http://www.freeassociations.org/
P
↑
A|_____D____G____ P
|/////| |
|/ ① /| |
|/ /| |
B|////E|___H|____ U
| | |
| ② | |
C|____F|___I|____ M
| | |
| ③ | |
|_____|____|_____→Q
0 Q1 Q2
①利潤と一般費用
②賃金
③原料費
生産がQ2まで拡大しても賃金の相対的分け前は変わらない。
カレツキは安定した所得分配論を展開し得た。
Y=R+W
R=I+Cr
Cr=cr・R+A
W=α・Y+B
Y=粗国民所得 I=粗投資 R=粗利潤(資本家所得)
Cr=資本家消費 W=賃金+俸給(労働所得)
cr=資本家の限界消費性向
α=1より小さい正の係数 A=資本家の基礎消費を示す正の変常数
B=短期固定的労働者所得(主として俸給)を示す正の変常数
支出 I
↓
生産 Y1
↓ ↘︎
分配 W1 R1
↓ ↓ ↘︎
支出 Cw1 Cr1 Sr1
↓ ↙︎
C1
↓
生産 Y2
↓ ↘︎
分配 W2 R2
↓ ↓ ↘︎
支出 Cw2 Cr2 Sr2
↓ ↙︎
C2
↓
生産 Y3
I=粗投資
Y=粗国民所得
W=賃金+俸給(労働所得)
R=粗利潤(資本家所得)
Cr=資本家消費
Cw=賃金所得Wからの消費支出
Sr=利潤Rからの貯蓄
渡辺弘『ケインズ…』86頁より
第2章、主に Kalecki,Essays in the Theory of Economic Fluctuations, 1939.の解説より
ケインズ経済学と失業・所得分配 マクロ理論とミクロ理論の相互基礎づけ
渡辺弘/著 晃洋書房 2001.02 193p
要旨
本書は主にJ.M.ケインズの短期理論に関する有効需要の理論、非自発的失業、所得配分や新古典派理論批判などに関連する5編の論文を取り挙げた。
目次
第1章 ケインズの総供給関数のミクロ的基礎づけ―D.ヨンクの所説の検討(簡単なケ
インズ派モデル;パティンキンの供給関数 ほか)
第2章 オイラーの定理と利潤―ミクロ需給関数のマクロ的基礎づけ(オイラーの定理妥当の条件;利潤の分類 ほか)
第3章 ケインズ派マクロ分配論―特にカレツキ、カルドアとシュナイダーについて(カレツキの分配論;カルドアの分配論 ほか)
第4章 有効需要の原理と所得分配―ミクロ・マクロ両分配論の総合の一試論(ミクロ需給関数とマクロ需給関数との関係の定式化;ミクロ分配論に基礎づけられたマクロ分配論 ほか)
第5章 労働の需要曲線と非自発的失業と効率賃金仮説―ミクロ経済理論のマクロ的基礎づけ(労働の限界生産物曲線と労働の需要曲線;仮定とモデル ほか)
索引あり
オイラーの定理(経済学)について - 経済 解決済 | 教えて!goo
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6547937.html
オイラーの定理(経済学)について
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質問者:missyel質問日時:2011/02/24 21:27回答数:1件
Y=MPL×L+MLK×K
の導出方法がわかりません。
また、両辺の単位は左辺は生産額ですが、右辺は実質の賃金であったり資本コストですよね?単位ずれてません?
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No.1ベストアンサー
回答者: noname#130496 回答日時:2011/02/25 21:35
生産関数をfとします。
つまり変数の間の関係はY=f(L, K)。
fが微分可能で1次同次なら、任意のt>0、L、Kについて
f(tL, tK)=tf(L, K)。
この両辺をtについて微分してt=1を代入すれば分かります。
Yは生産額ではなく生産量でしょう。
good0件
根井雅弘『現代イギリス経済学の群像』にはじまるカレツキ紹介は重要だが、
上記書籍でもカレツキ原論文は参照されておらず、孫引きである。
カレツキを紹介している大学生用経済学入門書はほとんど見当たらない。
つまりマルクスを学ぶ人間は近代経済学への橋が既に架かっていることを知らず、
近代経済学を学ぶ人間はマルクスの意義を知らないで学生時代を終わる訳だ。
そして気付いたときには学ぶ時間が残っていないということになりかねない。
さて、カレツキはマルクス再生産表式を3部門に分け直し(転形問題論争にヒントが
あったと思う)、実物経済を省略したことでケインズよりはやく有効需要の概念を定式化した。
ここで3部門は労働者、資本家、投資家と分けられる。
部門が例えば代表的個人一人だと実は経済学の意味は無い。
代表的個人一人が時間差で動学化されてもケインズではないが長期的には死んでいるのである。
ここで残念なのはカレツキの論文も訳されていないし、動学化の基盤となるラムゼーの論文も
訳されていないということだ。
ラムゼーは齊藤他マクロで取り上げられたソローに類似したモデルの論文1928ではなく、最適
間接税率を検討したラムゼールール論文1927がより重要だ。これは2つの商品を離散的に捉えている。
参考:
Michal Kalecki"The Marxian equations of reproduction and modern economics"
(「マルクスの再生産の方程式と近代経済学」1968,1991未邦訳)
http://ssi.sagepub.com/content/7/6/73.full.pdf 有料?
