クルーグマン(流動性の罠、オークンの法則、経済循環フロー図):メモ
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いになるのではないか?という問いがあるが、
政府の支払い能力の観点からすれば、 それは
全くない。
私たちは、 金利が成長率を常に下回っている
世界に住んでいるため、政府の負債は雪だる
ま式に増えるのではなく、 逆に溶けていく。
政府は、 借りた金を返す必要なんてない。
持続可能なレベルの赤字(ゼロではない)に
戻し、 債務 / GDP比が時間とともに減少するの
を待つだけなのだ。
ポール・クルーグマン (ノーベル経済学賞)
2020年4月1日
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https://himaginary.hatenablog.com/entry/20120403/banking_mysticism
2年半ほど前、中央銀行の貨幣供給コントロール能力を巡るMMTer*1とサムナーの論争を、昔懐かし翁−岩田論争に喩えたことがあったが、同様の論争が今度はポストケインジアンとクルーグマンの間で再燃した。以下はその一連のブログエントリ。
- A Primer on Minsky - EconoMonitor
- Minsky and Methodology (Wonkish) - The New York Times
- Banking Mysticism - The New York Times
- Krugman on (or maybe off) Keen - Steve Keen's Debtwatch
- Banking Mysticism, Continued - The New York Times
- Tobin-Brainard 1963 - The New York Times
- Krugman's Flashing Neon Sign - New Economic PerspectivesNew Economic Perspectives
- Things I Should Not Be Wasting Time On - The New York Times
- A Teachable Money Moment - The New York Times
- Ptolemaic Economics in the Age of Einstein - Steve Keen's Debtwatch
- Oh My, Steve Keen Edition - The New York Times
ここで
- 「〜 - NYTimes.com」=クルーグマン
- 「〜 | Steve Keen's Debtwatch」=論争相手のスティーブ・キーン
- 「〜 - New Economic PerspectivesNew Economic Perspectives」=スコット・フルワイラー
のエントリである。
フルワイラーは前述のサムナーとの論争時の一方の主役であり、代表的なMMTerであるが、今回はどちらかというと一度口を挟んだだけの脇役に回っている。それに代わって今回主役を務めたのがキーンであるが、彼はポスト・ケインジアンではあるものの、その中のミンスキー派であり、MMTerとは言えないかもしれない*2。ただ、中央銀行の貨幣供給コントロール能力に否定的なところは、MMTerと同様であり、その否定ロジックは、概ね以下のようになる*3:
教科書的な貨幣乗数の概念は、金本位制時代の話であり、実は現代の金融制度には当てはまらない。たとえば準備預金で許容される以上に貸し出しを行なった場合でも、自動的に中央銀行から準備預金に当座借越がペナルティ金利付きで供与される。銀行は他の銀行からの借り入れや、FRBへのオーバーナイト借り入れ担保の差し出しによって、それを清算すれば良い。つまり、現代の所要準備制度というのは、貸し出しにコストを課すが、もはや制約を課すものではない。従って、銀行の貸出能力は、もはや準備預金の残高とは関係なくなっている。
なお、かつての翁−岩田論争において、長期と短期の区別を強調して論争の裁定を行ったのが植田和男氏である。「金融政策の論点―検証・ゼロ金利政策」に再録された同氏の論文から引用すると、
中央銀行はベースマネーをコントロールできないのだろうか。正しい答えは、日々の単位ではある程度できる。一ヵ月の平均から数ヵ月程度ではかなりむずかしい。一、二年程度の長期になれば、大きな誤差を伴いつつも強い影響を与えることができるというものである。
そして今回の論争において、カナダの金融政策を例に取り、植田氏と同様に長期と短期の区別を強調した「裁定」を行ったのがNick Roweである(ここ、ここ;その前段のエントリはここ)。
