水曜日, 10月 10, 2018

Overlapping_generations_model 世代重複モデル:再(々)考



                    ( 経済学リンク::::::::::):
NAMs出版プロジェクト: 複利(Compound interest )と フィッシャー利子論
http://nam-students.blogspot.jp/2017/06/compound-interest.html
ゲゼル:減価式貨幣と世界通貨案 1914
http://nam-students.blogspot.jp/2011/12/blog-post_4033.html?m=0
 Irving Fisher: Stamp Scrip; 1933 :スタンプ通貨  アーヴィング・フィッシャー (著)
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/irving-fisher-stamp-scrip-1933-2016331.html

モーリス・アレ:世代重複モデル(OLG:overlapping generations model,Modèle à générations imbriquées)再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/qlgoverlapping-generations-model.html
世代重複モデル:再考
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/overlappinggenerationsmodel.html@
                       
ダイアモンド(サーチ理論)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_34.html
DSGE批判(まとめ) 動学マクロ経済学 二神孝一 他 
モーリス・アレ『貨幣改革と資本課税』より (ゲゼル研究会)
L'Impôt sur le capital et la réforme monétaire (1976).p.61~
http://grsj.org/colum/colum/alles.htm



Á la Recherche d'une discipline économique (1943, 再録 1952) 及び Economique et interet (1947) …この発想は大部分が「レオン・ワルラス、アーヴィング・フィッシャー、そして中でもヴィルフレード・パレートという私に深い影響を与えた三偉人の業績を考察する中で生まれたものだった」 (Allais, 1992) という。後にある人が述べたように、アレがこの二論文を英語で書いていたら、「経済理論のまるまる一世代がまったくちがった方向をたどっただろう」 (サミュエルソン, 1983*)。



世代重複モデルで見る少子高齢化と利子率

経済学を多少学んだ事のある人には、常識的で当たり前な事を紹介したい。少子高齢化が自然利子率を低くする理由だ。
代表的な世代重複モデル(OLG)のDiamond(1965)を引用して終了なのだが、どうも経済評論家の人々には明白ではないようだ。そんなに難しい話でもないので、簡単にOLGを紹介をしてみたい。

1. IS-LMやDSGEとOLGの違い

古典的モデルなわけだが、さらに古典的なIS-LMモデルと流行りのDSGEとの違いに触れておこう。
  1. 永久に生きる代表的な個人がいない
  2. 家計/企業の効用/利潤最大化問題が組み込まれておりミクロ経済学的な基礎がある
  3. 完全雇用状態で、供給サイドで全てが決定される
  4. 名目利子率と実質利子率の違いが無い
長期分析には向いているが、短期分析には向いていないかも知れない。
なお、伝統的ケインズモデル(IS-LM)とDSGEの違いは江口允崇氏が日本経済新聞「やさしい経済学:財政政策の効果(1)~(9)」でやさしく紹介されている。
追記(2012/05/11 15:30):複数世代が存在するDSGEモデル(DSGE models in OLG frameworks)も存在し、そちらはOLGとの違いは曖昧になる(BIS)。

2. コブ・ダグラス型関数で簡単に把握可能

消費関数や生産関数を一般形で解くと数学的な素養が必要になるが、コブ・ダグラス型関数を仮定する事で、容易にモデルの全体像を把握する事ができる。実際にDiamond(1965)では例題として説明がついてくる。この例題部分をざっと読むとOLGは理解しやすいので、以下で実際にモデルを解いていってみたい。初歩的な微分の知識で理解できるはずだ。

3. 家計部門の効用最大化問題

早速、少し数式の展開を補足しながら、Diamond(1965)中のコブ・ダグラス型関数の例を見ていこう。
t期にwtの賃金を得てetの消費とstの貯蓄を、t+1期に貯蓄と利子rt+1からet+1を消費する個人を考えよう。2期間生きると個人は死ぬが、毎期、新たに個人は生まれてくる。ゆえに若者世代と老人世代が同時に存在するため、世代重複モデルと呼ばれる。
コブ・ダグラス型の効用関数を仮定する。
コブ・ダグラス型なので最適な分配率は自明ではあるが、上式を最大化するにはt期にβ、t+1期に1-βの比率で消費する事になる。
手順を追って最大化の条件を導出してみよう。まずは、t+1期は利子がつくだけ貯蓄よりも多く消費できること、つまりet+1 = (1 + rt+1)stに注意して、ラグランジュアンを置く。
一階条件を整理する。
上の二式を整理してみると、比率が定まっている事が分かる。
利子率が厄介に思えるが、et+1/(1 + rt+1) = stである事に注意すると、t期の消費と貯蓄の配分に利子率は影響を与えない。
wtと1-βだけで貯蓄stが決定される。
なお、一人当たり貯蓄になる。

4. 企業部門の利潤最大化問題

賃金wtがどう定まるかを考える。コブ・ダグラス型の生産関数を仮定する。
一人当たり資本で考えるために、労働力Lで割ってみよう。
t+1期のkは労働力増加率1+nとt期の貯蓄stで決定されkt+1=s/(1+n)になることと、(3.1)式に注意すると、t+1期の一人当たり生産量は以下のようになる。
一人当たり生産物f(k)は、資本分配分と労働分配分(賃金)に分けられる。ここで競争均衡状態では金利rt+1は、資本の限界生産性に等しくなる事を思い出そう。
労働分配分(賃金)は、生産物から資本分配分(金利×資本)を引いたものである。
t期のrtとkの関係を整理しよう。
式(4.2)と式(4.3)を整理すると、以下のようになる。

5. 資本市場の状態

式(4.4)を式(4.1)に代入すると、以下の式が得られる。
収束するのか不安になるが、対数化して1期のラグをとった式を整理するとα≦1なので収束条件を満たしている事が分かる。
収束点ではrt+1=rtになり、これを式(5.1)に代入すると、均衡利子率rEを求める事ができる。
下の図は式(5.1)に沿ってrtが均衡rEに収束する過程を図示したものだ。rEが安定的である事が分かる。

