ケインジアンの交差図、IS-LM曲線:メモ
( 経済学、マルクス、リンク::::::::::)
NAMs出版プロジェクト: ケインジアンの交差図
http://nam-students.blogspot.jp/2015/03/blog-post_12.html(本頁)
賃金の硬直性
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/nominal-rigidity-price-stickiness-wage.html
ゲゼル:減価式貨幣と世界通貨案 1914,1920
http://nam-students.blogspot.jp/2011/12/blog-post_4033.html?m=0
ホートレー(ホートリー)1919 =小谷清理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/04/blog-post_4.html
ケインズ『貨幣改革論』1923『貨幣論』1930:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/1979-john-maynard-keynes-treatise-money.html
ラムゼー「貯蓄の数学的理論」1928年、F.R.Ramsey,”A Mathematical Theoryof Saving”
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/1928frramseya-mathematical-theory-of.html
マルクス・カレツキ・ケインズ1933
https://nam-students.blogspot.com/2017/04/1933.html
カレツキ:「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という命題 1935
http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_17.html
Ivar Jantzen 1939 「45度線分析」の創始者
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/ivar-jantzen-1939.html
http://nam-students.blogspot.jp/2016/08/blog-post_11.html
Bancor:メモ
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/bancorkeynes-1944.html
baocor2
https://nam-students.blogspot.com/2019/06/bancor2.html
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/httpnam-students.html
http://nam-students.blogspot.jp/2016/09/o-p-e-r-t-i-o-n-s-re-s-e-r-c-h.html
- モンテスキュー『法の精神』:簡易目次&メモ第二十二篇…第十九章「利子つき貸借について」より《…商業がよく行なわれるためには、金錢は代価を持たねばならぬ。しかしこの代価はあまり多額であってはならない。それがあまり高価であれば「商人はその取引において儲けうるよりも、金利にいっそう費用がかかるであろうと考えて、何ごとをもくわだてない。金銭がぜんぜん代価を持たぬと、だれもそれを貸さないので、同じく商人は何もわだてない。ところで、わたしがだれも金を貸すやつはいないといったのはまちがいである。社会の諸事業はたえず進行しなければならぬ。そこで闇金利(ウズラ)が成立する。しかしあらゆる時代に人々が経験した混乱をともなうのである。…》(『法の精神』河出書房新社版338頁)ケインズは上記のモンテスキュー『法の精神』22巻19章(「第十九章 利子つき貸借について」)に流動性の原理、有効需要の精神(というより金利と自然成長率との関係)を見出している(講談社学術文庫一般理論、フランス語版序文より)。
____
サムエルソン『経済学』と新古典派総合(中公文庫)
コラム①
45度線モデル
これは、マクロ経済学の基本中の基本なので、経済学を学んだことのある読者なら一度は目にしているはずだが
念のために、簡単に振り返っておこう。封鎖経済の想定の下では、国民所得は、供給面では国民生産物の供給を、需
要面では消費需要と投資需要の合計を表わしているが、国民所得の均衡水準は、その両者が等しくなるところで決ま
る。
いま、国民所得をY、Yの関数としての消費需要をC=f (Y) 、投資需要を1で表わそう。消費需要Cについて、ケ
インズは次のような仮定を置いた。Υの増加とともにCも増加するが、Cの増加はYの増加には及ばないと。数学的に
は、0<dC/dY<1と表現される。また、投資需要については、ひとまず一定額が から独立して与えられていると
仮定される。したがって、財市場の均衡条件は、次の式によって示される。
Y=C(Y)+1 (1)
ケインズは、貯蓄SをY-Cと定義しているので、(1)式は次のように書き換えることができる。
S(Y)=l (2)
(1)式と(2)式を図で表わしたものが、サムエルソンも自分で執筆した教科書のなかに取り入れている図1と図2であ
る(出典は、『経済学(上) 』都留重人訳、岩波書店、1981年、238ページ、237ページ) 。図1で45度線が引か
れているのは、その直線上のどの点も縦軸と横軸からの距離が等しいという特性を利用して、総需要と総供給がつね
に等しいという関係を表わすためである。そこでは、国民所得(図では、GNP)の均衡水準は、45度線とC+1曲線
の交点Eにおいて決定される。同じ決定メカニズムを別に表現したものが図2だが、そこでは、国民所得の均衡水準
は、S曲線と一定額の投資1 (横軸に平行な直線で表わされる)の交点Eにおいて決定される。だが、どちらの図で
も、決定された国民所得の水準は、完全雇用を想定したときの水準(FFによって示されている)よりも低いことに
留意してほしい。
