効用を測ることはできるか
効用を測ることはできるか | 永井俊哉ドットコム
https://www.nagaitoshiya.com/ja/2002/cardinal-utility-measurement/基数的効用を批判する人は、限界効用逓減の法則は必ずしも成り立たない点を指摘する。例えば、通常は、喉の渇きを癒す1杯目のビールが1番おいしく、2杯目・3杯目となると次第に味が落ちていくというのが普通だが、中には、酔えば酔うほどビールはうまくなるという人もいるかもしれない。その場合、酔いつぶれるのに必要なビールの量を1単位としてその限界効用を考えてみると、2単位目以降は、翌日のためのものだから、それだけ効用は減っていく。また自動車のタイヤは、4輪目で急激に限界効用が増えるが、これも4輪で1単位と考えれば、限界効用逓減の法則の例外ではなくなる。つまり、有用性という観点から独立性のある単位で測れば、限界効用逓減の法則は成り立つのだ。
では、限界効用は、なぜ逓減するのか。主観的価値としての効用には、価値一般がそうであるように、有用性と希少性という2つの契機がある。限界効用が逓減する時、逓減しているのは希少性であって、有用性ではないと想定して効用を計算することができる。そこで、今、ある商品の有用性が一定の値 k をとるとしよう。商品の希少性は、その数が、1,2,3 … と増えるに従って、1/1, 1/2, 1/3 … というように減少していく。ゆえに、効用を有用性と希少性の積とすると、1単位の効用は次の関数によって表現される。
(1) u(x)=k/x
(1)の関数の変数 x は、本来自然数でしかありえないはずであるが、情報の不確実性を考慮に入れることにより、正の実数全体へと定義域を拡張することができる。例えば、「この商品は、世界に3つしかないはずだが、ひょっとすると4番目が作られるかもしれない」という時、希少性は1/3と1/4の間の値になる。
(1)が、連続した関数であるとするならば、(1)を x で積分することにより効用の合計 U(x)を求めることができる(lnは、eを底とする自然対数)。
(2) U(x)=klnx
このように、効用の合計(以下たんに効用と略す)は、商品の数の対数に比例する。このことは、価値に対する感覚である効用が、感覚一般の法則であるフェヒナーの法則に従うことを示している。
3. フェヒナーの法則
フェヒナーの法則とは、感覚は刺激の量の対数に比例するという心理学の法則である。ある物理的な刺激を増やしていって、被験者がちょうど違いに気付いた(just-noticeably-different)刺激強度を目盛っていく。この刺激強度の差を"just-noticeably-different"の頭文字をとって、jndと言う。以下の表からわかるように、刺激強度が大きくなるにつれて、jndの値も大きくなる、つまり刺激に対する感受性が低下する。経済学的術語に改変すれば、限界感受性逓減の法則と言ってよいかもしれない。
〔需要関数と生産関数の違い――イタリア人経済学者ピエロ・スラッファは、「マーシャル・クロス」を「〈需要関数〉は、効用逓減という基本的かつ自然的なる仮定の上に立つ。これに反して、生産における関数関係は、これよりもずっと複雑な仮定を持った体系の結果である。限界効用に関する研究が、価格と(消費された)数量との関係に注意をひきつけたあとではじめて、類推によって費用と生産量との関係という均斉的な概念が生まれたというのが事実である」(『経済学における古典と近代』、菱山泉・田口芳弘訳、有斐閣、1956年)と評した。十分ではないが、極めて妥当な鑑定である。〕
「ピグーの3命題」…成長、分配、安定
第2命題が成立する理由
「比較的に豊かな人から比較的に貧しい人へ所得を移転するとすれば、それは相対的に強くない〔富者の〕欲望を犠牲にして、いっそう強烈な〔貧者の〕欲望を充足させることができるから、欲望充足の総計を増大させるに違いないことは明らかである。
かくして古い限界効用逓減の法則から確実に次の命題が導かれる。
すなわち、貧者の手中にある実質所得の絶対的分配分を増加させるいかなる原因も、もしそれが国民分配分〔全体〕の規模を縮小させないのであれば、一般に経済的厚生を増大させるであろう、という命題がそれである。」(p.89)
厚生経済学から新厚生経済学へ
ロビンズ『経済学の本質と意義』1932
ピグーの限界効用逓減の法則に基づく第二命題を否定
「かりにAの選好について意見の相違が生じたとせよ。
わたくしは、ある種の価格において彼がmよりもnを選好すると考え、あなたは、同一の価格において彼がnよりもmを選好すると考えたとせよ。
われわれの相違を純粋に科学的な方法で解決することは容易であろう。
われわれはAに頼んでいずれが望ましいかを言ってもらうことができるであろう。……
しかしわれわれが、千ポンドの所得からAが得る満足とその2倍の大きさの所得からBが得る満足とについて意見が違ったとせよ。
かれらにたずねることはなんの解決をもたらさないであろう。
かれらの意見が違ったとして、Aは限界においてBよりも大きい満足を得ると主張するかもしれない。
一方Bは、これと反対に、Aよりも大きい満足を得ると主張するかもしれない。
われわれは、この場合にいかなる科学的証拠もまったくない……。
Aの満足とBの満足と比較してその大きさを検査する手段は全くない。
……異なった人の満足を比較する方法はないのである。
……限界効用逓減の法則の拡張〔ピグーの第二命題〕は非論理的なものである。
したがって、それに基づいた議論は科学的根拠に欠ける。
……それは倫理的な仮定としては興味深いが、純粋理論の実証的な仮定からはぜんぜん出てこないものである。」。
新厚生経済学の誕生
・効用の個人間比較可能性を否定
・基数的効用(cardinal utility)から序数的効用(ordinal utility)へ
・資源配分問題(allocation)と分配問題(distribution)を分離
・価値判断はパレート効率性基準に則って行う
・資源配分問題に特化――市場の失敗=公共財、外部性など
分配問題に関しては社会的厚生関数は必須
・では、社会的厚生関数は、なんらかの民主主義的手続に基づいて、導出することは可能なのか?
・我々が、すべての個人が、いかに複数の社会経済状況(たとえば分配状況)に対して順序づけるのかを知っているのであれば、この情報を使って、異なる社会経済状況(分配状況)に対して、順序づけることができるのではないか?
・結論から言えば、そうした望ましい順序づけの方法は、存在しない――アローの不可能性定理
アローの不可能性定理
・推移律
・無関係な選択対象からの独立性
・広範性
・ただし、民主主義とは、非独裁的選択
・アローの不可能性定理
・もし社会的決定メカニズムが上述の最初の3つを満たすならば、それは独裁制にほかならない。
つまり、すべての社会の選考順序は1人の個人の選考順序と等しくなる。
分配問題と価値判断
・民主主義手続のもとでは、社会的な選好は導き出せない。
経済学に見る限界効用のマーケティング活用(限界効用逓減の法則) - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2138268801350134501経済学の限界効用(Marginal utility)
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恋愛の限界効用
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満足度(効用)が最大の点を探る
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