6. 黄金律(均斉成長)

rEは例外的なケースを除けば、毎期の一人あたり消費を最大化する点ではない。今期の生産物と資本の合計が、来期の資本と消費に一致する事を思い出そう。Ctをt期の消費とする。
均衡状態では毎期の一人当たり資本は同一だ。
つまりKtとKt+1は労働力増加率で表せる関係になる。
上式を(6.1)式に代入して整理しよう。
Lで割って一人当たり消費量の指揮に整理する。
Ct/Lの最大化の一階条件は、金利と人口増加率が一致する点だ。
大半のケースでは、この条件は満たされない。コブ・ダグラス型関数の例だと、n=α/{(1-α)(1-β)-α}のときのみ成立する。このエントリーの関心とは逸れるが、元論文では大事なポイントなので補足した。

7. 少子高齢化と利子率

(5.2)式が意味する事は明確で、少子化(nの減少)が起きたり、引退生活が長くなったり(1-βの増加)すると自然利子率が低下する。これは、モデルが想定するような需給ギャップが無い世界では問題はないが、需給ギャップがありえる状況を考えると問題を引き起こす可能性がある。

8. 政策的インプリケーション

大災害で資本減耗率が極端に大きくなったり、金融ショックで投資収益率が急激に低下をしたりして、外生的なショックがあるとモデルにおける利子率(現実の世界では投資収益率)が大幅に引き下がる事になる。場合によってはマイナスになる事があるかも知れない。利子率がマイナスになると、金利の非負制約で需給が均衡せず景気が悪化する。
自然利子率を引き上げるには、年金の受給開始年齢を引き上げる事(1-βが減少する)、少子化対策か外国人労働者の受け入れ(nが上昇する)は、このモデルからは正当化される。他にも日銀がデフレの原因を少子高齢化を求めるのも、ある程度の説得力があるのが分かるであろう。逆に自然利子率が負になるリスクがあるなら、インフレ気味の経済政策が必要と言う根拠にもなりそうだが。
なお、Diamond(1965)は一般化した効用/生産関数を用いて政府の内外債務と利子率と消費者の効用を議論しており、上述とは全然別の論文になっているので注意されたい。紹介したの24ページの論文中の1ページぐらいの内容だ。

9. さらなる学習のために

最も基礎的なOLGのオーバービューをしてみたが、あくまで基礎中の基礎でしかない。さらに詳しくなりたい人は、Diamond(1965)、平田(2012)林(2012)などを読んで勉強してくださいヽ(´д`)ノ






SamuelsonP. A. (1982) A Chapter in the History of Ramsey's Optimal Feasible Taxation and Optimal Public Utility Prices, in: AndersenS.LarsenK.RusmussenP. N., and Vibe-PedersenJ. (Eds) Economic Essays in Honour of Jörgen H. Gelting (CopenhagenDanish Economic Association), pp. 157–81.Google Scholar
福岡ラムゼー論考(11)

《…アレは自分が創設に手を貸したネオワルラス派 経済学の基盤再検討を訴え、かわりに自分の 1943 年過程に基づく「多市場経済」の理論を提案した。これは交換における「余剰の探索」に頼ったもので、導きの原理としての価格概念を批判した。アレの主張だと、均衡は余剰が底をついたときにしか実現されず、そのときにやっと価格というものが存在するようになる。
https://cruel.org/econthought/profiles/allais.html

経済学派的にはワルラス→アレ→ドブリュー。
世代重複モデルに関して、ルーカスはサミュエルソンからの影響を受けている。
サミュエルソンはアレから影響を受けている。アレはフィッシャーからの影響を公言している。
ちなみにフィッシャーはゲゼルのスタンプ紙幣に着目していた。
ゲゼル研究会HPの記事や以下の書籍にあるようにアレはゲゼルを高く評価していた。
(世代重複モデルはゲゼル減価マネーにおける貨幣を個人生産力に置き換えたモデルバージョンと解釈し得る、と思う。アレのゲゼル理解はフィッシャー経由である。)
主流な経済学者としては珍しい。ただし後者の以下は入手困難。世代重複モデルの最初の図解が発表されているのに勿体無い。アレはフィッシャーからの影響を公言しているが今日に繋がる世代重複モデルはアレの創始と言うべきである。



Les oeuvres de Maurice Allais : Économie et Intérêt Broché – 1 janvier 1998


https://www.amazon.fr/gp/product/2908735105/ref=ox_sc_act_title_1?smid=A3HSMP32IH92L&psc=1
  • Broché: 1176 pages
  • Editeur : Clément Juglar; Édition : 2e édition (1 janvier 1998)
  • Collection : Les oeuvres de Maurice Allais
  • Langue : Français

モーリス・アレMaurice Allais(1911~2010), Economie et interet(経済と利子)1947年第二部付録2より

p641
ANNEXE 2
Schéma de la succession des générations. 世代の連続の図


マクロ金融の教科書(Champ, Freeman and Haslag(2011))には、図のような世代重複モデルを考えて、t期で労働して前世代に財を売って貨幣を得て、t+1期に次世代から財を買うような世界が説明されております。

Modeling Monetary Economies (English Edition) 4th Edition, Kindle版


二神動学マクロ#3世代重複モデル,60:

642:
661:
jeunes vieux young old 若者 年寄り
697:


Maurice Allais Economie et interet 1947
Modèle à générations imbriquées 

____

基本モデル&ダイヤモンド・モデル:



ダイヤモンドモデルは年金設計(賦課方式。積立方式ではない)に応用出来る。賦課方式で支払額が少なくなれば45度線に近づく。

Overlapping generations model

An overlapping generations model, abbreviated to OLG model, is a type of representative agent economic model in which agents live a finite length of time long enough to overlap with at least one period of another agent's life. As it models explicitly the different periods of life, - such as schooling, working or retirement periods --, it is the natural framework to study the allocation of resources across the different generations.

