火曜日, 2月 05, 2019

ミルグロム2

図4.1:左右の影をつけた三角形は,誤信シナリオにおける量のコントロールと価格のコントロ=ルそれぞれによって生じる逸失利益を示している.この面積の比率は,式(4.1)で与えられる.



計画担当者の 費用推計 : Y,費用 2 費11 誤信シナリオ 限界费用 純使益 総費用 12 20 Ksea 10 12 ナリオで価格コントロールは逸失利益をもたらさない。対NT的に,数 62 10 便益は生産量と独立である. 量と その結果, この例では,限界 誤信シ コントロールは6の逸失利益を生む 表43 計画担当者の 費用推計 限界費用 総便益 限界便益 総費用 誤信シナリオ 限界費用 純便益 総費用 10 純便益 12 20 20 31 21 10 36 31 25 18 10 35 12 限界便益は6単位の生産で10から0に低下する。 では, 益は生じないが, 最適生産量はどちらのシナリオでも6である. 対照的に価格システムでは26の逸失利益につながる。 数量システムでは
 4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討

する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
 割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。



価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きが逆の場合には、逆の結果になる。

きの関係が逆の場合には,逆の結果になる. この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)
市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,こ
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からす
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争
性は高まらない。
従えば,企業の
企業を規制しても効率
■公式の導出
図4.1は,
式(4.1)がどのように導出されるかを示している.
例によって横軸は産出量,
縦軸
は価格(単位あたりの貨幣量)を表す。右下りの直線(MB)は限界便益曲線,右上りの2本の直
線は,計画担当者が推定した限界費用曲線(MC)と誤信シナリオにおける限界費用曲線(MC")
である. したがって,任意の産出量の下での総便益はMB曲線の下の面積であり, どちらのシ
ナリオでも,総費用はそれぞれの限界費用曲線の下の面積である限界便益曲線と推定限界費
用曲線はa点(-Q, P)で交わるから,計画担当者の推定が正しければ, Qが効率的な生産量,
Pがそれに対応する価格である.
誤信シナリオでは,正しい限界費用は計画者の推定値よりもdだけ少ない.したがって,真
の効率的生産量はQ'である·計画担当者がQの生産量を指示したならば,逸失利益はどれ
だけになるだろうか.図4.1の台形QacQ,の面積は,計画者が指示した水準Qから最適水準
Q'に生産量を増加させることによる便益増を表している. また, QbcQ,の面積は産出量増加
による費用増を表している.その差額である三角形abcの面積は,計画者が生産量の選択を間
違ったことに基づくネットの厚生損失である.三角形の面積計算の公式を使えば,この損失分
は,
1/2-d(Q,-Q)に他ならない。
比較のために,計画担当者が価格Pを指定し,企業は利潤最大化生産量Q"を選ぶとしよ
う·最適生産量Q'に比べてQ"を選択すれば,台形Q'ceQ"の面積で示される追加便益をも
たらし,追加費用はQ'cfQ"の面積で表される追加費用は追加便益を三角形efeの面積分だ
け上回る
前と同様,
この三角形の面積は,
1/2-D(Q,,-Q')である.
三角形abcとefeは相似三角形であることに注意しよう (角bと角f,および角aと角
eはそれぞれ等しいから, 2つの三角形は相似である)、したがって,頂点cから測った2つ
の三角形の高さは底辺に比例し, (Q"-Q')/(Q,-Q)= D/dである. また, SMBを(負
の傾きをもった) MB曲線の傾きの絶対値としSMCをMC曲線の傾きとすると,図から
d=SMC × (Q"-Q)であり, D=SMB × (Q"-Q)であることがわかる.したがって,
D4-SMB/SMCである、
影をつけた2つの三角形の面積の比率は,
[限界収入の傾き12
限界費用の傾き
(4.2)
(Q,,-Q')
(Q,-Q)
1/2-D(Q', _ Q')
D
であり,
式(4.1)がえられた。
104

第1部コーディネーション:市場と組織



第4章計画と行動のコーディネーション 103

4 Comments:

Blogger yoji said...

計画担当者の 費用推計 : Y,費用 2 費11 誤信シナリオ 限界费用 純使益 総費用 12 20 Ksea 10 12 ナリオで価格コントロールは逸失利益をもたらさない。対NT的に,数 62 10 便益は生産量と独立である. 量と その結果, この例では,限界 誤信シ コントロールは6の逸失利益を生む 表43 計画担当者の 費用推計 限界費用 総便益 限界便益 総費用 誤信シナリオ 限界費用 純便益 総費用 10 純便益 12 20 20 31 21 10 36 31 25 18 10 35 12 限界便益は6単位の生産で10から0に低下する。 では, 益は生じないが, 最適生産量はどちらのシナリオでも6である. 対照的に価格システムでは26の逸失利益につながる。 数量システムでは
4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討

する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。



価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きが逆の場合には、逆の結果になる。

きの関係が逆の場合には,逆の結果になる. この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)
計画担当者の 費用推計 : Y,費用 2 費11 誤信シナリオ 限界费用 純使益 総費用 12 20 Ksea 10 12 ナリオで価格コントロールは逸失利益をもたらさない。対NT的に,数 62 10 便益は生産量と独立である. 量と その結果, この例では,限界 誤信シ コントロールは6の逸失利益を生む 表43 計画担当者の 費用推計 限界費用 総便益 限界便益 総費用 誤信シナリオ 限界費用 純便益 総費用 10 純便益 12 20 20 31 21 10 36 31 25 18 10 35 12 限界便益は6単位の生産で10から0に低下する。 では, 益は生じないが, 最適生産量はどちらのシナリオでも6である. 対照的に価格システムでは26の逸失利益につながる。 数量システムでは
4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討

する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。



価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きの関係が逆の場合には、逆の結果になる。この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)。
 市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,この比率は、
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からすれば
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に従えば、企業の
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争性は高まらない。

公式の導出…




企業を規制しても効率市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,こ
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からす
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争
性は高まらない。

従えば,企業の
企業を規制しても効率

9:18 午後  
Blogger yoji said...

#4-104頁


4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討
する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。

価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きの関係が逆の場合には、逆の結果になる。この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)。
 市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,この比率は、
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からすれば
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に従えば、企業の
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争性は高まらない。

公式の導出…

5:47 午前  
Blogger yoji said...

図4.1:左右の影をつけた三角形は,誤信シナリオにおける量のコントロールと価格のコントロ=ルそれぞれによって生じる逸失利益を示している.この面積の比率は,式(4.1)で与えられる.

5:48 午前  
Blogger yoji said...

#4-104頁
4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討
する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。

価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きの関係が逆の場合には、逆の結果になる。この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)。
 市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,この比率は、
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からすれば
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に従えば、企業の
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争性は高まらない。

公式の導出




図4.1
    |
    |\MB    MC
    | \    /
    |  \  /   MC'
   P|___\/___/_____
    |   /\  /|
    |  / |\/ |
    | / d|▶︎◀︎ |D
    |/   / c\|
    |   /| | \
    |  / | | |\MB
    | /  | | |
    |/   | | |
    |    | | |
    |____|_|_|______
   0     Q* Q'Q"
       
図4.1:左右の影をつけた三角形は,誤信シナリオにおける量のコントロールと価格のコントロールそれぞれによって生じる逸失利益を示している.この面積の比率は,式(4.1)で与えられる.

(ピグー税と同じ考え方。コースの定理そのものがピグーに依拠している)

6:06 午前  

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