木曜日, 12月 08, 2016

経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)/長沼伸一郎 ブル ー・ バックス


                   ( 経済学リンク::::::::::
NAMs出版プロジェクト: 長沼伸一郎『経済数学の直観的方法 マクロ経済学編』:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2016/09/blog-post_17.html
経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)/長沼伸一郎
http://nam-students.blogspot.jp/2016/12/honto.html
ブラックショールズ:熱伝導方程式 https://youtu.be/F_8XjAzUNxA
http://nam-students.blogspot.jp/2016/07/httpsyoutubef8xjazunxa.html
NAMs出版プロジェクト: ルベーグ積分 wikiより
http://nam-students.blogspot.jp/2016/01/blog-post_26.html
『経済数学の直観的方法 確率・統計編』(その1) 長沼伸一郎著 - …読書と旅の日記
http://blog.goo.ne.jp/clezio0/e/6852302432ab7de648a58e5018264f12/?cid=2d246c9f4613351264c257d6c96dabf3&st=0
『経済数学の直観的方法 確率・統計編』(その2) 長沼伸一郎著 -
http://blog.goo.ne.jp/clezio0/e/464e02c51ebdad4af1390e186684604f

経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)/長沼伸一郎 :honto
https://honto.jp/netstore/pd-book.html?prdid=28132003#productInfomation


    第1章 初級編
    1.確率統計を理解するための根本思想
    2.われわれの世界の確率統計はどう成立したか
    3.補足的な基礎知識

    第2章 中級編
    1.最小2乗法の本質
    2.中心極限定理の不思議
    3.ブラウン運動とブラック・ショールズ理論
    4.教養としてのブラック・ショールズ理論

    第3章 上級編
    1.伊藤のレンマと確率微分方程式
    2.実際のブラック・ショールズ理論

    第4章 測度とルベーグ積分


難解なイメージの現代の経済学は、理系と文系の狭間を突くアプローチで、直観的な理解の道が拓ける。確率・統計編は、「ブラック・ショールズ理論」を初級編・中級編・上級編に分けて解説する。【「TRC MARC」の商品解説】

現代社会を浮き彫りにする経済学。この経済学を表す経済数学は高度に発展してきました。なかでも、マクロ経済学の「動的マクロ均衡理論」と、金融工学の「ブラック・ショールズ理論」は「二大難解理論」として、その頂上をなしています。

この『経済数学の直観的方法』の2冊では、目標をこの「二大難解理論」にしぼっています。これらを直観的に理解してしまえば、そのツートップの頂上から経済数学全体を見渡す格好になり、今までのミクロ経済学などのたくさんの数学的メソッドを、余裕をもって見ることができるという狙いです。

本書では、「確率・統計編」として、現代の金融工学の礎となる「ブラック・ショールズ理論」を身につけます。70点に及ぶ図・グラフを中心に、「正規分布曲線が生まれるメカニズム」「標準偏差、分散の意味」「最小2乗法の基本思想」「中心極限理論の不思議」「確率過程とランダム・ウォーク」「ブラウン運動とブラック・ショールズ理論」「伊藤のレンマと確率微分方程式」「測度とルベーグ積分」など、重要テーマの本質的理解を試み、教養としてのブラック・ショールズ理論を身につけていきます。【商品解説】

理系学生伝説の参考書『物理数学の直観的方法』著者が、文系向けに難解な経済数学の要諦を斬新な切り口で分かりやすく解説する。【本の内容】

____
以下『経済数学の直観的方法 確率・統計編』#4より

ルベーグ積分が真価を発揮するのは,冒頭でも述べたように,むしろ不連続な関数,つまりいくつかの点

だけで突然孤立した大きな値をとっていて,それらが点在しているような関数の場合なのであり,参考と

して述べておこう。

  その例としては,この学問の黎明期に純粋な数学的興味として議論されていた次のような問題を眺めると,

この話そのものがよくわかる。それは,積分する関数として「有理数の点ではf=1となるがそれ以外の無理数

の場所ではf=0になる」というような奇妙な関数を考えて「一体これを積分したら0になるのか一定の有限値に

なるのか,それとも無限大に発散するのか?」を調べるという問題である。…


f(x)
 |  
1|    ・   ・   ・    f(x)=0:xが無理数
 |    :   :   :    f(x)=1:xが有理数
 |____o___o___o__×  ♪f(x)dx=?
 0    |     |
     有理数   無理数

こんな関数の積分を行おうとしても,在来型のリーマン積分では全く歯が立たなかったのだが,

ルベーグ積分では,有理数部分の微小幅Δxを「測度」という形で抽象化して捉えることで,

0の部分と1の部分の抽象化して捉えることで,0の部分と1の部分の抽象的な幅を求めて,これ

を積分することができるのである(なお参考までに今の話の答えだけを示しておくと,この積分

値は0となる)。


…経済の話として確率論を学ぶ際には,測度やルベーグ積分についても,やはり「それが

何であるか」を知っていれば十分である。

測度論の場合も,上の話が頭にあれば,少なくとも議論のどの部分までがこの話なのかを識別できる

はずで,そして本当の重要な話は,ほとんどの場合その外で行われている。そのため測度論の部分は

後回しにして,先に攻略してしまうのが,理解の早道である(その際,もし面倒なら,要するに

「測度」というのは,積分の中についているdxやdpのことをそう呼んでいるのだ,という程度の

乱暴な理解でも,迂回前進を行うには十分かと思われる。)



____

最小二乗法については漠然とイメージを持っていたが、逆だった。われわれの世界が二乗的だと捉えるべきなのだ。中級編ラストで複利を批判するなど物理の視点からだからこその根本的な批判があり興味深い。文系実用と理系思想の統一という話も出てきて技術的な部分はもちろん、文明史的な視野をあわせ持つ入門書になっている。

以下書評サイトより:

著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは次の二つであると著者は指摘している。
①誤差の分布をみると一方に偏った誤差は何らかの理論で修正できるが、プラスマイナス均等に生じる誤差は理論によって修正することができない。
②この世の誤差は±1の誤差が生じる単位が連続することで多段式に生まれている。
この①と②を組み合わせると、この世のすべての誤差が最終的にどのような形になるのかが予測できることになる。
.…

「われわれの世界の「最小2乗法」はその「2乗」を1乗に直して「最小(絶対値)1乗法」という形にすると,ちょうどそっくりそのまま,パラレル・ワールドで三角形の中心線位置やデータの真の値を割り出すメソッドになる」91

図2:2
パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     I           背後に    I
隠された    I           隠された   o☆
三角形    /I\          正規分布 o I o
      / I \         曲線  ☆o I o
     /  I  \           o   I  ☆o
 ___/___I___\__      ______I______
三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
最小(絶対値)1乗法           最小2乗法
____

