンタル・デスポティズム』),109
NAMs出版プロジェクト: 『世界史の構造』索引:作業中
http://nam-students.blogspot.jp/2010/10/blog-post_7190.html
ウィットフォーゲル.Wittfogel,Karl August,『オリエンタル・デスポティズム』(117,160,165),185
マルクス経済表(付マルクス直筆経済表)
Das Tableau Économique Wirtschaft und Gesellschaft Chinas, Wittfogel Tableau économique
Karl August Wittfogel - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Karl_August_Wittfogel- Wirtschaft und Gesellschaft Chinas, Versuch der wissenschaftlichen Analyse einer großen asiatischen Agrargesellschaft, Hirschfeld, Leipzig, 1931, XXIV, 767 P. (=Schriften des Instituts für Sozialforschung der Universität Frankfurt am Main, No. 3)
新訂・解体過程にある中国の経済と社会 下
叢書名 ユーラシア叢書
著者名等 K.A.ウィットフォーゲル/著
著者名等 平野義太郎/監訳
出版者 原書房
出版年 1977.9
大きさ等 22cm 390,15p
NDC分類 332.22
件名 中国-経済-歴史
書誌番号 3-0190002732
上の続巻がオリエンタルデスポティズム
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=4794800789
オリエンタル・デスポティズム 専制官僚国家の生成と崩壊
カール・A・ウィットフォーゲル/〔著〕 湯浅赳男/訳
出版社名 新評論
出版年月 1991年1月
ISBNコード 978-4-7948-0078-7
税込価格 10,800円
頁数・縦 646P 22cm
商品内容
要旨
今日の社会主義政権=専制官僚国家の崩壊を予見した幻の大著の完訳。
目次
第1章 水力社会の自然的背景
第2章 水力経済―管理的で純粋に政治的な経済
第3章 社会よりも強力な国家
第4章 専制権力―全面的にして仁愛なき
第5章 全面的テロル・全面的服従・全約的孤独
第6章 水力社会の中心、周辺、亜周辺
第7章 水力社会における所有形態のパターン
第8章 水力社会の諸階級
第9章 アジア的生産様式理論の勃興と没落
第10章 転換期の東洋的社会
- Oriental Despotism: a Comparative Study of Total Power Yale University Press, 1957
ウィットフォーゲル:中国の経済表(『中国の経済と社会』下(359頁)より)
官人(M)
//|||||\\
// ||||| \\
// ||||| \\
// ||||| \\
農民(Ba)__|||||___工業生産者(Ind)
\\\\ ||||| ///
\\\\||||| ///
\\\\|||| ///
\\\\|||///
商業ブルジョアジー(H)
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
(iは紛らわしいので小文字に変えた)
MはMarxのMらしい!
官人(政府)よりも商業資本を入れるのが新しい。大企業も製販分離するから正しい。
農工の価値の分割も正しい。
税金の線が多いことがわかる。
本来はもっと細かい。各線には往復で別の交換がそれぞれある。17×2=34
ウィットフォーゲル:中国の経済表
M
出発点:-
終結点:43A+2i
Ba
出発点:100A
終結点:30A+5i
Ind
出発点:10i
終結点:3A+1i
H
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
山田盛太郎著作集 (岩波書店): 1985|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
山田盛太郎著作集 別巻
小林賢斉 [ほか]編
詳細情報
タイトル 山田盛太郎著作集
著者 小林賢斉 [ほか]編
著者標目 山田, 盛太郎, 1897-1980
出版地(国名コード) JP
出版地 東京
出版社 岩波書店
出版年 1985
大きさ、容量等 305p ; 23cm
価格 6200円 (税込)
JP番号 85029780
巻次 別巻
