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テイラーは合理的期待仮説のもとで、マクロ経済モデルを解く数理的手法の発展に貢献した。1977年、スタンレー・フィッシャーと同時期に、テイラーとエドムンド・フェルプスは、賃金が下方硬直(sticky、粘着的)の場合、すべての労働者と企業が合理的期待を持っているならば、金融政策が経済の自動安定化に有用であることを示したトーマス・サージェントやNeil Wallaceが主張した理論—-合理的期待形成のもとでは金融政策は経済の自動安定化には無効であるという理論--と真っ向から対立したため、この論文はとても重要である。テイラー、フェルプス、フィッシャーは、サージェントやWallaceが理論の前提とした仮定が合理的期待形成ではなく、完全に価格が柔軟に動くということを前提としていることを示した[3]。
テイラーのモデルであるoverlapping wage contractは、ケインズ経済学の伝統的なIS-LMモデルからミクロ経済を元にした合理的期待形成仮説に基づいたニュー・ケインジアンのマクロ経済モデルを再構築する際のブロックの一つとなっている。ニュー・ケインジアンの経済学者はどの金融政策のルールが景気循環による社会的費用を効率的に減らすことが出来るかについて研究してきた。テイラーの1993年の論文("Discretion versus policy rules in practice")は、単純で効率的な中央銀行の金融政策は、短期金利を操作することで経済の行き過ぎの状態をコントロールすることだった。つまり、経済が過熱気味の時には短期金利を切り上げ、その逆の時には短期金利を切り下げるというものである[2]。テイラーが示した式はテイラー・ルールとして知られ、中央銀行の政策決定に広く使用されている。
(日本語訳)
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