根井雅弘『「ケインズ革命」の群像』145頁〜
栗田康之『資本主義経済の動態』105頁〜
カレツキ『資本主義の動態理論』79頁〜
鍋島直樹 『ケインズとカレツキ―ポスト・ケインズ派経済学の源泉』
Ramsey F.P. (1927), "A Contribution to the Theory of Taxation,"
(「課税理論への一寄与」) http://eml.berkeley.edu//~saez/course131/Ramsey27.pdf 無料
ケインズに先立ち有効需要の概念を定式化した、
カレツキ『資本主義経済の動態理論』(日本経済評論社)
未来の社会を予見した、
ゲゼル『自然的経済秩序』(ぱる出版)
ケインズ『一般理論』もいいがどうしてもこの2冊になる。
(ケインズによる超国家通貨案=バンコールの元ネタはゲゼルのIVAだ。)
西村和雄『まんがDE入門経済学』(日本評論社)もなかなかいい。
超初心者かつ野球ファンには薦める。稚拙な漫画から欲望が現代経済学の基本だということがわかる。
ここら辺↓を読んでも経済学者が合理的な代表的個人を信じている限り、
大したことは出来ないし、やっていないことがわかる。
Recursive Macroeconomic Theory
Lars Ljungqvist , Thomas J. Sargent
http://pages.stern.nyu.edu/~dbackus/Identification/LS%20RMT2ed%2004.pdf
様々なショックは時間が経てば吸収される(長期的には死んでいる)…
ノイマンによる均斉成長の幻想…に惑わされ、
現代経済学はラムゼー成長理論と最適課税論文の周辺をまわり続けている。
(むしろラムゼーによるケインズ確率論批判がより重要になるだろう。)
0584 名無しさん@お腹いっぱい。 2016/11/14 01:38:35
(カレツキはマルクス再生産表式の生産手段(生産財)部門を二つにわけることで有効需要の概念を
ケインズに先駆けて定式化した。)
参考:
カレツキ「利潤の決定要因」1935年初稿、邦訳『資本主義の動態理論』79頁〜
根井雅弘『「ケインズ革命」の群像』145頁〜
栗田康之『資本主義経済の動態』105頁〜
カレツキに関しては過去に幾つか翻訳があるし、栗田康之『資本主義経済の動態』、
根井雅弘『「ケインズ革命」の群像』がいい。後者は読みやすく安価でオススメ。
わかる現代経済学 (朝日新書) 2007/12/13根井 雅弘 (編集)でも数頁だがカレツキに
触れられている(第三章「ポスト・ケインズ派経済学」服部茂幸)。
こちらの方が初心者向け。他の一般参考書にカレツキの名がないのが残念…
ちなみに、カレツキはマルクスを礼賛しているわけではない…
《…カレツキは、以上みた論文Kalecki[1968]*の最後の部分において、マルクスの『資本論』第3巻、第15章のい
わゆる「剰余価値の実現」の問題を論じた一節「直接的搾取の諸条件と剰余価値の実現の諸条件とは同一で
はない。‥‥‥‥」を引用して、「マルクスは、明らかに、資本主義の動態に対する有効需要の影響を深く認
識していた」としつつも、「彼は、彼の再生産表式によって叙述されている過程を、有効需要の問題の帰結
として資本主義に内在する矛盾という観点から体系的に吟味することをしなかった」と、マルクスにおける
『資本論』第3巻の「剰余価値の実現」の問題=「有効需要の問題」と第2巻の再生産表式論との関連の未
展開を批判する。》
http://www.unotheory.org/news_II_8
栗田康之 :カレツキの資本主義経済論―マルクスおよび宇野理論との関連で―(PDF形式:563KB)
*("The Marxian equations of reproduction and modern economics"1968
「マルクスの再生産の方程式と近代経済学」1968,1991未邦訳)
以下、同未邦訳論文より
カレツキ「国民所得の経済表」(tableau economique of the national income)1968
___________
| 1 2 3| |
|________|__|
|P1 P2 P3| P|
|W1 W2 W3| W|
|________|__|
|I Ck Cw| Y|
|________|__|
ID:u5kQk2u7(2/5)
0585 名無しさん@お腹いっぱい。 2016/11/14 01:41:15
以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘
224-5頁より
* カレツキが、マルクスの再生産表式に関心を持って、マルクス研究に没頭し
た一時期があったことは、すでに本文でも述べたとおりである。では、彼はマルク
スの再生産表式をどのように自らの理論に取り入れたのだろうか。ここでは それ
を簡単に説明しておきたいと思う。
まず、経済をカレツキ的に、投資財を生産する第I部門、資本家の消費財
を生産する第II部門、そして賃金財を生産する第III部門の三つに分割しよう。
各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
Vi=Pi+Wi (i =1,2,3) (1)
第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
P3=W1+W2 (2)
ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
V1+V2=P1+P2+W1+W2 (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
V1+V2=P1+P2+P3 (4)
(4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCと
いうカレツキの命題が得られるわけである。
Cf.,Josef Poschl and Gareth Locksley, Michal Kalecki : A Comprehensive Challenge to orthodoxy,
in J. R.Shackleton and Gareth Locksley eds.,Twelve Contemporary Economists,1981,p.157.
