ピグーの不遇(ピグー税とピグー補助金):メモ
NAMs出版プロジェクト: ピグーの不遇:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/blog-post_78.html(本頁)
https://nam-students.blogspot.com/2019/04/blog-post_75.html
NAMs出版プロジェクト: マーシャル,Alfred Marshall
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/alfred-marshall.html
NAMs出版プロジェクト: パレート最適:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/blog-post_82.html
ケインジアンの交差図
http://nam-students.blogspot.jp/2015/03/blog-post_12.html
http://nam-students.blogspot.jp/2016/07/coase-theorem.html
雇用を増やすためには賃金を下げるべきだとピグーは主張し、
ケインズにバカにされたが(諸説ある)、
ワークシェアを主張したと思えば的外れではない。
それが難しいというだけの話で。
ピグーの不遇は、まだ続いている。
『富と厚生』(1912年,『厚生経済学』1920年の前身)1:3☆☆におけるマーシャル評価、国民分配分の評価はピケティにつながる。☆☆
参考:
下記邦訳初版519頁でワークシェアの難しさが論じられている。
ローマー『上級マクロ経済学』(Advanced Macroeconomics by David Romer)
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/advanced-macroeconomicsdavid-romer.html
http://nam-students.blogspot.jp/2015/01/blog-post_30.html
ピグー効果
解説
ケインジアンとの論争
モデルによる説明
日本のデフレとピグー効果
家計全体では、借金よりも預金等の金融資産の方が多いため、物価下落による実質資産残高効果(保有資産の実質価値が増加する効果)により、消費を増加させることが考えられる。しかし、これまでの研究によれば、我が国の場合、家計の実質資産残高効果はあまり大きくない。また、(…中略…)消費者物価が下落している99年以降、ローン返済家計の消費の減少度合いが大きいことからも、家計全体での実質資産残高効果はさほど大きくないと考えられる。 — 内閣府、平成13年度 年次計画財政報告[26]
こうした資産・債務を通じた効果とは別に、デフレは、人々に物価下落が継続するという見通しを生み、経済の先行きに対する不透明感を高めることによって、消費等への買い控えを引き起こすといった可能性も考えられる。 — 内閣府、平成13年度 年次計画財政報告[26]
わが国の貯蓄水準は高く、デフレ不況が続く中でも高い水準を維持している。物価の下落は貯蓄の実質的な価値を高める効果があり(実質資産残高の増加)、また、消費者物価の下落を考慮した実質金利も90年代後半以降名目金利を上回っている。デフレはこのような経路を通じて、貯蓄を持つ人々の支出を増加させると考えられるが、現実にはどうであろうか。日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第16回)」(2003年3月)によれば、1年前と比べて支出を減らしている理由として、「低金利で金利収入が少ないから」と答える人が18.3%となっており、実質的な貯蓄の増減よりも手取り収入を意識している人が多い。このような錯覚が生じることの影響などから、実質資産残高の増加による消費の刺激効果は小さいと考えられる。 — 内閣府、国民生活白書[27]
脚注
- ^ a b c Pigou effect(英語)(July. 10, 2014, 19:53 UTC)参照
- “資産効果とは”. 金融・経済用語辞典. 2014年8月25日閲覧。
- “資産効果”. 金融用語辞典. Infobank マネー百科 by ARTIS. 2014年8月25日閲覧。
- 本郷亮 2013, p. 185.
- Patinkin, Don (September 1948). “Price Flexibility and Full Employment”. The American Economic Review 38 (4): 543-564.
- Hough, Louis (June 1955). “An Asset Influence in the Labor Market”. Journal of Political Economy 63 (3): 202-215.
- Takami, Norikazu (April 2011). “Managing the Loss: How Pigou Arrived at the Pigou Effect”. HOPE Center Working Papers.
- 本郷亮 2013, p. 192.
- 漆崎健治 1982, p. 153.
- 本郷亮 2013, p. 189.