部分タイトル 報告と講演(手控え・配布資料) 再生産表式と地代範疇-資本主義経済構造と農業形態.近世日本農業改革史論.近代社会形成の問題と地代範疇-ケネーの経済表(一七五八)とウィットフォーゲルの中国経済「表」(一九三一) 農政学者としての新渡戸博士-我国、産業資本確立期までの一〇年間(明治二三-三二年)における新渡戸博士の論著について.再生産構造と危機の理論.再生産構造と循環形態-土地制度史学会京都大会にあたって.戦後循環の性格規定.農業解体における土地所有形態の再検討-農業生産構造・再構成の方向.戦後再生産構造の基本構成.戦後日本の再生産構造の特質.戦後重化学工業段階の基礎的研究-特に鉄鋼業における技術革新並びに労働力編制との関連において. 講義(手控え・配布資料) 再生産演習参考資料 1 限定版 文献の一部(未定稿) Ricardo講読用参考表式(1) 終講の辞.資本主義構造論「再生産論」<断片> 経済政策総論<断片> 再生産論. 補録(講演・報告の記録) 再生産表式と地代範疇-資本主義の構造と農業形態.北満の大農経営について.満洲・中国農業の基礎問題について
出版年月日等 1985.1
件名(キーワード) マルクス学派 (経済学)
[上位語] => 経済学
[関連語] => 剰余価値
NDLC DA24
NDC(8版) 331.6
対象利用者 一般
[山田盛太郎著作集別巻35頁でウィットフォーゲルの経済表が簡略版で紹介されている。]
続々・近況報告(2013,06,17 加筆): “ Festina lente ! ”
http://usagi-s.cocolog-nifty.com/webmemos/2013/06/post-e070.html
『解体期にある 支那の経済と社会』 上・下二巻
ウィットフォーゲル著(平野義太郎監訳) 昭和9年1月3日初版、中央公論社発行
この書物は戦後に刊行されたこともあるが、今回購入対象としたものは戦前のもの。 当書の下巻巻末には山田先生がよく話しておられたウィットフォーゲルの支那の経済表があり、どうしても何時かは手に入れたかった。 しかし、なかなか綺麗なものがなく、かつ高価でもあったため、いままで手が出なかったが、何時もお世話になっている書店から安く提供していただけた。 何故かこの二冊の書物には戦前の中国上海の古書店のシールが貼られていた。 私が今回購入できたのは共に昭和14年9月25日発行の第4版本。
『日本資本主義分析』
山田盛太郎著 昭和9年3月5日付けの第二刷、岩波書店発行
資料を作るために再び購入。出来れば初版が欲しかったが、この第二刷は同じ扱いだと聞いており、かつ安かったのでまた購入した。
ウィットフォーゲル著(平野義太郎監訳) 昭和9年1月3日初版、中央公論社発行
この書物は戦後に刊行されたこともあるが、今回購入対象としたものは戦前のもの。 当書の下巻巻末には山田先生がよく話しておられたウィットフォーゲルの支那の経済表があり、どうしても何時かは手に入れたかった。 しかし、なかなか綺麗なものがなく、かつ高価でもあったため、いままで手が出なかったが、何時もお世話になっている書店から安く提供していただけた。 何故かこの二冊の書物には戦前の中国上海の古書店のシールが貼られていた。 私が今回購入できたのは共に昭和14年9月25日発行の第4版本。
『日本資本主義分析』
山田盛太郎著 昭和9年3月5日付けの第二刷、岩波書店発行
資料を作るために再び購入。出来れば初版が欲しかったが、この第二刷は同じ扱いだと聞いており、かつ安かったのでまた購入した。
立命館経済学(第十四巻・第五号)
最後に、小林賢斉氏は、再生産論の見地から問題を理論的に展開される。すなわち、戦後日本の農地改革の眼目は、「これを比愉的に云えば、ケネーの『経済表』とマルクスの『再生産表式』の関係が併存する関係」から「謂わばケネーの『経済表』の関係をマルクスの『再生産表式』の関係に帰一せしめること」にあったとされるが、この課題は、戦後日本資本主義の構造再編・創出の過程で、いかに果されて来たであろうか、と設問する。そして、マルクス「再生産表式」、レーニン「表式」、ケネーの「経済表範式」、ならびにウィットフォーゲルの「支那の経済表」の検討によって、分析の基準を設定する。その後、右の基準に照らして戦後日本資本主義の深化と農業危機の深化の実態を分析し、つぎのように述べる。 「本格的な戦後階梯の展開にあたって農業生産構造の変革も押し進められるのではなく、むしろ零細土地所有11零細農耕に釘付けしたままで、国際的水準の重化学工業が、旧来の軽工業段階の在来的水準から超絶的に強行聾立せしめられる。かかる『高度成長』の過程は、一方、農業の面では、内的メカニズムによる農民層の分解を含みながらも、農民をしてプロ以下的なものへと崩落せしめ、食糧飼料輸入を必然化し、他方資本プロバーの側においても特殊構造的な『大不況期』に逢着する。而して、この……深刻化は、跨大貧農大衆のいわぼ『正常な補足』たる農外所得を制限することによって、彼等が農業所得で農家消費(及び蓄積)を償えるような生産構造の確立(1-零細土地所有の制限の揚棄に通ずる)への客観的条件を成熟せしめるであろう」と。