著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは次の二つであると著者は指摘している。
①誤差の分布をみると一方に偏った誤差は何らかの理論で修正できるが、プラスマイナス均等に生じる誤差は理論によって修正することができない。
②この世の誤差は±1の誤差が生じる単位が連続することで多段式に生まれている。
この①と②を組み合わせると、この世のすべての誤差が最終的にどのような形になるのかが予測できることになる。

_____

ブラウン運動とブラック・ショールズ理論。
著者はブラウン運動が正規分布現象を2次元平面上に拡張したものだと説明する。どういうことか。著者の説明は0度(水平)と10度の二つの方向で説明しているのだが、これは0度と10度に分岐するというのではなく、0度方向への二項分岐と10度方向の二項分岐がともに正規分布であるから重ね合わせても正規分布になるということであろう。したがってこれを360度に拡張しても同様に中心極限定理によりその合計が正規分布になり、ブラウン運動自体が正規分布のバリエーションということになる。
次に著者はプロセスの分岐点を増やすことと時間が増えることとを混同してはならないという。
これもまたパチンコ玉のイメージで分かり易く説明されている。時間が増えるというのは、釘の数を一定にして、その前に長く座っている状態である。この場合は球がどんどん増えて台の下に積もる形状はあらかじめ想定された正規分布に限りなく近づいていく。しかし、分岐点が増えるということは釘の段数が増えていくというイメージであり、この場合は、台の下に積もる形状はシグマの幅が大きくなって分布の形状がなだらかになる。だから分布曲線の広がりは時間に比例するのではなく、分岐点の増加に比例するのである。

2:34図(略):

ブラウン運動           ポートフォリオ

        ブラックショールズ

「このパノラマ図では左に理系側の話が,右に文系側の話がそれぞれ表現されていて,真ん中で双方の話が統合されており,この理論全体の構図が示されている。」

    「…伊藤のレンマに関しては,図3.4と図3.5を頭に入れることが,理系側(思想面)と文系側(実用面)の両側から,立体的にその意義を把握するための最短距離になると思われる。」


    『上級編』
    確率微分方程式とは何か。

    確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これは初級編のガウスの頭の中の①と②に相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。
    つまり各分岐点により枝分かれしていく多段式構造の中の一つの分岐点を示したものである。それにトレンドとしてA1dtが加わったものに過ぎない。A1dtがプラスかマイナスかで、枝分かれして二項分布から正規分布へ広がっていく分岐の流れ全体がA1dtにより上下に偏るということである。したがってこの式により価格予測モデルが可能になる。
    だがこれは原資産(例えば株価)の確率微分方程式であって派生証券の式ではない。
    仮に派生証券の価格をYとし原資産価格をXとして、Y=F(X)とすると、派生証券の確率微分方程式価格を求めることは、dy=F(dx)を求めることを意味する。
    するとdy=F(A1dt+B1dw)となる。
    この式が原資産価格と同様に、例えばdy=A2dt+B2dw のような形になれば、つまりドリフト項と確率項が分離して求められれば価格予測が容易になるのだが、そう簡単ではなかった。伊藤のレンマが重要なのは、それを使うことによりdy=A2dt+B2dwの形にできたということである。これにより派生証券の価格予測モデルが可能となり、オプション評価が可能となる。
    本書はその導出過程を詳細に説明しているが、結論だけ示すと、派生証券のトレンド項のA2とB2は次のようになる。
    A2=(dF/dx)A1+1/2(Fの2階微分)B1^2
    B2=(dF/dx)B1
    この伊藤のレンマがどれほど重要かは、Y=F(X)からさらにZ=F(Y)へと拡張しても適用できること、A1が定数ではなく関数の場合にも使えること、またB2により拡散が大きくなるのか小さくなるのかも分かることなどから、ファイナンスだけでなく、確率統計論の世界でも画期的であり、著者によるとガウスの正規分布に次ぐ発見ということである。

    無リスクポートフォリオとは何か。
    二つの資産価格がY=F(X)の関係になっていれば何でも良いのだが、派生証券が明らかに原資産Xと連動しているので、派生証券と原資産の組合せで無リスクとする方法が、この伊藤のレンマで得られるのである。
    上の説明から二つの資産のボラティリティがB1dwとB2dwなので、それらを相殺させるように組み合わせばリスクを消すことができる。それは伊藤のレンマによりB2=(dF/dx)B1であるから、X資産を1単位売って、Y資産をdF/dx単位買えば無リスクとなる。この係数dF/dxが金融界ではデルタと呼ばれている。
    著者はさらに伊藤のレンマに関して面白い指摘をしている。つまり文系の人間は無リスクということで係数Bの変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いていくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるというのである。
    ルベーグ積分には恐るべき可能性が潜んでいるようだ。微小区間のdxが連続量でなくても完全加法性があれば積分可能であるということは、これまで計量不可能であると思われていた対象にも数学が適用できる可能性を示している。



///////




正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、標準偏差や分散、最小2乗法が直観的に理解できる。

われわれの世界の「最小2乗法」はその「2乗」を1乗に直して「最小(絶対値)1乗法」という形にすると,ちょうどそっくりそのまま,パラレル・ワールドで三角形の中心線位置やデータの真の値を割り出すメソッドになる」91

パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     I           背後に    I
隠された    I           隠された   o
三角形    /I\          正規分布 o I o
      / I \         曲線   o I o
     /  I  \           o   I   o
 ___/___I___\__      ______I______
三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
最小(絶対値)1乗法           最小2乗法




_____



「このパノラマ図では左に理系側の話が,右に文系側の話がそれぞれ表現されていて,真ん中で双方の話が統合されており,この理論全体の構図が示されている。」


      思想                     実用



確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これは初級編のガウスの頭の中の①と②に相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

    「…伊藤のレンマに関しては,図3.4と図3.5を頭に入れることが,理系側(思想面)と文系側(実用面)の両側から,立体的にその意義を把握するための最短距離になると思われる。」





Amazon.co.jp: 経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス) 電子書籍: 長沼伸一郎: 本
2016/11
https://www.amazon.co.jp//dp/B01N66D7CV/

