フェルプス Edmund S. Phelps 統計的差別(statistical discrimination)1972
参考:
サーチ理論
フェルプス Edmund S. Phelps 統計的差別(statistical discrimination) 1972,2006年ノーベル経済学賞受賞
経済成長の黄金律
NAMs出版プロジェクト: ソローの成長モデル 1956
http://nam-students.blogspot.jp/2017/09/blog-post_15.html
ミルトン・フリードマン 資本主義と自由 Milton Friedman Capitalism and freedom 1962
ケネス・J・アロー (Kenneth J. Arrow), 1921-2017
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/j-kenneth-j-arrow-1921.html
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/j-kenneth-j-arrow-1921.html
フェルプス Edmund S. Phelps 統計的差別(statistical discrimination) 1972
ノーベル賞受賞者
ノーベル賞 受賞年:2006年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:マクロ経済におけるインフレ率と失業率との関係について論理的な分析を行った功績を称えて
Microeconomic Foundations of Employment and Inflation Theory, 1970.
https://www.amazon.co.jp/Microeconomic-Foundations-Employment-Inflation-Theory/dp/0393093263
全12篇の論文集。
吉川洋『現代マクロ経済学』(2000)5頁に解説がある。
《…長期のフィリップス·カープは右下りではなく, 自然失業率の水準で縦軸に平行な垂線となる. この
ような議論をFriedmanは展開した.
Friedman[1967/12]の会長講演から間もなくして刊行されたMicroeconomic Found
tions of Employment and Inflation Theory (Phelps [1970]) という書物に
集められた諸論文は,いずれもFriedmanの考えを精緻化したものである.
12篇の論文は定式化,力点の置き所など異なるにもかかわらず重要な共通点
を持っている。まず第1に,いずれの論文も労働市場が職種·地域などによ
って多数のローカルな市場に分断されていることを強調した。この事を
Phelpsは,論文集への「イントロダクション」の中で,労働者がその間を行
き来する互いに切り離された「島」(islands)の比喩を用いて巧みに説明して
いる. この比喩は, その後の文献でしばしば用いられることになった.第2
に,分断された市場の1つに居る経済主体は,他の市場ないしマクロ経済の
情況について不完全な情報しか持っていない, したがって不完全にしか認識
できない他の市場ないし一般の賃金·価格に関する「期待」が重要な役割を
果たす.当然のことながらそうした期待がどのように形成されるかも大きな
問題となる. ちなみにLucasの論文も含めて, この論文集ではすべて「適応
型期待形成」(adaptive expectations)が仮定されている。》
Microeconomic Foundations of Employment and Inflation Theory, 1970.
https://www.amazon.co.jp/Microeconomic-Foundations-Employment-Inflation-Theory/dp/0393093263
全12篇の論文集。
吉川洋『現代マクロ経済学』(2000)5頁に解説がある。
《…長期のフィリップス·カープは右下りではなく, 自然失業率の水準で縦軸に平行な垂線となる. この
ような議論をFriedmanは展開した.
Friedman[1967/12]の会長講演から間もなくして刊行されたMicroeconomic Found
tions of Employment and Inflation Theory (Phelps [1970]) という書物に
集められた諸論文は,いずれもFriedmanの考えを精緻化したものである.
12篇の論文は定式化,力点の置き所など異なるにもかかわらず重要な共通点
を持っている。まず第1に,いずれの論文も労働市場が職種·地域などによ
って多数のローカルな市場に分断されていることを強調した。この事を
Phelpsは,論文集への「イントロダクション」の中で,労働者がその間を行
き来する互いに切り離された「島」(islands)の比喩を用いて巧みに説明して
いる. この比喩は, その後の文献でしばしば用いられることになった.第2
に,分断された市場の1つに居る経済主体は,他の市場ないしマクロ経済の
情況について不完全な情報しか持っていない, したがって不完全にしか認識
できない他の市場ないし一般の賃金·価格に関する「期待」が重要な役割を
果たす.当然のことながらそうした期待がどのように形成されるかも大きな
問題となる. ちなみにLucasの論文も含めて, この論文集ではすべて「適応
型期待形成」(adaptive expectations)が仮定されている。》
In 2006, Phelps was awarded the Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel, referred to, colloquially, as the Nobel Prize in Economics for "his analysis of inter-temporal tradeoffs in macroeconomic policy." In announcing the prize, the Royal Swedish Academy of Sciences said Phelps's work had "deepened our understanding of the relation between short-run and long-run effects of economic policy."[24]
[24] "Short run – Long run" (Press release). The Royal Swedish Academy of Sciences. October 9, 2006. Retrieved 2008-08-17.
By Edmund Phelps; The Statistical Theory of Racism and Sexism. ... American Economic Review, 1972, vol. 62, issue 4 ...
The Statistical Theory of Racism and Sexism - Jstor
(Adobe PDF)
The Statistical Theory of Racism and Sexism. By EDMUND S. PHELPS*. My recent .... menZt Theory, New York 1972.
(PDF) The Statistical Theory of Racism and Sexism - ResearchGate
PDF | On Feb 1, 1972, Edmund S. Phelps and others published The Statistical Theory of Racism and ...
