木曜日, 2月 09, 2017

Lars Hansenラース・ハンセン 一般化モーメント法(Generalized methodofmoments, GMM)

                       ( 経済学リンク::::::::::
計量経済学及びGMM 
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/gmm.html

NAMs出版プロジェクト: 最小二乗法(直線)の簡単な説明

http://nam-students.blogspot.jp/2017/10/blog-post_6.html
クリストファー・シムズ1980 (2011年ノ ーベル経済学賞受賞)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/11/wikipedia.html
 Lars Hansenラース・ハンセン 一般化モーメント法(Generalized method of moments, GMM)
http://nam-students.blogspot.jp/2017/02/lars-hansen-generalized-method-of.html



GMM(一般化モーメント法)と直交条件:

                 /| 
              y / |ε
          _____/__|_______
         /    /   |    s /    
        /    /    |     /     
       /    /  ^y↗︎     /   
      /    /          /
     /_______________/ 

 GMMの名称のベースになっているモーメント(=積率)法は、母集団の
モーメントについて成立しているはずの条件が、私たちの手元にある標本に
ついて計算されるモーメントにおいても同様に成立されるはずだ、という
ことから推定する手法だ。

 今、目的変数yをいくつかの説明変数によって構成される平面(世界)Sに
写し取って推定値^yを得ることを考える。この場合、もっとも適切な^yは、
yから平面Sに対して垂線εを下ろすことで得られるだろう。とすれば、yの
推定値^yの特徴は、^yとεとが直角に交わることに見出だせる。これが直交
条件だ。OLS(=最小二乗法)の場合であれば、残差と説明変数とが無相関という
特徴が直交条件に該当するし、IV(=操作変数法)の場合であれば、操作変数の
唯一経路条件が直交条件に該当する。
 あとは、この直交条件を満たすような形で連立方程式を解けば、パラメータの
推定値が得られる。

実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法  #27

  • 森田 果

  • ______


    ラース・ハンセン - Wikipedia
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B9%
    E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3

    Generalized method of moments - Wikipedia

    ^ Hansen, Lars Peter (1982). "Large Sample Properties of Generalized Method of Moments Estimators". Econometrica. 50 (4): 1029–1054. doi:10.2307/1912775. JSTOR 1912775.

    Large Sample Properties of Generalized Method of Moments Estimators on JSTOR




    ラース・ハンセン - Wikipedia
    https://ja.wikipedia.org/wiki/ラース・ハンセン

    ラース・ハンセン

    ラース・ハンセン
    シカゴ学派
    Hansen in 2007
    生誕1952年10月26日(64歳)
    イリノイ州シャンペーン
    国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ
    研究機関シカゴ大学
    研究分野マクロ経済学
    母校ミネソタ大学 (Ph.D.)
    ユタ州立大学 (B.Sc.)
    影響を
    受けた人物
    トーマス・サージェント
    クリストファー・シムズ
    実績一般化モーメント法
    マクロ経済学と資産価格に適用されるロバスト制御
    受賞BBVA Frontiers of Knowledge Award, 2010年
    CME Group-MSRI Prize, 2008年
    アーウィン・プレイン・ネンマーズ経済学賞 (2006年)
    ノーベル経済学賞 (2013年)
    情報 - IDEAS/RePEc
    テンプレートを表示
    ノーベル賞受賞者ノーベル賞
    受賞年:2013年
    受賞部門:ノーベル経済学賞
    受賞理由:資産価格の実証分析に関する功績を称えて
    ラース・ピーター・ハンセンLars Peter Hansen1952年10月26日 - )は、アメリカ合衆国経済学者。現在はシカゴ大学で教授を務め、2010年からはデイビッド・ロックフェラー・ディスティングイッシュ・サーヴィス・プロフェッサー(特別教授)の地位にある。
    専門は計量経済学、特に時系列分析。その他にも動学的確率的一般均衡Dynamic stochastic general eruilibrium, DSGE)モデルを用いた計量分析や資産価格の決定に関する研究を行なっている。2013年にノーベル経済学賞を受賞。

