木曜日, 1月 17, 2019

不良少年の定理:再考




                 (経済学マルクスリンク::::::::::
市場の失敗(Wikipedia、八田達夫、ゲーリー・ベッカー)
ゲーリー・ベッカー 不良少年の定理
不良少年の定理:再考
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/httpseprints.html@
同定理については釜田公良『世代間所得移転政策と家族の行動』2000
#4「アテンション,不完備情報と世代間所得移転政策」に詳しい
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b331441.html
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002060721-00


参考:
スペンス シグナリング理論 ハーバード学派?
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_19.html



Rotten-Kid Theorem 
放蕩息子、あるいは不良少年の定理:
ベッカー1974,1991によれば、子は、利己的であるにもかかわらず、家族の総所得が最大になるようなアクションを選択する…
パレート最適は自動的に達成される、という

Becker, G. S[. 1974]“A theory of social interactions
https://www.nber.org/papers/w0042.pdf
"No Man is an Island"John Donne, Devotions Upon Emergent
"Man Is a Social Animal"Seneca, De beneficlis

____

Hirsleifer 1977 後述 より:
実験経済学
自給自足(Self-sufficiency)

不良少年の定理の逆パターン


鷲田論考









Title 公共財の私的供給に関するナッシュ均衡の安定性 Sub Title ...

  
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koara.lib.keio.ac.jp/.../AN00234610-20080101-0029.pdf?...
小特集 : 環境経済学の新展開(下). Genre ... Bergstrom [2, 3] は,この公共財の私的供給に関するナッシュ均衡が,私的財 ...... 


公共財の私的供給に関するナッシュ均衡の安定性
Stability of Nash Equilibrium in the Private Provision of Public Goods
鷲田豊明(Toyoaki Washida)
一人一人が環境を良くしようとする行為は公共財の私的供給として表現できる。そして,
この集合的行為においては,ゲーム論でいうナッシュ均衡を定義することができる。ある
受け入れ可能な想定のもとで, このナッシュ均衡がユニークに存在することは以前から知
られていた。しかし, この均衡の安定性については,十分議論されてこなかった。

Bergstrom 2, 3は, この公共財の私的供給に関するナッシュ均衡が私的財
も公共財もともに正常財であるというごく弱い仮定の下でユニークであることを証明した。


2] Bergstrom,T., L. Blume and H. Varian, 1986, "On the private public goods," Journal of
Public Economics, 29:25-49.
[3] Bergstrom,T., L. Blume and H. Varian, 1992, "Uniqueness of Nash equilibrium in private
provision of public goods: An improved proof," Journal of Public Economics, 49:391-392.




公共財の私的供給に関するナッシュ均衡の安定性
Stability of Nash Equilibrium in the Private Provision of Public Goods
鷲田豊明(Toyoaki Washida)
一人一人が環境を良くしようとする行為は公共財の私的供給として表現できる。そして,
この集合的行為においては,ゲーム論でいうナッシュ均衡を定義することができる。ある
受け入れ可能な想定のもとで, このナッシュ均衡がユニークに存在することは以前から知
られていた。しかし, この均衡の安定性については,十分議論されてこなかった。本論文
では,一人一人の自発的な公共財供給行為はどのような状況の下でナッシュ均衡を安定に
するのかを明らかけるとともに,その条件が社会形成や交渉の妥結可能性に対する理解
の一つのカギになることを示す。
Abstract
A behavior where everyone contributes to a better environment can be represented as a
private provision of public goods. We can define this collective act hereinafter in game
theory terms as the
known that this Nash equilibrium exists uniquely. However, the stability of this
equilibrium has not been sufficiently discussed. This study clarifies under which
conditions the voluntary public goods provision behavior from individuals leads to Nash
equilibrium stability. In addition, it indicates the conditions under which it becomes one
AN00234610-20080101-0029.pdf
人一人が環境を良くしようとする行為は公共財の私的供給として表現できる。
そして,
この集
合的行為においては,ゲーム論でいうナッシュ均衡を定義することができる。ある受け入れ可能な
想定のもとで, このナッシュ均衡がユニークに存在することは以前から知られていた。しかし,
の均衡の安定性については十分議論されてこなかった。本論文では,一人一人の自発的な公共財
供給行為はどのような状況の下でナッシュ均衡を安定にするのかを明らかにするとともに,その条
件が社会形成や交渉の妥結可能性に対する理解の一つのカギになることを示す。
3
キーワード
ナッシュ均衡,
安定性,
公共財
はじめに
環境は公共財的性格を強く持ち,一個人や一企業さらには一国家による自発的環境保全行為は公
共財の私的供給としてとらえることができる。相互に他者の行為が自己の最適状態に影響を与える
ために,全体としての適切な環境提供水準が確定しない。そこで一般に非協力ゲームのナッシュ均
衡が一つの均衡概念として用いられる。ナッシュ均衡は,均衡において, どの主体も状態を変更す
る誘因を持たない° Bergstrom 2, 3は, この公共財の私的供給に関するナッシュ均衡が私的財
も公共財もともに正常財であるというごく弱い仮定の下でユニークであることを証明した。この
均衡の安定性については, Cornes[1]が,プレーヤーが二人の場合に,均衡が二つある場合には,
つが安定でもう一つが不安定であること,あるいは均衡が一つの場合は安定であるというごく初
歩的な言及があるのにとどまっている。
3人以上の場合には,均衡がたとえ一つであっても,必ずしも安定にならない。この見通しの悪
さと問題の複雑性が, このナッシュ均衡の安定性についての議論を不足させている原因と考えられ

