/80\
/\理想/\
/54\/61\
/\ /\
/77\ 具体像/65\
/道、天下\ /静寂(治)
/37\/60\/57\/59\
/\ /\
/76\ /58\
/武器戦術\ 政治 /\聖人/\
/50\/69\ /_3\/29\
/\ /\ /\ /\
/79\経済武器/36\ /67\ 態度 /74\
欲望(馬)、経済/\ /武器原則\ /\逆説術\ /\恐れ/\
/46\/75\/30\/31\/17\/18\/53\/72\
/\ /\
/78c /64\
/\水 /\ /\無為/\
/_8\/43\ /47\/63\
/\ /\ 道徳経 /\ /\
/55\ 比喩 /66\ /23\ 聖人 /73a
/\嬰児/\ /\ 谷/\ /\天地/\ /\ 善/\
/10\/28\/_6\/15\ /_5\/_7\/27\/49\
/\ /\ /\ /\
/40\ /62\ /44\ /71\
/\道、変幻自在 道 /\天下/\ /\徳、知\ 徳 /\学問、知
/25\/32\ /26\/52\ /16\/33\ (修身) /56\/70\
/\ /\ /\ /\ /\ /\ /\ /\
/45\ 逆説 /81\ /51\ 発生論/34b /68\ 徳日常/24\ /35\感覚学問/48\
/逆説物/\ /逆説人/\ /\原理/\ /\物理/\ /\徳 /\ /\自身/\ /\感覚/\ /\学問/\
/_1\/41b/_2\/22\/39\/42\/_4\/11\/21\/38\/_9\/13\/12\/14\/19\/20\
母→1、25
一→22、25?、(39、42)
無為(無爲)→2、3、11?、37、43、57、63、64
根→6、16、26、59
谷→41、32、39、28、6、15、66
小国→61、80
柔弱→76、78
九重の塔→64
畏れ→15?、17、(53、72、74)
玄(玄徳)→1、65
経済→53、((46)、75、76)
儉→67
國→61、18、54、59、65、78、80
水→6、61、66、78
民→32、10、66、、19、64、、、75、53、72、54、58、57、3、65、80、3、74
知(民、治)→3、65
取天下→48、、、57、29
天下→(26、52、77)、78、、48、63、、、67、62、57、60、37、29、54
江海→32、66
勝→31、67、69
欲→29、37、46
兵→30、31、50、36、76、(69)
☆
/\
/理想\
/具体像/\
道、天下\/統治\
/\ /\
/兵術\ 政治 /聖人\
/\武器/\ /\態度/\
欲望、経済\/原則\逆説術\/畏れ\
/\ /\
/_水\ /無為\
/\比喩/\ 道徳経 /\聖人/\
女、嬰児\/ 谷\ /天地\/_善\
/\ /\ /\ /\
/_道\ 道 /天下\ /徳、知 徳 /学問、知
/\逆説/\ /発生論/\ /\日常/\ /感覚学問\
/_物\/_人\/原理\/物理\/_徳\/自身\/感覚\/学問\
/\
/80\
/\理想/\
/54\/61\
/\ /\
/77\ 具体像/65\
/道、天下\ /静寂(治)
/37\/69\/57\/59\
/\ /\
/76\ /58\
/武器戦術\ 政治 /\聖人/\
/50\/69\ /37\/60\
/\ /\ /\ /\
/79\経済武器/36\ /67\ 態度 /74\
欲望(馬)、経済/\ /武器原則\ /\逆説術\ /\恐れ/\
/46\/75\/30\/31\/17\/18\/53\/72\
/\ /\
/78\ /64\
/\水 /\ /\無為/\
/_8\/43\ /47\/63\
/\ /\ 道徳経 /\ /\
/55\ 比喩 /66\ /23\ 聖人 /73\
/\嬰児/\ /\ 谷/\ /\天地/\ /\ 善/\
/10\/28\/_6\/15\ 、 /_5\/_7\/27\/49\
/\ /\ /\ /\
/40\ /62\ /44\ /71\
/\道、変幻自在 道 /\天下/\ /\徳、知\ 徳 /\学問、知
/25\/32\ /26\/52\ /16\/33\ (修身) /56\/70\
/\ /\ /\ /\ /\ /\ /\ /\
/45\ 逆説 /81\ /51\ 発生論/34\ /68\ 徳日常/24\ /35\感覚学問/48\
/逆説物/\ /逆説人/\ /\原理/\ /\物理/\ /\徳 /\ /\自身/\ /\感覚/\ /\学問/\
/_1\/41\/_2\/22\/39\/42\/_4\/11\/21\/38\/_9\/13\/12\/14\/19\/20\
一一、一二、一三、一四、一五、一六、一七、一八、一九、二〇、
二一、二二、二三、二四、二五、二六、二七、二八、二九、三〇、
三一、三二、三三、三四、三五、三六、三七、
三八、三九、四〇、
四一、四二、四三、四四、四五、四六、四七、四八、四九、五〇、
五一、五二、五三、五四、五五、五六、五七、五八、五九、六〇、
六一、六二、六三、六四、六五、六六、六七、六八、六九、七〇、
七一、七二、七三、七四、七五、七六、七七、七八、七九、八〇、
八一、TOP
/道/逆説/物/
1. The Way
道可道非常道。名可名非常名。
無名天地之始。有名萬物之母。
故常無欲以觀其妙。常有欲以觀其徼。
此兩者。同出而異名。同謂之玄。玄之又玄。
衆妙之門。
語りうる「道」は「道」そのものではない、名づけうる名は名そのものではない。
名づけえないものが天地の始まりであり、名づけうるものは万物の母である。
だから、意図をもたない者が「道」に驚き、意図ある者はそのあらわれた結果しか見れない。
この二つは同じものである。
これらがあらわれて以来、名を異にする。
この同じものは神秘と呼ばれ、神秘から神秘へとあらゆる驚きの入口となる。
/道/逆説/物//
41. Following b
上士聞道、勤而行之。中士聞道、若存若亡。下士聞道、大笑之。 不笑不足以爲道。
故建言有之。明道若眛、進道若退、夷道若■。上徳若谷、太白若辱、廣徳若不足、建徳若偸。質眞若渝、大方無隅、大器晩成、大音希聲、大象無形。 道隱無名。夫唯道、善貸且成。
優れた才能をもってる人が「道」に耳をかたむけたとき、熱心にそれを行う。
普通の人が「道」に耳をかたむけたとき、それを信じるように見えるが信じていない。
最も劣った人が「道」に耳をかたむけたとき、大声で笑う。
笑わなかったら、それは「道」でないかもしれない。
だから、「建言」にある。
理解しないように「道」を理解せよ。
そこから出てくるように「道」の中に入れ。
困難があるかのようになめらかに「道」とともに動け。
最高の徳は、徳でないかのようである。
すべてを包む徳は、徳を欠いているかのようである。
厳しい徳は怠けたぶらつきのようである。
真の本質は空であるかのようである。
大いなる白は黒であるかのようである。
大いなる方形には隅がない。
大いなる容器はできあがるのがおそい。(*晩→免で、大器は完成しない意という説が今日では主流。)
大いなる音楽は音がない。
大いなる象は形がない。
「道」は隠れたもので、名前がない。
しかし、「道」はあるゆるものに援助を与え、成しとげるようさせるものである。
/道/逆説/物///
45. Quiet
大成若缺、其用不弊。大盈若沖、其用不窮。大直若詘、大巧若拙、大辯若訥。躁勝寒、靜勝熱。清靜爲天下正。
最も完成したものに達すると、何も完成していないようである。
それを用いてもつきることはない。
最も充満したものに達すると、まだ空虚のようである。
それをもちいても限りがない。
このように、完全にまっすぐなものものは曲がっているかのようである。
最も技量のあるものはくだらないかのようである。
最も雄弁な人は口がきけないかのようである。
こうして、静けさは動きにまさる。
寒さは暑さにまさる。
静けさは天下の模範となる。
/道/逆説//逆説人/
2. Abstraction c
天下皆知美之爲美。斯惡已。皆知善之爲善。斯不善已。
故有無相生。難易相成。長短相較。高下相傾。音聲相和。前後相隨。
是以聖人。處無爲之事。行不言之教。
萬物作焉而不辭。生而不有。爲而不恃。功成而不居。
夫唯不居。是以不去。
美があまねく美として認められると、そこに醜さがでてくる。
善があまねく善として認められると、そこに不善がでてくる。
だから、有と無はたがいに生まれ、難と易はたがいに補いあい、長と短はたがいにそれぞれの位置をしめ、
高と低はたがいに矛盾し、声と音はたがいに調和しあい、前と後はたがいに順序をもつ。
だから、賢者は干渉しないでものごとを扱い、言葉のない教えをする。
万物は間断なく盛大である。
成長していっても、誰れもそれを所有しない。
仕事が成しとげられても、それに頼るものはいない。
達成されても、名声を求めるものはいない。
名声を求めないから、成功はつねにそこにある。
/道/逆説//逆説人//
22. Home
曲則全。枉則直、窪則盈。敝則新。少則得、多則惑。是以聖人、抱一爲天下式。 不自見故明、不自是故彰。不自伐故有功、不自矜故長。 夫惟不争、故天下莫能與之争。古之所謂曲則全者、豈虚言哉。誠全而歸之。
曲がっているものは完全に残る。
まっすぐであるために、身をかがめよ。
いっぱいになるために、くぼみがあるべきだ。
使いつくすことが、若返ることになる。
欲しい人はもっと得られるだろうし、たくさんもっている人は奪われるだろう。
だから、賢人は「一」をしっかりつかみ、天下の模範となる。
自分を見せびらかさないから、おのずからはっきりと見られ、
自分を主張しないから、きわだって見える。
信用を求めないから、信用をうけ、
うぬぼれないから、最高のものとなる。
争うことをしないから、天下の人で争えるものはいない。
「曲がっているものは完全に残る」という昔の言葉は真実で、
実際、人は完全でいることができるのである。
言葉によってでなく、ひとりでに起こってくるのである。
/道/逆説//逆説人///
81. The Sage
信言不美、美言不信。善者不辯、辯者不善。知者不博、博者不知。聖人不積、既以爲人己愈有、既以與人己愈多。天之道、利而不害。聖人之道、爲而不爭。
言葉が真理をあらわしていると、その言葉は美しくなく、
言葉が美しいと、その言葉は真理をあらわしていない。
本当に立派な人は言葉で議論をせず、言葉で議論する人は立派ではない。
本当の知者は博識でなく、博識の人は本当に知っていない。
賢者は蓄めることをしない。
他人のために出し尽くすと、得るものは多くなり、
他人のために分けてやると、得るものはさらに多くなる。
天の「道」は善いことをなすが害を加えない。
賢者の「道」は行いをするが名声を求めない。
/道/逆説///道/
25. Beneath Abstraction
有物混成、先天地生。寂兮寥兮、獨立而不改、周行而不殆。可以爲天下母。吾不知其名、字之曰道。強爲之名曰大。大曰逝、逝曰遠、遠曰反。 故道大、天大、地大、王亦大。域中有四大。而王居其一焉。人法地、地法天、天法道、道法自然。
形はないが、混沌としたものがあり、天と地より先に存在していた。