- ^ a b 本郷亮 2013, p. 190.
- ^ a b c d 高見典和 2010, p. 96.
- 高見典和 2010, p. 95.
- ^ a b 高見典和 2010, p. 97.
- J. R. Hicks (April, 1937)“Mr. Keynes and the Classics – A Suggested Interpretation”. Econometrica 5: 147–159
- J.M.Keynes & N.Kaldor 1937.
- J.M.Keynes & N.Kaldor 1937, p. 743-745.
- J.M.Keynes & N.Kaldor 1937, p. 745-753.
- 本郷亮 2013, p. 191.
- ^ a b 漆崎健治 1982, p. 152.
- 高見典和 2010, p. 99-100.
- 高見典和 2010, p. 99.
- 高見典和 2010, p. 100.
- 中沢正彦 (2010-02). “(シリーズ「日本経済を考える」(1))デフレと日本経済” (PDF). ファイナンス: 71.図表1参照
- IMF World Economic outlook 2014 April edition
- ^ a b c 内閣府 (2001年12月). “平成13年度 年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)”. 2014年8月25日閲覧。
- ^ a b 内閣府 (2003年). “(第1章 デフレ下の国民生活 第6節 デフレと金融資産の選択行動の変化)「実質資産残高効果による消費刺激は小さい」”. 平成15年版 国民生活白書~デフレと生活-若年フリーターの現在(いま)~. 2014年8月25日閲覧。
参考文献
- 高見典和「ピグー効果の形成過程―ケインズ一般理論前後におけるピグー失業率の連続性 (PDF) 」 『経済学史学会大会報告集 第74回 全国大会』、経済学史学会、2010年、 95-100頁。
- 本郷亮「<翻訳>A.C.ピグー「古典派の定常状態」(1943年)-邦訳と解題- (PDF) 」 『経済学論研究』第62巻第2号、2013年、 177-197頁。
- A. C. Pigou (1943). “The Classical Stationary State”. Economic Journal 53 (212): 343-351.
- J.M.Keynes; N.Kaldor (1937). “Prof. Pigou on Money Wage in Relation to Unemployment”. Economic Journal 47: 743-753.
- 漆崎健治 (1982). “貨幣供給と資産効果” (PDF). 商學論集 (福島大学経済学会): 151-185.
関連項目
- Pigou, A.C. II, Chapter IX: Divergences Between Marginal Social Net Product and Marginal Private Net Product in The Economics of Welfare (1932)
///////////
アーサー・セシル・ピグー - Wikipedia
アーサー・セシル・ピグー(Arthur Cecil Pigou、1877年11月18日 - 1959年3月7日)は、イギリスの経済学者。経済学者アルフレッド・マーシャルの後継者であり、「厚生経済学」と呼ばれる分野の確立者として知られる(その名称は、彼の主著『厚生経済学』初版1920年に由来する)。
兄弟弟子であったジョン・メイナード・ケインズが反古典派経済学であるケインズ経済学を立ち上げ、それに真っ向から対立し古典派経済学を擁護した。古典派経済学が影響力を失っていくなかで最後まで古典派の立場に立ち擁護したことから「古典派最後の経済学者」と称される。
///////////
☆
厚生経済学の第一、第三命題
(1) 他の事情が不変ならば,国民分配分の増大は経済的厚生を増大する傾向がある(成長),(2)… 略…(平等),
(3) 国民分配分の変動が少くなるほど経済的厚生が増大する傾向がある(安定),
将来消費C2
|
|
|o
| o
| o
| ↗︎ o
| ↗︎
| o
|_______o____現在消費C1
C1とC2とで異なる世代の消費。↗︎は成長。
(図解は本郷亮『ピグーの思想と経済学』名古屋大学出版会 2007年,129頁)
