火曜日, 3月 22, 2016

サーチ理論(search theory):メモ

              (経済学リンク::::::::::

新しい金融論―信用と情報の経済学 スティグリッツ他、Towards a New Paradigm in Monetary Economics -Stiglitz
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/towards-new-paradigm-in-monetary.html
NAMs出版プロジェクト: ブランチャード&フィッシャー 『マクロ経済学講義』1989,邦訳1999:目次 #9
http://nam-students.blogspot.jp/2015/09/blog-post_34.html 

ローマー『上級マクロ経済学』(Advanced Macroeconomics,David Romer)1996~:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/advanced-macroeconomicsdavid-romer.html
NAMs出版プロジェクト: 齊藤誠 他『マクロ経済学 New Liberal Arts Selection 』(2010年):目次
サーチ理論:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_34.html(本頁)
マッチング理論:再考
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_4.html

モーリス・アレ:世代重複モデル(OLG:overlapping generations model,Modèle à générations imbriquées)再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/qlgoverlapping-generations-model.html
世代重複モデル:再考
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/overlappinggenerationsmodel.html

ゲーム理論で解明されたユダヤの知恵
http://nam-students.blogspot.jp/2012/11/blog-post_28.html
フェルプス 2006
https://nam-students.blogspot.com/2019/03/edmund-s-phelps-statistical.html
森嶋通夫 Michio Morshima
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/michio-morshima.html
(森嶋はサーチ理論を開発した経済学者のひとりであるピサリデスを指導した)

http://okmtnbhr.seesaa.net/article/166452317.html




サーチの価値=サーチ中に発生する純利益
             +
       (取引機会を得る確率)
             ×
       (取引成立の価値 または サーチ継続の価値)


日経ビジネス2009.7.27.89頁 より

2010年10月21日

ノーベル経済学賞

10月11日に2010年のノーベル経済学賞が発表されました。米マサチューセッツ工科大(Massachusetts Institute of Technology、MIT)のピーター・ダイアモンド(Peter Diamond)教授、米ノースウエスタン大(Northwestern University)のデール・モーテンセン(Dale Mortensen)教授、そして英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics、LSE)のクリストファー・ピサリデス(Christopher Pissarides)教授が受賞しました。

貢献は,サーチ理論です。このサーチ理論,私は詳しく知らないのですが,工藤(2009)を参考にまとめてみました。(である調でまとめています。)

工藤教孝「神の見えざる手はいらない-経済学を塗り替える“つぶつぶ”のサーチ理論」日経ビジネス2009/7/27 pp.86-89 より要約。

需要曲線と供給曲線で示される一般均衡理論では,需給バランスが崩れている場合,価格が上下に変動することによって需給はバランスすると考える。いわゆる価格は自動的に動くので神の見えざる手として扱われていた。

しかし現実は価格は自動調節しない。とくに労働市場の分析では,失業が存在しているのは労働を供給する側が需要する側を上回っている(超過供給)と考える。つまり価格が高止まりしていると仮定するのである。“見えざる手”がなぜいたずらするのか,これを分析するのがサーチ理論である。

サーチ理論はゲーム理論と確率論をベースにした理論である。市場を人々が出会う場と考え,それぞれがぶつかり合う。これが取引機会である。需要曲線,供給曲線のように直線で表されるのではなく,取引がつぶつぶのぶつかり合いと考えられるのである。取引機会の時に実際に取引が行われるかどうかは,目の前の取引機会をものにした価値と次の機会を待つことの価値(サーチの価値)との比較で行われる。

不況の時には,求人側は買い手市場なので,何人も面接する機会(取引機会)がある。この場合,次の取引機会を待つことができるのでサーチの価値が高いという。一方,求職側はどこかに働くところを決めたいと思っているし,不景気なので就職面接の機会も少ない。この場合サーチの価値が低いという。

求人側が求職している仕事のない人を雇うときに安い賃金を呈示したとする。求職側はサーチの価値が低いので(次の取引機会がいつかわからないので),この安い賃金を受け入れて仕事を得ることがある。とはいえ,求職側は損をしたわけではない。次の求職活動に向かうエネルギーと時間を節約することができたので,損はしていないのである。この時間の価値を取引成立の背景として考えるのもサーチ理論の特徴である。


ジョージ・スティグラー
https://en.wikipedia.org/wiki/George_Stigler
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%
BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC

ジョージ・ジョセフ・スティグラー(George Joseph Stigler、1911年1月17日 - 1991年12月1日)は、アメリカ合衆国経済学者1982年ノーベル経済学賞を受賞した。
  • スティグラーは産業組織論経済学史を主領域として研究を行っていた。スティグラーは産業組織論において、20世紀前半の主流派であったハーバード学派に対抗して、市場構造の集中度の高さが必ずしも市場の非効率性につながらないことなどを示した。また従来は価格と経済という現象にのみ適用されていた新古典派経済学ゲーリー・ベッカーとともに拡張し、あらゆる行動は合理的に選択されているという点を示したことでも有名である。
  • また本来は消費者保護のためであったはずの規制が、いつの間にか生産者保護のための規制に転換してしまうという現象(規制の虜)のメカニズムを明らかにした。スティグラーはこの見地から、規制よりも市場構造に重点を置いた政策を支持する主張を行った。

日本語訳著書編集


  • 『価格の理論(上・下)』(有斐閣, 1963年)
  • 『生産と分配の理論――限界生産力理論の形成期』(東洋経済新報社, 1967年)
  • 『産業組織論』(東洋経済新報社, 1975年)
  • 『効用理論の発展』(日本経済新聞社, 1979年)
  • 『小さな政府の経済学――規制と競争』(東洋経済新報社, 1981年)
  • 『現代経済学の回想――アメリカ・アカデミズムの盛衰』(日本経済新聞社, 1990年)

サーチ理論wikiより
《ジョージ・J・スティグラーは商品売買における情報や職業の探索を重要な問題だと提唱し[1][2]、ジョン・J・マッコールは最近の仕事に基づいたoptimal stopping理論をベースにして、動的な職業探索のモデルを提唱した[3][4][5]。マッコールの論文では、選択肢が完全情報的で不変、また貨幣の価値が不変であるとき、職業提供者が失業者に対して仕事を提供するか否かについて研究がなされている[6]。》

  1. ^ Stigler, George J. (1961), 'The economics of information'. Journal of Political Economy, 69 (3), pp. 213-25.
  2. ^ Stigler, George J. (1962), 'Information in the labor market'. Journal of Political Economy, 70 (5), Part 2, pp. 94-105.
  3. ^ D. Mortensen (1986), 'Job search and labor market analysis'. Chapter 15 of The Handbook of Labor Economics, vol. 2, edited by O. Ashenfelter and D. Card.
  4. ^ R. Lucas and N. Stokey (1989). Recursive Methods in Economic Dynamics, pp. 304-315.
  5. ^ J. Adda and R. Cooper (2003), Dynamic Economics: Quantitative Methods and Applications, p. 257.
  6. ^ McCall, John J. (1970), 'Economics of information and job search'. Quarterly Journal of Economics, 84, pp. 113-126.

近年、マッチング関数という枠組みを用いて、就職活動をはじめとした様々な探索がマクロ経済学のモデルに組み入れられつつある。 ピーター・ダイアモンドデール・モーテンセンクリストファー・ピサリデスの3人はマッチング理論の功績を称えられ2010年のノーベル経済学賞を受賞した。
労働経済学でのマッチングのモデルでは、2つのタイプの探索が相互作用する。すなわち、新しい仕事の形成は、労働者の探索における意思決定と、会社の求人を出す意思決定との2つに依存するとしている。マッチングモデルには賃金格差についても扱うものもあるが[10]、それを無視して簡素化されたモデルでは、仕事を始める前にランダムな長さの失業期間が生まれてしまうことのみを表現している[11]
  1. ^ Mortensen, Dale, and Christopher Pissarides (1994), 'Job creation and job destruction in the theory of unemployment'. Review of Economic Studies, 61 (3), pp. 397-415.
  2. ^ Pissarides, Christopher (2000), Equilibrium Unemployment Theory, 2nd ed. MIT Press, ISBN 0262161877.