音もなく、空漠。
あらゆるところに充ち、疲れることがない。
それは天下の母だといわれる。
その名は知られておらず、「道」と呼ぶだけである。
もし私が名をつけようとするなら、それを「大」と呼ぼう。
「大」は無制限に広がっていくことである。
無制限に広がるとは遠ざかることであり、
遠ざかるとは「近くに」返ってくることである。
このように「道」が大であるように、天も大、地も大、人もまた大である。
世界には四つの大があり、人はその一つの位置を占める。
人は地に従い、地は天に従い、天は「道」に従い、「道」は「自然」に従う。
/道/逆説///道//
32. Shapes
道常無名樸。雖小、天下不敢臣。侯王若能守之、萬物將自賓。天地相合、以降甘露、民莫之令而自均。始制有名。名亦既有、夫亦將知止。知止所以不殆。譬道之在天下、猶川谷之與江海。
「道」は実在的であるが名がない。
もともと区別がなく目にみえないものである。
けれども、天下にそれを支配できるものは何もない。
もしも統治者や君主がそれにとどまれば、天下の万物は当然、彼らに従うだろう。
そして、天と地は統一され、平和の露を降らせるだろう。
命令されなくとも、人々は自ら調和するだろう。
区別が始まると名前ができる。
名前ができるとどこにとどまるかを知るべきである。
とどまるところを知れば、決して消耗されない。
世の中で「道」にとどまるということは、河や海に注ぐ谷川と同じである。
/道/逆説///道///
40. Motion and Use
反者道之動。弱者道之用。天下萬物生於有、有生於無。
あともどりするのが「道」の動きかたである。
たわみやすいのが「道」のはたらきである。
天下のあらゆるものは有から生まれる。
有は無から生まれる。
/道//発生論/原理(一、生)/
39. Support
昔之得一者。天得一以清、地得一以寧、神得一以靈、谷得一以盈、萬物得一以生、侯王得一以爲天下貞。其致之、一也。天無以清將恐裂。地無以寧將恐廢。神無以靈將恐歇。谷無以盈將恐竭。萬物無以生將恐滅。侯王無以貴?將恐蹷。故貴以賤爲本、?必以下爲基。是以侯王自謂孤寡不轂。此非以賤爲本耶。非乎。故致數譽無譽。不欲琭琭如玉、落落如石。
昔、「一」を得たものがいた。
「一」を得て、天は清らかに、
「一」を得て、地は穏やかになった。
「一」を得て、神は霊的になった。
「一」を得て、海は充満している。
「一」を得て、万物は生きかえった。
「一」を得て、統治者は天下の模範となった。
これらすべては、「一」によってこうなったのである。
清らかでなければ、天は裂かれるだろうし、
穏やかでなければ、地は揺れるだろう。
霊的でなければ、神は砕けてしまい、
充満してなければ、海は干上がってしまうだろう。
生きかえることがなければ、万物は消滅するだろうし、
天下の模範でなければ、統治者はつまずいてしまうだろう。
だから、価値なきものは価値あるものの基礎として役立ち、
劣っているものは優れているものの基礎として役立つ。
このように、統治者は自らを長所のない、
価値のない、孤立した者を呼ぶのである。
これは価値なきものが価値あるものの基礎として役立つことを証明しているのではないだろうか。
だから、最高の名誉はほめられないことである。
統治者は優美な翡翠のようの尊ばれることを望まない。
彼らは平たくて堅い岩石のようである。
/道//発生論/原理(一、生)//
42. Mind
道生一、一生二、二生三、三生萬物。 萬物負陰而抱陽、冲氣以爲和。 人之所惡、唯孤寡不殼。而王公以爲稱。故物或損之而益、或益之而損。 人之所教、我亦教之。強梁者不得其死。吾將以爲教父。
「道」から「一」が生み出される。
「一」から二つのものが生まれ、二つから三つのものが生まれ、
三つから万物が生み出される。
これらすべては肯定と否定の統一によって調和し、
あらゆるものによって包まれる。
長所もなく、価値もなく、孤立したものを誰れも好まない。
ところが、統治者はそれらのことばを自称して使っている。
このように、ものは価値を減らすことによって、かえって価値をふやし、
価値をふやすことによって、かえって価値を減らすのである。
昔の日とはこれを教えている。
「凶暴な人は凶暴さによって自分野人生を終える。」
これが基本的な標語である。
/道//発生論/原理(一、生)///
51. Nurture
道生之、徳畜之、 物形之、器成之。 是以萬物、莫不尊道而貴徳。 道之尊、徳之貴、夫莫之命、而常自然。
故道生之、徳畜之。長之育之、亭之毒之、養之覆之。生而不、爲而不恃、長而不宰、是謂玄徳。
「道」はすべてのものを生み出し、「徳」がそれらを養う。
ものはそれぞれの性質によって形づくられ、関係ある状態がそれらを満たす。
だから、あらゆるものはすべて「道」を敬い、「徳」を尊ぶ。
「道」が敬われ、「徳」が自然に尊ばれるのは、
誰かが命令するのではなく、自然にそうなるからである。
このように、「道」はすべてを生み出し、「徳」はそれらを養う。
それらを生み出し、育て、形を与え、特性を与え、かばい、守る。
それらを生み出しても、所有することはない。
はたらかせても、報いを期待せず、成熟しても、管理することをしない。
これは見えない「徳」と呼ばれる。
/道//発生論//物理(冲、無)/
4. Limitless
道冲、而用之或不盈。淵兮似萬物之宗。
挫其鋭、解其紛、和其光、同其塵。
湛兮似或存。
吾不知誰之子、象帝之先。
「道」は無によってはたらき、満ちあふれたものではない。
それは深いところで、すべてのもとになるものである。
鋭さをにぶらせ、もつれを解きほぐし、光を和げ、地球を一つにしながら、それは残っている。
誰れが創ったかわからないが、神以前にそれがあったのは本当らしい。
/道//発生論//物理(冲、無)//
11. Tools
三十輻共一轂。當其無、有車之用。
挺埴以爲器。當其無、有器之用。
鑿戸以爲室。當其無、有室之用。
故有之以爲利。無之以爲用。
三十本の輻が車輪の中心に集まる。
その何もない空間から車輪のはたらきが生まれる。
粘土をこねて容器ができる。
その何もない空間から容器のはたらきが生まれる。
ドアや窓は部屋をつくるために作られる。
その何もない空間から部屋のはたらきが生まれる。
これ故に、一つ一つのものとして、これらは有益な材料となる。
何もないものとして作られることによって、それらは有用になるもののもとになる。
/道//発生論//物理(冲、無)///
34. Control b
大道氾兮、其可左右。萬物恃之而生而不辭。功成不名有。愛養萬物而不爲主。常無欲、可名於小。萬物歸之而不爲主、可名爲大。是以聖人、終不自大、故能成其大。
大いなる「道」はすべて普及する。
そして、あちらへ、こちらへと行く。
万物はそこにとどまり、成長する。
そして、そこから閉め出されるものは何もない。
仕事を完成しても功績を求めない。
万物を養っても支配することはない。
意図をもたないから小さなものと呼ばれ、
万物がそれに向かっていても、それらを所有しないから、
大いなるものと呼ばれる。
だから、賢人は偉大になろうとしない。
ここから、その偉大さが達成されるのである。
/道//発生論///天下/
26. Calm
重爲輕根、靜爲躁君。是以聖人、終日行不離輜重。雖有榮觀、燕處超然。奈何萬乘之主、而以身輕天下。輕則失臣、躁則失君。
重いものが軽いものの根源であるように、
静かであることがそわそわすることの根源である。
だから、統治者は朝から晩まで旅をしても、重い荷馬車から離れない。
どんなに素晴らしい環境にいても、彼は静かになって心を動かされないのだ。
「一万の戦車をもつ」指導者が天下を前にして、
どうして軽々しくふるまえることができようか。
軽々しくふるまえば根源を失うことになり、
そわそわすれば、主たるものが失われる。根→6、16、26、59
/道//発生論///天下//
52. Clarity
天下有始、以爲天下母。既知其母、復知其子、既知其子、復守其母、没身不殆。塞其兌、閇其門、終身不勤。開其兌、濟其事、終身不救。見小曰明、守柔曰強。用其光、復歸其明、無遺身殃。是謂習常。
世界には始めがある。
それは世界の母と呼ばれる。
その源を知ったものは、その表れを知る。
その表れを知り、その源とともにとどまるとき、人生で不足することはない。
言葉による表現をやめ、感覚への道をふさぐならば、一生くたびれることはない。
これに対して、言葉が満ちあふれ、わずらわしさが増すならば、
一生救われないだろう。
見えないものを見るのが覚醒であり、柔らかさを保持するのが強さである。
内なる光りによって覚醒にかえれ。
そうすれば、不幸にならない。
これは真実に従った暮らしと呼ばれる。
/道//発生論///天下///
62. Sin
道者萬物之奥。善人之寳。不善人之所保。美言可以市尊、美行可以加人。人之不善、何棄之有。 故立天子、置三公。雖有拱璧以先駟馬、不如坐進此道。 古之所以貴此道者何。不曰求以得、有罪以免耶。故爲天下貴。
「道」はあらゆるものの底に隠されている。
立派な人はそれを尊重し、価値なき人はそれによって護られるものである。
良きことばは、名誉として報酬を得、良き仕事は人々を印象づける。
たとえ価値なき人であっても、「道」は決して見捨てることはない。
大きな国に皇帝が立てられ、大臣が任命され、玉や馬が授けられても、
「道」以上に善い提供物はない。
「道」は遠い昔から非常に尊ばれてきた。
どうしてかというと、それを求めないから、人はそれを得るのだ。
たとえ過ちがあったとしても、人はその報いから免れる。
こうして、「道」は天下で最も尊いものとされるのである。
/道///比喩/嬰児/
10. Harmony
載營魄抱一、能無離乎。專氣致柔、能嬰兒乎。滌除玄覽、能無疵乎。愛民治国、能無爲乎。天門開闔、能爲雌乎。明白四達、能無知乎。
生之畜之、生而不有、爲而不恃、長而不宰。是謂玄徳。
魂とはくを一つに統一し、離れないようにできるか。
呼吸を調和集中させ、嬰児のようにすることはできるか。
自分の中の曇った鏡をきれいにし、何もないようにすることはできるか。
人々を愛し、国を統治して、しかも知られずにいることができるか。
無存在の領域に出入りし、行動を自分で起こすことができるか。
明るい照明を知らなくても、あらゆる方面へ及ぼすことはできるか。
それを養い、育てよ。
生み出しても、それを所有するな。
はたらかせても、それに頼るな。
導いても、それを統御するな。
これは神秘の徳と呼ばれる。
/道///比喩/嬰児//
28. Becoming
知其雄、守其雌、爲天下谿。爲天下谿、常徳不離、復歸於嬰兒。 知其白、守其黒、爲天下式。爲天下式、常徳不、復歸於無極。 知其榮、守其辱、爲天下谷。爲為天下谷、常徳乃足、復歸於樸。 樸散、則爲器。聖人用之、則爲官長。故大制不割。
積極的なことを知りつつ、消極的なところにとどまるのは、天下の深い谷間のようなものである。
天下の深い谷間であれば、本当の「徳」は離れることがなく、赤子のままにおかれる。
白を知りつつ、黒にとどまるのは、天下の模範となる。