曰く、確かに金融政策に関する声明発表の間の期間(カナダの場合は6週間)においては金利は固定的であり、中央銀行はその金利における資金需要に受動的に応じているだけかもしれない。即ち、金利−貨幣供給の平面において貨幣供給は所与の金利における水平線となり、金利に関して無限の弾力性を持つ。
しかし、6週間を超える中期においては、インフレ目標が貨幣供給の決定要因となる。そのタイムスケールでは貨幣供給はもはや金利や所得に対して完全に非弾力的となり、インフレ率に対して無限の(負の)弾力性を持つ。即ち、先ほどの金利−貨幣供給の平面で縦軸を金利からインフレ率に置き換えた平面での水平線となる。
植田氏の裁定と今回のRoweの裁定は20年間の時を隔てているわけだが、短期についての考察はほぼ同様であるものの、長期についての考察がその間の金融政策技術の発達(ただしカナダにおいての*4)を反映したものになっているのが興味深い。


望月慎(望月夜)
@motidukinoyoru

リンクが切れているので、引用記事再掲
『Dr.クルーグマン または私は如何にして金融政策に頼るのを止めて財政政策を愛するようになったか』himaginary.hatenablog.com/entry/20101011…
.. togetter.com/li/1120352#c77…
「クルーグマンbotが出来たら組み込んでほしい発言集」togetter.com/li/1120352 にコメントしました。
2020/05/17 6:03
https://twitter.com/motidukinoyoru/status/1261764170698993666?s=21
根井
市場主義
I S / L M図表は 、 G N P (国民総生産 )と利子率が I S曲線 (財市場の均衡を示す )と L M曲線 (貨幣市場の均衡を示す )の交点によって同時に決定されることを教えてくれるが 、ケインジアンとマネタリストの違いは 、 I S曲線と L M曲線の形状にかかわっているという 。すなわち 、マネタリスト (古典派も同様 )が 、 L M曲線がほとんど垂直であるようなケース (貨幣の流通速度がほとんど限界に達しており 、投機的動機に基づく貨幣需要がほとんど存在しない )を想定しているのに対して 、ケインズやケインジアンは 、 L M曲線がほとんど水平 (いわゆる 「流動性の罠 」の状態 ) 、かつ I S曲線がほとんど垂直であるようなケ ースを想定しているというのである 。サムエルソンは 、次のように解説している ( * 2 5 ) 。
「ヒックス =ハンセン図は 、財政政策と金融政策 、所得決定の理論 、それに貨幣理論の全部を総合することに成功している 。それはさらに 、貨幣の流通速度についての明確な一般理論を提供することにより 、マネタリストとケインジアンのマクロ経済理論を総合するのにも役立っている 。すなわち重要な意味において 、マネタリストの反革命は 、 L Mおよび I Sの形についての論争に帰してしまうのである 。 」
* 2 4 … …出典は 、ポ ール ・ A ・サムエルソン 『経済学 (第十一版 ) 』都留重人訳 、上巻 (岩波書店 、一九八一年 )三七二ペ ージ 。
* 2 5 … …前同 。
http://nam-students.blogspot.jp/2015/08/blog-post_19.html (本頁)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/09/blog-post_9.html
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/path-dependence.html
この2つの関係は、図 1 でそれぞれ MM と CC で示されてる。ここで描いたように、それが点 1 で交わって、金利と価格水準が同時に決まる。期間 1 でマネーサプライが増えれば、MM が右に動いて、価格水準があがって名目金利が下がる(でも実質金利は同じ)ことがすぐにわかる。
ふつうは確かにこうなる。でも、ほかの可能性がある。次にそれを見てやろう。
y = M/Pこうなると、マネーサプライをふやせば産出も増える。ただしこれにも限度はあって、増えても点 2 までしかいかない。でも、生産容量が点 3 みたいなところにあったら? すると前節と同じ議論がなりたつ。名目金利はマイナスにはなれないから、それ以上のマネー増加は単に債券になって、支出にはまったく影響しない。だから公開市場での売買は、どれだけ派手にやっても経済を完全雇用にはもっていけない。一言で、この経済は古典的な流動性トラップにはまったわけだ。
1. 実質金利と流動性トラップ