iPad
10:38
く戻る
AN00234610-20080101-0029.pdf
2
2
2
2
である。
したがって式
(12)
が成立する。
(上智大学大学院地球環境学研究科教授)
参考文献
[1] Cornes,R. and T.Sandler, 1996, The theory of externalities, public goods, and club goods,
Cambridge University Press.
2] Bergstrom,T., L. Blume and H. Varian, 1986, "On the private public goods," Journal of
Public Economics, 29:25-49.
[3] Bergstrom,T., L. Blume and H. Varian, 1992, "Uniqueness of Nash equilibrium in private
provision of public goods: An improved proof," Journal of Public Economics, 49:391-392.
[4] Fisher, F. M., 1961, "The Stability of the Cournot Oligopoly Solution: The Effects of Speeds
of Adjustment and Increasing Marginal Costs," Review of Economic Studies, 28(2):125-135.
(5] Gibbons, R., 1992, Game Theory for Applied Economists, Princeton University Press.
45 (929)
19



TBergstrom and J.H.Miller 著 Experiments with Economic Principles. ミクロ経済 の基礎を実験室実験を通じて学ぶ本。

Experiments with Economic Principles: Microeconomics (英語) ペーパーバック – 1999/8/9


_____


Image from GyazoImage from Gyazo 

家計財と公共財に関する家族の自発的供給行動
田中藍子
2006 

1.はじめに本稿では,便益の及ぶ範囲の異なる2種類の公共財:通常の公共財と家計財を自発的に供給するときの均衡値を比較する。本稿で述べる通常の公共財とは,経済に存在するすべての消費者に便益が及ぶ純粋公共財のことである。通常の公共財を自発的に供給する例として,社会福祉団体への寄付行為が考えられる。ある消費者が社会福祉団体へ寄付を行えば,寄付によって社会福祉の水準が向上するだろう。社会福祉水準の向上は,その社会に存在するすべての消費者に認識され,享受されるものであるから,純粋公共財の性質を有すると考えられる。伝統的な公共財の自発的供給モデルにおいては,公共財は1つ,または複数存在している場合でも,すべて純粋公共財であることが仮定されている。しかし,実際には家族の中だけでは純粋公共財として作用するが,他の家計には特に外部性を及ぼさないような財がたくさん存在するだろう。例えば,自家用車,住居,本やCDなどは家族で共用されることの多い財である。Chen and Woolley(2001)は,このような財を家計財(household goods)と呼び,夫婦間で非協力的に供給するモデルを提示し,夫婦間で適切な所得移転を行えばパレート最適が達成されうることを示した1)。本稿のモデルでは,子の効用を考慮するような利他的な親と,親の効用を考慮しない利己的な子1人ずつを含む集団を1家族として,2人2家族モデルを考える。4人はそれぞれ2種類の公共財に自発的な供給を行う。1つは通常の公共財(以下では,単に「公共財」と表現する)で,これは2家族4人全体に純粋公共財として作用するものである。もう1つは家計財で,供給者が属する家族2人にのみ純粋公共財として作用するようなクラブ財である。このとき,対数型効用関数を仮定して2),親が子に対して所得移転を行っても,パレート最適が達成されないことを示す。利他的な親が利己的な子に所得移転を行う場合,子が利己的であるにもかかわらず,家族にとって最適な行動をとることをいうRotten-Kid Theorem(放蕩息子の定理:Becker(1974))3)が成立しているかどうかは,公共財の自発的供給モデルにおいても研究されている。Bergstrom(1989)は譲渡可能効用関数であればRotten-Kid Theoremが成立することを示した。Cornes and Silva1)ただし,Chen and Woolley(2001)は互いの効用を考慮する夫婦を仮定した。2)対数型効用関数を用いた先行研究には, Stark, O. and Falk(1988)などがある。3)Rotten-Kid Theorem の証明については釜田(2000)を参照。親と子両方の所得が子の行動の関数となっていて,かつ,親が子の行動を所与として観察した後に遺産等の所得移転を行う場合,子が家族の総所得を最大化する行動をとり,結果的にパレート最適が達成されることをいう。公共財の自発的供給問題については,子の行動を観察後に親が子に対する所得移転を行うような2段階ゲームのサブゲーム完全均衡解が,もし親が家族の予算制約のもとで選べるならば選ぶであろう親にとっての最適な解と一致することをいう。