所得 支出
資本家の所得(P) 投資(I)
資本家の消費(CC)
労働者の所得(W) 労働者の消費(CW)
労働者はその所得をすべて消費する(すなわち、W=CW)
と仮定されているから、
P=I十CC
資本家は、利潤を決定することは出来ないがゆえに、この式は、I十CCがPを
決定することを示している。
両辺からCCを減じると、
S=I
I(投資)がS(貯蓄)を決定する。しかも、S=Iは利子率から独立している。
(同188-9頁より、一部改変)
http://www.abebooks....ailsPL?bi=8370052739
Image Not Available View Larger Image Twelve Contemporary Economists
J. R. Shackleton, Gareth Locksley Published by Palgrave Macmillan, 1981
http://byoubyou.coco...06/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
0583 名無しさん@お腹いっぱい。 2016/11/14 01:35:43
以下、根井雅弘『経済学の教養』(20-1頁,2006年より)
【コラム3】利潤決定の命題
単純化のために、政府の経済活動と外国貿易が存在しない「封鎖経済」を考えてみまし
ょう。カレツキは、表の左側に国民所得勘定を、右側に国民生産物(支出)勘定を置いて
対照させます。すなわち、左側には、利潤(資本家の所得)十賃金(労働者の所得)=国民
所得を、右側には、投資十資本家の消費十労働者の消費=国民生産物、を書き込みます。
ここで、労働者はその所得をすべて消費する(賃金=労働者の消費)という仮定を置くと、
あとに残されたものの関係から、利潤P=投資I十資本家の消費Cという式が出てきます。
これがカレツキの利潤決定の命題ですが、彼は、この式を右辺が左辺を決定する(資本家
の投資および消費に関する決意が利潤を決定する)というように解釈します。ところが、資本
家の消費は利潤の関数(C=B0+λP, Bは基礎的消費部分で常数、0<λ<1)なので、これを
前の式に代人すると、P=(B0+I)/(1−λ )という式が得られます。さらに、賃金分配率
W−Y(Wは賃金所得、Yは国民所得を表わす)をα(0<α<1)とおくと、利潤分配率は(1−α)
なので、これをさらに代入すると、次の式が得られます。
(B0+I)
Y=______
(1−λ )(1−α)
ここで、1/(1−λ )(1−α)がカレツキの「乗数」に当たります。
カレツキは、利潤決定の命題を、マルクスの再生産表式をヒントに次のように導き出し
ました。まず、経済を三つの部門(投資財を生産する第1部門、資本家の消費財を生産する第
II部門、労働者の消費財を生産する第III部門)に分けて考えましょう。各部門の生産物の価
値が、不変資本c、可変資本v、および剰余価値mの和に等しいことはマルクス経済学の
ABCですが(以下では、各部門のc、v、mを表わすために下に数字を添えます)、カレツキ
は労働者はその所得(v1+v2+v3)をすべて消費する(c3+v3+m3)仮定しているので、
v1+v2=c3+m3という関係が得られます。この関係を利用すると、粗利潤c+mの総計
(m1+m2+m3+c1+c2+c3)は、第I部門と第II部門の生産物の価値の合計
(c1+v1+m1+c2+v2+m2)に等しくなります。すなわち、P=I+Cと同じ命題が得られるのです。
返信 ID:u5kQk2u7(1/5)
『資本論』の新しい読み方―21世紀のマルクス入門
ミヒャエル・ハインリッヒ 明石英人 (翻訳), 佐々木隆治 (翻訳)他
資本論全三巻プラス国家論を一冊306頁(#1-12)にまとめている。特に第二巻は#6一章だけ
で済ませている。横書きなので表式の説明☆などは読みやすい。
☆
《...
部門I cI+vI+mI
部門 II cII+c II+m II
部門1の生産物は素材的には生産手段からなっている。単純再生産が可能であるためには、
この生産物は両部門で用いられる生産手段を補填しなくてはならない。したがって以下のような
価値比率となる。
(1)cI+vI+mI=cI+c II
また、部門IIの生産物は消費手段からなっている。それは両部門の労働者と資本家の使用
をカバーしなければならない。そのためには、次の式になる。
(2)c II+v II+m II=vI+v II+mI+m II
両等式はどちらも以下のようになる(等式の両辺の同じ項を引くことによって)。
(3)c II=vI+mI
つまり、部門IIで用いられる不変資本の価値は、部門Iの可変資本の価値と剰余価値に等し
くなくてはならない。》
有効需要の原理の発見はマルクス経済学側から行わなければならなかったが、
マルクスの反国家意識がそれを遅らせた。カレツキを待たなければならなかった。
>マルクス経済学 第2章
>https://mint.2ch.net/test/read.cgi/economics/1407899652/582-
http://www.nytimes.com/2013/08/09/opinion/krugman-phony-fear-factor.html
"Phony Fear Factor"
クルーグマンの2013年8月8日のコラムの翻訳です。
… ポーランド人のミハウ・カレツキ (Mchal Kalecki) は、70年前に「完全雇用の政治的考察」と
題する文章を発表した。当時はケインズ的な考えが浸透しつつあった時代で、経済学者の多く
は、完全雇用は政府が支出することで達成できると考えるようになっていた。しかし、カレツキ
は、それにもかかわらず、そのような政府支出は、たとえ不況期であっても、産業界と富裕層か
らの猛烈な反対に会うだろうと予測していた。なぜか?
カレツキは、その答えは脅迫の手段として「信頼」が幅をきかすからだ、と考えた。政府が直
接、雇用を拡大できないなら、政府は代わりに民間に支出してもらわなければならなくなる。
そうなると、高い税率や金融規制のような特権的な人々を失望させる政策は、(訳注 その
民間の)信頼と、次いでは投資を損なうので、雇用を減らすものとして否定することができる
だろう。ところが、政府が雇用をつくりだすことができるとなると、信頼は重要でなくなる。
そして、それまで利益を得ていた産業界は拒否権を失うことになる。
カレツキは、産業界のリーダーはこの点をよく理解していると論じている。だから、産業界は、
政府による雇用拡大政策がまさに彼らの政治的影響を損なうことにつながるために、それに
反対するのだ、と論じている。「したがって、政府による市場への介入を可能にする財政赤字
は、危険なものとして認識されなければならないのだ。」
Kalecki, Michal, "A Theory of the BusinessCycle." Review of Economic Studies, Vol. 4, No.2, February 1937, pp. 77-97, revised and reprintedin [14], pp. 116-49.
http://crecimientoeconomico-asiain.weebly.com/uploads/1/2/9/0/1290958/kalecki_1937_-_a_theory_of_the_business_cycle.pdf
「投資は, 支出としてみると,繁栄の源泉であり,投資の増加は景気を好転させ,投資を刺激して,さらにそれを
増大せしめる.しかし投資は同時に,資本設備の増加であり,したがって,生れたときから,この設備の旧式の
ものと競争する.投資の悲劇はそれが有用であるという理由から恐慌を生ぜしめる点にある.多くの人たちは,
この理論をたしかにパラドクシカルと考えるであろう.しかしパラドタシカルなのは,理論ではない,その主題一
資本主義経済一そのものである.」(Essays in the Theory of Economic Fluctuations pp189-9,1939)1937版と同じ最
終部。新評論版(『経済変動の理論1958年』)訳者あとがきより孫引き
We see that the question, " What causes the periodical crisis ? " could be answered shortly: the fact that the investment
is not only produced but also producing. Investment considered as capitalists' spending is the source of prosperity, and
every increase of it improves business and stimulates a further rise of spending for investment. But at the same time investment is
an addition to the capital equipment and right from birth it competes with the older generation of this equipment.
