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失われた10年の真因は何か
叢書名
「エコノミックス」シリーズ ≪再検索≫
著者名等
岩田規久男/編 ≪再検索≫
著者名等
宮川努/編 ≪再検索≫
著者等紹介
【岩田】学習院大学経済学部教授。
著者等紹介
【宮川】学習院大学経済学部教授。
出版者
東洋経済新報社
出版年
2003.6
大きさ等
21cm 271p
NDC分類
332.107
件名
日本-経済-歴史-平成時代 ≪再検索≫
件名
経済政策-日本-歴史-平成時代 ≪再検索≫
目次
第1章 構造改革なくして成長なし;第2章 「失われた10年」と産業構造の転換―なぜ新しい成長産業が生まれないのか;第3章 金融政策の機能停止はなぜ生じたのか;第4章 財政運営における「失われた10年」;第5章 不良債権が日本経済に与えた打撃;第6章 社会資本の地方への重点的整備の評価―効率性の観点から;第7章 産業空洞化が日本経済に与えた影響―貿易と雇用を中心に;座談会 何が90年代の経済停滞をもたらしたのか―諸説の検討と対策
内容
日本経済の長期にわたる停滞理由は何か。未だ決着がついていないこの論争に一石を投じるべく、経済学者が実証的な分析を展開。日本経済の混迷の深さを明らかにし、的確かつ迅速な経済政策を提示する。
内容
内容: 構造改革なくして成長なし 林文夫著
内容
「失われた10年」と産業構造の転換 宮川努著
内容
金融政策の機能停止はなぜ生じたのか 野口旭, 岡田靖著
内容
財政運営における「失われた10年」 中里透著
内容
不良債権が日本経済に与えた打撃 櫻川昌哉著
内容
社会資本の地方への重点的整備の評価 三井清著
内容
産業空洞化が日本経済に与えた影響 櫻井宏二郎著
内容
座談会 何が90年代の経済停滞をもたらしたのか 小林慶一郎ほか述
日本経済の長期にわたる停滞理由は何か。未だ決着がついていないこの論争に一石を投じるべく、経済学者が実証的な分析を展開。日本経済の混迷の深さを明らかにし、的確かつ迅速な経済政策を提示する。
構造改革なくして成長なし 林文夫著
「失われた10年」と産業構造の転換 宮川努著
金融政策の機能停止はなぜ生じたのか 野口旭, 岡田靖著
財政運営における「失われた10年」 中里透著
不良債権が日本経済に与えた打撃 櫻川昌哉著
社会資本の地方への重点的整備の評価 三井清著
産業空洞化が日本経済に与えた影響 櫻井宏二郎著
座談会 何が90年代の経済停滞をもたらしたのか 小林慶一郎ほか述
デフレは庶民の知恵
デフレを生きるのも知恵
生産性を下げることで庶民は雇用を守った
合理化に対するラッダイト運動
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34553160U8A820C1MY5000/
物理学を経済学に応用、青木正直氏死去 "二刀流"でマクロ現象を説明
2018/8/25付日本経済新聞 朝刊
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米カリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授の青木正直氏が7月24日、死去した。マクロ経済学と統計物理学を融合する斬新な研究で光を放ち、吉川洋・立正大学教授らに大きな影響を与えた。
工学が専門の青木氏は1960年代、「最適制御理論」の第一人者として世界の学界で著名な存在だった。80年代には計量経済学の先端に位置していた「時系列分析」に研究の中心を移す。統計物理学をマクロ経済学に応用する研究に取り組み始めたのは90年代。応用の手法を解説した専門書、『経済系のマクロ行動とゆらぎのモデル化』(英文、2002年、ケンブリッジ大学出版、邦訳は04年、サイエンス社)で03年、日経・経済図書文化賞を受賞した。
マクロ経済学といえばかつては、経済データを集計し、全体の動きを分析する「ケインズ経済学」を指した。70年代以降、流れが変わり、ケインズ経済学は家計や企業の行動を分析する「ミクロ的な基礎」が欠けるとの批判が強まる。現在の経済学界では、「代表的な」家計や企業が合理的に行動し、効用(満足度)や利潤を最大にすると仮定するモデルでマクロの動きもとらえる「新古典派マクロ経済学」が主流となっている。