    経歴編集

    学歴編集

    職歴編集

    栄誉・受賞編集

    業績編集

    • ハンセンの業績のうち最もよく知られるものは計量経済学の理論への貢献である。ハンセンは一般化モーメント法Generalized method of moments, GMM)を確立し、これを発展させるのに最も尽力した経済学者である。GMMの登場は、以下の2点で計量経済学における以降の進歩に対して貢献した。1)線形回帰クラスなど様々な回帰分析がGMMによって表現できるようになった。2)1970年代までの計量経済学の技法では取り扱いが難しく、直接推定が困難であった非線形の複雑なモデルを取り扱うのが容易になった。
      1970年代以降従来の計量経済学の方法論的問題、とりわけパラメーターの取り扱い方とそこに起因する推計量のバイアスが指摘されることとなったが、GMMの発展はこの問題への解決を提供する意図を持っていた。加えて同じく70年代以降マクロ経済学において大きな変化が見られ、それに伴いマクロの計量モデルは動学化、複雑化の方向をたどったが、GMMの登場はこうしたマクロ経済学の動向に対応したものでもあった。
    • またハンセンは時系列分析に関する研究も行ってきている。近年ではオペレーター・メソッドのような新たな計量経済学上の技法を導入する研究や、ロバスト制御を計量経済学に適用する研究を行っている。
    • ハンセンは純粋な計量経済学の理論に関する研究の他、これらの理論を応用した実証研究でも大きな業績を残している。特にマクロ経済学、ミクロ計量経済学、国際金融ファイナンスの分野でGMMやその他の計量経済学上の技法を用いて貢献を行ってきた。その中でも実際の資産市場のデータを用いながら、投資家のリスクへの態度や忍耐強さを表す指標である確率的な割引因子の変動の割合を推定するなどファイナンスの分野での実証研究は高く評価されている。このことからハンセンはファイナンスの実証研究における第1人者と見なされており、Handbook of Financial Econometrics(2009)の編纂者の一人である。こうした計量経済学を用いたマクロ経済学やファイナンスにおける実証研究は、経済学の理論と実際に観察される市場での行動を架橋するものと評価されている。
    • 最近では長期におけるマクロ経済上のリスクの推定・評価を行う研究に従事しており、これに関連して信念や疑い・学習といった要素を代表的個人モデルに組み込む研究を行っている。