図1消費と投資がどのようにして所得を決めるか図2貯蓄と投資がどのようにして所得を決めるか
図8-3 ケインジアンの交差図(マンキューマクロ入門篇1:3:8,298頁参照)
http://hakase-jyuku.com/mankiw/category8/entry41.html
…経済が閉鎖的でNX=0の場合をまず考えると、計画支出Eは、
E=C(消費)+I(投資)+G(政府支出) となる。
ここで消費Cが可処分所得Y-T(税金)の関数であると仮定す
ると、
E=C(Y-T)+I+G
ということになる。 …要するに一万円収入が増えたら平均
して日本人はそのうち八千円を使い二千円を貯蓄に回すということ
であるから、E=C(Y-T)+I+G という曲線は、EとYが
均衡している45度線より傾きが緩やかになるはずである。
Y=Eの45度線とE=C(Y-T)+I+G線の交点が、つまり
{現実の支出}={計画支出}
であり、ここが均衡水準である。
この図を特に「ケインジアンの交差図」という。
(計画支出)
E Y=PE
| 現実支出
| /_ー計画支出 PE=C+I+G
| _ー/
|_ー /
| /
| /
|/
――――――――――Y(所得・産出)
y
「所得=生産物価値=消費+投資
貯蓄=所得-消費
したがって
貯蓄=投資」
(ケインズ一般理論第6章より)
有効需要=消費+投資
| / _総需要
総| A/_ー
需| 有/ー
要| _ー|投 _消費
| _ー/ |資_ー
| _ー / 効_ー
| _ー / _ー|
| _ー /_ー |消
|ー /ー 需|
| _ー |
| _ー/ |費
|ー / 用|
| / |
|/45度_______|_______
↑ 総生産、供給(GDP)
雇用量もここで決まる
総需要=総供給を示す線は45度の傾きをもつ。一国の有効需要は点Aで均衡する。
有効需要=消費+投資は、ケインズ理論の核となる考え方のひとつ。
(中野明『図解ケインズ』)
上記図から以下のIS-LM曲線(ヒックス考案)が導かれる。
IS-LM (Investment Saving – Liquidity Preference Money Supply) model
利|
子| I M
率| \ |
| \ /
| \/
| /\
| L / \_ S
|
0|____________
国民所得
利|
子|
率| I M
| \ /
| \/
| /\
| L / \_ S
|
0|____________
国民所得
IS 曲線の左側(下)の領域は財の超過需要、右側(上)の領域は財の超過供給状態にあること示す。
LM 曲線の左側(上)の領域は貨幣の超過供給、右側(下)の領域は貨幣の超過需要状態にあることを示す。
IS–LM とは、I:投資 (Investment)、S:貯蓄 (Saving)、L:流動性選好 (Liquidity Preference)、M:貨幣供給 (Money Supply) のことで、IS と LM はそれぞれ財市場と貨幣市場が均衡しているときに釣り合うもの同士を示している。
ヒックスによるケインズ『一般理論』解釈がこの図に集約される。ただし反論もある(LMは水平であり得るetc.)。
「財市場(フロー)が均衡するためには、IS上になければならない。
貨幣債券市場(ストック)が均衡するためには、Y,iの2変数は、LM上になければならない。」
(吉川洋『マクロ経済学』99頁)
参考;IS-LMのどこがケインズ的でないか—スラッファを媒介にした解明—岡敏弘
http://www.s.fpu.ac.jp/oka/keyneshicks4.pdf
(スラッファは、ウィトゲンシュタインに後期哲学への示唆を与えたことでも知られる。)
上記IS-LM曲線へ至る足がかりの一つとしてケインジアンの交差図がある。マンキューマクロ経済学1:2:8,307頁
以下、
マンキューマクロ経済学入門篇1:3:8,308頁,邦訳第2版276頁
8-7図 IS曲線の導出参照
(b)ケインジアンの交差図①3,②6(所得=消費+投資),7(貯蓄=投資)
支出|
| /
| /ー
| _ー_ー③8
| _ー/ー
|_ー_ー |
⬇︎_ー/| |
| / | |
|45度|_|_______
Y2⬅︎Y1 所得・生産
| |
| |
利| (a)投資関数④11 利| | | (c)IS曲線④11,14
子| 子| | |
率| 率|I | |
| \ | \| |
r2___\___________|___\ |
⬆︎| |\ ⬆︎| |\|
r1___|_\_________|___|_\ S
| | |\ | | |\_
|___|_|______ |___|_|_______
Ir2⬅︎Ir1 投資 Y2⬅︎Y1 所得・生産
(マンキューマクロ経済学入門篇1:3:8,308頁より)
(b)(a)における計画投資I(r1)の減少は、計画支出関数を下方へシフトさせ、
その結果、所得はY1からY2に減少する。
(c)IS曲線(c)は、利子率(a)と所得水準(b)の関係をまとめたもの。 ヒックスの図(c)だけだと思考と導出の過程がわからない。
図8-11 LM曲線の導出(マンキューマクロ経済学入門篇1:3:8,316頁,邦訳旧第2版285頁参照)
利| (a)投資関数 利| (b)LM曲線 ⑤19(④13,15,17)
子| 子|
率| | 率| | |
|\➡︎\| | | |/
r2_\_\_________r2|___|_|
⬆︎| \|\ ⬆︎| |/|
r1___\_\_______r1|___|_|
| |\ \ | _/| |
|___|________ |___|_|_______
-m/p 実質貨幣残高(M/P) Y1 Y2 所得・生産
ケインズ『一般理論』第23章セクションVI ゲゼルについて⑥
http://genpaku.org/generaltheory/general23.html#fnref17
_______________
- 日本版への序 (1936)
- 序文
- 第 I 巻:はじめに
- 第 II 巻:定義と考え方
- 第 III 巻:消費性向
- 第 8 章 消費性向 I: 客観的な要因
- 第 9 章 消費性向 II: 主観的な要因
- 第 10 章 限界消費性向と乗数(ケインズ的公共事業、お金を埋めて掘り返させろと主張する章)[ピラミッドへの言及]