The tragedy of investment is that it calls forth the crisis because it is useful. I do not wonder that many people consider
this theory paradoxical. But it is not the theory which is paradoxical but its subject-the capitalist economy.
London. MICHAL KALECKI.
参考:
西洋経済古書収集ーカレツキー,『経済動学研究』
http://www.eonet.ne.jp/~bookman/kikouhonn/kalecki.htm
Kalecki, Michal, "A Theory of the BusinessCycle." Review of Economic Studies, Vol. 4, No.2, February 1937, pp. 77-97, revised and reprintedin [14], pp. 116-49.
http://crecimientoeconomico-asiain.weebly.com/uploads/1/2/9/0/1290958/kalecki_1937_-_a_theory_of_the_business_cycle.pdf
「投資は, 支出としてみると,繁栄の源泉であり,投資の増加は景気を好転させ,投資を刺激して,さらにそれを
増大せしめる.しかし投資は同時に,資本設備の増加であり,したがって,生れたときから,この設備の旧式の
ものと競争する.投資の悲劇はそれが有用であるという理由から恐慌を生ぜしめる点にある.多くの人たちは,
この理論をたしかにパラドクシカルと考えるであろう.しかしパラドクシカルなのは,理論ではない,その主題一
資本主義経済一そのものである.」(Essays in the Theory of Economic Fluctuations pp189-9,1939)1937版と同じ最
終部。新評論版(『経済変動の理論1958年』)訳者あとがきより孫引き
カレツキ:投資の低下が資本主義経済で雇用と国民所得におよばす結果
ブルス『社会主義における政治と経済』における解説
p=(1+Cc)
| / 45度
| /
| /
| /
| /
A |_____/____ _ーB p/y
| / _ー |
A'|___/__ _ー___|B' (p/y)'
| / _ー _- ̄
| / _ー |_- ̄ |
|/_ー_- ̄|_____|______
C' C y
[AからA'への投資活動の低下]
p=(I+Cc):利潤は、投資(I)に資本家の消費(Cc)を加えたものに等しい
p/y:国民所得に占める所与の利潤の割合
資本主義(p/y)
社会主義(p/y)'
ふたつの社会体制[注:資本主義(p/y)と社会主義(p/y)']では、「投資性向」の低下にたいする
反応のしかたが異なるのである。一方は、賃金と利潤への所得分配の所与のパターン
に産出高と雇用を適応させるという反応のしかたをし、他方は、産出と雇用の能力水準
に所得分配を適応させるという反応のしかたをするのである。
Determimtion of National Income and Consumption 1971
…
…
カレツキが出発点として使用した基本的な成長モデルは、きわめて単純なものであった。国民所得の成長率(r)は、 一方では、労働生産性の成長率(α)と雇用の成長率(β)によって決定される。近似的な形で示すと、r=α十βである。同時に、 r は、国民所得に占める投資の割合(1/y=i)と限界資本・産出高比率(m、もしくは固定資本投資だけでなく在庫投資も考慮するときには、k)ならびに二つの追加的係数――すなわち、磨耗した旧型設備の廃棄のマイナス効果を反映するaと、既存生産能力利用の改善をあらわすu によって、決定される。投資と国民所得はいずれも、減価償却こみの総額である。こうして次の公式がえられる。
r=α十β (1)
r=1/k・i - a十u (2)
公式(2)は、産出高の増分単位あたりの在庫投資は全く不要であり、したがってk=mであるという、単純化した仮定に立って示されている。
r
| |/ 1/k
F|ーーーーーーーーーB|
| /|
| / |
|α+β / |
| / |
| / |
_____0|____/_____|_____
| / A1 i
u-a| /
| /
C|/
均斉成長の基本方程式
…
カレツキの基本的成長モデルは、 ハロッド=ドーマー型モデルに類似しているが、あるいは同一であるとは、しばしば指摘されるところである。形式的にいえば、その通りであるかも知れないが、それに大した意味があるわけではない。なぜなら、こういった指摘は、実質的な解釈内容とこのモデルを使っての分析とを無視しているからである。このふたつは、冒頭の部分で論じた、社会主義経済学にたいする全般的アプローチと密接な関連がある。カレッキ自身は、すでにふれておいた「異なった社会体制における成長論」のなかで、 ハロッド=ドーマー型モデルは、次の理由から資本主義経済には適用不可能であると考えている。
「有効需要と資源利用の問題が、無視されている…‥。それが適用されるのは、有効需要の問題が実際に解決される、社会主義経済にたいしてである……。困難は、しかしながら、われわれが言及しているモデルは、しばしば、社会主義経済の現実に根ざす本質的な諸問題に集中されていないとぃぅ事実から、生ずる。」
彼はこうした問題として、二点を強調している。すなわち、(1)均斉的に拡張しつつある体制のいわゆる最適、均衡成長経路の探求に対立するものとしての、ひとつの成長経路から他の成長経路への移行の問題、(2)長期発展の隘路の問題が、それである。社会主義における成長論について書くさいの彼の努力は、主としてこの二つの問題と取り組むことにあった。
カレツキ:投資の低下が資本主義経済で雇用と国民所得におよばす結果
ブルス『社会主義における政治と経済』における解説
p=(1+Cc)
| / 45度
| /
| /
| /
| /
A |_____/____ _ーB p/y
| / _ー |
A'|___/__ _ー___|B' (p/y)'
| / _ー _- ̄
| / _ー |_- ̄ |
|/_ー_- ̄|_____|______
C' C y
[AからA'への投資活動の低下]
p=(I+Cc):利潤は、投資(I)に資本家の消費(Cc)を加えたものに等しい
p/y:国民所得に占める所与の利潤の割合
資本主義(p/y)
社会主義(p/y)'
ふたつの社会体制[注:資本主義(p/y)と社会主義(p/y)']では、「投資性向」の低下[AからA'へ]にたいする
反応のしかたが異なるのである。一方は、賃金と利潤への所得分配の所与のパターン
