土曜日, 2月 21, 2015

『価値論』(宇野弘蔵):メモ


          (柄谷行人マルクスヘーゲルリンク::::::::::) 

NAMs出版プロジェクト: 宇野弘蔵『価値論』:メモ

http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/blog-post_99.html (本頁)

  絶対的
 B | A
拡大-十-単純
 C | D
  相対的

マルクスはABCDという論理展開で記述してゆく。
それはカントの質量関係様相というカテゴリーに似ている。
宇野弘蔵はこれをヘーゲル的トリアーデ(*)に変換した。
(現行資本論自体が三部作だから、読み込んでいない人は逆に不思議に思わない。ちなみに宇野弘蔵『価値論』(**)1947,再刊1965も価値の実体/形態/本質というトリアーデ構成になっている。)
生産流通分配の順序を流通を先にし流通生産分配にしたのだ。
宇野弘蔵の経済原論岩波全書1964(1950~2年版よりこちらがいい)は、それらを知り、
経済政策論1954とセットなら読む価値はある。

*)注[大辞林 第三版 - トリアーデの用語解説 - 〔三つで一組のもの,の意〕 ヘーゲル弁証法で ,正・反・合の三つの契機を総称していう語。]

**)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1153382

『価値論』
宇野弘蔵 著
宇野, 弘蔵, 1897-1977
再版
河出書房
1948

標題
目次
序論/1
1 商品經濟と資本主義社會/3
 一 経済学の出発点としての商品/3
 二 所謂單純なる商品/12
 三 個々の商品の抽象性/19
2 價値論の對象と方法とに關する二三の注意/26
 一 商品に於ける使用價値/26
   二 労働力商品化の意義/31
 三 價値法則展開の動力/36
 四 價値論の方法/44 
3 マルクスの勞働價値説 並にベーム・バウェルクの之に對する批評/50
 一 マルクスの労働價値説/50
 二 ベーム・バウェルクの批評 その一/62
 三 ベーム・バウェルクの批評 その二/77

第一章 價値の實體/101
1 價値を形成する労働/103
2 分業の発達による労働の單純化/114
3 労働と價値と價格/124

第二章 價値の形態/137
1 商品の價値形態/141
 一 簡單なる價値形態/141
 二 擴大されたる價値形態と一般的價値形態/152
 三 貨幣形態/161
2 貨幣としての價値/175
 一 單純なる商品流通に於ける價値/175
 二 流通手段としての貨幣の價値/180
 三 貨幣としての價値の独立化/186
3 資本としての價値/196
 一 運動体としての價値/196
 二 價値の自己増殖/201
 三 生産過程を含む資本の運動形式/207

第三章 價値の本質/215
1 資本による商品経済の確立/217
2 労働過程としての資本の生産過程/225
3 價値形成=増殖過程/231
結語/243
(原著はアラビア数字ではなくローマ数字。1965年版とは頁数がズレる。)
価値論の2が経済原論の1に対応する。1:3が2:1:1に、3:3が2:1:2に対応。

               /\
              /  \
           ☆☆☆価値増殖\
            /______\
           /\ <本質> /\
          /  \    /  \
         /商品経済\  /労働過程\
        /______\/______\
       /\             3/\
      /  \    宇野弘蔵    資本と\
     /☆価格 \   『価値論』  /しての価値
    /______\        /__\/__\
   /\ <実体> /\      /\☆☆<形態>/\
  /  \    /  \    /1_\    /2_\
 / 労働 \  / 分業 \  /\商品の\  /貨幣とし\
/______\/______\/_価値形態_\/_ての価値_\
 序論(商品/
    対象と方法/
    ベーム・バウェルク)

               /\
              /__\
             /\利子/\
            /__\/__\
           /\ <分配論>/\
          /__\    /  \
         /\利潤/\  / 地代 \
        /__\/__\/______\
       /\              /\
      /  \    宇野弘蔵    資本の\
     /3資本 \  『経済原論』  /再生産過程
    /______\        /__\/__\
   /☆☆<流通論>/\      /\ <生産論>/\
  /  \    /  \    /__\    /  \
 /1商品 \  /2貨幣 \ 資本の生産過程 資本の流通過程
/______\/______\/☆_\/☆☆☆/______\