Edmund S. Phelps Source
(Adobe PDF)
The Statistical Theory of Racism and Sexism. Author(s): Edmund S. Phelps. Source: The American ...
EconPapers: The Statistical Theory of Racism and Sexism
By Edmund Phelps; The Statistical Theory of Racism and Sexism. ... American Economic Review, 1972, vol. 62, issue 4 ...
エドマンド・フェルプス (Edmund S. Phelps) - Cruel.org
エドマンド・フェルプスの主要著作 ... and Sexism", 1972, AER; "Taxation of Wage Income for Economic Justice", 1973, QJE ...
経済学の観点から(PDF:576KB)
(Adobe PDF)
モデルは,Phelps(1972)や Aigner and Cain(1977) .... and Sexism,” American Economic Review, 62(4), 659-661.
最後に,統計的差別について述べたい。統計的差別モデルは,Phelps(1972)やAigner andCain(1977)によって提唱された理論で,雇用主が(あまり合理的とは思えない)自らの好き嫌いに基づいて差別をするのではなく,利潤最大化に整合的に行動した結果,差別が生じるという理論である。統計的差別は,雇用主が,「平均的に,女性は生産性が低い,あるいは離職率が高い」と信じ,個々の女性労働者が平均的女性と同じであるとして取り扱われる時に起こる。統計的差別では,雇用主は意思決定をする時に,不完全な情報しか得られず,また不確実性があることを前提としている。つまり,採用時に,雇用主が応募者の能力,技能,資質を注意深く吟味したとしても,個々人が仕事において将来どのようなパフォーマンスを発揮するか,採用後どれくらい長く自社で働くかを,決して知ることができないと仮定している。採用や教育訓練に係るコストが高ければ高いほど,意思決定の失敗は高くつく。不確実性がある中で,雇用主が採用すべきかどうか,教育訓練を行うべきかどうかという意思決定を行う際に,生産性や離職率と相関する確率が高く,かつ,入手が容易な情報を利用するという統計的差別モデルは説得力がある。雇用主が,例えば,女性は男性に比べてキャリアに対する意識が低く仕事を辞める確率が高いと考えることはそれほど不思議なことではない。このように雇用主が信じていることは,時として,不正確であったり,現実より過大であったり,タイムラグを伴ったりする。しかし,問題をより難しく,複雑にするのは,雇用主が信じていることは,「平均的には」正しいことである。この問題が厄介なのは,統計的差別は,男女の平均的な違いに基づく雇用主の合理的な判断なので,市場の競争によって消えていかないことである。さらに,Arrow(1973)は,統計的差別はフィードバック効果を持つことでさらに有害になることを指摘した。例えば,雇用主が,女性は仕事を辞める確率が高いと考え,女性労働者の企業特殊訓練を少なくしたり,与える仕事を途中で辞められても被害が少ない仕事に変えたりした場合,女性は男性に比べてその雇用主の下で働き続けるインセンティブが低くなり,その結果,本当に離職する確率が高くなる。これによって,雇用主の認識はますます強化され,差別的な行動を変える理由はますますなくなる。このように,統計的差別は,フィードバック効果を伴う時,雇用主が男女の平均的な違いによって行動を変えたことは,最初は仮に正しくなかったとしても,長期的には固定的で,競争圧力によっても変化しないものとなってしまう。
参考文献
Aigner,DennisJ.,andGlenG.Cain(1977)
“StatisticalTheoriesofDiscriminationinLaborMarkets,
”Industrial and Labor Relations Review,30(2),175-187.
Versteckte Diskriminierung und Sucharbeitslosigkeit - ScienceDirect
Phelps, 1972. Phelps E.S.The Statistical Theory of Racism and Sexism. American Economic Review, 62 (1972), pp.
Maximal quality selection and discrimination in employment ...
Phelps, 1972. E. PhelpsThe statistical theory of racism and sexism. American Economic Review, 63 (1972), pp. 659-661.
The Statistical Theory of Racism and Sexism - Semantic Scholar
The Statistical Theory of Racism and Sexism ... Edmund S. Phelps; Published 2007. Your use of the JSTOR archive .... T. Theory, New York. H. Wonnacott and R. J. Wonnacott, Introductory… 1972 ...