天下の模範であれば、十分に変わることのない「徳」は最初の非区別の状態にとどまる。
原初の非区別が区別されるとき、ものごとが生み出される。
賢人が原初の非区別を使えば、人々の指導者となる。
だから、偉大な統治をするものは非区別である。
/道///比喩/嬰児///
55. Soft Bones
含徳之厚、比於赤子。 蜂■■蛇不螫、猛獣不據、攫鳥不搏。 骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合而全作、精之至也。終日號而不嗄。和之至也。
知和曰常、知常曰明。益生曰?、心使氣曰強。
物壯則老、謂之不道。不道早已。
「徳」を豊かにもつ人は、無垢な子どもと同じように見られる。
彼は、昆虫の針からも、野獣の爪からも猛禽の攻撃からもまぬがれる。
骨や筋肉は強いとはいえないが、手のにぎりはいつもしっかりしている。
男女の交合についてまだ何も知らないのに、可能性は明かであり、
生命の本質は完全なものになっている。
一日中泣き叫んでも声がかれることはない。
彼の内的調和が最高だからである。
この内的調和を知ることが真実とともにあるということだ。
真実とともにあれば、啓発される。
しかし、生命に何かをつけ加えようとすると邪悪になる。
可能性をおしつけると、心は不自然になる。
ものが不自然になると、それらは衰えていく。
これは「道」からそれることである。
そうすると、すぐに生を終えてしまう。
/道///比喩//谷/
6. Experience
谷神不死、是謂玄牝。
玄牝之門、是謂天地根。綿綿若存、用之不勤。
空の精神的現実はいつも存在する。
それを受動性の神秘と呼ぶ。
その入口は宇宙の根源である。
止めることなく、それはいつまでも残る。
汲み出しても尽きることはない。 根→26
/道///比喩//谷//
15. Enlightenment
古之善爲士者、微妙玄通、深不可識。夫唯不可識、故強爲之容。與兮若冬渉川。猶兮若畏四隣。儼兮其若客。渙兮若冰之將釋。敦兮其若樸。曠兮其若谷。混兮其若濁。孰能濁以靜之徐清。孰能安以動之徐生。保此道者、不欲盈。夫唯不盈、故能蔽不新成。
いにしえの「道」にすぐれた人は洗練され、深く啓発されていた。
その深さはほとんど測ることができない。
測れないので、私は彼の姿を描こう。
慎重なること、冬の冷たい流れを渡るかのよう、
落ちついていること、近隣の人の邪魔をしないかのよう、
丁寧なること、訪問するときのよう、
やわらかなること、氷がとけはじめるときのよう、
重厚なること、まだ削られていない塊のよう、
度量のひろさ、渓谷のよう、
底の見えない暗さ、まざりものがあるかのようである。
濁りを静め、澄みきるように誰れができようか。
動かないところから生き生き成長させるところまで、誰れができようか。
「道」を保持していく人はそれが極端にあふれることを望まない。
極端なところに行くことを望まないから、彼は古いものにとどまるし、新しいものにもなることができる。
/道///比喩//谷///
66. Lead by Following
江海所以能爲百谷王者、以其善下之、故能爲百谷王。是以欲上民、必以言下之、欲先民、必以身後之。 是以聖人、處上而民不重、處前而民不害。是以天下樂推而不厭。以其不爭、故天下莫能與之爭。
川や海はあらゆる水に対して指導的に支配する。
それらが他の水に対して低い地位にあるからだ。
それがあらゆる水に対して指導的に支配する理由である。
このように、統治者が人々の指導者になろうと望むならば、
まず、人々の前でつつましくしなければならない。
人々の先頭に立とうと望むならば、まず、彼らのあとに身をおかねばならない。
彼が高い地位にいても、人々は彼の権威を感じず、
人々の前にいても、人々は何ら障害も感じることがない。
だから、すべての人々は彼を支持し、いやがらない。
彼は、誰れとも争わないから、他の人は彼と荒そうことができないのである。
/道///比喩///水/
8. Water
上善若水。水善利萬物、而不争。處衆人之所悪。故幾於道。
居善地、心善淵、與善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。
夫唯不争、故無尤。
最上の善とは水のようなものである。
水はあらゆるものに利益を与え、争わない。
それは人の嫌う地味な場所でいつも満足している。
このように、水は「道」に近いものである。
我々は住むために、地味な場所を好む。
いろいろな考えのためには、奥深さを好む。
友だちとの交わりには、心やさしさを好む。
言葉には、誠実さを好む。
政治には、良き秩序を好む。
出来事においては、能力を好む。
行動においては、正しい時を好む。
このように、我々は争わないから、まちがうことはない。
/道///比喩///水?//
43. Overcoming
天下之至柔、馳騁天下之至堅。無有入無間、吾是以知無爲之有益。不言之教、無爲之益、天下希及之。
世の中で最もしなやかなものは、世の中の最も堅いものを貫通する。
無はすきまのないところに入りこむ。
ここで私は、行動のない行動の価値を知り、言葉のない教えの価値を知る。
行動のない行動の価値に匹敵できるものは世の中に何もない。
/道///比喩///水///
78. Yielding c
天下莫柔弱於水。而攻堅強者、莫之能勝。以其無以易之。
弱之勝強、柔之勝剛、天下莫不知、莫能行。是以聖人云、受國之垢、是謂社稷主、受國不祥、是謂天下王。正言若反。
水は天下で最も柔らかく、しなやかなものである。
また、それは強くて堅いものに最もよく打ち勝つことができる。
これは真実で、変わることがない。
「しなやかなものが堅いもの負かし、柔らかいものが強いものを負かす。」
天下のすべての人がこれを知っているが、それを人生に適応できない。
だから、賢者はいう。
「国全体のはずかしめを引きうける者は、国家の予言者になる。
天下の悪い予言を堪え忍べる者は、天下の王となる。」
正しい表現は反対に聞こえるものである。
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//徳/徳日常/徳/
21. Accept
孔徳之容、惟道是従。道之為物、惟恍惟惚。惚兮恍兮、其中有象。恍兮惚兮、其中有物。窈兮冥兮、其中有精。其精甚眞、其中有信。 自古及今、其中夫去。以閲衆甫。吾何以知衆甫之状哉、以此。
徳に固有のものは「道」のひびきである。
「道」というものはおぼろげで、とらえようがない。
おぼろげでとらえようがないが、そこには形がある。
おぼろげでとらえようがないが、そこには何物かがある。
測りがたく見えにくいが、そこには本質がある。
本質は実に純粋で、そこには生き生きとした真実がある。
昔から今日に到るまで、「道」という名前のものがないわけではなかった。
我々はそれによって万物の始まりを見る。
万物の始まりはこれによってわかるのだ。
//徳/徳日常/徳//
38. Ritual
上徳不徳、是以有徳。 不徳不失徳、是以無徳。 上徳無爲、而無以爲。下徳爲之、而有以爲。上仁爲之、而無以爲。上義爲之、而有以爲。上禮爲之、而莫之應、則攘臂而之。 故失道而後徳。失徳而後仁。失仁而後義。失義而後禮。夫禮者、忠信之薄、而亂之首。前識者、道之華。而愚之始。是以大丈夫、處其厚、不居其薄。處其實、不居其華。故去彼取此。
徳の高い人は徳を自慢しない。
だから、徳がある。
低い徳の人は徳にこだわる。
だから、徳がない。
高い徳の人は何の行動もしないが、何事も為されなかったということはない。
低い徳の人は行動するが、故意になされる。
高い仁愛の人は行動するが、動機をもってするのではない。
高い道義の人は行動するが、動機をもってするのである。
最も礼儀のある人は行動するが、誰もそれに従わず、
それで、袖をまくり、相手を引っぱろうとする。
だから、「道」が失われると徳がそこにあり、
徳が失われると、仁愛がそこにある。
仁愛が失われたのちに道義がきて、道義が失われたのちに礼儀がくる。
礼儀は信義を欠くことで、無秩序の第一歩となる。
予期された知識は「道」の外見であり、愚行の始まりである。
ここから、偉大な人は真実を選びとり、外見をとらないのである。
彼は真実によって行動し、外見によっては行動しない。
このように、彼は「道」のはたらきに従い、外見を見合わせるのである。
//徳/徳日常/徳///
68. Compassion
善爲士者不武。善戰者不怒。善勝敵者不與。善用人者爲之下。是謂不爭之徳、是謂用人之力、是謂配天之極。
すぐれた戦士は荒々しくない。
すぐれた闘士は怒気をあらわさない。
すぐれた勝利者は競争をしない。
すぐれた指導者は人々の前でつつましい。
これは争わない「徳」といわれ、他人の力をうまく使うといわれる。
これは空間と時間をこえ、天の至上さと匹敵する。
//徳/徳日常//自身/
9. Retire
持而盈之、不如其已。揣而鋭之、不可長保。金玉滿堂、莫之能守。富貴而驕、自遺其咎。功成名遂身退、天之道。
なにかを手にもって自慢するなら、それをもたない方がよい。
人がその窮境を主張しても、その状態に長くとどまることはないだろうから。
部屋に貴重品が満ちあふれていても、誰れもそれらをまもりつづけることはできないだろう。
富裕で高い地位にあって自慢すると、不幸を招く。
仕事が完全に成しとげられ、その任務が充分に終われば、自分の地位を去る。
これが「自然」の道である。
//徳/徳日常//自身//
13. Self
寵辱若驚。貴大患若身。何謂寵辱若驚。寵爲上、辱爲下。得之若驚、失之若驚。是謂寵辱若驚。何謂貴大患若身。吾所以有大患者、爲吾有身。及吾無身、吾有何患。故貴以身爲天下、若可寄天下。愛以身爲天下、若可託天下。
名誉と不名誉は我々を興奮させる。
つまり、我々は苦しみを自己にもつからである。
名誉と不名誉が興奮させるとはどうゆうことか。
名誉は我々を上の方へ引き上げ、不名誉は下の方へ下げる。
このように、名誉あるときには興奮し、不名誉のときにもまた興奮する。
それが、名誉と不名誉が興奮させる、といわれる所以である。
大きな苦しみを自己にもつとはどういうことか。
大きな苦しみをもつ理由はただ自己を有することによる。
自己を有しなければ、どこに苦しみがあろうか。
自己と世界とを同一にすれば、そのとき、自己の中に世界はある。
自己を愛するように世界を愛するならば、そのとき、自己の中に世界はある。
//徳/徳日常//自身///
24. Indulgence
跂者不立。跨者不行。自見者不明。自是者不彰。自伐者無功。自矜者不長。其於道也、曰餘食贅行。物或惡之。故有道者不處。
つまさきで立つものは長く立つことはできない。
大股で歩くものは長く歩くことはできない。
見せびらかすものはすぐれていない。
みずから正しいと主張するものは、他よりきわだっているわけではない。
信用を求めるものは信用を得られない。
自分をほこるものは最高のものではない。
「道」の立場からいうと、これらすべては生物が好まない余分のものである。
だから、「道」を有する人はそんなところに留まらないのである。
//徳/徳日常///徳、知/
16. Decay and Renewal