スティグリッツが近著でサーチ理論を絶賛している(「過去数十年で経済理論に生じた重要な進歩のひとつは..."サーチ理論"だ」『新しい教科書』2016邦訳245頁)。シャピロ=スティグリッツ・モデルでも表されていたが、不完全な労働市場(さらに離散的なそれ)はスティグリッツのいう情報の非対称性を前提にしたものだ。



サーチ理論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%E7%90%86%E8%AB%96
ミクロ経済学において、サーチ理論(さーちりろん、英語search theory)は即座に取引相手を見つけることができず、そのために商取引の前にパートナーを捜し求めなければならないような売り手や買い手についての研究である。探索理論とも呼ばれる。
サーチ理論は経済学の多くの領域で利用されている。労働経済学においては、労働者の就職活動において起こる摩擦的失業を説明するために用いられてきた。消費者行動分析で は、購買決定を分析するために用いられてきた。労働者の観点から考えて引き受けられやすい仕事というのは、賃金が高く、望ましい利益を提供してくれ、快適 で安全な労働環境の下で働けるものであり、 消費者の観点から考えて購入されやすい商品というのは、価格が安く、高い品質を持っているものだろう。いずれの場合にしろ、仕事や商品が受け入れられるか どうかは、市場にある代替品について探索する人が持っている考えに依存している。
より厳密な意味で言うと、サーチ理論は、選択の遅れによって損失を被る状況下で価値がそれぞれ異なる複数の選択肢がある時、個人の最適な選択を行う ことを目的としている。 探索モデルは再選択を行った時の価値と、選択の遅れによる損失のバランスを釣り合わせる最も良い均衡点を示すものである。 数学的には、optimal stopping(最適な妥協点)を見つけだすために使われる。
マクロ経済学者はこのサーチ理論を一般均衡モデルにまで拡大し、マッチング理論*またはサーチ・マッチング理論と呼ばれている。

*参考:
2012年Al Roth, Sydney Ideas lecture 2012c.jpg     アルヴィン・ロスアメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国安定配分理論と市場設計の実践に関する功績[143]
Shapley, Lloyd (1980).jpg     ロイド・シャープレーアメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 Kindle版

https://www.amazon.co.jp/dp/B01D1D3XTC


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        失業率の決定
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線
 |/___|___________
                 失業率(U)

(政府の失業対策が功を奏すれば、ベバリッジ曲線(Beveridge Curve:定常状態における失業率Uと求人率Vの関係を表したもの)は全体が左にズレ込む。
『齋藤他マクロ』#16参照。)

労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf

Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル)...
MP モデルは,複雑な設定から出発して,最終的に2 つの式から2 つの未知数を決めるという,ほとんど中学校の数学のような簡潔な世界に到達する。ここで
2 つの未知数とは,有効求人倍率と,「雇用関係解消を決める閾値(しきいち)生産性」である...


     Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   |
   |        雇用喪失条件(JD)
   |  \    /     
   |   \  /
閾値_|____\/
生産性|    /\     
   |   / |\ 
   |  /  | \雇用創出条件(JC)  
   |_____|______
      有効求人倍率  


   Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   
   |         雇用喪失条件(JD)
   |  \     /     
   |   \   /
   |    \ /
閾値 |ーーーーーX
生産性|    /|\     
   |   / | \ 
   |  /  |  \雇用創出条件(JC)  
   |_____|______
      有効求人倍率  

 右上がりのJD 条件と右下がりのJC 条件が交差す るところで,サーチ均衡の閾値生産性と有効求人倍率 が得られる。この2 つさえ決まれば,その他の大事な 変数(賃金や失業率)が,副産物として自動的に決 まってくる再帰的(recursive)な構造になっている。 これがMP モデルの高い操作性の所以である。
 失業率がどのように決まるかを説明しよう(図3)。労働市場を特徴づけるもっとも重要なグラフとして,U−V曲線,あるいはベバリッジ曲線(Beveridge Curve)として知られる関係がある。これは総労働力に対する失業率を横軸に,求人率を縦軸に取ったものである。ベバリッジ曲線は右下がりで,原点に対して凸であることが多いが,サーチ理論ではこれらの性質を導くことができる。ベバリッジ曲線とは,定常状態における失業率(U)と求人率(V)の関係を表したものにほかならない。

図3 失業率の決定
求人率(V)θ有効求人倍率ベバリッジ曲線失業率(U)

 ベバリッジ曲線に重ねて,原点から斜めに引かれた直線は有効求人倍率である。有効求人倍率は求人率と失業率の比である(θ=V/U)。ここで,有効求人倍率を表す直線とベバリッジ曲線の交点が,定常状態の失業率と求人率を与える。
 例えば,解雇規制の効果を考えよう(図4)。規制が,割増退職金などの労使間の所得移転にとどまっている限り,解雇規制は,有効求人倍率や失業率に影響を与えないとされるが,これはMPモデルでも確認できる。他方,解雇規制が実物費用,例えば,法手続きや解雇予告期間義務をともなう場合であれば,閾値生産性が低下し,雇用がより起こりにくくなる一方,有効求人倍率はそれほど変化しない。このような解雇規制は,解雇さえしなければ企業に負担は生じないという意味での一種の雇用助成金であり,企業の参入を促す反面,失業者が供給されないので,求人を出してもなかなか充足されず,最終的に参入のメリットが帳消しになるからである。有効求人倍率が変化しなければ,失業率も変わらない。

 図4 解雇規制の効果
閾値生産性雇用喪失条件(JD)雇用創出条件(JC)有効求人倍率

 他方,失業保険の効果はもっと明快である(図5)。保険料を引き上げても給付を増やしても,閾値生産性が上昇し解雇は起こりやすくなり,有効求人倍率が低下し,失業率が増える。保険料の引き上げは雇用への課税であるし,給付を増やせば労使も安心して雇用関係解消で合意できることを考えれば,この結果は自然である。

 図5 失業保険料・給付の効果
閾値生産性雇用喪失条件(JD)雇用創出条件(JC)有効求人倍率

Ⅱ サーチ摩擦(searchfriction)のミクロ的基礎づけ通常,
 サーチ理論では,労働者と企業の「出会い関数(matching function)」というものを仮定し,その上に体系的な市場モデルを構築する。すなわち,サー チ摩擦の実体を特定せず,とりあえずブラック・ボッ クスとしておいて,それ以外の部分を整合的に構成す るのである。しかし,近年は,このサーチ摩擦そのも のを,企業や労働者の最適化行動からモデル化しよう という研究が盛んである。こういう方向の研究は, 「指向的サーチ(directed search)」の研究と呼ばれる。


参考:

Aggregate Demand Management in Search Equilibrium. Peter A. Diamond.  [Journal of Political Economy, 1982, vol. 90, no. 5]
http://homepage.ntu.edu.tw/~yitingli/file/macro%20and%20money/Aggregate%20Demand%20Management%20in%20Search%20Equilibrium.pdf
 サーチ理論―分権的取引の経済学 単行本 – 2007/10 今井 亮一 (著), 佐々木 勝 (著), 清水 崇 (著)
www.amazon.co.jp/dp/4130402358

Pissarides, Christopher (2000), Equilibrium Unemployment Theory, 2nd ed. MIT Press, ISBN 0262161877.
http://www.amazon.com/Equilibrium-Unemployment-Theory-2nd-Edition/dp/0262161877
http://www.amazon.co.jp/Equilibrium-Unemployment-Theory-Press/dp/0262161877/
 

ピーター・ダイアモンド - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%
ピーター・ダイアモンド(Peter Arthur Diamond、1940年4月29日 - )は、アメリカ合衆国経済学者マサチューセッツ工科大学教授である。専門は社会保障論、行動経済学サーチ理論などである。2010年、デール・モーテンセンノースウェスタン大学教授)とクリストファー・ピサリデスLSE教授)とともに、ノーベル経済学賞を受けた。
  • OLGモデル(Overlapping Generations Model)の発展(1965年)。
  • ダイアモンド=ミルレス定理(総生産効率性定理)の導入(1971年)。
  • サーチ理論(サーチ・アンド・マッチング理論)では、求人が十分にあるのに大量の失業者が存在する「雇用のミスマッチ」などをうまく説明できるようになった(1982年)。(この理論により、ノーベル経済学賞を受けた。)ダイアモンドは、ワルラスの一般均衡的取引ではなく、売り手と買い手がばらばらに取引する場合、需要があっても取引が成立しないとして、そうした「局所的・分権的取引」を数学的に分析した。(その後、デール・モーテンセンとクリストファー・ピサリデスが労働市場に適用した。)
  • サーチ理論としては、住宅取引、貨幣理論公共経済学、家族経済学など広い分野に応用されている。
  • また、社会保障論の専門家である。

Aggregate Demand Management in Search Equilibrium. Peter A. Diamond.  [Journal of Political Economy, 1982, vol. 90, no. 5]
http://homepage.ntu.edu.tw/~yitingli/file/macro%20and%20money/Aggregate%20Demand%20Management%20in%20Search%20Equilibrium.pdf

サーチモデルにおける均衡雇用率:ブランチャード講義469頁#9
c*
 |       
 |            de/dt=0
y|             o
 |             o  
 |        o o @ o dc/dt=0
 |     o     o A
 |   o      o  
 |o @  o  o 
 |  o B
 |________________e
0               1
cは生産に要する努力。eは雇用率。均衡点はAB二つある。