    主要著作・論文編集

    • "Forward Exchange Rates as Optimal Predictors of Future Spot Rates: An Econometric Analysis" (with R. J. Hodrick) 1980 Journal of Political Economy, 88, 829 - 853
    • "Formulating and Estimating Dynamic Linear Rational Expectations Models" (with T. J. Sargent) 1980 Journal of Economic Dynamics and Control, 2, 7 - 46
    • "Large Sample Properties of Generalized Method of Moments Estimators" 1982 Econometrica, 50, 1029 - 1054
    • "Generalized Instrumental Variables Estimation of Nonlinear Rational Expectations Models" (with K. J. Singleton) 1982 Econometrica, 50, 1269 - 1286
    • "Stochastic Consumption, Risk Aversion, and the Temporal Behavior of Asset Returns" (with K. J. Singleton) 1983 Journal of Political Economy, 91, 249 - 265
    • "The Role of Conditioning Information in Deducing Testable" (with S. F. Richards) 1987 Econometrica, 55, 587 - 613
    • "A Time Series Analysis of Representative Agent Models of Consumption and Leisure Choice under Uncertainty" (with M. S. Eichenbaum, and K. J. Singleton) 1988, Quarterly Journal of Economics, 103, 51 - 78
    • Rational Expectations Econometrics (with T. J. Sargent) 1991, Boulder, Colorado: Westview Press
    • "Implications of Security Market Data for Models of Dynamic Economies" (with R. Jagannathan) 1991 Journal of Political Economy, 99, 225 - 262
    • "Asset Pricing Explorations for Macroeconomics" (with J. H. Cochrane) in O. J. Blanchard and S. Fischer eds. NBER Macroeconomics Annual 1992, 1992 Cambridge, Massachusetts: The MIT Press
    • "Back to the Future: Generating Moment Implications for Continuous-Time Markov Processes" (with J. A. Scheinkman) 1995 Econometrica, 63, 767 - 804
    • "Econometric Evaluation of Asset Pricing Models" (with J. Heaton, and E. G. J. Luttmer) 1995 Review of Financial Studies, 8, 237 - 274
    • "The Empirical Foundations of Calibration" (with J. J. Heckman) 1996 Journal of Economic Perspectives, 10, 87 - 104
    • "Finite-Sample Properties of Some Alternative GMM Estimators" (with J. Heaton and A. Yaron) 1996 Journal of Business and Economic Statics, 14, 262 - 280
    • "Assessing Specification Errors in Stochastic Discount Factor Models" (with R. Jagannathan) 1997 Journal of Finance, 52, 557 - 590
    • "Short-term interest rates as subordinated diffusions" (with T. G. Conley, E. G. J. Luttner, and J. A. Scheinkman) 1997 Review of Financial Studies, 10, 525 - 577
    • "Micro data and general equilibrium models" (with M. Browning, and J. J. Heckmen) in J. B. Taylor and M. Woodford eds. 1999 Handbook of Macroeconomics, Handbook of Economics vol. 15, Amsterdam: Elsevier Science North-Holland
    • "Robust Permanent Income and Pricing" (with T. J. Sargent and T. D. Tallarini) 1999 Journal of Economic Studies, 66, 873 - 907
    • "Robust Control and Model Uncertainty" (with T. J. Sargent) 2001 American Economic Review, 91, 60 - 66
    • Recursive Linear Models of Dynamic Economies (with T. J. Sargent) 2005 New York: Cambridge University Press
    • "Recursive Robust Estimation and Control without Commitment" (with T. J. Sargent) 2007 Journal of Economic Theory, 136, 1 - 27
    • "Beliefs, Doubts and Learning: Valuing Macroeconomic Risk" 2007 American Economic Review, 97(2), 1 - 30
    • "Consumption Strikes Back? Measuring Long-Run Risk " (with J. C. Heaton and N. Li) 2008 Journal of Political Economy, 116, 260 - 302
    • Robustness (with T, J, Sargent) 2008 Princeton: Princeton University Press
    • "Long Term Risk: an Operator Approach" (with J. A. Scheinkman) 2008 Econometrica, forthcoming
    • (ed.) Handbook of Financial Econometrics (with Y. Ait-Sahalia) 2009, forthcoming, Amsterdam: Elsevier Science North-Holland

    脚注編集

    [ヘルプ]
    1. ^ 1994年に設置された同賞はアメリカにおける経済学関連の学術賞としては最高となる15万ドルの賞金を設定している。1998年受賞のロバート・オーマン2000年受賞のダニエル・マクファデン2002年受賞のエドワード・プレスコットがこの賞を受賞したのちノーベル経済学賞を受賞している。

    外部リンク編集

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    一般化モーメント法 - Wikipedia

    一般化モーメント法

    一般化モーメント法(いっぱんかモーメントほう、generalized method of moments, GMM)とは、計量経済学において統計モデルのパラメーターを推定するための一般的な方法である。通常、セミパラメトリックモデルで適用され、そのようなセミパラメトリックモデルにおいて興味のあるパラメーターは有限次元であり、一方データの分布関数の全容は知られていないこともありうる。よってそのようなモデルでは最尤法が適用できない。