致虚極、守靜篤。萬物竝作、吾以觀復。 夫物芸芸、各歸其根。歸根曰靜、是謂復命。復命曰常、知常曰明。不知常、妄作凶。 知常容。容乃公、公乃王、王乃天、天乃道。道乃久。沒身不殆。
空虚を熟視して、真に静寂を守る。
万物はどれも盛んであるが、私はそれらの無為をみつめる。
ものは絶え間なく動き、休まない。
しかし、それぞれのものは根源にもどってしまう。
根源にもどっていくと静寂になる。
静寂になるということは存在の運命にもどることである。
存在の運命とは実在である。
実存を知ることを開明と呼ぶ。
それを知らないで誤って行えば、災いにであう。
実存はすべてを包みこみ、すべてを包みこめば、自己はなくなる。
自己がないということはすべてが満たされており、
すべてが満たされれば、超越することになる。
超越すれば、「道」に達する。
「道」に達すれば永久に続く。
身体が死んでも、それは終わらない。
//徳/徳日常///徳、知//
33. Virtues
知人者智。自知者明。勝人者有力、自勝者強。 知足者富。強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽。
他人を知るものが智のある人であり、自己を知るものが目覚めた人である。
他人を負かすには力がいる。
満足することが富んでいることであって、
力をもって行うものが大志を抱くことになる。
源を保持するものが永続し、死んでも失っていないものが永遠に生きるのである。
//徳/徳日常///徳、知///
44. Contentment
名與身孰親。身與貨孰多。得與亡孰病。是故甚愛必大費。多藏必厚亡。知足不辱、知止不殆、可以長久。
名誉と身体、どちらが切実であるか。
身体と財産、どちらに多くの価値があるか。
成功と失敗、どちらに大きな害悪があるか。
あまりに大事にすると費やすものが多く、
多く貯めれば貯めるほど失うものは多い。
満足すべきことを知れば恥をかかず、
正しい時にとどまることを知れば危険に出会わない。
こうすれば、いつまでも持ちこたえられるのである。
//徳//感覚学問/感覚/
12. Substance
五色令人目盲。五音令人耳聾。五味令人口爽。馳騁田獵、令人心發狂。難得之貨。令人行妨。 是以聖人。爲腹不爲目。故去彼取此。
おびただしい色は人の目をまどわせ、おびただしい音は人の耳をだめにし、おびただしい味は人の口をそこなう。
狩猟で競い、追跡すれば、人の心を凶暴にする。
めずらしい価値ある品物はその持主の安全をおびやかす。
だから、賢者は腹に集中し、感覚の誘惑には集中しない。
このように、彼はあるもの(内部の力)をとり、他のもの(外部の力)を捨てるのである。
//徳//感覚学問/感覚//
14. Mystery
視之不見、名曰夷。聽之不聞、名曰希。摶之不得、名曰微。 此三者。不可致詰、故混而爲一。 其上不、其下不昧。繩繩不可名、復歸於無物。是謂無状之状、無物之象。是謂惚恍。 迎之不見其首、隨之不見其後。執古之道。以御今之有。能知古始。是謂道紀。
しっかりと見ないから、何も見えない。
それは形のないものと呼ばれる。
しっかりと聞かないから、何も聞こえない。
それは音がないものと呼ばれる。
しっかりとつかまないから、何もつかめない。
それは実体のないものと呼ばれる。
これら三つをつきつめることはできず、混ざりあって一つになっている。
上にあっても明るくなく、下にあっても暗くない。
目に見えず、どんな名前でも呼びようがない。
それはまた無にもどって行く。
それは形のない形と呼ばれ、イメージのうかばない形と呼ばれる。
それはつかまえにくいものである。
近づいて行ってもその顔は見えず、ついて行ってもその後ろ姿は見えない。
遠い過去の「道」をつかまえ、現在あるものを制御すると、原始の始まりが理解できる。
これが「道」の本質である。
//徳//感覚学問/感覚///
35. Peace
執大象、天下往、往而不害、安平大。 楽與餌、過客止。道之出言、淡乎其無味。視之不足見、聽之不足聞、用之不可既。
大いなる象をつかんで天下を扱うと、どこに行っても何の害にもあわない。
天下を穏やかに、静かに、そして平和にするのである。
音楽やおいしい匂いは通行人を魅惑し、しばらく立ちどまらせる。
「道」の味は淡泊で味がない。
それを見ようとしてもよく見えず、それを聞こうとしてもよく聞こえない。
だが、それは用いても使い尽くせないものである。
//徳//感覚学問//学(絶聖)/
19. Simplify
絶聖棄智、民利百倍。絶仁棄義、民復孝慈。絶巧棄利、盗賊無有。 此三者、以為文不足。故令有所屬。 見素抱樸。少私寡欲。
識別することをやめ、知識を放棄せよ。
そうすれば、人々は何倍も利益を得るだろう。
慈善をやめ、道義を捨てよ。
そうすれば、人々はたがいにもっと愛しあうだろう。
利口な教えをやめ、利益を捨てよ。
そうすれば、盗みや詐欺はなくなるだろう。
識別と知識、慈善と道義、利口と利益はただ外面的な工夫にすぎない。
そこで、これら以外の何かを求めなければならない。
純真さをあらわし、生まれつきの本性に固執せよ、
自己本位の自己を取りのぞき、強欲を捨て、人による学習を捨てよ、
そうすれば思いわずらうことはなくなるだろう。
//徳//感覚学問//学//
20. Wandering
絶学無憂。唯之與阿、相去幾何。善之與惡、相去何若。人之所畏、不可不畏。荒兮其未央哉。 衆人熈熈、如享太牢。如春登臺。我獨泊兮其未兆、如嬰兒之未孩。儡儡兮若無所歸。衆人皆有餘、而我獨若遺。我愚人之心也哉、沌沌兮。 俗人昭昭、我獨昏昏。俗人察察、我獨悶々。澹兮其若海、兮若無止。衆人皆有以、而我獨頑似鄙。我獨異於人、而貴食母。
学ぶことをやめれば、憂いがなくなる。
敬意を表して「はい」というのと、非礼な「ああ」ということにどれほどの違いがあろう。
善と悪にどれほど違いがあろうか。
他人が恐れるところで、私もまた恐れなければならないだろうか。
これは何とばかげたことか。
人々は生けにえの祝宴を楽しみ、花咲く春の日に高台に登って楽しんでいるかのようだ。
私はただ一人、身じろぎもせず、何と静寂にしていることか。
ちょうどまだ笑ったことのない赤子のように。
戻るべき家ももたず、目的もなく私はさまよう。
人々は多くの野心と欲望をもっている。
私一人だけがこれらすべてを置き去りにしてきてようだ。
私はなんとなまくらだ。私の心はまったく愚かものの心だ。
人々は光り輝いているのに、私一人が暗く鈍い。
人々は賢く好奇心が強いのに、私一人がはっきりしなくて鈍い。
私は穏やかな海のように何と静かなことか。
私はなにものにも縛られず流されるようだ。
人々はすべて目的をもっている。
私一人が異様で、善くないもののようだ。
私には他人と違っているところがある。
私は「母」によって養われている。
//徳//感覚学問//学///
48. Inaction
爲學日益、 爲道日損。 損之又損、以至於無爲。無爲而無不爲。 取天下、常以無事。及其事、不足以取天下。
学問をするとき、日ごとに蓄積していく。
「道」を行うとき、日ごとに減らしていく。
減らしたうえにまた減らすことによって、何もしないところにゆきつき、
そして、すべてのことがなされるのだ。
だから、無為によって、しばしば天下を勝ち取る。
行動するようでは、天下は勝ち取れないのだ。
//徳//感覚学問///学、知/
56. Impartiality
知者不言、言者不知。
塞其兌、閉其門。 挫其鋭、解其紛、 和其光、同其塵、是謂玄同。 故不可得而親、不可得而疎。不可得而利、不可得而害。不可得而貴、不可得而賤。故爲天下貴。
知っているものは、しゃべらない。
しゃべるものは、知ってはいない。
言葉による表現をやめ、感覚の門を閉ざし、すべての鋭さをにぶらせ、
そのもつれを解きほぐし、その明るさを和らげ、そして、大地と一つになる。
これは「道」と同一になるといわれる。
それに近づくことができず、また、遠ざけることもできない。
それに利益を与えることもできず、また、害を及ぼすこともできない。
尊敬へと高めることはできず、また、恥の苦しめることもできない。
だから、天下で最も尊い人なのである。
//徳//感覚学問///学、知//
70. Individuality
吾言甚易知、甚易行。天下莫能知、莫能行。言有宗、事有君。夫唯無知、是以不我知。知我者希、則我者貴。是以聖人、被褐而懷玉。
私の言葉を理解し、それに従うのは難しくない。
しかし、天下に誰れもそれを理解し、従うことのできる者はいない。
何故ならば、言葉は源からでており、行為には行う人がいるからだ。
これがわからないで、私を理解することはできない。
私を理解できなければできないほど、私はますます価値あるものとなる。
だから、賢人はぼろぼろの衣服の下に貴重な宝物をかくしている。
//徳//感覚学問///学、知///
71. Limitation
知不知上。不知知病。夫唯病病、是以不病。聖人不病、以其病病、是以不病。
知ることのできないものを知るのが最上である。
そして、これを知らないのが欠点である。
欠点を欠点として知れば欠点とはならない。
賢人には欠点がない。
彼は欠点を欠点として理解する。
だから、彼は欠点をもたない。
//徳///聖人/天地/
5. Nature
天地不仁、以萬物爲芻狗。聖人不仁、以百姓爲芻狗。
天地之間、其猶■籥乎。虚而不屈、動而愈出。
多言數窮、不如守中。
天と地に偽善はなく、すべてのものを偏りなく扱う。
賢者にも偽善なく、人々を偏りなく扱う。
宇宙全体はふいごのようにもともと空である。
何もしなければ、何も欠くものはない。
行えば行うほど、出てくるものは多い。
言葉を出せば出すほど使いはたされる。
だから、ものごとを動かす前にそのままとどまっているほうがよい。
//徳///聖人/天地//
7. Complete
天長地久。天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生。
是以聖人、後其身而身先、外其身而身存。非以其無私耶、故能成其私。
天と地はいつまでも存在している。
それらは存在を存在として考えないからいつまでも続いている。
賢者は背後に身をおきながら、前へすすむ。
彼は自己を忘れて、自分自身を発見する。
人が自己の状態に達するのは無自己によってではないか。
//徳///聖人/天地///
23. Words
希言自然。飄風不終朝、驟雨不終日。孰爲此者、天地。天地尚不能久、而況於人乎。故從事於道者、道者同於道。徳者同於徳。失者同於失。同於道者、道亦樂得之。同於徳者、徳亦樂得之。同於失者、失亦樂得之。信不足焉、有不信焉。
自然はことばで表さない。
暴風が起きても朝中続くことはなく、激しい雨が一日中続くことはない。
これらは天と地の活動である。
天と地でさえ、いつまでもその活動を続けることはできない。
まして人間はできようか。
「道」を学ぶ者は「道」と同一になる。
人が徳に達すると、その徳と同一になる。
人が徳と同一になると、徳もまたおのずから人と同一になる。
人が失うものと同一になると、失うものもまたおのずから人と同一になる。
