金曜日, 9月 09, 2016

空間不可能性定理(空間経済学)

               (経済学マルクスリンク::::::::::
スティグリッツ 公共経済学 Economics of the Public Sector by Joseph E. Stiglitz 
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/economics-of-public-sector-by-joseph-e_65.html 

ディキシット・スティグリッツ型・独占的競争モデル(Dixit-Stiglitz aggregator)
http://nam-students.blogspot.jp/2015/09/dixit-stiglitz-aggregator.html
クルーグマン(流動性の罠、オークンの法則):メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/08/blog-post_19.html 
クルーグマン/マンキュー/スティグリッツ/サミュエルソン:メモ
NAMs出版プロジェクト: 空間不可能性定理(空間経済学)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/09/blog-post_9.html(本頁)

NTT新貿易理論(移動なし)とNEG新経済地理学(移動あり)
スティグリッツとクルーグマン

ミクロとマクロを具体的に繋ぐ

空間不可能性定理(Starrett,1978)とは、
「もし空間が同質的であるならば、正の輸送費をともなう競争均衡は存在しない」
ことを示すものである。

Market allocations of location choice in a model with free mobility  David Starrett
 Journal of Economic Theory February 1978, Vol.17(1):21–37, doi:10.1016/0022-0531(78)90120-5 

 

Increasing Returns and Economic Geography Paul Krugman (Adobe PDF) 
https://www.princeton.edu/pr/pictures/g-k/krugman/krugman-increasing_returns_1991.pdf
[Journal of Political Economy, 1991, vol. 99, no. 3] ? .... ized by increasing returns to scale and modest use of land. Where will ..... however, only if adjustment is rapid and discount rates are not too high. See Krugman. (1991) for an analysis.


watanabe hiroki

Starrett's Theorem (Spacial Impossibility Theorem) 
Under the assumptions above, there is no competitive equilibrium with positive transport cost, so the only possible competitive equilibrium is one in which no good or person is transported.


参考:



空間不可能性定理は以下の書では出てこない。

空間経済学 都市・地域・国際貿易の新しい分析
 著者名等   藤田昌久/著  
 著者名等   ポール・クルーグマン/著  
 著者名等   アンソニー・J.ベナブルズ/著  
 著者名等   小出博之/訳  
 出版者    東洋経済新報社
 出版年    2000.10
 大きさ等   22cm 366p
 注記     The spatial economy.(1999)
 NDC分類  332.9
 件名     経済地理  
 要旨    
経済活動の空間的側面を斬新な方法で分析。空間経済学の新たな地平を開く意欲作。

空間経済学 | 東洋経済
第1章 イントロダクション

第I編 背景となる関連研究
第2章 先駆的研究1):都市経済学
第3章 先駆的研究2):地域科学

第II編 労働移動と地域の発展 (クルーグマン担当)
第4章 独占的競争のディクシット=スティグリッツの
         モデルとその空間経済への拡張
第5章 核と周辺地域
第6章 多数地域および連続空間
第7章 農業品の輸送費用

第III編 都市システム (藤田昌久担当)
第8章 都市システムの空間もモデル:問題点発見のための序論
第9章 単一中心経済
第10章 新都市の形成
第11章 階層的都市システムの発展
第12章 都市規模に関する実証分析
第13章 港湾、輸送ハブと都市の立地

第IV編 国際貿易 (ベナブルズ担当)
第14章 国際的特化
第15章 経済発展と産業の拡散
第16章 産業集積
第17章 継ぎ目のない世界
第18章 国際貿易と国内地理
第19章 今後の課題

目次     
イントロダクション
第1編 背景となる関連研究
先駆的研究
都市経済学
地域科学 ほか
第2編 労働移動と地域の発展 (クルーグマン担当)
独占的競争のディクシット=スティグリッツのモデルとその空間経済への拡張
核と周辺地域
多数地域および連続空間 ほか
第3編 都市システム (藤田昌久担当)
都市システムの空間モデル:問題点発見のための序論
単一中心経済
新都市の形成 ほか
第4編 国際貿易 (ベナブルズ担当)
国際的特化 ほか
内容    文献あり 索引あり




The Spatial Economy: Cities, Regions, and International Trade (MIT Press) Kindle版

