マルクス経済学を組み立てる - cirje - 東京大学 (Adobe PDF) -html 2016年3月17日 小幡道昭
『これからの経済原論』(ぱる出版)石塚評 2021/02/24
小幡道昭 経済原論 2009
マルクス系貨幣論は根本的に駄目だ。
東京大学出版会
参考:
/\
/ \
/ 利子 \
/______\
/\ <分配論>/\
/ \ /__\
/ 利潤 \ / 地代 \
/______\/______\
/\ /\
/ \ 宇野弘蔵 資本の\
/ 資本 \ 『経済原論』 /再生産過程
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ /資本の \ /資本の \
/______\/______\/_生産過程_\/_流通過程_\
/恐慌
/ \
/景気循環\
/______\
/\ <機構論>/\
/ \ / \
/価格機構\ /市場機構\
/______\/______\
/\ /\
/ \ 小幡道昭 / \
/ 資本 \ 『経済原論』 /蓄積過程\
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ / 労働 \ / 生産 \
/______\/______\/______\/______\
主要目次
序 論
第I篇 流通論
第1章 商品
第2章 貨幣
第3章 資本
第II篇 生産論_ここまで宇野と同じ
第1章 労働
第2章 生産
第3章 蓄積過程
第III篇 機構論
第1章 価格機構
第2章 市場機構の分化
第3章 景気循環
問題の解答
担当編集者から
マルクス経済学と聞いて「懐かしいね」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか.さらに本書の目次を見て,「昔の原論とちっとも変わっていないじゃないか」と思う方も多いでしょう.しかし著者は,本当は本書のタイトルを「ちょっと変わった経済原論」にしたかったのです.「ちょっと変わった」というのは,これまでの経済原論の教科書とは少し違うという意味ですが,それは,問題と解答がタップリ用意されていたり,文章が著者による語りかけであったりすることだけではなく,これまでの経済原論にはなかった資本主義の新しい捉え方(変容論的アプローチ)を提示しているということもあります.決して古臭くない,資本主義の功罪が問われる今の時代だからこそ学びたいテキストです。
目次
はじめに
序論
0.1経済原論の対象
校史的社会/発展段階/重商主義段階/自由主義段階/帝国主義段階/第一次世界大戦後の資本主義/グローバリズム
0.2経済原論の方法9
変わる力と変える力/メタ·モデル/トータル·モデル/階層モデル/メカニズムとシステム/全体・状態・内部と外部
0.3経済原論の構成15
体系と構造/二層構造/三篇構成
第I篇流通論
第1章商品 21
1.1モノと商品21
主体/属性/所有/モノの深層
1.2商品の二要因——使用価値と価値26
使用価値/他人のための使用価値/価値/価値量(価値の大きさ)
1.3価値形態31
1.3.1価値表現 31
価値量の表現/相対的価値形態と等価形態
1.3.2価値形態の展開35
A.簡単な価値形態35
必要と交換
B.拡大された価値形態38
間接交換/手段に対する欲望
C.一般的価値形態40
D.貨幣形態41
資産の価値表現/価格/価値形態の最終形態
1.3.3商品貨幣44
広義の商品貨幣/物品貨幣/信用貨幣
第2章貨幣 49
2.1価値尺度49
価値尺度という用語/価値表現と価値実現/覆水盆に返らず/買い手のイニシヤティブ/いくつかの前提
(1)商品の大量性と主体の複数性/(2)商品の資産性と期間の関係/(3)時間と空間の関係/個別的な実現と社会的な尺度
2.2流通手段56
商品の流通/販売の連鎖/貨幣量と価格水準/貨幣価値の大きさ
2.3蓄蔵手段62
購買のための準備/蓄蔵貨幣/ー般的富
2.4商品売買の変形65
2.4.1売って買う方式65
市場の基本構造/在庫としての商品/販売期間のバラツキ/売買のための資財と活動/値引き販売
