Ⅱ スラッファの商品利子率の定義. 1 スラッファの商品利子率はハイエクの『価. 格と 生産』(Hayek[1931])に対する書評論文. において登場する。スラッファは,ハイエクの. 根本的混乱は「現実の利子率と均衡利子率との. 乖離は貨幣経済の特徴であるという ...
lI スラッファの商品利子率の定義
1 スラッファの商品利子率はハイエクの 『価格と生産』 (Hayek [1931]) に対する書評論文
において登場する。 スラッファは、ハイエクの根本的混乱は 「現実の利子率と均衡利子率との
乖離は貨幣経済の特徴であ る と い う 信念」(Sraffa [1932] p. 49) にある と いい, 次のよ う
に述べる。
「貨幣が存在しなくても, あらゆる商品で貸付がなされるならば 均衡条件を満たす唯一
の利子率は存在するであろう。 けれども, 任意の一時点においては商品 〔の種類〕と同数
の 『自然』 利子率が存在し それらは均衡利子率ではないであろう。 銀行の 「勝手な」 行
動は利子率乖離の必要条件ではけっしてない。 というのは、貸付が小麦でなされ, 農場
主(あるいはこの点については天候でもよい)が小麦の生産量を 「勝手に変更する」 ならば
小麦での現実の利子率は他の商品での利子率と乖離し, 唯一の均衡利子率なるものは存在
しないからである」 (Sraffa [1932] p.49)。
Sraffa.P.[1932] Dr.Hayek on Money and Capital, Economic Journal 42,42-53.
ついても言及している(219頁#6)。
確実に名著だ。 ただ本書を読みこなせる人は本書を必要としないだろう。
木下栄蔵の方がわかりやすく有益かもしれない。
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序章 ケインズとハイエク、再び
第一部 伝記――二つの人生とまなざしの交錯
第一章 交遊と衝突
第二部 不況はなぜ起きるか――二つの反主流派経済学
第二章 出発点としての「経済学」――『貨幣改革論』から『価格と生産』まで
第三章 ケインズとハイエクの衝突――書評論争をめぐって
第四章 論争後の軌跡――『一般理論』と主観主義へ
第三部 二つの自由論――進化と危機
第五章 自由の条件と終焉――『自由の条件』と『自由放任の終焉』
第六章 通貨機構論における対立――「国家的自給」と『貨幣発行自由化論』
第七章 複雑性・不確実性と人間――慣行と模倣をめぐって
第八章 保守主義をどう評価するか――「便宜」と「法」
第九章 二人を分かつもの――秩序と危機の認識
あとがき
注
ケインズとハイエク関連年表
(2011年12月20日第1刷発行)
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84:#2
89:#2
メンガーが元ネタらしい。
102:#3
Hayek, Freidrich August. von. 1931a. Reflections on the Pure Theory of Money of Mr. J.M.Keynes, Economica,11(33), August, 270-295.
――1931b. The Pure Theory of Money : II.ARejoinder, Economica, 11(34), November, 398-403.
――1932. Reflections on the Pure Theory of Money of Mr. J.M.Keynes Part II, Economica,12(35), February, 22-44.
Keynes, John Maynard. 1931. The Pure Theory of Money : I.AReply to Dr. Hayek, Economica,11 (34), November, 387-397.
Reflections on the Pure Theory of Money of Mr. J.M. Keynes | Mises Institute
Reflections on the Pure Theory of Money of Mr. J.M. Keynes
Reflections on the Pure Theory of Money of Mr JM Keynes_4.pdf
From Economica, No. 33 (August 1931) and No. 35 (February 1932).
ハイエク全集 第1巻 貨幣理論と景気循環
タイトル 価格と生産
出版者 春秋社
出版年 1988.9
大きさ等 22cm 279,12p
注記 Monetary theory and the trade cycle./の翻訳
監修:西山千明,矢島鈞次 著者の肖像あり
注記 Price and production. 2nd ed./の翻訳
NDC分類 331.72
要旨
「景気変動の原因は貨幣的変化が起こす経済全体の不均衡にある」とし、ハイエクの名を世界に知らしめた「貨幣理論と景気循環」と、有名な三角図形を用いてその一層の展開を行った「価格と生産」の初期2作品を収録。ノーベル経済学賞に輝く先駆的業績。
目次
貨幣理論と景気循環(景気循環の問題;非貨幣的景気理論;貨幣的景気循環論;景気循環変動の基本的原因;景気循環論の未解決問題);価格と生産(貨幣の諸価格に及ぼす影響に関する諸理論;消費財生産と生産財生産との均衡条件;信用循環過程における価格メカニズムの作用;「弾力的」通貨に対する賛否;資本と産業変動―批判への回答)
ISBN等 4-393-62111-5
フリードリヒ・ハイエク - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/フリードリヒ・ハイエク
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