Contents

HistoryEdit

The concept of an OLG model was inspired by Irving Fisher's monograph The Theory of Interest.[1] Notable improvements were published by Maurice Allais in 1947,  Paul Samuelsonin 1958, and Peter Diamond in 1965. Books devoted to the use of the OLG model include Azariadis' Intertemporal Macroeconomics[2] and de la Croix and Michel's Theory of Economic Growth.[3]

Basic modelEdit


Generational Shifts in OLG Models
The most basic OLG model has the following characteristics:[4]
  • Individuals live for two periods; in the first period of life, they are referred to as the Young. In the second period of life, they are referred to as the Old.
  • A number of individuals are born in every period. {\displaystyle N_{t}^{t}}denotes the number of individuals born in period t.
  • {\displaystyle N_{t}^{t-1}} denotes the number of old people in period t. Since the economy begins in period 1, in period 1 there is a group of people who are already old. They are referred to as the initial old. The number of them can be denoted as {\displaystyle N_{0}} .
  • The size of the initial old generation is normalized to 1: {\displaystyle N_{0}^{0}=1}.
  • People do not die early, so {\displaystyle N_{t}^{t}=N_{t+1}^{t}}.
  • Population grows at a constant rate n:
N_{t}^{t}=(1+n)^{t}
  • In the "pure exchange economy" version of the model, there is only one physical good and it cannot endure for more than one period. Each individual receives a fixed endowment of this good at birth. This endowment is denoted as y.
  • In the "production economy" version of the model (see Diamond OLG model below), the physical good can be either consumed or invested to build physical capital. Output is produced from labor and physical capital. Each household is endowed with one unit of time which is inelastically supply on the labor market.
  • Preferences over consumption streams are given by
u(c_{t}^{t},c_{t}^{{t+1}})=U(c_{t}^{t})+\beta U(c_{t}^{{t+1}}),
where \beta  is the rate of time preference.

AttributesEdit

One important aspect of the OLG model is that the steady state equilibrium need not be efficient, in contrast to general equilibrium models where the First Welfare Theoremguarantees Pareto efficiency. Because there are an infinite number of agents in the economy (summing over future time), the total value of resources is infinite, so Pareto improvements can be made by transferring resources from each young generation to the current old generation. Not every equilibrium is inefficient; the efficiency of an equilibrium is strongly linked to the interest rate and the Cass Criterion gives necessary and sufficient conditionsfor when an OLG competitive equilibrium allocation is inefficient.[5]
Another attribute of OLG type models is that it is possible that 'over saving' can occur when capital accumulation is added to the model—a situation which could be improved upon by a social planner by forcing households to draw down their capital stocks.[6] However, certain restrictions on the underlying technology of production and consumer tastes can ensure that the steady state level of saving corresponds to the Golden Rule savings rate of the Solow growth model and thus guarantee intertemporal efficiency. Along the same lines, most empirical research on the subject has noted that oversaving does not seem to be a major problem in the real world.[citation needed]
A third fundamental contribution of OLG models is that they justify existence of money as a medium of exchange. A system of expectations exists as an equilibrium in which each new young generation accepts money from the previous old generation in exchange for consumption. They do this because they expect to be able to use that money to purchase consumption when they are the old generation.[4]
OLG models allow us to look at intergenerational redistribution and systems such as Social Security.[7]

ProductionEdit

A OLG model with an aggregate neoclassical production was constructed by Peter Diamond.[6] A two-sector OLG model was developed by Oded Galor.[8]
Unlike the Ramsey–Cass–Koopmans model the steady state level of capital need not be unique.[9] Moreover, as demonstrated by Diamond (1965), the steady-state level of the capital labor ratio need not be efficient which is termed as "dynamic inefficiency".

Diamond OLG ModelEdit


Convergence of OLG Economy to Steady State
The economy has the following characteristics:[10]
  • Two generations are alive at any point in time, the young (age 1) and old (age 2).
  • The size of the young generation in period t is given by Nt = N0 Et.
  • Households work only in the first period of their life and earn Y1,t income. They earn no income in the second period of their life (Y2,t+1 = 0)
  • They consume part of their first period income and save the rest to finance their consumption when old.
  • At the end of period t, the assets of the young are the source of the capital used for aggregate production in period t+1.So Kt+1 = Nt,a1,t where a1,t is the assets per young household after their consumption in period 1. In addition to this there is no depreciation.
  • The old in period t own the entire capital stock and consume it entirely, so dissaving by the old in period t is given by Nt-1,a1,t-1 = Kt.
  • Labor and capital markets are perfectly competitive and the aggregate production technology is CRS, Y = F(K,L).
In Diamond's version of the model, individuals tend to save more than is socially optimal, leading to dynamic inefficiency. Subsequent work has investigated whether dynamic inefficiency is a characteristic in some economies[11] and whether government programs to transfer wealth from young to poor do reduce dynamic inefficiency[citation needed].