この同一性を信じなければ、これは起こらないだろう。
//徳///聖人//善/
27. Perfection
善行無轍迹。善言無瑕謫。善數不籌策。善閉無關鍵、而不可開。善結無繩約、而不可解。 是以聖人、常善救人、故無棄人。常善救物、故無棄物。是謂襲明。故善人者、不善人之師、不善人者、善人之資。不貴其師、不愛其資、雖智大迷。是謂要妙。
すぐれた行為者は痕跡(善であれ悪であれ)を残さない。
すぐれたことばを使う人は少しのきず(善であれ悪であれ)も残さない。
すぐれた計算者は計算器具を使わない。
門をとざすのにすぐれた者はかんぬきを使わないが、誰れもその戸は開くことはできない。
結ぶのにすぐれた者は縄を使わないが、誰れもそれをほどくことはできない。
このように賢人は人を救うのにすぐれており、だからどんな人も見捨てない。
彼はまた物を救うのにすぐれており、だから何物をも見捨てない。
これは明を洞察すると呼ばれる。
だから、善である者は善でない者の師であり、
善でないものは善であるものの源である。
善ある者をありがたく思わず、善なき者を大事にしないならば、
どんなに知恵があっても迷いがある。
//徳///聖人//善//
49. People
聖人無常心、以百姓心爲心。 善者吾善之、不善者吾亦善之、 徳善。信者吾信之、不信者吾亦信之、徳信。
聖人在天下。歙歙為天下渾其心。百姓皆注其耳目。聖人皆孩之。
賢人には定まった心はない。
だが、人々の心をその心とする。
彼は善であるものを善とするが、善でないものも善と考える。
このようにして、区別のないものに達する。
彼は真なるものを真とするが、真でないものも真と考える。
このようにして、区別のないものに達する。
天下の賢人は良心的に人々の心を区別のないものにする。
人々は見たり聞いたりする感覚をあてにするから、
賢人は彼らを赤子のように扱う。
//徳///聖人//善///
73. Fate a
勇於敢則殺、勇於不敢則活。此兩者或利、或害。天之所惡、孰知其故。是以聖人猶難之。天之道不爭而善勝、不言而善應、不召而自來、繟然而善謀。天網恢恢、疏而不失。
勇敢だが、無謀なものは死ぬ。
勇敢だが、無謀でなければその命は救われる。
この二つのうち、一方は利となり、他は損失となる。
天が憎むことを誰れが知ろう。
賢人でさえすぐれた選択はできない。
天の道に従えば、争わないでも必然的に勝ち、尋ねなくても自発的に反応し、
招かなくても成功はひとりでにやってくるし、
故意でなくても天の道はうまく工夫されている。
自然の網はすべてを包みこむ。
その目はあらいが、何も逃さない。
//徳///聖人///無為(不為)/
47. Knowing
不出戸、知天下、不闚牖、見天道。其出彌遠、其知彌少。是以聖人不行而知、不見而名、不爲而成。
戸口から出ないで、天下のことを知る。
じっと外を見ないで、天の道のすべてを知る。
遠くへ行けば行くほど、知ることはいっそう少なくなる。
だから、賢人は出かけないで、あらゆるものを知る。
見ないでも、あらゆるものを確認し、
行動しないでも、あらゆることを成しとげる。
//徳///聖人///無為//
63. Difficulty
爲無爲、事無事、味無味。
大小多少、報怨以徳。
圖難於其易、爲大於其細。天下難事、必作於易、天下大事、必作於細。是以聖人、終不爲大、故能成其大。
夫輕諾必寡信、多易必多難。是以聖人猶難之、故終無難矣。
行為や無為、作用や非作用、知や無知、大や小、多や少、
それは、憎しみを愛でもって報い、難しいものに対して易しいうちに処理し、
大きいものに対して小さいうちに処理するようなものである。
天下の難しい仕事は易しいことのなかに始まりがあり、
天下の大きな仕事は小さなことの中に始めがあるからである。
それ故に、賢者は決して大きくなろうとしない。
だから、大きいものに達する。
軽々しく約束すれば、約束を守ることはまれであり、ものを手軽に考えると、
もっと困難なことが起こることが多い。
それ故に、賢者はものを困難なものとしてとらえる。
だから、彼はいつも困難に打ち勝つのである。
//徳///聖人///無為///
64. Care at the Beginning
其 安易持、其未兆易謀、其脆易破、其微易散。爲之於未有、治之於未亂。合抱之木、生於毫末、九層之臺、起於累土。千里之行、始於足下。爲者敗之、執者失之。 是以聖人、無爲、故無敗。無執、故無失。民之從事、常於幾成而敗之。愼終如始、則無敗事。是以聖人欲不欲、不貴難得之貨。學不學、復衆人之所過。以輔萬物 之自然、而不敢爲。
じっとしているものはとらえやすい。
現れないうちは扱いやすい。
ちょうど始まっているものは壊れやすい。
小さいものは消滅させやすい。
何でもないうちに処理し、無秩序になる前に秩序だてておけ。
大きな木も小さな若枝から成長する。
九重の塔も一つの小さなかたまりからつくられ始める。
何千マイル行く旅も足もとから始まるのだ。
扱おうとすると失敗し、固執したりすると失ってしまう。
それ故に、賢人は何も行わないから、何も損なわず、
何も固執しないから、何も失わない。
仕事をする場合、ほとんど完成に近づいたときに失敗する。
それ故に、仕事のやり始めと同じく、終わりの段階でも注意せよ。
そうすると、失敗することはない。
こうして、賢者にとって、進んでするということは進んでしないことである。
彼は得るのが難しいものに価値をおかず、学ばれないものを学び、
他人によってつくられてきた誤りを避ける。
彼は万物の本性に従い、それらを決して妨げない。 (九重の塔64)
/////////////////////////////////////////////////////////////////
///政治/経済武器/欲望,経済/
46. Horses
天下有道、却走馬以糞、天下無道、戎馬生於郊。罪莫大於可欲、禍莫大於不知足、咎莫大於欲得。故知足之足、常足。
天下が「道」によって治められるとき、馬は畑を耕すのに使われる。
天下が「道」によって治められないとき、馬や武器は辺境のそばにまで増殖する。欲望の罪より大きい罪はない。
満足するのを知らないほど大きな災いはない。
征服することよりも大きな誤りはない。
だから、足りたと思うことで満足できれば、いつでも充分なのである。
///政治/経済武器/欲望,経済//
75. Rebellion
民之飢、以其上食税之多。是以飢。民之難治、以其上之有爲。是以難治。民之輕死、以其上求生之厚。是以輕死。夫唯無以生爲者、是賢於貴生。
人々が食糧を奪われるのは、王があまりにも重く税金をとるからである。
だから、彼らは飢え苦しむのだ。
人々が治まらないのは、王が生活に干渉するからで、だから、治めにくいのだ。
人々が自分の生命を軽く捨てるのは、彼らの王が途方もなく生を追求するからで、
それ故に、人々は自分の生命を軽く捨てるのである。
自分の生命を少しでも気にかけない物こそ、
他人の生命を尊ぶ方法を知るのである。
///政治/経済武器/欲望,経済///
79. Reconciliation
和大怨必有餘怨。安可以爲善。是以聖人執左契而不責於人。有徳司契、無徳司徹。天道無親、常與善人。
深い怨みを和解させても、必ずいくつかの怨みがあとに残る。
このように、和解は最善の方法とはいえない。
賢者は借人の契約書は握っているけれど、借人に支払いを求めない。
だから、
「徳」のある者は契約書を握るだけであり、
「徳」のない者は税金のとりたてをする。
自然の道にえこひいきはない。
それはつねに善人の側につく。
///政治/経済武器//武器原理/
30. Violence
以道佐人主者、不以兵強天下。其事好還、師之所処、刑蕀生焉、大軍之後。必有凶年。 善者果而已。不敢以取強。果而勿衿、果而勿伐。果而勿驕、果而不得已。果而勿強。 物壮則老。是謂不道、不道早已。
「道」によって君主を助けるということは、武力を優勢にすることではない。
武力を優勢にすれば尊大さが生まれる。
武力のあるところにはどこでも無秩序が起こる。
大きな戦いのあとには喪失の年がくる。
勝利はただ競争の結果にすぎない。
力の優勢をあえて求むべきではない。
勝利は結果にすぎないから、そのために見せびらかすべきではない。
結果にすぎないから、誇るべきではない。
結果にすぎないから、獲得しただけにすぎない。
結果にすぎないから、力の優勢を求むべきではない。
強いことを求めると衰退に行きつく。
これは「道」に反することである。
「道」に反することは長く続かない。
///政治/経済武器//武器原理//
31. Armies
夫兵者不?(祥)之器、物或悪之、故有道者不処。君子居則貴左、用兵則貴右。 兵者不?之器、非君子之器。不得已而用之、恬淡爲上。勝而不美。而美之者、是楽殺人。夫楽殺人者、則不可以得志於天下矣。 吉事尚左、凶事尚右。偏将軍居左、上将軍居右、言以喪禮処之、殺人之衆、以哀悲泣之、戦勝以喪禮処之。
武器は、人々によって蔑視される不吉な前兆をもった道具である。
だから、「道」を有した人はそれを身におかない。
武器は不吉な前兆をもった道具である。
避けることができない時だけ、それを使用する。
たとえ、戦闘にあたっても、冷静で冷淡であるのがよい。
たとえ、戦争に勝ったとしても、光栄とすべきではない。
光栄とは、人を殺害するのを楽しむことを意味するからだ。
人々を殺害するのを楽しむような人は、天下で成功しない。
///政治/経済武器//武器原理///
36. Opposition
夫兵者不?(祥)之器、物或悪之、故有道者不処。君子居則貴左、用兵則貴右。 兵者不?之器、非君子之器。不得已而用之、恬淡爲上。勝而不美。而美之者、是楽殺人。夫楽殺人者、則不可以得志於天下矣。 吉事尚左、凶事尚右。偏将軍居左、上将軍居右、言以喪禮処之、殺人之衆、以哀悲泣之、戦勝以喪禮処之。
凝縮しようと思えば、まず分散しておかなければならない。
気を弱めようと思えば、まず強めておかなければならない。
衰えさせようと思えば、まず勢いよくさせておかなければならない。
獲得しようを思えば、まず与えておかなければらならい。
これは見えない光と呼ばれる。
柔らかいものは剛いものに勝ち、弱いものは強いものに勝つ。
魚が池の深いところにいるように、
国家最高の武器は見えないようにしておくのがよい。
///政治/経済武器///武器戦術/
50. Death
出生、入死。生之徒十有三、死之徒十有三。人之生、動之死地亦十有三。夫何故。以其生生之厚。蓋聞、善攝生者、陸行不遇兕虎、入軍不被甲兵。兕無所投其角、虎無所措其爪、兵無所容其刃。夫何故。以其無死地。
生きのびる道と死にいく道がある。
十人のうち三人が生きのび、十人のうち三人が死んでしまう。
さらに十人のうち三人が生命に執着するが、しかし、彼らもそれを失ってしまう。
何故かといえば、生命を豊かにしすぎるからである。
自分の生命を守るにすぐれた者は、虎や犀に出会うことがない。
戦場においても、危険な武器を身につけない。
犀も彼を突き刺すことはできないし、虎も爪でひっかくことができない。
武器も彼を傷つけることはできない。
何故かといえば、彼に死という場所がないからである。