- 第 IV 巻:投資をうながす
- 第 V 巻:賃金と価格
- 第 VI 巻:一般理論が示唆するちょっとしたメモ
☆
カレツキ:「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という命題
http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_17.html
☆☆
ゲゼル:減価式貨幣と世界通貨案
http://nam-students.blogspot.jp/2011/12/blog-post_4033.html?m=0
(貨幣の流通速度Vをゲゼルは速くしようとした。)
ケインズ『一般理論』第23章セクションVI ゲゼルについて
http://genpaku.org/generaltheory/general23.html#fnref17
いい機会なので、ここで奇妙で不当にも無視されている予言者シルビオ・ゲゼル (1862-1930) に触れておきましょう。彼の業績は深い洞察の閃光を含んでおり、彼はすんでのところで問題の本質に到達し損ねただけなのです。戦後期に彼の信奉者たちは、私にゲゼルの著作を大量に送りつけてきました。でも議論にいくつか明らかな欠陥があったために、私はまったくその長所を発見し損ねていました。分析が不完全な直感の常として、その重要性は私が独自のやり方で自分なりの結論に到達した後になってから、やっと明らかとなったのです。その間私は、他の多くの経済学者同様に、このきわめて独創的な探究をイカレポンチの作文と大差ないものとして扱ってきました。本書の読者の中でゲゼルの重要性になじみのある人物はほとんどいないと思われるので、本来であれば分不相応なほどのページを割くことにします。
ゲゼルはブエノスアイレスで成功したドイツ商人で17、アルゼンチンで特に猛威をふるった八十年代末の危機をきっかけに、金融問題の勉強を始めました。処女作『社会国家への橋渡しとしての貨幣改革』は1891年にブエノスアイレスで刊行されました。お金についての彼の根本的なアイデアは同年に『ネルヴス・レルム』なる題名で刊行され、その後多くの著書やパンフレットを発表してから、1906年にはそれなりの資産家としてスイスに引退し、人生最後の十年を食い扶持を稼ぐ必要のない人物にできる最も楽しい仕事二つ、著作と実験農業に費やしました。
彼の主著の第一部は1906年にスイスのレ・ゾー=ジュヌヴェで『完全な労働所得の権利実現』として刊行され、第二部は1911年にベルリンで『利子の新理論』として発表されています。この二つを合冊したものが戦争中(1916) にベルリンとスイスで刊行され、『自由地と自由貨幣による自然的経済秩序』という題名の下で六版まで版を重ねました。英語版は『自然的経済秩序』(フィリップ・パイ訳)です。1919年4月にゲゼルは、短命に終わったバイエルンのソヴィエト政府に参加して財務相を務めましたが、その後軍法会議にかけられます。晩年の十年はベルリンとスイスでプロパガンダに費やされました。ゲゼルはそれまでヘンリー・ジョージを中心としていた宗教もどきの熱心な支持者を集めて、世界中に何千もの弟子を持つ教団の、崇拝される預言者となりました。スイス・ドイツ自由地自由貨幣ブントとその他多くの国からの同様な組織の第一回国際大会が、1923年にバーゼルで開かれています。1930年に彼が死んでから、ゲゼルのようなドクトリンに熱狂する特殊な種類の支持者たちの多くは、別の(私から見ればあまり重要でない)預言者たちに流れていきました。イギリスでこの運動の指導者はビュチ博士ですが、彼らの文献はテキサス州サンアントニオから配布されているようで、その本拠は今日ではアメリカにあり、経済学者の中ではただ一人アーヴィング・フィッシャー教授がその重要性を認知しています。
崇拝者たちはゲゼルを何やら預言者的な装いに仕立て上げてしまいましたが、ゲゼルの主著は冷静な科学的言語で書かれています。とはいえ、一部の人が科学者にふさわしいと考える以上の、もっと情熱的で感情的な社会的正義への献身が全体を貫いています。ヘンリー・ジョージから派生した部分は18、運動の強さの源としてはまちがいなく重要ですが、全体としては副次的な興味の対象でしかありません。本全体の狙いは、反マルクス的な社会主義を確立することとでも言いましょうか。レッセフェールに対する反動で、マルクスとちがうのは古典派の仮説を受け入れるのではなく、それに反駁することで、まったくちがった理論的基盤に基づいているところです。また競争を廃止するのではなく、それを自由に行わせるところもちがっています。私は未来がマルクスの精神よりもゲゼルの精神から多くを学ぶだろうと信じています。『自然的経済秩序』の序文を読者が読めば、ゲゼルの道徳的な気高さはわかるでしょう。思うにマルクス主義に対する答は、この序文の方向性に見つかるでしょう。
お金と利子の理論に関するゲゼル独自の貢献は以下の通りです。第一に、彼は利率と資本の限界効率とを明確に区別し、実質資本の成長率に制限を設けるのが利率だと論じます。次に、金利は純粋に金融的な現象であり、お金の利率の重要性をもたらすお金の特異性は、その所有が富の蓄積手段ともなり、保有手数料が無視できるほどで、保有手数料のかかる商品在庫など他の富の形態は、実はお金が設定した基準があるからこそ収益をもたらせるのだと論じます。彼は金利が時代を通じて比較的安定していることを挙げて、それが純粋に物理的な性質だけに依存しているはずがないという証拠とします。というのもお金の基準が一つのものから別のものに変わったら、その物理特性の変化は実際に見られる金利の変化に比べ、計算できないほど大きいはずだからです。つまり(私の用語を使えば)一定の心理的性質に依存する金利は安定しており、大きく変動する部分(これは主に資本の限界効率スケジュールを決めます)は金利を決めるのではなく、概ね一定の利率が実質資本のストック成長をどれだけ容認するかを決めるわけです。
