土曜日, 5月 12, 2018

曼荼羅

金剛界九会曼荼羅 。九会に分かれたうち 、上段の真ん中にある一印会 (大日如来が大きく描かれている )の右に見えるのが理趣会である 。
私たちは今 、十界の中では人となって人間世界に生まれています 。ですから 、これを胎蔵界の曼荼羅の上で意識するとすれば 、人界以外の他の九界は心理学でいう潜在意識となって 、人間にもともと具わっている得能として身中に潜んでいます 。仏教家の用いる術語では 、これを顕相 、隠相と言います 。今は私たちが互いに人間であるということから 、これを顕相と言って 、その他の九界は隠相と言うのです 。私たちは過去の宿業により 、果報として人間に生まれていますが 、もし悪い因縁を造ったならば 、その業の結果は未来のことどころではありません 。現在でも畜生その他の下界の相を取り 、その結果の報いを受けるようになる例は実に多くあります 。けれどもまた 、善良な行ないをなせば 、仏界の徳相をも同時に現出し得るのです 。これが要するに胎蔵界曼荼羅の顕われてくる理由です 。


さて 、金剛界曼荼羅は 、九つに区別され 、成身会 (羯磨会 ) 、三摩耶会 、微細会 、供養会 、四印会 、一印会 、理趣会 、降三世羯磨会 、降三世三昧耶会と名付けられています 。ただ今ここに懸かっているこの曼荼羅が 、すなわちそれで 、弘法大師の師である恵果が 、金剛智三蔵所伝の曼荼羅に 、さらに三会を加えて中国で作られた九会曼荼羅です 。