ヒックスがもともと、1937年に提出した形の IS-LM モデルからはじめよう。貯蓄と投資を図にする。ヒックスが指摘したように、「古典的」な金利の理論だと、金利というのは貯蓄したい額と投資したい額が等しくなるように決まる。これを示したのが次の Figure 1だ。これはすべて、いちばん基本的な教科書通りの代物。でも上の Figure 2 には普通の教科書よりちょっとよけいなものを足してある。「完全雇用」での産出水準 yf を示して、IS曲線を実質金利ゼロの先までのばしてあることだ。これはヒックスの説明をもっと完全にしたものなんだけれど、ここからすぐに明らかになるのは、もし経済が流動性トラップにはまっているなら、たとえ実質金利がゼロでも、完全雇用のときに貯蓄は投資を上回ってしまうと言うことだ。式で書けば次のとおり。
Paul Krugman 論文翻訳
労働の限界生産物
(一人当たり,
ブッシェル(例) )
|
生|
産|\
物| \
| \ 労働の収穫
| \ 逓減がある
| \
| \
| \
0|_______\____
労働投入量(人数)
労働の限界生産物曲線は労働者1人ひとりの限界生産物,
つまり各労働者を追加したときに生じる生産量の増加分
を描いたものだ.縦軸には生產量の変化,横軸には労働
投入量(人数)をとってぃる,1人目の労働者は生産量を
19ブッシェルだけ増やす.2人目は17ブッシェルだけ増
やすというふうに続く.収穫逓減があるために,この曲
線は右下がりになっている.
(クルーグマン『ミクロ経済学』邦訳2087年218頁より)
この新しい方式のもとだと、カップルたちは手持ちのクーポン量は以前より減らすだろう。必要なら借りられるんだからね。でも協同組合の管理者たちは、これで新しい管理ツールを手に入れたことになる。もしメンバーから、子守りをしたい人は多くて、子守りの機会が少なくなってますよという報告が入ったら、メンバーがクーポンを借りる条件は緩くなるだろう(つまり上乗せ分が減るだろう)。するとみんなもっと出かけるようになる。もし子守りが不足気味なら、条件をきつくすればいい。みんな外出を控えるようになる。 言い換えると、このもっと高度な協同組合には中央銀行ができて、停滞した経済を金利の切り下げで刺激したり、加熱した経済を金利引き上げで冷やしたりできるってことだ。
でも日本の場合はどうだろう――金利がほとんどゼロまで下がっても、経済がまだ停滞してるじゃないか。子守り協同組合のたとえ話も、ついに扱いきれないような状況が登場したんだろうか?
http://fu-rai-bo.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
・・・・・・・・・・・・・・・
オークンの法則:
――クルーグマン論文からの引用
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/krugokun.html
アメリカでは、産出ギャップはふつうは、自然失業率と、失業の変化と実質GDPの変化との関係を示したオークンの法則係数推定を組み合わせることで推定される。日本の計測された失業率は、伝統的にアメリカの失業率よりずっと小さな動きしか見せなかったけれど、1981-91の期間には、実は驚くほどぴったりしたオークンの法則関係が成立している(図4)。この見かけの関係の傾きは、アメリカのものの3倍だ。失業率を1%下げるには、余剰成長が6%上がらなくてはならないということになる。もし停滞期以前の平均2.5%という失業率を、自然失業率の推定値として採用するなら、1997年の3.4%失業は、1997年の産出ギャップが5%以上あったということだ――そして潜在産出がたぶんいまも増大していて、実際の産出が停滞しているのだから、1998年末のギャップはたぶん10%にも達しているかもしれない。
図4:日本のオークンの法則
『クルーグマン教授の〈ニッポン〉経済入門』69-70頁
オークンの法則 (Okun's law) とは、上のグラフのように、実質GDPの変化 (実質GDP成長率) と失業率の変化のあいだには統計的に直線で近似される関係が観測されるという経験則のことである。
上のグラフを見ると、 1981-1991年においては、実質GDP成長率が4%を切ると失業率が増加し始め、 4%を超えると失業率が減少し始めるという関係があったことがわかる。実質GDP成長率がたとえプラスの値だったとしても、その値が小さ過ぎると失業率が増加してしまうことになる。
1990年代に日本の失業率はほぼ単調に増加した。 1995年度と1996年度の日本の実質GDP成長率は、「失われた10年」のあいだであったにもかかわらず、それぞれ2.5%と3.5%という比較的高い値であった。しかし、失業率は減少しなかった。 2000年 (歴年) の日本の実質GDP成長率も2.4%と比較的高い値であったにもかかわらず、やはり失業率は減少しなかった。
以上の事実から、日本の実質GDPの潜在成長率は少なくとも3%近くはありそうだと推測できる。
もしも潜在成長率が1%台ならば、 1995年度と1996年度にかけておよび2000年 (歴年) には失業率を減少させることなく経済成長を実現することはできなかったはずである。
