金曜日, 5月 24, 2019

ジョン・ロジャーズ・コモンズ(John Rogers Commons、1862-1945)


ジョン・ロジャーズ・コモンズ(John Rogers Commons、1862-1945

コモンズ1934(負債ピラミッド、プルードン)

https://love-and-theft-2014.blogspot.com/2022/05/1934john-rogers-commons1862-1945.html 


NAMs出版プロジェクト: Thorstein Veblen, 1857-1929.
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/thorstein-veblen-1857-1929.html


貨幣は 、商品の生産に対する信用として創造され 、商品の取引に用いられて 、経済の中を循環する 。コモンズは 、 「クナップの 〝支払い共同体 〟とは 、履行共同体 ( p e r f o r m a n c e  c o m m u n i t y )でもある ★ 3 6 」と言う 。 「履行 」とは 、銀行融資によって実現する生産活動や商業活動のことである 。

★ 3 6 C o m m o n s ( 1 9 9 0 : V o l . 1 , p . 4 6 7 )
中野2016


制度経済学の諸理論:その比較図
              ~社会科学の系譜とMMT~
   1900年 世界恐慌             2000年 世界金融危機
 歴史学 ┏イネス  ポランニー     グリアソン         グレーバー 
 人類学 ┃ジンメル                       インガム
 社会学 ┃
     ┃ウェーバー 
 ドイツ ┃ ⬆︎
┏歴史学派┃クナップ(➡︎ケインズ、ラーナー、コモンズ)
┃    ┗━━┓
┃シュンペーター┃シュンペーター
┃       ┃     ┗━━━━➡︎━━┓          MMT
⬇︎ケインズ   ┗━━━➡︎ケインズ  ➡︎  ミンスキー ➡︎  レイ☆、ケルトン
┃ポスト・        ⬆︎ ┗➡︎ラーナー ⬆︎⬆︎       ミッチェル
┃ケインズ派       ┃カレツキ━━━━┛┃カルドア ムーア
┃            ┃         ┃      ラヴォア 
┃            ┃┏━━━━━━━━┛       (ケインズ➡︎┓)
┗(旧)制度学派   コモンズ  (ジョン・ガルブレイス)➡︎ ジェームズ・ガルブレイス☆
          ┏┛
 実務家      ⬆︎ エクルズ               グッドハート
          ホートリー                モズラー
         (ケインズ)

2019年4月9日京都大学レジリエンスユニットMMT勉強会中野剛志氏発表資料より
[ミッチェルを加筆。グリアソンだけ邦訳年。リンクとは別のグリアソンかも]

ジョン・ロジャーズ・コモンズ(John Rogers Commons、1862年10月13日 - 1945年5月11日)は、アメリカ経済学者、労働史家。ヴェブレンと並ぶ制度派経済学の代表者の一人。
オハイオ州西部のホランズバーグ出身。シラキュース大学を経て、1904年からウィスコンシン大学マディソン校の教授を務めた。集団的民主主義による合理的価値の実現を希求した。

業績編集

今日、コモンズの労働史の研究は、自身の制度経済学の理論に寄与していると考えられている。また、経済思想史における集団行動に関しても、価値ある貢献をしている。

著書編集

  • The Distribution of Wealth, 1893 (『富の分配』)
  • Social Reform and the Church, 1894 (『社会改革及び教会』)
  • Proportional Representation, 1896 (『比例代表制度』)
  • City Government, 1898 (『市政』)
  • Races and Immigrants in America, 1907 (『アメリカに於ける人種と移民』)
  • Horace Greeley and the Working Class Origins of the Republican Party, 1909 (『ホレス・グリーリーと共和党に於ける労働者階級の起源』)
  • Labor and Administration, 1913 (『労働及び行政』)
  • The Legal Foundations of Capitalism, 1924 (『資本主義の法制的基礎』)
  • Institutional Economics, 1934 (『制度経済学』)
  • The Economics of Collective Actions, 1950 (『集団的活動の経済学』)