    一般化モーメント法においては、モデルについてのいくつかのモーメント条件が特定されている必要がある。これらのモーメント条件はモデルのパラメーターとデータの関数である。例えば、真のパラメーターの下で期待値が0となるようなものがある。この時、一般化モーメント法はモーメント条件の標本平均のあるノルムを最小化する。

    一般化モーメント法による推定量は一致性、漸近正規性を持つことが知られ、さらにモーメント条件以外の情報を使わないすべての推定量のクラスにおいて統計的に効率的であることも知られている。

    一般化モーメント法はラース・ハンセンにより1982年に、カール・ピアソン1894年に導入したモーメント法の一つの一般化として提案された。ハンセンはこの業績により2013年ノーベル経済学賞を受賞した。

    目次

    概要編集

    利用可能なデータは T 個の観測値 {Yt }t = 1,...,T からなると仮定する。ここでそれぞれの観測値 Yt は n 次元の多次元確率変数であるとする。ここでこのデータはある統計モデルから生成されるとし、その統計モデルは未知パラメーター θ ∈ Θ によって定義されるものとする。この推定問題の目的は真のパラメーター θ0 もしくは少なくとも適度に近い推定量を見つけることである。

    一般化モーメント法の一般的な仮定はデータ Yt が弱定常英語版かつエルゴード英語版確率過程であることである(独立かつ同一分布に従う確率変数 Yt はこの条件の特殊ケースである)。

    一般化モーメント法を適用する為に、モーメント条件を特定する必要がある。つまり以下のようなベクトル値関数 g(Y,θ) が既知でなくてはならない。

    m(θ0)E[g(Yt,θ0)]=0,m(\theta _{0})\equiv \operatorname {E} [\,g(Y_{t},\theta _{0})\,]=0,

    ここで E は期待値Yt は一般的な観測値を表す。加えて関数 m(θ) は θ ≠ θ0 ならば0と異なる値を取らなくてはならない。そうでなければパラメーター θ は識別不可能である。

    一般化モーメント法の基本的なアイデアは理論的な期待値 E[⋅] を実証的なもの、つまり標本平均に置き換えることである。

    m^(θ)1Tt=1Tg(Yt,θ){\hat {m}}(\theta )\equiv {\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta )

    そして、この時、この表現のあるノルムを θ について最小化する。ノルムを最小化する θ が θ0 の推定量である。

    大数の法則により、十分大きな T について m^(θ)E[g(Yt,θ)]=m(θ)\scriptstyle {\hat {m}}(\theta )\,\approx \;\operatorname {E} [g(Y_{t},\theta )]\,=\,m(\theta ) であり、 よって m^(θ0)m(θ0)=0\scriptstyle {\hat {m}}(\theta _{0})\;\approx \;m(\theta _{0})\;=\;0 が成り立つことが予想される。一般化モーメント法はできるだけ m^(θ^)\scriptstyle {\hat {m}}(\;\!{\hat {\theta }}\;\!) を0に近づけるような θ^\scriptstyle {\hat {\theta }} を探す。数学的にはこの方法は m^(θ)\scriptstyle {\hat {m}}(\theta ) のあるノルムを最小化することと同値である(m のノルムを ||m|| と表し、m とゼロの間の距離を測るものとする)。結果として得られた推定量の持つ性質はノルム関数の選択にもよるので、ゆえに一般化モーメント法の理論はノルム全体の族を考慮する。以下を定義する。

    m^(θ)W2=m^(θ)Wm^(θ),\|{\hat {m}}(\theta )\|_{W}^{2}={\hat {m}}(\theta )'\,W{\hat {m}}(\theta ),

    ここで W は正値定符号である加重行列で m′ は転置を表す。実践上、加重行列 W は利用可能なデータセットに基づいて計算され、そのようにして計算された加重行列を W^T\scriptstyle {\hat {W}}_{T} とする。よって一般化モーメント法による推定量は以下のように書ける。