AppendixGRotten-KidTheoremが成立するのは,以下の最大化問題の解が(A4)と一致するとき;s.t.Kuhn-Tucker条件から,(5),(6)と同じ反応関数が求められる。子の公共財供給が正であることから内点解であることが要求され,家族1と家族2の公共財供給量を求めることができ,上記の最大化問題の解は私的財,家計財,公共財について(A4)と一致する。(A4)はサブゲーム完全均衡解なので,親が家族の総所得のもとで親の効用を最大化する解と,サブゲーム完全均衡解が一致することから,Rotten-KidTheoremが成立する。
Appendix G
Rotten-Kid Theorem が成立するのは,以下の最大化問題の解が(A4)と一致するとき;
**%&$( #$%'(("$%'(("'""$('%'"("'""$(%%'!
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s . t . +( $ (" (" " ( " &(
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ら内点解であることが要求され,家族1と家族2の公共財供給量を求めることができ,上記の最大 化問題の解は私的財,家計財,公共財について(A4)と一致する。(A4)はサブゲーム完全均衡解なの で,親が家族の総所得のもとで親の効用を最大化する解と,サブゲーム完全均衡解が一致すること から,Rotten-Kid Theorem が成立する。





参考文献
Becker, G. S[. 1974]“A theory of social interactions.”Journal of Political Economy, Vol.82, pp.1063-93. Bergstrom, T[. 1989]“A fresh look at the rotten kid theorem and other household mysteries.”Journal of
Political Economy, Vol. 97, pp. 1138-59.
, Blume, L. and Varian, H[. 1987]“On the private provision of public goods.”Journal of Pub-
lic Economics, Vol. 29, pp. 25-49.
Buchanan, M[. 1975]“The Samaritan’s dilemma.” Altruism, Morality, and Economic Theory (ed. E. S.
Phelps), New York : Russel Sage Foundation.
Chen, Z. and Woolley, F[. 2001]“A Cournot-Nash Model of family decision making.”Economic Journal,
Vol.11, pp.722-748.
Cornes, R. and Itaya, J[. 2004]“Models with two or more public goods.”Work shop of economics at
Hokkaido University.
and Silva, E[. 1999]“Rotten kids, purity and perfection.”Journal of Political Economy, Vol. 107,
pp. 1034-40.
釜田公良[2000]『世代間所得移転政策と家族の行動』勁草書房.
Stark, O. and Falk, I[. 1988]“Transfers, empathy formation, and reverse transfers.”American Economic
Review, Vol. 88, pp. 271-276.
Warr, P[. 1983]“The private provision of public good is independent of the distribution of income.”Eco-
nomic Letters, Vol. 13, pp. 207-11,. 