に産出高と雇用を適応させるという反応のしかたをし、他方は、産出と雇用の能力水準
に所得分配を適応させるという反応のしかたをするのである。
Determimtion of National Income and Consumption 1971
カレツキが出発点として使用した基本的な成長モデルは、きわめて単純なものであった。国民所得の成長率(r)は、 一方では、労働生産性の成長率(α)と雇用の成長率(β)によって決定される。近似的な形で示すと、r=α十βである。同時に、 r は、国民所得に占める投資の割合(1/y=i)と限界資本・産出高比率(m、もしくは固定資本投資だけでなく在庫投資も考慮するときには、k)ならびに二つの追加的係数――すなわち、磨耗した旧型設備の廃棄のマイナス効果を反映するaと、既存生産能力利用の改善をあらわすu によって、決定される。投資と国民所得はいずれも、減価償却こみの総額である。こうして次の公式がえられる。
r=α十β (1)
r=1/k・i - a十u (2)
公式(2)は、産出高の増分単位あたりの在庫投資は全く不要であり、したがってk=mであるという、単純化した仮定に立って示されている。
r
| |/ 1/k
F|ーーーーーーーーーB|
| /|
| / |
|α+β / |
| / |
| / |
_____0|____/_____|_____
| / A1 i
u-a| /
| /
C|/
均斉成長の基本方程式
…
カレツキの基本的成長モデルは、 ハロッド=ドーマー型モデルに類似しているが、あるいは同一であるとは、しばしば指摘されるところである。形式的にいえば、その通りであるかも知れないが、それに大した意味があるわけではない。なぜなら、こういった指摘は、実質的な解釈内容とこのモデルを使っての分析とを無視しているからである。このふたつは、冒頭の部分で論じた、社会主義経済学にたいする全般的アプローチと密接な関連がある。カレッキ自身は、すでにふれておいた「異なった社会体制における成長論」のなかで、 ハロッド=ドーマー型モデルは、次の理由から資本主義経済には適用不可能であると考えている。
「有効需要と資源利用の問題が、無視されている…‥。それが適用されるのは、有効需要の問題が実際に解決される、社会主義経済にたいしてである……。困難は、しかしながら、われわれが言及しているモデルは、しばしば、社会主義経済の現実に根ざす本質的な諸問題に集中されていないとぃぅ事実から、生ずる。」
彼はこうした問題として、二点を強調している。すなわち、(1)均斉的に拡張しつつある体制のいわゆる最適、均衡成長経路の探求に対立するものとしての、ひとつの成長経路から他の成長経路への移行の問題、(2)長期発展の隘路の問題が、それである。社会主義における成長論について書くさいの彼の努力は、主としてこの二つの問題と取り組むことにあった。
カレツキ:投資の低下が資本主義経済で雇用と国民所得におよばす結果
ブルス『社会主義における政治と経済』における解説
p=(1+Cc)
| / 45度
| /
| /
| /
| /
A |_____/____ _ーB p/y
| / _ー |
A'|___/__ _ー___|B' (p/y)'
| / _ー _- ̄
| / _ー |_- ̄ |
|/_ー_- ̄|_____|______
C' C y
[AからA'への投資活動の低下]
p=(I+Cc):利潤は、投資(I)に資本家の消費(Cc)を加えたものに等しい
p/y:国民所得に占める所与の利潤の割合
資本主義(p/y)
社会主義(p/y)'
ふたつの社会体制[注:資本主義(p/y)と社会主義(p/y)']では、「投資性向」の低下[AからA'へ]にたいする
反応のしかたが異なるのである。一方は、賃金と利潤への所得分配の所与のパターン
に産出高と雇用を適応させるという反応のしかたをし、他方は、産出と雇用の能力水準
に所得分配を適応させるという反応のしかたをするのである。
Determimtion of National Income and Consumption 1971?[1952]
利潤の決定と国民所得の決定
(邦訳1958,67頁 新訳もある)
Theories of Growth in Different Social Systems | Kalecki
https://archive.monthlyreview.org/index.php/mr/article/view/MR-023-05-1971-09_4
カレツキが出発点として使用した基本的な成長モデルは、きわめて単純なものであった。国民所得の成長率(r)は、 一方では、労働生産性の成長率(α)と雇用の成長率(β)によって決定される。近似的な形で示すと、r=α十βである。同時に、 r は、国民所得に占める投資の割合(1/y=i)と限界資本・産出高比率(m、もしくは固定資本投資だけでなく在庫投資も考慮するときには、k)ならびに二つの追加的係数――すなわち、磨耗した旧型設備の廃棄のマイナス効果を反映するaと、既存生産能力利用の改善をあらわすu によって、決定される。投資と国民所得はいずれも、減価償却こみの総額である。こうして次の公式がえられる。
r=α十β (1)
r=1/k・i - a十u (2)
公式(2)は、産出高の増分単位あたりの在庫投資は全く不要であり、したがってk=mであるという、単純化した仮定に立って示されている。
r
| |/ 1/k
F|ーーーーーーーーーB|
| /|
| / |
|α+β / |
| / |
| / |
_____0|____/_____|_____
| / A1 i
u-a| /
| /
C|/
均斉成長の基本方程式
…
カレツキの基本的成長モデルは、 ハロッド=ドーマー型モデルに類似しているが、あるいは同一であるとは、しばしば指摘されるところである。形式的にいえば、その通りであるかも知れないが、それに大した意味があるわけではない。なぜなら、こういった指摘は、実質的な解釈内容とこのモデルを使っての分析とを無視しているからである。このふたつは、冒頭の部分で論じた、社会主義経済学にたいする全般的アプローチと密接な関連がある。カレッキ自身は、すでにふれておいた「異なった社会体制における成長論」のなかで、 ハロッド=ドーマー型モデルは、次の理由から資本主義経済には適用不可能であると考えている。
「有効需要と資源利用の問題が、無視されている…‥。それが適用されるのは、有効需要の問題が実際に解決される、社会主義経済にたいしてである……。困難は、しかしながら、われわれが言及しているモデルは、しばしば、社会主義経済の現実に根ざす本質的な諸問題に集中されていないとぃぅ事実から、生ずる。」