http://d.hatena.ne.jp/tazuma/20080616
オバマついでに、経済学における差別の取り扱いについて一言触れておこう。経済学の中では、次のような2種類の差別を考える。
(1)選好による差別(taste-based discrimination)
(2)統計的差別(statistical discrimination)
(1)はベッカー(1971)に始まる、嗜好による差別に関する理論。白人と黒人は一緒に働くのを嫌がるとか、受付のサービスは同じ人種の方がおちつくとか、そういう話。もちろんこれは人種だけの問題だけではなくて、年齢やジェンダーに関する差別にも当てはまる。自分と違うタイプでそりが合わないだとかね。*1 この手の議論でよく言われるのは、差別的嗜好のある経営者は企業の利潤を最大化しないから、差別的嗜好のない経営者に負けて、市場から淘汰されていくというもの。この議論が現実的にどれだけ説明力があるのかは、実証的にまだけりのついていない問題だ。
(1)はセグリゲーションなどを説明するのにはなかなか適した理論だけど、実は学会でより受け入れられているのは、アロー(1972,1973)とフェルプス(1972)に始まる(2)の統計的差別の方だ。この理論は、情報に基づく差別を対象にする。情報に基づく差別は、個人個人の能力や属性をその個人がどのグループに属しているかということから推し量るときに起きる。例えば、個人としては優れた能力を持っているのに、黒人であるというだけで能力を低く見積もられるとかいう話がそうだ。
オバマついでに、経済学における差別の取り扱いについて一言触れておこう。経済学の中では、次のような2種類の差別を考える。
(1)選好による差別(taste-based discrimination)
(2)統計的差別(statistical discrimination)
(1)はベッカー(1971)に始まる、嗜好による差別に関する理論。白人と黒人は一緒に働くのを嫌がるとか、受付のサービスは同じ人種の方がおちつくとか、そういう話。もちろんこれは人種だけの問題だけではなくて、年齢やジェンダーに関する差別にも当てはまる。自分と違うタイプでそりが合わないだとかね。*1 この手の議論でよく言われるのは、差別的嗜好のある経営者は企業の利潤を最大化しないから、差別的嗜好のない経営者に負けて、市場から淘汰されていくというもの。この議論が現実的にどれだけ説明力があるのかは、実証的にまだけりのついていない問題だ。
(1)はセグリゲーションなどを説明するのにはなかなか適した理論だけど、実は学会でより受け入れられているのは、アロー(1972,1973)とフェルプス(1972)に始まる(2)の統計的差別の方だ。この理論は、情報に基づく差別を対象にする。情報に基づく差別は、個人個人の能力や属性をその個人がどのグループに属しているかということから推し量るときに起きる。例えば、個人としては優れた能力を持っているのに、黒人であるというだけで能力を低く見積もられるとかいう話がそうだ。
統計的差別
"Models of Job Discrimination", 1972, in Pascal, editor, Ractial Discrimination in Economic Life
Arrow
"Models of Job Discrimination", 1972, in Pascal, editor, Ractial Discrimination in Economic Life
Arrow
石川経夫 所得と富280参照
エドマンド・フェルプス (Edmund S. Phelps), 1933-

2006 年にノーベル経済学賞受賞。
エドマンド・フェルプスの主要著作
- "A Test for the Presence of Cost Inflation in the United States, 1955-57", 1961, Yale Economic Esssays.
- "The Golden Rule of Accumulation: A fable for growthmen", 1961, AER.
- "The New View of Investment: A Neoclassical analysis", 1962, QJE
- "The Accumulation of Risky Capital: A Sequential Utility Analysis", 1962, Econometrica
- "Substitution, Fixed Proportions, Growth and Distribution", 1963, IER
- Fiscal Neutrality Toward Economic Growth, 1965.
- "Second Essay on the Golden Rule of Accumulation", 1965, AER
- "Anticipated Inflation and Economic Welfare", 1965, JPE
- Golden Rules of Economic Growth, 1966.
- "Investment in Humans, Technological Diffusion, and Economic Growth", with R.R. Nelson, 1966, AER
- "Factor-Price-Frontier Estimation of a 'Vintage' Production Model of the Postwar United States Nonfarm Business Sector" with C. Phelps, 1966, REStat
- "Phillips curves, Expectations of Inflation and Optimal Unemployment Over Time", 1967, Economica.
- "On Second-Best National Saving and Game-Equilibrium Growth", with R.A. Pollack, 1968, RES
- Microeconomic Foundations of Employment and Inflation Theory, 1970.
- "Money, Public Debt, Inflation and Real Interest", with E. Burmeister, 1971, JMCB.
- Inflation Policy and Unemployment Theory: The cost-benefit approach to monetary planning, 1972.
- "Money, Public Expenditure and the Labor Supply", 1972, JET
- "The Statistical Theory of Racism and Sexism", 1972, AER
- "Taxation of Wage Income for Economic Justice", 1973, QJE
- "Inflation in a Theory of Public Finance", 1973, Swedish JE.
- Fiscal Neutrality Toward Economic Growth, 1974
- "The Indeterminacy of Game-Equilibrium Growth in the Absence of an Ethic," 1975, in Phelps, editor, Altruism, Morality and Economic Theory
- "Linear Taxation of Wealth and Wages for Intergenerational Lifetime Justice: Some Steady-State Cases," with J.A. Ordover, 1975, AER
- "Linear 'Maximin' Taxation of Wage and Property Income on a "Maximin' Growth Path", 1976, in Balassa and Nelson, editors, Economic Progress, Private Values and Public Policy:
- "Social Policy and Uncertain Careers: Beyond Rawls's Paradigm Case," 1976, in Grieson, editor, Urban and Public Economics
- "Recent Development in Welfare Economics: Justice et Equite," 1977, in Intrillagator, editor, Frontiers of Quantitative Economics
- "Stabilizing Powers of Monetary Policy under Rational Expectations", with J. Taylor, 1977, JPE.
- "Rawlsian Growth: Dynamic Programming of Capital Wealth for Intergeneration 'Maximin' Justice," with J.G. Riley, 1978, RES
- "Commodity-Supply Shock and Full-Employment Monetary Policy", 1978, JMCB
- "Inflation Planning Reconsidered," 1978, Economica
- "Trans-National Effects of Fiscal Shocks in a Two-Country Model of Dynamic Equilibrium", 1978, CROCH
- "Disinflation without Recession: Adaptive guideposts and monetary policy", 1979, WWA.