    θ^=argminθΘ(1Tt=1Tg(Yt,θ))W^T(1Tt=1Tg(Yt,θ)){\hat {\theta }}=\operatorname {arg} \min _{\theta \in \Theta }{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta ){\bigg )}'{\hat {W}}_{T}{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta ){\bigg )}

    適切な条件の下で、一般化モーメント法による推定量は一致性と漸近正規性を持つ。そして加重行列 W^T\scriptstyle {\hat {W}}_{T} を正しく選択すれば効率的な推定量となる。

    性質編集

    一致性編集

    一致性とは、推定量の持つ統計的な性質であり、十分に多くの観測値がある場合、推定量は真の値に任意に近づいていくということである。

    θ^pθ0 as T{\hat {\theta }}{\xrightarrow {p}}\theta _{0}\ {\text{as}}\ T\to \infty

    確率収束を参照)。一般化モーメント法による推定量が一致性を持つ必要十分条件は以下の通りである。

    1. W^TpW{\hat {W}}_{T}{\xrightarrow {p}}W を満たす。ただし W は正値定符号行列である。
    2. θ=θ0\,\theta =\theta _{0} である時に限り WE[g(Yt,θ)]=0\,W\operatorname {E} [\,g(Y_{t},\theta )\,]=0 を満たす。
    3. パラメーターが値を取りうる集合 ΘRk\Theta \subset \mathbb {R} ^{k} はコンパクト集合である。
    4. g(Y,θ)\,g(Y,\theta ) は θ について確率1で連続である。
    5. E[supθΘg(Y,θ)]<\operatorname {E} [\,\textstyle \sup _{\theta \in \Theta }\lVert g(Y,\theta )\rVert \,]<\infty

    第二の条件(大域的識別条件と呼ばれる)はしばしば確かめるのが難しい。非識別問題を調べるのに用いられる、必要条件ではあるが十分条件ではない簡単な条件がある。

    • オーダー条件 m(θ) の次元が少なくともパラメーターベクトル θ の次元より大きい。
    • 局所識別 g(Y,θ) が θ0\theta _{0} の近傍で連続微分可能であるならば、行列 WE[θg(Yt,θ0)]W\operatorname {E} [\nabla _{\theta }g(Y_{t},\theta _{0})] は列フルランクである。

    実証計量経済学者は実際に大域的識別条件を確かめずに、それが成立していると単に仮定することがしばしばある[1]

    漸近正規性編集

    漸近正規性は有用な性質であり、漸近正規性により推定量の信頼区間を計算することや仮説検定を行うことができる。一般化モーメント法による推定量の漸近分布について述べる前に、以下の2つの補助的な行列を定義する。

    G=E[θg(Yt,θ0)],Ω=E[g(Yt,θ0)g(Yt,θ0)]G=\operatorname {E} [\,\nabla _{\!\theta }\,g(Y_{t},\theta _{0})\,],\qquad \Omega =\operatorname {E} [\,g(Y_{t},\theta _{0})g(Y_{t},\theta _{0})'\,]

    以下の1から6までの条件の下で、一般化モーメント法による推定量は漸近正規性を持つ。

    T(θ^θ0) d N[0,(GWG)1GWΩWG(GWG)1]{\sqrt {T}}{\big (}{\hat {\theta }}-\theta _{0}{\big )}\ {\xrightarrow {d}}\ {\mathcal {N}}{\big [}0,(G'WG)^{-1}G'W\Omega W'G(G'W'G)^{-1}{\big ]}

    分布収束を参照)。条件は以下の通りである。

    1. θ^{\hat {\theta }} は一致性を持つ。
    2. パラメーターが値を取りうる集合 ΘRk\Theta \subset \mathbb {R} ^{k} はコンパクト集合である。
    3. g(Y,θ)\,g(Y,\theta ) は確率1で θ0\theta _{0} のある近傍 N において連続微分可能である。
    4. E[g(Yt,θ)2]<\operatorname {E} [\,\lVert g(Y_{t},\theta )\rVert ^{2}\,]<\infty
    5. E[supθNθg(Yt,θ)]<\operatorname {E} [\,\textstyle \sup _{\theta \in N}\lVert \nabla _{\theta }g(Y_{t},\theta )\rVert \,]<\infty
    6. 行列 GWG{\displaystyle G'WG} は正則行列である。