ーーー
オークンの法則 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
経済学において、オークンの法則(Okun's law)とは、一国の産出量と失業の間に経験的に観測される安定的な負の相関関係のことである。この法則の「乖離形式」(gap version)は、一国の国内総生産(GDP)が潜在産出量より1%小さくなる度に失業率が約0.55%上昇することを述べる(米国の場合)。「差分形式」(difference version)は、実質GDP成長率と失業率の差分の間における関係を表す。この法則の正確さは議論の的になっている。法則の名前は、1962年にこの関係を提案した経済学者アーサー・オーカン(en:Arthur Okun)にちなむ。
オークンの法則:
――クルーグマン論文からの引用
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/krugokun.html
アメリカでは、産出ギャップはふつうは、自然失業率と、失業の変化と実質GDPの変化との関係を示したオークンの法則係数推定を組み合わせることで推定される。日本の計測された失業率は、伝統的にアメリカの失業率よりずっと小さな動きしか見せなかったけれど、1981-91の期間には、実は驚くほどぴったりしたオークンの法則関係が成立している(図)。この見かけの関係の傾きは、アメリカのものの3倍だ。失業率を1%下げるには、余剰成長が6%上がらなくてはならないということになる。もし停滞期以前の平均2.5%という失業率を、自然失業率の推定値として採用するなら、1997年の3.4%失業は、1997年の産出ギャップが5%以上あったということだ――そして潜在産出がたぶんいまも増大していて、実際の産出が停滞しているのだから、1998年末のギャップはたぶん10%にも達しているかもしれない。
https://itunes.apple.com/jp/book/jing-ji-xue-zheno-rong-guangto/id680558684?mt=11
![]() | 経済学者の栄光と敗北 |
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実質GDPの変化 (実質 GDP 成長率) と失業率の変化のあいだには統計的に直線で近似される関係が観測されるという経験則である。かれがこれを発見したのは 1960 年代初期で、失業率が1%下がると実質GNPが 3% ほど上がる、という関係がアメリカ経済では見られていた。また現在の日本では、失業率が 1% 下がると GDP 成長は 6% になるという関係が見られている。
この法則はすばらしくよく成立していて、同僚トービンをして「マクロ経済で最も信頼のおける経験則の一つ」と言わしめたものではあるけれど、なぜそうなるのか、という因果関係の説明はまったくない。オークンがデータを見ていて発見した関係でしかない。オークン在籍中の CEA は、このデータを使って失業率を下げるメリットがいかに大きいかを大統領に納得させ、これがケネディ政権の大幅な減税策につながっている。
またかれは、社会の経済格差の是正も重大事項と考えており、その手段として累進課税の強化を訴えていた。
アーサー・オークンの主要著作
- "A Review of Some Economic Forecasts for 1955-57", 1959, Econometrica
- "On the Appraisal of Cyclical Turning Point Predictors", 1960, Journal of Business
- "The Value of Anticipations Data in Forecasting National Product", 1960, in Quality and Economic Significance of Anticipations Data
- "Potential GNP: Its measurement and significance", 1962, Proceedings of ASA
- "Comment on Friedman's and Schwartz's Money and Business Cycles", 1963, REStat
- "Investment Demand at Full Employment", 1963, Proceedings of ASA
- Monetary Policy, Debt Management and Interest Rates: A Quantitative Appraisal", 1963, in Stabilization Policies
- The Political Economy of Prosperity, 1970.
