統計学はOK。で、経済学とどーやって使うの?って人。
- 著者Jeffrey Wooldridge
- 価格¥ 9,751(2016/03/03 15:25時点)
- 出版日2008/10/03
- 商品ランキング12,425位
- ペーパーバック888ページ
- ISBN-100324788908
- ISBN-139780324788907
- 出版社South-Western
海外だと鉄板な計量経済学の入門書。
アメリカの大学でもノルウェーの大学院でも使いました。
回帰分析程度までをちゃんと理解してる人にとっては解りやすい教科書だと思います。
成績の悪い生徒はこの教科書に文句をつける傾向があって、成績いい生徒は褒める傾向にあった気がしますw
単回帰、重回帰、検定、時系列、Panel data、IV、Logit & Probit 辺りまでカバーされてます。
時系列の部分に関しては結構出来が悪いと教授は文句を言ってました。
分析例が充実している上に、新品で教科書を購入すれば分析例に用いられているデータが1年間無料で使えるのが良い点かと。
ただ、僕としてはもうちょっと章の構成とかをキッチリして欲しかったかな。
長いセクションの中に結構重要な議論があっちこっちに散らばっていて、読みなおすときとかに「あの話ってどこに乗ってるんだっけ?」って状態になっちゃいます。
1回読んで全体を把握するのには向いてると思うけど、辞書的な使い方はおそらく難しいかと思います。
- 著者ヨシュア・アングリスト,ヨーン・シュテファン・ピスケ
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- 出版日2013/05/31
- 商品ランキング184,682位
- 単行本373ページ
- ISBN-104757122519
- ISBN-139784757122512
- 出版社エヌティティ出版
- 著者Joahua D. Angrist,Jorn-steffen Pischke
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- 商品ランキング24,381位
- ペーパーバック371ページ
- ISBN-100691120358
- ISBN-139780691120355
- 出版社Princeton Univ Pr
立ち読みした程度しか無いのですが、結構有名な教科書です。
これを読んだポーランド人の友人は数学があんまり使われて無くて直感的にわかり易いといってました。
翻訳版出たら復習がてらに買って読んでみようかな?
関係ないけどなんか和訳の題名が気に食わないw
あんまり痛くない計量経済学 とかにすればいいのにと思う。
計量経済学の基本は分かった。で?回帰分析以外になにか出来るの?ってレベルの人
- 著者Marno Verbeek
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- ペーパーバック514ページ
- ISBN-101119951674
- ISBN-139781119951674
- 出版社Wiley
中〜上級向けの計量経済学の本。
Arellano-bond GMMを勉強するためだけに買いましたw
なので最初の方は読んで無いです。
GMMの説明に関してはかなりわかり易かったです。
時系列は・・・うーんという感じw
- 著者ウィリアム・H.グリーン,斯波恒正
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- 出版日2000/12
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- 単行本ページ
- ISBN-10487315006X
- ISBN-139784873150062
- 出版社エコノミスト社
おそらく日本でマトモに計量経済学教えてる大学院はこのグリーンか
- 著者Fumio Hayashi
- 参考価格¥ 15,177
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- ハードカバー683ページ
- ISBN-100691010188
- ISBN-139780691010182
- 出版社Princeton Univ Pr
ハヤシと呼ばれるこの本を使ってます。
海外の大学院だと大体グリーンですね。
僕も全部ではないですけど、いくらかGMMの詳しい説明を参照するために読みました。
線形代数に慣れていないと数学的な理解はまず望めないです。
ただ、結構サンプルの分析結果が豊富で解りやすかったです。
どーでしょ?
あまりにも鉄板な本ばかり並べたので役に立たなかったかもしれません。
_______
素人による素人のための計量経済学(超入門)|(医療などの)イノベーションを考えるブログ MOT(技術経営)社会人学生の視点から
…数式を追ってきちんと理解を深めていく重要性は論を待たないものの、 私のような初学者では、数式のフォローに追われて「木を見て森を見ず」の状態になり、自分が何をしようとしているのか分からなくなってしまう方が多いのではないか、ということです。(私だけかも知れません。。。)。
ということで、自分の復習を兼ねて、「計量経済学のものふわっとした全体像」を整理してみます。言葉の正確な定義は全く考慮していませんので、専門家からみたらきっと怒られる内容となっています。ただ、もしこれにより、これから計量経済学を勉強し始める人の勉強効率が少しでも上がるとすれば、存在意義もあるかな、と勝手に思ってます。…
Q.計量経済学って何?
A.実際の経済データから、何か意味のあることを言わんとするための統計学的な「手法」。まず仮説となる理論モデル(数式)を想定し、データを用いてそれが正しいかどうか確率的に裏付ける。
Q.統計学と何が違うの?
A.統計学の一派といっても良いと思う。実際に使用されている手法の多くが統計学でも良く使われる線形回帰分析だし。ただ、物理や化学などの自然科学と違って、経済変数には特有の「クセ」があるので、そのクセを乗り越えるために様々な手法が深堀りされてきた。そこが計量経済学の特徴と言える。
Q.特有のクセって?