マクロ編に続いてのレビュー。
まず初級編・冒頭で正規分布のできるメカニズムが、創造主のベルトコンベヤーと言う比喩を用いてわかりやすく示される。
ガウスらによって統計学が創られた際の、おそらくはこうであったろうという思考過程が追体験でき面白い。
またここで述べられる基本思想が本書を通じてのテーマとなる。
いかにも物理出身の著者らしい記述ではないだろうか。他の類書ではあまり観ない導入であり、物理的視点を重視する姿勢は前著と同様である。
教科書で学ぶ様々な基本概念に関しても、ユニークなアプローチだ。
正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、標準偏差や分散、最小2乗法が直観的に理解できる。
ただ、ここでは単純化のためグラフが正規化され係数が省略されるなど、いくつかの条件を付加されている。
この辺り、初学者が読むと教科書との違いに困惑する恐れ無しとはいえない。
続く中級編での中心極限定理、これも極めて明快である。
初級編でみた世界の多段式構造、そのバイアス部分だけが相殺され正規分布が現れるという理屈だ。
本書では触れていないが、ベキ分布などで非線形により正規分布が出てこない仕組みも容易に推察できる。
(筆者は本人サイトで、将来的にはこうした範囲も含めた解説をしたいとしている。楽しみだ)
確率過程とBS理論も要点がコンパクトにまとめられている。
次の教養としてのBS理論の部分に関しては、評価が分かれるかもしれない。
ただ、このような試みも、理論が直観化されて初めて可能になるもので、興味深い試みではある。
第四章の測度とルベーグ積分は、ややおまけ的な位置付け。数学的な雰囲気を知るにはいいだろう。
著者の一連の著作を読んでいつも思うのだが、数学を自然言語で説明するのは本当に困難である。
筆者のような手練であっても苦しい部分は出てくる。それゆえ厳密性に価値を置く方からは書かれないタイプの書籍なのかもしれない。
しかし、一貫したテーマで理論を大掴みする視点とリスクを敢えてとる勇気は貴重である。
こうした書き手がもっと多く現れることを期待し、本書を評価したい。
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『経済数学の直観的方法 確率・統計編』(その1) 長沼伸一郎著 - ケスケラの読書と旅の日記
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一昔前に社会人入学により大学院でファイナンスを勉強したことがあったが、修士は簡単に取得できたものの、さすがに博士ともなると歯が立たなかった。ゼミ仲間の大半は修士課程で修了したのだが賢明だと思う。
博士号取得の要件として「論説」扱いの査読論文を何本か書く必要があるのだが、1本はすんなり雑誌に掲載してもらったものの後が続かなかった。同じゼミの若者が米国で受賞したとか掲示板に貼られているのを目にすると、自分には到底およばないと思った。やはりルべーグ積分とか空手踊りの定理は難しい。たかが投資理論なのに、なんでそんなに難しくする必要があるの?と言いたくなる。
というわけで、なんだか恨みのあるファイナンスだが、著者によるとこの本は文系・理系を問わず、あくまで確率・統計を理解することを主眼としており、ファイナンスはその題材として位置付けられているようなので、いつもながら本質的な誤解を晴らしてくれるかもしれないと期待しつつ勉強し直すことにした。
「初級編」
この本は最初から類書と異なり意表を突く。
多くの確率統計の本はサイコロ・場合の数の説明から始めるのだが、著者によるとそもそも確率統計の体系化を行ったガウスの頭の中にどんなイメージがあったかの説明が抜けているということである。
つまり著者は確率統計に一体どんな理論的魅力があるかを最初に説明するのである。
人間の無知を小綺麗に処理するツールに過ぎないのか、それとも現象に潜む「神の指紋」を読み取るものか。
著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは次の二つであると著者は指摘している。
①誤差の分布をみると一方に偏った誤差は何らかの理論で修正できるが、プラスマイナス均等に生じる誤差は理論によって修正することができない。
②この世の誤差は±1の誤差が生じる単位が連続することで多段式に生まれている。
この①と②を組み合わせると、この世のすべての誤差が最終的にどのような形になるのかが予測できることになる。
著者はこのメカニズムを、個体差を生み出す「造物主のベルトコンベヤー」としている。
多くの確率統計の本はラプラス流の場合分けから始まり公理化へと進むのだが、それだとやはり真の原因が分からないので例えばサイコロの目が出る確率が場合分けにより1/6の均等とみなして数学的に処理するというイメージになる。
ガウスの発想は逆である。世の中の誤差に偏りがあればそれは何らかの理論で修正できる。しかし偏りのないバラツキは理論では修正できない。ではそのバラツキはどのような形状になるかという発想であり、それが正規分布曲線である。
著者によると多くの確率統計の本は「この世界にある物事のばらつきは、正規分布に従うことが多い」と書いてあるだけで、「どうして物事は正規分布に従うのか?」という問いについて説明がないと指摘している。著者はその問いに真っ正面から応えている。
著者は正規分布のイメージとしてパチンコの釘が均等に打たれた台の上から無数の球を落とすと、釘によって左右に分かれ、台の下に積もった球の形状が正規分布になると説明している。この一段一段が先程のガウスの②に相当する。数学的にはパチンコの釘が十数段の場合が二項分布、釘を無限に増やしたものがその極限としての正規分布であるという。どれほど小さな確率でも常に右か左に分かれ続ける球が存在しうるので、正規分布がX軸に接しない(0にならない)ことがイメージできる。
著者によると高校生は二項分布までは理解できるが、その極限をとるとe^(-ax^2)という関数になるので高校数学で扱えないため正規分布を天下りに丸暗記させられることがトラウマになるのではないかとしている。もっともである。
こうなると無知を棚上げしているというイメージではない。なぜ個体差が生じるのかということが数学的に説明できている。もちろん各段階で左右に均等に分かれる理由は不明だが、それはいかなる理論でも不明なのである。
(私の感想。例えば観測結果のバラツキが正規分布に従うという場合、その観測結果が生じるプロセスを分解した最小単位の誤差がプラスマイナス偏りなく生じているということが前提となる。天体望遠鏡の例でいうと、対物レンズ、鏡筒内部の空気のゆれ、接眼レンズなどの各点での光の進行方向のズレが左右どちらにも均等に生じうるという前提がある。どちらかに偏ってズレが生じるなら正規分布にはならない。だが多くの観測結果が概ね正規分布に従うということは、プロセスを分解していくと理由なく均等に枝分かれするということだろうか。例えば学力が正規分布に従うのは、人生には無数の選択肢があり、個々の選択肢は左右均等に選択されるが、頭に悪い選択を続けた人と、頭に良い選択を続けた人と、それらを組合せた人の学力が正規分布という結果になるのだろうか。パチンコ玉ではそういうイメージになるのだが、いくらなんでもそう都合良く各分岐点が左右均等に分かれるだろうか。この疑問に対する答えは次の中心極限定理で明らかになる)