でもゲゼルの理論には大きな欠陥があります。彼は、商品在庫を貸し出すときに収益を計算できるのは、金利があるからなのだということを示します。かれはロビンソン・クルーソーと見知らぬ人物との対話19——実に優れた経済小話で、この種のものとして書かれたどんなものにもひけはとりません—— この論点を説明します。でも、なぜ金利が他の商品利率のようにマイナスになれないのかを説明したのに、かれはなぜ金利が正なのかを説明し損ねるのです。そしてなぜ金利が(古典派の主張するように)生産的な資本の収益が定める基準に左右されないのかも説明しません。これは流動性選好の概念を彼が考えつかなかったからです。かれは利子の理論を半分しか構築しなかったのです。
彼の理論の不完全性は、まちがいなくその業績が学会に無視されてきた理由です。それでも彼は理論を十分先に進めて実務的な提言を行っています。それは必要なものの本質は含んではいますが、提案した通りの形では実現できないかもしれません。彼は実質資本の成長が金利によって抑えられてしまい、このブレーキが外されれば、実質資本の成長は現代社会ではきわめて急速になって、たぶんゼロ金利もすぐとは言わないながらかなり短期間で正当化されるようになるだろう、と論じます。ですから何より必要なのはお金の利率を下げることで、これを実現するには、お金にも他の実物在庫と同じような保有費用を持たせることだ、というのが彼の指摘です。ここから彼は有名な「
//////////
ケインズ『一般理論』第21章セクション1
http://genpaku.org/generaltheory/general21.html
これまでの章の狙いの一つは、この二重生活を脱して価格理論を全体として価値の理論と密接に結びつけることでした。経済学が、一方では価値と分配の理論となり、一方でお金の理論になったのは、私が思うに、偽の分裂にすぎません。私としては、正しい二項対立の片方は個々の産業や企業の理論で、ある一定量のリソースの使い方を変えたときの報酬や分配についてのものです。そしてもう一方は、経済全体としての産出と雇用の理論です。個別産業や企業の研究に限り、雇用されたリソースの総量は一定だという想定を置き、他の産業や企業の条件は変わらないと一時的に考えるなら、お金の重要な特徴など考えなくてよいのは事実です。でも、全体としての産出と雇用を決めるものは何かという問題に移ったとたん、金銭経済の完全な理論が必要になるのです。
(ケインズはマクロ経済学の創始者とされる)
セクションII
たとえば一年の期間を考えたとき、各種の商品利率がどのくらいになりそうか考えてみましょう。基準としてそれぞれの商品を順番に考えるので、それぞれの商品の収益はこの文脈では、その商品自身で測ったものだと考えてください。それぞれの種類の資産は、以下の三つの属性をちがった度合いで保有しています。つまり:
- (i)
- 一部の資産は、何らかの生産プロセスを支援したり、消費者へのサービス提供を支援したりして、収益や産出
q を生み出します。 - (ii)
- お金以外のほとんどの資産は、それが収益を生み出すのに使われるかどうかにかかわらず、単に時間がたつだけで、多少の滅失を生じるか費用がかかります(これは相対的価値の変化とはまったく別に生じます)。つまり、それ自身で計測した保有コスト
c がかかります。ここでは、q の計算前に差し引く費用と、c に含める費用とでどこに一線をひくか、厳密なことは気にしなくてかまいません。以下ではいつもq−c しか考えないからです。 - (iii)
- 最後に、その期間中に資産を処分できるということは、潜在的な便利さや安全を提供してくれます。この処分のしやすさは、当初は同じ価値の資産でも、種類がちがえば変わってきます。これについては、期末に産出の形で何か示せるわけではありません。でも、人々はこれにいくらか支払おうとします。 この処分力からくる潜在的な便利さや安全に人々が支払いたがる額(その商品自体で測ったもの)を、その商品の流動性プレミアム
I と呼びましょう(これはその資産に伴う収益や保有費用とは別物です)。
貨幣の自己利子率=-C+l>0
(『図解雑学ケインズ経済学』滝川好夫164頁)
////////////
ケインズ『一般理論』第6章
http://genpaku.org/generaltheory/general06.html
ここで、本章の後の部分を先取りして、社会全体としては当期の総消費 ( C ) は ∑(A−A1) に等しく、総投 資( I ) が ∑(A1−U)に等しいことを述べておくと便利でしょう。さらに U は、個々の事業者が自分の設備に対して行うマイナス投 資(そして −U は投 資)で、他の事業者から買う分を除いたものです。ですから完全に統合された経済系( A1=0 の場合)では、消費は A に等しく、投 資は −U に等しく、つまり G−(G′−B′) に等しくなります。いまのがちょっとややこしいのは A1 を導入したからで、これは統合化されていない生産系の場合用に、一般化した記述をするのが望ましいからです。
/////////
総供給額曲線は45度の勾配をもつ。総需要額はそれよりゆるやかな勾配をもつ(宇沢320頁,ケインズ5:21)。
http://blog.goo.ne.jp/yasunorikomori/e/512e6aac4111effe41f701ecb91d71f8/
「ケインズの国民所得決定の理論」について
消|
費| / ↙︎I'
・| /| oI
投| E/o|
資| o/ | ↙︎C
|I' o /| |
|Io / | |
| / | |
|C / | |
| / | |
_|/45度__|__N'_______
| | (完全雇用国民所得)
投| | | oS
資| I'__|__o__I'
・| I____o____I
貯|____o_|__________
蓄| So 国民所得(Y)
「Y」は国民所得、「C」は消費、「I」は投 資、「S」は貯蓄、交点「E’」は国民所得の大きさ、「N’]は完全雇用水準での国民所得です。
ケインズによれば「貯蓄(S)]と「投 資(I)]が均衡したところで国民所得の大きさが決まりますが、完全雇用水準の国民所得が達成されるように、「投 資(II)」を「投 資(I’I’)」まで引き上げることもできます。
もっとも、一旦完全雇用が達成されると、技術進歩が無い限り、それ以上いくら投 資を増やしても、すべて物価上昇によって吸収されてしまいます。
しかし、不完全雇用である限り、たとえ赤字公債による政府支出にせよ、民間の投 資増加にせよ、有効需要の創出は国民所得の増加をもたらします。