改訂版: 
制度経済学の諸理論:その比較
     諸制度の性質  (諸)パラダイ ムをなす(諸)制度     分析の中心はインフォーマルな制度かフォーマルな制度か(制度との関連で見た)諸組織進化の理論 歴史と制度経済学の関係
シュモラー習慣とルール(慣習,道徳,法)の総体,これらは目的をもって,システムを形成する国家インフォーマルな制度とフォーマルな制度(習慣・法)諸制度からなる「機関」:人々,家族,社会団体,組合,企業,国家歴史的諸段階歴史学派
ヴェブレン思考習慣と共通行為
私的所有  営利企業 
有閑階級
インフォーマルな制度 暗に:組織とは制度である方法論的ダーウィニズム,制度の自然選択(+歴史的諸段階)歴史ヘの直接的依処
コモンズ個人の活動を制御する集団的活動活動的組織,コモン・ローフォーマルな制度ゴーイング·コンサーン(組織=制度)制度の人為的選択(+歴史的諸段階)定型化された歴史
メンガー全体にたいする機能性をあらわしている社会現象貨幣インフォーマルな制度とフォーマルな制度(有機的制度と実用主義的制度)暗に:組織とは制度であるイノヴェーション+模倣,見えざる手方法論論争;精密な方法対歴史的方法
ハイエクルールと秩序貨幣,言語,法(コモン・ロー)インフォーマルな制度(伝統)自生的秩序に対立し,様々なルールにもとづく)組織された秩序文化的進化,群選択を通じたルールの選択長期の文化史
ウィリアムソン取引のガバナンス様式市場,ヒエラルキーフォーマルな制度ヒエラルキー(組織=ガバナンス形態=制度)取引費用の最小化にもとづく選択(≠進化)大企業についてチャンドラー参照
ノースゲームのルール;フォーマルかつインフォーマルな制約,履行所有インフォーマルな制度とフォーマルな制度(制度というルールにおける)ゲームのプレーヤー;制度の様々な組織権力をもつ集団が新たなルールを導人する;経路依存性,ロックイン100間年単位の長期の歴史
青木ゲームをプレイするやり方に関する共有予想の自己維持的(均衡)システム企業フォーマルな制度組織は制度であると同時にプレーヤーであるくりかえしゲームの理論,複数均衡国民国家,部門,地域の共時的モデルに依処
レギュラシオン派基礎的諸関係のコード化;制度化された妥協賃労働者,国家,貨幣フォーマルな制度組織と制度との区別に言及(ノースを参照)制度的構図のなかで高まる緊張;危機により時期区分される進化アナール学派;歴史的マクロ経済学
ホジソン相互作用を構造化する,社会的に埋め込まれたルールのシステム言語インフォーマルな制度とフォーマルな制度組織は制度である(ヴェブレン的な)普遍的ダーウィニズム思考の歴史;「歴史的特殊性」の問題
*普通、メンガーは制度学派には入らない。オーストリア学派を比較のために入れている

比較表出典:

入門 制度経済学
著者名等 
ベルナール・シャバンス/著  
著者名等 
宇仁宏幸/訳  
著者名等 
中原隆幸/訳  
著者名等 
斉藤日出治/訳  
出版者  
ナカニシヤ出版
出版年  2007.4
大きさ等 19cm 178p
注記   
L’e´conomie institutionnelle./の翻訳
NDC分類 331.76
件名   経済学-制度学派  
要旨   
“制度”をめぐる経済学の冒険。古典的な制度経済学から最新の諸学派まで、“制度”をめぐる経済学の諸潮流をコンパクトに解説。
目次   
序章 経済学における制度主義の系譜;
1 制度主義の元祖;2 オーストリア学派とオルド自由主義;3 新制度派経済学;4 現代ヨーロッパの諸学派;5 制度主義の統一性と多様性

7 Comments:

Blogger yoji said...

中野
富国と強兵#13

のバランスシ ートの資産面 、すなわち銀行貸出が生産活動に与える影響にまで考察を及ぼしたのは 、ホ ートレ ーであった ★ 3 3 。

我々は 、アダム ・スミスによる富の生産と獲得の個人的自由の想定ではなく 、ホ ートレ ーによる富の生産と引き渡しの義務の想定から経済理論を始める 。 (中略 )スミスにおいては 、信用の理論と生産の理論は完全に分離していた 。というのも 、生産は交換価値のみを創造し 、信用は別のスト ーリ ーを起点にしていたからだ 。しかし 、ホ ートレ ーにおいては 、生産の理論は 、同時に生産と信用の理論である 。というのも生産は 、商品を得る者には負債を 、商品を引き渡す者には同等の信用を創造するからである ★ 3 4 。

生産と信用を結びつけたホ ートレ ーの議論とは 、要すれば 、次のようなものである 。商人が生産者に商品の注文を出すと 、生産者は商品の生産に必要な費用 (原材料費と人件費 )を 、銀行から借り入れる (この時 、預金が同時に創造される ) 。生産者は 、生産を行い 、原材料費と賃金を支払う 。生産者は 、商人に商品を引き渡し 、商人はその代金を支払うために銀行から借り入れる 。生産者は支払われた貨幣を銀行への返済に充てる 。商人は商品を消費者に販売し 、消費者は労働者として受け取った賃金の内から代金の支払いを行う 。商人は受け取った代金を銀行への返済に充てる 。銀行への返済によって 、預金は消滅する 。 「消費者の購買力は 、商人が銀行から借り入れる信用から主に供給されている 。信用は生産から生じ 、消費において消滅する ★ 3 5 。 」