「中級編」
この編では最小2乗法、中心極限定理、確率過程とランダム・ウォークが説明されている。
最小2乗法の本質とは、「データの背後に隠されている正規分布曲線の中心線の位置を推理すること」である。
数学ではフラットランドなど、理解困難な高次元の世界を低次元の世界に置き換えてイメージすることが多い。著者もまた、分布のバラツキが正規分布ではなく三角形に従うパラレル・ワールドを想定して直観的に説明している。真の値をxとして観測結果からのズレ|x-a|を足して、それが最小になるxを求めれば、xが三角形分布の中心の座標になる。
なぜならxが三角形の中心ならば最小になるからである。最小2乗法も同様に類推できるというわけである。
中心極限定理の説明も素晴らしい。
これは先程の初級編に対する私の疑問に応えるものだが、一般的に誤差のバラツキというものは①「偏りがあって理論で修正できる部分」と②「左右均等に生じて確率的に扱うしかない部分」の二つに分かれるが、その中間に規則的な偏りが生じる部分もある。正規分布は②の連続過程の結果として現れることになる。これに対し①についてはトレンドとして外部変数とし、中間の偏りに規則性がある部分はそれを導入することで何通りもの確率分布をつくることができる。
(統計ソフトを使って時系列データを入力して予測式を出力するとトレンド項+確率項になり、この確率項が正規分布やt分布などに分かれる。これは上の説明により、ローカルセオリーで説明できるのがトレンド項、規則的な偏りがある場合が正規分布以外の分布になると理解できる)
著者は、まず中心極限定理とはこれら様々な確率分布をすべて合成するとその結果が正規分布になるというものであると簡潔に説明し、なぜそうなるのかを直観的に説明している。
例えば雲の水滴の動きはランダムに上下するのだが、大気温度により下向きにバイアスがかかると中心線が左よりの分布Aになり、太陽光により上向きにバイアスがかかると右よりの分布Bになる。この二つの分布を合成すると偏りの大きさが左右同じであれば正規分布になるというのである。これはガウスの多段式構造をイメージすれば容易に理解できるのだが、二つの分布にいたったプロセスをそれぞれa1a2a3a4・・・、b1b2b3b4・・・とすると、両者を結合してa1a2a3a4・・・b1b2b13b14をつくり、さらにa1b1a2b2・・・と交互に組み直して(組み直しても結果が変わらないことは直観的に分かる)a1b1の1単位をみると左右の偏りが同じ大きさであれば相殺されて正規分布の1単位と等しいことになるからである。この定理を題名とする本があるぐらい、かなり高度な数学を必要とする難解な定理なのだが、本質的な部分は直観的に理解できる。
以上の説明は偏りが同じ大きさであるという単純な仮定があるが、確率分布の種類が多くなると偏りの大きさが異なっていても均されて、例えばA分布B分布C分布・・・がそれぞれ異なる確率分布であっても同様に結合して組み直して1単位a1b1c1d1e1f1・・・についてみると、合成する分布が多ければ多いほどプラスマイナスのバイアスが相殺されて1単位が±1で均等になり、正規分布を生成する1単位に近づくことも直観的に予想できる。要は分布の結果ではなく、その分布を生成したプロセスの最小単位に着目すれば中心極限定理の理解は容易である。
すると学力が正規分布に従うのは、人生には様々な種類の選択肢があり、それらは均等に選択されず大きさの異なる偏りがあるかもしれないが、すべての確率分布を合成して均した結果だと言えるかもしれない。多くの観測結果が正規分布に従うのも、単純に二項分布の極限としてではなく、様々な確率分布が合成されて中心極限定理に従う結果であろう。
この定理がありがたいのは、経済予測に使えるということである。
株式市場などは多数の社会的経済的影響に起因する確率分布があり、それらは異なった確率分布なのだが、すべてを合成すると中心極限定理によって正規分布になるとみなしうるからである。
(私の感想。著者は「最後に笑うものは正規分布」といい、「正規分布よりもっと進んだものをベースにすれば優れた理論ができるのか」と疑問を呈しておられる。しかし「べき分布」のように合成しても正規分布に収束しない特殊な分布もある。だがそれは中心極限定理に従わないのではなく、収束する分布が正規分布ではなく安定分布になるという違いにすぎない。著者の明快な説明によって株価変動に正規分布が仮定される数学的理由については理解できた。しかしLTCMなどにみられる金融工学の破綻はベキ分布を正規分布と取り違えていたからであるとする説もある。このことは著者への反論ではなく、むしろ著者自身の説明を延長すれば、べき分布が正規分布に収束しないのは裾がべき乗で減衰するから他の分布と合成してもプロセスの最小単位が±1に相殺されないからだろうと直観的に理解できるのである。この本には書いてないのだが、この本を読むことで安定分布がなぜ数学的に扱いが困難であるかも類推でき、ぼんやりとした安定分布のイメージがクリアになる。中心極限定理も驚異的だが、ここまで短時間で本質を理解させる著者の力量も驚異的であると思う)
ブラウン運動とブラック・ショールズ理論。
著者はブラウン運動が正規分布現象を2次元平面上に拡張したものだと説明する。どういうことか。著者の説明は0度(水平)と10度の二つの方向で説明しているのだが、これは0度と10度に分岐するというのではなく、0度方向への二項分岐と10度方向の二項分岐がともに正規分布であるから重ね合わせても正規分布になるということであろう。したがってこれを360度に拡張しても同様に中心極限定理によりその合計が正規分布になり、ブラウン運動自体が正規分布のバリエーションということになる。
次に著者はプロセスの分岐点を増やすことと時間が増えることとを混同してはならないという。
これもまたパチンコ玉のイメージで分かり易く説明されている。時間が増えるというのは、釘の数を一定にして、その前に長く座っている状態である。この場合は球がどんどん増えて台の下に積もる形状はあらかじめ想定された正規分布に限りなく近づいていく。しかし、分岐点が増えるということは釘の段数が増えていくというイメージであり、この場合は、台の下に積もる形状はシグマの幅が大きくなって分布の形状がなだらかになる。だから分布曲線の広がりは時間に比例するのではなく、分岐点の増加に比例するのである。
次に原点から出発してランダムウォークを繰り返すと、分岐点が多いほど最終結果が拡散するのはなぜかという疑問も直観的に説明されている。
常識で考えると分岐点毎に±1方向へ等しく分岐するのであれば、数多く繰り返すことによって大数の法則によりプラスマイナスが相殺されて原点に戻るのではないかと思われるのだが、逆に拡散するのである。
著者はこれを360度シンメトリーに二項分岐しながら拡散していくベクトルによって説明している。このベクトルを単純合計すれば確かにプラスマイナスが相殺されて0になり原点に戻る。だが各ベクトルの原点からの距離を絶対値として合計すると分岐点の増加とともに距離の合計は逆に増加するのである。
水面に垂らしたインクが均等に円形に広がるのは、原点からの距離が増加しているからである。それは左右上下シンメトリーであるから距離である絶対値をはずしてみれば、プラスマイナスがきれいに相殺されてゼロになることが分かる。時間と共に何が拡散し何がゼロになるかがが直観的にイメージできる。
(かつて似たような図を何度も描いたことがあるが、それでも曖昧だった。著者の説明でようやくクリアになった。この本は面白すぎる。ゆっくり賞味したいので、今日のところはこれまでとし、また続きとする)