Aggregate Demand Management in Search Equilibrium. Peter A. Diamond. Massachusetts Institute of Technology. Equilibrium is analyzed for a simple barter model with identical ... [Journal of Political Economy, 1982, vol. 90, no. 5]
http://homepage.ntu.edu.tw/~yitingli/file/macro%20and%20money/Aggregate%20Demand%20Management%20in%20Search%20Equilibrium.pdf














  


  


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デール・モーテンセン(Dale Thomas Mortensen、1939年2月2日 - 2014年1月9日[1])は、オレゴン州エンタープライズ生まれのアメリカ経済学者である。日本ではモルテンセンとも表記される。
ノースウェスタン大学教授を長く務めるとともに研究を行った。専門は労働経済学マクロ経済学である。2010年、ピーター・ダイアモンドクリストファー・ピサリデスと共に、労働経済におけるサーチ理論に関する功績を称えてアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞を授与された。アメリカ経済学会会員、計量経済学会会員、経済動学学会会員、労働経済学会員であった。
  • 彼は、摩擦的失業の「サーチおよびマッチング理論」に対する先駆者として特に有名である。労働移動と再配分、調査と展開、および個人的関係を研究するためにこの理論から洞察を広げていった。
  • モーテンセンはピーター・ダイアモンドのサーチ理論を労働市場に用いて進展させ、求職者はより良い職場を 雇用者はより良い労働者を求めるため、互いに多数の相手と接触することになり、「最適のマッチングを発見すること」が非常に困難になる。そのことが大量の求職があるにもかかわらず失業者が増加する状態を生むとしている。これはノーベル賞受賞者3人の頭文字からDMPモデルと呼ばれている。また、失業保険が充足すればするほど、失業者がよりよい職を求めるゆとりができるため、失業期間が長期化するとの考えも示している[2][3]
  • 2011年2月には中国経済の見通しについて述べ、大量の安価な労働力を長所として世界最大の輸出国となったが、この長所は永久に続くわけではない。今後は労働者の教育、技術水準の向上、ハイテク産業への投資などに力を注ぐことが発展の継続の要点となると指摘した。また、人手不足の解消については政府の賃上げ抑制を批判し、補助金を支出するなどして労働力過多地域に企業移転を勧めていくべきとの考えを示している[4]

 D. Mortensen (1982), 'The matching process as a non-cooperative/bargaining game.' In The Economics of Information and Uncertainty, J. McCall, ed., NBER, ISBN 0-226-55559-3.
http://www.nber.org/chapters/c4437.pdf
  (サーチ理論の出自がゲーム理論であることがわかる。)
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クリストファー・ピサリデス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%
クリストファー・ピサリデス(Christopher Antoniou Pissarides、ギリシア語Χριστόφορος Αντωνίου Πισσαρίδης1948年2月20日[1] - )は、キプロス共和国経済学者である。
キプロス共和国でギリシャ系キプロス人の家庭にて誕生、1973年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学者の森嶋通夫による指導の下で経済学の博士号を取得した[2]。マクロ経済学が専門であり、特に労働経済学、経済成長理論、経済政策の研究で名高い。
2010年、ピーター・ダイアモンドデール・モーテンセンとともに、労働経済におけるサーチ理論に関する業績を称えられてノーベル経済学賞を受賞した[3]

  • 主に労働市場とマクロ経済の間に存在する相互作用を研究するため開発したサーチ・マッチング理論における貢献が著名である。彼は、失業から雇用に至るフローにおけるマッチング関数理論の概念を開発および支援その推定に関する実証的研究の先駆者と云える。
  • 最も影響力のある論文は、1994年にレビュー・オフ・エコノミック・スタディズで発表された「雇用創出および雇用喪失における失業理論」である[5]。この論文はその前の20年間においてデール・モーテンセンとピサリデスの両著者による個々の貢献に基づいて構築されていた。この論文に起因したモーテンセン=ピサリデスモデルは、現代マクロ経済学において非常に強い影響を与えてきた。それはなんらかの変動かまたは拡大をもたらし、今日において世界中の至る所で経済学における卒業カリキュラムの核の一部として採用されている。
  • ピサリデスの著書「均衡的失業理論」Equilibrium Unemployment Theory 2000 はマクロ経済学において失業理論における文献として幅広く参照されている。
  • デール・モーテンセンとピサリデスによる共同作業において、内因的な雇用創出および雇用喪失における分析の結果、改定されている。
  • 近年は発展と構造変化に関する研究を行っている。

Pissarides, Christopher (2000), Equilibrium Unemployment Theory, 2nd ed. MIT Press, ISBN 0262161877.
http://www.amazon.com/Equilibrium-Unemployment-Theory-2nd-Edition/dp/0262161877
http://www.amazon.co.jp/Equilibrium-Unemployment-Theory-Press/dp/0262161877/
http://www.gbv.de/dms/ilmenau/toc/30113880X.PDF
Equilibrium Unemployment Theory second edition
Christopher A. Pissarides
The MIT Press Cambridge,Massachusetts London, England

Contents
Preface
Preface to the First Edition
I FOUNDATIONS
1 The Labor Market
2 Endogenous Job Destruction
3 Long-Run Equilibrium and Balanced Growth

II FURTHER ANALYSIS OF THE LABOR MARKET
4 Labor Turnover and On-the-Job Search
5 Search Intensity and Job Advertising
6 Stochastic Job Matchings
7 Labor Force Participation and Hours of Work

III CONSTRAINED EFFICIENCY AND THE ROLE OF POLICY
8 Efficiency
9 The Role of Policy
Bibliography 



Job Creation and Job Destruction in the Theory of Unemployment 

 Dale T. Mortensen and Christopher A. Pissarides, 1994. "Job Creation and Job Destruction in the Theory of Unemployment," Review of Economic Studies, 61(3), pp. 397–415 (press +). 
http://www.iab.de/UserFiles/File/downloads/gradab/Dokumente%20Garloff/Mortensen_Pissarides_1994_Job%



参考:BLANCHARD, 0. J. and DIAMOND, P. A. (1989), "The Beveridge Curve", Brookings Papers on Economic Activity, 1, 1-76. 
_______
雇用の動向 - 経済産業省 (Adobe PDF)
 ここで労働市場における需給のミスマッチを観察するために雇用失業率と欠員率の関係をUV曲線によりみてみる。UV曲線とはU(unemployment)を失業、V(vacancies)を欠員として労働の需給関係を表したものであり、一般的に欠員が増えると失業が減り、欠員が減ると失業が増えることから、右下がりの曲線となる。2~6年及び9~11年にかけて、曲線は左上方にシフトしており、景気の後退による労働需要不足が深刻になった時期といえる。しかしながら、足下の11年~13年にかけてUV曲線は右横にシフトしており、失業率が高止まりする中、欠員率が上昇していることから、雇用のミスマッチが拡大しているといえる(第Ⅱ-1-18図)。
第Ⅱ-1-18図  



日本のUV曲線2011~3年
______

 リスクプレミアム(例えばエクイティプレミアム)が高くなり雇用が減少することは、サーチモデルで実質利子率が上昇する場合に当たります。
(1) ピサリデスのモデル (Christopher A. Pissarides, Equilibrium Unemployment Thory (2000) から)13090101    (1)
 
 J は仕事が充足されている価値です。実質利子率 r が大きくなれば rJ が大きくなりますが、それは J がより多く割り引かれるということです。
 この(1)式と欠員状態の価値を表わす式(これは省略)から、次の式が導出されます。
13090102
   (2)
 この(2)式は、企業にとって仕事をつくりだす条件 (Job creation condition) を表わしています。
 いわゆるベバリッジ曲線(失業率と欠員率との関係)は、次の式で表わされます。
13090103
   (3)

 λは単位時間に仕事が破壊される割合(確率)です。q は m/v,m はマッチング関数(u,v の投入でどれだけの労働者と仕事の組み合わせができるかを表わしたもの)、v は欠員率なので q=m/v は、欠員の仕事が補充される割合(確率)を表わしています。θ= v/u (v:欠員率、u = 失業率) です。
 ベバリッジ曲線((3)式)を (u,v) の空間に描けば、原点に向かって凸の曲線になります。(2)式の仕事をつくりだす条件式 (job creation curve) は、原点を通る右上がりの直線になります。マッチング関数を具体的に m=uα 1-α  のように定め、(2)式の q (q=m/v) に代入すれば、13090105

   (4)
 となります。これは(u,v) の空間で原点を通る直線です。
13090203

 そこで、実質利子率 r が増加すると、(4)式の傾きが小さくなるので、か job creation curve が下にシフトします。
 その理由は、(1)式から仕事の価値が大きく割り引かれることになるため、企業は仕事をつくらなくなるからです。job creation curve が下にシフトすれば、上の図のように、均衡失業率は増加します。
 これは現実のデータに合っているように思われます。以下はクルーグマンがブログ("Moochers, Grifters, and the Beveridge Curve,"  拙訳はこちら)で引用していたもの。
13070702




