2.4.2信用売買69
後払いで買う動機/後払いで売る動機/債権·債務関係
2.4.3貨幣貸借72
信用売買の代替/貸借と売買/賃料と利子/信用売買と貨幣貸借
2.4.4販売代位75
貨幣貸付の変形/買って売る主体の交替
第3章資本 79
3.1資本の概念79
商品流通をこえる運動/自己増殖/価値増殖/運動体/利潤/利潤率
3.2資本の多態化86
多態性
3.2.1姿態変換外接型88
3.2.2姿態変換内接型90
安く買って高く売る/安く買う買い方/労働力の売買
3.2.3流通費用節減型92
費用化と節減/具体的形態
3.3市場の軸心95
資本なき商品流通/資本に売り資本から買う/市場の完結性/システムとしての市場
第II 篇 生産論
第1章労働101
1.1労働過程101
自然過程/目的意識的活動/生産と労働/労働力/労働の同質性/過程としての労働/他人のための労働
1.2労働組織110
1.2.1協業111
協力·合体の原理/集団力/競争心/生産手段の共有
1.2.2分業116
分割·合成の原理/考察方法上の注意/作業場内分業と社会的分業/基本的効果/習熟効果/自動化効果
1.2.3資本主義的労働組織122
理論構成の再確認/労働力の商品化/協業と分業の交叉/資本と労働組織/資本主義的労働組織の二重性/マニュファクチュアの基本概念/マニュファクチュアの展開形態/機械制大工業の基本概念/機械制大工業の展開形態
1.3賃金制度 133
賃金制度の基本概念/賃金形態型づけられた労働/支払方式/賃金制度の多型性
第2章生産 141
2.1社会的再生産141
再生産/社会的生産/生産期間と労働量/異種労働の合算可能性/対象化された労働
2.2純生産物と剽余生産物152
モノと労働力の区別/階級関係/剩余生産物/本源的弾力性/補墳と取得の全体
2.3価値増殖過程157
労働力の全面的商品化/理論構成上の注意点/価値増殖の社会的根拠/剰余価値率/絶対的剰余価値の生産/相対的剰余価値の生産
第3章蓄積 165
3.1資本の蓄積 165
剰余価値の処分/資本構成/労働力の吸収と反発/雇用人口
3.2労働市場
産業予備軍/生活過程/産業予備軍の枯渇/労働力商品の価値 171
3.3再生産表式176
3.3.1単純再生産表式176
2部門分割/再生産の条件
3.3.2拡大再生産表式177
第III篇 機構論
第1章価格機構183
1.1費用価格と利潤183
生産期間と流通期間/生産資本/流通資本/費用価格/流通費用/売上高と利益/粗利潤率と純利潤率/利潤率の均等化/ー般的利潤率の規制力
1.2生産価格192
平均利潤/生産価格の決定因子/単純な価格機構の限界
1.3市場価値197
生産条件の較差/市場価値/特別利潤/競争による生産部門編成/ー般的利潤率の長期的動向
1.4地代201
本源的自然力/落流と蒸気機関の例/差額地代/絶対地代/土地耕作の例/所有の力の相対化/土地資本
第2章市場機構 213
2.1商業資本213
第2の分業/販売過程の代位/商業資本の特性/分化の効果/利潤率の均等化
2.2商業信用220
産業資本による信用売買/受信動機/与信動機/商業信用の成立条件/商業信用に伴う流通費用/利潤率の均等化の促進効果
2.3銀行信用226
商業信用の変形/受信のための与信/信用調査の代行/媒介された信用関係/集積の効果/銀行と銀行資本/銀行券/預金/銀行の利潤率/利子率の水準/銀行間取引/銀行間組織/銀行業資本の社会的機能
2.4株式資本244
長期貸付/出資方式/株式証券/株式市場/社会的効果
第3章景気循環 253
3.1原理的アプローチ253
景気/運動論/相の概念/相をきめる諸要因/生産的要因と流通的要因/総量と比率
3.2好況と不況260
労働市場と産業予備軍/商業機構と信用機構/標準形
3.3恐慌
不安定化因子/貨幣賃金率の急騰/投機活動と累積的価格上昇/信用膨張と利子率の急騰/固定資本の蓄積/相転移の非対称性 265
問題の解答 271
おわりに355
索引358
本文中の問題のなかで,女印のつけられたものは基本問題を表わす.
