( 1 4 )たとえば次の文献を参照のこと 。 N e a l K o b l i t z , E l l i p t i c c u r v e c r y p t o s y s t e m s , M a t h e m a t i c s o f C o m p u t a t i o n , v o l . 4 8 , 1 9 8 7 , p p . 2 0 3 2 0 9 ; I . B l a k e , G . S e r o u s s i , a n d N . S m a r t , E l l i p t i c C u r v e s i n C r y p t o g r a p h y , C a m b r i d g e U n i v e r s i t y P r e s s , 1 9 9 9 . (邦訳 『楕円曲線暗号 』イアン ・ F ・ブラケ 、ガディエル ・セロッシ 、ナイジェル ・ P ・スマ ート鈴木治郎訳ビアソン ・エデュケ ーション 2 0 0 1 )
( 1 5 )このことは 、一般に有限個の素数 pを除くすべての素数で成り立つ 。この三次方程式に関係する不変量 (いわゆる 「導手 」 )と 、モジュラ ー形式に関係する不変量 (いわゆる 「レベル 」 )という 、不変量のペアがさらに一組存在する 。これらの不変量は 、この対応関係のもとで一定に保たれる 。たとえば 、これまで考えてきた 〝三次方程式 〟の場合には 、両者ともに 1 1に等しい 。ここに現れるどのモジュラ ー形式も 、定数項がゼロで 、 qの前の係数 b 1は 1 、その他すべての係数 b n ( n > 1 )は 、素数 pに対応する b pによって決定される 。
( 1 6 )すなわち 、 a 、 b 、 cが 、 nが奇数の素数であるようなフェルマ ー方程式 a n + b n = c nの解であるなら 、イヴ ・エルグア ーシュとゲルハルト ・フライに従い 、次の三次方程式を考える 。
y^2=x(x-a^n)(x+b^n)
ケン ・リベットは (フライの示唆と 、ジャン ─ピエ ール ・セ ールが得ていた部分的な結果から ) 、この方程式は 、志村 ─谷山 ─ヴェイユ予想を満たさないことを証明した 。 n = 4の場合 (これはフェルマ ー自身によって証明されていた )と合わせて 、この結果は 、フェルマ ーの最終定理が成り立つことを意味する 。実際 、 n > 2の任意の整数は 、 n = m kという積の形に書くことができる 。ここで mは 、 4または奇数の素数である 。したがって 、そのような mについてフェルマ ーの方程式に解がないということは 、すべての n > 2について解がないことを意味する 。
( 1 7 ) G o r o S h i m u r a , Y u t a k a T a n i y a m a a n d h i s t i m e . V e
Our function is a modular form of “weight 2,” which means that it is invariant under the above action of a congruence subgroup of SL2(Z) on the disc, if we correct ... This picture was created by Lars Madsen and is published with his permission.
以下の話題になったABC予想の解法はグロタンディークに基づく。
ABC予想を証明したと報道された数学者の望月新一氏は、自身のHPでその理論( 宇宙際Teichmuller理論、
Inter-universal Teichmuller Theory)を説明する際に、谷山浩子「そっくりハウス」のアニメ(制作:
山田塔子)を使っていた。
https://i.imgur.com/aqzlzL4.gif
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/research-japanese.html
「IUTeich理論って何?」...「そっくりアニメ」による解説
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/sokkuri-hausu-link-japanese.pdf
宇宙際Teichmuller理論の出発点は、入れ子になっている宇宙の列
というイメージにある。このようなイメージは、古代に遡るものと思われ、本稿で取り上げる「そっくりハウス」
のアニメをはじめ、世界各地の様々な物語・神話に登場するものである。宇宙際Teichmuller理論(IUTeich)
の場合、それぞれの宇宙は、
通常の環論・スキーム論が有効な古典的数論幾何的舞台一式
に対応する。アニメの中では、この宇宙たちは「家」という形で表される。それぞれの古典的数論幾何的舞台
の中にテータ関数があるが、このテータ関数は、 「次の宇宙」との間の「フロベニオイド論的」 (=非スキーム
論的!Frobenioids I, II及び´ Etale Thetaを参照) 「橋渡し役」を果たすのである。アニメでは、このリンク役の
テータ関数に対応するものは、 「小さな家」の中を覗き込む少女の目線
である。実際、少女の大きな目はテータ Θ のような形をしているように見えなくもない(笑) ! IUTeichでは、
ガロア群や数論的基本群 は、それぞれの宇宙の間を、膨張・圧縮されることなく同型なまま自由に往来できる
「不思議な物質」で出来ている。アニメでは、この「不思議な物質」に対応するものは、 「小さい家」 ・ 「大きい家」
の間をつなぐ「不思議な星たち」である。この「クルクル回る星たち」の回転
は、IUTeich では、フロベニオイドの理論(Frobenioids I, II)における「エタール型物質」の性質を表しているものと
見ることもでき、またTopics IIIのモノ遠アーベル理論における「足し算と掛け算の回転」に対応しているものと見る
こともできる。IUTeichの最も深くかつ最も激しい部分は、この
Topics III のモノ遠アーベル理論や、エタール・テータ関数の様々な剛性性質
(後者については、´ Etale Thetaを参照)によって構成される、入れ子宇宙の列に対する標準的な分裂である。
この標準的な分裂は、pTeich(=p進Teichm¨ uller理論)における標準的な持ち上げ、あるいはもっと初等的な
理論では、Witt環のTeichm¨ uller代表元に対応している。 (因みに、p進の理論では、IUTeichのそれぞれの
「宇宙」は、個々の部分商 ‘pn/pn+1’ の正標数的代数幾何に対応する。 )