国立国会図書館デジタルコレクション - 解体過程にある支那の経済と社会. 上巻
国立国会図書館デジタルコレクション - 解体過程にある支那の経済と社会 : アジア的な一大農業社会に対する科学的分析の企図 特にその生産諸力・生産=流通過程. 下巻
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1882822
山田盛太郎 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/山田盛太郎人物
評価
- 野呂栄太郎、平野義太郎と並びいわゆる講座派マルクス経済学の理論的主柱として活躍した。特に戦前に著された『日本資本主義分析』が日本経済研究に与えた影響は甚大であり、大島雄一をして、「マルクスの資本一般=競争分析、レーニンの独占=帝国主義分析を超えて、一国資本主義分析の典型を提示し」と言わしめた(『山田盛太郎著作集第1巻』の月報より)。
- 『日本資本主義分析』において規定した日本資本主義の「軍事的半農奴制的性質」、山田独特の「範疇=型」の検出による分析に対しては、日本資本主義の特殊性を浮かび上がらせた積極面がある一方で、労農派マルクス経済学及び宇野経済学からは、「型」分析の硬直性が問題視された。
- 以上のように戦前から戦後にかけての日本経済研究に重要な論点を提示した。論文を発表するごとに大きな反響が起きたが、批判者からの批判に対して山田が直接反批判をしたことはない。
- 二部門定置説を石井寛治と提唱した。
経歴
- 1897年 愛知県に生まれる
- 1920年 東京帝国大学経済学部経済学科入学
- 1923年 同卒業。東京帝国大学経済学部副手
- 1925年 東京帝国大学経済学部助教授
- 1930年 共産党シンパ事件で東大を追われる。
- 1932年 『日本資本主義発達史講座』刊行(-1933年)
- 1934年 『日本資本主義分析』発表
- 1936年 コム・アカデミー事件で検挙。
- 1943年 東亜研究所第九調査委員会主査
- 1945年 東京帝国大学経済学部教授に復職、法学部講師を兼務。
- 1946年 中央賃金委員会委員
- 1947年 中央農地委員会委員。農地改革に関わる(農地改革記録委員会委員長も務めた)
- 1948年 土地制度史学会設立。理事代表に就任(-1975年)
- 1949年 「農地改革の歴史的意義―問題総括への一試論―」を発表
- 1950年 東京大学経済学部長。日本学士院会員
- 1957年 東京大学定年退官。専修大学商経学部教授
- 1963年 専修大学社会科学研究所 第3代所長(-1967年)
- 1967年 叙勲二等授瑞宝章
- 1968年 龍谷大学経営学部教授(-1977年)
- 1980年 回盲部膿瘍にて死去(享年83)。叙従三位、賜銀杯一組
著作
- 『日本資本主義分析』(1934年、のち岩波文庫、1977年解説は山田の継承者である南克己)
- 『山田盛太郎著作集』(全5巻、別巻、岩波書店)
資本主義構造論―山田盛太郎東大最終講義 | 小林 賢斉 2001
https://www.amazon.co.jp/dp/4818813257/
投稿者 Amazon カスタマー 投稿日 2016/8/6
形式: 単行本
戦前の最大の経済学者である「山田盛太郎」氏の東大での退官前の半年の講義を紹介する本である。山田盛太郎氏は、戦前の日本を「軍事的・半封建的・半農奴的資本主義」であると喝破し、その崩壊を予言し、事実、崩壊した。これは、資本主義の外圧の中で、日本の歴史が、徳川封建制から明治維新を経て、資本主義を形成していったのであるが、その日本的資本主義化の特殊性を理解するうえで、必須といえるものである。山田氏の有名な「日本資本主義分析」は、難しい言葉のオンパレードであるが、この本では、戦後の講義を解説してるので理解しやすくなっている。
戦前を解説した歴史書を100冊読むより、この本を1冊読んでから、山田氏の「日本資本主義分析」を読むならば、明治以降の日本の経済の歴史が明快に理解されると思う。
戦前を解説した歴史書を100冊読むより、この本を1冊読んでから、山田氏の「日本資本主義分析」を読むならば、明治以降の日本の経済の歴史が明快に理解されると思う。
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日本資本主義分析 (岩波文庫) | 山田 盛太郎 |本 | 通販 | Amazon 1977
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4003414810/
日本資本主義論争史上定評のある画期的名著。明治30‐40年代の日本の産業資本の確立過程の分析を通じて、日本資本主義の軍事的半農奴的パターンを析出し、それが日本資本主義の帝国主義への転化過程を特色づけることを明らかにする。日本資本主義の分析によりマルクスの再生産理論の具体化がみごとに果されている。