分配論でも競争論でもなく、小幡道昭『経済原論』2009(18頁参照↓)では第3部を機構論と命名している。
1流通論→(変容)→3機構論
↘︎ ↗︎
(作用) (反作用)
↘︎ ↗︎
2生産論
労働と消費の直行関係(&例):
労 働
2I1
消費ーー十ーー
3I4
2廃棄物処理、4完全オートメーション
104,312頁
分業と協業の直行関係:
分 業
2I1
ーー十ーー協業
3I4
1商品経済
2ピラミッド
3無人島
4職人工房
124,315頁参照
13 Comments:
目次
はじめに
序論
0.1経済原論の対象
校史的社会/発展段階/重商主義段階/自由主義段階/帝国主義段階/第一次世界大戦後の資本主義/グローバリズム
0.2経済原論の方法9
変わる力と変える力/メタ·モデル/トータル·モデル/階層モデル/メカニズムとシステム/全体・状態・内部と外部
0.3経済原論の構成15
体系と構造/二層構造/三篇構成
第I篇流通論
第1章商品 21
1.1モノと商品21
主体/属性/所有/モノの深層
1.2商品の二要因——使用価値と価値26
使用価値/他人のための使用価値/価値/価値量(価値の大きさ)
1.3価値形態31
1.3.1価値表現 31
価値量の表現/相対的価値形態と等価形態
1.3.2価値形態の展開35
A.簡単な価値形態35
必要と交換
B.拡大された価値形態38
間接交換/手段に対する欲望
C.一般的価値形態40
D.貨幣形態41
資産の価値表現/価格/価値形態の最終形態
1.3.3商品貨幣44
広義の商品貨幣/物品貨幣/信用貨幣
第2章貨幣 49
2.1価値尺度49
価値尺度という用語/価値表現と価値実現/覆水盆に返らず/買い手のイニシヤティブ/いくつかの前提
(1)商品の大量性と主体の複数性/(2)商品の資産性と期間の関係/(3)時間と空間の関係/個別的な実現と社会的な尺度
2.2流通手段56
商品の流通/販売の連鎖/貨幣量と価格水準/貨幣価値の大きさ
2.3蓄蔵手段62
購買のための準備/蓄蔵貨幣/ー般的富
2.4商品売買の変形65
2.4.1売って買う方式65
市場の基本構造/在庫としての商品/販売期間のバラツキ/売買のための資財と活動/値引き販売
2.4.2信用売買69
後払いで買う動機/後払いで売る動機/債権·債務関係
2.4.3貨幣貸借72
信用売買の代替/貸借と売買/賃料と利子/信用売買と貨幣貸借
2.4.4販売代位75
貨幣貸付の変形/買って売る主体の交替
第3章資本 79
3.1資本の概念79
商品流通をこえる運動/自己増殖/価値増殖/運動体/利潤/利潤率
3.2資本の多態化86
多態性
3.2.1姿態変換外接型88
3.2.2姿態変換内接型90
安く買って高く売る/安く買う買い方/労働力の売買
3.2.3流通費用節減型92
費用化と節減/具体的形態
3.3市場の軸心95
資本なき商品流通/資本に売り資本から買う/市場の完結性/システムとしての市場
第II 篇 生産論
第1章労働101
1.1労働過程101
自然過程/目的意識的活動/生産と労働/労働力/労働の同質性/過程としての労働/他人のための労働
1.2労働組織110
