火曜日, 3月 14, 2017

労働経済学

労働経済学
 樋口☆
大森 ☆☆
borjas☆☆☆

労働経済学<プログレッシブ経済学シリーズ> | 東洋経済

https://store.toyokeizai.net/books/9784492812938/

樋口 美雄著  ISBN:9784492812938 旧ISBN:4492812938 サイズ:A5判 上製 384頁 C3333 発行日:1996年02月01日


1章 労働需要 

2章 労働供給 

3章 労働時間 

4章 失業と雇用調整・賃金調整 

5章 長期雇用と短期雇用 

6章 労働特性と雇用慣行 

7章 環境変化とライフサイクル 

8章 賃金格差 

9章 労働組合 

10章 経済変動とマクロ政策 

11章 今日の労働市場をめぐる論点整理 


労働需要・供給、失業と雇用問題等、人間という「財」を扱う労働経済学の基本を教えると同時に、国際化に伴う労働市場の構造変化をも見据えた新しいテキスト。


☆☆

労働経済学|日本評論社

https://www.nippyo.co.jp/shop/book/3282.html

応用ミクロ経済学としての労働経済学を解説したテキスト。理論と実証の橋渡しをめざし、日本経済のデータや応用例を数多く紹介する。242頁

目次

1章 イントロダクション

2章 労働供給(基礎編)

2.1 静学的労働供給モデル
2.2 市場の労働供給曲線・労働供給の弾力性

3章 労働供給(発展編)

3.1 静学的労働供給モデルの応用
3.2 家計内生産モデル ★
3.3 家計内生産モデルの応用

4章 実証研究における因果的効果の識別

4.1 実証モデル
4.2 実験データと識別問題・識別戦略
4.3 観察データと識別問題
4.4 観察データと識別戦略
4.5 集計データの問題点
4.6 因果的効果の識別戦略の応用

5章 労働需要(基礎編)

5.1 生産技術
5.2 利潤最大化問題
5.3 短期の労働需要
5.4 長期の労働需要
5.5 市場の労働需要曲線・労働需要の弾力性
5.6 静学的労働需要モデルの応用

6章 労働需要(発展編)

6.1 調整費用モデル
6.2 調整費用モデルの応用
6.3 準固定費用モデル
6.4 準固定費用モデルの応用

7章 労働市場の均衡

7.1 労働市場均衡モデル
7.2 労働市場均衡モデルの応用
7.3 複数労働市場の競争均衡モデル
7.4 複数労働市場の競争均衡モデルの応用
7.5 買手独占
7.6 独占

8章 補償賃金格差

8.1 単純な補償賃金格差モデル
8.2 ヘドニックモデル
8.3 ヘドニックモデルの応用

9章 人的資本投資

9.1 教育と労働者のパフォーマンス
9.2 大学進学の意思決定モデル
9.3 教育投資モデル
9.4 補論:教育の限界収益率(因果的効果)の推定
9.5 教育のシグナリングモデル
9.6 教育の社会的限界収益率
9.7 教育終了後の人的資本投資
9.8 補論:賃金関数の推定 ★★

10章 労働移動 

10.1 サーチ
10.2 地域間労働移動

11章 賃金プロファイル

11.1 労働者の観察不可能な属性
11.2 準固定費用回収策としての後払い賃金(自己選抜モデル)
11.3 サボタージュ防止策としての後払い賃金
11.4 後払い賃金の特徴と応用
11.5 補論:勤続年数の賃金への因果的効果の識別


家計内生産モデル★、ミンサー型賃金関数★★など、分かりやすくおすすめ。242頁と薄いが内容は十分。オアハカ分解は未掲載だが他の主要概念は載っている。

労働経済学 | 大森 義明  2008

https://www.amazon.co.jp/dp/4535555664/
形式: 単行本
労働経済学の主流派の分析を入門から応用と、
一冊でまとめた力作です。