これがケインズの「有効需要の原理」の核心です。
参考:
クルーグマン
tr_Krugman_2011_MrKeynes-and-moderns.pdf
http://econ101.jp/wp-content/uploads/2013/12/tr_Krugman_2011_MrKeynes-and-moderns.pdf
名著を読む:第2回 ポール・A・サムエルソン
http://jiyugaoka-clweb.com/neimasahiro_essay_meicho02/
簡単なケインズ・モデルである45度線による理解を普及させるのに尽力した。
消費性向の数値図表
消| ︎ E''
費| /|貯蓄
支| / | o←C消費関数
出| / o+E
| o/ |
| o / |
| o / |消費
| / |
| / |
| / |
|/45度______E'_______
0 可処分所得
(経済学上[原書第11版]227頁,1966,1981,1987岩波書店)
45度線=収支分岐点を示す。
投 資=貯蓄(伊藤光晴『ケインズ』111頁,ケインズ2:6),所得=消費+投 資(116),総供給量:生産量:総需要量(102~3),45度(103),セーの法則(105)
縦軸に総需要、横軸に総生産(総供給)がとってある。総需要=総供給だから、45度の傾きをもつ点線がそれに相当する。
計画支出E
可処分所得Y
Y=Eの45度線
EとYが均衡している45度線という考え方がすべてだ。
/////////
ケインズ以前の理論では、
利|
子|
率|
i| I S
|_貯_\__畜_/
|投 資 \ /
| \/
| /\
| S_/ \_I
|
|_____________
投 資I,貯蓄S
伊東121頁
→ケインズ「投 資=貯蓄」
伊東光晴『ケインズ』(145~6,126,173頁,ケインズ③10):
_____________
| /消費←所得 /
| /ーーーーーー /
雇用量←生産量=|所得〈 (消費性向)/
| \ //資本の限界効率
| \投 資 ←〈
| (乗数理論)/ \利子率←(流動性選好説)
|______/
《雇用量の増減は生産量の増減に支配される。生産量は所得の変化で測られる。
所得は有効需要の大きさによってきまり、有効需要は消費需要と投 資需要の合計である(有効需要の原理)。
ところが消費の量は、所得の大きさがきまればきまるという関係がある。これが消費性向の関係としてとらえられている。
そこで、消費が所得の大きさによってきまれば、投 資の大きささえきまるならば、
それによって所得の大きさと消費の大きさがきまるわけである。これが乗数理論であった。いまこれを式で書けば、
所得=1/(1-消費性向)×投 資
である。以上は生産量の大きさをきめるメカニズムであり、生産物の市場(財の市場)の問題である。》
////////////////////
伊東光晴『ケインズ』(97~100頁):
ここからだけをと
ると伝統的な理論
と同じになる
|______|
賃| D | | ___
金| 労働\ → \ → \ / |
率| 需要曲線\ \ 線\/ |
| \ \曲 /\ |
w|___労_働_\供_給_\/A \ _|_
|S |\ \完全 \
| | \ |\雇用点\
| 雇用労働者 | \_D| \_ \_
|_______|_____|_______
0 N1 N0 雇用量
働 き た い 人 (N0)
w 雇われる人 (N1)
失 業 者 (N1N0)
実|
質|
賃|D S
金| \ /
w|___\/E
| /\
|S / |\ D
| |
0|____|________
N 労働雇用量(N)
:宇沢弘文『「一般理論」を読む』44~5頁,ケインズ1:2:4
上の古典派の失業概念には、非自発的失業は含まれていないとケインズは主張する。
実質
賃金
|
|D S
w|_\A__B/
| \ /
we___\/E
| /\
|S / |\ D
| |
0|____|________
Ne 労働雇用量(N)
図で、労働に対する需要と供給とはそれぞれ、DD曲線、SS曲線によって
あらわされている。この二つの曲線の交点Eに対応する実質賃金w^eのときには、
労働市場で、需給均等となり、完全雇用の状態が実現する(古典派の主張)。
それに対して、実質賃金がw^eより高く、たとえば図でwと記した水準であるときには、
労働供給は需要よりABだけ多くなり、非自発的失業がABだけ発生することになる。
46頁,宇沢ケインズ1:2:4
働 き た い 人
w 雇われる人 A B
失 業 者
(Q)
全産
出量 B/ o
| / o Q=f(N)
| /|
| /o|
| /o |
|/ | Q
| o |
/| |
W/P|o N|
/__|____|________
C 0 A 全雇用量(N)
第1-9図 集計的生産曲線
Q=f(N)集計的生産関数
宇沢96頁ケインズ1:3,3:10
(Yw)
実質
国民
所得 集計的生産曲線(Z)
Z|_________/
| /| o
| /o| 総需要曲線
| o/ |
| o / |
| o / |
|o / |
| / |
| / |
|/ No
0|_________|_______
|\ | 雇用量(N)→
| \ |
| \ |
| \ |
| \ |
| \ |
| \ |
| \ |
p|________\|
実質 \ MPC(限界主要費用)
価格
(p)
↓
第1-12図 価格水準と最適労働雇用量N
宇沢102頁,ケインズ1:3
市場価格が雇用量を決める。その際の財サービスの生産は総供給額曲線によってあらわされる。
総供給額
あるいは
総需要額
| Z=φ(N),総供給関数
| /
| / o
| E/o D=f(N),総需要関数
| o/
| o /|
| o |/ |
|o / |
| /| |
| / | |
|/ | |
|___|__|_______
0 A N^e (雇用量)
第1-13図 有効需要の決定(宇沢110頁,ケインズ1:3)
期待する収入D、
A点では、D>Z、
E点では、D=Z。
総需要曲線と総供給曲線とが交わる点Eに対応する総需要を有効需要(Effective Demand)と呼ぶ。
総供給額