See alsoEdit

ReferencesEdit

  1. ^ Aliprantis, Brown & Burkinshaw (1988, p. 229):
    Aliprantis, Charalambos D.; Brown, Donald J.; Burkinshaw, Owen (April 1988). "5 The overlapping generations model (pp. 229–271)". Existence and optimality of competitive equilibria (1990 student ed.). Berlin: Springer-Verlag. pp. xii+284. ISBN 3-540-52866-0MR 1075992.
  2. ^ "Wiley: Intertemporal Macroeconomics - Costas Azariadis"eu.wiley.com. Retrieved 2015-10-24.
  3. ^ "A Theory of Economic Growth - 9780521001151 - Cambridge University Press"www.cambridge.org. Retrieved 2015-10-24.
  4. a b Lars Ljungqvist; Thomas J. Sargent (1 September 2004). Recursive Macroeconomic Theory. MIT Press. pp. 264–267. ISBN 978-0-262-12274-0.
  5. ^ Cass, David (1972). "On capital overaccumulation in the aggregative neoclassical model of economic growth: a complete characterization". Journal of Economic Theory4 (2): 200–223. doi:10.1016/0022-0531(72)90149-4.
  6. a b Diamond, Peter (1965). "National debt in a neoclassical growth model". American Economic Review55 (5): 1126–1150.
  7. ^ Imrohoroglu, Selahattin; Imrohoroglu, Ayse; Joines, Douglas (1999). "Social Security in an Overlapping Generations Economy with Land". Review of Economic Dynamics2 (3).
  8. ^ Galor, Oded (1992). "A Two-Sector Overlapping-Generations Model: A Global Characterization of the Dynamical System". Econometrica60 (6): 1351–1386. JSTOR 2951525.
  9. ^ Galor, Oded; Ryder, Harl E. (1989). "Existence, uniqueness, and stability of equilibrium in an overlapping-generations model with productive capital". Journal of Economic Theory49 (2): 360–375. doi:10.1016/0022-0531(89)90088-4.
  10. ^ Carrol, Christopher. OLG Model.
  11. ^ N. Gregory Mankiw; Lawrence H. Summers; Richard J. Zeckhauser (1 May 1989). "Assessing Dynamic Efficiency: Theory and Evidence". Review of Economic Studies56 (1). pp. 1–19. doi:10.2307/2297746.

Further readingEdit



  • The Theory of Interest: As determined by the impatience to spend income and opportunity to invest it. , 1930. 利子論 フィッシャー方程式  名利子率=実質利子率+期待インフレ率

2:4:4
4.  INTEREST  AND  PRICE  THEORY 
 THE  PREFERENCE  OF  ANY  INDIVIDUAL  FOR  EARLY  OVER  DEFERRED  INCOME  DEPENDS  UPON  HIS  PRESENT  AS  COMPARED  WITH  HIS  PROSPECTIVE INCOME  AND  CORRESPONDS  TO  THE  ORDINARY  THEORY  OF  PRICES,  WHICH  RECOGNIZES  THAT  THE  MARGINAL  WANT  FOR  ANY  ARTICLE  DEPENDS UPON  THE  QUANTITY  OF  THAT  ARTICLE  AVAILABLE.  BOTH  PROPOSITIONS  ARE  FUNDAMENTAL  IN  THEIR  RESPECTIVE  SPHERES. THE  RELATIONSHIP  OF  THESE  PROBLEMS,  AND  OTHERS,  MAY  BE  SCHEMATIZED  ROUGHLY  AS  SHOWN  IN  CHART  4  WHICH  FOLLOWS. IN  THIS  CHART  A  AND  B  REPRESENT  PRESENT  PRICES  OF  ENJOYABLE  GOODS;  AND  A′  AND  B′  PRICES  OF  FUTURE  ENJOYABLE  GOODS.  A  AND  A′ REFER  TO  DIFFERENT  YEARS  IN  THE  SAME  PLACE,  SAY  NEW  YORK;  B  AND  B′  ARE  SIMILAR  EXCEPT  THAT  THEY  RELATE  TO  A  DIFFERENT  PLACE,  SAY LONDON.
ALL  PROBLEMS  OF  LOCAL  PRICES,  EXCHANGE,  AND  INTEREST,  ACT  AND  REACT  ON  EACH  OTHER  IN  MANY  WAYS.  THE  PROBLEM  OF  "TIME" FOREIGN  EXCHANGE,  OR  FORWARD  FOREIGN  EXCHANGE,  IS  INDICATED  BY  THE  DIAGONALS,  AND  INVOLVES  BOTH  INTEREST  AND  FOREIGN EXCHANGE,  I.E.,  BOTH  A  TIME  TO  TIME  FACTOR  AND  A  PLACE  TO  PLACE  FACTOR  COMBINED  IN  THE  SAME  TRANSACTION.  BOTH  EXCHANGE  AND INTEREST  RATES,  AS  WELL  AS  LOCAL  PRICES,  WOULD  BE,  THEORETICALLY,  COMBINED  IF,  SAY,  PRESENT  NEW  YORK  WHEAT  WERE  QUOTED  IN TERMS  OF  FUTURE  LONDON  COAL. IN  THIS  BOOK,  FOR  SIMPLICITY,  THE  PROBLEMS  OF  PRICE  DETERMINATIONS,  IN  ONE  PLACE  AND  AT  ONE  TIME,  ARE  SUPPOSED  TO  HAVE  BEEN SOLVED.5  WE  START  WITH  THE  VALUES  OF  THE  ITEMS  IN  THE  INCOME  STREAM  READY  MADE.  LIKEWISE  WE  NEGLECT  THE  PROBLEM  OF  FOREIGN EXCHANGE;  WE  ARE  STUDYING  ONLY  THE  PROBLEM  OF  INTEREST.
2:4:9
ON THE OTHER HAND, IN A COUNTRY LIKE THE UNITED STATES, WHERE PARENTS REGARD THEIR LIVES AS CONTINUING AFTER DEATH IN THE LIVES OF THEIR CHILDREN, THERE EXISTS A HIGH APPRECIATION OF THE NEEDS OF THE FUTURE. THIS TENDS TO PRODUCE A LOW DEGREE OF IMPATIENCE. FOR PERSONS WITH CHILDREN, THE PROSPECT OF LOSS OF EARNINGS THROUGH DEATH ONLY SPURS THEM ALL THE MORE TO LAY UP FOR THAT RAINY DAY IN THE FAMILY. FOR THEM THE RISK OF LOSS OF INCOME THROUGH DEATH IS NOT VERY DIFFERENT FROM THE RISK OF CESSATION OF INCOME FROM ANY ORDINARY INVESTMENT; IN SUCH A CASE THE RISK OF CESSATION OF FUTURE INCOME THROUGH DEATH TENDS TO LOWER THEIR IMPATIENCE FOR INCOME. THIS ACT SUPPLIES THE MOTIVE FOR LIFE INSURANCE. A MAN WITH A WIFE AND CHILDREN IS WILLING TO PAY A HIGH INSURANCE PREMIUM IN ORDER THAT THEY MAY CONTINUE TO ENJOY AN INCOME AFTER HIS DEATH. THIS IS PARTLY RESPONSIBLE FOR THE ENORMOUS EXTENSION OF LIFE INSURANCE. AT PRESENT IN THE UNITED STATES THE INSURANCE ON LIVES AMOUNTS TO OVER $100,000,000,000. THIS REPRESENTS, FOR THE MOST PART, AN INVESTMENT OF THE PRESENT GENERATION FOR THE NEXT. 