- "On the Concept of Optimal Taxation in the Overlapping-Generations Model of Economic Growth," with J.A. Ordover, JPubE
- Studies in Macroeconomic Theory, 2 vols, 1979-80.
- "Cracks on the Demand Side: A Year of Crisis in Theoretical Macroeconomics", 1982, AER
- "A Model of Non-Walrasian General Equilibrium: Its Pareto Inoptimality and Pareto Improvement," with G.A. Calvo, 1983, in Tobin, editor, Macroeconomics, Prices and Quantities.
- ."Implicit Contracts and the Social Contract" 1983, in Dornbusch and Simonson, editors, Inflation, Debt and Indexation
- "The Trouble with Rational Expectations and the Problem of Inflation Stabilization", 1983, in Frydman and Phelps, editors, Individual Forecasting and Aggregate Outcomes
- Political Economy, 1985
- "Profits Theory and Profits Taxation", 1986, IMF Staff Papers
- The Slump in Europe, with J.P. Fitoussi, 1988
- "Optimum Fiscal Policy When Monetary Policy is Bound by a Rule," with K. Velupillai, 1988, in Arrow and Boskin, editors, Economics of Public Debt
- "A Working Model of Slump and Recovery from Disturbances to Capital-Goods Demand in an Open Non-Monetary Economy", 1988, AER
- "New Channels in the Transmission of Foreign Shocks," 1989, in Calvo et al., editors, Debt, Stabilization and Development
- Seven Schools of Macroeconomic Thought, 1990
- "The Effectiveness of Macropolicies in a Small Open-Economy Dynamic Aggregative Model," 1991, in Brainard et al., editors, Money, Macroeconomics, and Economic Policy
- "A Working Model of Slump and Recovery from Disturbances to Capital-Goods Demand in a Closed Non-Monetary Economy," 1991, in Nell and Semmler, editors, Nicholas Kaldor and Mainstream Economics
- "Testing 'Keynesian' Unemployment Theory against 'Structuralist' Theory: Global Evidence from the Past Two Decades," 1991, in Nerlove, editor, Issues in Contemporary Economics
- "Consumer Demand and Equilibrium Unemployment in a Customer-Market Incentive-Wage Economy", 1992, QJE
- "Macroeconomic Shocks in a Dynamized Model of the Natural Rate of Unemployment," with H.T. Hoon, 1992, AER
- "Pro-Keynesian and Counter-Keynesian Implications of the 'Structuralist' Theory of Unemployment and Interest under the Classic Two-Sector View of Capital and Production", 1993, in Knoester, editor, Taxation in the United States and Europe.
- "Fiscal Policy and Economic Activity in the Neoclassical Theory with and without Bequests," with G. Kanaginis, 1994, Finanz Archiv
- Structural Slumps: The Modern Equilibrium Theory of Unemployment, Interest and Assets, 1994
- "Low-Wage Employment Subsidies versus the Welfare State", 1994, AER
- "The Origins and Further Development of the Natural Rate of Unemployment," 1994, in Cross, editor, The Natural Rate Twenty-Five Years On
- "The Structuralist Theory of Employment", 1995, AER
- "Autobiography of E.S. Phelps" 1995, in Heertje, Makers of Modern Economics
- "Payroll Taxes and Wage Subsidies", 1995, Testimony
- Rewarding Work: How to Restore Participation and Self-Support to Free Enterprise, 1997
- "Growth, Wealth and the Natural Rate: Is Europe's Jobs Crisis a Growth Crisis?" with H.T. Hoon, 1997, European ER
- "The Rise and Downward Trend of the Natural Rate", with G. Zoega, 1997, AER
- "Natural-rate theory and OECD unemployment," with G. Zoega, 1998, EJ
- "Moral Hazard and Independent Income in a Modern Intertemporal-Equilibrium Model of Involuntary Unemployment and Mandatory Retirement," 1998, in Chichilnisky, editor, Markets, Information and Uncertainty
エドマンド・フェルプスに関するリソース
- HET ページ: 最適成長理論; 新ケインズ派の世界:インフレとフィリップス曲線; マネタリズム:インフレ加速論争
- Edmund Phelps's Homepage at Columbia - quite informative.
- Phelps's C.V.