形式: 単行本
部分的に読んでいるのだが、通しで読んでいる。
この本はnew economic geographyのバイブル。
最初にこれまでの経済地理のモデルについての解説がある。
そのあとは、コアペリフェリーモデルといって、独占的競争モデル
なんだけど、それぞれの地域に財を支出する農民がいてそれが
その地域から企業がなくならなくする、そういうモデルを
いろいろ設定を変えてあつかっている。
輸送費が低くなると一つの地域に産業の集積が起こるというのが
この分野のテーマ。英語の方を読んでいるけど、字がずらずら
書いてあるから、英語がある程度読めないと辛い。

_______

Dixit, A. K., and J. E. Stiglitz (1977): “Monopolistic Competition and Optimum Product Diversity,” American Economic Review, 67(3), 297–308.
https://assets.aeaweb.org/assets/production/journals/aer/top20/67.3.297-308.pdf





____

以下の書では輸送費の略語が一般的に利子率に使うのと同じrになっている。税tと差別化したのだろうが上記書のようにTでいいのに紛らわしい。



Amazon.co.jp: 〈サピエンティア〉空間経済学 eBook: 曽 道智, 高塚 創: Kindleストア

サピエンティア〉
●気鋭の経済学者の書き下ろし、空間経済学の入門テキストの決定版!
●新貿易理論、新経済地理学から最新の理論モデルまで、コンパクトに解説
●各章末に演習問題付き(解答は東洋経済新報社サイトにて公開)

「伝統的な経済学では、ある地点における財の生産・消費に焦点が当てられ、空間は捨象されている。一方、空間経済学は複数の地点における需給均衡を同時に分析する。したがって、異なる地点間の距離によって生じる取引費用が、経済活動やその分布にどのような影響を与えるかが主な研究対象である。」
「海外直接投資、多国籍企業、タスク貿易といったグローバル化の時代に生まれた新しい生産形態を考える上でも、空間経済学の役割はますます重要になってきている。」
「本書は……新貿易理論と新経済地理学の基礎的内容の解説から始める一方、2000年代以降の新しい流れにも配慮している。特に、国の間を自由に移動できる資本の存在は、現代経済の大きな特徴の一つであり、それを明示的に取り込んだモデルの解説に注力した。またそれ以外にも、フロンティアの研究成果を可能な限り紹介しようと努めた。」(「はしがき」より)

【主な内容】
第1章 序論 ☆
第2章 新貿易理論誕生の背景
第3章 ディクシットとスティグリッツの独占的競争モデル
第4章 1要素モデル:自国市場効果と厚生
第5章 2要素モデル:資本移動と企業立地
第6章 新経済地理学と均衡の安定性
第7章 核・周辺モデル
第8章 準線形モデル
第9章 労働費用がもたらす再分散
第10章 都市費用がもたらす再分散
第11章 多産業の空間経済
第12章 企業間連関と立地
第13章 空間経済モデルの応用
第14章 さらなる勉強のために

内容(「BOOK」データベースより)

グローバル経済を読み解くフレームワーク。新貿易理解、新経済地理学から最新の理論モデルまでコンパクトに解説。

9:

17:
NTT と NEG
 




21:

 






4:50:

4.3-59:


6:94:




9.2:139:



9:140


9.3:147:

9:150:



10.4:163:


13:2:215:



13:2:217:



13:220:

13:4:229:
ーーーーーー

ヘクシャー=オリーン・モデル(HOモデル、英語Heckscher–Ohlin model)は、国際貿易の一般均衡モデルである。ストックホルム商科大学ヘクシャーオリーンによって開発された。HOモデルは、貿易地域間の生産要素賦存に基づき貿易パターンを予測する。HOモデルは、本質的には、各国はその国に豊富な生産要素を用いて生産される財を輸出し、その国に希少な生産要素を用いて生産される財を輸入すると考えている。HOモデルは、一般にリカード比較優位理論の延長上にあると説明されるが、その考え方には大きな断絶がある[1]