異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…》
 リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』#11


モーリス・アレ (Maurice Félix Charles Allais), 1911-2010

原ページ
 
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Photo of M.Allais
 独立独歩のフランス経済学者モーリス・アレは、ワルラスパレートによる当初のローザンヌ学派の主張を、1930 年代の パレート革命(と当サイトが呼んでいるもの)を通じて復活させようと尽力した。モーリス・アレは 1940 年代に主要な論文を二本書いた。 Á la Recherche d'une discipline économique (1943, 再録 1952) 及び Economique et interet (1947) だ。この発想は大部分が「レオン・ワルラス、アーヴィング・フィッシャー、そして中でもヴィルフレード・パレートという私に深い影響を与えた三偉人の業績を考察する中で生まれたものだった」 (Allais, 1992) という。後にある人が述べたように、アレがこの二論文を英語で書いていたら、「経済理論のまるまる一世代がまったくちがった方向をたどっただろう」 (サミュエルソン, 1983)。
 1943 年の力作で、アレは パレート体系の基礎をほとんど固めた。これは静学的な枠組みと時間をまたがる動学的枠組みの両方における、厚生経済学の基本定理の証明も含む。さらにいまや一般均衡状況における市場の失敗に関する、いまや標準的な発想となっているものを明らかにした。自然独占や取引費用、不自然なレントが市場効率に与える潜在的な意味合いを認識したアレは、いくつかかなり「過激」な政策提言を行った。古いローザンヌ学派との親近性は、政策上の論点にも及んでいる。つまり、後者が土地の完全国有化と、資本課税を通じた極端な所得再分配を主張したのに、アレも賛成しているのだ。
 アレの時間をまたがる(動学的)均衡と資本に関する研究は、1947年の著書で拡張され、他の論文でさらに展開された (1960, 1962, 1965, 1967)。1947年の貢献としては、いまや有名な「オーバーラップ世代 (OLG)」の発明がある(これはサミュエルソンより早い)。アレはまた、「最適成長の「黄金律」を考案した (フェルプスよりはるか前だが、フォン・ノイマンよりは後)。 ボーモルの、 お金の取引需要法則 もまた1947年にアレが予見している。
 アレの貢献として英語圏で一番有名なのは、たぶん不確実性の下での選択理論における 「アレのパラどっっくす」だ——これはアレが、1953年の論文数本で述べたものとんる。簡単に言うと、このパラドックスは、伝統的な期待効用理論で想定される前提は、現実生活の意思決定と矛盾している、というものだ。具体的に、アレは期待効用のルールに反するふるまいを見つけている。アレが導入したアイデアは、エージェントのリスクに対する態度と「不確実性の度合い」の間には系統的な関係があるというものだ。これは後に「共通帰結効果」と呼ばれるものだ。このパラドックスを見つけたアレは、不確実性の下での新たな意思決定理論の構築に乗り出した (たとえば 1983, 1984, 1986, 1988, 1991)。
 それに先立つ 1943 年の著書で、アレは厚生理論と時間をまたがる均衡の概念以外に、いくつか他にも一般均衡理論の進歩を導入した。具体的には中間価格なしの独特の non-tatonnement 安定仮定を導入したのだった。1971年論文以後、アレは自分が創設に手を貸したネオワルラス派 経済学の基盤再検討を訴え、かわりに自分の 1943 年過程に基づく「多市場経済」の理論を提案した。これは交換における「余剰の探索」に頼ったもので、導きの原理としての価格概念を批判した。アレの主張だと、均衡は余剰が底をついたときにしか実現されず、そのときにやっと価格というものが存在するようになる。かれの余剰と市場の理論の概略を最もよく示すのは 1989 年の論考 Théorie Générale des Surplusだ (また 1973, 1981, 1986, 1987 も参照)。
 アレの遺産はよい話ばかりではない。二本の主要論文 (1943, 1947) と、ネオワルラス派理論の最も有力なパイオニアたる二人、ジェラール・ドブリューとエドモンド・マランヴォーの指導者であることを通じ、アレは当初のローザンヌ学派経済学者たちの考察を数多く、戦後の一般均衡プログラムに注ぎこんだ。今日、かれは不確実性理論における「アレのパラドックス」で一番有名かも知れない。だがアレのきわめて独自性の強い貢献——特に交換と安定の譲与理論と、独特なお金の「心理相対論的」理論 (1966, 1972, 1974, 1975) ——は、完全に無視されたか、きちんとしたクレジットもなしに、主流経済学体制にこっそり盗まれている。ネオワルラス派理論の基盤再検討の呼びかけと、それを改訂しようとするかれの孤高の努力は、ごく最近になってやっと広い関心を集め始めた。
 それでも、専門キャリアにおける無数の障害にもかかわらず、モーリス・アレは1977年にレジオン・ドヌール勲章のofficerとなって業績が評価され、さらに長らく待たれていたノーベル経済学賞を1988年に受賞した。またアレの経済学への貢献は、不承不承ながら承認されたというべきものである一方で、物理学と歴史への貢献はずっと認知度が高いことも書いておこう!
 アレはパリのエコール・ポリテクニークと高等師範鉱山学校 (ENSM) を卒業し、1944-88年にわたり ENSM で教鞭を執った。フランス国立科学研究センターの研究長官 (1954-80) とパリ大学金融分析センター所長 (1970-85) を歴任。

