Kindle版2017
索引付き(kindleでもリンク付き索引が機能する)
経済ではなく経済学の本だが成長より労働を重視して行く構成はパターンではあるが健闘している。
必ずしも学問に持続した本ではない。推薦できる内容。理論の力を謳ったオビは正しい。ネットの売り文句はズレている。
マクロ経済学の核心飯田泰之/著
経済学は決して浮世離れした理論ではない。情勢を冷静に分析し、未来を予測するために拠って立つ礎となる。景気のトレンド、国の政策の是非、勤めている会社や業界の先行き、賃金は適正か、貯蓄か投資かなど、自分で判断し正しく行動するためには、マクロ経済学の知識が不可欠だ。
注目を集める著者独自のナビゲートで、現代を生き抜く知性の力を手に入れろ!
目次
第1章 マクロ経済を見る「目」
第2章 長期経済理論としての新古典派成長モデル
第3章 需要サイドによる景気循環モデル
第4章 マクロ経済学の基本モデルとしてのIS‐LM分析
第5章 労働と価格のマクロ経済学
コラム1 日本は既に貿易立国ではない
コラム2 人口減少悲観論は大げさ過ぎる
コラム3 再分配政策としてのインフラ投資
コラム4 経済効果って何ですか?
コラム5 国際金融から見るトランポノミクスの帰結
コラム6 アベノミクスの誤算と雇用者数
著者紹介
飯田泰之(いいだやすゆき)
1975年、東京生まれ。エコノミスト、明治大学政治経済学部准教授、㈱シノドスマネジング・ディレクター、内閣府規制改革推進会議委員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。著書は『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)、『思考の「型」を身につけよう』(朝日新書)、『地域再生の失敗学』(共著、光文社新書)、『これからの地域再生』(編著、晶文社)など多数。
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目次
はじめに
第 1章マクロ経済を見る 「目 」
1マクロ経済を見るための国民経済計算
G D P統計の三原則
フロ ーとストック
名目値と実質値
G D P統計の主要項目
2 G D P統計を使って現状を把握しよう
G D P統計の三面等価原則
需要項目別の寄与度分解マクロ生産関数
セイの法則と有効需要の原理
総需要と総供給のショ ートサイド原則
コラム①日本はすでに貿易立国ではない
コラム②人口減少悲観論は大げさすぎる
コラム③再分配政策としてのインフラ投資
第2章 長期経済理論としての新古典派成長モデル
1 新古典派成長モデルとは何か
生産能力としての貯蓄と投資
成長させる力と衰退させる力
ソロー・スワンの基本方程式
2 収束論と修正される新古典派成長モデル
収束論の政治的意味
定常状態の経済水準を決める要因
収束論への疑問としての貧困の罠
内生的成長理論
3 成長モデルから循環モデルへ
レオンチェフ型生産関数の意味
加速度型投資と不安定な経済状況
ヒックスの景気循環モデル
第3章 需要サイドによる景気循環モデル
1 有効需要の原理と45度線モデル
需要が決める所得、所得が決める需要
均衡GDPと望ましいGDP
内生変数と外生変数
波及効果による乗数効果
財政制度のビルトイン・スタビライザー効果
景気変動の主役としての投資
2 資産市場と貨幣市場 異時点間を評価する割引現在価値
安全資産利子率と資産価格
裁定条件とリスク資産の価格
貨幣とは何だろうか
貨幣供給量の決定 マネーの元となるベースマネー
貨幣需要の三形態 LM曲線の導出
第4章 マクロ経済学の基本モデルとしてのIS‐LM分析
1 IS-LMモデルの基礎
大胆な仮定とワルラスの法則
IS曲線再論
LM曲線再論
乗数効果と財政政策の効果
クラウディングアウト 金融政策の効果とその影響
流動性の罠と金融政策の限界
2 IS-LMモデルの拡張と批判
恒常所得仮説とライフサイクル仮説
中立命題と流動性制約 減税か財政支出か
クラウディングアウトと需要主導モデルの限界
為替制度と財政政策
コラム④経済効果って何ですか?
コラム⑤国際金融から見るトランポノミクスの帰結
第5章 労働と価格のマクロ経済学
1 フィリップス曲線とマクロ経済学の変容
失業の定義問題
賃金の硬直性とフィリップス曲線
AD-ASモデル
2 マクロ経済論争と現代マクロ経済学の始まり
貨幣錯覚説と自然失業率
合理的期待形成と政策無効命題
再びマクロ経済学のショートサイド原則
3 マクロ経済学の現代的課題
フィリップス曲線は労働市場だけの問題か
フィナンシャル・アクセラレーターと人生の余裕
ゼロ金利と量的緩和 インフレーション・ターゲット
需要か供給かを超えて
コラム⑥アベノミクスの誤算と雇用者数
おわりに――マクロ経済学の未来
発展編
索引
コラム1 日本は既に貿易立国ではない
コラム2 人口減少悲観論は大げさ過ぎる
コラム3 再分配政策としてのインフラ投資
コラム4 経済効果って何ですか?
コラム5 国際金融から見るトランポノミクスの帰結
コラム6 アベノミクスの誤算と雇用者数
…
ソロー・スワンモデル
・資本と労働から(付加価値が)生産される
・資本・労働を同時に2倍にすると生産も2倍になる
対して、
「生産は、労働と資本のうち、相対的に小さい方で決まる」としましょう。これを式に表したのが次です。
Y=min(L/a,K/v):生産量はL/aとK/vの小さい方で決まる …… ⑻
ヒックスの景気循環モデル短期的には資本と労働の組み合わせを変えることができない 。だからこそ 、レオンチェフ型の生産関数を想定するハロッド ・ド ーマ ーモデルが成立しました 。その一方で 、長期的には資本と労働の組み合わせ比率を変えることができるため 、新古典派成長モデルが妥当すると想定します 。このような短期 ・長期の場合分けが伝統的な経済理論の特徴です 。
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