二つあわせると、

               /\              /\
              /  \            /__\
           ☆☆☆価値増殖\          /\利子/\
            /______\        /__\/__\
           /\ <本質> /\      /\ <分配論>/\
          /  \    /  \    /__\    /  \
         /商品経済\  /労働過程\  /\利潤/\  / 地代 \
        /______\/______\/__\/__\/______\
       /\              3\              /\
      /  \    宇野弘蔵    資本_\    宇野弘蔵    資本の\
     /☆価格 \  『価値論』=  /としての\  =『経済原論』 /再生産過程
    /______\        /_価値=資本\        /__\/__\
   /\ <実体> /\      <形態>=<流通論>      /\ <生産論>/\
  /  \    /  \    /1_\ ☆☆ /2_\    /__\    /  \
 / 労働 \  / 分業 \  商品の価値\  貨幣として\ 資本の生産過程 資本の流通過程
/______\/______\/形態=商品_\/の価値=貨幣\/☆_\/☆☆☆/______\
 序論(商品/          =序論
    対象と方法/      (『経済学批判』序文)
    ベーム・バウェルク)


宇野弘蔵は『価値論』を出して受けた批判を『経済原論』に生かしたという。宇野弘蔵の価値論は柄谷行人も受け継いでいるが、再生産表式の軽視も受け継いでしまっている。


宇野弘蔵『経済原論』1964 目次


序論
第一篇 流通論
 第一章 商品
 第二章 貨幣
 第三章 資本

第二篇 生産論
 第一章 資本の生産過程
  第一節 労働=生産過程
  第二節 価値形成=増殖過程
  第三節 資本家的生産方法の発展
 第二章 資本の流通過程
 第三章 資本の再生産過程
  第一節 単純生産〜〜資本の再生産と労働力の再生産
  第二節 拡張再生産〜〜資本家的蓄積の現実的過程
  第三節 社会総資本の再生産過程〜〜価値法則の絶対的基礎

第三篇 分配論
 第一章 利潤
  第一節 一般的利潤率の形成〜〜価値の生産価格への転化
  第二節 市場価格と市場価値(市場生産価格)〜〜需要供給の関係と超過利潤の形成
  第三節 一般的利潤率の低落の傾向〜〜生産力の増進と景気循環
 第二章 地代
 第三章 利子
  第一節 貸付資本と銀行資本
  第二節 商業資本と商業利潤
  第三節 それ自身に利子を生むものとしての資本
   第四節 資本主義社会の階級性

参照:
http://komesen.sblo.jp/article/43615480.html
http://homepage3.nifty.com/tanemura/re2_index/U/uno_kozo.html 

宇野弘蔵『価値論』はヘーゲル論理学↓の本質論1:2の論理展開の逆。ヘーゲル論理学1:1が1:2:2と相似であるということでもある。

参考:

NAMs出版プロジェクト: ヘーゲル体系

http://nam-students.blogspot.jp/2010/09/blog-post_5795.html?m=0#_1

宇野弘蔵『経済原論』とヘーゲル『小論理学』:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2013/12/blog-post_2835.html 


               /\階級
              /自身\
             /\利子/\
            /銀行\/商業\
          低下\ <分配論>/\
          /__\    /  \
        利潤\利潤/\  / 地代 \
        /率_\/市場\/______\
       /\              /\
      /  \    宇野弘蔵    総資本\
     /3資本 \  『経済原論』 資本の再生産過程
    /______\        /単純\/拡大\
   /\<流通論> /\      資本 <生産論>/\
  /  \    /  \    /家的\    /  \
 /1商品 \  /2貨幣 \ 資本の生産過程 資本の流通過程
/______\/______\/労働\/増殖\/______\
 序論
(『経済学批判』序文)


               /\
              /  \
             /価値増殖\
            /______\
           /\ <本質> /\
          /  \    /  \
         /商品経済\  /労働過程\
        /______\/______\
       /\              /\
      /  \    宇野弘蔵    運動形式
     / 価格 \   『価値論』 資本としての価値
    /______\        /運動\/自己増殖
   /\ <実体> /\      /\ <形態> /\
  /  \    /  \    /貨幣\    /独立化
 / 労働 \  / 分業 \ 商品の価値形態 貨幣としての価値
/______\/______\/簡単\/拡大\/流通\/手段\

 序論(商品/
    対象と方法/
    ベーム・バウェルク)

ヘーゲルだと、

               /\
             (絶対理念)
            (生命) 理念 (認識)
            /______\  ヘーゲル『エンチクロペディ』
           /\ <概念論>/\
          /推論\    /__\
         / 主観的\  / 客観 \
        /概念__判断\/______\
       /\              /\
      /  \    ヘーゲル    /  \
     /限度  \  『小論理学』  /現実性 \
    /______\        /______\
   /\ <有論> /\      /\ <本質論>/\
  /  \    /  \    /  \    /  \
 / 質  \  / 量  \  /存在本質\  / 現象 \
/______\/______\/______\/______\