『経済数学の直観的方法 確率・統計編』(その2) 長沼伸一郎著 - ケスケラの読書と旅の日記
http://blog.goo.ne.jp/clezio0/e/464e02c51ebdad4af1390e186684604f
前回述べたように著者は非常に大事なことを指摘している。ブラウン運動において時間と共にボラティリティが拡大するのは、時間の性質によるのではないということである。
あくまで時間と共にジグザグ回数が増えることがボラティリティ拡大の原因である。
この前提がないとインクは広がらないのである。
時間と共に分岐回数が増え分散が大きくなっていく。これをどうイメージするか。
著者は二種類のゲームで説明している。一つは普通のコイン・トスで表が出たら+1、裏が出たら-1となるのだが、回数を増やしていくと大数の法則で得点は0に近づく。
もう一つは絶対値ゲームである。例えば10回1セットを交互にふって合計値の絶対値を各々の得点とするゲームである。これなら1セットが+3、-2などの値を取り得るが、得点はそれぞれ3、2となり、得点数が多い方を勝者とするのである。つまりボラティリティが大きい方が勝つというわけである。この場合も絶対値をはずして全体を集計すると0に近づくが、1セット辺りの回数を増やすと逆に得点数が大きくなっていくことになる。
二人で勝負するとどちらもプラスになるが、得点の大小を比較して小さい得点の者が支払うというルールにすれば、ゲームとして成り立つと思う。金融工学がボラティリティのゲームであることがこれでイメージできる。リスクヘッジして絶対値ゲームになるように工夫すれば、分散の大きい方が勝者になるわけだ。(もちろんフリーランチは無裁定価格理論によりありえないから、予想された分散によって拡大すると計算された利益がその金融資産の価格になる)
ボラティリティが√nに比例して大きくなることも絶対値ゲームで明快になる。
ウィーナー過程においてボラティリティが√tに比例して拡大するというのは、時間が原因ではなく、例えば株取引回数(n回)が時間と共に増えるという前提によるものだということも明快になる。
著者はブラックショールズ理論が無裁定価格を前提とするオプション契約の価格付けの理論であることを度外視して、ボラティリティ変動だけで必ず利益が出るような説明をしている。これは奇異に感じるのだが、著者のように大きな視点でブラックショールズを評価する場合には、金融取引以外にも類推できるようにボラティリティ変動のみで説明した方が分かり易いのかもしれない。例えば著者の説明によると、農業は天候によって利益が左右されるが、貿易は天候の良い国から農産物を安く買って天候の悪い国へ高く売れば利益が得られることになる。さらに全世界の天候が悪い場合でも、豊作と不作の度合いが少しでも異なっていれば、その価格差で利益を得ることができることになり、商業国が農業国を圧倒した歴史的理由がそこにあると推定している。
著者の描いている航空機パーツ債券とジュラルミン債券のグラフも、要するに裁定取引の一例なのだが、そういう裁定機会は瞬時になくなるのが通常ではないかと思われる。
しかしそれは著者の言うように、地域価格差を利益の源泉とする貿易が貿易の発達自体によって価格差がなくなっていくのと同じことかもしれない。昔の時代はそれが緩やかに進むのだが、現代では情報や電子取引の発達で裁定機会が瞬時になくなってしまうのであろう。

『上級編』
確率微分方程式とは何か。
確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これは初級編のガウスの頭の中の①と②に相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。
つまり各分岐点により枝分かれしていく多段式構造の中の一つの分岐点を示したものである。それにトレンドとしてA1dtが加わったものに過ぎない。A1dtがプラスかマイナスかで、枝分かれして二項分布から正規分布へ広がっていく分岐の流れ全体がA1dtにより上下に偏るということである。したがってこの式により価格予測モデルが可能になる。
だがこれは原資産(例えば株価)の確率微分方程式であって派生証券の式ではない。
仮に派生証券の価格をYとし原資産価格をXとして、Y=F(X)とすると、派生証券の確率微分方程式価格を求めることは、dy=F(dx)を求めることを意味する。
するとdy=F(A1dt+B1dw)となる。
この式が原資産価格と同様に、例えばdy=A2dt+B2dw のような形になれば、つまりドリフト項と確率項が分離して求められれば価格予測が容易になるのだが、そう簡単ではなかった。伊藤のレンマが重要なのは、それを使うことによりdy=A2dt+B2dwの形にできたということである。これにより派生証券の価格予測モデルが可能となり、オプション評価が可能となる。
本書はその導出過程を詳細に説明しているが、結論だけ示すと、派生証券のトレンド項のA2とB2は次のようになる。
A2=(dF/dx)A1+1/2(Fの2階微分)B1^2
B2=(dF/dx)B1
この伊藤のレンマがどれほど重要かは、Y=F(X)からさらにZ=F(Y)へと拡張しても適用できること、A1が定数ではなく関数の場合にも使えること、またB2により拡散が大きくなるのか小さくなるのかも分かることなどから、ファイナンスだけでなく、確率統計論の世界でも画期的であり、著者によるとガウスの正規分布に次ぐ発見ということである。
無リスクポートフォリオとは何か。
二つの資産価格がY=F(X)の関係になっていれば何でも良いのだが、派生証券が明らかに原資産Xと連動しているので、派生証券と原資産の組合せで無リスクとする方法が、この伊藤のレンマで得られるのである。
上の説明から二つの資産のボラティリティがB1dwとB2dwなので、それらを相殺させるように組み合わせばリスクを消すことができる。それは伊藤のレンマによりB2=(dF/dx)B1であるから、X資産を1単位売って、Y資産をdF/dx単位買えば無リスクとなる。この係数dF/dxが金融界ではデルタと呼ばれている。
著者はさらに伊藤のレンマに関して面白い指摘をしている。つまり文系の人間は無リスクということで係数Bの変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いていくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるというのである。
ルべーグ積分がなぜ必要なのか。
ただ以上の説明は著者が述べているようにdwについて微分可能という前提があるのだが、ジグザグ運動は不連続だから微分不可能である。
この論理の穴を埋めるため、確率微分方程式ではルべーグ積分が必要になり、話が難しくなるのである。
ファイナンスに関心のある人なら一応そこまでは知っているであろうが、私などは、「どうせ微分可能なことが分かっているのなら、それでいいんじゃない」と思ってしまうのである。だから当面知りたいのは、わざわざ苦労してルべーグ積分や測度論を理解して、何が嬉しいのかということである。メリットがはっきりしていれば努力のしがいもある。
著者の見解は、実務としてオプション価格を算定するためだけなら、ルべーグ積分は不要であるとのことだ。ただ、経済の世界はすべて離散量であって、通常のナントカ関数で議論しているのはすべてアナログ近似しているに過ぎないことに留意するなら、経済学においてこそルべーグ積分の考え方が不可欠ということになる。
例えば期待値の計算にしてもグラフにするとX軸を当選確率、Y軸を賞金とすると、期待値はグラフの面積になるのだが、よく考えてみると当選確率が横軸とは面妖である。それも有限区分で離散和Σなら理解できるが、無限区分して積分∫で期待値を求めることには違和感がある。確率の無限区分dpがX軸とはどういう意味なのか?
このときルべーグ積分の考え方を知っていれば違和感なく受け入れられることになる。
つまりリーマン積分はdxに対するdyを合計するのだが、この場合xが連続量であるという前提がある。ルベーグ積分においてはdxが何でも良い、ただ積分に必要な要件を満たしておれば良いという発想である。その要件とはdx+dx=2dxというように加法性があるということだが、dpの区分もdp+dp=2dpであれば、別に数字でなくても積分できるということである。メッシュに区分して重複せずに重なること、例えばdp+dpが1.5dpになったりしなければ積分できるということである。
つまり微小区間の集合に完全加法性(区間が互いに素で重ならないこと)があれば、どんな抽象的なもの(確率、取引、各種イベント、有理数か無理数か(ディリクレ関数)など)でも微小区間dxの代替になるということである。
この微小区間を仮にm(Ai)とすると、Σm(Ai)=m(∪Ai) i=1,2,3,... という要件が満たされていれば積分可能になる。このm(A)が測度である。先程のdpもこの要件を満たしているから積分可能なのである。つまり測度とはdxの代替品というイメージである。
私は著者の全著作を読んできたが、読むたびに驚きを禁じ得ない。今回もまたルベーグ積分や測度概念について、これほど読んで分かる説明は初めてである。厳密に知る前に一読しておくと有効な指針となる。著者には感謝している。関心のある人は絶対に読むべき本である。