- "Rewarding Work: Interview with Phelps" in Challenge, 1997
黄金律のアイデアは1947年にモーリス・アレがフランス語で著した本にさかのぼるといわれるが、黄金律の名で広く知られるようになったは、1961年にフェルプスが寓話のかたちのペーパー[3]をアメリカン・エコノミック・レビュー誌で発表してからである[25]。その後フェルプスは1965年に同誌で第二論文[4]を発表し、1966年に著書『経済成長の黄金律』[26]を刊行した。この間、黄金律と同様のアイデアは、モーリス・アレやジョーン・ロビンソン、トレイヴァー・スワン、カール・クリスティアン・フォン・ヴァイツゼッカー、ジャック・デルソーによっても発表された[27]。
黄金律貯蓄率
フェルプスの寓話はソロヴィア王国を舞台とする[3]。ソロヴィア王国という国名はフェルプスの同僚学者ロバート・ソローの姓をモジったものであり、ソローの成長モデルは貯蓄率 s を一定と仮定するモデルであった[28]。フェルプスが初めて黄金律を提唱したとき、ソロヴィア王国の人びとは単純なので生産物の一定割合 s を蓄積するものと仮定して、s の中から消費を最大化する黄金律をえらぶという考え方をしていた[3]。この考え方によると、黄金律では、資本収益の所得に占める割合と s が等しくなるという関係が成りたつ[3]。この関係をフェルプスは蓄積の黄金律とよんだ[6]。資本蓄積の黄金律ともよばれる[7]。
このように s を一定と仮定して導いた黄金律の s を黄金律貯蓄率という[29]。フェルプスは1965年の第二論文以降、s を一定を仮定することはなく、均斉成長で結果として s が一定になることを導いている[4]。
2008年時点のフェルプスは黄金律を目指すのが最適といえないと認めているが[31]、1961年に黄金律を提唱した当初のフェルプスは黄金律を望ましいものとして扱っていた[3]。この場合、すでに黄金律に達しているときは黄金律をたもてばいいが、黄金律から外れているときはどのような道すじで黄金律に向かえばいいかという問題がある。この問題についてフェルプスは、寓話の主人公オイコ・ノモスに次のように主張させている[32](意訳)。
いそいで黄金律を達成すべきだというのがオイコ・ノモスの主張だが、最後で「最適に準じる」と語らせているあたり、この主張の甘さをフェルプス自身が認めていることを表わしている[33]。厳密な理論を構成するためには、何が最適であるかを厳密に定める必要がある[33]。フェルプスの寓話の筋書きは、数学者たちが最適をもとめて極値問題や汎函数やハミルトニアンに取りくみました、しかし実現できる答えを出せませんでした、そこで大がかりな最適化問題を忘れて単純に考えることになりました、そして賢い百姓オイコ・ノモスが黄金律を思いつきました、という話しであった[34]。経済成長の最適化問題は、フェルプスが寓話を発表したあと、次に述べる最適成長モデルで解かれる。
語源説
経済成長の黄金律は聖書の黄金律に由来するという説がある。この説によると、経済成長の黄金律の語源は、新約聖書マタイ伝にある黄金律「人にしてもらいたいと思うことは、あなたがたも人にしなさい」に由来し、これを経済用語におきかえると「現代の世代にも未来の世代にも同じだけ消費させる場合、あるいは、未来の世代の消費を自分たちの消費より少なくしない場合、一人当たり消費の最大量は黄金律である」と解釈できるから、黄金律と名づけられたのだという[61]。また一説には、新約聖書ルカ伝第6章31節にある黄金律を世代間の関係に拡張したものなのだともいう[62]。
もっとも、フェルプスが黄金律を命名したとき、黄金時代(ゴールデン・エイジ)のルールを黄金律(ゴールデン・ルール)と名づけたのであって、語源を聖書の黄金律に求めていない[3]。後にフェルプスは次のように語っている[31]。
そしてフェルプスは、聖書の黄金律について、他人に権利を要求する者は同じ権利を他人に与えなければならないという意味と解釈する。この意味での黄金律にしたがうと、各世代は前の世代に要求する貯蓄政策を次世代のために自ら実践しなければならない。世代をまたいだ貯蓄政策を選ぶにあたっては、生産や資本収益などに対して一定の線形関係のかたちであらわされる貯蓄政策の中から選ぶ必要がある。さもなければ、各世代は前の世代に貯蓄を要求する一方で、自分は貯蓄を減らしてしまう、という[31]。
黄金律の定理
資本の収益率(利子率)が成長率に等しくなる均斉成長が存在する場合、その均斉成長が黄金律である[4]。このことをロビンソンは新古典派定理とよんだ[67]。フェルプスは、黄金時代における消費最大化に関する定理とよんだ[68]。後にフェルプスはこれを黄金律の定理とよんでいる[69]。
この定理をPhelps(1965)にもとづいて数式をつかって示すと次のとおりである。
経済構造は次の3つの式であらわされるものとする。
…時点
の生産物
は生産関数
をつうじて資本
と有効労働
によってつくられる。生産関数
は1次同次関数とする(規模に関して収穫一定)。有効労働
は、技術
と労働
を掛け合わせたものであり、まとめて定率
で外生的に増加するものとする(労働拡張型技術進歩、前述)。
…生産物
は消費
にあてられるか投資
にあてられる。
…資本
は投資
によって増えるが、一定の減耗率
で減る。
以上3つの経済構造式を資本の微分方程式のかたちにまとめると次式を得る。
外生変数である有効労働
で資本
と消費
を割って基準化し、それぞれを小文字
と
であらわす。規模に関する収穫一定の仮定の下で
と定義すると、上記の微分方程式から
を消去できる。
均斉成長で資本
と消費
は有効労働
と同率で成長するので、有効労働
で基準化された資本水準
と消費水準
は均斉成長で一定になる。一定になる資本水準を
、消費水準を
と表すと、上記の式で次のようになる。
そして消費水準
を最大化する黄金律資本
をもとめる。まず、均斉成長で消費がプラスになるの領域がないとプラスの黄金律は存在しないので、消費がプラスになる領域があることにしよう。生産関数が2回微分可能であり、その1回微分が正で2回微分が負である場合
、消費水準
を最大化する黄金律資本
は、上記の式で
を
で微分してゼロとなる点である。
これにより利子率が成長率に等しい均斉成長が存在し、それが黄金律になることが示された。
微分不能な点のあるハロッド・ドーマー型生産関数の場合も、黄金律を示すことができる。Golden Rule savings rate