目次

モデルの概要編集

生産要素(土地労働資本)の相対的な賦存量が、各国の比較優位を決定する。各国は、その国に相対的に豊富に存する生産要素を必要とする財に比較優位を持つ。これは、の価格は究極的にはその投入物の価格によって決定されるからである。その国に豊富に存する投入物を必要とする財は、その国に希少に存する投入物を必要とする財に比べて、生産することは安価だろう。例えば、資本と土地が豊富だが労働は希少な国は、資本と土地を多く必要とする財(例:穀物)に比較優位を持つだろう。もし資本と土地が豊富であれば、それらの価格は低いだろう。資本と土地は穀物の生産において主要な生産要素であるので、穀物の価格もまた低いだろう。だから、穀物の価格は国内消費輸出の双方に魅力的である。他方、労働は希少でその価格は高いので、労働集約財の生産は大変高くなるだろう。そのため、その国は、労働集約財は輸入した方がよりよい。

モデルの理論的発展編集

比較優位のリカード・モデルは、異なった技術を用いることで生じる労働生産性の違いによって、貿易が究極的に引き起こされていると考えていた。HOモデルは、国の間で異なる生産技術を必要としていない。そして、単純化のために、HOモデルは、すべての国で同一の生産技術が用いられていると考える。リカードは、生産要素として労働を考え、国の間での技術の違いがなければ、比較優位は生じないと考えていた(すべての国は閉鎖経済となり、互いに貿易する理由は存在しない)。HOモデルは、技術の違いを除いて、異なる資本賦存量を導入し、内生的に国の間での労働生産性の差異を生じさせている(リカード・モデルでは、労働生産性の差異は外生的に与えられるものであった)。資本賦存量の国際間の差異と異なる生産要素比率を必要とする財がある下で、資本所有者の利潤最大化の解として、リカードの比較優位が生じる(資本所有者が直面する意思決定は、異なる生産技術への投資に対するものである。HOモデルでは、資本は私的に所有されると仮定されている)。

原著編集

オリーンは、1933年に理論を初めて説明する本を出版した。オリーンはその本を一人で書いたが、その問題への初期の作品と、ヘクシャーが審査・指導したオリーンの博士論文の多くのアイデアのために、ヘクシャーはモデルの共同開発者として引用された。『地域間・国家間の貿易』(Interregional and International Trade) 自体は、数学的に研ぎ澄まされたものであるよりも、むしろ冗長で、新しい洞察のために魅力的なものである。

2×2×2モデル編集

元々のHOモデルは、国の間の唯一の違いは、労働と資本の相対的な豊富さだけであると仮定していた。元々のHOモデルは、2財を生産できる2国を想定していた。2つの生産要素があるので、HOモデルはしばしば2×2×2 モデルと呼ばれる

HOモデルは、国の間で異なる生産要素比率を仮定している。先進国は、途上国に比べて、比較的に高い資本労働比率を持っている。これによって、先進国は途上国に比べて相対的に資本豊富であり、途上国は先進国に比べて労働豊富になる。この唯一の違いのもとで、2つの財と2つの生産技術を用いることで、オリーンは比較優位の新しいメカニズムを議論できた(1つの技術は資本集約産業のものであり、もう1つの技術は労働集約ビジネスのものである)。

拡張編集

HOモデルは、1930年代までに多くの経済学者によって拡張されてきた。それらの拡張は、国際貿易をもたらす生産要素比率の違いの根本的な役割を変えるものではなかったが、モデルの予測力を高めるために、あるいは政策選択肢を議論する数学的方法として、HOモデルに様々な現実世界の要素(例:関税)を付け加えた。

著名な貢献は、ポール・サミュエルソンロナルド・W・ジョーンズ英語版(Ronald W. Jones)、ジャロスラフ・ヴァネク英語版(Jaroslav Vanek)による。そのため、HOモデルの変型版は、新古典派経済学の中で、しばしば、「ヘクシャー=オリーン=サミュエルソン・モデル」あるいは「ヘクシャー=オリーン=ヴァネク・モデル」と呼ばれている。

ヘクシャー=オリーン理論の仮定編集

もともとの2×2×2モデルは、数学的な単純化のために制約的な仮定の下で導かれる。モデルの拡張のために、それらの仮定は緩められてきた。それらの仮定と拡張を以下に記す。

両国とも同一の生産技術を持つ編集

上述のように、HOモデルは、各国で利用可能な生産関数が同一であると仮定することで根本的にリカード・モデルと異なる。生産関数は、労働と資本と生産物に変換する。

この仮定は、どの財であれ等量の生産量を、等量の資本と労働でどの国でも生産しうることを意味している。実際には、各生産要素の相対的な利用可能性のためどの国でも同じバランスを用いることは非効率である。しかし、原則として、これは可能である。言葉を換えれば、同一の資本と同一の技術の両国で一人当たりの生産性は等しい。