    効率性編集

    ここまで行列 W の選択については、それが半正値定符号で無くてはならないということを除き何も述べてこなかった。実際、どのような半正値定符号行列であっても一般化モーメント法による推定量は一致性と漸近正規性を持つ。唯一の違いはその推定量の漸近分散にある。加重行列を以下のように取る。

    W Ω1W\propto \ \Omega ^{-1}

    すると、一般化モーメント法による推定量はすべての漸近正規的な推定量の中で最も効率的となる。この場合の効率性は、推定量が可能な限り最小の分散行列(ある行列 A が行列 Bより小さいとは B-A が半正値低符号であるということである。)を持つという意味である。

    この場合、一般化モーメント法による推定量の漸近分散についての公式は以下のように単純化される。

    T(θ^θ0) d N[0,(GΩ1G)1]{\sqrt {T}}{\big (}{\hat {\theta }}-\theta _{0}{\big )}\ {\xrightarrow {d}}\ {\mathcal {N}}{\big [}0,(G'\,\Omega ^{-1}G)^{-1}{\big ]}

    このような加重行列を選ぶことが最適になるという証明は、しばしば他の推定量の効率性を証明する時の証明を少しばかり模倣したものを取り入れる。大雑把に言えば、加重行列を分散についての"サンドイッチ公式"が単純な表現になるように選べば、その加重行列は最適となる。

    証明 加重行列を任意の W とした時と W=Ω1W=\Omega ^{-1} とした時の漸近分散の差について考える。もし、その差がある行列 C についての対称な積の形式 CC' に分解できれば、それはその差が非負値定符号であることを意味し、ゆえに定義より W=Ω1W=\Omega ^{-1} は最適になる。
    V(W)V(Ω1)\,V(W)-V(\Omega ^{-1})=(GWG)1GWΩWG(GWG)1(GΩ1G)1\,=(G'WG)^{-1}G'W\Omega WG(G'WG)^{-1}-(G'\Omega ^{-1}G)^{-1}
    =(GWG)1(GWΩWGGWG(GΩ1G)1GWG)(GWG)1\,=(G'WG)^{-1}{\Big (}G'W\Omega WG-G'WG(G'\Omega ^{-1}G)^{-1}G'WG{\Big )}(G'WG)^{-1}
    =(GWG)1GWΩ1/2(IΩ1/2G(GΩ1G)1GΩ1/2)Ω1/2WG(GWG)1\,=(G'WG)^{-1}G'W\Omega ^{1/2}{\Big (}I-\Omega ^{-1/2}G(G'\Omega ^{-1}G)^{-1}G'\Omega ^{-1/2}{\Big )}\Omega ^{1/2}WG(G'WG)^{-1}
    =A(IB)A,{\displaystyle \,=A(I-B)A',}

    ここで行列 A と B を記法の単純化のために導入している。I は単位行列である。行列 B は対称かつ冪等な行列であることが分かる。これは I-B もまた対称かつ冪等であることを意味する。つまり IB=(IB)(IB){\displaystyle I-B=(I-B)(I-B)'} が成り立つ。ゆえに以前の表現を以下のように分解することが可能である。

    =A(IB)(IB)A=(A(IB))(A(IB))0\,=A(I-B)(I-B)'A'={\Big (}A(I-B){\Big )}{\Big (}A(I-B){\Big )}'\geq 0

    実装編集

    今まで述べてきた方法を実装するにあたっての一つの難しい点は W = Ω−1 として加重行列を取ることである。なぜならば Ω の定義より、それを計算するためには θ0 の値が既知でなければならず、θ0 はまさに未知であり、そもそも推定しようとしている量である。