1.2.1協業111
協力·合体の原理/集団力/競争心/生産手段の共有
1.2.2分業116
分割·合成の原理/考察方法上の注意/作業場内分業と社会的分業/基本的効果/習熟効果/自動化効果
1.2.3資本主義的労働組織122
理論構成の再確認/労働力の商品化/協業と分業の交叉/資本と労働組織/資本主義的労働組織の二重性/マニュファクチュアの基本概念/マニュファクチュアの展開形態/機械制大工業の基本概念/機械制大工業の展開形態
1.3賃金制度 133
賃金制度の基本概念/賃金形態型づけられた労働/支払方式/賃金制度の多型性
第2章生産 141
2.1社会的再生産141
再生産/社会的生産/生産期間と労働量/異種労働の合算可能性/対象化された労働
2.2純生産物と剽余生産物152
モノと労働力の区別/階級関係/剩余生産物/本源的弾力性/補墳と取得の全体
2.3価値増殖過程157
労働力の全面的商品化/理論構成上の注意点/価値増殖の社会的根拠/剰余価値率/絶対的剰余価値の生産/相対的剰余価値の生産
第3章蓄積 165
3.1資本の蓄積 165
剰余価値の処分/資本構成/労働力の吸収と反発/雇用人口
3.2労働市場
産業予備軍/生活過程/産業予備軍の枯渇/労働力商品の価値 171
3.3再生産表式176
3.3.1単純再生産表式176
2部門分割/再生産の条件
3.3.2拡大再生産表式177
第III篇 機構論
第1章価格機構183
1.1費用価格と利潤183
生産期間と流通期間/生産資本/流通資本/費用価格/流通費用/売上高と利益/粗利潤率と純利潤率/利潤率の均等化/ー般的利潤率の規制力
1.2生産価格192
平均利潤/生産価格の決定因子/単純な価格機構の限界
1.3市場価値197
生産条件の較差/市場価値/特別利潤/競争による生産部門編成/ー般的利潤率の長期的動向
1.4地代201
本源的自然力/落流と蒸気機関の例/差額地代/絶対地代/土地耕作の例/所有の力の相対化/土地資本
第2章市場機構 213
2.1商業資本213
第2の分業/販売過程の代位/商業資本の特性/分化の効果/利潤率の均等化
2.2商業信用220
産業資本による信用売買/受信動機/与信動機/商業信用の成立条件/商業信用に伴う流通費用/利潤率の均等化の促進効果
2.3銀行信用226
商業信用の変形/受信のための与信/信用調査の代行/媒介された信用関係/集積の効果/銀行と銀行資本/銀行券/預金/銀行の利潤率/利子率の水準/銀行間取引/銀行間組織/銀行業資本の社会的機能
2.4株式資本244
長期貸付/出資方式/株式証券/株式市場/社会的効果
第3章景気循環 253
3.1原理的アプローチ253
景気/運動論/相の概念/相をきめる諸要因/生産的要因と流通的要因/総量と比率
3.2好況と不況260
労働市場と産業予備軍/商業機構と信用機構/標準形
3.3恐慌
不安定化因子/貨幣賃金率の急騰/投機活動と累積的価格上昇/信用膨張と利子率の急騰/固定資本の蓄積/相転移の非対称性 265
問題の解答 271
おわりに355
索引358
本文中の問題のなかで,女印のつけられたものは基本問題を表わす.
