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ミクロ経済学を教えるとき、あるいは論文を書いているときにちょっとしたグラフが必要になることがあります。たいてい、予算制約と無差別曲線+アルファくらいのごく単純なグラフなのですが、書くのに数時間かかったりして悲しい気分になります。今日試して感動したのがGeoGebra(ここ)。幾何教育用につくられたフリーウェアです。
このグラフが30分でできました。慣れたらもっと早くできると思います。GeoGebraの良い点をいくつか。
- GUIがユーザーフレンドリーにできている。windows標準に準拠していないので、最初は戸惑いましたが、すぐ慣れます。
- 数式を書いて、そのままプロットできる。
- 数式機能は強力。微分や積分もできる。つまり「g(x) = f'(x)」とタイプするだけで導関数をプロットしてくれる。
- 接線や法線専用のコマンドがあって、簡単に引ける。マウスを使うのなら3クリックで、コマンドを使うのならTangent[f,A] で、関数fの点Aにおける接線が引けます。
- 細かい使い勝手まで作り込まれている。この交点から垂線を下ろしたい!というときに、マウスの微妙な作業を自然に手助けしてくれる。そういう便利機能は、かえって邪魔になることも多いのだけど、このソフトはバランスがよい。
- 他の無料ベクトルソフトと違い、塗りつぶしにも対応。
- パラメーターを使って書いて、それをダイナミックにぐりぐりできる。しかもあまり手間を掛けずに。(このリンクの例で、a=3とあるところの下にあるスライダーを動かしてみてください。)
- そこそこアウトプットが綺麗。
- EPS やPNGに出力出来る
- LaTeXの数式にも対応。あまり美しくないけど。
- フリーウェア
- Javaで動くので、ほとんどすべてのプラットフォームに対応。
おおむね不満はないです。LaTeXの数式がもう少し美しければ、とは思うけど。イラストレーターの10倍使いやすいと思う。
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ピグー 『富と厚生』名古屋大学出版会
アーサー・C・ピグー 著 八木紀一郎 監訳 本郷 亮 訳 2012年
内容 :
「福祉の経済学」 の古典にして、再評価いちじるしいピグー厚生経済学体系の初の邦訳。
貧困と失業の存在する現実世界を扱える 「実践経済学」 たるべく、国民の福利向上の視点から、
資源配分や分配、景気変動を論じ、それらへの介入政策を検討する。「ケンブリッジ大学教授就任講演」 も収録。
目次
実践との関わりにおける経済学
富と厚生
序 文
第Ⅰ編 厚生と国民分配分
第1章 厚生と経済的厚生
第2章 経済的厚生と国民分配分 ☆
第3章 分配分とその構成部分の測定 ☆☆
第4章 国民分配分と国民の質
第5章 以下の議論の方法
第Ⅱ編 国民分配分の大きさ
第1章 パレート法則
第2章 生産と分配
第3章 分配分の大きさと、限界純生産物の均等
第4章 不完全な移動性による、限界純生産物の均等化に対する障害
第5章 取引単位の不完全な可分性による、限界純生産物の均等化に対する障害
第6章 産業の相対的変動による、限界純生産物の均等化に対する障害
第7章 社会的純生産物と私的純生産物の乖離による、限界純生産物の均等化に
対する障害
第8章 単純競争下における各用途の限界純生産物の均等
第9章 独占の発生条件
第10章 独占的競争
第11章 単純独占
第12章 差別独占
第13章 特殊ケースとしての鉄道料金
第14章 購買者組合
第15章 政府の介入
第16章 独占の公的統制
第17章 産業の公営
第Ⅲ編 国民分配分の分配
第1章 序 論
第2章 賃金の自然な動きに介入する方法
第3章 任意地点の賃金率を自然水準以上に引き上げるための3つの手段
第4章 労働の雇用方式
第5章 特定業種における無差別な人為的賃金率が、相対的富者から相対的貧者
に資源を移転する力
第6章 特定業種における差別的な人為的賃金率が、相対的富者から相対的貧者
に資源を移転する力
第7章 人為的賃金率がもたらす移転の最終結果
第8章 相対的富者から相対的貧者への資源の直接的移転
第9章 相対的富者から相対的貧者への直接的移転の事実がもたらす影響
第10章 直接的移転に関する相対的富者側の期待がもたらす影響
第11章 直接的移転に関する相対的貧者側の期待がもたらす影響
第12章 ナショナル・ミニマム
第Ⅳ編 国民分配分の変動
第1章 経済的厚生と、代表的労働者の所得の変動
第2章 保 険
第3章 労働者階級の総実質所得の変動と、代表的労働者の実質的所得の変動
第4章 一般物価の変動
第5章 労働者階級の実質所得を変動させる原因
第6章 自然の恵みの変動と外国の需要の変動
第7章 事業予測の誤りの変動
第8章 労働者階級の実質稼得の、変動因と変動性の関係
第9章 労働需要の安定を図る慈善家および政府の行動
結 語
解 題 厚生経済学とは何であるのか
☆☆
ja.wikipedia.org/wiki/ピグー税
ピグー税(ピグーぜい、Pigovian tax)とは、イギリスの経済学者、アーサー・セシル・ ピグーが考案した税。 ...
企業が生産物を産出するとき、市場での取引を通じずに、汚染などの不効用を消費者などに与えることがある。この効果を外部不経済とよぶ。外部不経済が存在する状況では企業の私的費用と社会的費用とが一致しない。このような場合、外部不経済のもととなる企業の生産に課税をするか、汚染の軽減に補助金を出すことで社会的厚生が最大となるような生産水準を達成することができる。このときの課税をピグー税、補助金をピグー補助金と呼ぶ。
参考文献:
ja.wikipedia.org/wiki/ピグー効果
ピグー効果(ピグーこうか、英: Pigou effect)とは、特にデフレーションにおいて、資産( wealth)の実質価値の増加が生産高や雇用に刺激を与える効果のことである。「資産 効果」と呼ばれることもある。