線形回帰分析の前提条件をくつがえしてしまうようなクセのこと。
一般的に、最小二乗法による線形回帰分析(Y=α+βX+u)を行う際には、
①分散がXの大きさに係らず一定 (均一分散)
②例えば、あるuがプラスだと、その次のuもプラスになる、というような傾向(系列相関、自己相関)がない。
③例えば、Xがプラスだとuもプラス、Xがマイナスだとuもマイナスになるような傾向(説明変数と誤差項の相関=内生性)がない。
などかなり厳しい前提条件を母集団が満たしていることを想定している。
自然科学のデータだとそれが妥当な前提であることが多いんだけど、経済のデータでは、
①たとえばYが消費でXが収入だとすると、金持ち間の方が貧乏人間よりもYのばらつきが大きいことがある。つまり分散がXに依存してしまう。
②経済変数は、習慣性があったり(たとえば人は消費の量を急には変えないなど)、あるイベントが長期間にわたって影響を及ぼすことが多いので、異なる時間の誤差項(u)間で相関を持ってしまうことがある。
③経済変数間に、複数の方程式であらわされるような複雑な相互依存関係(ある変数の変化が他の変数を変化させ、その変化がまた自分に帰ってくるようなグルグルした関係)が存在する場合(=同時方程式モデルという)だと、それぞれの方程式の誤差とXが相関してしまう。
など、その前提を覆してしまうことがとても多い。
Q.前提条件が成り立たないと何か問題があるの?
大有り。これを理解せずに最小二乗法で「モノ申そう」とすると間違った結論にいたってしまう。これは学問にとっては致命的。特に③の場合は、いくら沢山のデータを持ってきても、真の値に近づかない(=「一致性がない」という)ので大問題。
②の場合は、一致性(と不偏性)は確保されるので③と比べれば問題は少ないけど、本当は有意でないものを有意だと間違って結論付けてしまう(分散を過小評価する)可能性が高まるという悪影響が出る。
でも、安心して。それを乗り越える手法を考え出してきたのが計量経済学だよ。
Q.どうやって乗り越えるの?
あわてずに。。
まずは、そうした前提条件がちゃんと成り立っているか、悪いクセが出ていないか、を確かめる回帰診断を行おう。その方法は、まずは図に書いてみる(目の子メトリックス)ことがはじめの一歩だけど、それだけだと主観的なので、
①については、
・ゴールドフェルド・クォント検定
・ブロシュ・ペーガン・ゴッドフレイ(BPG)検定
・ホワイト検定
②については、
・ダービンワトソン検定(ラグ付き内生変数が含まれない場合)
・ダービンhテスト (ラグ付き内生変数が含まれる場合)
・ブロシュ・ゴッドフレイ検定
③については、
・ハウスマン検定
などいろんな検定手法が開発されている。学者の名前ばかりで頭痛くなるけどね。。。
Q.それらの手法で検定した結果、仮に悪い「クセ」が見つかったらどうするの?
大丈夫。以下の方法で問題を克服(軽減)できるんだ(限界はあるんだけど)。
①については、
・変数を対数変換するなど、関数形の変更を試みる。
・加重最小二乗法
(分散が小さいデータは良いデータ、大きいデータは悪いデータとして、重み付けを行う)。
②については、
・ラグ付内生変数やダミー変数など新たな変数の追加、関数形の変更を試みる
・コクラン・オーカット法 (※←批判も多い手法)
・プレイス・ウィンスティン変換に基づく一般化最小二乗法
・ダービンの2段階法。
③については、
・操作変数法
(被説明変数と相関が低く説明変数と相関が高い新たな変数を探して説明変数として加える方法。岩本康志先生のブログにとても分かりやすい説明あり)。
・間接最小二乗法、2段階最小二乗法
(構造型から誘導型方程式に変形して最小二乗法を適用。求めた推定式を変形・代入して構造式を逆算。)
などがある。他にも、最小二乗法を使わないような一般的な手法である「最尤法」や「一般化モーメント法」などが開発されているけど。。。それぞれの手法の中身は今後のお楽しみ(と言うか私もちゃんと勉強しないと)。
Q.計量経済学を理解する上でのヒントは?