あるいは
総需要額
| Z=φ(N),総供給関数
| E/_ー
| _ー/ D=f(N),総需要関数
|_ー|/|
| / |
| /| |
|/_|_|_______
0 A N^e (雇用量)
参考:
スティグリッツ、入門30頁、ミクロ10頁
図1-2 三つの市場
企 業 家 計
財の販売➡︎生産物市場 ➡︎財の購入
労働の雇用⬅︎ 労働市場 ⬅︎労働の販売
資本財への⬅︎ 資本市場 ➡︎お金の借入
投資 ⬅︎れと貸付け
経済学では、人々はさまざまな肩書きを持っている。人々は、生産物(財)市場では消費者になり、
労働市場では労働者になり、また資本市場では借り手や貸し手になる。
*
ケインズ『一般理論』では、労働市場を先に記述し、後から財、資本を記述する。スティグリッツの並べ方はマルクス『資本論』と同じ。『資本論』は商品としての貨幣から叙述される。
//////////
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/httpnam-students.html
(ミクロ・マクロ経済学)クルーグマン/マンキュー/スティグリッツ/サミ ュ エルソン:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/httpnam-students.html#refka
@ 図8-17 短期的変動の理論
ケイン
ジアンの➡︎IS曲線➡︎
交差図 ⬇︎
➡︎IS-LM➡︎総需要➡︎
➡︎ モデル 曲線 ⬇︎
⬆︎ ➡︎総需要- ➡︎短期的経済
流動 性➡︎LM曲線➡︎ ➡︎総供給モデル 変動の説明
選好理論 総供給 ⬆︎
曲線➡︎
(マンキューマクロ経済学1入門篇邦訳第3版319頁,第2版1:8:3,289頁)
☆☆☆☆☆ 入門編邦訳第3版447頁より(こちらも邦訳第2版にはない)
図11-6 モデルの相互関係
すべてのモデルの親モデル
(第11章補論)
___古典派__|__ケイジアン_
_閉鎖|開放_ __閉鎖|開放_
| | | |
古典派の閉鎖経済 | IS-LMモデル☆☆☆ |
(第3章・第4章)☆ | (第8章・第9章)@ |
| |流通速度一定 |
| 基本的な |
_小国|大国_ AD-ASモデル |
| | (第7章)☆☆ |
古典派の 古典派の |
小国開放経済 大国開放経済 |
(第5章) (第5章補論) |
________小国|大国_
_変動相場制|固定相場制_ |
| | 大国開放経済の
変動相場制下の 固定相場制下の 短期モデル
マンデル=フレミング マンデル=フレミング (第10章補論)
モデル(第10章) モデル(第10章) ☆☆☆☆
この概念図は補論で示した包括的な大モデルがこれまでの諸章で学んだより小さ
くて簡単なモデルとどう関係しているかを示している。
1.古典派かケインジアンか?
古典派の特殊ケース(EP=Pあるいはa=0,したがって産出が自然率水準にある場合)を望むのか,それともケインジアンの特殊ケース(aが無限大,したがって物価水準が完全に固定されている場合)を望むのかを決める.
2.閉鎖か開放か?
閉鎖経済(資本移動CFがつねにゼロの場合)を望むのか ,開放経済(CFがゼロ以外の場合)を望むのかを決める.
3.小国か大国か?
開放経済を望むのであれば,小国(CFが世界利子率r*で無限に弾力的な場合 )を望むのか,あるいは大国(国内利子率が世界利子率で決定されない場合)を望むのかを决める.
4.変動相場制か固定相場制か?
小国開放経済を考えるのであれば,為替レートが変動制(中央銀行がマネーサプライを決める場合)か,それとも固定制(中央銀行がマネーサプライの調整を許容する場合)のいずれかを决める.
5.流通速度の固定?
ケインジアンの固定価格を仮定した閉鎖経済を考える場合,流通速度が外生的に固定されている特殊ケースに焦点を当てるかどうかを决める.
E=期待値、P=価格
a=財・サービスの需要の実質利子率に対する反応
CF=純資本流出
http://www.findai.com/yogow/w00423.htm
マンデル=フレミング・モデル
英語 : Mundell-Fleming model (マンデル=フレミング・モデル)
マンデル=フレミング・モデルとは、閉鎖経済モデルであるIS-LM分析を開放経済に拡張したモデルをいいます。
http://blogs.yahoo.co.jp/kazu_kitamura_jp/31852219.html

マンキューはLM曲線を垂直に置くことで世界利子率の固定とマンデル=フレミング・モデル(の展開の一例)を説明している。そちらの方がわかりやすい。
以下、マンキューマクロ1,1:3:7,268~272頁参照
http://hakase-jyuku.com/mankiw/category7/entry38.html
----------
■総需要(AD)と価格の硬直性
----------
貨幣供給量をM、流通速度をV、名目価格水準をP、総生産をY
とすると、M・V=P・Y である(貨幣の数量方程式)。
ここでM/Pは貨幣を名目価格水準で割ったモノだから、これは供
給される実物の「モノ(財やサービス)」であり(実質貨幣残高)、
それに対する実質的な需要量である。
価格供給量Mが所与given(経済外の要因によって決まるモノ)で
あると考えれば、PとYは反比例(或いは逆相関)関係にあること
になる。
すなわち縦軸に価格P、横軸に生産量Yをとると総需要(AD)
曲線は右下がりになるのである。
P(物価水準)
↑
| \
| \
| \
|---------- \
| ・\
| ・ \
| ・ \AD(下に凸)
| ・ \
0 ―――――――――――――――→Y(総生産・総所得)
貨幣供給量Mが殆ど変化せず、貨幣流通速度Vがほぼ一定である
という仮定の元では、物価水準Pが上がると実質貨幣残高(M/P)
は小さくなり、V=(一定)(Y/V)→小さくなるという関係から
総生産Yも減ってしまう。
消費には優先順位があって、たとえば食品の値段が倍になっても
食品は買わざるを得ない。が、その優先順位の高い財やサービスを
高い価格で買うとすると、他の財やサービスを買うだけの金(残高)
などなくなってしまうから、全体としての生産は減ってしまうので
ある!