彼はこうした問題として、二点を強調している。すなわち、(1)均斉的に拡張しつつある体制のいわゆる最適、均衡成長経路の探求に対立するものとしての、ひとつの成長経路から他の成長経路への移行の問題、(2)長期発展の隘路の問題が、それである。社会主義における成長論について書くさいの彼の努力は、主としてこの二つの問題と取り組むことにあった。
磨耗した旧型設備の廃棄のマイナス効果を反映するa
既存生産能力利用の改善をあらわすu
u
この国民所得成長率が維持可能なのは、蓄積された失業人口が利用可能なあいだに限られることは、明白である。
カレツキが「黄金律」的解決の発見に注意を集中しなかったのは、それが彼にとっては、技術進歩の型にかんする若干の仮定のもとでは、効果的なヴァリアントの上限を示すことができるだけだからであった。彼はこういっている。「資本集約度の選択における枢要問題は、鍛え直しの過程における生活水準の問題である」と翁鍛え直し」とは、資本集約度のより低い水準からより高い水準ヘの、資本設備の漸次的転換をさす)。『社会主義経済成長論概要』の該当する章の注意ぶかい読者ならば、このばあいには成長率(およびそれに対応するすべてのパラメーター)がある水準から他の水準に切り換えられるのは、ある転換点においてだけのことではなく、事実上、移行期の全期間をつうじて変化が進行するのだ、という点にも気づくことであろう。カレツキがなぜ、彼のアプローチを伝統的な成長論のそれと対比させ、「異なった社会体制における成長論」にかんする論文のなかで、「長期経済成長についての下らぬ著作の大部分は、『比較静態学』の次元で菩かれている」と言明している理由は、なによりもこのことによって説明される
Determimtion of National Income and Consumption 1971?[1952]
67
第2部
利潤の決定と国民所得の決定
(62 63)
の増大は投資の増大よりも大であるということを意味する.3)不況期には投
資は減少するが,その結果消費もまた減少する. したがって,雇用量の減退
は,投資活動の縮小によって直接生ずる以上に大きくなる。
資本主義経済に見られるこの過程の性質を明らかけるために,社会主義
体制においては投資の縮小がどのような効果をもたらすかを考察するのが有
意義であろう. ここでは,投資財生産から解き放たれた労働者は,消費財産
業に雇用されるであろう,そして消費財の供給増加は,その価格低下によっ
て吸収されることであろう,社会主義産業の利潤は投資に等しいはずである
から,投資の価値の下落分に利潤の減少がちょうど等しくなる点まで,価格が
低下せしめられねばならないだろう,換言すれば,費用に対する価格の低下
を通じて,完全雇用が維持されるであろう·ところが,資本主義体制におい
ては, (9')式にあらわされるような価格-費用関係が維持されるため産出
量と雇用量の低下を通じて,利潤は投資プラス資本家消費と同額だけ減少す
るのである資本主義の弁護者たちは,よく「価格メカニズム」が資本主義
体制の大きい長所であると考えているが,逆説的なことに,価格屈伸性price flexibility
は明らかに社会主義経済に特徴的な性質なのである.4)
Yt=(P1+B)/(1-α) (9')
これまで,
われわれは,
投資1と利潤Pと粗所得ないし粗生産物
に
おける変化の絶対量の関係を考察してきた。これらの間の変化の比率を比較
するのも興味が深い.この目的のために, (8' )式と(9, )式に戾ろう、常数A,
価格-費用関係を反映する(9)式は,
という条件を基礎とする点を注意しなければならない. もし消費財の供給が非
弾力的であるならば,投資の増加は,消費量の増大をもたらさず,単に,消費
財価格の上昇をもたらす結果に終るであろう(48-9ページ脚注参照), 以下
の議論でも,ひきつづき第1部の線に沿って,供給が弾力的であるという条件
を想定するだろう
3
第1部で想定した供給が弾力的である
4
拡張しつつある社会主義経済においては,
価格-費用比率の低下は投資から
消費への絶対的な移動ではなくて,相対的な移動を反映するものである点に注
意しなければならない.
粗生産物Yt 粗所得
投資It-w
Yは直接税を含む
税引き利潤P
投資I
B正の常数
α 係数で<1
「分配」要因によって決定される投資の水準It-w
Determimtion of National Income and Consumption 1971?[1952]
利潤の決定と国民所得の決定
旧邦訳67頁
Yt=(P1+B)/(1-α)
価格-費用関係
粗生産物Yt
Yは直接税を含む
B正の常数
α 係数で<1
税引き利潤P
投資I
…投資財生産から解き放たれた労働者は,消費財産
業に雇用されるであろう,そして消費財の供給増加は,その価格低下によっ
て吸収されることであろう,社会主義産業の利潤は投資に等しいはずである
から,投資の価値の下落分に利潤の減少がちょうど等しくなる点まで,価格が
低下せしめられねばならないだろう,換言すれば,費用に対する価格の低下
を通じて,完全雇用が維持されるであろう. ところが,資本主義体制におい
ては, Yt=(P1+B)/(1-α)式にあらわされるような価格-費用関係が維持されるため産出
量と雇用量の低下を通じて,利潤は投資プラス資本家消費と同額だけ減少す
るのである. 資本主義の弁護者たちは,よく「価格メカニズム」が資本主義
体制の大きい長所であると考えているが,逆説的なことに,価格屈伸性price flexibility
は明らかに社会主義経済に特徴的な性質なのである.
Determimtion of National Income and Consumption 1971?[1952]
利潤の決定と国民所得の決定
旧邦訳67頁
Yt=(P1+B)/(1-α)
価格-費用関係
粗生産物Yt
Yは直接税を含む
B正の常数
α 係数で<1
税引き利潤P
投資I
資本主義経済に見られるこの過程の性質を明らかけるために,社会主義
体制においては投資の縮小がどのような効果をもたらすかを考察するのが有
意義であろう. ここでは,投資財生産から解き放たれた労働者は,消費財産
業に雇用されるであろう,そして消費財の供給増加は,その価格低下によっ
て吸収されることであろう,社会主義産業の利潤は投資に等しいはずである
から,投資の価値の下落分に利潤の減少がちょうど等しくなる点まで,価格が
低下せしめられねばならないだろう,換言すれば,費用に対する価格の低下
を通じて,完全雇用が維持されるであろう. ところが,資本主義体制におい
ては, Yt=(P1+B)/(1-α)式にあらわされるような価格-費用関係が維持されるため産出
量と雇用量の低下を通じて,利潤は投資プラス資本家消費と同額だけ減少す
るのである. 資本主義の弁護者たちは,よく「価格メカニズム」が資本主義
体制の大きい長所であると考えているが,逆説的なことに,価格屈伸性price flexibility
は明らかに社会主義経済に特徴的な性質なのである.