ミクロ経済学の分析を学べば、
おそらく自然に読み進められます。

2011年、アメリカの大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務める、
アラン・クルーガーもこの分野の専門家であり、
非常に影響力のある分野です。

労働経済学を専攻した学部生が、
この1冊を頼りに分析を進めて参考文献にあたれば、
卒論が間違いなく書けます。

おそらく、
テキストの役割としては最高のパフォーマンスを誇っているかと思います。
買って損なしの一冊です。
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形式: 単行本
 労働経済学に関する最新の教科書であり、図を用いた説明でわかりやすく表現されている。学部向け教科書のため、日本語の表現はくどいほど丁寧。また、巻末には多数の論文がリスト化されており、各章において関係する論文を紹介している。よって、労働経済学に関する文献案内としても活用することが可能。
 最初に日本の労働市場に関する指標を概観し、理論編に移る。理論編では、適宜、指標の内容を振り返っているが、これらの間のつながりが十分に見出しにくいのも事実。主として図による説明であり、モデル(数式)の標記は最小限に止まる。このため、理論と実証との関係付けが十分になされておらず、この点が本書の弱点といえる。また、労働需要と労働供給の章の間にある因果的効果の識別に関する章は、その意図がみえにくい。
 例えば、一般的職業訓練モデルは、賃金が経験年数とともに上がることを示すのに対し、企業特殊訓練モデルは、賃金が勤続年数とともに上がることを示す、といった話(175〜179頁)は興味を引くが、これに、職種別データをもとに、どのような職業が一般的職業訓練モデル(あるいは、企業特殊訓練モデル)に適合するのか、といった実証が伴っていると、さらに読者層を広げることになるように思う。
 余談であるが、労働経済学の限界は、「働く喜び」や教育に付随する効用の様なものが、現実に確からしい形でモデル化できていないところにあるように思われる。本書は、あくまでオーソドックスな労働経済学の枠内で、現実がどれだけ説明できるかを語るものであるが、その流れを追うごとに、その枠組みそのものの限界についても意識するようになるだろう。

______

☆☆☆
 Labor Economics: George Borjas: 洋書

2007

https://www.amazon.co.jp/Labor-Economics-George-Borjas/dp/0073402826


商品の説明

内容紹介

George Borjas’ well-received text blends coverage of traditional topics with modern theory and developments into a superb Labor Economics book. The Fourth Edition builds on the features and concepts that made the first three editions successful, updating and adding new content to keep the text on the cusp of recent events in the Labor Economics field. In addition, 4/e offers greater instructor support with a significant number of new end-of-chapter problems and a new test bank. Labor Economics continues to be the most concise book available on the subject, but despite its brevity, instructors will find that all key topics are covered. Borjas’ integration of theory with facts and coverage of latest research make his book one of the most popular at the middle and upper end of the market. The text stresses the ideas that labor economists use to understand how the labor market works.


著者について

George J. Borjas is Robert W. Scrivner Professor of Economics and Social Policy at the John F. Kennedy School of Government at Harvard University. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


登録情報

ハードカバー: 560ページ

出版社: McGraw-Hill/Irwin; 4版 (2007/3/13)

言語: 英語

ISBN-10: 0073402826

ISBN-13: 978-0073402826

発売日: 2007/3/13



形式: ペーパーバック
著者曰く、モデルを提示するより具体的なお話をみせたほうが学生の心に残るとのこと。確かに需要曲線や供給曲線の導出などでもその背後にある労働市場での出来事を語ってくれ、わかりやすくなっている。

