潜在産出量( potential output)とは、経 済 学において、資本や労働が最大 限に利用された場合に達成できると考えられ る長 期間維持可能な実質国内総生 産 (GDP) の最高水準である。潜在GDPとも呼 ばれ る。
潜在産出量 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/潜在産出量
潜在産出量(せんざいさんしゅつりょう、英語: potential output)とは、経済学において、資本や労働が最大限に利用された場合に達成できると考えられる長期間維持可能な実質国内総生産 (GDP) の最高水準である。潜在GDPとも呼ばれる
目次
概要
自然的・制度的な制約のため上限値が存在する。現実のGDPが潜在GDPを上回ると、(賃金や物価の統制が無ければ)総需要 (aggregate demand) が総供給が超えるにつれてインフレーションが加速する傾向がある。これは労働力と労働時間、資本設備、天然資源の供給が限られており、技術や経営管理能力の限界もあるためである。グラフで図示すると、自然限界を超える産出量の拡大は、平均費用曲線上、最適な数量を上回る生産量のシフトと見なすことができる。GDPが潜在GDPを下回る場合、供給者が生産能力の過剰を解消するために値下げするのでインフレーションは減速する。
「AD-AS分析」も参照
マクロ経済学における潜在産出量は、ある社会全体の生産可能性フロンティア(曲線)の一点に相当し、自然的・技術的・制度的制約を反映している。
潜在産出量は自然国内総生産(natural gross domestic product) とも呼ばれる。もし経済が潜在GDP水準であれば、失業率はインフレ非加速的失業率 (NAIRU) または自然失業率と等しくなるが、インフレ非加速的失業率や自然失業率が実際にはどのようなものであるか[要出典]については経済学者の間で意見が一致していない。
内閣府による推計
内閣府は、「経済の過去のトレンドから見て平均的に生産要素を投入した時に実現可能なGDP」を潜在GDPと呼んでおり、この定義に基づいて日本経済の潜在GDPを推計し需給ギャップを算出している[4][5]。2010年現在の日本の潜在GDP成長率は、実質値で1.5-2.0%とされている[6]。
TFPの推計
この関数の両辺をLHで割ると、
となり、これを自然対数に変換して次の式を得る。
上記の式にY、α=0.33(1980年以降の平均値)、現実に稼働している資本投入量KSと労働投入量LHを代入してlnAを求め、ホドリック=プレスコット・フィルタ(HPフィルタ)により平滑化した値をTFPとする[4]。
潜在GDPの推計
潜在GDPについてもコブ・ダグラス型生産関数を想定する。
- 潜在稼働率
- 製造業・非製造業の稼働率を被説明変数として、日銀短観の「生産・営業用設備判断DI」で回帰し、景気要因を除去したもの[4]。
- 潜在就業者数
- トレンド労働力率は、労働力率(労働力人口/15歳以上人口)にHPフィルタをかけたもの。構造失業率は、UV曲線 (ベバリッジ曲線) を用いて失業率 (U) と欠員率 (V) の関係から推計しHPフィルタをかけたもの[4]。
潜在的な資本(K*S*)と労働(L*H*)の寄与に、推計したTFPを加えて潜在GDPを推計する[4]。
- [4]
付注1-1 GDPギャップの推計方法についてhttp://www5.cao.go.jp/keizai3/2010/1210nk/n10-a/n10-an-1-01.html
出典・脚注
- ^ Roger Betancourt, 2008. "capital utilization," en:The New Palgrave Dictionary of Economics, 2nd Edition. Abstract.
- ^ Jesus Crespo Cuaresma "Okun's Law," The New Palgrave Dictionary of Economics, 2nd Edition. Abstract.
- ^ Charles R. Nelson, 2008. "trend/cycle decomposition," The New Palgrave Dictionary of Economics, 2nd Edition. Abstract.
- ^ a b c d e f g h i j k l “日本経済2010-2011 付注1-1 GDPギャップの推計方法について”. 内閣府 (2010年12月10日). 2011年4月29日閲覧。
- ^ “平成19年度年次経済財政報告 付注1-2 GDPギャップの推計方法について”. 内閣府 (2007年8月). 2011年4月29日閲覧。
- ^ 飯田泰之 『世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ! 日頃の疑問からデフレまで』 エンターブレイン、2010年、243頁。
関連項目
外部リンク
- 鎌田康一郎・増田宗人. “統計の計測誤差がわが国のGDPギャップに与える影響”. 『金融研究』第20巻第2号. 日本銀行金融研究所. 2011年5月13日閲覧。
- 廣瀬康生・鎌田康一郎. “潜在GDPとフィリップス曲線を同時推計する新手法”. 日本銀行調査統計局ワーキングペーパー・シリーズNo.01-7. 日本銀行調査統計局. 2011年5月13日閲覧。
- 日本銀行調査統計局 (2003年1月30日). “GDPギャップと潜在成長率―物価変動圧力を評価する指標としての有用性と論点―”. 日本銀行調査月報2003年2月号. 2011年5月12日閲覧。
- 日本銀行調査統計局 (2006年5月2日). “GDPギャップと潜在成長率の新推計”. 日銀レビュー・シリーズ. 2011年5月12日閲覧。
- 野村彰宏 (2009年2月13日). “GDPギャップの概念について”. ESP 2009年夏号. 社団法人経済企画協会. 2011年5月12日閲覧。
- Glossary of Economic Terms (カナダ銀行)
AD-AS分析 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/AD-AS分析IS-LM分析が主に財市場と貨幣市場の均衡を考えるものだったのに対して、AD-AS分析はさらに労働市場を分析対象に加え、財市場、貨幣市場、労働市場、債券市場の一般均衡を説明することができる[1]。AD-AS分析において、経済の振る舞いは短期分析と長期分析で異なり、短期においては(期待)物価水準は固定されており、変化することはない[1]。それぞれの期(Period)は短期である[1]。長期はそれぞれの市場が完全に調整を終えており、また(期待)物価水準も完全に調整を終えている状態と定義されている[1]。AD-AS分析の長期分析における均衡は潜在GDPと呼ばれ、この時の失業率は自然失業率と呼ばれる[1]。仮にGDPが長期均衡から逸脱すれば、GDPは新たな短期均衡を連続的に経ながら、再度、長期均衡へと向かう[1]。
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