http://www.freeassociations.org/
中嶋智之氏は、日本経済の諸問題をとりあげながら、世界のマクロ経済学の理論を大きく発展させた。名目利子率がゼロとなるような状況では、伝統的な経済モデルによる政策分析には無理がある。そこで中嶋氏は、日本経済では海外との貿易を無視することができない点に留意し、開放経済におけるゼロ金利下での望ましい金融政策のあり方を、経済厚生の観点から分析した。この研究は、その先駆性のゆえに国際的にも高く評価されている。また経済成長に関する研究では、労働者の作業経験を通じた生産性の上昇効果と外国貿易の二つが、日本や台湾の高度成長を可能にした大きな要因であったことを明らかにした。さらに最近の研究では、金融市場が機能不全に陥っている場合には、財政破綻の可能性が高いときでも、破綻直前までは国際価格が暴落しない可能性のあることを示した。中嶋氏はマクロ経済学において独創性に富む研究を行うとともに、その成果は政策提言においても有意義であり、今後とも卓越した研究成果をあげ続けていくことができると期待される。
Tomoyuki Nakajima
https://sites.google.com/view/tomoyukinakajima/home?authuser=0
Gottardi-Kajii-Nakajima-15-AER.pdf
☆
7 Conclusion
We have proposed a new mechanism of haw systemic financial crises occur, based on debt
overhang in short-term loans. A crisis can be caused either by self-fulfilling beliefs or by a
fundamental shock to the economy. During the crisis, the supply of short-term loans drops
sharply ; the short-term interest rate rises ; the labor wedge deteriorates ; and production
activities are depressed. Our model roughly captures some of the key features observed
during actual financial crises.
We have also examined the effects of guaranteeing bank deposits during a crisis. Such a
policy has the following type of tradeoffs On the one hand, it reduces the possibility of self-
fulfilling crises, but on the other, it raises the probability of fundamental crises. The overall
welfare effect of such a policy would depend on the probabilities of sunspot and fundamental
crises. Ideally, policy intervention should be contingent on the type of crisis.
subsidy 補助金
sunspot 黒点
サンスポットとは経済ファンダメンタルズに対して非本質的な確率的要因のこと
(Adobe PDF)
Ω の座標上への写像を意味する.解析的には, ... 策変更が経済主体の期待形成を 変更させるため,政策シミュレーションが無意味であると. の Lucas ...... 衡(sunspot equilibrium)に陥る可能性があり,マクロ経済の不安定化をもたらすことを理論的. に 示した.
(Adobe PDF)
(2)景 気循環論 と経済成長論 における不決定性の意味づけ,(3)不. 決定性 を解消す. る 均衡の ... しか し後者の批判,す なわち不決定性が存在するもとでの経済政策の役割や 意味づけについ. ては,こ の問題に ... 本稿は,動 学的マクロ経済学における均衡の不 決定性 をめ ぐる最近の研究について,重 要. と思われる少数の ...... Evans, G. W. and Honkapohja, S. (2002), "Expectational Stability of Stationary Sunspot. Equilibria in a ...
(Adobe PDF)
サンスポットとは経済ファンダメンタルズに対して非本質的な確率. 的要因のことで、 ... このような学習課程の分析は経済学的にも意味がある。なぜならば、従来 ...... Chiappori、P-A. and Guesnerie、R. (1987)、“On Stationary Sunspot Equilibria of Order k" ...
7 Conclusion
We have proposed a new mechanism of haw systemic financial crises occur, based on debt overhang in short-term loans. A crisis can be caused either by self-fulfilling beliefs or by a fundamental shock to the economy. During the crisis, the supply of short-term loans drops sharply ; the short-term interest rate rises ; the labor wedge deteriorates ; and production activities are depressed. Our model roughly captures some of the key features observed during actual financial crises.
We have also examined the effects of guaranteeing bank deposits during a crisis. Such a policy has the following type of tradeoffs On the one hand, it reduces the possibility of self-fulfilling crises, but on the other, it raises the probability of fundamental crises. The overall welfare effect of such a policy would depend on the probabilities of sunspot and fundamental crises. Ideally, policy intervention should be contingent on the type of crisis.
7結論
我々は、短期借入金の負債突出に基づいて、全面的な金融危機の新しいメカニズムを提起している。危機は自己実現的な信念や経済への基本的なショックのいずれかによって引き起こされる可能性があります。危機の間、短期借入金の供給は急激に減少した。短期金利が上昇する。労働楔は悪化する。生産活動が落ち込んでいる。私たちのモデルは、実際の金融危機の間に観察されたいくつかの主要な特徴を大まかに把握しています。 また、危機発生時に銀行預金を保証する効果についても検討した。そのような政策には、次のようなトレードオフがあります。一方で、自己実現の危機の可能性を減らしますが、他方では、基本的な危機の可能性を高めます。このような政策の全体的な福祉効果は、黒点と基本的な危機の確率に依存する。理想的には、政策介入は危機の種類に依存しなければならない。
Liquidity Crises | Federal Reserve Bank of Minneapolis
https://www.minneapolisfed.org/research/economic-policy-papers/liquidity-crisesNancy L. Stokey | Consultant Robert E. Lucas, Jr. Published May 17, 2011 ... In this essay, we first sketch theoretical ideas that bear on the sources of liquidity crises: bank runs, sunspots and contagion effects, and the moral hazard problem ...