///////////
厚生経済学(こうせいけいざいがく)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-62429
厚生経済学 こうせいけいざいがく The Economics of Welfare
イギリスの経済学者 A.C.ピグーの主著で,厚生経済学の古典。 1920年刊。 A.マーシャルの経済学に基づいて基数的効用,個人間の効用比較を前提とする厚生経済学を確立した。ピグーは実質国民所得を国民分配分と呼び,次の3つの規範的命題,すなわち (1) 他の事情が不変ならば,国民分配分の増大は経済的厚生を増大する傾向がある(成長),(2) 他の事情が不変ならば,国民分配分のうち貧者に属する部分が増加し,分配がより平等になるほど経済的厚生が増大する傾向がある(平等),(3) 国民分配分の変動が少くなるほど経済的厚生が増大する傾向がある(安定),を判断基準として,それらを実現するように公共政策を提案した。
*
ピグーの三命題は富と厚生の1:2☆
邦訳63,66,72頁成長、平等、安定。それぞれの優先度は変化する。本郷178頁。
厚生経済学の第二基本定理
(上記定義は、ドーフマン、サミュエルソン、ソロー『線型計画と経済分析』1958年より)
|\ o
| \
x2| \ o X
|o \
| o\o
| o\o
| Y o\ o o
| o\
|______o_\____
x1
X消費、Y生産。一致点がある。
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/blog-post_82.html
厚生経済学の第一基本定理:
消費者の選好が局所非飽和性を満たせば、競争均衡によって達成される配分はパレート効率的である、というものである。局所非飽和性とは、どんなにわずかにでも消費量の増減が許されるならば、より好ましい消費量を実現できるという仮定である。
厚生経済学の第二基本定理
局所非飽和性に加え選好の凸性などのしかるべき追加的条件の下で、任意のパレート効率的配分は、適当な所得分配を行うことによって競争均衡配分として実現可能であるというものである。
私的所有制完全競争経済において、需給法則に基づく価格メカニズムを通じてパレート効率性という望ましい資源配分が実現できることを示しているというのが、厚生経済学の第一基本定理に対する有力な見方である。この定理はアダム・スミスの「(神の)見えざる手」を資源配分の文脈で理論的に再構成しているという見方もある。
このような見方に基づいて、パレート効率性を達成するためには、特に政府は経済に介入すべきではないという結論が引き出される事が多い。但し、このような政策を正当化するには、競争均衡が実体経済で実現するという想定が適当か否かを考える必要がある。例えば、完全競争の想定は適当であるか、私有制が確立しているのか(所有権の明確性)、なんらかの要因で市場は欠けていないか、経済に競争均衡が存在する為の条件がみたされているのか(規模に関する収穫非逓増、選好の凸性など)などについて検討する必要がある。また、外部性や公共財がある経済は、古典的な私的所有制経済には含まれないため、この定理の大前提は成り立たず、競争均衡は一般にパレート効率性を達成しない(このような状態を市場の失敗という)ことにも注意しなければならない。
厚生経済学の基本定理
- 厚生経済学の第1定理・・・完全競争で達成される市場均衡は、パレート最適である。
- 厚生経済学の第2定理・・・財の総量を一定としたときの任意のパレート最適な配分は、適当な初期保有量の再分配から出発する市場均衡として達成される。
歴史的な3つのアプローチ
- 新古典派厚生経済学では、マーシャル、エッジワース、シジウィック、ピグーなどがこの分野を開拓した。効用が基数性を持つ、つまり体積のように2倍とか1.5倍とか示せると考え、さらに同じ効用が何度も消費されるとそこから得られる快感が減る(限界効用逓減)、とも考えた。すべての個人が求める効用は性質が等しい、したがって一方の人の欲求と他の人の欲求を比較することは可能である。この仮定は、すべての個人の効用を合計することによって、社会厚生の最大値を算出することができる、という結論へ導く。彼らはベンサムの「最大多数の最大幸福」という格率(公理)を受けいれ、経済活動における合理的な選択と個人と社会の利益が一致することを確信していた[1]。