★ 3 3 C o m m o n s ( 1 9 9 0 : V o l . 1 , p . 4 7 2 ) ;古川顕 『 R ・ G ・ホ ートレ ーの経済学 』ナカニシヤ出版 、 2 0 1 2年 、 p . 2 8 。
★ 3 4 C o m m o n s ( 1 9 9 0 : V o l . 1 , p p . 4 7 3 4 7 4 )
★ 3 5 R . G . H a w t r e y , C u r r e n c y a n d C r e d i t , L o n g m a n s , G r e e n a n d C o . , 1 9 1 9 , p . 1 0 .

3:54 午後  
Blogger yoji said...

826 考える名無しさん[] 2021/03/16(火) 21:42:00.15 ID:0
生産手段の私有制は法概念でもあり、法社会学や法哲学とも関係があるよ。

ちなみこの点を重要視したのがアメリカの制度学派で
そのうちの一人にジョン・ロジャーズ・コモンズという人物がいて
彼には『資本主義の法的基盤』という著作がある。

フランスのレギュラシオン学派も経済システムにおける
社会慣行の役割という点からアプローチしているはず。

ただし唯物史観の場合、これらの社会的慣行や法哲学が
経済的生産力の発展段階への適応と見なすかもしれないね。

10:34 午後  
Blogger yoji said...

制度経済学

第8章 効率性と希少性
 言い換えると、マルクスの「生産者」は使用価値を生産するだけではなく、 期待需要がそれに交換価値を付与
するために、限定された量で使用価値を生産する。 物理的引き渡しをその一部に含む生産過程において、供給を
ウィズホールド
留保するということにより、マルクスの使用価値はすでに希少性価値である。
われわれが取り上げた、この限定された量での生産は、マルクスが、社会的に「必要な」 労働力という用語で
意味するものである。 「必要な」という言葉は、消費者の需要〔する量〕を供給するために必要な、ということ
を意味する。ここで、マルクスは、効率性を原理とする彼の労働力概念のなかに、反対命題的な意味の交渉力を
読み込んでいる。 交渉力は、希少性を原理とする。 われわれの方法はこれとは異なる。われわれは、他方の「仮
想的な」排除によって、各々を分離する。 そして制限因子および補助因子という原理に基づいてそれらを結び付
ける。したがって、われわれにとって、エンジニアそれ自身は、価格を考慮せず、生産を無限に増加させる。 し
かし、ビジネスマンは価格を維持するために、生産を制限し規制する。 この両者は制限因子と補助因子である。
 マルクスとプルードンの間の矛盾は、物と所有権との間の矛盾でもある。 この矛盾は、最近では、物と効率性
の専門家としてのエンジニアと、 所有権と希少性の専門家としてのビジネスマンを区別するヴェブレンによって
も明らかにされた。
 それは、使用価値の歴史的な二重の意味を明らかにする。 プルードンとの論争の二十年後のマルクス曰く、
「効用の対象でないならば、どれも価値をもちえない。モノが価値をもたないならば、それに含まれている労働
マルクス「哲学の貧困」、p.40 〔邦訳、六八頁)。
(同書、pp.41 42 〔邦訳、 六八六九頁)。
(1) 後述、p.627 「戦略的取引とルーティン的取引」 (邦訳、 下巻五七頁)をみよ。
185

8:05 午後  
Blogger yoji said...


経済学文献季報 - 第 156~157 号 - 56 ページbooks.google.co.jp › books
1995 · ‎スニペット表示
次の書籍のコンテンツと一致: – 56 ページ
10 )ソースタイン・ヴェブレンの制度進化の理論(佐々木晃) .紀要(日本大) ( 20 ) , p71-82 , 101 ( 1995. ... 1 )匿名フーリエ主義者のプルードン批判一「プルードン氏への反駁」(ファランジュ紙)を中心に(大塚昇三) .経済学研究(北海道大) 44 ( 4 ) ...
他の版

8:07 午後  
Blogger yoji said...


甲南経済学論集 - 第 6 巻 - 27 ページbooks.google.co.jp › books
1965 · ‎スニペット表示
次の書籍のコンテンツと一致: – 27 ページ
ヴェブレンとマルクス主義一中 E 大一ヴェブレンの社会経済思想の形成において、ダーウィンと並んで、マルクスが重大な影響 ... は、ヴェブレンを、プルードン、ヘンリー・ジョージ、シルヴィオ・ゲゼールなどのような小ブルジョア的社会改良主義者と規定 ...