日本学術振興会賞|日本学術振興会
http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/ichiran_10th/07_nakajima.html中嶋 智之 |
(ナカジマ トモユキ) |
NAKAJIMA Tomoyuki |
生年 | 1970年 | 出身地 | 埼玉県 | ||
現職 | 京都大学経済研究所 教授 (Professor, Institute of Economic Research, Kyoto University) | ||||
専門分野 | マクロ経済学 | ||||
略歴 |
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授賞理由 | |||||
「マクロ経済政策の厚生分析」 (Welfare Analysis of Macroeconomic Policy) 中嶋智之氏は、日本経済の諸問題をとりあげながら、世界のマクロ経済学の理論を大きく発展させた。名目利子率がゼロとなるような状況では、伝統的な経済モデルによる政策分析には無理がある。そこで中嶋氏は、日本経済では海外との貿易を無視することができない点に留意し、開放経済におけるゼロ金利下での望ましい金融政策のあり方を、経済厚生の観点から分析した。この研究は、その先駆性のゆえに国際的にも高く評価されている。また経済成長に関する研究では、労働者の作業経験を通じた生産性の上昇効果と外国貿易の二つが、日本や台湾の高度成長を可能にした大きな要因であったことを明らかにした。さらに最近の研究では、金融市場が機能不全に陥っている場合には、財政破綻の可能性が高いときでも、破綻直前までは国際価格が暴落しない可能性のあることを示した。中嶋氏はマクロ経済学において独創性に富む研究を行うとともに、その成果は政策提言においても有意義であり、今後とも卓越した研究成果をあげ続けていくことができると期待される。 |
京都大学 教育研究活動データベース
https://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/aG0oK(日本語) |
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個人が直面する様々なリスクに関して市場では十分な保険を提供できないような状況において、どのようなマクロ経済政策が有効となるかを研究している。 |
(英語) |
URL |
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https://sites.google.com/site/tomoyukinakajima/ |
(日本語) |
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マクロ経済学 |
(英語) |
Macroeconomics |
キーワード(日本語) | キーワード(英語) |
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マクロ経済学 | |
動学的一般均衡理論 | |
金融政策 | |
財政政策 | |
リスクシェアリング | |
非完備市場 |
著者名 | タイトル | 書誌情報等 | 年月 | 査読の有無 | 言語 |
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NAKAJIMA Tomoyuki | Safe asset shortages and asset price bubbles | Journal of Mathematical Economics,53,164-174 | 2014 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Global liquidity trap | Journal of Monetary Economics,60,936-949 | 2013 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Collateral constraint and news-driven cycles | Macroeconomic Dynamics,16,752-776 | 2012 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Countercyclical idiosyncratic risk: an aggregation result and application to optimal monetary policy | Journal of the European Economic Association,10,1450-1474 | 2012 | 有 | 英語 |
荒戸寛樹, 中嶋智之 | 共有知識の不完全性とマクロ経済学 | 経済研究,61,1,33-46 | 2010/01 | 有 | 日本語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Optimal monetary policy with imperfect unemployment insurance | Journal of Economic Dynamics and Contro,34,365-387 | 2010 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Liquidity trap and optimal monetary policy in open economies | Journal of the Japanese and International Economies,22,1-33 | 2008 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Asset price fluctuations in Japan: 1980-2000 | Japan and the World Economy,20,129-153 | 2008 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Unemployment and indeterminacy | Journal of Economic Theory,126,314-327 | 2006 | 有 | 英語 |
NAKAJIMA Tomoyuki | Monetary policy with sticky prices and segmented markets | Economic Theory,27,163-177 | 2006 | 有 | 英語 |
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著者名 | タイトル | 書誌情報等 | 年月 | 査読の有無 | 言語 |
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著者名 | タイトル | 書誌情報等 | 年月 | 査読の有無 | 言語 |
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著者名 | タイトル | 書誌情報等 | 年月 | 査読の有無 | 言語 |
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中嶋智之 | 気鋭の論点 国債増発と地価下落:地価下落が続く理由 | 日経ビジネス, 日経BP, 80-81 | 2010/11 | 日本語 | |
中嶋智之 | 気鋭の論点 インフレ率と金利:デフレが続く一つの理由 | 日経ビジネス,日経BP, 90 | 2010/04 | 日本語 | |
中嶋智之 | 気鋭の論点 全要素生産性:すべてが分かる万能指標 | 日経ビジネス | 2009/11 | 日本語 | |
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著者名 | タイトル | 書誌情報等 | 年月 | 査読の有無 | 言語 |
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