 2009年8月以前のデータは青い点で示されています。それ以後のデータは赤い点で示されています。均衡失業率は右のほうにシフトしています。
 しかし、このデータでは、ベバリッジ曲線自体が右上にシフトしていることも気になります。

 サーチモデルから想定される、ベバリッジ曲線を右上にシフトさせる要因は、仕事の破壊率λの上昇です。(3)式のλが増加すれば、u は大きくなります。したがってベバリッジ曲線を外にシフトさせます。
 前のケースのように job creation curve が下にシフトし、ベバリッジ曲線が外にシフトすれば、下の図のように均衡失業率はさらに大きくなります。
13090204













 このモデルでλは外生的に与えられるパラメーターで、技術進歩のような、長期間において仕事と労働者とを切り離す割合が想定されています(技術進歩が進めば、労働者1人当たりの生産性が増すので、労働者と仕事を切り離す[=破壊する]確率は減る。つまりλが低下する)、しかし、現在、技術進歩のペースが落ちて、λが増加していると想定するのは難しいです。
 ベバリッジ曲線が右上にシフトしていることは、欠員率 v が増加しているということです。サーチモデルでは、労働者は直接企業に雇われるわけではありません。企業は、労働者を雇う前に、仕事を欠員状態にして準備しておかなければなりません(例えば車や機械やコンピューターを用意していおく)。失業が多くなれば、労働者がやってくる確率が高くなるので、企業は仕事を充足させるつもりなら欠員の仕事を増やします。
 上の図のデータのように、失業率が高いのに、欠員率も高いのは、企業は労働者を雇用しようと思って仕事を開いているにもかかわらず、雇用が進んでいないということを表わしています。
 ピサリデスは、ベバリッジ曲線を表わす(3)式に代わるものとして、次のベバリッジ曲線の式を想定しています。
13090106


 ここで R は、企業が労働者をとどめておきたいと思う最低レベルの生産性を表わしていて、G(R) は、労働者の生産性が R以下になる確率です。このモデルにしたがえば、ベバリッジ曲線が外へシフトしたのは、企業が、労働者に求める生産性を引き上げた( G(R) が増加した)、ということになります。
 クルーグマンは4月21日のコラム(「失業の罠」、"Jobless Trap," 拙訳はこちら)で、長期間失業している労働者が労働者として「劣等」と認識される傾向が増えた(それは長期間する失業する失業者の割合が増えていることにもつながっている)、と言っています。クルーグマンはベバリッジ曲線に言及しているブログでは、これをベバリッジ曲線の外へのシフトの原因として挙げていませんが、ベバリッジ曲線が外にシフトしているのは、これが原因かもしれません(企業が労働者に対する「生産性のハードル」を上げた)。

(2) ローマー、『上級マクロ経済学』のサーチとマッチングのモデル
(ピサリデスのモデルをもとにしたもの)
13090104
   (9.81)
 V は欠員状態の価値です。実質利子率 r が上昇すれば欠員状態の価値が下がります(右辺の値が小さくなる)。欠員状態の価値が下がれば、雇用 E と rV の関係を表わしたグラフで、rV の曲線が下にシフトします(図は省略)。(均衡での)雇用 E は減少します(つまり失業率が増加します)。(これは演習問題9.12(b)の答えです。)邦訳10:12(b)556頁?

_____

スティグリッツは近著で人がどのような過程で職を得るかをモデル化したサーチ理論を絶賛
している(「過去数十年で経済理論に生じた重要な進歩のひとつは..."サーチ理論"だ」『新し
い教科書』2016邦訳245頁)。その「不完全な労働市場」観(さらに離散的なそれ)はスティ
グリッツのいう情報の非対称性を前提にしたものだ。

        失業率の決定:
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線、UV曲線
 |/___|___________
              欠員率、失業率(U)

(政府による失業者に対する教育訓練が功を奏して、仕事を失った失業者がよりスムーズに
別の仕事に就くことが出来るようになれば、UV曲線、ベバリッジ曲(Beveridge Curve:
定常状態における失業率Uと求人率Vの関係を表したもの)は内側にシフトする。
『齋藤他マクロ』#16,568頁参照。)

参照:
労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf
「過去数十年で経済理論に生じた重要な進歩のひとつは、2010年にピーター・ダイアモンド、 デール・モーテンセン、クリストファー・ピサリデスにノーベル賞をもたらした"サーチ理論"だ。 それは、人がどのような過程で職を見つけて受け入れるかをモデル化した膨大な研究から成る。 サーチ理論は、供給と需要が市場賃金を全面的に決めるのではないと論じる。むしろ、労働の 供給と需要は、賃金に限度を設ける。そして、いくつもの要素によって、賃金がその限度内の どこに落ち着くかが決まるのだ。交渉力、労働市場制度(労働組合の強さをふくむ)、社会慣習 。つまり、サーチ理論によれば、テクノロジーとグローバル化を不平等拡大の最も有力な要因と する説明さえ、ルール(*制度)が重要であることを認めなくてはならない。」 (スティグリッツ邦訳『新しい教科書』2016年245頁、原著2015年)


提示賃金の分布と留保賃金(例):

確率(合計は1)
    :          留保賃金
0.25|        拒否←|→受諾     _
    |           |       |/|
0.20|           |  _    |/|
    |        _  | |/|   |/|
0.15|       |/| | |/|   |/|
    |  _    |/| | |/|   |/|
0.10| |/|   |/| | |/|   |/|
    | |/|   |/| | |/|   |/|
0.05| |/|   |/| | |/|   |/|
    |_|/|___|/|_|_|/|___|/|___
   0  17    18    19    20  万円(提示賃金)

(齋藤他565頁参照)

___________

http://ejje.weblio.jp/content/beveridge
日本語WordNet(英和)での「beveridge」の意味
  
英国の経済学者(インド生まれ)で、社会保険についてのレポートが英国の福祉志向国家が基づく社会立法の大部分に基礎を提供した(1879年−1963年)

(British economist (born in India) whose report on social insurance provided the basis for most of the social legislation on which the welfare state in the United Kingdom is based (1879-1963))


ベバリッジ曲線
https://upo-net.ouj.ac.jp/tokei/xml/kw2_13034.xml
ベバリッジ曲線   Beveridge curve

 横軸に失業率,縦軸に欠員率をとり,失業率と欠員率の関係を描いた曲線である.失業率と欠員率とは逆相関的な関係にあり,原点に対して凸型の曲線となる.失業(Unemployment)と欠員(Vacancy)の頭文字をとってUV曲線ともいう.英国の経済学者W.H. Beveridge(1879-1963)のアイディアによる分析手法である.失業率は,たとえ労働供給を上回る労働需要があっても,ゼロにはならない.これは,求人と求職の結合にかかる時間や,求職者の技能や生活上の条件が適合しない等のために失業が発生するからである.もし労働市場における迅速な情報伝達や十分な職業訓練が実施されているなどの状況にあれば,失業率や欠員率はより低くなり,この曲線は原点に向かってシフトすることになる.


ウィリアム・ベヴァリッジ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0
%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8

ウィリアム・ヘンリー・ベヴァリッジ(William Henry Beveridge、1879年3月5日 - 1963年3月16日)は、イギリスの経済学者、政治家。1942年に発表された「社会保険と関連サービス」(ベヴァリッジ報告として知られる)と題された報告書は、第二次世界大戦後のイギリスだけでなく、日本を含む先進諸国の社会保障制度の構築に多大な影響を与えた。


国家公務員生活の後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の学部長、オックスフォード大学ユニバーシティ・カレッジの学寮長などを務めた。政府の委員会に多数関わり「ゆりかごから墓場まで」を目標としたイギリスの社会保障や雇用施策の充実に貢献。思想的・学問的にはフェビアン協会のウェッブ夫妻、経済学者ジョン・メイナード・ケインズから多大な影響を受けた。

1942年11月、政府刊行物として発刊された報告書『社会保険および関連サービス』をベヴァリッジ報告と呼ぶ。社会保障の大前提として「完全雇用の維持」「所得制限なしの児童手当」「包括的な保健サービスの提供」の3つを挙げ、社会保障制度の原則として「均一拠出・均一給付の原則」を提示した。

1944年より補欠選挙に出馬して自由党議員となり、議会の場においてもベヴァリッジ報告に基づく社会改革の実施を主張した。第二次世界大戦後のアトリー労働党内閣においてこの構想は実現へとむかい、「包括的な保健サービス」としてNHS(国民保健サービス)という、患者負担無料(当時)・税方式の医療保障制度が生まれた。

ベヴァリッジ曲線 

失業者(失業率)と企業の人員不足(欠員率)の間に負の関係を示した理論[1]。性、年齢、職業、学歴、熟練の度合い、地域、産業の違いにより労働者の適正がさまざまであることを重視したベヴァリッジ曲線を分析することで求職・求人がマッチするための情報源となる[2]。

脚注 

^ 日本経済新聞社編 『やさしい経済学』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、215頁。
^ 日本経済新聞社編 『やさしい経済学』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、216頁。
参考文献    編集

Jose Harris著 (柏野健三訳) 『ウィリアム ベヴァリッジ その生涯 (上 中 下)』ふくろう出版
http://www.amazon.co.jp/dp/4861861438/
Lord Beveridge著 (柏野健三訳) 英国思想・ベヴァリッジ研究所研究叢書No.1
http://www.amazon.co.jp/dp/4589036320/
 ベヴァリッジの経済思想―ケインズたちとの交流 単行本 – 2007/3 小峯 敦 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4812207142/ 
『英国の知力 ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE)激動と躍進の18年 (1919〜1937)』英国思想・ベヴァリッジ研究所2010年6月
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB14448172

________________



























8-6(78)【2003.11】「消費者行動のモデル化に関する一考察 情報処理 ...