身体障害者の活動支援施設の経済便益 松島格也1・小林潔司2・吉川和広3・肥田野秀晃4 1正会員 工修 京都大学助手 大学院工学研究科土木工学専攻(〒606-8501京都市左京区吉田本町) 2正会員 工博 京都大学教授 大学院工学研究科土木工学専攻(〒606-8501京都市左京区吉田本町) 3フェロー会員 工博 関西大学教授 工学部土木工学科(〒564。8680吹田市山手町3-3-35) 4学生会員 関西大学大学院 工学研究科土木工学専攻(〒564-8680
吹田市山手町3-3-35) 本研究では, 身体障害者の活動支援施設の整備に対する健常者の支払い意思額を潜在市場評価法(CVM)を用いて計測するための方法論を提案する. 健常者の障害者支援施設に対する支払い意思額が, 自らの現在及び将来の利用可能性に対する利己的動機, 障害者に対する慈愛心に基づく利他的動機, 義侠心に基づく父権的動機により構成されることを指摘し, それぞれの動機を識別するための支払い意思額指標を定式化する. さらに, 適用例を通じて提案した方法論の有用性について考察する. Key Words: CVM, willingness to pay, handicapped supporting facility, altruistic motives1. はじめに 近年, 人々のモビリティが飛躍的に増加する一方, 身体障害者のモビリティ環境の改善が課題となっている. 通常の公共財整備の場合, 便益を享受する家計が整備費用を負担すべきであるという受益者負担の原則が存在する. しかし, 身体障害者の活動を支援する施設(本研究では活動支援施設と呼ぶ)の整備に対しても受益者負担の原則を適用できるか否かに関しては, 便益の内容も含めてなお議論の余地があろう.  活動支援施設の整備により身体障害者が便益を享受することは明らかである. しかし, 健常者も活動支援施設整備により便益を享受する. また, 健常者自身も将来ハンディキャップを持つ可能性があり, 活動支援施設の整備に対してオプション的な価値を持つ. また, 身体障害者に対する同情に基づいた支払い意思や, いわゆるシビルミニマムが整備されることに関する倫理的な支払い意思を持つだろう. 租税負担者の大半が健常者であることを考慮すれば, 健常者の活動支援施設の整備に対する支払い意思額を測定することが重要である.  本研究ではCVM(Contingent Valuati0n Method)法を用いて身体障害者の活動支援施設の整備便益を計測する方法論を提案する. その際, 自己の現在及び将来の利用可能性に対する利己的動機, 身体障害者に対する慈愛心に基づく利他的動機, あるいは義侠心に基づく父権的動機等による支払い意思額の大きさを相互に比較することが可能となるような支払い意思額指標を提案する. 本研究では, 支払い意思額の中に利他的動機に基づく部分が含まれている際, 支払い意思額の単純な集計化による方法では, 代替案の正確な序列化ができない可能性や便益の2重計算の可能性があることを指摘する. その上で, このような問題を回避しうるような支払い意思額と集計化方法を提案する.  以上の問題意識に基づいて, 本研究では身体障害者のための活動支援施設の整備便益を測定するCVM手法を提案する. 以下, 2. では本研究の基本的な考え方について説明する. 3. では, 家計の効用関数を定式化する. 4. で支払い意思額の定式化, 5. で支払い意思額の集計化方法を提案する. 6. では適用事例を示すこととする. 2. 本研究の基本的な考え方(1)従来の研究概要 CVM手法に関して多くの理論的・実証的研究があり, 実務への適用も試みられている. CVMを用いて支払い意思額を推定する際に生じる種々のバイアスに関して膨大な研究が蓄積されている. これらの研究成果は参考文献1)一7)で詳細に議論されている. 土木計画学においても, CVM手法を用いた便益計測例が蓄積されている7). しかし筆者の知る限り身体障割者の活動支援施設に関してCVM手法を用いた適用事例はそれほど多くない. 身体障害者の活動支援施設の経済便益を計測するためには, これらの施設整備費用の直接的な負担者である健常者の支払い意思額を積極的に推計することが必要である. 健常者も1)現時点及び将来時点における利用可能性という利己的動機8), 2)身体障害者に対する慈愛心や義侠心に基づく利他的な支払い意思を持っ. 前者は不確実性下における便益計測の問題でありCVM手法の適用事例も多い. 一方利他的動機に基づく便益
に関しては便益の2重計算をもたらす可能性が指摘された9)一13). なかでも, Bergstromは家計が他人の人命の価値に対する利他的動機を持つ場合, 利他的動機を含めて人命の統計的価値を計測すれば人命の価値の2重計算になることを指摘した9). しかし, Jones-Leeは家計が他人の直面している安全性のみに関心を持ち他の厚生の側面には配慮しない場合には, 利他的動機に基づく便益が存在することを明らかにした10), 11). その結果, 1)利他的動機による便益計算が便益の完全な2重計算となるのは, 家計が純粋利他主義と呼ばれる特殊な選好を持つ場合に限られること, 2)一般的な利他的動機に基づいた便益は, その全部ではないにしろ実質的な経済価値を一部持ちうることが明らかとなった. これら既存の利他的動機に基づく便益計測事例は人命の統計的価値と関連しており12), 13), 他人の死亡率の変化に対する支払い意思額を計測することが課題となっている. 本研究で対象とする身体障害者の活動支援施設の場合, 家計は現在, 及び将来の利用可能性に対する利己的効用と身体障害者に対する利他的効用の双方を持っており, これらの特性を明示的に考慮しうるような便益測定の方法が必要となる. また, 利他的動機に基づく便益計測に関しては, 集計的順序保存性の問題も存在する13). 5. (2)で考察するように, 家計が利他的動機を持つ場合, 支払い意思額の中に福祉の向上に対する評価が含まれるため, 個人の支払い意思額の集計値の評価結果が, 社会的厚生関数に基づいた評価結果と矛盾する可能性がある. 以上の問題意識に基づいて, 本研究では, 1)家計の支払い意思額を利他的, 利己的動機に基づく部分に分割でき, 2)利他的動機に基づく支払い意思額の2重計算を回避し, 3)支払い意思額の集計化における整合性を満足しうるような便益計測の方法を提案する. 