1章ではなぜ労働市場を学ぶべきなのか、紹介がなされる。
2章では労働供給の解説。労働者の効用最大化をモデル化したのち、留保賃金の高さと労働供給の弾力性について、生活保障・出生率についてなど。
3章では労働需要の解説。企業の利潤最大化をモデル化したのち、最低賃金と労働需要の弾力性について、可変調整費用と固定調整費用についてなど。最低賃金率に差の出来た県境での雇用変化を比べるというDifference-In-DIfferenceのやり方の紹介もある。
4章では労働市場での均衡の解説。所得税が死荷重を生むこと、その負担は企業・労働者ともになされること、移民の影響、蜘蛛の巣モデル、独占について。
5章では補償賃金差額の解説。怪我のリスクなど好ましくない特性をもつ仕事があるとすると、就こうとするものとそうでないものとで労働者に種わけが生じる。また、統計的な生命価値の計算など。
6章では人的資本について。どれだけ学歴を積むのがよいのか。生涯稼得最大化モデル、シグナリングモデル★★★、OJT★★★★、稼得の経年変化、ミンサー方程式★★など。
7章では賃金構造について。不平等の測度、組合の減少や自由貿易などの格差拡大要因、スーパースターの存在、世代間格差など。
8章では労働の流動性について。移民が生じる要因、家計の移住決定、コーホート効果、転職など。
9章では差別について。ベッカーの選好差別モデル、フェルプスの統計的差別についての詳細な説明、オアハカ分解★、アファーマティブアクション★★★★★★など。
10章では労働組合について。私企業では減り公的企業では増えたことの指摘、独占、契約曲線、ヒックスのパラドクスと非対称情報下でのストライキ、組合賃金ギャップなど。
11章ではインセンティブ付けについて。成果主義、賃金の遅延支払い、トーナメント、効率賃金など。
12章では失業について。構造的失業、ジョブサーチ、部門変化、効率賃金と非自発的失業、暗黙の契約、フィリップスカーブ、失業保険と失業期間の関係など。

各章では経済理論を述べたのち、それを裏付けるか反証する論文を紹介している。仮説に反したデータを見たら、何故なのかを次のパートで考えるという構造になっている。ミクロ経済の入門としても使えるし、また計量経済学への興味も湧かせるだろう。実証重視の名著。
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形式: ペーパーバック
私は日本国内の政策系の大学院で教科書として使いました。
一通りのミクロ理論が使いこなせて、入門レベルの労働経済の概念になじんでいれば、英語、内容とも歯が立たないことはないでしょう。内容、アプローチとも標準的なテキストとして文句なしです。日本の雇用統計などの現状などを補う必要はありますが。
2012年に出る新版ではMathematical Appendixが追加されるようですが、これもあくまでも読者サービスで、「このテキストに挑むのにこの程度の数学はわかっておくように、ということではない」と筆者がご自分のHPでも書かれているように、読者に配慮をする筆者の姿勢を感じます。
私としては、企業で人事設計を行う方もこの程度は前提としておさえておくべき内容と思います。日本の人事分野は経験主義的な価値観が強く、標準的な経済理論、統計学をふまえたアプローチを導入することで、大幅にパフォーマンスを改善できる分野だと思われます。(もちろん心理学など他の領域の知見の科学的導入は必要ですし、法務や制度の知識はマストです。)
ある程度(40代半ば?)以上の御歳の方は、世界標準とは異なる労働経済を学ばれた方も多いので、学びなおしにも良いと思います。

本書とは離れますが著者はハーヴァード大学のケネディ・スクールの教授で移民関連を専門とする労働経済学者です。日本では移住労働を議論する場では、人権や法律の専門家、社会学の専門家の声が比較的大きいのですが、偏りのない生産的な議論には労働経済学者の知見ももっと必要なのでは・・・。

オアハカ分解
http://www.osaka-ue.ac.jp/file/general/4922

小川論考

ブラインダー・ワハカ(Blinder-Oaxaca)分解とは, Oaxaca[1973]およびBlinder[1973]が開発した手法で, 男女間や人種間の賃金格差などを差別要因とそれ以外の要因へと分解するものである。日本ではとくに男女の賃金格差の分解にしばしば用いられる。
日本でのサーベイ・紹介として次のような業績がある。
堀[1991]:男女差別の経済理論との関連で述べる。中田[1997]:日本における適用のサーベイを含む。
杉橋[1998]:批判的紹介。説明変数自体に差別の結果を含む, と批判。
田中[2002]:中田 [1997] の検討。ニューマークの紹介・適用。
森[2005]:男女差別の経済理論との関連付けながら, 批判的紹介。杉橋による批判を評価している。
日本に対して実際に適用した業績として次のものがある。
中田[1997]:対数線型;;賃金構造基本調査1993年100人以上・常用月間所定内給与
田中[2002]:対数線型;ニューマーク型;賃金構造基本調査1985・1994年
金子・杉橋[2003]:線型;;就業構造基本調査1997年リサンプリングデータ