    この問題を解決するための方法がいくつか存在する。以下であげるものうち、2段階GMMが最も一般的である。

    • 2段階GMMTwo-step GMM
    • ステップ1 W^T=I\scriptstyle {\hat {W}}_{T}\;=I (単位行列)とし、事前の一般化モーメント法による推定量 θ^(1)\scriptstyle {\hat {\theta }}_{(1)} を計算する。この推定量は θ0 についての一致推定量ではあるが、効率的ではない。
    • ステップ2
    W^T=(1Tt=1Tg(Yt,θ^(1))g(Yt,θ^(1)))1,{\hat {W}}_{T}={\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(1)})g(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(1)})'{\bigg )}^{-1},
    とする。ただし、ステップ1における推定量 θ^(1)\scriptstyle {\hat {\theta }}_{(1)} を用いた。この行列は Ω−1 に確率収束し、ゆえにこの加重行列を用いて推定量 θ^\scriptstyle {\hat {\theta }} を計算すれば、その推定量は漸近的に効率的である。
    • 繰り返しGMMIterated GMM
    行列 W^T{\hat {W}}_{T} を複数回計算することを除けば、本質的には2段階GMMと同じ方法である。つまりステップ2で得た推定量を加重行列として再び用いて推定量を計算し、これを繰り返す。このような推定量は、θ^(i)\scriptstyle {\hat {\theta }}_{(i)} と記すが、以下のシステム方程式を解いた場合と同値になる[2]
    (1Tt=1Tgθ(Yt,θ^(i)))(1Tt=1Tg(Yt,θ^(i))g(Yt,θ^(i)))1(1Tt=1Tg(Yt,θ^(i)))=0{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}{\frac {\partial g}{\partial \theta '}}(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(i)}){\bigg )}'{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(i)})g(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(i)})'{\bigg )}^{\!-1}{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},{\hat {\theta }}_{(i)}){\bigg )}=0
    このような繰り返しを行っても漸近的な改善は達成できないが、あるモンテカルロ実験では有限標本における推定量の振る舞いが若干よくなる[要出典]
    • 連続更新GMMContinuously updating GMM CUGMM もしくは CUE)
    θ^\scriptstyle {\hat {\theta }} を加重行列 W と同時に推定する。つまり、
    θ^=argminθΘ(1Tt=1Tg(Yt,θ))(1Tt=1Tg(Yt,θ)g(Yt,θ))1(1Tt=1Tg(Yt,θ)){\hat {\theta }}=\operatorname {arg} \min _{\theta \in \Theta }{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta ){\bigg )}'{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta )g(Y_{t},\theta )'{\bigg )}^{\!-1}{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},\theta ){\bigg )}
    として推定する。モンテカルロ実験において、この方法は伝統的な2段階GMMよりよいパフォーマンスを見せている。連続更新GMMは(裾が厚くなるが、)中位点のバイアスが小さくなり、そして多くの場合における過剰識別制約のためのJ検定がよりもっともらしい結果となる[3]

    最小化の手続きの実装におけるもう一つの重要な問題は、(高次元であることもありうる)パラメーター空間 Θ を探索し、目的関数を最小化する θ の値を見つけるということになっているということである。このような手続きについて一般的に推奨される方法は存在せず、それは個々の場合による問題となる(数理最適化)。

    J検定編集

    モーメント条件の数がパラメーターベクトルの次元より大きい時、そのモデルは過剰識別されているover-identified)と言う。過剰識別ならば、そのモデルのモーメント条件がデータと適合するかどうかを調べることが出来る。