(Adobe PDF)
 

する経済学の研究成果について、その端緒となったG. Stiglerの価格サーチ理論とそれ へ. の批判、その後の展開を中心に ... 不完全情報下での情報の収集という問題 については、G. Stigler1961年の論文 "The. Economics of information" ...
新堂精士論考
http://www.glocom.ac.jp/publications/glocom_review_lib/78.pdf



























サーチ ・ マッチング理論に基づく国際貿易と 失業率の ... - 青山学院図書館

(Adobe PDF)
 

するなど) 労働市場の価格メ カニズムが不完全であるという想定が広く用いら ... 雇用の ミスマッチを想定するサ~チーマッチング理論は, 貿易の自由化が労働. 市場に与える影 を ... 労働市場のデータを概観しながら, サーチ ・ マッチング理論に至るまでの失業理論.

_____
シャピロ=スティグリッツのモデル(1)
http://hakase-jyuku.com/mare/category4/entry66.html
 倫理や道徳と言った価値観を当面無視することにすると、従業員
にとって背任が純粋に個人的利益となるのは

   g>p(w-w^)N

が成り立つときである。

 すなわち背任による利益が、解雇による所得損失額と摘発確率と
の積を上回るときである。

 w-w^が「現在の職で得ている収入が、他の雇用機会から得ら
れる収入を上回る額」で、これを特に

「従業員が現在の職から得ているレント」

と呼ぶ。

 レント獲得の可能性が、現在の職や将来の再雇用可能性を従業員
にとって価値あるものにし、解雇を避けるべき努力につながる。



シャピロ=スティグリッツのモデル(2)
http://hakase-jyuku.com/mare/category4/entry67.html
 そして全ての企業が他より高い賃金を支払うなんてことは不可能
だから、そこで「失業」が生じることになる。

 すなわちある会社をクビになり他の会社で同等の賃金をもらうと
しても、クビになった時から再就職の間の収入減が生じるのはやむ
を得ない。

 シャピロとスティグリッツは、この点を特に強調している。

 つまり高賃金は労働に対する総需要を減少させ、全ての企業が外
部雇用機会と比べてより高い賃金を設定できるように「失業が創出」
されるのだ。

 もちろんこの失業者によって生産されたはずの生産額は、社会的
損失になるが、このモデルを特にシャピロ=スティグリッツのモデ
ルと言う。

 日本の企業のかつての生産性の高さと勤勉性は、日本には転職機
会が乏しく、新卒者が企業にほぼ終身的に雇用されると言う社会状
況が、そういう背任を防止するための大きな要因になっていた。  

 つまりかつてはES(従業員満足度)が高く、また解雇によって
失う便益がドでかかったために、日本人は安めの賃金で労働するこ
とに不満を持っても、勤勉に働いたということである。

 これは「ムラ社会の行動様式がそのまま引き継がれた」という理
解でも構わない(拙「インセンティブで考える」参照)が、かなり
転職が定着した日本においてどのような賃金体系が妥当であるかは、
かなり難しい問題だといえる。

 資産効果が大きいと考えれば、効率性賃金α>インセンティブ報
酬βということになるのだろうが、、、 


参考:
8月27日更新: 最後に少し付け加えました。

 前回の補足(20)で、ローマー、『上級マクロ経済学』の中の シャピロ=スティグリッツ モデルの説明(9章4節)を取り上げましたが、シャピロ=スティグリッツの論文自体の説明のほうがすっきりしています。
Carl Shapiro and Joseph E. Stiglitz, 
"Equilibrium Unemployment as a Worker Descipline Device" (1984)




サーチモデルにおける均衡雇用率:ブランチャード講義469頁#9
c*
 |       
 |            de/dt=0
y|             o
 |             o  
 |        o o @ o dc/dt=0
 |     o     o A
 |   o      o  
 |o @  o  o 
 |  o B
 |________________e
0               1
cは生産に要する努力。eは雇用率。均衡点はAB二つある。


Aggregate Demand Management in Search Equilibrium. Peter A. Diamond. Massachusetts Institute of Technology. Equilibrium is analyzed for a simple barter model with identical ... [Journal of Political Economy, 1982, vol. 90, no. 5]
http://homepage.ntu.edu.tw/~yitingli/file/macro%20and%20money/Aggregate%20Demand%20Management%20in%20Search%20Equilibrium.pdf

__________

動学的一般均衡のマクロ経済学―有効需要と貨幣の理論 単行本 – 2005/9/1
大瀧 雅之 (著)
第1章でサーチ理論解説
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25 Comments:

Blogger yoji said...

           
スティグリッツは近著で、失業率と求人率と賃金の関係を変数にし、
職探しの過程をモデル化したサーチ理論を絶賛している(「過去数十
年で経済理論に生じた重要な進歩のひとつは..."サーチ理論"だ」
『新しい教科書』2016邦訳245頁)。シャピロ=スティグリッツ・モ
デルでも表されていたが、不完全な労働市場(さらに離散的なそれ)
はスティグリッツのいう情報の非対称性を前提にしたものだ。

        失業率の決定
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線
 |/___|___________
                 失業率(U)

(政府の失業対策が功を奏すれば、ベバリッジ曲線(Beveridge Curve:定常状態における
失業率Uと求人率Vの関係を表したもの)は全体が左にズレ込む。
『齋藤他マクロ』#16参照。)

参照:
労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf

4:02 午前  
Blogger yoji said...


スティグリッツは近著で人がどのような過程で職を得るかをモデル化した
サーチ理論を絶賛している(「過去数十年で経済理論に生じた重要な進歩の
ひとつは..."サーチ理論"だ」『新しい教科書』2016邦訳245頁)。不完全な
労働市場(さらに離散的なそれ)はスティグリッツのいう情報の非対称性を
前提にしたものだ。

        失業率の決定:
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線、UV曲線
 |/___|___________
              欠員率、失業率(U)

(政府による失業者に対する教育訓練が功を奏して、仕事を失った失業者が
よりスムーズに別の仕事に就くことが出来るようになれば、UV曲線、ベバリ
ッジ曲(Beveridge Curve:定常状態における失業率Uと求人率Vの関係を表した
もの)は内側にシフトする。『齋藤他マクロ』#16,568頁参照。)

参照:労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf

4:13 午前  
Blogger yoji said...



提示賃金の分布と留保賃金(例):

確率(合計は1)
    :          留保賃金
0.25|        拒否←|→受諾     _
    |           |       |/|
0.20|           |  _    |/|
    |        _  | |/|   |/|
0.15|       |/| | |/|   |/|
    |  _    |/| | |/|   |/|
0.10| |/|   |/| | |/|   |/|
    | |/|   |/| | |/|   |/|
0.05| |/|   |/| | |/|   |/|
    |_|/|___|/|_|_|/|___|/|___
   0  17    18    19    20  万円(提示賃金)

5:28 午前  
Blogger yoji said...


提示賃金の分布と留保賃金(例):

確率(合計は1)
    :          留保賃金
0.25|        拒否←|→受諾     _
    |           |       | |
0.20|           |  _    | |
    |        _  | | |   | |
0.15|       | | | | |   | |
    |  _    | | | | |   | |
0.10| | |   | | | | |   | |
    | | |   | | | | |   | |
0.05| | |   | | | | |   | |
    |_|_|___|_|_|_|_|___|_|___
   0  17    18    19    20  万円(提示賃金)

(齋藤他565頁参照)

5:30 午前  
Blogger yoji said...


労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf

Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル)...
MP モデルは,複雑な設定から出発して,最終的に2 つの式から2 つの未知数を決めるという,ほとんど中学校の数学のような簡潔な世界に到達する。ここで
2 つの未知数とは,有効求人倍率と,「雇用関係解消を決める閾値(しきいち)生産性」である...


     Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   |
   |        雇用喪失条件(JD)
   |  \    /     
   |   \  /
閾値_|____\/
生産性|    /\     
   |   / |\ 
   |  /  | \雇用創出条件(JC)  
   |_____|______
      有効求人倍率  


   Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   
   |         雇用喪失条件(JD)
   |  \     /     
   |   \   /
   |    \ /
閾値 |ーーーーーX
生産性|    /|\     
   |   / | \ 
   |  /  |  \雇用創出条件(JC)  
   |_____|______
      有効求人倍率  

 右上がりのJD 条件と右下がりのJC 条件が交差す るところで,サーチ均衡の閾値生産性と有効求人倍率 が得られる。この2 つさえ決まれば,その他の大事な 変数(賃金や失業率)が,副産物として自動的に決 まってくる再帰的(recursive)な構造になっている。 これがMP モデルの高い操作性の所以である。
 失業率がどのように決まるかを説明しよう(図3)。労働市場を特徴づけるもっとも重要なグラフとして,U−V曲線,あるいはベバリッジ曲線(Beveridge Curve)として知られる関係がある。これは総労働力に対する失業率を横軸に,求人率を縦軸に取ったものである。ベバリッジ曲線は右下がりで,原点に対して凸であることが多いが,サーチ理論ではこれらの性質を導くことができる。ベバリッジ曲線とは,定常状態における失業率(U)と求人率(V)の関係を表したものにほかならない。


        失業率の決定
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線
 |/___|___________
                 失業率(U)

(政府の失業対策が功を奏すれば、ベバリッジ曲線(Beveridge Curve:定常状態における失業率Uと求人率Vの関係を表したもの)は全体が左にズレ込む。
『齋藤他マクロ』#16参照。)

8:10 午前  
Blogger yoji said...


労働市場サーチ理論 今井亮一
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/04/pdf/016-019.pdf

Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル)...
MP モデルは,複雑な設定から出発して,最終的に2 つの式から2 つの未知数を決めるという,ほとんど中学校の数学のような簡潔な世界に到達する。ここで
2 つの未知数とは,有効求人倍率と,「雇用関係解消を決める閾値(しきいち)生産性」である...


     Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   
   |        雇用喪失条件(JD)
   | \    /     
   |  \  /
閾値_|___\/
生産性|   /\     
   |  / |\ 
   | /  | \雇用創出条件(JC)  
   |____|______
      有効求人倍率  


   Mortensen-Pissarides モデル(MP モデル):
   
   |        雇用喪失条件(JD)
   | \     /     
   |  \   /
   |   \ /
閾値 |ーーーーX
生産性|   /|\     
   |  / | \ 
   | /  |  \雇用創出条件(JC)  
   |____|______
      有効求人倍率  

  右上がりのJD 条件と右下がりのJC 条件が交差す るところで,サーチ均衡の閾値生産性と有効求人倍率 が得られる。この2 つさえ決まれば,その他の大事な 変数(賃金や失業率)が,副産物として自動的に決 まってくる再帰的(recursive)な構造になっている。 これがMP モデルの高い操作性の所以である。
 失業率がどのように決まるかを説明しよう(図3)。労働市場を特徴づけるもっとも重要なグラフと して,U−V曲線,あるいはベバリッジ曲線(Beveridge Curve)として知られる関係がある。これは総労働力に対する失業率を横軸に,求人率 を縦軸に取ったものである。ベバリッジ曲線は右下がりで,原点に対して凸であることが多いが,サーチ理論ではこれらの性質を導くことができる。ベバリッジ 曲線とは,定常状態における失業率(U)と求人率(V)の関係を表したものにほかならない。


        失業率の決定
求人率(V)
 |       
 |  o   
 |        /
 |  o    / 有効求人倍率
 |      /
 |   o / 
 |____/
 |   /o
 |  / | o      
 | /  |    o  o ベバリッジ曲線
 |/___|___________
                 失業率(U)

(政府の失業対策が功を奏すれば、ベバリッジ曲線(Beveridge Curve:定常状態における失業率Uと求人率Vの関係を表したもの)は全体が左にズレ込む。
『齋藤他マクロ』#16参照。)

8:12 午前  
Blogger yoji said...

ここで労働市場における需給のミスマッチを観察するために雇用失業率と欠員率の関係をUV曲線によりみてみる。UV曲線とはU(unemployment)を失業、V(vacancies)を欠員として労働の需給関係を表したものであり、一般的に欠員が増えると失業が減り、欠員が減ると失業が増えることから、右下がりの曲線となる。2~6年及び9~11年にかけて、曲線は左上方にシフトしており、景気の後退による労働需要不足が深刻になった時期といえる。しかしながら、足下の11年~13年にかけてUV曲線は右横にシフトしており、失業率が高止まりする中、欠員率が上昇していることから、雇用のミスマッチが拡大しているといえる(第Ⅱ-1-18図)。第Ⅱ-1-18図  雇用のミスマッチ

8:26 午後  
Blogger yoji said...

ダイアモンド
OLGへの貢献は

Diamond, Peter (1965). "National debt in a neoclassical growth model". American Economic Review. 55 (5): 1126–1150.

2:52 午後  
Blogger yoji said...

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Overlapping_generations_model

2:55 午後  
Blogger yoji said...

動学的一般均衡のマクロ経済学―有効需要と貨幣の理論 単行本 – 2005/9/1
大瀧 雅之 (著)

第1章でサーチ理論解説

12:13 午前  
Blogger yoji said...

決定論的ニューケインジアン理論についてしたがって,失業状態%にある家計の期待効用は変化しないが,(1.77)から明らかなように,就業状態cにある家計の期待効用は,就業率eの上昇に伴い,改善されることが分かる。これにより,高就業率の均衡点Esの方が,低失業率の均衡点島に比べて,Pareto効率的であることが証明された。1.6.4外部性が先験的に仮定されてぃるDiamond(1982)がいかに巧みに構築されているかは,これまでの議論で明らかになったであろう.しかしこの研究にも,問題点は存在する。それはこの節の冒頭でも予告したことであるが,外部性が安易に導入されていることである。Diamond均衡が複数均衡になるためには,就業状態cにある家計が他の就業状態にある家計と出会う確率ろが,就業率eの増加関数となるという仮定に決定的に依存している。このことを,まず明らかにしておこう。そのためには,(1.71)に戻ればよい。すなわち,(1.71)において,就業者同士がmatchする確率ろが,就業率cに依存しないとしてみよう。すると(1,71)は,就業率eからは独立に,生産性のcut―o■rate c*と定数だけの関数になる。したがって,cut_of rate c*は,就業率cとは無関係に,ある一定の定数となる。このため,家計の主体的均衡を表すC*=C*(e)のスケデュールは,図1-5に見られるように,横軸に対して水平になる。この場合Diamond均衡Eは,明らかにただ一つ(unique)といっことになる。つまり就業状態にある家計みなが,一生懸命に探すから,より取引相手を容易に見つけられるようになるという,戦略的補完関係(strategiccOmplement)が,先験的に仮定されているから,先のようなPareto順序の付く複数均衡が生まれたのである。より議論を詰めると,次のようになるであろう。すなわち,逆の仮定も置くことができるということである。たとえば,ι(c)が極値を持つと1.6 Diamond(1982)のサーチ理論図1¨5 外部性がない場合のDiamond均衡考えてみてもよい。ある一定以上の就業率(これをc*としよう)を越えると,混雑現象(congestion)が発生し,逆にmatchする確率が低下すると考えるわけである。すると(173)から明らかなように,家計の主体的均衡を表すc*=c*(c)


′=1図1…6 混雑現象がある場合のDiamond均衡は,c=e*を境に,右下がりとなる.一方ここで,c=c*において市場均衡を表すι=0は依然右上がりであることが容易に分かる.しかし(1.75)の両辺を全微分して整理すれば,ασピだ=高ゃ+に一ダンa にっとなることが分かる。ここでいささか極端であるがろ(1)=0を仮定すると,ι=oを表す曲線は,図1-6のように,少なくとも一つの極値を持ち,c*=c*(c)を表す曲線と三つの交点を持ちうる。したがってこの場合,Diamond均衡は,三つとなる可能性がある。1.7 おわりに 69このうち点Esと21との間には,ParetOの意味で順序付けが可能で,Esの方が,Pareto優位にある16)。っまり平たく言えば,均衡点働1は忙しすぎる均衡なのである。以上をまとめれば,Diamondの外部性の導入の仕方は,直観的には分かりやすく感ずるかもしれないが,それに対して代替的なストーリーを書くということも,また,それほど難しいことではないのである。したがって,b(c)が単調増加関数になるということ自体に, ミクロ経済学的な基礎付けが必要である.ただこのような考え方は,取引の同時性(synぬronization)を前提とする,現在の標準的なミクロ経済学からは距離があり,基礎付けがかなり困難なことが予想される.しかしこの問題は, ミクロ経済学の拡張のためにも非常に重要な課題であると,筆者は考える。1.7 おわりに本章では,確実性下のニューケインジアン理論を,批判的にサーヴェイした.得られた結論は以下のとおりである。まず第一の結論は確実性下のニューケインジアン理論は,基本的に静学分析にとどまっており,その限りでは,Keynesの『一般理論』からは,遠いということである.すなわち少なくとも,消費・貯蓄は,異時点間の動学的な意思決定問題であつて,Keynesの理論を現代に蘇らせる上では,静学分析には自ずと限界があるということである17).このような静学分析の限界は,次の二点に集約される。すなわち,貨幣の中立性と増税に伴う所得効果による労働供給の増加である。16)読者には,この議論を自ら計算してチェックしていただきたい。またこの均衡の動学的な安定性はどうなるであろうか.考えてみよう:17)数少ない動学分析が,大家によってなされている.たとえば,Hahn and Solo、″(1995)やSolow(1998)がそれに当たる.読者はこれらの書物に当たり,大家の良心と苦闘を是非感得していただきたい。



2:39 午前  
Blogger yoji said...