★★

付注3-1 ミンサー型賃金関数について

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je07/07f63010.html

付注目次 [目次][][


付注3-1 ミンサー型賃金関数について

1. 概要
 ミンサー型賃金関数は、職業訓練を含めた教育の投資効果や勤続経験が人的資本の蓄積をとおして賃金を向上させるとする人的資本理論に基づき導出された賃金関数である。雇用形態別に労働者の属性を考慮したミンサー型賃金関数を推計することで、正規雇用者と非正規雇用者との間の人的資本の蓄積の違いに由来する賃金格差の動向を検証する。

2. 推計方法
 厚生労働省(2005)「賃金構造基本統計調査」の雇用形態別(正社員・正職員計、正社員・正職員以外計)の計数から業種・学歴・年齢階級・企業規模で区分されたサンプルを用い、以下の推計式を男女別に推計した。なお、推計はそれぞれの賃金サンプルに含まれる労働者数でウエイト付けして行う(Weighted Least Squares)。
 賃金サンプルは、最大で「2(雇用形態区分数)×13(業種数)×11(年齢階級区分数)×3(学歴区分数)×3(企業規模区分数)」の計2,574個の賃金サンプルが入手できる。

推計式

ダミー変数

ダミー変数の定義は、以下のとおり。

正規雇用ダミー

学歴ダミー

企業規模ダミー

業種ダミー


3. 推計結果

 男子女子 
勤続年数
勤続年数の二乗
0.06584
-0.00282
(5.041)***
(-3.811)***
-0.00050
0.00029
(-0.113)
(0.940)
正規雇用ダミー
勤続年数×正規雇用ダミー
勤続年数の二乗×正規雇用ダミー
-0.01895
-0.00973
0.00204
(-0.439)
(-0.744)
(2.762)***
-0.03482
0.04349
-0.00112
(-2.267)**
(9.748)***
(-3.628)***
【学歴ダミー】
大学・大学院卒
高専・短大

0.29187
0.07083

(85.094)***
(8.005)***

0.27701
0.13803

(46.521)***
(34.765)***
【企業規模ダミー】
1,000人以上
100~999人

0.01615
-0.05123

(3.988)***
(-14.208)***

0.16400
0.08015

(31.780)***
(23.677)***
【産業ダミー】
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険
不動産業
飲食店・宿泊業
医療・福祉
教育・学習支援業
複合サービス事業
その他サービス業

-0.09172
0.06063
0.02544
-0.08858
-0.02355
0.10409
0.13287
0.00029
0.17990
0.14258
-0.19178
0.02012

(-16.455)***
(1.966)***
(2.525)***
(-11.993)***
(-3.792)***
(11.245)***
(1.848)**
(0.010)
(11.437)***
(8.364)***
(-3.963)***
(2.647)***

-0.09566
0.13283
0.10126
-0.03744
0.00756
-0.01541
0.11508
0.00688
0.13177
0.15280
0.00753
0.09253

(-6.259)***
(0.986)
(5.068)***
(-1.430)
(0.485)
(-0.929)
(1.220)
(0.265)
(8.569)***
(7.627)***
(0.164)
(5.725)***
定数項5.17410(119.287)***4.96224(235.840)***
サンプルサイズ
F値
Adj-R2
2306
2078.12
0.9999
2185
861.3151
0.6508

(備考)1.

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」により内閣府で推計。

2.

"Education and Earnings"(Mincer、1974)、"Labor Economics"(Cahuc and Zylberberg、2004)を参考。

3.