自然失業率(しぜんしつぎょうりつ、英: Natural rate of unemployment)とは、人々の予想するインフレーション率と実際のインフレ率の乖離がなくなるとともに、賃金が十分に伸縮して価格メカニズムより労働市場の需給が調整される、長期均衡状態における失業率のこと。
目次
概要
ミルトン・フリードマンによって1968年に提唱された[1]。また、ほぼ同時期にエドモンド・フェルプスも同様の概念を独立に構築した[2][3]。
政策によってインフレ率が引き上げられると短期的には失業率は低下する(→フィリップス曲線)。これは、インフレ率を引き上げる政策を受けて、企業は実質賃金を不変に保とうとインフレーションを考慮した分だけ高い名目賃金での労働需要計画を表明する一方で、労働者はその名目賃金の上昇を実質賃金の上昇と錯覚して労働供給を増やそうとするからである(労働者の貨幣錯覚)。その結果、実質賃金‐雇用量のグラフにおいて、労働需要曲線は一定のまま労働供給曲線が右シフトし、実質賃金が低下するとともに雇用量が増加する[4]。しかし、長期的には貨幣錯覚は解消される。すなわち、労働者もインフレ率を引き上げる政策が採られることに気付き、インフレを予測した分だけ高い名目賃金を要求するようになるので実質賃金は低下しなくなり、インフレ率引き上げに失業率を低下させる効果はなくなるため、失業率はインフレ率に拠らないで決定される。このような長期における失業率をフリードマンは自然失業率と呼んだ。
また、長期においてはフィリップス曲線は自然失業率の水準にて垂直になる(=インフレ率に関わらず失業率は一定になる)ため、インフレ率が上がれば[下がれば]失業率が下がる[上がる]というトレードオフ関係は消失すると主張した。そして、高いインフレによって失業の低下を目指す政策は、長期的には失業率を(自然失業率より)低下させることは出来ずに、ただ高いインフレを招くだけなので好ましくないと指摘した。この説に従うと、長期的に失業率を低下させるには自然失業率を低下させる必要があることになる。
NAIRU等との関係
自然失業率に非常によく似たものに、NAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment、インフレ非加速的失業率)があり、両者は時に同一視される。NAIRUとはインフレ率を安定的に保つ失業率の閾値であり、失業率がNAIRUを下回るとインフレ率は上昇していくとされる。逆に述べると、インフレ率を上昇させ続けないという維持可能な経済において、もっとも雇用状態がいい場合の失業率がNAIRUである。長期均衡での失業率という概念的な面の強い自然失業率と異なり、NAIRUはただの閾値であり実際的な面が強い[5]。
自然失業率の変化
産業構造の変化や就労意識の変化、企業や家計の行動に変化を促すような規制や税制の改革によって、労働需要や労働供給が影響を受けると、自然失業率は変化する。
失業が長期に及ぶと、ブランクが忌避されることや技能の陳腐化などにより、再び職を得ることが容易ではなくなる[6]。
金融危機などによって、大幅に景気が落ち込んで景気回復に時間がかかり長期失業者が発生すると、循環的失業が次第に構造的失業へと変化し、自然失業率は上昇する(このような、一時的要因による失業の増加が、長期的な失業水準の上昇へと繋がることを履歴効果と呼ぶ)。そして、そのことが景気回復を阻害してしまうという悪循環に陥る。このように総需要への負のショックは永続的な失業を生み出し得るため、大幅な景気の落ち込みに対しては、出来るだけ迅速に、かつ十分な規模の景気刺激策を行うことが重要となる[7]。
また、ジョージ・アカロフやロバート・シラーらも、インフレ率によって自然失業率が変わってくることを示し、長期のフィリップス曲線がミルトン・フリードマンが言うような垂直ではないことを指摘した[11][12][13][14]。
インフレ率が非常に低い状態ないしデフレーションの場合には自然失業率が高まることが示されているが、これは、名目賃金の硬直性によりインフレ率の低い領域では実質賃金の調整が一層困難となり失業が解消されにくいこと、またその失業が履歴効果などによって長期的に固定化・構造化してしまうことなどによる。このことはまた、インフレ率という貨幣的現象が、自然失業率という実体経済の現象に影響を与えることを示しており、貨幣の中立性が長期においても成立しないことを表している。
アカロフらの研究によると、デフレを含む非常に低いインフレ水準においても、また逆に非常に高いインフレ水準においても、自然失業率が高まってしまう。このことは、完全雇用時における雇用量を最大化するという観点からの望ましいインフレ率が存在すること、およびその水準の決定に関する理論的背景の一つを提供する。このことはまた、インフレ率の水準などを勘案せず、自然失業率の達成や産出量ギャップの有無だけでマクロ経済のパフォーマンスを判断することの危険性を示している。
たとえば、低インフレ経済において失業率を低下させる政策が採られた場合、一時的には失業率が自然失業率を下回るためインフレが加速するが、それによってインフレ率が高まることによって自然失業率の水準も低下するため、失業率が自然失業率よりも高い状態になればインフレはもはや加速しなくなる[15]。このように、インフレ率の非常に低い経済においては、一時的にインフレが加速したとしても、維持不可能なほどに失業率が低すぎるとは即座には判断できない。
脚注
- ^ Milton Friedman (1968), "The Role of Monetary Policy," American Economic Review, Vol.58, No.1
- ^ Edmund S. Phelps (1968), "Money-Wage Dynamics and Labor-Market Equilibrium," Journal of Political Economy, Vol.76
- ^ なお『アニマルスピリット』におけるアカロフの言によると、この以前にRaymond J. Saulnierによって先駆的にアイデアが示されていたとのことである。
- ^ よりくわしくは、中村健一 (1996), "フィリップス曲線の理論的根拠に関するノート", 商学討究, 小樽商科大学、を参照。
- ^ Carl E. Walsh (1998), "The Natural Rate, NAIRU, and Monetary Policy," FRBSF Economic Letter
- ^ J. Bradford DeLong, "Hopeless Unemployment," Project Syndicate, Jul. 31, 2012 その訳。
