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近代哲学の最高峰をいまこそ読み直す!
「形而上学の不可能性」の原理とは?
「アンチノミー」「カテゴリー」「物自体」とは何か――。
近代社会における知の全地平を見渡すうえで必読の一書をわかりやすく平らげる。「超解読」シリーズ第二弾!
【目次】
まえがき
1 先験的原理論
第一部門 先験的感性論
第二部門 先験的論理学
第一部 先験的分析論
第二部 先験的弁証論
2 先験的方法論
あとがき
「形而上学の不可能性」の原理とは?認識問題の謎―近代哲学の最高峰をいまこそ読み直す。「物自体」「カテゴリー」「アンチノミー」―西洋哲学を変えた重要概念をわかりやすく解説。
竹田 青嗣
(たけだ せいじ)
一九四七年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。明治学院大学国際学部教授を経て、現在、早稲田大学国際教養学部教授。哲学者、文芸評論家。
著書に、『現象学入門』(NHKブックス)、『人間の未来』(ちくま新書)、『人間的自由の条件』(講談社学術文庫)、『ハイデガー入門』『完全解読ヘーゲル『精神現象学』』(共著)『完全解読カント『純粋理性批判』』『完全解読カント『実践理性批判』』(いずれも講談社選書メチエ)、『超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』』(講談社現代新書)、『竹田教授の哲学講義21講』(みやび出版)などがある。
竹田/青嗣
1947年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。明治学院大学国際学部教授を経て、早稲田大学国際教養学部教授。哲学者、文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
現象学経由が生きるのは以下のような素朴な記述だ。
《 第3章 先験的理念の体系
…
ともあれ、われわれの理性は、この三つの先験的理念を作りあげて、世界のー切につい
ての完全かつ絶対的な像を思いい描こうとする本性をもっている。つまり、まず「自らの
「心」の理念的な認識からはじめ、世界認識に進み、最後に根源的な存在者(神)という理
念の認譏に向かうが、この順序はきわめて自然なものだといえる。》(139頁)
☆
岩波文庫の誤訳:
1:2:2:1
◆合理的心理学から宇宙論へ移るについての一般的注解
________純_____粋_____理_____性_____批_____判________
(緒言) | | | | |0 |一般|
|1〜7(初版1、2) | | (空虚/盲目) |__|__|_手引き_|
| | | | | 判断表|範疇表
| 空間 | 時間 | 緒言 |__概 念 分 析__|
| | | | 演繹一般| | |
| | | |_演 繹_|__|__|
| | | 先験的演繹(初版、+構想力)
|________(感 性 論)________|_______(論 理 学)|要約|__|__|
| | | | 分 析 論 |同一/相違|
| | | | | (対概念)一致/反対
| | | | 図式論 | 付録: |内的/外的|
| | |__原 則 分 析__|_反省概念の_規定/被規定
| | |原則の体系| | 二義性 | a b|
| | |0_|分析|現象と可想|(対ライプ|:注(無)|
| | | aーd、|根拠(初版| ニッツ)| c d|
原 理 論(感性論と論理学)______|総合|体系|、◯直観)|_____|_____|
0緒言1仮象| 0(主観X)、dcba☆| | | (論証)|二、論争的|*
2A理性一般| 1 | 同一 | 単純 | | |一、独断的| /懐疑論|数学
|B論理的使用 理念一般| a量 | b質 | | |数学/哲学|(ヒューム)+ −
|C純粋_一、概 念__|一誤謬・_霊魂(定言)|____0緒言____|*__1訓 練____|× ÷
| | |(四つの誤謬推理、第二版) | | 三、 |2単一 |
|2 | 3 | 実体 |精神=コギト | | 対仮説 |四、理性の証明
|超越論的理念 体系 | c関係 | d様相 | | |(蓋然的)|3直接、1根拠
|_____(論 理 学)二、推 理 論____|_____|___方 法 論___|x間接、法廷
|134678 弁 証 論 | 定・| | | | |
| 限界 | 部分 |123 |存在論4 | | | |(図式) |
| 量 二| 質 | 三理想 sein| | | | |
|世界(二律背反)25_|__神(三つの証明)_|___2規 準____|__3建 築 術___|
| (仮言) | (理想、選言)| 目的 | 理想 | (全体系計画) |
| 自由 9 必然 |宇宙論5 |自然神学6| (不死|(最高善、|(体系) | 4歴史 付録:
| 関係 ab 様相 |ライプニッツ 7| 自由、神|3つの問い) |(概念の演繹論)
|_____cd____|仮・___|___選・|_____信_____|(☆初版、誤謬推理cbad)
付録:(目的論) (蓋然的)
理念の統整的使用
自然弁証法の究極意図 TOP
A370
誤謬推理に誤訳
http://logsoku.com/thread/academy6.2ch.net/philo/1225289112/
40 :考える名無しさん[]:2007/04/24(火) 00:01:59
『言葉と物』の具体的誤訳が指摘されたのを一度もも見たことがない。少なくとも私にはまったく発見できない。
といったてまえ、篠田訳『純理』の誤訳を一箇所だけだが指摘しておこう。
195ページ1行目「~を想定することなしに」だ。これは文字通り致命的。
なぜなら、前頁最終行の「以上の何か或るもの」は実はこの直前に入るので、
意味が真逆になるからだ。コギト・エル・ゴスムを「想定することなしに」どころか、まさにその逆に、「それ以外のものを想定することなしに」物質の実在を承認することができる、とここでカントは言っているからだ。
ただコギト・エル・ゴスムだけで物質の実在を承認できる! ここはカントのデカルト批判のみならず、およそ超越論的観念論そのものの、要のまた要の論点なのに、篠田氏はそこを逆の意味に取ってしまっている。
さて、それにもかかわらず、初心者が文庫本で全体を通読したいなら、そういう誤訳が皆無の現行の原訳よりも、篠田訳のほうを私なら薦める。人々は篠田訳がはじめてreadableな『純理』翻訳を作った功績をあまりにも過小評価していると思う。
41 :考える名無しさん[sage]:2007/04/24(火) 00:34:08
>>40 お、具体的誤訳の指摘。195頁って岩波文庫の「下巻」ですよね。
原文は、Philosophische Bibliothek版の485頁によると、
Der transzendentale Idealist kann hingegen ein empirischer Realist,
mithin, wie man ihn nennt, ein Dualist sein , d.i. die Existenz der
Materie einraeumen, ohne aus dem blossen Selbstbewesstein hinauszegehen,
und etwas mehr, als die Gewissheit der Vorstellungen in mir, mithin
das cogito, ergo sum, anzunehmen.
42 :考える名無しさん[sage]:2007/04/24(火) 00:54:29
問題の箇所、天野貞祐訳(講談社学術文庫の第四巻の218頁)は、
「これに反して、先験的観念論者は経験的実在論者である。したがって
いわゆる二元論者である、詳しくいえば、単なる自覚の外に出ることなく、
私における表象の確実性、すなわち「われ思う、ゆえにわれ在り」
より以上のなにものをも想定することなくして、物質の実存在を承認する
者である。」
確かに、コギトに関して篠田訳とは、逆ですね。