各国は、互いとの関係において相対的に様々な財の生産に自然の優位を持っているので、この仮定は、異なる生産要素賦存に注目するための非現実的な単純化である(このことは、HOモデルがリカード・モデルと補完的というよりもむしろ代替的な説明を貿易に与えるものであることを意味している)。現実には、技術の違いと生産要素賦存の違いの両方の効果が起こるだろう。ある種の財のほかの種の財(例:ワインに対する米)の生産に対する自然の優位に加えて、社会基盤や教育、文化、ノウハウが大きく異なるので、同一技術という仮定はまさに理論上の概念である。オリーンは、HOモデルは長期のモデルであり、長期には工業生産の条件はどこでも同じであると言っている。

生産は規模に関して一定で行われる編集

単純なHOモデルにおいて両国は両財を生産する。そして両国の生産技術はともに規模に関して収穫一定 (CRS, Constant Returns to Scale) である(資本と労働をともに2倍にすると、生産量も2倍になる。生産関数は1次同次関数でなければならない)。

これらの条件は、数学的な均衡を生み出すために必要とされる。規模に関して収穫逓増の場合、両国は特化する方がより効率的だろう。しかし、HOモデルの仮定の下では特化は不可能である。

2財を生産するための生産技術は異なる編集

収穫一定の生産関数は、HOモデルにおいて貿易を引き起こすために、異ならないといけない。例えば、もし生産関数がコブ・ダグラス型技術であれば、生産要素に対するパラメータは異ならないといけない。1つの例は次のようなものである。

農業産業: AK13L23A=K^{{\frac  {1}{3}}}L^{{\frac  {2}{3}}}
漁業産業: FK12L12F=K^{{\frac  {1}{2}}}L^{{\frac  {1}{2}}}

ここで、A は農業の生産量、F は漁業の生産量である。またK とL はそれぞれ資本と労働である。

この例では、農業の生産量と漁業の生産量が等しい値のとき、漁業産業における方が資本の限界生産力は高い。より資本豊富な国は、農作地の犠牲のもとで漁船を作ることで利益を得るだろう。逆に労働豊富国においては労働者は相対的に農業においてより効率的に用いられる。

国の中での労働移動編集

国の中では、資本と労働は異なる生産物を生産するために再投資・再雇用されうる。リカードの比較優位の議論のように、これは費用なしで行われると仮定される。

もし、農業部門と漁業部門の2つであれば、農業従事者は漁業従事者に費用なしでかわることができると仮定される。逆に漁業従事者が農業従事者に費用なしでかわることもできると仮定される。

国の中での資本移動編集

さらに資本はいずれの部門にでも簡単に移動できると仮定される。そのため2つの部門の間での産業構成は調整費用なしに変化できる。

例えば、2つの産業が農業と漁業であれば、農場は漁船の建造をまかなうために取引コストなしで売ることができると仮定される。

国の間での資本の移動不可能性編集

基本的なHOモデルは、国際的に異なる相対的な資本と労働の利用可能性に基づいている。しかし、もし、資本が自由に別のところに投資できるのであれば、投資に対する競争によって相対的な資本の豊富さは世界中で同一になってしまう(本質的には、資本の自由貿易は、単一の世界規模の投資プールを生み出す)。

労働資本比率がどこでも同一なので、労働の豊富さの違いは、相対的な生産要素の豊富さに違いを生み出さないだろう(資本所有者の投資の収益率の最大化の結果、大国は、小国に比べて、たとえば2倍の投資を受け取るだろう)。

資本の管理が減少するにつれて、現代世界はヘクシャーとオリーンによってモデル化された世界とは違ったものになり始めている。資本移動は、自由貿易そのものの根拠を掘り崩すと議論されてきた。

資本は以下のとき移動可能である:

  • 対外直接投資 (FDI) が国の間で許されているか、外国人が資本市場もしくは社債市場を通して対象国の商業施設に投資することが許されている

国の間での労働の移動不可能性編集

2つの生産要素の相対的な豊富さを均等化してしまうため、資本と同様に、労働移動もHOモデルでは許されていない。この労働の移動不可能性の条件は、資本の移動不可能性の条件に比べれば、現代世界の描写として防御可能である。