このブログで様々な読書感想を書いてきたが、私は今回のこの本に最大の感動をおぼえ理論的野望をかき立てられた。
ルベーグ積分が何の役に立つのかという疑問は既存の理論を眺めていても答はない。せいぜい金融理論の基礎付けでしかない。それだけのために勉強するのはあまりにも徒労だ。
だがルベーグ積分には恐るべき可能性が潜んでいるようだ。微小区間のdxが連続量でなくても完全加法性があれば積分可能であるということは、これまで計量不可能であると思われていた対象にも数学が適用できる可能性を示している。
(その後、勉強し直してみて、極限に収束させるには完全加法性だけでは駄目で、外測度と内測度が一致する可測性が必要だと分かった。人間は絶えず成長するものである)
だから積分可能性の条件を正確に理解する必要がある。それを武器にすれば新しい理論が生まれるかもしれない。




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『経済数学の直観的方法 確率・統計編』(ブルーバックス)長沼伸一郎2016/11 …読書と旅の日記
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https://honto.jp/netstore/pd-book.html?prdid=28132003#productInfomation honto
目次:
第1章 初級編
1.確率統計を理解するための根本思想
2.われわれの世界の確率統計はどう成立したか
3.補足的な基礎知識
第2章 中級編
1.最小2乗法の本質
2.中心極限定理の不思議
3.ブラウン運動とブラック・ショールズ理論
4.教養としてのブラック・ショールズ理論
第3章 上級編
1.伊藤のレンマと確率微分方程式
2.実際のブラック・ショールズ理論
第4章 測度とルベーグ積分


正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、標準偏差や分散、
最小2乗法が直観的に理解できる。

2:2図

パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
     /  |  \           o   |   o
 ___/___|___\__      ______|______
 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法


著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。

2:34図(略、加筆):
               
ブラウン運動           ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)       (②多段式、修正可能な誤差)
         |______|
          伊藤のレンマ
            ↓
        (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合する。文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。

中級編ラストで複利を批判するなど物理学的な視点だからこその根本的な批判があり興味深い。

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第1章 初級編(1.確率統計を理解するための根本思想/2.われわれの世界の確率統計はどう成立したか/3.補足的な基礎知識)
第2章 中級編(1.最小2乗法の本質/2.中心極限定理の不思議/3.ブラウン運動とブラック・ショールズ理論/
        4.教養としてのブラック・ショールズ理論)
第3章 上級編(1.伊藤のレンマと確率微分方程式/2.実際のブラック・ショールズ理論)
第4章 測度とルベーグ積分

正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、標準偏差や分散、
最小2乗法が直観的に理解できる。

2:2図

パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
     /  |  \           o   |   o
 ___/___|___\__      ______|______
 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法


著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。

2:34図(略、加筆):
               
ブラウン運動           ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)       (②多段式、修正可能な誤差)
         |______|
          伊藤のレンマ
            ↓
        (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合する。文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。

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2:29 午後  
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第2章 中級編(1最小2乗法の本質/2中心極限定理の不思議/3ブラウン運動とブラック・ショールズ理論/
        4教養としてのブラック・ショールズ理論)
第3章 上級編(1伊藤のレンマと確率微分方程式/2実際のブラック・ショールズ理論)
第4章 測度とルベーグ積分

正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、標準偏差や分散、
最小2乗法が直観的に理解できる。

2:2図
パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
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 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法


著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。

2:34図(略、加筆):
               
ブラウン運動           ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)       (②多段式、修正可能な誤差)
         |______|
          伊藤のレンマ
            ↓
        (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合する。文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。

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2:31 午後  
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第2章 中級編(1最小2乗法の本質/2中心極限定理の不思議/3ブラウン運動とブラック・ショールズ理論/
        4教養としてのブラック・ショールズ理論)
第3章 上級編(1伊藤のレンマと確率微分方程式/2実際のブラック・ショールズ理論)
第4章 測度とルベーグ積分

正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、最小2乗法が直観的に理解できる。

2:2図
パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
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 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法

著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。

2:34図(略、加筆):

ブラウン運動               ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)         (②多段式、修正可能な誤差)
         |__伊藤のレンマ___|    
               ↓
          (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合する。文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。

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第2章 中級編(1最小2乗法の本質/2中心極限定理の不思議/3ブラウン運動とブラック・ショールズ理論/
        4教養としてのブラック・ショールズ理論)
第3章 上級編(1伊藤のレンマと確率微分方程式/2実際のブラック・ショールズ理論)
第4章 測度とルベーグ積分

正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、最小2乗法が直観的に理解できる。

2:2図
パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
     /  |  \           o   |   o
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 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法

著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。2:34図(略、加筆):