Kalecki, Michal, "A Theory of the BusinessCycle." Review of Economic Studies, Vol. 4, No.2, February 1937, pp. 77-97, revised and reprintedin [14], pp. 116-49.
http://crecimientoeconomico-asiain.weebly.com/uploads/1/2/9/0/1290958/kalecki_1937_-_a_theory_of_the_business_cycle.pdf
1944年邦訳された単行本バージョンには45度分析図はない
上は1937年2月雑誌掲載版
45°線分析を始めたのは1935年ジャンセンと言われるが、1937年カレツキは一般理論の解説論文でもある景気循環論で45°線分析を使っている。1939年以降ジャンセンの英訳、サミュエルソンの啓蒙活動で使われて行くことになる。
ジャンセンのデンマーク語版(未確認)が1935年(12月?)で英語版が1939年だから、カレツキの45度線使用(1937年2月)はかなり早い。英語圏初だろう。
45度
| /
| 。 。
| 。 /|
| 。 / |
| / |
| 。 / |
| / |
| / |
|/______|______
https://lh3.googleusercontent.com/-oQFjWi_XY6c/Wz0Mg0iHJkI/AAAAAAABc8w/kVCJUytQqSQ639aXF1jNwRg3M0yQAQ5IwCHMYCw/s640/blogger-image-647648081.jpg
ケネー、マルクスは循環図より会計概念を重視している
単行本版
We see that the question, “What causes periodical crises?” could be answered shortly: the fact that investment is not only produced but also producing. Investment considered as expenditure is the source of prosperity, and every increase of it improves business and stimulates a further rise of investment. But at the same time every investment is an addition to capital equipment, and right from birth it competes with the older generation of this equipment. The tragedy of investment is that it causes crisis because it is useful. Doubtless many people will consider this theory paradoxical. But it is not the theory which is paradoxical, but its subject—the capitalist economy.
pdf雑誌版
We see that the question, " What causes the periodical crisis ? " could be answered shortly: the fact that the investment is not only produced but also producing. Investment considered as capitalists' spending is the source of prosperity, and every increase of it improves business and stimulates a further rise of spending for investment. But at the same time investment is an addition to the capital equipment and right from birth it competes with the older generation of this equipment. The tragedy of investment is that it calls forth the crisis because it is useful. I do not wonder that many people consider this theory paradoxical. But it is not the theory which is paradoxical but its subject-the capitalist economy.
London. MICHAL KALECKI.
1958邦訳利潤の決定要因で
マルクス再生産表式と有効需要が説明される
以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘
224-5頁より
* カレツキが、マルクスの再生産表式に関心を持って、マルクス研究に没頭し
た一時期があったことは、すでに本文でも述べたとおりである。では、彼はマルク
スの再生産表式をどのように自らの理論に取り入れたのだろうか。ここでは それ
を簡単に説明しておきたいと思う。
まず、経済をカレツキ的に、投資財を生産する第I部門、資本家の消費財
を生産する第II部門、そして賃金財を生産する第III部門の三つに分割しよう。
各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
Vi=Pi+Wi (i =1,2,3) (1)
第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
P3=W1+W2 (2)
ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
V1+V2=P1+P2+W1+W2 (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
V1+V2=P1+P2+P3 (4)
(4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCと
いうカレツキの命題が得られるわけである。
Cf.,Josef Poschl and Gareth Locksley, Michal Kalecki : A Comprehensive Challenge to orthodoxy,
in J. R.Shackleton and Gareth Locksley eds.,Twelve Contemporary Economists,1981,p.157.
https://www.amazon.co.jp/dp/B000JBLJI2/
ケインズ雇傭と賃銀理論の研究 (1944年) -– 古書, 1944
カレッキ (著), 増田 操 (翻訳)
-: 140ページ
出版社: 戦争文化研究所 (1944)
ASIN: B000JBLJI2
発売日: 1944
梱包サイズ: 21 x 15.2 x 1.2 cm
書名にカレツキ本人ではなく、ケインズの名があるのはカレツキの当時の立ち位置がわかる。
1944年
ケインズ雇傭と賃銀理論の研究
・ 目次
・ 訳者序
・ 原著者序
・ 第一章 国民所得の分配/1
・ 第二章 投資と所得/28
・ 第三章 貨幣と実質賃銀/60
・ 第四章 逓増危険の原理/79
・ 第五章 長期利子率/89
・ 第六章 景気変動の理論/100
・ 附論 物品税、所得税及び資本税に関する一理論/130
・ 索引/141
1939年
Essays in the Theory of Economic Fluctuations [Kindle edition] by M. Kalecki
https://www.amazon.co.jp/Essays-Theory-Economic-Fluctuations-Kalecki-ebook/dp/B00FQDGFM8/
CONTENTS
Part One
1. The Distribution of the National Income
2. Investment and Income
3. Money and Real Wages
Part Two
4. The Principle of Increasing Risk
5. The Long-Term Rate of Interest
6. A Theory of the Business Cycle
Index
有名なのは以下の文章、
「投資は, 支出としてみると,繁栄の源泉であり,投資の増加は景気を好転させ,投資を刺激して,さらにそれを増大せしめる.しかし投資は同時に,資本設備の増加であり,したがって,生れたときから,この設備の旧式のものと競争する.投資の悲劇はそれが有用であるという理由から恐慌を生ぜしめる点にある.多くの人たちは,この理論をたしかにパラドクシカルと考えるであろう.しかしパラドクシカルなのは,理論ではない,その主題一資本主義経済一そのものである.」(Essays in the Theory of Economic Fluctuations pp189-9,1939)1937版と同じ最終部。新評論版(『経済変動の理論1958年』)訳者あとがきより孫引き
We see that the question, " What causes the periodical crisis ? " could be answered shortly: the fact that the investment is not only produced but also producing. Investment considered as capitalists' spending is the source of prosperity, and every increase of it improves business and stimulates a further rise of spending for investment. But at the same time investment is an addition to the capital equipment and right from birth it competes with the older generation of this equipment. The tragedy of investment is that it calls forth the crisis because it is useful. I do not wonder that many people consider this theory paradoxical. But it is not the theory which is paradoxical but its subject-the capitalist economy.