学歴、産業及び企業規模ダミーのレファレンスグループは、それぞれ「高卒」、「建設業」、「10~99人規模」。

4.

( )内はt値を表す。

5.

**、***はそれぞれ有意水準が5、1%水準を満たす。




付注目次 [目次][][


★★★

シグナリング (signaling) とは、市場において、情報の非対称性を伴った場合、私的情報を保有している者が、情報を持たない側に情報を開示するような行動をとるというミクロ経済学における概念である。なお情報を持たない者が情報を持つ者に情報を開示させるように選別を行うことをスクリーニングと言う。

この概念は2001年ノーベル経済学賞を受賞したマイケル・スペンスによってはじめて分析され、高等教育が労働者の生産性に何ら影響を及ぼさないとしても、企業がその労働者に対して、高賃金を支払うことは合理的であることを示した。

学校教育とシグナリング編集

学校教育は生産性に何の影響も与えないが、生産性との相関関係があるとすれば、企業が学歴によって労働者を採用することは合理的である。また求職者も高等教育を受けることによって自分の優秀さを示せるため、高賃金を受け取ることができる。企業は、有能な労働者は学歴を取得するためのコストが低くすむ一方、無能な労働者は学歴の取得に多大なコストを支払わなければならないと考えるからである。しかしこの見方によれば、教育は社会的な浪費となる。なぜなら、教育を受けたとしても、生産性に影響を与えることはないのにもかかわらず、学生や学校関係者の社会的資源を使ったのだとすれば、それだけ無駄が生じたことになる。これはあまりにも極端な見方であるが、生産性に影響を与えると仮定したとしても、シグナリングは社会的な利得はなく、費用がかかってしまうので、やはり教育に対しての過剰投資となってしまう。

参考文献編集



★★★★

OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと。企業内で行われるトレーニング手法、企業内教育手法の一種である。

目次

概要編集

OJTとは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的計画的継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動である。

これに対し、職場を離れての訓練はOff-JT(Off the Job Training オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)と呼ばれる[1]

OJTという言葉は1935 - 1940年頃の辞書(Webster等)に採録されたが、アメリカ第一次世界大戦中にできた手法とされる。

OJT概史編集

第一次世界大戦勃発によって、当時5,000人の作業者が勤務していた米国の61の造船所にその10倍の造船所作業員の補充が必要となった。補充要員がいなかったため新人を訓練することになったが、その時代の米国内の職業訓練施設の能力では間に合わなかった。

緊急要員訓練プログラム作成の責任者に任命されたチャールズ・R・アレン(Charles Ricketson "Skipper" Allen)は、造船所の現場監督を指導者として造船所内の現場ですべての訓練をすることを決めた。そして1917年教育学ヨハン・フリードリヒ・ヘルバルト(Johann Friedrich Herbart)の5段階教授法(予備、提示、比較、総括、応用)をもとにアレンが開発した具体的な職業指導法が、4段階職業指導法(the "Show, Tell, Do, and Check" method of job instruction、やって見せる→説明する→やらせてみる→補修指導)であった。アレンの4段階職業指導法とは、おおむね下記のようなステップで実施する。

  1. 新人を配置 - 安心して行うこと。彼らが仕事に関し、事前に何かを知っているかどうかを調べること。彼らに学習に対する興味を持たせること。適切な持ち場を与えること。
  2. 作業をして見せる - 注意深く、根気よく、説明し、見せ、図示し、そして質問する。キーポイントを強調すること。一度に1点ずつ、はっきりと完全に教えること、しかし彼らがマスターできる限度を超えてはいけない。
  3. 効果を確認する - 彼ら自身に仕事をやらせてみる。彼らに説明させながらやらせること、彼らにキーポイントを説明させて示させてみること。質問し、正解をたずねること。彼らが理解したと判断できるまで、続けること。
  4. フォローする - 彼らに、彼ら自身が必要なときにだれに質問したらよいかの相手を判断させる。頻繁にチェックすること。積極的に質問するよう促すこと。彼ら自身に、その進歩に応じたキーポイントを見つけさせること。特別指導や直接のフォローアップを段々減らしていくこと。