ブラウン運動               ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)         (②多段式、修正可能な誤差)
         |__伊藤のレンマ___|    
               ↓
          (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合するが、文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。

中級編ラストで複利を批判するなど物理学的な視点だからこその根本的な批判があり興味深い。

2:34 午後  
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第1章 初級編(1確率統計を理解するための根本思想/2われわれの世界の確率統計はどう成立したか/他)
第2章 中級編(1最小2乗法の本質/2中心極限定理の不思議/3ブラウン運動とブラック・ショールズ理論/他)
第3章 上級編(1伊藤のレンマと確率微分方程式/2実際のブラック・ショールズ理論)
第4章 測度とルベーグ積分

正規分布が三角形であるパラレルワールドという仮定のもと、最小2乗法が直観的に理解できる。以下2:2図:

パラレル・ワールド             われわれの世界

データの                データの
背後に     |           背後に    |
隠された    |           隠された   o
三角形    /|\          正規分布 o | o
      / | \         曲線   o | o
     /  |  \           o   |   o
 ___/___|___\__      ______|______
 三角形の中心線位置を推理         正規分布曲線の中心線位置を推理
       ↓                  ↓
  最小(絶対値)1乗法           最小2乗法

著者によるとガウスが研究していたのは「確率論」ではなく「誤差論」であるという。
ガウスの抱いていたイメージで重要なのは以下にある①と②二種類の誤差だ。2:34図(略、加筆):

ブラウン運動               ポートフォリオ
(①修正不可能な誤差)         (②多段式、修正可能な誤差)
         |__伊藤のレンマ___|    
               ↓
          (ブラックショールズ)

確率微分方程式の例はdx=A1dt+B1dwであるが、これはガウスの頭の中の①と②に
相当する。①がA1dtであり、②がB1dwである。

技術的には伊藤のレンマが両者を統合するが、文系の人間は無リスクということで係数Bの
変換に関心があるのだが、理系の人間は逆に物理で最も欲しい情報として世界がどう動いて
いくかに関心があるため係数Aの変換に関心があるという。…
中級編ラストで複利を批判するなど物理学的な視点だからこその根本的な批判があり興味深い。

2:36 午後  
Blogger yoji said...

伊藤清三「ルベーグ積分入門」は名著なのかも知れないが初心者にはピンと来ない
以下の書がいい。

ルベーグ積分30講 1990年 志賀浩二 #18より

 日常的な例で,関数列fnがfにー様収束しないような状況を感じとってもらおう。
図は,xy-平面上に底面がおかれた,1辺が1の立方体で,上面には大きさの違う
細かい穴が隙間のないほどいっぱいあいている.この上から細かい砂をー様に落とし
ていくとする,あるいは立方体の上面に箱を乗せ,そこに砂を詰めたと思ってもよ
い.砂は穴から下の立方体ヘと落ちていくが,穴の大きいところでは,砂はどんどん
高くなり,穴の小さいところでは,砂はごく微少な量だけ積もってくる.砂はあまり
崩れないとすると,この状況は図で察せられるだろう.数学的に考えるときに
は,穴の大きさは(そしてまた砂粒の大きさも)いくらでも小さくとってもよいとす
る.このとき,立方体の底面(x , y)から測ったn秒後における,砂の高さをfn(x,y)
とすると,n→∞のとき,fn(x,y)→1である.これは,どの点(x,y)をとっても,
点(x,y)上で砂はいつかは立方体の上面にまで達するということである,しかし,
たとえば点(a,b)で上面の穴が小さければ,砂はごくわずかずつしか落ちないから
1万秒たっても,まだそこでの砂の高さは,1/1000に達していないかもしれない,
そのことは
f10000(a, b) < 1000
を示す,すなわち,非常に速く砂の高さが1に達する場所と,恐ろしいほど長時間た
ってから高さが1に達する場所とが散在している.このようなとき,fn(x , y)は1に
一様に収束していない.
n秒後の砂の体積を測ってみても,これが究極的には立方体を埋めつくし,体積1
となることは予想できないだろう.

       ________________
     /|・・・・・・・・・・・・・・・/| 
    /・|・・・・・・・・・・・・・・/・| 
   /・・|・・・・・・・・・・・・・/・・|  
  /___|___________ /・・・|
 |・・・・|・・・・・・・・・・・|・・・・| 
 |・・・・|・・・・・・・・・・・|・・・・|
 |・・・・|___________|____|
 |・・・/|(・・)・・・・・・・|(・)/|  
 |・・/・|・・・・・(・・)・・|・・/ |
 |・/(・)・・・・・・・・・・・|・/  |
 |/___|___________|/・  |
 |    | ・         |    |  
 |    | ・     ・   | ・  |
1|   ・|       ・   |    |
 |    |           | ・  |
 |    |_/\___/\___|____|y
 |   / /  \ /  \  |/\ /  
 |  /・ \__//    \ |--/ 
 | / /\    \____/ | / 1
 |/__--___________|/
x         1

あるいは以下の説明がいい、
wikiより

直感的な解釈
積分の定義方法の違いを直感的に理解できるように、山の(海抜より上の部分の)体積を計算する例
を考えよう。この山の境界ははっきりと定まっているとする(これが積分範囲である)。

リーマン積分による方法:

   ||
  ||||
 ||||||
||||||||

ケーキを切るときのように、山を縦方向に切り分けて細分する。このとき、各パーツの底面は長方形に
なるようにする。次に、各パーツで最も標高が高いところを調べ、底面の面積とその標高を掛け合わせ
る。各パーツごとに計算したその値を足したものを、上リーマン和と呼ぶことにする。同様のことを、
最も標高が低いところに対して行い、下リーマン和と呼ぶことにする。分割を細かくしていったときに、
上・下のリーマン和が同じ値に収束するときに、リーマン積分可能であるといい、その極限値が山の
体積になる。

ルベーグ積分による方法:
   __
  ____
 ______
________

山の等高線を地図にする。等高線にそって地図を裁断して、地図をいくつかのパーツに分解する。
各パーツは面積を計算できる平面図形なので(測度が分かっているので)、パーツの面積とそのパーツ
の最も低い点の標高を掛け合わせる。各パーツのこの値を足したものを「ルベーグ和」と呼ぶことに
する。この「ルベーグ和」はルベーグ積分の構成にあった、単関数の積分に相当する。等高線の間隔
を半分にしていったときの「ルベーグ和」の極限値が山の体積になる。



1:17 午前  
Blogger yoji said...