- 新厚生経済学によるアプローチは、パレート、ヒックス、カルドアの仕事に基礎をおいている。彼らは、効率と分配を明確に区別し、それぞれを別に扱っている。効率の問題は「パレート効率」や「カルドア=ヒックス補償テスト」のような基準が想定され、所得分配の問題は社会政策により不平等を是正することで解決する。効率は、効用の量的な尺度を必要としない。効率を分析するには序数、つまりどれを先に満たすかという優先順位であらわせる効用のみで十分なのだ、とする立場をとる。
- 新新厚生経済学は、バーグソンとサミュエルソンが社会的厚生関数を導入して発展させた理論である。社会的厚生関数を導入すれば、資源配分の効率性の面からはパレート最適を実現している上、その中でも最も高い社会的厚生関数に到達する点を見出すことで、社会的最適点を決定できる。このことから、これ以降の厚生経済学の展開を新新厚生経済学ということがある。
参照文献
- 小島寛之 『使える!経済学の考え方 : みんなをより幸せにするための論理』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2009年。ISBN 9784480065094。
- 本郷亮『ピグーの思想と経済学』名古屋大学出版会 2007年
http://d.hatena.ne.jp/eliya/20080407/1207528138
2008-04-07
4:4 ピグー政策と余剰の分配
公害を出す鉄生産者への課税or公害対策への補助金を出すケースの図解。
被害者である漁民への損失補填(Cと同額がベスト)もあり得る。MCは限界費用。Dは需要曲線。
(a)ピグー税下の余剰
|
|\ 社会的限界費用
| \ /
|A \ /
鉄の価格|___\/
| /\ MC
|B / |\/
| / |/\
|/ピグー/ \D
|C 税/|
| / |
| / |
|/___|_________
Q*
最適生産
消費者余剰 鉄工場の利潤 漁民の損失 政府の税収
+)__A_____B_____-C_____C____
A + B(総余剰)
(b)ピグー補助金下の余剰
|
|\ 社会的限界費用
| \ /
|A \ /|
鉄の価格|___\/ ←ピグー補助金
| /\ |
鉄|B / |Y/MC
工| / |/\
場|/ / |\D
の|C /| |
収| /X| |
入| /生産| |
|/コスト|_|________
Q* Q**
最適生産
消費者余剰 鉄工場の利潤 漁民の損失 政府の税収
+)__A____B+C+Y___-C____-Y____
A + B(総余剰)
《ピグー税を使ってもピグー補助金を使っても、総余剰はA+Bで同じであ
るが、その分け方が違う…》(神取4:1,264頁)
|\ (本来あるべき)SMC社会的限界費用
| \ /
| \ /
|パレー\/↖︎ピグー税
|ト最適/\ /PMC私的的限界費用
| / |\/
| / |/\
|/ / \
| /| \D
| / |
| / |
|/___|_________
0 Q
|\ PMC私的的限界費用
| \ /
| \ /
| \/ピグー的補助金
| /\ ↘︎/(本来あるべき)SMC社会的限界費用
| / |\/
| / |/\パレート最適
|/ / \
| /| \D
| / |
| / |
|/___|_________
0 Q
http://sticerd.lse.ac.uk/seminarpapers/psych24052017.pdf
1For a review of the history of theories of discounting see Loewenstein (1992).
- The Economics of Welfare, 1920.
- 「それ[経済学]は、人間生活の改良の道具である。我々の周りの貧苦と惨めさ、数百万のヨーロッパ人の家庭で消えようとしている希望の明かり、一部の豊かな家庭の有害な贅沢、多数の貧しい家庭を覆う恐るべき不確実性、これらは無視するにはあまりにも明白すぎる悪である。我々の科学が追い求める知識で、これらを統御することができる。暗黒から光を!」(ピグー『厚生経済学』序文)
- Thaler, Richard H. 2015. Misbehaving: The Making of Behavioral Economics. New York: W. W. Norton & Company. ISBN 978-0-393-08094-0.
- リチャード・セイラー著 遠藤真美訳『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年
- 1921年