- ^ たとえば金融危機によるショックについては、Kazuo Ueda (2012), "Deleveraging and Monetary Policy: Japan since the 1990s and the United States since 2007," Journal of Economic Perspectives, 2012, vol. 26 などを参照。
- ^ Laurence Ball (1997), "Disinflation and the NAIRU"
- ^ Laurence Ball (1999), "Aggregate Demand and Long-Run Unemployment"
- ^ N. Gregory Mankiw (2000), "The Inexorable and Mysterious Tradeoff Between Inflation and Unemployment"
- ^ George A. Akerlof, William T. Dickens and George L. Perry (2000), "Near-Rational Wage and Price Setting and the Long-Run Phillips Curve"
- ^ ジョージ・A・アカロフ, ロバート・シラー (2009), 『アニマルスピリット』
- ^ 黒田祥子・山本勲 (2003), "名目賃金の下方硬直性が失業率に与える影響 ─ マクロ・モデルのシミュレーションによる検証 ─"
- ^ 井上智洋・品川俊介・都築栄司 (2011), "Is the Long-run Phillips Curve Vertical?: A Monetary Growth Model with Wage Stickiness"
- ^ Joseph Stiglitz (1997), "Reflections on the Natural Rate Hypothesis," Journal of Economic Perspectives, 11(1): 3-10.
関連項目
外部リンク
- カール・ウォルシュによる自然失業率およびNAIRUの解説
- ローレンス・ボールおよびグレゴリー・マンキューによるNAIRUの解説
- 日本の均衡失業率(構造的・摩擦的失業率)
- OECDによるNAIRU推計方法と各国の推計値なお、自然失業率ではなくNAIRUの推計であることに注意。また、推計値の推移を見て分かるように、NAIRUは大きく変化し得るものである。
エドムンド・フェルプス
エドマンド・ストロザー・フェルプス(Edmund Strother Phelps、1933年7月26日 - )は、アメリカ合衆国の経済学者。
コロンビア大学経済学部教授。イリノイ州エヴァンストン出身。2006年、ノーベル経済学賞を単独授与された。
コロンビア大学経済学部教授。イリノイ州エヴァンストン出身。2006年、ノーベル経済学賞を単独授与された。
目次
来歴
- 1933年:イリノイ州エヴァンストンで生まれた。
- 6歳のとき、ニューヨーク州のHasting-on-Hudsonへ転居。
- 1955年:アマースト大学卒業(BA)。
- 1957年:イェール大学からMAを取得。
- 1959年:イェール大学で経済学博士号(Ph.D.)取得。
- 1959年 - 1960年:RAND Corporationに入るが、興味のあるマクロ経済学の仕事が出来ないため学界に戻る。
- 1960年 - 1966年:イェール大学に属するコール財団に入り、イェール大学で経済学助教授として教える。
- 1961年:'Golden Rule saving rate'についてAER誌に載せる。
- 1962年 - 1963年:マサチューセッツ工科大学(MIT)で教える。
- 1963年 - 1966年:イェール大学で教える。
- 1966年 - 1971年:ペンシルベニア大学経済学科教授
- 1971年:コロンビア大学経済学教授就任。
- 1974年:米国上院の社会保障制度の顧問となる。
- 1976年 - 1978年:アメリカ経済学会の執行委員を務める。
- 1978年 - 1979年:ニューヨーク大学で教える。
- 1979年:再びコロンビア大学に移り、教鞭をとる。
- 1981年:米国科学アカデミー会員。
- 1982年:McVickar Professor of Political Economy 就任。
- 2000年:アメリカ経済学会の Distinguished Fellow に選ばれる。
- 2001年:Center on Capitalism and Society (Earth Institute) 所長。
業績
- ミルトン・フリードマンとほぼ同時に自然率仮説を独自に考案していたといわれる。
- フェルプスにとって、自然率仮説は失業の唯一の構成要素ではないが主要なものとして、ジョブサーチ(仕事探し)の概念と結びつけた。失業者は高い支払いをする最良な仕事を探し、失業期間が長引くにつれて自分の望み徐々に下げていく。その上、仕事を探すことは時間がかかるので、彼らが現在の職を辞めることすらあるかもしれない。フェルプスたちは、1960年代の辞職や一時解雇のパターンと自然失業率の上昇傾向を説明しようとして、ジョブサーチ・モデル(仕事探しモデル)に含まれた意味を明らかにした。
- 70年代以降は、現在ではごく当たり前の「スタグフレーション」、すなわちインフレションと失業の同時発生の問題に関する研究を行っている。
- フェルプスは、初期には成長理論に関する研究をやっていた。成長理論やマクロ経済学に関する数多くの論文は2巻物の『マクロ経済理論研究』(1979年、1980年)に収録されている。
博士号など
- 名誉博士号
- 名誉教授
- 2004年:人民大学(北京)
- 2005年:Beijing Technological and Business University(北京)
- 2005年:Mundell International University of Entrepreneuship(北京)
- その他会員
- American Academy of Arts and Sciences
- Econometric Society
著作
- Phelps, Edmund S. (1961). "The Golden Rule of Capital Accumulation". American Economic Review 51: 638-643.