登録情報
|
上記の理論的前身:
山田 盛太郎「再生産過程表式分析序論」『資本論体系中』経済学全集第11巻、 改造社、 1931年。1948年再刊。
4 Comments:
官人\
// \\
// \\
// \\
// \\
農民 工業生産者
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商業ブルジョアジー
官人(M)
//||||\\
//||||| \\
// ||||| \\
// ||||| \\
農民Ba ||||| 工業生産者(Ind)
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\\\\||| ///
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商業ブルジョアジー(H)
出発点
M=0
Ba=100A
Ind=10i
H=30G
(iは紛らわしいので小文字に変えた)
Aは農業的価値
iは工業的価値
Gは貨幣
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
//||||\\
②/||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)_|||||_⑧__工業生産者(Ind)
\\\\||||| ///
\⑤\11|||| ⑨12/
①\⑦\||| //13
\\\\||///
商業ブルジョアジー(H)
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
M
出発点:-
終結点:43A+2i
Ba
出発点:100A
終結点:30A+5i
Ind
出発点:10i
終結点:3A+1i
H
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
//||||\\
②/||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)__|||||_⑧_工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
\\\\||||| ///
\⑤\11|||| ⑨12/
①\⑦\||| //13
\\\\||///
商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
//|||||\\
②/ ||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)___|||||_⑧_工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
\\\\ ||||| ///
\⑤\11||||| ⑨12/
①\⑦\|||| //13
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商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
//|||||\\
// ||||| \\
// ||||| \\
// ||||| \\
農民(Ba)___|||||___工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
\\\\ ||||| ///
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商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表(『中国の経済と社会』下より)
官人(M)
//|||||\\
// ||||| \\
// ||||| \\
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農民(Ba)__|||||___工業生産者(Ind)
\\\\ ||||| ///
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\\\\|||| ///
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商業ブルジョアジー(H)
官人(政府)よりも商業資本を入れるのが新しい。大企業も製販分離するから正しい。
農工の価値の分割も正しい。
税金の線が多いことがわかる。
カール・ウィットフォーゲル - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ウィットフォーゲル
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カール・ウィットフォーゲル
