火曜日, 10月 06, 2015

ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki):マクロ経済学の知られざる英雄

経済学リンク::::::::::

カレツキ:「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という命題
http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_17.html
ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki):マクロ経済学の知られざる英雄
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/michal-kalecki.html(本頁)
マクロ経済学のパラドックス
NAMs出版プロジェクト: マルクス・カレツキ・ケインズ1933
http://nam-students.blogspot.jp/2017/04/blog-post.html
カレツキ:「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という命題 1935
http://nam-students.blogspot.jp/2012/01/blog-post_17.html
ケインズ=カレツキ往復書簡 Keynes ,Kalecki Correspondence 1937
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/keynes-kalecki-correspondence-1937.html

http://nam-students.blogspot.com/2018/07/correspondence-between-keynes-and.html[作業中]
https://translate.google.com/translate?sl=en&tl=ja&u=http%3A//nam-students.blogspot.com/2018/07/correspondence-between-keynes-and.html

NAMs出版プロジェクト: ハロッド=ケインズ往復書簡1938
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/1938.html
NAMs出版プロジェクト: カレツキ関連追記とヴィクセル的不均衡
NAMs出版プロジェクト: カレツキの分配論(支出→生産→分配)1939
無為=レッセフェール
カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"
NAMs出版プロジェクト: 経済計算論争 ランゲ、そしてカレツキ 1920-,1965
http://nam-students.blogspot.jp/2017/05/blog-post_16.html
Michal Kalecki The Marxian equations of reproduction and modern economics 1968
カレツキ 成長論 1969
ポストケインズ派経済学入門 単行本 – 2008/7 マルク ラヴォア (著), Marc Lavoie
カレツキとマルクス 栗田康之
https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/47/4/47_KJ00009361665/_pdf


浅田マクロ講義108頁
カレツキ1984
#9企業者資本と投資
1937,1954
 
「多くの企業は,拡大に伴う『逓増する危険』のために資本市場を目
ぱい利用し尽すことをしないであろう。(中略)拡張を考えている企業は
企業者資本の額が所与のとき危険は投資額とともに増大するという事実に
直面するにちがいない。投資が企業者資本に比べて増えれば増えるほど,
事業が失敗に終わったさいの企業者所得の減少はそれだけいっそう大きく
なる。」(M· カレツキ『資本主義経済の動態理論」浅田統一郎·間宮陽介訳
日本経済評論社, P. 107)

(a) まず述べておくべきは,株式会社は「株主の友愛団体」などではなく
大株主から成る支配グループによって経営されていて,他方それ以外の株主は
伸縮的な利子率をもつ債券の保有者と変わるところがない, ということである。
108頁

 結語
 企業規模が企業者資本の利用可能性によって制限されるということは資本主
義システムの核心である。多くの経済学者は,少なくとも彼らの抽象理論にお
しては,企業者能力をもっている人なら誰でも事業を始めるための資本を入手
できるというビジネス·デモクラシーの状態を仮定している。「純粋」企業者
の活動のこのような描写は控え目にいっても非現実的である。企業者をして企
業者たらしめるもっとも重要な要件は資本の所有なのである。
110頁 



Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
https://books.google.co.jp/books?id=M-s7AAAAIAAJ&pg=PA105&dq=kalecki+investment+capital++1937,1954&hl

=ja&sa=X&ved=0ahUKEwi519PS_pvdAhVKhbwKHcnqAk4Q6AEIMDAC#v=onepage&q=kalecki%20investment%20capital%20%201937%2C1954&f=false
Michal Kalecki - 1971 - 
9. ENTREPRENEURIAL CAPITAL AND INVESTMENT [ (1937) 1954 ] 


参考:
https://cruel.org/econthought/essays/multacc/kalecyc.html

ヒックスが『価値と資本』#17(邦訳文庫下67,73頁参照)で用例を借りたという以下のカレツキの論文は未邦訳のようだ。
The Principle of Increasing Risk 1937
http://www.redeco.economia.unam.mx/home/Pdf/bibliografia/Kalecki_The_principle_of_increasing_risk.pdf
原文全9頁



カレツキの貨幣経済論 :ケインズとの対比において
鍋島直樹

鍋島直樹『ケインズとカレツキ』2001に再録されている。第七章159頁の図が興味深い。多少の変更はある。


カレツキ展望 鍋島直樹論考

ポストケインズ派経済学2017#11カレツキのマクロ経済学の核心に対応。

なお、鍋島直樹『ケインズとカレツキ』第7章155~6,198頁でこの借り手のリスクについて触れた「危険逓増の原理」1937が図解付きで解説されている(同159頁)。
中小企業ほど投資のリスクが大きいから規模の格差は決して解消されないのだ。
(ヒックスは計画期間と利率の関係を考察しただけだったが)


:156頁

Kalecki, M. [1933a], Proba teori koniunktury (Essay on the Business Cycle Theory), Warsaw: Institute of Reserch on Business Cycles and Prices, partially reprinted in Kalecki [1966] and Kalecki [197la]; integrally reprinted in Kalecki [1990]

Kalecki, M. [1966], Studies in the Theory of Business Cycle: 1933-39, Oxford: Basil Blackwell.
Kalecki, M. [1971a], Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy, Cambridge: Cambridge University Press (浅田統一郎·間宮陽介(訳)「資本主義経済の動態理論』日本経済評論社, 1984年).
Kalecki, M. [1990], Collected Works of Michal Kalecki, Vol. 1, Capitalism: Business Cycles and Full Employment, ed. by Osiatynski, J., Oxford: Clarendon Press.