ルベーグ積分については以下の書がいい。

ルベーグ積分30講 1990年 志賀浩二 #18より

 日常的な例で,関数列fnがfにー様収束しないような状況を感じとってもらおう。
図は,xy-平面上に底面がおかれた,1辺が1の立方体で,上面には大きさの違う
細かい穴が隙間のないほどいっぱいあいている.この上から細かい砂をー様に落とし
ていくとする,あるいは立方体の上面に箱を乗せ,そこに砂を詰めたと思ってもよ
い.砂は穴から下の立方体ヘと落ちていくが,穴の大きいところでは,砂はどんどん
高くなり,穴の小さいところでは,砂はごく微少な量だけ積もってくる.砂はあまり
崩れないとすると,この状況は図で察せられるだろう.数学的に考えるときに
は,穴の大きさは(そしてまた砂粒の大きさも)いくらでも小さくとってもよいとす
る.このとき,立方体の底面(x , y)から測ったn秒後における,砂の高さをfn(x,y)
とすると,n→∞のとき,fn(x,y)→1である.これは,どの点(x,y)をとっても,
点(x,y)上で砂はいつかは立方体の上面にまで達するということである,しかし,
たとえば点(a,b)で上面の穴が小さければ,砂はごくわずかずつしか落ちないから
1万秒たっても,まだそこでの砂の高さは,1/1000に達していないかもしれない,
そのことは
f10000(a, b) < 1000
を示す,すなわち,非常に速く砂の高さが1に達する場所と,恐ろしいほど長時間た
ってから高さが1に達する場所とが散在している.このようなとき,fn(x , y)は1に
一様に収束していない.
n秒後の砂の体積を測ってみても,これが究極的には立方体を埋めつくし,体積1
となることは予想できないだろう.

       ________________
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x         1


あるいは以下の説明がいい、

wikiより


直感的な解釈
積分の定義方法の違いを直感的に理解できるように、山の(海抜より上の部分の)体積を計算する例
を考えよう。この山の境界ははっきりと定まっているとする(これが積分範囲である)。

リーマン積分による方法:

   ||
  ||||
 ||||||
||||||||

ケーキを切るときのように、山を縦方向に切り分けて細分する。このとき、各パーツの底面は長方形に
なるようにする。次に、各パーツで最も標高が高いところを調べ、底面の面積とその標高を掛け合わせ
る。各パーツごとに計算したその値を足したものを、上リーマン和と呼ぶことにする。同様のことを、
最も標高が低いところに対して行い、下リーマン和と呼ぶことにする。分割を細かくしていったときに、
上・下のリーマン和が同じ値に収束するときに、リーマン積分可能であるといい、その極限値が山の
体積になる。

ルベーグ積分による方法:
   __
  ____
 ______
________

山の等高線を地図にする。等高線にそって地図を裁断して、地図をいくつかのパーツに分解する。
各パーツは面積を計算できる平面図形なので(測度が分かっているので)、パーツの面積とそのパーツ
の最も低い点の標高を掛け合わせる。各パーツのこの値を足したものを「ルベーグ和」と呼ぶことに
する。この「ルベーグ和」はルベーグ積分の構成にあった、単関数の積分に相当する。等高線の間隔
を半分にしていったときの「ルベーグ和」の極限値が山の体積になる。

伊藤清三「ルベーグ積分入門」は名著なのかも知れないが初心者にはピンと来ない

4:37 午後  
Blogger yoji said...

以下『経済数学の直観的方法 確率・統計編』#4より

ルベーグ積分が真価を発揮するのは,冒頭でも述べたように,むしろ不連続な関数,つまりいくつかの点
だけで突然孤立した大きな値をとっていて,それらが点在しているような関数の場合なのであり,参考と
して述べておこう。
 その例としては,この学問の黎明期に純粋な数学的興味として議論されていた次のような問題を眺めると,
この話そのものがよくわかる。それは,積分する関数として「有理数の点ではf=1となるがそれ以外の無理数
の場所ではf=0になる」というような奇妙な関数を考えて「一体これを積分したら0になるのか一定の有限値に
なるのか,それとも無限大に発散するのか?」を調べるという問題である。…

f(x)
 |  
1|    ・   ・   ・    f(x)=0:xが無理数
 |    :   :   :    f(x)=1:xが有理数
 |____o___o___o__×  ♪f(x)dx=?
 0    |     |
     有理数   無理数

こんな関数の積分を行おうとしても,在来型のリーマン積分では全く歯が立たなかったのだが,
ルベーグ積分では,有理数部分の微小幅Δxを「測度」という形で抽象化して捉えることで,
0の部分と1の部分の抽象化して捉えることで,0の部分と1の部分の抽象的な幅を求めて,これ
を積分することができるのである(なお参考までに今の話の答えだけを示しておくと,この積分
値は0となる)。

…経済の話として確率論を学ぶ際には,測度やルベーグ積分についても,やはり「それが
何であるか」を知っていれば十分である。
測度論の場合も,上の話が頭にあれば,少なくとも議論のどの部分までがこの話なのかを識別できる
はずで,そして本当の重要な話は,ほとんどの場合その外で行われている。そのため測度論の部分は
後回しにして,先に攻略してしまうのが,理解の早道である(その際,もし面倒なら,要するに
「測度」というのは,積分の中についているdxやdpのことをそう呼んでいるのだ,という程度の
乱暴な理解でも,迂回前進を行うには十分かと思われる。)

4:38 午後  
Blogger yoji said...


偏差値のイメージ


m/d×10+50

        I                  o
三角形    /I\          本当は  o I o
      / I \         曲線   o I o
     /  ImI\           o   I  o
 ___/_d_I___\__      ______I______   
      
一番右端は偏差値70になる

7:03 午前  
Blogger yoji said...


偏差値のイメージ


x-m/d×10+50

        I                  o
三角形    /I\          本当は  o I o
      / I \         曲線   o I o
     /  I  \           o   I  o
 ___/_d_I___\__      ______I______   
        I I
        m x

(x-m)/dがその指標となり、
値が小さいほど平凡なグループに

7:11 午前  
Blogger yoji said...


偏差値のイメージ


(x-m)/d×10+50

        I                  o
三角形    /I\          本当は  o I o
      / I \         曲線   o I o
     /  I  \           o   I  o
 ___/_d_I___\__      ______I______   
        I I
        m x

(x-m)/dがその指標となり、
値が小さいほど平凡なグループに

10:57 午後  
Blogger yoji said...




横山 明日希
⁦‪@asunokibou‬⁩


二項分布が正規分布になる様子
pic.twitter.com/CsGDHJoOpo

2024/02/14 22:00


https://x.com/asunokibou/status/1757751699207561298?s=61

3:41 午前  
Blogger yoji said...




マシロ
⁦‪@sugaku_toukei‬⁩


⁦‪@asunokibou‬⁩ ゴルトンボードやっけか

2024/02/15 2:57


https://x.com/sugaku_toukei/status/1757826367453081957?s=61

3:45 午前  

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