水曜日, 4月 13, 2016

ラグランジュの未定乗数法 - Wikipedia

ラグランジュの未定乗数法 - Wikipedia


無差別曲線の限界と関係する。


ラグランジュの未定乗数法(ラグランジュのみていじょうすうほう、method of Lagrange multiplier)とは、束縛条件のもとで最適化を行うための数学解析学)的な方法である。いくつかの変数に対して、いくつかの関数の値を固定するという束縛条件のもとで、別のある1つの関数の極値を求めるという問題を考える。各束縛条件に対して定数(未定乗数Lagrange multiplier)を用意し、これらを係数とする線形結合を新しい関数(未定乗数も新たな変数とする)として考えることで、束縛問題を普通の極値問題として解くことができる方法である。

幾何学的な説明
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図1: 束縛条件g (x,y ) = cに対して関数f (x,y ) を最大化する場合。
図2: 図1の等高線地図。赤い線は束縛条件g(x,y)=cを示す。青い線はf(x,y)の等高線。赤い線が青い等高線に接する点が解。

簡単のため2次元の場合を考えよう。g (x,y ) = c(ここでc は与えられた定数である)に対し、関数f (x,y ) を最大化するものとしよう。f の値を高さとしたグラフを考える。d のいろいろな値に対しf (x,y ) = d で与えられるf の軌道が考えられる。束縛条件はg の値をc に固定してg が1つの軌道にあるとすることである。g =c の軌道に沿って歩くと、f とg の軌道は違うから、この軌道は一般に多数のf 軌道を横切ることになる。そこでd の異なる値に対して横切るいろいろなf =d の軌道に注目しよう。軌道を横切るとすると、坂を上ればf の値は増加する(下れば減少する)。

ただし横切ろうとしている軌道f =d が実際は軌道g=c(束縛条件)と交差せず接触だけする場合に限り、f の値は変化しない(束縛条件下でf が最大となる点ではまさにそうである)。ここではf とg との勾配ベクトル(各変数による偏微分を成分とする)の向きが同じになる。

ここで0でないスカラー λ を導入し、f − λg を考える。上の点の条件は、λ のある値に対してf − λg の勾配が0であるということに等しい(λ はfg の勾配の比)。