9) Bergstrom, T. C.: When is a man's life worth more  than his human capital?, In: Jones-Lee, M. W. (ed. ),  The Value of Life and Safety, North-Holland, 1982. 
10) Jones-Lee, M. W.: Altruism and the value of other  people's safety, Journal of Risk and Uncertainty,  Vol. 4, pp. 213-219, 1991. 
11) Jones-Lee, M. W.: Paternalistic altruism and the  value of statistical life, The Economic Journal, Vol.  102, pp. 80-90, 1992.
 12) Milgrom, P.: Is sympathy man economic value?  Phylosophy, economics and the contingent valuation  method, In: Hausman, J. A. (ed. ): Contingent Valua- tion: A Critical Assessment, North-Holland, 1993. 
13) Johansson, P. -0.: Altruism and the value of statis- tical life: Empirical implications, Journal of Health  Economics, Vol. 13, pp. 111-118, 1994. 
14) Harsanyi, J. C.: Cardinal welfare, individualistic  ethics, and interpersonal comparison of utility, Jour- nal of Political Economy, Vol. 63, pp. 309-321, 1955. 



釜田2000☆が61頁で言及、
リア王は子の効用関数のタイプを知らなかった…

  • "The Theory of Speculation Under Alternative Regimes of Markets", 1977, JFinance
上ではなく以下、
Hirshleifer, Jack, 1977, Shakespeare vs. Becker on Altruism: The Importance of Having the Last Word. Journal of Economic Literature 15, 500502.

https://cruel.org/econthought/profiles/hirshleifer.html

ジャック・ハーシュライファー (Jack Hirshleifer), 1925- 

原ページ
 

UCLA の経済学者ジャック・ハーシュライファーは、経済学に 不確実性と情報 の理論を適用した先駆者の一人だ。初期の研究は 投資理論y についてのもので、特にフィッシャー的 な 金利と投資のリアル理論 (1958, 1970) を復活させたのが有名だ。その分析を進めて、かれはケネス・アロー状態選好アプローチ の最初期の応用として、不確実性の元での投資理論を含めるようにした (1965, 1966)。またかれは情報理論のパイオニアでもあり、悪名高い 1971 年論文では情報が多すぎると福祉が下がることがある、というパラドキシカルな結果を導いている。その後もかれは、不確実性と情報の問題を研究し続けた――時に金利の時間構造 term structure と、流動性や投機の役割を説明するのにそれを使った。また新古典派経済学に「進化」の考え方をくっつけたのもハーシュライファーだ。