経済原論簡約版 | 有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641162952
経済原論 -- 資本主義経済の構造と動態 簡約版
定評ある原論テキストの簡約版
富塚 良三 (中央大学名誉教授)/著
2007年03月発売
A5判並製カバー付 , 388ページ
定価 3,240円(本体 3,000円)
ISBN 978-4-641-16295-2
経済理論
基本書・体系書
経済原論のテキストとして長年定評のあった大学双書『経済原論』を,より学生に手に取りやすいように,高度な議論や講義ではあまり触れられない部分を割愛して,学習に必要な部分に限定することで,ボリュームを減らして提供する。
目次
序 説
第1編 資本の生産過程
第1章 商 品
第2章 貨 幣
第3章 資 本
第4章 資本の蓄積過程
第5章 本源的蓄積
第2編 資本の流通過程
第1章 資本の循環
第2章 資本の回転
第3章 社会的総資本の再生産と流通
第3編 資本の総過程
第1章 剰余価値の利潤への転化
第2章 利潤の平均利潤への転化
第3章 資本蓄積と利潤率の変動
第4章 商業資本と商業利潤
第5章 利子生み資本と信用
ラスト2章
3:6土地所有と地代
3:7所得とその源泉
がカットされた
参考:
/\
/ \
/ 利子 \
/______\
/\ <分配論>/\
/ \ /__\
/ 利潤 \ / 地代 \
/______\/______\
/\ /\
/ \ 宇野弘蔵 資本の\
/ 資本 \ 『経済原論』 /再生産過程
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ /資本の \ /資本の \
/______\/______\/_生産過程_\/_流通過程_\
/恐慌
/ \
/景気循環\
/______\
/\ <機構論>/\
/ \ / \
/価格機構\ /市場機構\
/______\/______\
/\ /\
/ \ 小幡道昭 / \
/ 資本 \ 『経済原論』 /蓄積過程\
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ / 労働 \ / 生産 \
/______\/______\/______\/______\
主要目次
序 論
第I篇 流通論
第1章 商品
第2章 貨幣
第3章 資本
第II篇 生産論_ここまで宇野と同じ
第1章 労働
第2章 生産
第3章 蓄積過程
第III篇 機構論
第1章 価格機構
第2章 市場機構の分化
第3章 景気循環
問題の解答
富塚は蓄積と商業資本を重視
参考:
/\
/ \
/ 利子 \
/______\
/\ <分配論>/\
/ \ /__\
/ 利潤 \ / 地代 \
/______\/______\
/\ /\
/ \ 宇野弘蔵 資本の\
/ 資本 \ 『経済原論』 /再生産過程
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ /資本の \ /資本の \
/______\/______\/_生産過程_\/_流通過程_\
/\
/ \
/利子生み資本
/______\
利潤率\ <総過程>/\
/ \ / \
/ 利潤 \ /商業資本\
剰余価値_平均利潤/______\
本源的蓄積\ /\
蓄積過程 \ 富塚良三 / \
/ 資本 \『経済原論簡易版』 /再生産と流通
/______\ /______\
/\<生産過程>/\ /\<流通過程>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ / 循環 \ / 回転 \
/______\/______\/______\/______\
経済原論簡約版 | 有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641162952
経済原論 -- 資本主義経済の構造と動態 簡約版
定評ある原論テキストの簡約版
富塚 良三 (中央大学名誉教授)/著
2007年03月発売 A5判並製カバー付 , 388ページ 定価 3,240円(本体 3,000円) ISBN 978-4-641-16295-2
経済原論のテキストとして長年定評のあった大学双書『経済原論』を,より学生に手に取りやすいように,高度な議論や講義ではあまり触れられない部分を割愛して,学習に必要な部分に限定することで,ボリュームを減らして提供する。