財はどこでも同一の価格である編集

2×2×2モデルにおいては、貿易障壁や関税、為替管理は存在しないとされていた(資本は移動不可能で、外国の売上の本国への送金費用なしに行われる)。さらに、国の間で輸送費はかからず、国内供給をもたらすような貯蓄もないとされていた。

もし2国が別々の通貨をもっていたならば、そのことはモデルにいかなる影響も与えない(購買力平価が適用される)。輸送費や通貨の問題が存在しないので、一物一価の法則が両財に適用される。そして両国の消費者は、それぞれの財にまったく同じ価格を支払う。

オリーンの時代には、この仮定は確かに中立的な単純化であった。しかし、経済変化や1950年代からの計量経済学的研究が示すところによると、貨幣価格に変換した時に国内の財価格は所得と相関する傾向がある(このことは貿易財についてはそれほど妥当しない(ペン効果英語版(Penn effect)参照)。

国内の完全競争編集

労働も資本も、供給を制限することで財価格や生産要素価格に影響力を行使しない。完全競争状態が存在する。

モデルの結論編集

ヘクシャ=オリーン定理編集

資本豊富国の輸出は、資本集約財を輸出し、労働集約財を輸入する。労働豊富国は、労働集約財を輸出し、資本集約財を輸入する。

この定理は容易にテスト可能な仮説である。

リプチンスキー定理編集

ある生産要素の量が増加した時、その生産要素を集約的に用いる財の生産は生産要素の増加に比べてそれ以上に増加する(HOモデルでは、生産要素の費用が財価格に等しくなるよう完全競争を仮定している)。

この定理は、移民移住、対外資本投資の効果を説明するのに有用である。

ストルパー=サミュエルソン定理編集

財価格の相対的な変化は、生産要素の相対価格に変化をもたらす。もし、資本集約財の世界価格が増加したならば、賃金率(労働の収益)は下がり、資本レンタル率(資本の収益)は上昇する。もし、労働集約財の価格が増加したならば、資本レンタル率は下がり、賃金率が上がる。

要素価格均等化定理編集

自由で競争的な貿易で、貿易財の価格とともに要素価格は収束する。

FPE定理は、HOモデルの最も重要な結論である。しかし、事実にもっともそぐわない定理でもある。様々な発展段階の貿易国間で、資本レンタル率や賃金率は、収束するようには思われない。

HOモデルの定理の計量経済学的テスト編集

ヘクシャーとオリーンは、要素価格均等化定理は、計量経済学的に成功を収めていると考えていた。なぜなら、19世紀終わりと20世紀はじめに多量の国際貿易と財と生産要素の価格の収束は符合していたからである。

しかし、現代の計量経済学的推定によれば、HOモデルは実証的にほとんど支持されない。生産技術がどこでも同じであるという仮定の修正が必要であることが示唆されてきた(この修正を行えば、純粋なHOモデルを放棄することになる)。

1954年、ワシリー・W・レオンチェフが行った、HOモデルの計量経済学的テストによれば、米国は、資本豊富国であるにも関わらず、労働集約財を輸出し、資本集約財を輸入する傾向があった。この問題は「レオンチェフの逆説」として知られている。代替的な貿易モデルや逆説に対する様々な説明が現れた。そうした貿易モデルの1つが、リンダー仮説英語版である。リンダー仮説は、供給側の要因の違いよりむしろ似ている需要に基づいて財の貿易がなされると主張している。

レオンティエフ以降にも多くの計量経済学的検証が行なわれた。その多くは、HOモデルを一般化したHOVモデル(Heckscher-Ohlin-Vanekモデル)に基づいている[2]。1984年にE. Leamerは、11種類の生産要素と10種類に分類された貿易データとをつき合わせて、要素賦存が貿易パターンを驚くほどよく説明していると主張した[3]。しかし、おなじLeamerは、1987年の共著論文においてより詳しい検証を行ない、要素祖賦存理論は支持されないという結論を導いた[4]。1990年代には、D. Trefler がより詳しい検討を行い、次の3つの結論を導いた。①(HO定理を含む)HOV定理と要素価格均等化定理は経験的史実により棄却される。②技術の国際的な差異を考慮するならば、諸国間の要素価格の相違をよく説明できる。③(貧しい国ほど多くの生産要素が豊富になるという)「要素賦存パラドックス」が成立する[5]。HOモデルおよびHOVモデルが十分な予測力を持たないことは、21世紀になっても踏襲されている[6]

