金曜日, 1月 08, 2016

トラークル ある冬の夕べ Ein Winterabend Georg Trakl

Ein Winterabend Georg Trakl [HOERBUCH]
http://youtu.be/pS_GCfYoCyQ

Anton Webern, Vier Lieder Op. 13
http://www.youtube.com/watch?v=JU-Qk1nsyKs#t=4m58s


トラークル ある冬の夕べ Ein Winterabend Georg Traklは、
ハイデガーが1950年の講演「言葉」(Die Sprache)で四方界と関連づけて論じている。

《この詩を作ったのはゲオルク・トゥラークルである。彼が詩人であることは、さほど重要ではない、ある詩が非常によくでき

ている場合は常にそうなのであるが、ここでも同様である。ある詩がきわめて成功裡に詠われたといい得るのは、その詩が詩

人の人格や名前を否認し得る点に存すると言えよう。》(邦訳全集12,12頁)


参考:仲原孝『ハイデガーの根本洞察』(とき性など、京都学派経由だが、引用された存在と時間は中公版が基本)
上のリンクは朗読とウェーベルン作曲の歌曲(4:58~)。
Gesamtausgabe Band 12, Unterwegs zur Sprach
 第12巻『言葉への途上』(亀山健吉+グロース訳、1996/10)
 「言葉」(1950)、「詩における言葉」(1952)、「言葉についての対話より」(1953/54)、「言葉の本質」(1957/58)、「語」(1958)、「言葉への道」(1959)を収める。


アントン・ウェーベルン とある冬の夕暮れ
http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/W/Webern/S3014.htm

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アントン・ウェーベルン   Anton Webern ( 1883 - 1945 ) オーストリア
「 とある冬の夕暮れ 」   
       4つの歌曲 Op.13より
Ein Winterabend  
     

詩: ゲオルグ・トラークル


雪が窓に降り積もり
夕べの鐘が長く鳴り渡る
多くの家では食卓のしたくができ
家は全く整然としている

大勢の旅する者たちが
暗い道の門のところへと向かう
金色に花咲くは慈悲の木
大地より冷たい樹液を吸い上げながら

さすらい人は静かに足を踏み入れるが
苦しみは敷居を石に変える
そこに澄み切った明るさで輝いているのは
テーブルの上のパンとワイン
Wenn der Schnee ans Fenster fällt,
lang die Abendglocke läutet.
Vielen ist der Tisch bereitet
und das Haus ist wohl bestellt.

Mancher auf der Wanderschaft
kommt ans Tor auf dunklen Pfaden.
golden blüht der Baum der Gnaden
aus der Erde kühlem Saft.

Wanderer tritt still herein;
Schmerz versteinerte die Schwelle.
Da erglänzt in reiner Helle
auf dem Tische Brot und Wein.

最後はこのあと作品14で集中的に取り上げることになる詩人トラークルの詩です。楽器構成はクラリネット、バスクラリネット、トランペット、トロンボーン、チェレスタ、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。フルート・ピッコロがない分、しっとりと重たい色合いでまさに冬の描写に合っているでしょうか。
( 2011.02.14 藤井宏行 )

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   #4,63
   実在的
配慮的 十 無配慮
    実在論的

   #53
#60     #53

“存在問題そのもののために
それ自身の歴史に透明な見通しをつけることが
われわれの課題なのであるから、
固定化した伝統を解きほごして、
その伝統が生みだしてきた蔽塞状態を解消することが必要となる。
この課題をわれわれは、存在問題を手びきとして、
古代的存在論の伝承的形態を解体し、
かつて存在の最初の ―そしてそれ以来主導的となった― 諸規定が
そこで得られた根源的諸経験へひきもどす
解体作業(Destruktion)という意味でうけとる。”

(ハイデガー『存在と時間』序論2-6) 

『ハイデガー読本』 単行本 – 2014/11/25 ¥ 3,672
秋富 克哉 (編集), 古荘 真敬  (編集), 森 一郎 (編集), 安部 浩 (編集)
 
これにいちおう黒ノートのナチス該当部分が訳されて載っている