- "Upward Mobility in a High-Pressure Economy", 1973, BPEA
- "Inflation: Its mechanics and welfare costs", 1975, BPEA
- Equality and Efficiency: the Big Tradeoff , 1975.
- "Efficient Disinflationary Policies", 1978, AER
- "Rational Expectations with Misperceptions as a Theory of the Business Cycle", 1980, JMCB
- Prices and Quantities: A macroeconomic analysis. 1981.
- Economics for Policymaking: Selected Essays, 1983
アーサー・オークンに関するリソース
- Biography of Authur M. Okun, The Concise Encyclopedia of Economics
- "Okun's Law Revisited: Should We Worry about Low Unemployment?" by David Altig, Terry Fitzgerald, and Peter Rupert, May 15, 1997
John Maynard Keynes
(意訳) 「長期的」という考えは、現在起きていること に関しては、誤っている。 「長期的」に見れば、我々は皆死んでいる。
ケインズ
貨幣改革論 お金の改革論
輸入
財の需要 財・サービス 財の供給
お金の流れ------→D市場S←---------
|支出 均衡点E_\/ 販売された財・|
(=GDP) /\ サービス|
| -------←S D→------- |
| |購入された | ↑ 収入| |
| |財・サービス 消費税|補助金 (=GDP) |
| | |政府購入 産出| |
| | ←生活保護-- || | |輸出
| |(←短期国債-→)||(---助成金→ | |
\ / ---所得税→【政府】←保険・法人税)\ /
【家\計】 公的貯蓄||政府赤字 【企\業】
/ \ ←利子・貸付け ↓ |(----融資→ / \
| | -預金・利息→【銀行】←利息・取付け)| |
| | 金融 | |
| | --民間貯蓄→ 市場 →投資 ↑ | |
| | 生産へ| |
| (GDP=)所得 生産要素 の投入| |
| -------←D市場S→------- |
| E_\/均衡点 賃金・地代|
|労働・土地・資本 /\ ・利潤(=GDP)
---------→S D←---------
労働の供給 労働の需要
上の図の中央は十字であるべき。つまり政府から雇用関係の助成金がもっとなければならない。
あと、足を使った地域金融を活性化させる地域再投資法(CRA)が必要だ。
http://fu-rai-bo.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
…クルーグマンの出した「子守り協同組合」のアナロジーは、社会経済構造の
要点を的確に説明しており面白い。社会全体の心理が悪化すると需要が不足するのである。:
若い議会職員(約150組)が、ベビーシッター代を節約するために、交代でお互いの子供の
面倒を見る仕組みを作ったのである。互いが公平に子守を受け持つように、クーポン制にして
あった。子守をしてもらうときにクーポンを相手に渡し、自分が子守をするとクーポンを受け
取る、そして、初めに受け取るクーポン数を脱退するときに返すのである。ところが、クーポ
ン制にしたせいで、手持ちのクーポン数を気にするようになった。いざという用事にクーポン
を取っておきたいために、それまでであれば頼んでいた子守の依頼を控えるようになったの