1.6 Diamond(1982)のサーテ理論この節では,Diamond(1982)のサーチ理論の考え方を紹介する.Dian10ndの理論は,これまでのいわばWalras的な取引が一斉に行われる際の均衡とは違い,取引のタイミングがそれぞれ個々の主体ごとに異なる場合の分析である.したがつて,均衡概念が通常の理論とは異なることに留意しなくてはならない.ただ残念なことに,取引のintcnsityに関する外部性がad_hocに導入されているという,不完全な点が明らかにされる。そしてサーチ理論のさらなる彫琢に関する課題が提示される。そこでまず,モデルの構造と仮定を明らかにしよう

仮定1.家計の効用関数し「ι≡/+°°Cre_r(ァーt)ατC7は7期の消費量.2.家計には財の生産の機会を探している状態と,出来上がった財を他の家計と交換すべく取引相手を捜している状態の二つの状態が存在する。3.自分で生産した財を消費することは不可能である。4.生産の機会は平均αのPOissOn過程で生じ,その費用cの分布関数をσ(c)とする。また生産される財はつねにν単位であるものとする。5.交換の機会は平均bのPOissOn過程で生じ,らは取引相手を捜している家計の比率eの増加関数(b′(e)>0)であるoのとする(externalityの先験的な導入).6.経済にはきわめて多くの家計が存在し,大数の強法則が成立することを前提とする.すなわち,生産・取引は単位時間あたりα,らだけの比率の家計に発生する。16.1家計の主体的均衡И旬(ん)とフアよん)を″ズん):現在失業状態(生産機会をサーチしている状態)にある家計が,さらにん時間だけsearchしたときに得られる期待効用.フツЪ(ん):現在就業状態(取引機会をサーチしている状態)にある家計が,さらにん時間だけsearchしたときに得られる期待効用.とする.16 Diamond(1982)のサーチ理論 61このとき,WIん),フフЪ(ん)は,次の連立方程式を満足しなくてはならない11)。吼0=e机{α引社0-のαGO+(1-a→IIЪαC)耽0}⇔1-e rt吼。)=αθ~rλェざ(%o)一吼。)―のαG0ん→0の極限をとるとrwu: o [" 1w" -wu - c)d.G(c)Jo続いてフワ「eについては,%0)=bん(υ tt C~rんИ亀0))+(1-bOe rんИ化し)⇔l e7・t%。)=be rん{ν―(%。)一吼。)}再びん→0の極限をとるとrツシie=b{ν―(ツシЪ―フレЪ)} (1・70)12)さてこれらの条件の下で,生産費用のcut of水準c*はフレie―c*=フレζレをみたすことになる(なぜか?)。すなわち,(1.70)と(1.69)を辺辺減ずることで,r(И亀―吼)=b{ν―(И亀―吼)}一αf(Иろ―吼―のαG0⇔rc*=∝ν―c*)αJ♂ピーのαG0⇔び= (島11)この式の導出方法に関しての詳細な知識は,第3章を参照のこと12) (169),(1.70)の経済学的意味を考えよ。

となる13).第1章 決定論的ニューケインジアン理論についてここで,(1.71)を満足する(c*,c)の組み合わせについて考えてみよう。するとb圭ろ(C),b(0)=0であることから,次のことが言える。すなわち,この組み合わせは,図1-4のc*=c*(C)で表されるが,この曲線には以下の特徴がある。原点を通る右上がりの曲線であることである。まず原点を通ることから説明しよう。b(0)・〒0であるから,c=0において,c*(o)は次の方程式を満足しなくてはならない。すなわち,彎勒である。ところでここで,c*(0)≠0としてみよう。すると上式の分母を払うことによって,1.6 Diamond(1982)のサーチ理論図1‐4 DiamOnd均衡dc* b'(e)(g - c*){r + aG(c*(0))}".(0) : o fo" @) .ac{").(1.72)が成立しなければならない。ところが,α渉OFOィ颯①配αらであるので;実は,(1.72)の左辺は厳密に右辺より大きくなってしまう.これは矛盾である.したがって,c*(0)=0でなければならない。次にこのc*=c*(C)の軌跡が,右上がりであることを示そう。すると(1.71)の両辺を全微分してみると,αc =b' (e)yde -f ac* G' (c*)dc*r-lb*aG(c*)これを整理すると,13)ワ:/e―シツ「じがc*の単調減少関数であることを示せ。またこのことは経済学的に何を意味しているかを考えよ.び>0.(1.73)rlbtaG(c*)であることが分かる。したがってc*=c*(c)の勲跡は,右上がりである。さらにb″(c)<0であれば,図1-4のように上に向かって凸である。

64 第1章 決定論的ニューケインジアン理論についてとも証明できる。これは,読者の課題としたい。1.6.2労働市場の均衡経済全体で,財をすでに生産し取引相手を探している人(就業状態cにある家計)の比率(就業率)の変化は,次の微分方程式に従うことになる。すなわち,i: a(r - e)G(c-) - eb(e).(1.74)である。(1.74)の右辺第一項は,現時点で新たに就業状態cについた人の割合を表している。すなわち現在よりほんの前には,1-eだけの割合で,失業状態色の人が存在した。そのうちαだけの割合の人が,新たに生産機会に恵まれ,さらにそのうちG(c*)だけの割合の人が,実際に採算に合う生産機会にめぐり合ったきわめて幸福な人なのである。これに対し,(1.74)の右辺第二項は,現時点で財を交換・消費し,失業状態鶴へ戻つた人の割合を表している。すなわち現在よりほんの前には,cの割合だけの人が,就業状態eにあった.このうちb(e)だけの割合の人が,財の交換に成功し同時にそれを消費したわけである.このような人たちは,手持ちの財を失うから失業状態鶴へと移行し,就業者のプールから出て行くことになる。ここで就業率eの時間的経路を追うことは複雑となるので,定常状態だけを考えることにしよう.すなわち,ι=0を仮定しよう14).すると,cとc*の間に,次の関係があることが分かる。すなわち,a(I - e)G(c.): eb(e).(1.7oという関係である。このとき(1.75)の左辺は,c*の増加関数であり,cの減少関数である。一方同式の右辺は,cだけの増加関数である。したがって,マクロ16 Diamond(1982)のサーチ理論 65でのこれらの変量に関する軌跡は,図1-4のι=0線のように,右上がりの曲線によって表現される。ただしこの際注意しなくてはならないのは,この曲線が(0,f)を通ることである。つまりどんな生産にも,それがいくら安いものであっても,必ず正の費用がかかることを仮定していることである。1.6.3マクロ経済の均衡さて以上で,家計の主体的均衡とマクロでの労働市場の均衡を描写することができた。次に,これらを同時に考えて,モデルを閉じることにしよう。均衡(これをDiamond均衡と呼ぼう)は,c*=c*(C)とし=0の曲線の交点,几,Esである.図1-4から明らかなように,DiamOnd均衡が存在するならば,それは必ず複数個あることが分かる15).もちろん,これらの均衡については,Paretoの意味で順序付けすることが可能である。そのことを確認するためには,(1.69)|こ戻ればよい。フレ1-c*=フワ■に注意して,(1.69)をc*に関して微分すると,=0.(1.7のである。一方,(1.76)の結果を考慮すると,飢一酔r>0である。15)無論,c=0となる均衡を排除できているわけではない。すなわち,c=0ならば,(1.75)の両辺は確かに0となる。つまり,ё=0という関数は,c=0で二価の関数となるのである.またDiamond均衡が存在すれば,必ず複数個存在することに関する詳しい議論は,Diamondの原論文を参照されたい。




2:42 午前  
Blogger yoji said...

生産費用



   就業率

2:46 午前  
Blogger yoji said...