モーリス・アレの主要著作

  • A La Recherche d'une Discipline Économique, 1943.
  • Economie Pure et Rendement Social, 1945.
  • Prolégomenes a la Reconstruction économique du Monde, 1945.
  • Abondance ou Misère, 1946.
  • Économie et Intérêt, 2 volumes, 1947.
  • "Le Probleme de la Coordination des Transports et la Théorie Économique", 1947, Revue d'Economie Politique.
  • "Le Role de Mathematiques en Economie", 1949, Metroeconomica.
  • Traite d'Economie Pure, 1953 (new edition of Allais,1943).
  • "L'Extension des Théories de l'Equilibre économique général et due Rendement social au cas du Risque", 1953, Econometrica.
  • "La Psychologie de l'Homme rationnel devant le Risque: La théorie et l'experience", 1953, Journal de la Societe Statistique de Paris.
  • "Le Comportement de l'Homme Rationnel devant le Risque: Critique des postulats et axiomes de l'École Americaine", 1953, Econometrica.
  • "Les theories de la psychologie du risque de l'ecole americaine", 1954, Revue d'Economie Politique.
  • "Fondemonts d'une Théorie positive des Choix comportant un Risque et Critique des postulats et axiomes de l'École Americaine", 1954, Actes du Colloque International sur le Risque.
  • Les Equations fondamentales entre quantites globales, 1954.
  • "Puissance et Dangers de l'Utilisation de l'Outil Mathematique en Economique", 1954, Econometrica.
  • "Explanation of Economic Cycles by a Non-linear Monetary Model with Lagged Relations", 1956, Metroeconomica.
  • "Influence du Coefficient capitalistique sur le Revenue réel par Tête", 1960, Bulletin d'Institut International de Statistique.
  • "The Influence of the Capital-Output Ratio on Real National Income", 1962, Econometrica.
  • "The Role of Capital in Economic Development", 1965, in Econometric Approach to Development Planning.
  • "A Restatement of the Quantity Theory of Money", 1966, AER.
  • "Some Analytical and Practical Aspects of the Theory of Capital", 1967, in Malinvaud and Bacharach, eds, Activity Analysis in the Theory of Growth and Planning.
  • "The Conditions of Efficiency in an Economy", 1968, Economia Internazionale.
  • "Economics as a Science", 1968, Cahiers Vilfredo Pareto.
  • "Growth and Inflation", 1969, JMCB.
  • "Theories of General Economic Equilibrium and Maximum Efficiency", 1971, Revue d'Economie Politique.
  • "Forgetfulness and Interest", 1972, JMCB.
  • "The General Theory of Surplus and Pareto's Fundamental Contribution", 1973, Revue d'Economie Politique.
  • "The Psychological Rate of Interest", 1974, JMCB.
  • "The Hereditary and Relativistic Formulation of the Demand for Money", 1975, AER.
  • L'Imp(゚t sur le Capital et la Réforme Monetaire, 1977.
  • "The So-Called Allais Paradox and Rational Decisions Under Uncertainty", 1979, in Allais and Hagen, editors, Expected Utility Hypothesis and the Allais Paradox.
  • "La Théorie Générale des Surplus", 1981, Economies et Societes.
  • "Frèquence, Probabilité et Hasard", 1983, Journal de la Societe Statistique de Paris.
  • "The Foundations of the Theory of Utility and Risk", 1984, in Hagen and Wenstop, editors, Progress in Decision Theory.
  • "Determination of Cardinal Utility According to an Intrinsic Invariant Model", 1986, in Dabone et al, editors, Recent Developments in the Foundations of Utility and Risk Theory.
  • "The Concepts of Surplus and Loss and the Reformulation of the Theories of Stable Economic Equilibrium and Maximum Efficiency", 1986, in Baranzini and Scazzieri, editors, Foundations of Economics.
  • "Economic Surplus and the Equimarginal Principle", 1987, in Eatwell et al., editors, New Palgrave.
  • "The Credit Mechanism and its Implications", 1987, in Feiwel, editor, Essays in Honor of K.J. Arrow.
  • "The General Theory of Random Choices in Relation to the Invariant Cardinal Utility Function and the Specific Probability Function", 1988, in Munier, editor, Risk, Decision and Rationality.
  • "L'Economie des Infastructures de Transport et le Fondemonts du Calcul Économique", 1989, Revue d'Economie Politique.
  • Autoportraits: Une vie, une oeuvre, 1989.
  • "My Life Philosophy", 1989, American Economist.
  • La Théorie Général des Surplus, 1989. (reprint of 1981)
  • Pour la Réforme de la Fiscalité,, 1990.
  • Pour l'Indexation, 1990.
  • "Cardinal Utility: History, empirical findings and applications, an overview", 1991, Theory and Decision.
  • La crise mondiale aujourd'hui, 1999
  • "L'éclatante faillite du nouveau credo", 1999, Le Figaro

モーリス・アレに関するリソース

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Theorie generale surplus (フランス語) ペーパーバック – 1989/2/1


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モーリス・アレ『貨幣改革と資本課税』より (ゲゼル研究会)
L'Impôt sur le capital et la réforme monétaire (1976).p.61~
http://grsj.org/colum/colum/alles.htm
 大多数の理論は名目利子率がつねに正であることを説明するために提起されてき た。いちばんよく知られているのはマルクス主義者の搾取の理論、資本の生産性の理 論、ベームバベルクの打歩の理論であるが・・・少なくともこれ以外に15種類の理 論が存在する・・・あるものはまったく粗雑なものであり、別のものは限られた概念 に基づいている。それ以外の ものも不完全であり、これらのどれひとつも満足でき るものではない。
 実際、私的所有に基づく市場経済において、いつの時代、どの場所でも、つねに正 の名目利子率が永続的にかつ普遍的に存在することは二つの状況に負っていることを 示しうる。一つは、土地の私有であり、もう一つは貨幣に必然的な正の流動性プレミ アムである。後者はシルビオ・ゲゼルとケインズ、それに私自身が発展させたものだ が、1947年(Maurice Allais, Economie et interet)に私が示したようにゲゼルが本質的な役割を果たしている。
 土地の私有と貨幣の存在はつねに正の利子率の存在と必然的に結びついている。し かも他の構造上の諸条件がどんなものであろうとも、またとりわけ貯蓄性向がいかよ うであろうとも、そうである。土地と貨幣の私的領有が与件として与えられると、個 人の願いや国家の準備する政策に由来する名目利子率を無効とするような傾向をもつ どのような努力も完全に空しいものでしかなくなってしまう。