である。皆が子守の依頼を控えることで、クーポンが回転しなくなり、手持ちのクーポン数
が少ない者は一層子守の依頼を控えるようになった。こうして、子守協同組合が機能しなく
なったのである。この子守協同組合は、クーポンを増刷して増やすことで、参加者の心理を
変化させ需要が出るようにしたところ見事に改善した。
これはつまり以下のわかりやすい特徴を説明している。
あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる
参照:
「さっさと不況を終わらせろ」 早川書房 クルーグマン著 山形浩生訳
ベビーシッター協同組合『世界大不況からの脱出』23頁
および、
Baby-Sitting The Economy ( 経済を子守りしてみると)日本語訳
Paul Krugman 著,1998 年 8 月13日 Slate 掲載 (2008年以降見直された短文)
http://cruel.org/krugman/babysitj.html
http://tfje.seesaa.net/article/231806419.html
『クルーグマン ミクロ経済学』: 2007(原著2006)
「何よりも必要なのは、意味に言葉を選ばせることだ。その逆ではない。」
(ジョージ・オーウェル「政治と英語」1946年)はしがき冒頭より
目次は次の通りで、需要と供給の話から始まって、完全競争→独占→寡占と続き、国際経済学/ゲーム理論/公共政策入門までをフォローする。後述のスティグリッツと同じく、Economics(2006)が邦訳される段階でミクロとマクロに分冊化された(ミクロ・マクロ分割案はケインズ一般理論第21章から)。クルーグマンは2008年ノーベル経済学賞受賞。
http://nam-students.blogspot.jp/2015/08/blog-post_19.html
はしがき
第Ⅰ部 経済学ってどんな学問?
第1章 最初の原理
第2章 経済モデル:トレードオフと取引
第Ⅱ部 供給と需要
第3章 供給と需要
第4章 市場の逆襲
第5章 弾力性
第Ⅲ部 個人と市場
第6章 消費者余剰と生産者余剰
第7章 意思決定
第Ⅳ部 生産者
第8章 供給曲線の裏側:投入物と費用
第9章 完全競争と供給曲線
第Ⅴ部 消費者
第10章 合理的な消費者
第11章 消費者の選考と消費選択
第Ⅵ部 市場と効率性
第12章 要素市場と所得分配
第13章 効率性と公平性 ☆
第Ⅶ部 市場構造:完全競争を越えて
第14章 独占
第15章 寡占
第16章 独占的競争と製品差別化
第Ⅷ部 市場の境界を広げる
第17章 国際貿易
第18章 不確実性・リスク・私的情報
第Ⅸ部 ミクロ経済学と公共政策
第19章 外部性
第20章 公共財と共有資源
第21章 税・社会保険・所得分配
第Ⅹ部 市場の新しい方向
第22章 技術・情報財・ネットワーク外部性 ☆
☆
第22章(のみの)要約用詳細目次
http://d.hatena.ne.jp/walwal/20071006/1191482990
第22章「情報・情報財・ネットワーク外部性」
はじまりの物語
・子どもたちを訴える(コラム)
1 情報財の経済学
1.1 情報財の生産と販売
1.2 情報財の価格設定問題
1.3 情報財の財産権
ちょっと寄り道
・ミッキーマウスを保護する(コラム)
・ところで、それは誰のネットワークなのか(コラム)
2 ネットワーク外部性
2.1 ネットワーク外部性の類型
2.2 ポジティブ・フィードバック
2.3 ネットワーク外部性の下での競争
3 情報財に対する政策
3.1 独占禁止政策
3.2 標準を設定する
経済学を使ってみよう
・市場で売られる薬品(コラム)
・アップルの大誤算(コラム)
・マイクロソフト提訴(コラム)
・・・・・
http://tfje.seesaa.net/article/300251417.html
『クルーグマン マクロ経済学』: 2007
はしがき
第Ⅰ部 経済学ってどんな学問?