目次
序 説
第1編 資本の生産過程
第1章 商 品
第2章 貨 幣
第3章 資 本
第4章 資本の蓄積過程
第5章 本源的蓄積
第2編 資本の流通過程
第1章 資本の循環
第2章 資本の回転
第3章 社会的総資本の再生産と流通
第3編 資本の総過程
第1章 剰余価値の利潤への転化
第2章 利潤の平均利潤への転化
第3章 資本蓄積と利潤率の変動
第4章 商業資本と商業利潤
第5章 利子生み資本と信用
簡易版ではラスト2章
3:6土地所有と地代
3:7所得とその源泉
がカットされた
富塚は蓄積と商業資本を重視
参考:
/\
/ \
/ 利子 \
/______\
/\ <分配論>/\
/ \ /__\
/ 利潤 \ / 地代 \
/______\/______\
/\ /\
/ \ 宇野弘蔵 資本の\
/ 資本 \ 『経済原論』 /再生産過程
/______\ /______\
/\<流通論> /\ /\ <生産論>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ /資本の \ /資本の \
/______\/______\/_生産過程_\/_流通過程_\
/\
/ \
/利子生み資本
/______\
利潤率\ <総過程>/\
/ \ / \
/ 利潤 \ /商業資本\
剰余価値_平均利潤/______\
本源的蓄積\ /\
蓄積過程 \ 富塚良三 / \
/ 資本 \『経済原論簡約版』 /再生産と流通
/______\ /______\
/\<生産過程>/\ /\<流通過程>/\
/ \ / \ / \ / \
/ 商品 \ / 貨幣 \ / 循環 \ / 回転 \
/______\/______\/______\/______\
有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641162952
経済原論 -- 資本主義経済の構造と動態 簡約版
富塚 良三 (中央大学名誉教授)/著
2007年03月発売 A5判並製カバー付 , 388ページ 定価 3,240円(本体 3,000円) ISBN 978-4-641-16295-2
目次
序 説
第1編 資本の生産過程
第1章 商 品
第2章 貨 幣
第3章 資 本
第4章 資本の蓄積過程
第5章 本源的蓄積
第2編 資本の流通過程
第1章 資本の循環
第2章 資本の回転
第3章 社会的総資本の再生産と流通
第3編 資本の総過程
第1章 剰余価値の利潤への転化
第2章 利潤の平均利潤への転化
第3章 資本蓄積と利潤率の変動
第4章 商業資本と商業利潤
第5章 利子生み資本と信用
簡約版ではラスト2章、3:6土地所有と地代、3:7所得とその源泉、がカットされた
富塚は蓄積と商業資本を重視する
62考える名無しさん2018/11/25(日) 01:24:19.010
参考:
宇野弘蔵『経済原論』における、剰余価値率/利潤率/利子率:
宇野弘蔵『経済原論』はヘーゲル『小論理学』の構成を参考にしている
(『「資本論」と私』2008年、お茶の水書房)。図解するなら(☆=起点)、
/\
C利子\
/(分配論) \
B利潤__地代\
/\宇野弘蔵・ 資本の再
/資本\経済原論/生産過程A
/ (流通論)\ /(生産論)\
/商品__貨幣\/生産__流通\
☆ 過程 過程
A.剰余価値率:
《いわゆる労働日をできうる限り延長することが…資本にとっては…基本原理となる。
…マルクスはこれを剰余価値率m/v(vは可変資本、mは剰余価値)をもってあらわし、
労働力の搾取度を示すものとするのである。》(宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫版78頁)
B.利潤率:
《剰余価値率がm/vとして、資本家と労働者との関係をあらわすのに対して、利潤率は
m/c+vとして、剰余価値の全資本に対する分配率を示し、資本家と資本家との関係を
あらわすものになる。》(同151頁)
C.利子率:
《利潤率に対する利子率の関係は、前者が一般に個々の資本にとってその投資部面を
決定する基準となるのに対して、後者は個々の資本の運動中に生ずる遊休貨幣資本を
資金として資本家社会的に共同的に利用しつつ、利潤率の相違を補足的に均等化する
ものといってよいのであって、この資金は、個々の資本家の資金でありながら、銀行
を通して社会的資金として、上述のように資本の蓄積に対する社会的規制をなすもの
となる。》(同225頁)