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ 竹森俊平は、これを「ヘクシャー=オリーン的世界観」と「リカード的世界観」として対比している。竹森俊平『国際経済学』東洋経済新報社、1996年、p.112。
  2. ^ J. Vanek (1968) The Factor Proportions Thoery: The N-Facor Case. Kyklos 21(4). HOVモデルでは、貿易は財の交換ではなく要素サービスの交換と考える。
  3. ^ 佐藤秀夫『国際経済』ミネルヴァ書房、2007、pp.44-45. E.E.Leamer (1984) Sources of International Comparative Advantage, Theory and Evidence, MIT Press.
  4. ^ 佐藤秀夫『国際経済』ミネルヴァ書房、2007、p.45. H.P. Bowen, E.E. Leamer and L. Sveikauskas (1987) Multicountry, Multifactor Test of the Factor Abundance Theory, American Economic Review 77(5).
  5. ^ 佐藤秀夫『国際経済』ミネルヴァ書房、2007、pp.45-47. D. Trefler (1990) International Factor Price Differences: Leontief Was Right! Journal of Political Economy 101(6). D. Trefler (1995) The Case of the Missing Trade and Other Mysteries, American Economic Review85(5)
  6. ^ Jeffrey R. Bernstein and David E. Weinstein (2002) Do endowments predict the location of production? Evidence from national and international data, Journal of International Economics 56: 55-76. Estevadeordal A., Taylor A.M., [May, 2001], A Century of Missing Trade?, NBER Working Paper No. 8301. Trefler D., Zhu S.C., [2000], Beyond the Algebra of Explanation: HOV for the Technology Age, American Economic Review 90(2): 145-149.

参考文献編集

  • Leamer, E., 1995The Heckscher-Ohlin Model in Theory and Practice (Princeton Studies in International Economics)
  • Ohlin, B., 1933Interregional and International Trade

外部リンク編集



ーーー
空間経済学 - Wikipedia

空間経済学(くうかんけいざいがく、spatial economics)とは、特定の土地において産業の集積や都市の形成が起こるかどうか、あるいは、なぜ起こるのかを理論的に分析する経済学の一分野である。

経済的要因によって産業の立地を説明した理論としては、古くはヨハン・ハインリヒ・フォン・チューネンの農産物供給地に関するものがある。それによると、都市のごく近傍には、牛乳を供給する酪農が立地し、その外側を生鮮野菜の供給地が占め、さらにその外側を穀物生産地が占める。チューネンはこのような立地の決定を、その土地で最高の地代を払える産業が占めるものとして説明した。鮮度が重視される作物は、消費地である都市の近郊では高い地代を払うことができるが、消費地からの距離が大きくなるに従って、支払い可能な地代が急速に低下する。それに対して、穀物は都市近郊でもたいした地代を払えないが、距離によって徐々にしか地代が低下しないからである。

この理論は、都市が成立していることを仮定しているが、そもそも都市がなぜ成立するのかを理論的に問う分析はアルフレッド・マーシャルが最初である。マーシャルは、最初に産業の集積が起こる原因としては、

  1. 自然条件
  2. 宮廷の庇護
  3. 歴史的偶然

といった、いわば非経済的なものを挙げたが、一度成立した地域産業が長くそこに留まる理由として、

  1. 熟練工が相互に与え合う知識による利益
  2. 補助産業の成長
  3. 高価な機械の経済的な利用
  4. 熟練に対する地域的な市場の形成による利益
  5. 消費者の情報費用の節約

があると指摘した。このうち、1.は外部経済である。マーシャルの理論は、特定産業の一地域への集積に関するものであるが、ポール・クルーグマンは、多数の互いに関連性の薄い産業が特定の地域に集積して都市を形成するメカニズムをモデル化した。クルーグマンは、収獲逓減下の一般均衡を扱うディキシット-スティグリッツ・モデルに2つの地域での製造および消費という要素を入れ、地域間の輸送費を明示化し、産業と人口が集積して都市を形成するか、それともそれらが分散するかを分析し、輸送費が小さければ小さいほど、産業は分散し、また、収獲逓増の程度が大きければ大きいほど、都市への集積が起こりやすいことを厳密に明らかにした。

参考文献編集

  • M. Fujita, P. Krugman and A. J. Venables, The Spatial Economy, 1999.