参考:ヘーゲル

http://nam-students.blogspot.jp/2010/09/blog-post_5795.html?m=0#notee1    


 マルクス『資本論』 絶対的5〜9、   商品と
 __________相対的10〜13__貨幣〜3
|資本の変態|(資本の |剰余|資本|拡大|単純|
|  と循環| 循環過程)価値|へ4|価値形態論1
| 1〜6 |1、2、3| 〜16 一般的|貨幣|
|_二資本の流通過程__|_一資本の生産過程__|
|     |拡大|単純|時間|  | 資本の |
|資本の回転|再生産 ・|_労 賃_|蓄積過程 |
|7〜17 社会的総資本|17〜20|21〜25|
|_____|18〜21|出来高__|_____|
|     |     生産過程49|資本|労働|
|  利潤 |     | 競争の |_三位一体48
| 1〜20|     | 外観50|土地|  |
|____三資本主義的生産の総過程への転化|__|
|     絶対・|差額|     資本家|労働者
|  利子 |_地代_・| 生産51|_諸階級52
|21〜36|37〜47| 分配と |地主|  |
|複利24_資本主義的・|_____|__|__|

http://nam-students.blogspot.jp/2011/10/blog-post_29.html?m=0 

労働の位置づけもマルクス『資本論』とは違うが宇野の方が収まりはいい。そのかわり労働価値説は強調されないかも知れない(『価値論』は労働価値説をとっている。マルクスと叙述の仕方が違うだけである)。

ヘーゲル論理学:

http://nam-students.blogspot.jp/2010/09/blog-post_5795.html?m=0#noter2       
     


3 Comments:

Blogger yoji said...

このコメントは投稿者によって削除されました。

9:36 午後  
Blogger yoji said...

二つあわせると、


               /\              /\
              /  \            /  \
           ☆☆☆価値増殖\          / 利子 \
            /______\        /______\
           /\ <本質> /\      /\ <分配論>/\
          /  \    /__\    /  \    /__\
         /商品経済\  /生産過程\  / 利潤 \  / 地代 \
        /______\/______\/______\/______\
       /\              3\              /\
      /  \    宇野弘蔵    資本 \    宇野弘蔵    資本の\
     /☆価格 \  『価値論』:  /としての\   『経済原論』 /再生産過程
    /______\        /_価値:資本\        /______\
   /\ <実体> /\      ☆☆<形態>: /\      /\ <生産論>/\
  /  \    /  \    /1 <流通論>/2 \    /__\    /__\
 / 労働 \  / 分業 \  商品の価値\  貨幣として\ 資本の生産/\ 資本の流通/\
/______\/______\/形態:商品_\/の価値:貨幣\/_☆\過程_\☆☆☆\過程_\
 序論(商品/
    対象と方法/
    ベーム・バウェルク)

10:15 午後  
Blogger yoji said...

62考える名無しさん2018/11/25(日) 01:24:19.010
参考:
宇野弘蔵『経済原論』における、剰余価値率/利潤率/利子率:
宇野弘蔵『経済原論』はヘーゲル『小論理学』の構成を参考にしている
(『「資本論」と私』2008年、お茶の水書房)。図解するなら(☆=起点)、

        /\
       C利子\
      /(分配論) \
     B利潤__地代\
    /\宇野弘蔵・ 資本の再
   /資本\経済原論/生産過程A
  / (流通論)\  /(生産論)\
 /商品__貨幣\/生産__流通\
☆         過程  過程

A.剰余価値率:
《いわゆる労働日をできうる限り延長することが…資本にとっては…基本原理となる。
…マルクスはこれを剰余価値率m/v(vは可変資本、mは剰余価値)をもってあらわし、
労働力の搾取度を示すものとするのである。》(宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫版78頁)

B.利潤率:
《剰余価値率がm/vとして、資本家と労働者との関係をあらわすのに対して、利潤率は
m/c+vとして、剰余価値の全資本に対する分配率を示し、資本家と資本家との関係を
あらわすものになる。》(同151頁)

C.利子率:
《利潤率に対する利子率の関係は、前者が一般に個々の資本にとってその投資部面を
決定する基準となるのに対して、後者は個々の資本の運動中に生ずる遊休貨幣資本を
資金として資本家社会的に共同的に利用しつつ、利潤率の相違を補足的に均等化する
ものといってよいのであって、この資金は、個々の資本家の資金でありながら、銀行
を通して社会的資金として、上述のように資本の蓄積に対する社会的規制をなすもの
となる。》(同225頁)

4:15 午前  

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