経済原論2007富塚 良三 生産過程、流通過程、総過程
経済原論2009 小幡 道昭 流通論、生産論、機構論
参考:
経済原論1950~2 宇野弘蔵 ①流通論、②生産論、③分配論
経済学原理論 1960~2 鈴木鴻一郎 ①流通形態、②資本主義的生産、③資本主義的生産の総過程
経済原論講義1985 山口 重克 ①流通論、②生産論、③競争論
経済原論2007富塚 良三 ①生産過程、②流通過程、③総過程
経済原論2009 小幡 道昭 ①流通論、②生産論、③機構論
資本論の思考 熊野純彦 2013 ①資本の生成、②資本の運動、③資本の転換
『資本論』はどのようにして形成されたか』 ( 2012 不破 哲三 )
の321頁によると、1857年10月時(ノート第二冊)にはヘーゲル『論理学』の類種個の構成を採用する(第二の)プランがあっ
た(第一のプランは6分割)。宇野弘蔵(無論レーニンも)はそれを知っていたのだろう。草稿集1,329頁参照。
《 当初の二つのプラン どちらも、一八五七年一一月)一六日に執筆した「ノート第二冊」に書きつけ
られたものです。…
第二のプランは、ノートでその数ページ先に書きこまれていますが、次のように、「資本」の巻がま
ず「一般性」、「特殊性」、「個別性」に三分割され、それぞれがまた三章に分割されるという、二段構
えの組み立てに変更されています。
I、一般性。(一)(この項の全体の表題はない)。(二)資本の特殊化。(三)資本の個別性。
II、特殊性。(一)諸資本の蓄積。(二)諸資本の競争。(三)諸資本の集積。
III、個別性。(一)信用としての資本。(二)株式資本としての資本。(三)金融市場としての資本
(邦訳『資本論草稿集①』三二九ページ)。》不破2012年320頁より
翌年1858年4月のエンゲルスへの手紙では四篇構成(資本一般/競争/信用/株式資本)に変わっている(邦訳全集29:246頁)。
不破92頁以降には再生産表式考察の出発点(1857~8年)にプルードンの言葉(労働者は自分の生産物を買い戻すことができない)
があることが指摘される。ケネーだけでは動機にはならないから重要な指摘だ。邦訳資本論草稿集②41~77頁参照。
ただし、
実際の資本論はヘーゲル的というよりカント的だから柄谷行人の解釈が正しい
ちなみに宇野弘蔵は資本論をスピノザ的にパロディにした短文を残している
前述のように、宇野弘蔵『経済原論』はヘーゲル『小論理学』の構成を参考にしている
(『「資本論」と私』2008年、お茶の水書房)。図解するなら(☆=起点)、
/\
C利子\
/(分配論) \
B利潤__地代\
/\宇野弘蔵・ 資本の再
/資本\経済原論/生産過程A
/ (流通論)\ /(生産論)\
/商品__貨幣\/生産__流通\
☆ 過程 過程
A.剰余価値率:
《いわゆる労働日をできうる限り延長することが…資本にとっては…基本原理となる。
…マルクスはこれを剰余価値率m/v(vは可変資本、mは剰余価値)をもってあらわし、
労働力の搾取度を示すものとするのである。》(宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫版78頁)
B.利潤率:
《剰余価値率がm/vとして、資本家と労働者との関係をあらわすのに対して、利潤率は
m/c+vとして、剰余価値の全資本に対する分配率を示し、資本家と資本家との関係を
あらわすものになる。》(同151頁)
C.利子率:
《利潤率に対する利子率の関係は、前者が一般に個々の資本にとってその投資部面を
決定する基準となるのに対して、後者は個々の資本の運動中に生ずる遊休貨幣資本を
資金として資本家社会的に共同的に利用しつつ、利潤率の相違を補足的に均等化する
ものといってよいのであって、この資金は、個々の資本家の資金でありながら、銀行
を通して社会的資金として、上述のように資本の蓄積に対する社会的規制をなすもの
となる。》(同225頁)
前述のように、宇野弘蔵『経済原論』はヘーゲル『小論理学』の構成を参考にしている
(『「資本論」と私』2008年、お茶の水書房)。図解するなら(☆=起点)、
/\
D利子\
/(分配論) \
C利潤__地代\
A\宇野弘蔵・ 資本の再
/資本\経済原論/生産過程B
/ (流通論)\ /(生産論)\
/商品__貨幣\/生産__流通\
☆ 過程 過程
A.信用主義:
《重金主義[モネタルジュステム]は本質的にカトリック的であり、信用主義は本質的にプロテスタント的である。…