///政治/経済武器///武器戦術//
69. Ambush
用兵有言、吾不敢爲主而爲客、不敢進寸而退尺。是謂行無行、攘無臂、扔無敵、執無兵。禍莫大於輕敵、輕敵幾喪吾寳。故抗兵相加、哀者勝矣。
戦術について次のことばがある。
「わがほうは最初に敵を攻撃せず、攻撃されてから行動する。」
「わがほうは一寸でも進もうとはせず、一尺でも後退するのだ。」
これは作戦のない作戦、武器のない武器をとり、敵のない敵を襲い、
兵器のない兵器を運ぶといわれる。
敵をあなどるほど大きな禍いはない。
敵をあなどるということは、
慈しみ、倹約、そして天下の先頭に立とうと思わない教えを破ることである。
だから、二つの軍隊が交戦するとき、慈しみをもっている方が勝利をしめる。
///政治/経済武器///武器戦術///
76. Flexibility
人之生也柔弱、其死也堅強。萬物草木之生也柔脆、其死也枯槁。故堅強者死之徒、柔弱者生之徒。
是以兵強則不勝、木強則折。強大処下。柔弱処上。
人が生きているときは、身体は柔らかく、かよわい。
死ぬときには、堅くてこわばっている。
草木が生きているときは、柔らかく、かよわい。
死ぬときには、しなびれて枯れれいる。
それ故に、堅いものは死に近く、柔らかいものは生に近い。
このように、軍隊は柔軟でなければ戦いに負ける。
板がかたく乾けば、それは砕ける。
強くて堅いものは低いままにあり、
柔らかくてしなやかなものは高いところにある。
///政治//態度/逆説術/
17. Rulers
大上下知有之。其次親而譽之。其次畏之。其次侮之。 信不足、焉有不信。 焉兮其貴言、功成事遂、百姓皆謂我自然。
最上の指導者は誰れも知らない。
その次の指導者は人々に親近感があり、ほめたたえられる。
その次の者は人々に畏れられる。
最下等の指導者は人々に軽蔑される。
指導者が充分に誠実を示さないと、人々の信頼は得られない。
気をつけて、言葉の価値を高めよ。
仕事が行われ、事業が成しとげられたとき、それはひとりでにそうなったのだと人々はいうだろう。
///政治//態度/逆説術//
18. Hypocrisy
大道廢、有仁義。智慧出、有大僞。六親不和、有孝慈。國家昏亂、有貞臣。
大いなる「道」が衰えたとき、慈善と道義の教えが起こった。
人の思考や分別が尊ばれたとき、大きな偽りが始まった。
家族の者たちが不和となったとき、子としての孝行や愛情が必要となった。
国が混乱し暗黒となってから、忠義な臣下を求めることになった。
///政治//態度/逆説術///
67. Unimportance
天下皆謂。我道大似不肖。夫唯大。故似不肖。若肖。久矣其細矣夫。我有三寶。持而保之。一曰。慈。二曰。儉。三曰。不敢爲天下先。慈故能勇。儉故能廣。不敢爲天下先。故能成器長。 今舎慈且勇。舎儉且廣。舎後且先。死矣。夫慈。以戰則勝。以守則固。天將救之。以慈衞之。
世間の人は、私が決まったものを出さず、何ものもあらわしていないという。
私が何ものもあらわしていないのは、決まったものを出していないからである。
もし何かをあらわしていたら、私はもはや決まったものをあらわさないだろう。
私が価値あるものとしてもっている三つの宝がある。
第一は慈しみであり、
第二は倹約であり、
第三は天下の人々の先頭に立つことを望まないことである。
慈しみがあるから勇気を出すことができ、
倹約するから広く施しをすることができ、
天下の人の先頭に立たないから、自分の能力の充分な成長をとげることができる。
ところが、現在、人々は勇敢であろうとして、慈しみをもたない。
広く施そうとするが、倹約はしない。
自分の能力の充分な成長を望んで、天下の先頭に立つことにあこがれる。
しかし、実際に死があるだけだ。
戦争にあっても、慈しみによって勝利を得る。
防衛にあっても、うまく防ぐことができる。
この種の人は天によって救われ、慈しみによって護られる。
///政治//態度//恐れ/
53. Difficult Paths
使我介然有知、行於大道、唯施是畏。大道甚夷、而民好徑。朝甚除、田甚蕪、倉甚虚、服文綵、帶利劔、厭飮食、財貨有餘。是謂盗夸。非道哉。
私にわずかでも知識があり、大きな道を歩むならば、
それからはずれるのではないかと恐れる。
大きな道はまったく平坦であるのに、人々は小さな近道を行きたがるものだ。
宮廷はきれいになっていても、人々の畑はひどく荒れはて、
倉庫には穀物の貯えはなにもない。
支配者は高価な衣服を着て、立派な剣をつけ、腹いっぱい飲み食いし、
法外な財宝と高価なものを持っている。
これこそ最大の盗人であり、大きな道からはずれたことである。
///政治//態度//恐れ//
72. Revolution
民不畏威、則大威至矣。無狎其所居、無厭其所生。夫唯不厭、是以不厭。是以聖人、自知不自見、自愛不
人々が恐れをもたないとき、「根本的な恐怖」を経験する。
自分の住んでいる場所がせばめられないから、彼らは安心して生活している。
安心して生活しているから、彼らの生活は平和である。
それ故に、賢者は自分自身を知っているが、みずからを見せびらかさない。
自分自身を養うが、みずからを偉ぶらない。
小さな恐れを捨てるけれども、根本的な恐怖を経験する。
///政治//態度//恐れ///
74. Execution
民不畏死、柰何以死懼之。若使民常畏死、而爲奇者、吾得執而殺之、孰敢。常有司殺者殺。夫代司殺者殺、是謂代大匠斲、夫代大匠斲者、希有不傷其手矣。
人々はもはや死を恐れない。
どうして彼らを死をもっておどかすのか。
生きているのを同じように死を恐れているならば、
我々は犯人をつかまえ、死に向かわせることができる。
その時、誰れが罪を犯すことになろうか。
(自然には)人間の生命を終わらせるものがいつもある。
我々が殺す役目を負うならば、
木を伐る偉大な工人の役目を負うようなものである。
我々が木を伐る工人の役目を負うならば、
ほとんど手助けができず、自分の手を傷つけることになる。
///政治//態度///統治(聖人)/
3. Without Action
不尚賢、使民不爭。不貴難得之貨、使民不爲盜。不見可欲、使心不亂。
是以聖人之治、虚其心、實其腹、弱其志、強其骨。常使民無知無欲、使夫知者不敢爲也。
爲無爲、則無不治。
賢者を尊重する者がいなければ、人は競争をしないだろう。
貴重なるものに価値をおくことをやめれば、人は不法の利益をもつことはないだろう。
欲望を刺激するものを見る者がなければ、心は混乱しないだろう。
だから、賢者は人々の心をくつろがせ、腹をしっかり固めさせ、志を弱めてやり、身体と強くさせて人々を導く。
彼は人々を知識も欲望もない状態にする。
これは、知識をもつ賢者はあえて行動しないということを意味する。
彼の無為によって、教養をもたない者がいないわけではない。
///政治//態度///統治?(聖人)//
29. Ambition
將欲取天下而爲之、吾見不得已。天下神器。不可爲也。爲者敗之、執者失之。故物或行或隨、或呴或吹。或強或羸、或載或隳。是以聖人、去甚、去奢、去泰。
天下を治めようとするものたちが、どうにもできないことを私は知っている。
天下は神聖な器で、どうにもしようがないものだ。
それを扱うと失敗し、それに固執すると失ってしまう。
ものの性質は変化し、一方が行えば他方がまねをする。
一方がゆるやかに息をすれば、他方は激しく息づく。
一方は精力的であり、他方はおとなしい。
一方は背負い、他方は損なう。
だから、賢者は過度な行いを避け、わがままでなく、極端になることを避ける。
///政治//態度///統治(聖人)///
58. No End
其政悶悶、其民淳淳。其政察察、其民缺缺。
禍兮?之所倚、?兮禍之所伏。 孰知其極。其無正邪。正復爲奇、善復爲妖。人之迷、其日固久。
是以聖人、方而不割。廉而不■。直而不肆、光而不耀。
国が簡素で寛大に治められるとき、人々は誠実で正直である。
国が無上に猛烈な取り調べによって治められるとき、
人々は誤りやすく、不正直になる。
不運なときに、幸運があらわれ、幸運なときに、不運がひそんでいる。
誰れが最後の正しさを決定することができるのか。
あるいは、最後の正しさというのはいったいあるのだろうか。
正しさがうそに変わると、善は邪悪に変わる。
これは長らく人々を困惑させてきた。
賢者はものを扱うとき、自分の考えをしっかりともっているが、
しかし、鋭くはない。
彼は純粋であるが、害を及ぼすことはない。
彼はまっすぐであるが、激することはない。
彼には光があるが、きらびやかではない。
///政治///具体像/道、天下/
37. Tranquillity
道常無為、而無不爲。侯王若能守之、萬物將自化。化而欲作、吾將鎮之以無名之樸。 無名之樸、夫亦將無欲。不欲以靜、天下將自定。
「道」は実在し、何事もしない。
だが、それによって為されるということはない。
もし統治者がそこにとどまるならば、あるゆるものは自然に変わるだろう。
もし変わる過程で意図があらわあれるならば、
名前のないもともとの非区別によって抑制するべきである。
名前のないもともとの非区別を経験すれば、意図のない状態があらわれる。
意図がなくなれば静かになり、天下は自然に安らかになるであろう。
///政治///具体像/道、天下//
60. Demons
治大國、若烹小鮮。以道莅天下、其鬼不神。非其鬼不神、其神不傷人。非其神不傷人、聖人亦不傷人。夫兩不相傷。故徳交歸焉。
大国を治めるのには、小魚を煮るようにする。*(*この行59章末尾説あり)
「道」が天下に普及すれば、悪はその力を失う。
それは、悪がもはや精神的力をもたないということではなく、
その力が人々を傷つけないということである。
実際、その力が人々を傷つけないばかりでなく、
まず、支配者が人々に害を及ぼさない。
どちらも傷つけることがないから、
互いに「道」によって利益が得られるのである。 小国→81
///政治///具体像/道、天下///
77. Need
天之道其猶張弓乎。?者抑之、下者擧之。有餘者損之、不足者補之。天之道損有餘而補不足。人之道則不然、損不足以奉有餘。孰能有餘以奉天下。唯有道者。是以聖人、爲而不恃、功成而不處、其不欲見賢。
自然の道は弓を引いた曲線に似ている。
上端のものは押し下げられ、下端のものは引き上げられる。
余りすぎは減らされ、足りないものは補われる。
自然の道は余っているものを減らし、足りないものを補うのである。
一方、人の道は足りないほうを減らし、余っているほうへ補うのである。
いったい余りすぎるものをもっていて天下の人々のためにおぎなうことのできる者は誰れか。
「道」を有した者だけがそれをできる。
それ故に、賢者はそれをするが、誰れがしているのかわからない。
成功しても、名声を求めない。
そして、他人よりも優れていることを見せびかすようなかことがあるだろうか。
///政治///具体像//静寂(治)/
57. Conquer with Inaction
以正治國。以奇用兵、以無事取天下。吾何以知其然哉。以此。 天下多忌諱、而民彌貧。民多利器、國家滋昏。人多智慧、邪事滋起。法令滋彰、盗賊多有。 故聖人云、我無爲而民自化、我好靜而民自正、我無事而民自富、我無欲而民自樸。