8:08 午後  
Blogger yoji said...


希少性
使用価値の相対的希少性に依存する。 このように、彼の使用価値は命題であり、彼の希少性価値は反対題であ
る。この二つの統合をもたらす綜合は、プルードンが「構成された価値」と呼んだものであり、 それは彼が
「意見」と呼んだものによって決定される。 しかし、「意見」によってプルードンが実際に意味したものは、自
由な売買交渉取引において価格、数量および引き渡し時期について合意するための心理学とわれわれが呼
ぶものである。
 この売買交渉取引は、政府によるあらゆる物理的強要と「財産」によるあらゆる経済的から解放されるべ
きものであった。 そして、財産それ自体が政府によってつくられたものであるので、プルードンは、財産
するために政府を破壊する。 プルードンによれば「財産は盗みである」。 なぜなら、 それは、経済的強要の支え
となる物理的威圧の力であるからである。価格と数量に関する交渉の合意が、交渉者たちの自由で平等な「意
見」のみによって形成されるためには、財産のこのような強要は排除されなければならない。
 その結果、プルードンとマルクスとの間の違いは、売買交渉と割当との間の違いにあった。 プルードンは政府
を排除することによって、自由で平等な売買交渉を得ようとした。 マルクスは売買交渉を排除することによって、
完全な割当を得ようとした。
 プルードンのいう自由で平等な売買交渉とは、英米のコモン・ローが目指す「適正価値」という概念に類似し
たものにすぎない。彼の「構成された価値」は、裁判所のいう適正価値である。 なぜなら、 それは「自発的買い
手と自発的売り手」 とによって合意された評価であるからである。 しかし、 コモン・ローの歴史的な諸理念に詳
しくなかったプルードンは、適正価値を「綜合的価値」や「構成された価値」としてヘーゲル化した。 「構成さ
れた価値」は、もし当事者たちが完全に自由であるならば、 使用価値と希少性価値との対立を調停するもので
ある。
 しかし自発的買い手と自発的売り手という基礎において、 この二つの価値を調停するために、プルードンは、
買い手と売り手双方から盗むために財産権を強制する国家権力を破壊しなければならない。 この盗みは、売買交
渉取引において、当事者の労働以外から引き出される貨幣所得のあらゆる形態として現われる。例えば、利子、
利詞 地代、資本家が課す高価格、および過剰な給与である。 これらが財産であり、盗みである。
 そして、 「盗み」 という財産の意味づけのなかに、 プルードンは、 人が自らの労働によって所有することにな
個人的財産を含めていないということに着目しなければならない。 また他人が自らの労働によって所有するこ
とになった財産に関して、 その他人との自由な折衝によって、ある人が所有することになる個人的財産も含めて
いない。 彼はこの種の財産を廃止しようとしたのではなく、この種の財産は、政府が廃止された場合も残ると考
えた。つまり、無政府主義は、最も極端なかたちでの、奪うことのできない財産、 交換可能な財産、そして個人
的な財産を、それが労働に基づき、また交渉の自由と平等に基づくという条件下で認める。著名なロシアのア
ナーキストのクロポトキンは無政府主義の理念を、 アイオワの農場と地方定期市に見出した。 これはプルードン
についてもいえる。 彼にとっては、地代利(利子を含む)および賃金という経済学者がつくった区分は意味
をもたない。それは、アイオワの農民たちが彼らの結合された労働の使用価値に基づいて家族を養っている限り
において、また地方定期市での自由で平等な交渉によって市場で売っている限りにおいて、アイオワの食
民にとって右記の区分が意味をもたないのと同様である。
この農民の使用価値の所を、地代利
(3)
(2) Proudhon, P. J., Système des contradictions économiques; ou Philophie de la misère (2 vols, 1846, 24 ed, 1850), Book L, Chap 20-
B
() Kropotkin, P., Fields, Farms, Factories, Workshops, or Industry Combined with Agriculture and Brain Work with Mannual Work (2d ed. 1901),
p. (一九二五][
工場」新潮社、三人。
176

8:14 午後  
Blogger yoji said...

#8
効率性と希少性

176:
その結果、プルードンとマルクスとの間の違いは、売買交渉と割当との間の違いにあった。 プルードンは政府
を排除することによって、自由で平等な売買交渉を得ようとした。 マルクスは売買交渉を排除することによって、
完全な割当を得ようとした。

185:
マルクスとプルードンの間の矛盾は、物と所有権との間の矛盾でもある。 この矛盾は、最近では、物と効率性
の専門家としてのエンジニアと、 所有権と希少性の専門家としてのビジネスマンを区別するヴェブレンによって
も明らかにされた。

8:15 午後  

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