ーーー
森和也
http://www.mori.kier.kyoto-u.ac.jp/courses/location08/location-08-1.pdf




ーーーー
脱「国境」の経済学―産業立地と貿易の新理論 : ポール・ クルーグマン, 北村 行伸, 妹尾 美起, 高橋 亘 : 1994
Geography and trade 1991 

  • なぜ発展する国としない国に分かれてしまうのか。経済地理学の視点から国際貿易の定説を見直すクルーグマン教授の新しい国際経済学講座。

    目次
  • 第1講 中心と周辺
    第2講 産業立地
    第3講 地域と国家


新しい経済地理学の入門といって差し支えない。

一章では収穫逓増と生産要素の移動費をキモに、どのようにして中心・周辺構造が全国的な規模で内生的に現れるかを見る。米国では南北戦争から一次大戦までの間に起こったとしている。

二章ではマーシャルの古典的なアイデアである産業の地域集中化について語る。労働者市場の集中は各労働者にメリットがある。技術の波及が重要なのは何もハイテク企業に限った話ではないことを言って、締める。

三章では国境をどのように考えるかを語る。政策が財・生産要素の移動に影響を与えない限り国境を考える必要は無いのだ。比較優位・共通通貨の効果・ 幼稚「国家(not産業)」保護の議論について検討した後、カナダの事例を扱う。

グローバル化の本は枚挙に暇が無い。経済学の切れ味はそのフェアさにある。なぜなら、モデルの変数や置いている仮定のどこが変化すればどう結論に影響が出るかが明確であるからだ。そのあたりのことが気に食わない人は、ほかのファジーな説明をしている本のほうがいいのだろう。




1 Comments:

Blogger yoji said...

空間不可能性定理は以下の書では出てこない。

空間経済学 都市・地域・国際貿易の新しい分析
著者名等  藤田昌久/著  
著者名等  ポール・クルーグマン/著  
著者名等  アンソニー・J.ベナブルズ/著  
著者名等  小出博之/訳  
出版者   東洋経済新報社
出版年   2000.10
大きさ等  22cm 366p
注記    The spatial economy.(1999)
NDC分類 332.9
件名    経済地理  
要旨   
経済活動の空間的側面を斬新な方法で分析。空間経済学の新たな地平を開く意欲作。

http://store.toyokeizai.net/books/9784492312858/
空間経済学 | 東洋経済第1章 イントロダクション

第I編 背景となる関連研究
第2章 先駆的研究1):都市経済学
第3章 先駆的研究2):地域科学

第II編 労働移動と地域の発展 (クルーグマン担当)
第4章 独占的競争のディクシット=スティグリッツの
         モデルとその空間経済への拡張
第5章 核と周辺地域
第6章 多数地域および連続空間
第7章 農業品の輸送費用

第III編 都市システム (藤田昌久担当)
第8章 都市システムの空間もモデル:問題点発見のための序論
第9章 単一中心経済
第10章 新都市の形成
第11章 階層的都市システムの発展
第12章 都市規模に関する実証分析
第13章 港湾、輸送ハブと都市の立地

第IV編 国際貿易 (ベナブルズ担当)
第14章 国際的特化
第15章 経済発展と産業の拡散
第16章 産業集積
第17章 継ぎ目のない世界
第18章 国際貿易と国内地理
第19章 今後の課題

目次   
イントロダクション
第1編 背景となる関連研究
先駆的研究
都市経済学
地域科学 ほか
第2編 労働移動と地域の発展 (クルーグマン担当)
独占的競争のディクシット=スティグリッツのモデルとその空間経済への拡張
核と周辺地域
多数地域および連続空間 ほか
第3編 都市システム (藤田昌久担当)
都市システムの空間モデル:問題点発見のための序論
単一中心経済
新都市の形成 ほか
第4編 国際貿易 (ベナブルズ担当)
国際的特化 ほか
内容    文献あり 索引あり

4:02 午前  

コメントを投稿

Links to this post:

リンクを作成

<< Home