「新古典派のモデルではマクロ現象を説明できない」とみる吉川氏は2000年以降、青木氏の研究に着目し、共同研究に乗り出す。吉川氏は「物理学は、単一の粒子や個体の動きを分析する理論と、多数の粒子や個体からなるマクロ現象を分析する理論の二刀流だ。マクロの動きを確率的にとらえるのが統計物理学で、経済学に適用すると様々なマクロの現象を説明できる」と主張し、独自のマクロ経済理論の構築を目指している。
07年には『マクロ経済学の再構築』(青木、吉川両氏の共著、英文、ケンブリッジ大学出版)、11年には『50のキーワードで読み解く経済学教室』(青木、吉川両氏ほか監修、東京図書)を出し、新古典派の「合理的期待モデル」を批判する論理を展開した。吉川氏はさらに、統計物理学を応用したマクロ経済学の体系を解説する単著を執筆中で、先駆者である青木氏の遺志を継ぎ、主流派に挑み続けたいと意欲を燃やしている。
(編集委員 前田裕之)
現代マクロ経済学
吉川洋
2000
Canterbury Bell
5つ星のうち5.0学部の上級生、または大学院生向き
2007年1月12日
形式: 単行本
著者がまえがきで述べている通り、この本は学部の上級生、または大学院生向けであり、論文を書くための、若しくはプロの学者の書いた論文を理解するために書かれた中級テキストである。したがって、あらかじめ基礎は理解しているとの前提で議論が進行されているが、それにしても解かりにくさ(説明を端折るなど)は感じられない。各ジャンルのモデルの説明を中心に歴史的経緯を含めて説明されているので、理論を専攻する方にとって、最適な本である。
この本の最もすばらしい点は、現代の代表的な理論を説明するだけではなく、著者の学者としての見解をはっきりとさせている点である。現代の経済学の理論は、学派による対立が以前よりも薄れてきていると説明する専門家もいるが、決して学派が統一されたとは思えない。したがって、それぞれの学派のエッセンスをあいまいにしたままでは、モデルについて深い考察は得られるはずがない。中立的な立場に立って書かれた本(専門書、入門書を含めて)は、取り上げられたそれぞれのモデルの「いいとこどり」という傾向(つまり、理解の深みが無い)があり、逆にマクロ経済学と謳いながら特定の学派しか解説しない(つまり、理解の広がりが無い)ものも多い。それらに対して、この本はあえて(ケインジアンという立場から)著者の意見を読者にさらしてはいるが、特定の学派の説明に偏ることなく、取り上げるそれぞれのモデルの本質をつかんだ上で評価している点で、日本語(翻訳は除く)で書かれた中級レベルのマクロ経済学の中でかなりの良書であるといえる。
学問を超えたどの分野でも、プレイヤーのスタンスが確率されていることはプロとして優秀であることの証であり、さらにこの本のように高度な文献へと近づくためのテキストは、そういった人間にしか正確に書けないのではないかと、この本を読んで感じた。
著書のスタンスや意見に抵抗がある方も当然のことながら存在すると思われるが、そういった方たちにとっても、この本で取り上げられているモデルの解説の精密さと、それに対する評価は一応公平でレベルの高いもであると頷けていただけるのではないかと思う。
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ただし現代マクロ経済学
という書名は別の著者で数冊あってわかりにくい
フィッシャーは自分の価格理論を説明するためにポンプ、車輪、レバーやパイプでできた奇妙な機械を作り上げた。
これはフィリップス曲線のフィリップスに影響を及ぼした。
「〔『数学的研究』における〕連立方程式は,ワルラスが『純粋経済学要論』で示したそれと本質的に同じである。根本的な違いは,ただひとつ,私が一貫して限界効用を財の量の関数とあつかったのに対し,ワルラスは各財の量を価格の関数とした点である」(Fisher[1892]p4,訳iv頁)
交換方程式(貨幣数量説)
MV = PT ここで M はお金で、V は速度、P は価格水準
《Tは鉄何トンというような実質取引量である》
(吉川洋『経済学をつくった巨人たち』文庫版184頁)
フィッシャーはマネタリストではない。貨幣を可視化しただけだ。
数学への過信は数字への過信であり、数字への過信は貨幣への過信なのだ。
一般に近年の経済学では価格論への捨象が早すぎる。だから数字が自己目的化する。
貨幣への疑いがないからゲゼル減価マネー(フィッシャー『スタンプ貨幣』1933参照)の意義がわからない。