London. MICHAL KALECKI.
「逓増危険の原理」はケインズとの往復書簡でも争点になった。
ケインズ=カレツキ往復書簡
Keynes=Kalecki Correspondence 1937-
Correspondence between Keynes and Kalecki 1937,1939,1944
The Collected Writings of John Maynard Keynes, vol. XII, 1983.
Kalecki "The Principle of Increasing Risk", 1937a, Económica.
他に以下の書籍に、ケインズ=カレツキ往復書簡が原文で掲載されている。
Anticipations of the General Theory?: And Other Essays on Keynes
著者: Don Patinkin
http://www.amazon.co.jp/Anticipations-General-Theory-Essays-Keynes/dp/0226648745/
ケインズからカレツキへ
「予想収益に関する危険は,資本の限界効率についての私の定式化においてすでに考慮されています」(Kcynes[1983]p. 793)
「現 在の価格上昇が将来価格についての期待に不相応な(disproportionate)影響を及ぽすであろうというだけでなく,将来価格が〔現在と〕同じ 割合で上昇するであろうと予想される,とあなたは想定しているように思われます.まさに,これは長期期待に対する即時的状態の影響の法外な過度の強調では ないでしょうか」
ケインズ1937年3月30日のカレツキあての手紙,参照:Kalecki[1937a](前述英語版p.98)
「あなたの議論は,アキレスと亀の説明のように私には思われます.あなたは私に,……たとえアキレスが亀に追いつくとしても,それは多くの期間が経過した後にのみであろうと語っているのです」
同年4月12日の手紙(同上,p.798)(前述英語版p.100)
なお、鍋島直樹『ケインズとカレツキ』第7章155~6,198頁で借り手のリスクについて触れた「危険逓増の原理」1937が図解付きで解説されている(同159頁)。
中小企業ほど投資のリスクが大きいから規模の格差は決して解消されないのだ。
(ヒックスは計画期間と利率の関係を考察しただけだったが)
投資量の決定:
(a)伝統的理論(ケインズ):
投 資 の
|。 。 限 界
| 。 効
|__________。____
| | 。率
|b |
| | 。
|__________|____
|p |
|__________|_____
k0 k
(b)カレツキ:
| 。
| 投資の限界効率 。
|__________。____
| 。 |
| 。 。 |
| b |
|__________|____
| p |
|__________|_____
k0 k
危険逓増の原理 カレツキ The Principle of Increasing Risk ,Kalecki ,1937
____
カレツキ展望 鍋島直樹論考
http://jshet.net/docs/journal/56/562nabeshima.pdf
__________
(a)伝統的理論(ケインズ):
投 資 の
|。 。 限 界
| 。 効
|__________。____ 利子率+リスク率
| | 。率
|b |
| | 。
|__________|____
|p |
|__________|_____
k0 k
(b)カレツキ:
| 。利子率+リスク率
| 投資の限界効率 。
|__________。____
| 。 |
| 。 。 |
| b |
|__________|____
| p |
|__________|_____
k0 k
危険逓増の原理 カレツキ The Principle of Increasing Risk ,Kalecki ,1937
《まず投資規模kは,投資の限界効率MEIが利子率ρと投資に伴なうリスク率σの総和に等しくなる水準に決定されるとカレツキは想定する。そうすると図(a)から容易に理解されるように,伝統的理論においてはkの増大とともにMEIが低下する場合にのみ,一定の最適投資量k0が決定されることになる。一般にこのような下落は(1)大規模化の不経済,(2)不完全競争,によって発生するとされている.しかしカレツキは(1)の理由は非現実的であるとし,(2)についても,より現実的ではあるが,これによっては同時に異なる規模の企業が存在することが説明されないと言う.したがって企業規模の相違を説明する他の要因が存在するはずである.》Kalecki1937
http://crecimientoeconomico-asiain.weebly.com/uploads/1/2/9/0/1290958/kalecki_1937_-_a_theory_of_the_business_cycle.pdf
1937年雑誌初出版
「投資は, 支出としてみると,繁栄の源泉であり,投資の増加は景気を好転させ,投資を刺激して,さらにそれを
増大せしめる.しかし投資は同時に,資本設備の増加であり,したがって,生れたときから,この設備の旧式の
ものと競争する.投資の悲劇はそれが有用であるという理由から恐慌を生ぜしめる点にある.多くの人たちは,
この理論をたしかにパラドクシカルと考えるであろう.しかしパラドタシカルなのは,理論ではない,その主題一
資本主義経済一そのものである.」(Essays in the Theory of Economic Fluctuations pp189-9,1939)1938年単行本版と同じ最
終部。新評論版(『経済変動の理論1958年』)訳者あとがきより孫引き
We see that the question, " What causes the periodical crisis ? " could be answered shortly: the fact that the investment
is not only produced but also producing. Investment considered as capitalists' spending is the source of prosperity, and
every increase of it improves business and stimulates a further rise of spending for investment. But at the same time investment is
an addition to the capital equipment and right from birth it competes with the older generation of this equipment.
The tragedy of investment is that it calls forth the crisis because it is useful. I do not wonder that many people consider
this theory paradoxical. But it is not the theory which is paradoxical but its subject-the capitalist economy.
London. MICHAL KALECKI.
参考:
西洋経済古書収集ーカレツキー,『経済動学研究』
http://www.eonet.ne.jp/~bookman/kikouhonn/kalecki.htm