つまり物価が上がると、総生産は減ってしまう!!!
また他の要素を一定として貨幣供給量を急に増やしてみる。
貨幣供給量が増えても長期分析ではそれは名目的な価格上昇しか
もたらさないが「価格の硬直性」によって総需要曲線(AD)は上
側にシフトすることになり、M・V=P・YよりYは増えることに
なる。
P(価格)
↑
| \ \
| \ \
p |----------\--- \
一定| |\ |\
| | \| \
| | \ \
| | |\
| | | \
0 ――――――――――――――→Y(総生産・総所得)
Y→ Y'(増える)
つまり貨幣供給量を増やすと総生産も増えるのである!
もちろん流通速度が増大した場合も総生産は増える。
総需要に関してはまた後の方で検討するが、価格が伸縮的である
ことを前提にした長期分析モデルと価格が硬直的である短期分析モ
デルとでは、経済の振る舞いがこのように異なるのである。
マンキューマクロ入門篇1:3:7,274~5頁
短期的総供給SRASと長期的総供給LRAS
http://hakase-jyuku.com/mankiw/category7/entry39.html
----------
■短期と長期の接点
----------
短期のグラフと長期のグラフを重ねると、必ず交点ができる。
短期的な変動が小さいとき、需要曲線Dはこの交点を通過するこ
とになるだろう。
P(物価水準)
↑ LRAS
| \ |
| \ |
| \|
|――――――\―――――SRAS
| |\
| | \
| | \
| | AD(総需要)
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
長期的総供給LRAS,long-run aggregate suply curve
短期的総供給SRAS,short-run aggregate suply curve
273頁
短期的には価格は変わらない。長期的には生産力は変わらない。
////////////
複数銀行による貨幣の拡張
_________
1ドルの準備金︎ | ___ |
━︎━━︎━➡︎━━━━━━|銀 行1|➡︎┓|
| |___| ┃|
|┏━←━┛ ⬇︎|
|┃ ___ ┃|
|┣➡︎|銀 行2|➡︎┤| 10ドルの預金貨幣
|┃ |___| ┣━━━➡︎━━︎━━︎━━━
|┣━←━┛ ┃|
|┃ ___ ⬆︎|
|┣➡︎|銀 行3|➡︎┤|
|┃ |___| ┃|
|┣━←━┛ ⬆︎|
|⬇︎ 等々〜10 ┃|
|_________|
(サミュエルソン、経済学上[原書第11版]16章,319頁,1966,1981,1987岩波書店)
なお、上記図は、独占銀行と同時的拡張という二つの図に書き換えることもできる(16-2図326頁)。こうした信用創造の説明は基礎的かつ重要だと思うが商学に当たると判断されるのか、簡単な貸借対照表まで連記したサミュエルソン(及びマンキューマクロ応用篇)に比べて、それ以外の入門書ではあまり重視されていないように思える。
参考:
マンキューマクロ経済学(第18章,原著)2:3:7,235~7頁,邦訳第2版217~9頁
http://homepage1.nifty.com/gujyo-economic-res/mankiw/mankiw18.htm
マンキューマクロ応用篇第7章より
第1銀行の貸借対照表
資 産 負 債
_____________________
準備 1000ドル |預 金 1000ドル
|
第1銀行の貸借対照表
資 産 負 債
_____________________
準備 200ドル |預 金 1000ドル
貸出金 800ドル |
第2銀行の貸借対照表
資 産 負 債
_____________________
準備 160ドル |預 金 1000ドル
貸出金 640ドル |
第3銀行の貸借対照表
資 産 負 債
_____________________
準備 128ドル |預 金 640ドル
貸出金 512ドル |
最初の預金 =1000ドル
第1銀行の貸し出し =(1-rr)×1000ドル
第2銀行の貸し出し =(1-rr)2×1000ドル
第3銀行の貸し出し =(1-rr)3×1000ドル
・
・
・
__________________________
総貨幣供給 =[1+(1-rr)+(1-rr)2×1000ドル
+(1-rr)3+・・・]×1000ドル
=(1-rr)×1000ドル
rrは、準備預金率。準備金の各々の1ドルは、(1/rr)ドルを生じさせる。
《準備のおのおのの1ドルは貨幣の(1/rr)ドルを生じさせます。我々の事例では、rr=0.2です。だから最初の1000ドルは5000ドルの貨幣を信用創造します 銀行システムの貨幣創造の能力は、銀行と他の金融機関では根本的に異なります。我々が第3章で最初に議論したように、金融市場は、経済の資源を将来の家計のために彼らの所得のいくらかを貯蓄したい家計から、将来の生産物に使用するため、資本財を買うために借り入れたいと思っている家計と企業にまで移動する重要な機能を持ちます。貯蓄者から借り手まで資金の移動の工程は金融仲介と呼ばれます。経済における多くの制度は、金融仲介のように行動します。:もっとも顕著な事例は株式市場、債券市場、そして銀行システムです。またこれらの金融制度のうち、銀行のみが小切手勘定のような、貨幣供給の一部である資産を創造する法的権限を持ちます。それゆえに、銀行は直接貨幣供給に影響を及ぼす唯一の金融制度です。》
http://homepage1.nifty.com/gujyo-economic-res/mankiw/mankiw18.htm
貨幣供給のモデル
http://hakase-jyuku.com/mankiw/category15/entry85.html
NAMs出版プロジェクト: (ミクロ・マクロ経済学)クルーグマン/マンキュー/スティグリッツ/
サミ ュ エルソン:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/httpnam-students.html#refta
ケインズ経済学の限界について 北山孝信
http://www.geocities.jp/tkitayama2002jp/SYURON.pdf

貨幣の数量方程式とLM曲線