静けさによって国を指導せよ。
めずらしい作戦で戦争を行え。
何もしないで天下を勝ち取れ。
どうしてそれがわかるかといえば、
拘束と制限が多くなればなるほど、人々はますます貧しくなる。
人々が武器を多くもてばもつほど、国はますます混乱する。
こざかしいぺてん師が多くなればなるほど、奇妙なものはますます生じる。
法令と命令の押しつけが厳しくなればなるほど、盗賊と悪漢はますます多くなる。
だから、賢人はいう。
「私は行動しない。
そうすると、人々はおのずから教化される。
静寂にしていると、人々はおのずから落ち着いてくる。
何も干渉しなければ、人々はおのずから富み栄える。
私が欲望をなくしておれば、人々はおのずから本来の簡潔さに戻る。」
///政治///具体像//静寂(治)//
59. Restraint
治人事法、莫若嗇。夫唯嗇、是謂早服。早服、謂之重積徳。重積徳、則無不克。無不克。則莫知其極。莫知其極、可以有國。 有國之母、可以長久。是謂深根固柢、長生久視之道。
自然に従って人々を導くには、つつましくすることが最高である。
つつましくすることは戻ることを意味し、
戻ることは、徳を積み重ねることを意味する。
徳を積み重ねれば、あらゆるものがうまく扱われる。
あらゆるものが扱われると極限に至る。
極限において人は国を治めることができる。
源にあって国を治めれば永続できる。
根を深くし、幹を固くすれば、いつまでも生きながらえることができる。
だから、大きな国を治めることは料理を準備するように簡単である。*(*通常この行は60章冒頭に置く)
///政治///具体像//静寂(治)///
65. Subtlety
古之善爲道者、非以明民、將以愚之。民之難治、以其智多。故以智治國、國之賊。不以智治國、國之?。知此兩者、亦稽式。常知稽式、是謂玄徳。玄徳深矣、遠矣。與物反矣、然後乃至大順。
いにしえの「道」にすぐれた者は人々に打算的な思考をもたず、
それを知らないままにさせていた。
人々を治めることが難しいのは、彼らが知的分別をしているからである。
知的分別によって国を治めることは有害である。
知的分別によらないで国を治めることは幸福である。
この違いを知って規範をつくる。
この規範を知ることは深遠な「徳」である。
深遠な「徳」は奥深く遠くまでとどく。
それはものの後戻りであり、「道」との大いなる調和へと至るのである。
///政治///具体像///理想(國)/
54. Cultivate Harmony
善建者不抜、善抱者不脱。子孫以祭祀不輟。修之於身、其徳乃眞。修之於家、其徳乃餘。修之於郷、其徳乃長。修之於國、其徳乃豐。修之於天下、其徳乃普。故以身觀身、以家觀家、以郷觀郷、以國觀國、以天下觀天下。吾何以知天下然哉。以此。
しっかりと基礎がおかれておけば、引き抜かれるものはない。
しっかりと抱かれておれば、抜きでるものは何もない。
子々孫々祭祀はとだえないだろう。
自己において道を修めれば、徳は本当のものとなり、
一家族において修めれば、徳はあり余るほどになる。
一つの村で修めれば、徳は永続するし、
一国において修めれば、徳はたくさんのものとなり、
天下において修めれば、徳はすべてをつつみこむものとなる。
このように、自己を通して自己を熟視し、
家族を通して家族を熟視し、
社会を通して社会を熟視し、
国を通して国を熟視し、
天下を通して天下を熟視できる。
私が天下をありのままにわかる理由は、こうするからである。
///政治///具体像///理想(國)//
61. Submission
大國者下流。天下之交、天下之牝。牝常以靜勝牡、以靜爲下。 故大國以下小國、則取小國。小國以下大國、則取大國。故或下以取、或下而取。大國不過欲兼畜人、小國不過欲入事人。夫兩者、各得其所欲、大者宜爲下。
大きな国はつつましく、貯水池のようである。
そこには、すべての流れが交わる。
それは天の受動性である。
受動性は静けさによっていつも能動性にまさる。
静けさは能動性よりも下位にある。
大きな国が小さな国よりも下位にあると、小さな国にまさり、
小さな国が大きな国よりも下位にあると、大きな国にまさる。
このように、つつましくなりながら、一方は他方にまさる。
あるいは、本来、低い地位にありながら、一方は他方にまさる。
大きな国はただ人々を導き、彼らを育てることを望む。
小さな国はただ他に従属し、たがいに仕事をすることを望む。 小国→80
///政治///具体像///理想(國)///
80. Utopia
小國寡民、使有什伯之器而不用。使民重死而不遠徙。雖有舟轝、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。使民復結繩而用之、甘其食、美其服、安其居、樂其俗。鄰國相望、雞犬之聲相聞、民至老死不相往來。
小さくて人口の少ない国がある。
数多くの道具があったとしても、誰れもそれを使わない。
人々は生命を大事にし、誰れも遠くに移住することを望まない。
船や車は役に立つが、誰れもそれらに乗らない。
すばらしい武器を所有していても、誰れもそれを使わない。
人々にもう一度、縄を結んで約束のしるしとしたような時代に戻らせ、
すばらしいごちそうで楽しませ、立派な服装を着させる。
自分の住居でおちつかせ、習慣を楽しませる。
隣の国はすぐ見えるところにあり、鶏の鳴き声や犬の吠えるのがきこえるけれど、
人々は互いに往き来することもなく、その人生を送るのである。 小国→61
TOP
/////
デカルト
☆スピノザ
プルードン ヘーゲル
マルクス 空海 カント
坂本龍馬 ハイデガー
☆柄谷 フロイト
ドゥルーズ 老子
アドルノ パーソンズ
カレツキ ゲゼル
ライプニッツ
スポーツ 文学☆☆
ガンジー
ラカン☆
ニーチェ ショーペンハウアー
孔子
インド哲学
_資本論
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アソシ| ||
エーション|キャピ||
___|タル ||
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ネーション ステート |
| | | 柄谷
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| | ___|_|______フーコー
| | /デュルケ|ム| / ウェーバー /|
| |/_____|_|/_______/ |
| / マルクス | / フロイト / |
|/___|___|/_______/ |
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| | | | |
| | | | |
| | |_______|____|____________________
| | /| | | デカルト 人 /|オ
| | / | | | / | / |
| |/ | | |/ | (認識/教育論) / |プ
| /___________|____間___|____________/ |
| /| | | /| (快、不快) /| |ス
| / | | | / | | / | |
| / (欲求) | 学 | / | | / | |・
|/___|___________|/___|___|__(性格論)_/ | |
| | | | | | | | |ポ
|永 | | | | | | | 論|
|遠 | | | | ライプニッツ | | |ス
|平 | |_______|____|___|_______|____|__理|
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|た |/ | | |/ | | |/ |ゥ
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|に /| | (徳|論) /| | | /| |ム
| / |人 倫|の | / |理性の限界内における | / | |
| /(法|学) |形 而 上 学| /宗教(目的論) | / | |ム
|/___|___|___(原論)|/___|___|_______|/ | |
| | | | | | | | |
| | | | | | | | |
| | |_______|____|___|_______|____|___|
| | /(テリックシステ|ム) | /(空間)(時間)|(数学)| /
| | / 純 粋 | 理 |性/ 批 判 |カテゴリ|ー/
| |/(ス ピ ノ ザ )| |/(物理学) | |/
| |___________|____アンチノミー______|____/
| / | / (美 学) | /
| / 実 践 理 性 批 判 | / 判 断 力 批 判 | /
| /(倫理学/徳or福) | / | /
|/_______________|/__________(目的論)|/
/80\
/\理想/\
/54\/61\
/\ /\
/77\ 具体像/65\
/道、天下\ /静寂(治)
/37\/60\/57\/59\
/\ /\
/76\ /58\
/武器戦術\ 政治 /\聖人/\
/50\/69\ /_3\/29\
/\ /\ /\ /\
/79\経済武器/36\ /67\ 態度 /74\
欲望(馬)、経済/\ /武器原則\ /\逆説術\ /\恐れ/\
/46\/75\/30\/31\/17\/18\/53\/72\
/\ /\
/78c /64\
/\水 /\ /\無為/\
/_8\/43\ /47\/63\
/\ /\ 道徳経 /\ /\
/55\ 比喩 /66\ /23\ 聖人 /73a
/\嬰児/\ /\ 谷/\ /\天地/\ /\ 善/\
/10\/28\/_6\/15\ /_5\/_7\/27\/49\
/\ /\ /\ /\
/62\ /40\ /44\ /71\
/\天下/\ 道 /\道、変幻自在 /\徳、知\ 徳 /\学問、知
/26\/52\ /25\/32\ /16\/33\ (修身) /56\/70\
/\ /\ /\ /\ /\ /\ /\ /\
/51\ 発生論/34b /45\ 逆説 /81\ /68\ 徳日常/24\ /35\感覚学問/48\
/\原理/\ /\物理/\ /逆説物/\ /逆説人/\ /\徳 /\ /\自身/\ /\感覚/\ /\学問/\
/39\/42\/_4\/11\/_1\/41b/_2\/22\/21\/38\/_9\/13\/12\/14\/19\/20\
スピノザとカントの関係は
返信削除老子と孔子の関係に似ている
ウェーバーはカルヴァン派を論じた『プロテスタンティズム〜』より、
返信削除『音楽社会学』が重要だ。
12音階の限界の指摘は、カテゴリー論(数学的圏論ではない)の限界に呼応する。
返信削除自然の形而上学的原理 1786年
理想社版全集第10巻
1、運動学|2、力動学
_____|_____
3、力学 |4、現象学
テリックシステム=物自体?