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モーリス・アレ (Maurice Allais、1911年5月31日 - 2010年10月10日)は、フランスの経済学者・物理学者。ノーベル経済学賞を1988年に受賞した。
モーリス・アレ
ワルラシアン経済学
生誕1911年5月31日
パリ
死没
2010年10月9日(99歳)

パリ近くのSaint-Cloud
国籍フランスの旗 フランス
研究分野マクロ経済学
行動経済学
母校エコール・ポリテクニーク
影響を
受けた人物
レオン・ワルラス
アービング・フィッシャー
ヴィルフレド・パレート
影響を
与えた人物
ジェラール・ドブリュー
エドモンド・マランヴォー
実績重複世代モデル
最適成長の黄金ルール
貨幣の取引需要ルール
アレ・パラドックス
受賞ノーベル経済学賞(1988年)
情報 - IDEAS/RePEc
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1988年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:市場資源の効率的な利用に関する理論の先駆的な貢献を称えて

略歴編集

  • 1911年 モーリス・アレはパリに生まれる(両親はチーズ店を経営していた)。
  • 1915年 父はドイツの捕虜として死去する。
  • 1931年~1933年 モーリスは理工科学校(エコール・ポリテクニーク)に入学し、首席で卒業する。
  • 1934年~1936年 高等師範鉱山学校(Ecole Nationale Superieure des Mines, Priss)を卒業する。
  • 1937年~1939年 ナンテス鉱業局長(鉱山技師)として勤務する。
  • 1939年~1940年 兵役に入り、フランスの敗北まで精力的に働く。
  • 1940年~1943年 ナンテス鉱業局長(鉱山技師)として再び勤務する。
  • 1943年~1948年 鉱業書類統計局の局長となる。
  • 1944年~1980年 高等師範鉱山学校(ENSM)の経済学教授となる。
  • 1947年~1968年 パリ大学統計研究所(Institute of Statistics, University of Paris)の理論経済学教授となる。
  • 1967年~1970年 ジュネーヴ高等研究所(Graduate Institute of International Studies)の経済学教授となる。
  • 1980年 定年を迎えたが、生涯、研究・教育活動に取り組んだ。
  • 1988年 ノーベル経済学賞を受賞する。
  • 2010年 パリ近くのSaint-Cloudで死去。

人生編集

  • 1947年、モン・ペルランの会の設立と同時に入会した。
  • 1948年には、彼の最初期の研究成果を数冊出版した。
  • 彼は研究者・教師として充実した生活を送り、科学賞を14回受賞した。その中には国立科学研究所金賞、ノーベル経済学賞もある。ジャーナリストのマージョリー・ヘクトは、「アレのノーベル経済学賞受賞はアレの思想を英語を介して世界に知らしめる転機となった」と述べている[1]

「カレーの旅行者」編集

  • モーリス・アレは、「パリ行きの列車にカレーから乗った旅行者は、どれほどの費用を払うことになるか」という問題を考えた。
    • 追加の資源の消費が本当は非可算であることに車掌が気付き、ほとんど全く無視したいような気になる。
    • 列車長が謙虚な場合:もし60人の旅客が彼と同様の行動をしたら、列車に車両をもう1両つながねばならない。それゆえ、旅程において、その車両の値段の60分の1を無視せねばならなくなる。
    • 路線の管理者がこの事実を耳に入れようとしない場合:いつまでの追加の車両を列車につないでおくわけにはゆかない。20両編成の列車の端では、それらを2倍して計算する必要がある。従って、彼は、先行する車両のモーターの費用と乗務員の給与のさらに60分の1、つまり1200分の1を無視したい願う。
    • 鉄道網の責任者が全くこれらに同意しない場合:列車の量を多くするには、必ず線路そのもののリスクがかかる。50本の列車を1日に運行するには、線路を2倍にせねばならない。それゆえ、鉄道会社は、線路の敷設の費用の120,000分の1を加えて計上する(いつも輸送の時期と関係がある)。
  • モーリス・アレは、これらの単純化した議論により、鉄道会社が赤字を望まない限り、切符の最小の費用の算定する方法を見出した。この理屈は「カレーの旅行者」という隠喩的な名前で知られている。

アレのパラドクス編集

  • アレの発言で最も有名なのは、1953年にニューヨークで行われた会議における「アレのパラドクス」である。これは、ジョン・フォン・ノイマンが発展させた「望ましい効用」という常識を基礎にしている。
  • この会議のとき、アレは、連続する2回のくじに関する質問を、たくさんの参加者に問いかけた。
    • 1回目のくじ
      • オプションA:確実に1,000ドルがもらえる。
      • オプションB:10%の確率で2,500ドルがもらえて、89%で1,000ドル、そして1%は賞金なし。
    • 2回目のくじ
      • オプションA:11%の確率で1,000ドルがもらえて、89%は賞金なし。
      • オプションB:10%で2,500ドルもらえて、90%は賞金なし。
  • ほとんどの場合、参加者は1回目のくじではAを選択し、2回目のくじではBを選択する。1回目のくじにおいては、個人は期待利得の低い方を選択し、2回目のくじにおいては、期待利得が大きい方を選択したのだ。この実験は何度も繰り返されたが、全て同じ結果になった。
  • このパラドクスは、新しい学問である行動経済学において、プロスペクト理論などで理論的な説明がなされている。