これが中世以来の徒弟制度(弟子は最初仕事と無関係の雑務から始めその後師匠の補助をするようになり、数年から数十年をかけて仕込んでいく手法。現在も多く存在する)ではない職場指導、すなわちOJTの始まりと考えられる。

さらにアレン式4段階法は20数年後、第二次世界大戦中の米国戦時人事委員会(War Manpower Commission)によって企業内訓練(TWI:Training Within Industry)の次の4つのプログラムに発展した。

  1. JIT(Job Instructor Training、仕事の教え方、1942年4月) - できるだけ早く作業者を教える技能を身につけるように訓練するために開発され、ロールプレイングの手法を取り入れOJTを行う監督者の技能を向上させることを基本的な目的とした。
  2. JRT(Job Relations Training、人の扱い方、1943年2月)
  3. JMT(Job Methods Training、改善の仕方、1943年9月) - 後にJST(Job Safety Training)になる
  4. PDT(Program Development Training、訓練計画の進め方、1944年9月)

このTWIプログラムが戦後の日本に入ってきて、現在の企業研修のもとになっている。

OJTの成果と課題編集

企業における特に新入社員教育では、一定期間の集合研修を経てOJTへ導入する形式を採ることが多い。専門的な職務能力を要する職種の場合、一人の新入社員に一人の先輩が指導者として割り当てられ実務を進めながら指導する。指導者の指名については該当者の業務実績以上に指導力を考慮する必要があり、特に指導力は新入社員のその後の運命すら左右する可能性がある。

OJTの成果は「実務の中で仕事を覚える」ことにより「OJTの成果が仕事の成果になる」など、研修の成果が業績に反映される。いわば「新入社員の成長」と「企業の業績向上」という、一石二鳥が期待できる。

ただし指導者となった先輩に指導力が伴わない場合、新入社員の能力向上どころかその可能性の芽を摘んでしまう。そのため指導者への課題として「どの分野は誰が詳しい」といった情報を新入社員に伝えるなど、職場内でのコミュニケーションの指導にも配慮が求められる。

また企業によってはいきなり業務を行わせ、いざという時のフォローだけ行うことをOJTと称することがある。指導する側の指導やチェックが確実に行われ指導される側が報告義務を欠かさなければ成果を出せるが、指導する側・される側のどちらかに問題があれば成果は期待できない。

結局、OJTの要諦は意図的計画的継続的の3つであり、これを欠くものは本来のOJTではない。

脚注編集

  1. ^ 「off the job training」は日本人も多く編纂スタッフとして参加している国際労働機関(ILO)のILO Thesaurusなどには収録されているが、現代英語としての普及度の尺度とされているRandom House Webster's Unabridged Dictionaryにはこの語は収録されていない。

参考文献編集

  • Allen, Charles R (1919). The instructor, the man and the job. Philadelphia London, J. B. Lippincott company.
  • Allen, Charles R (1922). The foreman and his job. Philadelphia London, J. B. Lippincott company.
  • 澤田淳「できる・使える・OJT入門」『実務入門シリーズ』日本能率協会マネジメントセンター、1998年
  • 小山俊『新版 OJTで部下が面白いほど育つ本』中経出版、2006年
  • 寺田盛紀『日本の職業教育』晃洋書房、2009年

関連項目編集


★★★★★★

アファーマティブ・アクション - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/アファーマティブ・アクション
アファーマティブ・アクションaffirmative action)とは、弱者集団の不利な現状を、歴史的経緯や社会環境に鑑みた上で是正するための改善措置のこと。この場合の是正措置とは、民族人種出自による差別貧困に悩む被差別集団の進学就職職場における昇進においての特別な採用枠の設置や試験点数の割り増しなどの直接の優遇措置を指す。

日本語では、affirmative action は一般に「積極的格差是正措置」と訳される。

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