    概念的に、モデルがデータによくフィットしているかは、m^(θ^){\hat {m}}({\hat {\theta }}) が十分0に近いかどうかで調べることが出来る。一般化モーメント法は方程式 m^(θ)=0{\hat {m}}(\theta )=0 を解く問題、つまり θ\theta  が制約を確かに満たすように選ぶという問題を最小化計算に置き換えている。この最小化は m(θ0)=0m(\theta _{0})=0 を満たすような θ0\theta _{0} が存在しないとしても、常に実行可能である。J検定はこの制約が成立しているかを確かめることができる。J検定は過剰識別制約についての検定とも呼ばれる。

    以下の統計的仮説を考えよう。

    • H0: m(θ0)=0H_{0}:\ m(\theta _{0})=0 (モデルが妥当であるという帰無仮説
    • H1: m(θ)0, θΘH_{1}:\ m(\theta )\neq 0,\ \forall \theta \in \Theta  (モデルが妥当でないという対立仮説。データは制約を満たすほど近づかない。)

    仮説 H0H_{0} の下で以下のJ検定統計量は漸近的に自由度 k-l のカイ2乗分布に従う。

    JT(1Tt=1Tg(Yt,θ^))W^T(1Tt=1Tg(Yt,θ^)) d χk2J\equiv T\cdot {\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},{\hat {\theta }}){\bigg )}'{\hat {W}}_{T}{\bigg (}{\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}g(Y_{t},{\hat {\theta }}){\bigg )}\ {\xrightarrow {d}}\ \chi _{k-\ell }^{2}   under H0,H_{0},

    ここで θ^{\hat {\theta }} はパラメーター θ0\theta _{0} の一般化モーメント法による推定量、k はモーメント条件の数(ベクトル g の次元)、l は推定パラメーターの数(ベクトル θ の次元)である。行列 W^T{\hat {W}}_{T}は Ω1\Omega ^{-1} に確率収束しなくてはならない。Ω1\Omega ^{-1} は効率的な加重行列である(以前、推定量が効率的であるためには、W は Ω1\Omega ^{-1} に比例することだけが必要だった。しかし、J検定を行うには、W は Ω1\Omega ^{-1} と一致せねばならず、単純に比例するだけではいけない)。

    対立仮説 H1H_{1} の下で、J検定等計量は漸近的に非有界である。

    J p J\ {\xrightarrow {p}}\ \infty   under H1H_{1}

    検定を行う為に、データから J の値を計算しなくてはならない。J は非負である。J を(例えば)χk2\chi _{k-\ell }^{2} 分布の95%分位点と比較する。

    • もし J>q0.95χk2J>q_{0.95}^{\chi _{k-\ell }^{2}} ならば、帰無仮説 H0H_{0} は有意水準5%で棄却される。
    • もし J<q0.95χk2J<q_{0.95}^{\chi _{k-\ell }^{2}} ならば、帰無仮説 H0H_{0} は有意水準5%で棄却できない。

    用例編集

    他の多くの推定法は一般化モーメント法の意味で解釈できる。

    • 最小二乗法Ordinary least squares, OLS)は一般化モーメント法と以下のモーメント条件で同値となる。
    E[xt(ytxtβ)]=0\operatorname {E} [\,x_{t}(y_{t}-x_{t}'\beta )\,]=0
    E[xt(ytxtβ)/σ2(xt)]=0\operatorname {E} [\,x_{t}(y_{t}-x_{t}'\beta )/\sigma ^{2}(x_{t})\,]=0
    E[zt(ytxtβ)]=0\operatorname {E} [\,z_{t}(y_{t}-x_{t}'\beta )\,]=0
    E[βg(xt,β)(ytg(xt,β))]=0\operatorname {E} [\,\nabla _{\!\beta }\,g(x_{t},\beta )\cdot (y_{t}-g(x_{t},\beta ))\,]=0
    E[θlnf(xt,θ)]=0\operatorname {E} [\,\nabla _{\!\theta }\ln f(x_{t},\theta )\,]=0

    実装例編集

    参考文献編集

    関連項目編集


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