個人的に肝だと感じているのは、計量経済学には、σなどsなどいろんな変数が出てくるけど、それが、「母集団」についての変数なのか、それとも、そこから取り出された実際のデータ(標本)を用いて計算される量(標本平均や標本分散、パラメータの推定量aやbなど)なのか、をきちんと区別すること。
僕らはブラックボックスたる母集団について出来る限り正確に知りたい訳だけど、そこから取り出してきた数限りあるデータを出来るだけ有効に活用して、箱の中に隠された論理関係を見つけ出そうとしている。 ただ、箱の中身について何の前提もおかずに、そこから取り出されたデータだけあっても何も推測しようがない。なので、たとえばY=α+βX+Uのような、厳密には間違っているだろうけれど、便宜的にそういう前提を置いてみて考察を始める。その前提が間違ってそうかどうかは後で回帰診断で確かめてみるんだけど。
つまり、
1)まず母集団については、本当のことは解らない訳だけど、こういうモデルが成り立つという前提をおきましょう。何か前提を置かないと話が進まないから。
2)その前提が正しい場合、そこから取り出されたデータから導き出された量と、母集団の変数の間には、ある関係が演繹的に成り立つことがわかる。(母集団→標本という流れ)
(たとえば限られた数のデータから計算されたs=ΣU^2/(n-2)は、母集団の未知の変数σとは違って当然だけど、何千回も何万回も同じ条件でデータを取りsを計算して、sの平均をとればσにかなり近づきますよ、という関係が演繹的に出てくる、)
3)なので、実際にデータが手に得られたら、それらを用いてブラックボックスたる母集団の中身がある程度推測できますね。 (標本→母集団という流れ)
という順番で議論が進む。そのあたりの流れを把握せずに数式だけ追っていると、数式は終えるけど何をやっているんだか?ということになってしまうと思う(私だけ?)。知っている人にとっては当たり前の話だけど、初心者にとっては大きなハードルになっているのではないか、と思う。
Q.お勧めの教科書は?
今のところ4冊さらっと読んだだけなので、どれが良いって言えるほどの理解力はないです。
ただ、難易度で並べれば、
①白砂 初歩からの計量経済学
②山本 計量経済学
③浅野 計量経済学(行列を使う)
④岩田 経済分析のための統計的手法
かなあ。
③や④からいきなり入ると死ぬと思う。①はとりあえず全体像を掴むためには良い。その一方で、公式が天下り的に与えられるところが多いので、論理をきちんと追いたい人にはストレスが溜まるかも。
④は将来的に深~く計量経済学を理解したい人の数学的な準備に最適かな(逆に言えば、ここまでの理解は必要ない人も多いのでは。)。
この後時間あれば、先生方の評判の良い
⑤Mostly Harmless Econometrics
⑥Hayashi Econometrics
の英語の本に進みたいと思うけど、私が行う予定の知財の実証分析分野ではそこまでは必要ないかな、という気もしている(いるかもしれないけど)。
Q.行列は必須?
行列のほうが、説明がすっきりするし、より普遍的な理解がしやすい。その一方で行列の世界のルールを知らないと、何をしているんだかさっぱりということになる。
実際のデータを用いた実証分析を行う際には、統計ソフトがあるので行列をしこしこ計算するようなことはない。 実際に分析を始めてみて、それでさらに必要に駆られたら行列を勉強して、計量経済学のより深い理解に向かう、っていうのでもいいのかも知れない。______
計量経済学は、経済学における計測を主眼とするものです。ただし、この計測は、事実の単なる記録ではありません。ここで、計量分析の手順を考えてみましょう。
- ある経済現象について、モデルを、数学的な形で特定化する
- モデルの説明しようとしていることがらに適切な関係のあるデータ(現実の統計資料)を集める
- データを用いて方程式の係数(モデルの母数)を推定する
- 推定結果の検定(テスト)、モデルの検定を行う
- 構築された計量経済モデルを用いて、経済政策の効果の測定や予測(シミュレーション)を行う
これらのプロセスをへて、信頼できる、あるモデルの係数の値がわかったならば、
- (少なくとも、ある一断面について)経済の動きを把握する
- (そのモデルが将来についても適用できるならば)それを用いて予測を行う
- 制御に用いる 方程式の変数が、望ましい方向に変化するように設計する:経済政策や経済計画の立案に用いる
ことができます。これらが、
計量経済学の目標とするところです。
モデルY=a+bXの左辺の変数を被説明変数、右辺の変数を説明変数と呼びます。このことからも明らかですが、ここでは、YはXによって決まる、すなわち、Yが結果でXが原因という因果関係を考えています。単にYとXの間に関係、関連があると考えているのではありません。
このように、ある変数間に因果関係を想定して分析を行う方法を、回帰分析と言います。
1 Comments:
あと、計量はWoodridgeが入門・応用どちらでもいまだにグローバルスタンダードだ。
GreeneやHayashiもいいが、そこまでいるかといわれるとその必要はないと思う。
あと、なぜか日本で人気のVarian、MWGは今はあまり使われてないと思う。もちろんゼロではないが。
Romer(2010)は良書だが一部理論に穴がある。AddaCooperは使ったことないのでわからん。
あと金融ならWoodfordもなかなか良い(ただしCh5かな、誤りがある)
StokeyLucasもよいが、まずはLSだ。
マクロの定番のBFや成長論の定番BarroSalaimartinは古い。定評のある数学補論もAcemoguluで代用できるはず。
有望な彼が(くそみたいな回答でがっかりして、ここを見限らず)まだ見ているといいんだがな。
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