カール・アウグスト・ウィットフォーゲル(Karl August Wittfogel、1896年9月6日 - 1988年5月25日)は、ドイツで生まれアメリカに帰化した社会学者、歴史学者。ドイツ語では「ヴィットフォーゲル」とも表記される。
フランクフルト学派の一員であったほか、東洋史、とりわけ中国研究において活躍し、「中心」「周辺」「亜周辺」といった文明における三重構造の概念を提示した。
目次
経歴 編集
ニーダーザクセン州ヴォルタードルフ(ドイツ語版)で生まれた。フランクフルト大学で学ぶ。早くから社会主義運動に加わり、ドイツ独立社会民主党員をへてドイツ共産党員となった。1933年にナチスが政権を掌握すると一時投獄されるが、その後アメリカに亡命してアメリカ国籍を獲得した。このころ中国にも訪れている。第二次世界大戦後はパトリック・マッカランの委員会に加わるなど反共主義に転向し、ワシントン大学などで中国史を教えた。
青年期より中国に関心を抱き、中国の社会経済について研究を進め、官僚制の起源とされる四大文明が河川の流域に位置し水利事業と大規模灌漑農業に基づいた共通点から水力社会と名づけた。また、周辺民族が中国に同化されるという従来までの理解を改め、遼・金・元・清を「征服王朝」という概念を通じて考えた。
さらになぜ西洋や日本のようなウィットフォーゲルが文明の「亜周辺」と呼ぶ最も資本主義が発達した地域から離れた北アジア、中央アジアを抱えるソ連やモンゴル人民共和国から社会主義革命が起き、「亜周辺」の対極にある中華人民共和国、エジプト、イラク、インド、パキスタンなどは五カ年計画によって計画経済が敷かれ、非同盟を掲げつも中東戦争や印パ戦争ではソ連や中国と軍事協力するなどかなり似た体制をとってたかの問題に対し、アジア的生産様式の概念を利用して「アジア的専制政治」として説明した。ウィットフォーゲルのこの仮説はその理論通りにスターリンや毛沢東が自然改造計画や大躍進政策と称して運河やダムの建設や灌漑農業の集団化に邁進していた当時では反響が大きく、同じく中国を研究するジョゼフ・ニーダムからは反論を招いている。
『東洋的専制主義』の日本語訳書 編集
『東洋的専制主義』(アジア経済研究所訳、論争社、1961年)
『専制官僚国家の生成と崩壊』(湯浅赳男訳、新評論、1991年)
『新装普及版・オリエンタル・デスポティズム――専制官僚国家の生成と崩壊』(湯浅赳男訳、新評論、1995年)
その他の日本語訳書 編集
『支那社会の科學的研究』(岩波書店[岩波新書]、平野義太郎・宇佐美誠次郎訳、1939年)
『解体過程にある中国の経済と社会(上・下)』(原書房、1977年)
参考文献 編集
G・L・ウルメン(亀井兎夢訳)『評伝ウィットフォーゲル』新評論、1995年
湯浅赳男『「東洋的専制主義」の今日性――還ってきたウィットフォーゲル』新評論、2007年
石井知章『K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』社会評論社、2008年
石井知章『中国革命論のパラダイム転換――K・A・ウィットフォーゲルの「アジア的復古」をめぐり』社会評論社、2012年
山田盛太郎―マルクス主義者の知られざる世界 (評伝・日本の経済思想) 単行本 – 2008/1
寺出 道雄 (著)
うした『分析』の秘密については、第6・7章で語るとして、ここでは、苦痛に耐えながら、山田自身の言葉を追っていこう。
再生産論の具体化分析の「序言」は、こう書き出される。
「本書は、日本資本主義の基礎の分析を企図する。その基礎分析によつて、日本資本主義の基本構造=対抗・展望を示すことは、本書の主たる課題とする所である。本書は、これを、日本資本主義における再生産過程把握の問題として、謂はば再生産論の日本資本主義への具体化の問題として、果すことを期してゐる。」(「序言」一頁)
ここで、「再生産論」の「具体化」とは、山田が、『再生産過程表式分析序論』において取り上げた、『資本論』の中の再生産表式論が、『分析』の構想の基本にあったことを語っている。再生産表式論とは、資本主義経済を生産財生産部門と消費財生産部門からなる二部門経済として捉え、その二部門の絡み合いの中で、資本主義経済における資本蓄積の過程を捉えていく議論である。
この『資本論』における再生産表式論は、二部門モデルによる経済成長論の研究にも発展させうる性格を有していた。しかし、山田の再生産表式論の利用の方向は、そうした経済理論的な利用の方向ではなかった。山田は、工業部門を生産財生産部門と消費財生産部門に分割して、その様相を具体的に分析するとともに、そうした二部門分割によっては捉えきれない性格を示す農業部門を、いわば第二の部門として捉えて、その様相を具体的に分析することによって、総体としての日本資本主義の姿を明らかにしようとしたのである。それは、文字通りに、再生産表式論の「具体化」であった。特殊な「型制」山田は、続いてこう述べる
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