第1章 最初の原理
第2章 経済モデル:トレードオフと取引
第Ⅱ部 供給と需要
第3章 供給と需要
第4章 市場の逆襲
第5章 消費者余剰と生産者余剰
第Ⅲ部 マクロ経済学入門
第6章 マクロ経済学:経済の全体像
第7章 マクロ経済を追跡する
第Ⅳ部 長期の経済
第8章 長期の経済成長
第9章 貯蓄、投資支出、金融システム
第Ⅴ部 短期の経済変動
第10章 総供給と総需要
第11章 所得と支出
第12章 財政政策
第13章 貨幣、銀行、連邦準備制度
第14章 金融政策
第Ⅵ部 サプライサイドと中期
第15章 労働市場、失業、インフレ
第16章 インフレ、ディスインフレ、デフレ
第Ⅶ部 事件とアイデア
第17章 現代マクロ経済学の形成
第Ⅷ部 開放経済
第18章 国際貿易
第19章 開放経済のマクロ経済学
Foolproof Way - Irregular Economist ~hicksianの経済学学習帳~
M B K 48 : クルーグマン教授の〈ニッポン〉経済入門 - livedoor Blog
デフレ脱却は日本経済の特効薬か...リフレ派への苦言 | コラム | 大和総研 ...
トップページ - リフレーションに関連する海外記事および論文集 - アットウィキ
ご案内
第二の大恐慌を救ったバーナンキのFRB
金融危機
流動性の罠
財政政策と金融政策の協調
為替介入によるリフレーションと時間整合性問題の回避
IMF、FRB、BOEなどの海外機関の発表資料
その他
- 短期名目金利がゼロの状況においては国債と貨幣が完全な代替物になる点に着目して、国債発行を通じて財務省が金融政策を行えるという主張がAndy Harlessによる財務省の金融政策です。
- 日本では岩本康志「デフレの罠」脱却のための財政金融政策のシナリオがデフレ脱却のための「利上げ+減税」を提案しています。「利上げ」という海外の論文には見られないオプションが特徴である。同様の主張を斎藤誠氏が「経済セミナー」2003年2月号で展開しています。
- これまであちこちのブログで翻訳されてきた海外記事の蓄積は田中秀臣氏がまとめてくれているのでそちらを参照あれ。これらの中でも特に、himaginary氏、svnseeds氏、hicksian氏、okemos氏の活動には頭が下がります。そしてなにより山形氏の一連のクルーグマン論文の翻訳に感謝です。日本のブログ力:経済問題(翻訳篇)ベスト100+α
- デフレから一気にハイパーインフレになるとご心配な向きはクルーグマンのブログスタグフレーションvsハイパーインフレーションのoptical_frog氏による訳またはhicksian氏による訳をご覧あれ。
文書一覧
- Andy Harless「財務省の金融政策」2009
- Auerbach and Obstfeld「流動性の罠での公開市場買い付け」AER 2005
- Carlstrom and Pescatori「ゼロ金利近傍での金融政策のあり方」クリーブランド連銀 2009
- Curdia他「伝統的及び非伝統的金融政策」2009
- Jeanne and Svensson「流動性の罠からの脱却のための信認ある確約」AER 2007
- Jung、寺西、渡辺「名目金利のゼロ下限における最適金融政策」Journal of Money, Credit, and Banking 2004
- Negro他「大脱出?FRBの非標準的政策の定量的効果の評価」2010
- Svensson 「流動性の罠とデフレーションからの脱出:The Foolproof Way他」2003
- Svensson 「流動性の罠とデフレーションからの脱出:The Foolproof Way他」2003 (後半)
- アレン&ゲール「金融危機を理解する第1章」2007
- イングランド銀行「解説!量的緩和」2009
- エガートソン「流動性の罠」サーベイ
- エガートソン「財政乗数と政策協調」NY連銀スタッフレポート 2006
- エガートソン&ウッドフォード「名目金利のゼロ下限と最適金融政策」Brooking Paper 2003
- クルーグマン「次世代の通貨危機」2001
- バーナンキ他「エージェンシーコスト、純資産、景気循環」AER 1989
- バーナンキ議長講演 中央銀行の独立性、透明性、そして説明責任
- ブランシャール他「マクロ経済政策再考」IMF Staff Position Note 2010
- ベンハビブ他「流動性の罠の回避」JPE 2002