アレ効果編集

  • アレ効果」は「アレの特異状態」とも呼ばれるもので、1954年にアレが証明した。アレ効果は、中断により起こる。皆既日食の間、振り子時計は正常な動作をするように調整される。1959年の日食のとき、物理学者アレは自分の理論を証明を試みた。しかしそれは今日に至るまで成功していない。アレ効果は稀にしか観測されない。その主な理由は、皆既日食が稀少であることと、厳密な実験計画の設計と維持が難しいことである。いまのところ、最新の実験でもアレ効果の存在を確信させる結果は出ていない。
  • 今日までの実験結果から考えると、アレ効果はエーテルという物体によるものだと考えられる。エーテルとは、宇宙でanisotropiqueを手に入れるためのものである。アレは自分の理論を、1997年の著書『宇宙におけるanisotropie』で解説している。

語録編集

  • あえて言うが、銀行が通貨を創造することと犯罪者が通貨を偽造することの違いは、法律で禁止されているかどうかだけだということは、みな知っているだろう。
  • 制度上の市場経済は、世界規模の自由貿易を支持する自由放任主義者の奇妙な仮装行列とはまったく違うものだし、また、これら2つに共通点はまったく無い。

論文編集

  • モーリス・アレは90本以上の論文を発表した。
  • アレの著書のうち最も重要なものに、『今日の世界の危機』(クレマン・ジュグラー、1999)がある。この本のなかで、アレは、リベラル陣営は世界規模での財政システムの改革をトービン以上に積極的に提言していることを指摘しており、そして、もし彼らが「左派の経済学者」になるならば、それはユートピア主義的で良くないと主張している。その本の献辞はこうだ:「この本は世界的な自由貿易主義者のイデオロギーや、致命的に間違ったイデオロギーによる世界中の無数の犠牲者のなかで、自由貿易イデオロギーに踊らされていない賢明な人に捧げる。」

脚注編集

  1. ^ 矢沢サイエンスオフィス編著 『21世紀の知を読みとく ノーベル賞の科学 【経済学賞編】』 技術評論社、2010年、128頁。

文献編集

  • Le comportement de l'homme rationnel devant le risque: critique des postulats et axiomes de l'école Americaine, Econometrica 21, 503 - 546. 1953
  • La crise mondiale aujourd'hui (Clement Juglar, 1999).

外部リンク編集



異時点間選択の〝現代的〟理論を最初に提示したのが、アーヴィング・フィッシャーである。1930年に発表された古典的著作『利子論』で、いまではミクロ経済学を教えるときの基本ツールとなっている無差別曲線を使い、所与の市場金利の下で、個人が異なる2つの時点において消費をどのように選択するかを示した。フィッシャーの理論は、分析に使われているツールでも、理論が規範的であるという点でも、現代的理論と呼ぶ…》
 リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』#11

3 Comments:

Blogger yoji said...

4.関心と価格説
控除された所得を早期に償却するための個人の優先権は、彼の現在の所得と比較して現在の所得に比例し、償還理論に反するものであることを認めており、これは条項の対象となる条項がその条項の数量に依存することを認める。どちらの提案も、それぞれの球体に根ざしています。これらの問題の関係、およびその他のことは、次の表4に示されるように概ね計画されているかもしれません。この表AおよびBには、魅力的な商品の現在の価格が表示されています。将来の魅力的な商品の価格とA&Bの価格。 A AND A 'は同じ場所にある別の年を参照し、ニューヨークを訪れてください。 BとB 'は、異なる場所、SAY LONDONに関連していることを除いて同じです。

地域の価格、交換、関心事、法律、訴訟などの問題は、あらゆる方法で解決します。外国為替の "時"問題、または外国為替の問題は、ダイアゴナルによって示され、同じ取引に組み合わされた要因を配置するための時間と時間の両方の間、関心事と外国為替の両方を含みます。両方の交換と利率は、地方の価格だけでなく理論的には、ニューヨークの将来の石炭の条件で引用されたニューヨークを示しています。この書類では、単純に、一度に1つの時点で価格決定の問題が解決されました.5私たちは、収入の流れの準備が整った時点から開始します。 LIKEWISE私たちは外国為替の問題を無視します。私たちは興味の問題だけを研究しています。
2:4:9
米国のような国では、子供たちの生活の中で死後も生き続けるために、彼らの生命を守っているところで、未来の必要性を高く評価しています。これは、低レベルのインパクトを生み出すためのものです。子供と一緒にいる人のために、家族の中で雨が降った日のために、より多くの恩恵を受けるだけの犠牲を払って収入を失うことが予想されます。死亡による収入の損失のリスクは、通常の投資からの収入のリスクとはまったく異なりません。そのような場合には、将来の収入の喪失のリスクは、収入に対するインパクトを低下させるために死亡する。この法律は、生命保険のための活動を規定しています。妻や児童のいる人は、死後に利益を得るために継続して保険料を支払う義務があります。これは、生命保険の熱い拡大のために、まさに責任があります。米国では100,000,000,000ドルを超える生活を送るための保険に加入しています。この記述は、ほとんどの場合、現在の世代の投資を示しています。

11:33 午後  
Blogger yoji said...

ワルラス→アレ→ドブリュー

10:58 午前  
Blogger yoji said...


‪モーリス・アレMaurice Allais(1911~2010), Economie et interet(経済と利子)1947年第二部付録より‬

‪p.641‬
‪https://lh3.googleusercontent.com/-26aNfWMZyGU/W77I9MS78JI/AAAAAAABe2M/slcHE7p25Xw1xMuJXnqZ1wLZtkq5w6rCQCHMYCw/s640/blogger-image--120817009.jpg‬

‪https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c7/Maurice_Allais_Economie_et_interet_1947_Sch%C3%A9ma_de_la_succession_des_g%C3%A9n%C3%A9rations.jpg‬

10:08 午後  

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