家計の期待効用


(
生産費用、給料

2:53 午前  
Blogger yoji said...

給料が上がる↑とたくさん雇えない



沢山雇う→と給料は上げられない
(

10:26 午前  
Blogger yoji said...



2012年 Al Roth, Sydney Ideas lecture 2012c.jpg      アルヴィン・ロス アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国 安定配分理論と市場設計の実践に関する功績[143]
Shapley, Lloyd (1980).jpg      ロイド・シャープレー

8:04 午前  
Blogger yoji said...

大竹 数学20より

シャープレイ値  協力ゲームにおいて,コアと並んで基本的な解概念に,アメリカの数学者兼経済学者で 2012年にノーベル経済学賞を受賞したロイド・シャープレイ( Lloyd Shapley)により 1953年に定式化されたシャープレイ値( Shapley value)がある。この節ではシャープレイ値を説明する。  プレイヤー iが参加可能な提携において,プレイヤー iの参加による収入増加への貢献度を限界貢献度( marginal contribution)といい,それは提携 Sの収入と提携 Sからプレイヤー iが抜けたときの収入の差,即ち,   v (S) –v (S –{i})と記述できる。  シャープレイ値は次の様に定義される。  提携形ゲーム( N, v)の任意のプレイヤー iについて,   φ i (v) = Σ i ∈ S ⊂ N {( s –1)! (n –s)! / n!} {v (S) –v (S –{i})}  ( sは提携 Sのメンバー数)をプレイヤー iのシャープレイ値といい,そしてその組   φ (v) = (φ 1, φ 2, …, φ n)を提携形ゲーム( N, v)のシャープレイ値という。ここで, φはギリシャ文字の小文字でファイと発音する。

8:20 午前  
Blogger yoji said...

大竹 数学20より

シャープレイ値
 協力ゲームにおいて,コアと並んで基本的な解概念に,アメリカの数学者兼経済学者で 2012年にノーベル経済学賞を受賞したロイド・シャープレイ( Lloyd Shapley)により 1953年に定式化されたシャープレイ値( Shapley value)がある。この節ではシャープレイ値を説明する。
 プレイヤー iが参加可能な提携において,プレイヤー iの参加による収入増加への貢献度を限界貢献度( marginal contribution)といい,それは提携 Sの収入と提携 Sからプレイヤー iが抜けたときの収入の差,即ち,
  v (S) –v (S –{i})
と記述できる。
 シャープレイ値は次の様に定義される。

 提携形ゲーム( N, v)の任意のプレイヤー iについて,
  φ i (v) = Σ i ∈ S ⊂ N {( s –1)! (n –s)! / n!} {v (S) –v (S –{i})}  ( sは提携 Sのメンバー数)
をプレイヤー iのシャープレイ値といい,そしてその組
  φ (v) = (φ 1, φ 2, …, φ n)
を提携形ゲーム( N, v)のシャープレイ値という。

ここで, φはギリシャ文字の小文字でファイと発音する。

8:22 午前  
Blogger yoji said...

協力ゲーム
提携形ゲーム
 プレイヤーたちがお互いに話し合うことができ,その結果として達成された合意が拘束力を持つゲームを協力ゲーム( cooperative game)といい,その基本的モデルは提携形ゲーム( coalition game)である。
 提携形ゲームは,プレイヤーの集合 Nと特性関数 vで定義され,
 ( N, v)
と記述される。

提携
 協力ゲームにおいて,共同行動を採るために形成されるプレイヤーの集合の非空な部分集合を提携( coalition)という。
 提携は各プレイヤーの戦略を調整し,提携内のすべてのプレイヤーが一致して行動することを可能にする。そして,必要なときには,各プレイヤーは互いに収入や損失を補填し合うことができる。これを譲渡可能効用の仮定( assumption of transferable utility)といい,そして譲渡された所得を別払い( side payment)という。

8:23 午前  
Blogger yoji said...

マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学 (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 2015/2/11
川越 敏司 (著)
kindleあり

マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書) 単行本 – 2013/9/4
坂井 豊貴 (著)

メカニズムデザインと意思決定のフロンティア2014/5/22
坂井 豊貴
単行本
¥ 3,024プライム

メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ 単行本 – 2008/8/1
坂井 豊貴 (著), 藤中 裕二 (著), 若山 琢磨 (著)
5つ星のうち 4.8 5件のカスタマーレビュー

8:43 午後  
Blogger yoji said...

ジョージ・J・スティグラーは商品売買における情報や職業の探索を重要な問題だと提唱し[1][2]、ジョン・J・マッコールは最近の仕事に基づいたoptimal stopping理論をベースにして、動的な職業探索のモデルを提唱した[3][4][5]。マッコールの論文では、選択肢が完全情報的で不変、また貨幣の価値が不変であるとき、職業提供者が失業者に対して仕事を提供するか否かについて研究がなされている[6]。

彼は、労働者が受け入れるであろう最も低い賃金である、「留保賃金」という観点によって職業探索の決定理論を特徴づけた。労働者は、提供された賃金が留保賃金より安ければ拒絶し、高ければ受け入れるという行動をとる。

もしマッコールによって考えられた条件が満たされなければ、時間の経過とともに留保賃金は変わる可能性がある。例えば、失業者の技能が衰える一方でなかなか職業にありつけないという状況下では、失業の期間が長ければ長いほど、受け入れる職場環境の基準は下がる。こういった場合には、失業者の留保賃金は時間の経過とともに下がる。同様に、もし彼らがリスク回避的であれば、職業探索によって徐々に生活資金が減っていくため、留保賃金は下がる傾向にある[7]。また、留保賃金は業種によっても変わる。つまり、職種の間には補償差分があるといえるだろう。

マッコールのモデルによって、賃金提示が多様であればあるほど探索する労働者は有利になり、探索を行う期間が長引くかもしれないという面白い見解が示された。これは賃金提示額が多様であればあるほど、探索者は高い賃金提示を受けるかもしれないという期待をするため、高い留保賃金を設定し、したがって長期間待つからだと考えられる。また、低い賃金の提示については、それを拒絶する権利が探索者側にあるため、リスクとしての影響力をもたず、リスク回避的な人でさえ職業探しの期間が長くなりうる。

マッコールは失業者の賃金決定に関して、理論の枠組みを作ったが、これと似たような考察が、安い価格の商品を求める消費理論にも応用されうる。 この関係性からすると、消費者が商品に対して払いうる、最も高い価格のことを、「留保価格」を呼ぶことができるだろう。

9:12 午後  
Blogger yoji said...

スティグラー
価格の理論

第1章「経済分析序説」
第2章「価格と企業経済」
第3章「消費者行動」
第4章「効用の理論」
第5章「供給一定下の価格形成」
第6章「生産サービスの供給」
第7章「費用と生産」 
第8章「生産:収穫逓減」
第9章「生産:規模に対する収穫」
第11章「競争価格の一般理論」
第12章「独占の理論」

4:25 午前 削除
Blogger yoji さんは書きました...
価格の理論 単行本 – 1991/3
ジョージ・J. スティグラー (著), 南部 鶴彦 (翻訳), 辰巳 憲一 (翻訳)

4:27 午前 削除
Blogger yoji さんは書きました...

(1987). The Theory of Price, Fourth Edition. New York: Macmillan

4:29 午前 削除
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4:30 午前  
Blogger yoji said...

工藤論考のまとめあり
新しい経済の教科書2012 (日経BPムック 日経ビジネス) 雑誌 – 2012/4/19
日経ビジネス (編集)

5:54 午後  
Blogger yoji said...

日経ビジネス 1501号(通巻1501号)。 2009/07/27。 ウォルマート。

雑誌。
タイトル。 日経ビジネス(ニッケイ ビジネス)。
副タイトル。 Nikkei business。
所蔵巻号。 1号(創刊号)~1978号。
著者名。 日経マグロウヒル社(ニッケイ マグロウヒルシャ)。
日経BP社(ニッケイ BPシャ)。
出版者。 日経BP社/東京。
出版年月。 1969。
刊行頻度。 週刊(7)。
休廃刊区分。 継続刊行中。
ページと大きさ。 冊/28cm。
一般注記。 責任表示者変更: 日経マグロウヒル社 (-499号)→日経BP社 (500号-)。
1987, 2-2の並列タイトル: Nikkei business。
変遷情報。 日経ビジネス 特別情報版 から継続。
日経ビジネス. 特別情報版 = Nikkei business / 日経マグロウヒル社 から継続。
分類。 Z402。
ISSN。 00290491。
価格。 ¥600。
タイトルコード。 2002220003457。

6:02 午後  
Blogger yoji said...

サーチの価値=サーチ中に発生する純利益
             +
       (取引機会を得る確率)
             ×
       (取引成立の価値 または サーチ継続の価値)


日経ビジネス2009.7.27より

4:21 午後  

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