ジャック・ハーシュライファーの主要著作

  • "On the Theory of Optimal Investment Decision", 1958, JPE.
  • "The Bayesian Approach to Statistical Decision: An exposition", 1961, Journal of Business.
  • "Investment Decision Under Uncertainty: Choice-theoretic approaches", 1965, QJE.
  • "Investment Decision Under Uncertainty: Applications of the state-preference approach", 1966, QJE.
  • "A Note on Böhm-Bawerk/Wicksell Theory of Interest", 1967, RES.
  • Investment, Interest and Capital, 1970.
  • "The Private and Social Value of Information and the Reward to Inventive Activity", 1971, AER.
  • https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1971%20AER%20Hirshleifer.pdf
  • "Liquidity, Uncertainty and the Accumulation of Information", 1972, in Carter and Ford, eds, Uncertainty and Expectation in Economics.
  • "Where Are We in the Theory of Information?", 1973, AER.
  • "Speculation and Equilibrium: Information, risk and markets", 1975, QJE.
  • "The Theory of Speculation Under Alternative Regimes of Markets", 1977, JFinance
  • "Economics from a Biological Standpoint", 1977, JLawE.
  • "The Analytics of Uncertainty and Information: An expository survey", with J.G. Riley, 1979, JEL.
  • Price Theory and Applications, 1980.
  • The Analytics of Uncertainty and Information, with J.G.Riley, 1992.
  • "The Legal Battle: Application of Warfare Models to Litigation", 1998

ジャック・ハーシュライファーに関するリソース

進化経済学

Link 実例豊富な経済学入門書

ミクロ経済学で最も応用が利くのは、その発想法にある。たとえば
ドライバーにシートベルトを着用することを強力に義務づける法律は、交通事故の死亡者数にどのような影響を与えるか。
に対する経済学的な回答は
ドライバーの死亡が増えることはないが、歩行者の死亡は増える。
となる。シートベルトによってドライバーは安全になるが、その意識から注意力が低下すると推測されるからだ。こうした考え方を、野口先生はローパワード経済学と呼んだ。
Price Theory And Applications: Decisions, Markets, And Information実は上の問いは、ハーシュライファー『価格理論とその応用』(第3版、マグロウヒル、1988年)の第1章の問題から採ったものだ。「価格理論」はミクロ経済学の旧称で、すなわち同書が新しい本ではないことを物語っているのだが、入門書としての実用性はかなり高い。第2章の冒頭で、経済学の発想法を2つに集約している。
本書の、そして一般に経済学全般についてさえ、事実上すべての分析が2つの分析手法だけを用いているということは、注目すべきである。2つの分析手法とは、(1)最適を見つけることと、(2)均衡を見つけることである。学生は、どのような疑問に出会った場合にも、「これは最適化の問題なのか均衡の問題なのか」を自問すれば、まず迷うことはないであろう(p.31)。
同書は名著だと思うのだが、マグロウヒルが日本市場を一時期撤退していたからか国内では絶版となり、かといってアマゾンでプレミアがついているわけでもなく、単なる古書扱いになっている。(かくいう私も新古書店で購入した。)米国では版を重ねて第7版にまでなっているが、こちらも売れているわけではなさそうだ。もったいない気がするので、ここで紹介しておいた。
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補論1
 Rotten‐Kid Theoremは以下のように証明することができる。親と子が次のタイミングでゲームを行うとする。
(i)子がアクションαを4=[0,∞)から選ぶ。
(ii)親が,aを観察して,遺産bをB=[0,∞)から選ぶ。
 親と子の効用関数はそれぞれ次のように表される。
(A1)  Up=v(yp(a)-b)+δUk
(A2)  Uk=u(y(a)+b)
ここで、yp(a),yk(a)はそれぞれ親と子の所得であり,子のアクションの関数であるとする。また,y''p(α)<0,y''k(α)<0であり,それぞれ異なるアクシヨンの水準の下で極大値をとるものとする。δは親が子の効用に置くウェイトである。以上の効用関数について,v′>0,v″<0,u′>0,u″<0および,δ>0を仮定する。
 親は,子が選んだアクションを所与として,遺産を決定する。親の最適化問題は次のように表される。
   Maxv(yp(a)-b)+δu(yk(a)+b)
   b>_0
内点解を仮定すれば,この問題の1階条件は次式で表される。
(A3)          -v'(yp(a)-b)+δu'(yk(a)+b)=0
これより,各タイプの子について,親の反応関数が得られる。
      b=b*(a)
ここで,
(A4)      b*'(a)=v''y'p(a)-δu''y'k(a)/v''+δu''
である。
 子の最適化問題は次のように表される。
      Maxv(yk(a)+b*(a))
      b>_0
内点解を仮定すれば,この問題の1階条件は次式で表される.
(A5) u'(yk(a)+b*(a))[y'k(a)+b*'(a)]=0
(A4)を(A5)に代入し、整理すると、次のようになる。
(A6) u'k(yk(a)+b*(a))[y'k(a)+b*'(a)]=u'v''/v''+δu''・[y'k(a)+y'p(a)]=0