- Phelps, Edmund S. (1966). Golden Rules of Economic Growth.
- Phelps, Edmund S. (1966). "Models of Technical Progress and the Golden Rule of Research". Review of Economic Studies 33: 133-146.
- Phelps, Edmund S. (1968). "Money-Wage Dynamics and Labor Market Equilibrium". Journal of Political Economy 76: 678-711.
- Phelps, Edmund S. (1984). Individual Forecasting and Aggregate Outcomes.
- Phelps, Edmund S. (1990). Seven Schools of Macroeconomic Thought: The Arne Ryde Lectures, Oxford.
- Phelps, Edmund S. (2003). Designing Inclusion.
- 「マクロ経済思想―七つの学派」 E.S.フェルプス,平山 朝治訳 新世社 (1991)
関連事項
外部リンク
- 公式ウェブサイト (英語)
- Edmund Phelps' syndicated op/ed column (英語) from project-syndicate.org
- Summary of Phelps' influence (英語) - ジョージ・メイソン大学のタイラー・コーエン教授による記述
- Phelps and the Nobel Prize (英語) - by Arnold Kling. EconLog and Econlib
- True and False Lessons Drawn from the Structural Slump (英語) - フェルプスによる外交問題評議会でのスピーチ(2011年11月21日)
- Macroeconomics for a Modern Economy (英語) - Phelps' Prize Lecture at nobelprize.org
- Professor Edmund S. Phelps Wins 2006 Nobel Prize in Economics (英語) - Columbia University Press
- “Edmund Phelps’s Contributions to Macroeconomics (PDF)” (英語). ノーベル賞公式サイト. 2007年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月26日閲覧。
1 Comments:
1
マクロ経済学の「新古典派化」
労働市場をとりまく実体的な要因によって決まる「自然失業率」(the natu-
ral rate of unemployment)に等しくなる.つまり長期のフィリップス·カ
ープは右下りではなく, 自然失業率の水準で縦軸に平行な垂線となる. この
ような議論をFriedmanは展開した.
Friedman[1967/12]の会長講演から間もなくして刊行されたMicroeconomic Found
tions of Employment and Inflation Theory (Phelps [1970]) という書物に
集められた諸論文は,いずれもFriedmanの考えを精緻化したものである.
12篇の論文は定式化,力点の置き所など異なるにもかかわらず重要な共通点
を持っている。まず第1に,いずれの論文も労働市場が職種·地域などによ
って多数のローカルな市場に分断されていることを強調した。この事を
Phelpsは,論文集への「イントロダクション」の中で,労働者がその間を行
き来する互いに切り離された「島」(islands)の比喩を用いて巧みに説明して
いる. この比喩は, その後の文献でしばしば用いられることになった.第2
に,分断された市場の1つに居る経済主体は,他の市場ないしマクロ経済の
情況について不完全な情報しか持っていない, したがって不完全にしか認識
できない他の市場ないし一般の賃金·価格に関する「期待」が重要な役割を
果たす.当然のことながらそうした期待がどのように形成されるかも大きな
問題となる. ちなみにLucasの論文も含めて, この論文集ではすべて「適応
型期待形成」(adaptive expectations)が仮定されている。
ここでは代表的な例としてLucas/Rapping [1970]をとり上げ,モデルを
簡単化して説明しよう.家計による労働供給行動を考える·家計の労働供給
量は,「今期」と「来期12期にわたる「実質賃金」すなわち
の増加関数であると仮定する.ここでW, Pは今期の名目賃金,物価水準
である。労働者は今期受け取った賃金Wのうちc(0<c<1)は今期, 1-c
は来期,財の購入に充てる. r, 11はそれぞれ実質利子率および物価水準の
期待変化率である. (1)式第2項の分母にあるP(1+17)は,来期の物価水準
であることに注意したい。簡単のために実質利子率rは一定であるとする
賃金·物価水準が変わらなければ17はゼロだからc,rを所与として労働
供給は「今期」の実質賃金w/Pのみの単純な増加関数となる.そうした状態
。
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