現代中国論
天児慧や丸川哲史の中国論は信頼できる
丸川は比較的若いから第一人者とは言い難いが
ちなみに丸川は台湾、文学寄り
中国は広いから、映画、音楽、IT、経済、文学、等々個別に見て行くべきだろう
文明論は外国人には勝てない
アリギに対抗できるのは柄谷行人くらいか
346 考える名無しさん[] 2018/12/30(日) 20:40:47.38 ID:0
2019年2月、岩波新書から「世界共和国へ」「憲法の無意識」に続く新刊
『世界史の実験』発売決定
>◆柄谷行人 今年書評した本に触発されて、『世界史の実験』(岩波新書)という本を書いた。来年2月刊行予定
柄谷行人 書評委員が選ぶ「今年の3点」
(1)歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史(ジャレド・ダイアモンドら編著、小坂恵理訳、慶応義塾大学出版会・3024円)
(2)ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー(清水透著、岩波現代文庫・1296円)
(3)中井久夫集6 1996-1998 いじめの政治学(中井久夫著、みすず書房・3672円)
(1)「歴史は実験できるのか」という場合、実験とは、多くの面で似ているが、その一部が異なるような複数のシステムを比較して、その差異がもたらした歴史を見ることを意味する。たとえば、太平洋のポリネシアの島々を比較して、国家形成の過程と原因を探ること。その点で、(2)『ラテンアメリカ五〇〇年』も「実験」だといえる。著者は40年におよぶ定点観測にもとづいて、ラテンアメリカの歴史と構造を示した。(3)「いじめの政治学」は精神医学者によって書かれたが、著者によれば、いじめは他人を隷従化するものであり、したがって「政治学」の問題である。いじめは、三つの段階を通して完成するのだが、これを見るためには、多くのケースの比較考察が不可欠だ。その意味で、本書は実験である。(哲学者)
北京のアダム・スミス 21世紀の諸系譜 著者名等 ジョヴァンニ・アリギ/著
著者名等 中山智香子/監訳 ≪再検索≫ 著者名等 上野友也/訳 ≪再検索≫ 著者名等 太田悠介/訳 ≪再検索≫ 著者名等 大槻忠史/訳 ≪再検索≫ 著者名等 小川昂子/訳 ≪再検索≫ 著者名等 平田周/訳 ≪再検索≫ 著者名等 山口治男/訳 ≪再検索≫ 著者名等 和田賢治/訳 ≪再検索≫
著者等紹介 【アリギ】1937~2009年。イタリア生まれ。社会学者。「世界システム論」の代 表的論者の一人。79~98年ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のブローデル・セン ターで世界システム論の展開をリード。98年ジョンズ・ホプキンス大学に移り、同大で 教授を務めた。 著者等紹介 【中山】1964年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学、 ウィーン大学経済学研究科博士後期課程卒。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究 院教授。専攻:経済思想史・社会思想史。単著に「経済戦争の理論-大戦間期ウィーンと ゲーム理論」等。 出版者 作品社 出版年 2011.4 大きさ等 20cm 673p 注記 Adam Smith in Beijing./の翻訳 NDC分類 332.06 件名 資本主義
要旨 東アジアのGDPは、19世紀半ばまで西洋を圧倒していた。しかしアヘン戦争以降、世 界は、西洋が覇権を握る「大いなる分岐」を迎えた。ところが、経済学の祖アダム・スミ スは『国富論』で「西洋と東洋の力の差は、いずれ消滅するだろう」と予言している。本 書は、スミスの経済発展理論を、マルクスやシュンペーターとも比較しながら再評価し、 アメリカの“終末的危機”と中国の興隆のダイナミズムを、壮大な歴史的視野の中から分 析したものである。西洋国家システムの弱体化、東アジアの経済的復興によるグローバル 市場社会の構築という、新たな“世界システム”が大胆に展望される。
目次
第1部 アダム・スミスと新しいアジアの時代(デトロイトのマルクスと北京のスミス; アダム・スミスの歴史社会学 ほか)
第2部 グローバルな乱流を追跡する(グローバ ルな乱流の経済学;グローバルな乱流の社会的ダイナミズム ほか)
第3部 解体する ヘゲモニー(ヘゲモニーなき支配;史的資本主義の領土的論理 ほか)
第4部 新アジ ア時代の系譜(「平和的台頭」の挑戦;国家、市場、資本主義、そして東と西 ほか)
内容 21世紀「世界システム」は中国の台頭でどうなるか。東アジアの経済的復興と新たな「 世界システム」への転換を、アダム・スミスの経済発展理論をもとに壮大な歴史的視野か ら分析。著者生前最後のインタビューも掲載。
中国経済講義-統計の信頼性から成長のゆくえまで (中公新書) 新書 – 2018/9/19
2018年10月7日形式: 新書Amazonで購入
新書に限らず一般書では中国経済についての良書は非常に少ない。
経済学に基づかない経済議論が横行し、印象論、中国メディアのコピペ、
政治社会論との混在など、良書は数冊だろう。
これまででは津上俊哉氏の一連の著作ぐらいではないか。
本書は、経済学に基づく稀な良書で、非常に興味深い、重要な指摘や議論に満ちた、
日本の中国経済書としては最高水準の一つとなる本であると考える。
①中国の経済統計については、日本では役人が出世競争の考課のために成長率をごまかすという
言説ばかりまかり通っているが、これまで様々な推計が世界的に試みられてきており、
その紹介は日本の一般向け中国経済本では初めてだろう。
また、誤差の要因も中国特殊論に帰すことだけではなく、工業付加価値の過大評価に
求めるなど各国共通のマクロ統計の問題と共通するものという示唆は、非常に重要だ。
②津上俊哉氏は中国経済の今後の成長率の鈍化の要因の一つを、過剰債務解消過程における
バランスシート不況に求めるが、本書で言う清算主義(もともとは竹森俊平教授の著書の用語)
に立つが、梶谷氏はフィッシャー流の金融緩和、適切な金融政策により克服可能とし、
p57において“過度に不安を煽ることは慎みたい”とのべる。
ただ、この点は、梶谷氏の主張が本書にて論証されたかは評価できない。
Monetary Policy自体の有効性、その中国経済への適用の是非は大きな論点だ。
③ルイスの転換点について、単に所得・賃金要因が農民の移動をもたらすものではない
という梶谷、丸川氏らの研究の成果の紹介も興味深い。ただ、P143にあるようなルイスの
転換点より制度の改革の進行が重要という指摘には疑問はある。
潜在成長率予測にはルイスの転換点は依然として重要だからだ。
ほかにも多数、例えば『資本過剰経済の2段階』もとても興味深い。
一方、ある程度の経済成長を遂げた中国経済にとって消費Sideの分析は重要と考えるが、
ほとんど言及がない。あれも書いていないこれも書いていないと、揚げ足取りでいうのではなく、
中国経済における消費の経済成長率の寄与度を考慮すれば、必要と考えるからである。
いずれにせよ、中国経済本を読んできて、かつ経済学を理解できれば、本書が画期的であることは
容易に理解できると考える。星5つ以上の良書。
Rescue squad
中国政治からみた日中関係 (岩波現代全書) 単行本(ソフトカバー) – 2017/4/19
現代中国の政治と官僚制 単行本 – 2003/12/1
受賞歴
第26回(2004年) サントリー学芸賞・政治・経済部門受賞
内容(「BOOK」データベースより)
官僚制という一つの側面から見た中華人民共和国政治史。国家計画委員会という一つの官僚機構を定点観測場として取り上げ、中国の政治体制に埋め込まれた一党支配システムの構造的問題を浮き彫りにした画期的論考。
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