http://hakase-jyuku.com/mankiw/category8/entry46.html
■LM曲線のまとめ
利子率r
| \ /LM曲線
| \ /
r*| \/
| /\
| / \
| / \
|
―――――――――――Y(所得・総生産)
0 y*
追記:
ケインズには労働の貨幣価値(賃金率)はあるが、労働の貨幣価値という考えはない。(伊東宮崎コメンタール236頁)
/////////////
_____________
| /消費C←所得Y/
| ↙︎ーーーーーー /
雇用量←産出高=|所得Y (消費性向)/
N O | ↖︎ /↙︎利子率i←貨幣量M
|_______/ ↖︎資本の限界効率r
↙︎i
Y←I I←r i←M
乗数理論 投資決定論 流動性選好利子論
以下、雇用の一般理論の梗概 (ディラード『ケインズの経済学』64頁より):
雇用(N),所得(Y),および有効需要(D)の理論
________/\________
消費(C) 投資(I)
/\ ___/\___
消費性向 所得の大きさ 利子率(ri) 資本の限界効率(rm)
/\ /\ /\
平均消費(C/Y) 限界消費 流動性 貨幣量(M) 利回りの予想 取り替え費用、あ
性向(ΔC/ΔY) 選好(L) (M=M1+M2) るいは資本資産
/\ l の供給価格
投資乗数(k) k=1/(1-ΔC/ΔY) 取引動機
の導出 予備的動機
投機的動機
(すべてM1によりみたされる)
特 徴
「基礎」国民所得C/Y=1,すなわちC=Y。
所得が増加するにつれて消費も増加するが,
所得よりも増加率が小さい。
ΔC/ΔYはつねに1より小である。
kはつねに1より大である。
投資の増加は倍数的所得増加をもたらす。
交換の媒介としての貨幣を意味する。
価値の貯蓄としての貨幣を意味する。
貨幣当局により統制されうる。
不安定。株式市場,
企業の確信等により影響される。
景気循環:変動。
長期:低減。 (注)
1.雇用(および所得)は有効需要に依存する。
2.有効需要は消費性向および投資量により決定される。
3.消費性向は比較的安定である,
4.雇用は消費性向が不変ならば投資量に依存する。
5.投資は利子率と資本の限界効率に依存する。
6.利子率は貨幣量と流動性選好に依存する。
7.資本の限界効率は利回りの予想と資本資産の取替え費用に依存する。
| _____|_____ |
| | 倫理良い | |
| F | 空 | 空 | G |
| | | | |
| _____|_____|_____|_____ |
| | | | | | |
| | D | | | 空 | |
| | | | | | |
|_|_____|_____空_____|__欲求良い_|欲求悪い
| | | | | | |
| | A | | | 空 | |
| | | | | | |
| |_____|_____|_____|_____| |
| | | | |
| 空 | C | E | H |
| | | | |
| |_____|_____| |
|_____________|_____________|
| _____|_____ |
| | 倫理良い | |
| A | B | 空 | 空 |
| | | | |
| _____|_____|_____|_____ |
| | | | | | |
| | D | | | 空 | |
| | | | | | |
|_|_____|_____空_____|__倫理悪い_|欲求悪い
| | | | | | |
| | F | | | G | |
| | | | | | |
| |_____|_____|_____|_____| |
| | | | |
| 空 | C | E | H |
| | | | |
| |_____|_____| |
|_____________|_____________|
|H | A|
| __|__ |悪い
| |3 |/4| |
|G_|__D__|_B|倫理
| |5 E 6| |
| |__|\_| |良い
|F | C|
|_____|_____|
| _____|_____ |
| | | | |
| | | | |
| | | | |
| _____|_____|_____|_____ |
| | | | | | |
| | | | | | |
| | | | | | |
|_|_____|_____|_____|_____|_|
| | | | | | |
| | | | | | |
| | | | | | |
| |_____|_____|_____|_____| |
| | | | |
| | | | |
| | | | |
| |_____|_____| |
|_____________|_____________|
http://book.motion.ne.jp/
I S / L M図表は 、 G N P (国民総生産 )と利子率が I S曲線 (財市場の均衡を示す )と L M曲線 (貨幣市場の均衡を示す )の交点によって同時に決定されることを教えてくれるが 、ケインジアンとマネタリストの違いは 、 I S曲線と L M曲線の形状にかかわっているという 。すなわち 、マネタリスト (古典派も同様 )が 、 L M曲線がほとんど垂直であるようなケ ース (貨幣の流通速度がほとんど限界に達しており 、投機的動機に基づく貨幣需要がほとんど存在しない )を想定しているのに対して 、ケインズやケインジアンは 、 L M曲線がほとんど水平 (いわゆる 「流動性の罠 」の状態 ) 、かつ I S曲線がほとんど垂直であるようなケースを想定しているというのである 。サムエルソンは 、次のように解説している ( * 2 5 ) 。
「ヒックス=ハンセン図は 、財政政策と金融政策 、所得決定の理論 、それに貨幣理論の全部を総合することに成功している 。それはさらに 、貨幣の流通速度についての明確な一般理論を提供することにより 、マネタリストとケインジアンのマクロ経済理論を総合するのにも役立っている 。すなわち重要な意味において 、マネタリストの反革命は 、 L Mおよび I Sの形についての論争に帰してしまうのである 。 」
* 2 4 … …出典は 、ポ ール ・ A ・サムエルソン 『経済学 (第十一版 ) 』都留重人訳 、上巻 (岩波書店 、一九八一年 )三七二ペ ージ 。
* 2 5 … …前同 。
根井雅弘『市場主義のたそがれ』