商品の内在的霊魂としての貨幣価値にたいする信仰、生産様式とその予定秩序とにたいする信仰、自己自身を価値
増殖する資本の単なる人格化としての、個々の生産担当者にたいする信仰。しかし、プロテスタント教がカトリック
教の基礎から解放されないように、信用主義は、重金主義の基礎から解放されない。》資本論3:35:2
B.剰余価値率:
《いわゆる労働日をできうる限り延長することが…資本にとっては…基本原理となる。
…マルクスはこれを剰余価値率m/v(vは可変資本、mは剰余価値)をもってあらわし、
労働力の搾取度を示すものとするのである。》(宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫版78頁)
C.利潤率:
《剰余価値率がm/vとして、資本家と労働者との関係をあらわすのに対して、利潤率は
m/c+vとして、剰余価値の全資本に対する分配率を示し、資本家と資本家との関係を
あらわすものになる。》(同151頁)
D.利子率:
《利潤率に対する利子率の関係は、前者が一般に個々の資本にとってその投資部面を
決定する基準となるのに対して、後者は個々の資本の運動中に生ずる遊休貨幣資本を
資金として資本家社会的に共同的に利用しつつ、利潤率の相違を補足的に均等化する
ものといってよいのであって、この資金は、個々の資本家の資金でありながら、銀行
を通して社会的資金として、上述のように資本の蓄積に対する社会的規制をなすもの
となる。》(同225頁)
重金主義[モネタルジュステム]は本質的にカトリック的であり、信用主義は本質的にプロテスタント的である。「スコットランド人は金をう The Scotch hate gold.」。紙券としては、諸商品が貨幣として存在することは、一つの単に社会的な存在[ダーザイン]である。聖列に加わらしめるものは、信仰である。商品の内在的霊魂としての貨幣価値にたいする信仰、生産様式とその予定秩序とにたいする信仰、自己自身を価値増殖する資本の単なる人格化としての、個々の生産担当者にたいする信仰。しかし、プロテスタント教がカトリック教の基礎から解放されないように、信用主義は、重金主義の基礎から解放されない。
前述のように、宇野弘蔵『経済原論』はヘーゲル『小論理学』の構成を参考にしている
(『「資本論」と私』2008年、お茶の水書房)。図解するなら(☆=起点)、
/\
D利子\
/(分配論) \
C利潤__地代\
A\宇野弘蔵・ 資本の再
/資本\経済原論/生産過程B
/ (流通論)\ /(生産論)\
/商品__貨幣\/生産__流通\
☆ 過程 過程
A.重金主義と信用主義:
《重金主義[モネタルジュステム]は本質的にカトリック的であり、信用主義は本質的に
プロテスタント的である。「スコットランド人は金をう The Scotch hate gold.」。紙券
としては、諸商品が貨幣として存在することは、一つの単に社会的な存在[ダーザイン]で
ある。聖列に加わらしめるものは、信仰である。商品の内在的霊魂としての貨幣価値に
たいする信仰、生産様式とその予定秩序とにたいする信仰、自己自身を価値増殖する資本
の単なる人格化としての、個々の生産担当者にたいする信仰。しかし、プロテスタント教
がカトリック教の基礎から解放されないように、信用主義は、重金主義の基礎から解放さ
れない。[資本論3:35:2]》(宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫版74頁)
B.剰余価値率:
《いわゆる労働日をできうる限り延長することが…資本にとっては…基本原理となる。
…マルクスはこれを剰余価値率m/v(vは可変資本、mは剰余価値)をもってあらわし、
労働力の搾取度を示すものとするのである。》(同78頁)
C.利潤率:
《剰余価値率がm/vとして、資本家と労働者との関係をあらわすのに対して、利潤率は
m/c+vとして、剰余価値の全資本に対する分配率を示し、資本家と資本家との関係を
あらわすものになる。》(同151頁)
D.利子率:
《利潤率に対する利子率の関係は、前者が一般に個々の資本にとってその投資部面を
決定する基準となるのに対して、後者は個々の資本の運動中に生ずる遊休貨幣資本を
資金として資本家社会的に共同的に利用しつつ、利潤率の相違を補足的に均等化する
ものといってよいのであって、この資金は、個々の資本家の資金でありながら、銀行
を通して社会的資金として、上述のように資本の蓄積に対する社会的規制をなすもの
となる。》(同225頁)
コメントを投稿
<< Home