u'v''/(v''+δu'')>0より、y'k(a)+y'p(a)=0が導かれる。すなわち,子は家族の総所得が最大になるアクションを選択する。

2 Comments:

Blogger yoji said...

目次 / p5 (0006.jp2)
はしがき / p1 (0004.jp2)
謝辞 / p3 (0005.jp2)
第1章 はじめに:公的な世代間所得移転と私的な世代間所得移転 / p3 (0008.jp2)
1.世代間所得移転政策 / p3 (0005.jp2)
2.家族の行動 / p4 (0009.jp2)
3.リカードの等価定理 / p8 (0011.jp2)
4.本書の構成 / p9 (0011.jp2)
第2章 家族間の所得格差と世代間所得移転政策 / p15 (0014.jp2)
1.はじめに / p15 (0014.jp2)
2.将来所得の不確実性と家族間の所得格差 / p16 (0015.jp2)
3.年金が家族間の所得配分に及ぼす影響 / p22 (0018.jp2)
4.年金が各家族の消費と総消費におよぼす影響 / p32 (0023.jp2)
5.むすび / p41 (0027.jp2)
第3章 内生的出産選択と世代間所得移転政策 / p45 (0029.jp2)
1.はじめに / p45 (0029.jp2)
2.家族の消費と出産数の決定 / p47 (0030.jp2)
3.内生的出産選択とリカードの等価定理 / p49 (0031.jp2)
4.年金政策の中立性 / p50 (0032.jp2)
5.複数の家族が存在するケース / p52 (0033.jp2)
6.むすび / p57 (0035.jp2)
第4章 アテンション,不完備情報と世代間所得移転政策 / p59 (0036.jp2)
1.はじめに / p59 (0036.jp2)
2.モデル / p65 (0039.jp2)
3.シグナリングとRotten-kid Theorem / p66 (0040.jp2)
4.アテンションと遺産に対する世代間所得移転政策の効果 / p74 (0044.jp2)
5.むすび / p81 (0047.jp2)
補論1 / p82 (0048.jp2)
補論2 / p84 (0049.jp2)
第5章 サマリタンズ・ジレンマと世代間所得移転政策 / p89 (0051.jp2)
1.はじめに / p89 (0051.jp2)
2.モデル / p91 (0052.jp2)
3.貯蓄と遺産の決定 / p92 (0053.jp2)
4.世代間所得移転政策の中立性 / p96 (0055.jp2)
5.サマリタンズ・ジレンマにおける政府の戦略的行動 / p99 (0056.jp2)
6.むすび / p104 (0059.jp2)
補論 / p105 (0059.jp2)
第6章 流動性制約,生前贈与と世代間所得移転政策 / p109 (0061.jp2)
1.はじめに / p109 (0061.jp2)
2.モデル / p111 (0062.jp2)
3.流動性制約と最適所得移転のタイミング / p113 (0063.jp2)
4.流動性制約と利他的移転動機 / p114 (0064.jp2)
5.流動性制約と利他的移転動機:再考 / p117 (0065.jp2)
6.むすび / p122 (0068.jp2)
索引 / p125 (0069.jp2)
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5:09 午後  
Blogger yoji said...

日本労働研究雑誌
2015/4
佐野晋平
人的資本とシグナリング

10:06 午後  

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