返信削除
返信削除<「無為自然」という考えは、交換様式Dを示唆しているといってよい(4)。>
<(4)このことはまた、老子がのちに道教の始祖とみなされた理由、そして、その道教が中国史において反国家的な社会運動の思想的源泉であり続けた理由を説明するものである。>
岩波『哲学の起源』15、219頁
2012.11.16
返信削除音楽、建築、原発、政治、中国、歴史、分類、図像学
文学、東洋思想、プラトン、アリストテレス、リンク:::::
老子『道徳教』について : 関本洋司のブログ
返信削除http://yojiseki.exblog.jp/7929118/#note
(聖人) 認識 (政治、武器)
↓
自然←発生論/逆説→人間
↑
(水) 倫理 (嬰児,小国)
追加:
以下、参考までに夏目漱石が大学のレポート(「老子の哲学」1892年)で描いた老子の解説図(新版全集第26巻より)。半角英数字は該当する章番号を付記した。
道 ┳絶対の道┳(一)範 囲 ┳無限25?,45?
┃ ┃ ┣無始
┃ ┃ ┗無終 62,25,4
┃ ┣(二)体(無為)┳無形41
┃ ┃ ┣無声41(希声) ,25(寂兮寥兮)
┃ ┃ ┗無臭 4,25,14,35,21
┃ ┗(三)用(有為)┳生万物
┃ ┣無意識にして法あり 57?
┃ ┗柔にして屈する能はず 34,51,40,42,79,73,37
┗相対の道┳人之道(損不足奉有余) 48,77,81
┣不 道(壮者必老) 30,55
┗非 道(盗夸[とうか]) 53
修身┳(ア)無為 <消極的>無爲 2,3,10,38,43,48,57,63,64
┃ ┣(一)学問を廃す┳(甲)講修学理するを廃す 20
┃ ┃ ┗(乙)致知格物の観察を廃す 48
┃ ┃
┃ ┣(二)行為を廃す┳(甲)道徳上┳仁 5,(18),19
┃ ┃ ┃ ┣義(18),19
┃ ┃ ┃ ┣礼(38)
┃ ┃ ┃ ┗智 5,18,19,38
┃ ┃ ┣(乙)美術上…音楽等 12
┃ ┃ ┗(丙)肉体の快楽…衣食の賛沢等 20
┃ ┃
┃ ┃ (たげんなればしばしばきゅうす)
┃ ┗(三)多言を廃す(多 言 数 窮 5
┃ (せいじんはふげんのおしえをおこなう)
┃ 又云聖人行不言之教) 47
┃
┗(イ)復帰於嬰児(えいじにふっきす)<積極的?> 28
┣(一)足ることを知れ 46
┣(二)柔を守り物と争ふなかれ 76,78,66,68
┗(三)静に安んじて下に居れ 61,16,26
政治┳天下を得る方
┃ ┣(一)不敢為天下先〔敢えて天下の先と為らず〕 67
┃ ┗(二)能守道〔能く道を守る〕 32
┃
┗天下を得たる後…施悶々之政〔悶々の政を施す〕 60
┣(一)消極的┳徐刑罰[刑罰を除く] 74
┃ ┣撒甲兵[甲兵を撒す] 57,31
┃ ┗廃法令忌諱[法令忌諱を廃す] 57,(65)
┃
┗(二)積極的┳教育┳無智┳不尚賢[賢を不尚(たっと)ばず] 3
┃ ┃ ┣毀利器[毀利器毀(こぼ)つ] (57)
┃ ┃ ┗已技巧[技巧を已(や)む] (57)
┃ ┃
┃ ┗無欲┳不貴難得之財〔得難きの財を貴ばず〕3
┃ ┗去耳目之楽〔耳目の楽を去る〕 (12)
┃
┗方針┳守倹軽負〔賦〕収斂〔倹を守り賦斂(ふれん)を軽くす〕 75,67 ,(57吝嗇)
┣善下民〔善く民に下る〕 66
┣柔弱自居〔柔弱にして自ら居る〕柔弱36,76
┗因物性禦之〔物の性に因(よ)り之を禦す〕万物51?,64?
上記図(多少記載法がちがう)の所収された論文は『漱石文芸論集』(岩波文庫)でも一部紹介されている。漱石が「復帰於嬰児」を積極的かどうか迷っていたり、老子をワーズワースと比較しているところが面白い。また、漱石は老子の水に関する記述を完全に比喩として考えているようだ。
ヘーゲルとの違いを絶対的意識の有無に見ているのも興味深い。
老子、道徳教
返信削除第八十章
小國寡民、使有什伯之器而不用。使民重死而不遠徙。雖有舟轝、無所乗之、雖有甲兵、
無所陳之。使民復結繩而用之、甘其食、美其服、安其居、樂其俗。鄰國相望、雞犬之聲
相聞、民至老死不相往來。
小国(しょうこく)寡民(かみん)、什伯(じゅうはく)の器(き)あるも用いざらしむ。
民をして死を重んじて遠く徙(うつ)らざらしむ。舟轝(しゅうよ)ありといえども、
これに乗るところなく、甲兵(こうへい)ありといえども、これを陳(つらぬ)るところ
なし。人をしてまた縄を結びてこれを用い、その食を甘(あま)しとし、その服を美とし、
その居に安んじ、その俗を楽しましむ。隣国(りんごく)相望み、雞犬(けいけん)の
声相聞こゆるも、民は老死に至るまで相往来(おうらい)せず。
小さくて人口の少ない国がある。
数多くの道具があったとしても、誰れもそれを使わない。
人々は生命を大事にし、誰れも遠くに移住することを望まない。
船や車は役に立つが、誰れもそれらに乗らない。
すばらしい武器を所有していても、誰れもそれを使わない。
人々にもう一度、縄を結んで約束のしるしとしたような時代に戻らせ、
すばらしいごちそうで楽しませ、立派な服装を着させる。
自分の住居でおちつかせ、習慣を楽しませる。
隣の国はすぐ見えるところにあり、鶏の鳴き声や犬の吠えるのがきこえるけれど、人々は互いに往き来する
こともなく、その人生を送るのである。
80. Utopia
Let your community be small, with only a few people; Keep tools in abundance, but do not depend upon them;
Appreciate your life and be content with your home; Sail boats and ride horses, but don't go too far; Keep weapons
and armour, but do not employ them; Let everyone read and write, Eat well and make beautiful things.
Live peacefully and delight in your own society; Dwell within cock-crow of your neighbours, But maintain your
independence from them.
http://nam21.sakura.ne.jp/tao/#note80
返信削除老子、道徳教
第八十章
小國寡民、使有什伯之器而不用。使民重死而不遠徙。雖有舟轝、無所乗之、雖有甲兵、
無所陳之。使民復結繩而用之、甘其食、美其服、安其居、樂其俗。鄰國相望、雞犬之聲
相聞、民至老死不相往來。
小国(しょうこく)寡民(かみん)、什伯(じゅうはく)の器(き)あるも用いざらしむ。
民をして死を重んじて遠く徙(うつ)らざらしむ。舟轝(しゅうよ)ありといえども、
これに乗るところなく、甲兵(こうへい)ありといえども、これを陳(つらぬ)るところ
なし。人をしてまた縄を結びてこれを用い、その食を甘(あま)しとし、その服を美とし、
その居に安んじ、その俗を楽しましむ。隣国(りんごく)相望み、雞犬(けいけん)の
声相聞こゆるも、民は老死に至るまで相往来(おうらい)せず。
小さくて人口の少ない国がある。
数多くの道具があったとしても、誰れもそれを使わない。
人々は生命を大事にし、誰れも遠くに移住することを望まない。
船や車は役に立つが、誰れもそれらに乗らない。
すばらしい武器を所有していても、誰れもそれを使わない。
人々にもう一度、縄を結んで約束のしるしとしたような時代に戻らせ、
すばらしいごちそうで楽しませ、立派な服装を着させる。
自分の住居でおちつかせ、習慣を楽しませる。
隣の国はすぐ見えるところにあり、鶏の鳴き声や犬の吠えるのがきこえるけれど、人々は互いに往き来する
こともなく、その人生を送るのである。
80. Utopia
Let your community be small, with only a few people; Keep tools in abundance, but do not depend upon them;
Appreciate your life and be content with your home; Sail boats and ride horses, but don't go too far; Keep weapons
and armour, but do not employ them; Let everyone read and write, Eat well and make beautiful things.
Live peacefully and delight in your own society; Dwell within cock-crow of your neighbours, But maintain your
independence from them.
柄谷は哲学の起源岩波版で老子の無為自然を「交換様式Dを示唆している」と評価している
返信削除
返信削除柄谷は哲学の起源岩波版15頁で老子の無為自然を「交換様式Dを示唆している」と評価している
返信削除柄谷は哲学の起源岩波版15頁で老子の無為自然を「交換様式Dを示唆している」と評価している
かつて柄谷が老子をここまで評価したことはなかった
韓非子 孔子
+
諸子百家 老子
反国家的社会運動の思想的源泉であり続けたことを評価したらしい
219頁注
(→リンク::::::)
返信削除
返信削除柄谷は『哲学の起源』(岩波版15頁)で老子の無為自然を「交換様式Dを示唆している」と評価している。
かつて柄谷が老子をここまで評価したことはなかった。
交換図だと以下になる。
韓非子 孔子
+
諸子百家 老子
道教が反国家的社会運動の思想的源泉(219頁注)であり続けたことを評価したらしい。
法家への同化が同時に指摘されてはいるが、
黄巾の乱などは『世界史の構造』(233頁)でも特記されていた。