:180,278頁(カレツキ別論文より)

「新しい投資準備の形成は、未拘束預金からの転換I1と銀行信用の拡大I2によって賄われる…。粗蓄積Aから未拘束預金に還流する部分をA1,同じく粗蓄積からの銀行への返済に用いられる部分をA2と表すならば、投資財に対して支出される額はA=A1+A2と表される。これより、投資準備の増加分I-Aは次のように表現することができる。
 I-A=(I1-A1)+(2-A2
I1-A1が未拘束預金の減少分を、I2-A2が銀行による信用膨張による部分をそれぞれ表している…。このようにして、産出水準の上昇には銀行組織による信用膨張が不可避的に随伴する…。」(180~1頁)

  投資リスクにおいてカレツキとケインズは意見がくい違ったという。このあたりも鍋島論文に詳しい。

《1937年の4月12日付の(注:ケインズからカレツキへの)手紙
では,投資誘因に関するカレツキの議論について,「あなたの議論は,アキレ
スと亀の寓話の改作版であるように私には思われます。あなたは私に,……た
とえアキレスが亀に追いつくとしても,それは多くの期間が経過したのちにお
いてだけであろうと語っているのです」(ibid☆,p.798)と述べて,カレツキの
見解に反論を加えている。いうまでもなく,ここで「アキレス」とは投資額
を,「亀」とは一般物価水準のことを指している。カレツキの説明において投
資の増加が物価の上昇を引き起こすという過程が繰り返されるのは,寓話のな
かでアキレスが永遠に亀に追いつくことができないのと同じようなものだとい
うわけである。ともあれケインズは、カレツキが自らに向けた批判は当たらな
いものであるとし,投資の増加にともなう危険の逓増は、すでに『一般理論』
における資本の限界効率の定式化において考慮されていると主張した(ibid,
p.793)。
 しかしながら,実際のところ,ケインズが『一般理論』において危険逓増の
問題を考慮していたという主張をそのまま受け取ることは難しい。…》
 (鍋島論考158頁)


ケインズのカレツキへの手紙は以下に所収されているという。
The Collected Writings of John Maynard Keynes; Volume XII: Economic Articles And Correspondence; Investment and Editorial (Volume 12)
関連論考:
Formal modelling vs. insight in Kalecki's theory of the ... D Besomi 
http://www.unil.ch/files/live//sites/cwp/files/users/neyguesi/public/Besomi.pdf 

52 Kalecki to Keynes, 4 April 1937, in Kalecki 1990, p. 525 (the point is also made in Kalecki 1939, p. 140: “It is true that […] the system always moves towards the point B, but it may, of course, take several τ periods to come close to it. Thus the time of adjustment is considerable (τ is more than half a year)”. Keynes did not think much of this approach: “your argument seems to me a version of Achilles and the tortoise, and you are telling me […] that even thought Achilles does catch the tortoise up, it will only be after many periods have passed by. […] I feel that you are making too much of a discontinuity between your periods” (letter to Kalecki, 22 April 1937, in Kalecki 1990, pp. 525– 26).

1990 Collected Works of Michal Kalecki. Volume 1. Capitalism: Business Cycles and Full Employment, ed. by Jerzy Osiatynski, Oxford: Oxford University Press.



以下の論考でも同カレツキ論文が言及されている。
栗田康之 :カレツキの資本主義経済論 - 宇野理論を現代にどう活かすか (Adobe PDF) 
www.unotheory.org/files/No8/newsletter_2-8-2.pdf カレツキの経済理論は、そのような学説史的関係も含めて、独占度、有効需要理論、景 ...... し手のリスク」および「借りてのリスク」)を緩和することによっても、投資を拡大させ ..... Kalecki,M.[1937]“The Principle of Increasing Risk”,Economica,vol.4,no.16.



___

ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki)
http://cruel.org/econthought/profiles/kalecki.html

ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki), 1899-1970.

 その生涯を通じて、カレツキはマクロ経済学の知られざる英雄だった――そして、経済学ではなぜ英語で論文や著作を刊行すべきかという見事な証拠となっている。カレツキは、ケインズの『一般理論』で述べられる原理の相当部分をそれ以前に予見していたとされるけれど、でもかれの論文 (1933, 1935) はポーランド語とフランス語でしか刊行されず、したがってほとんど気がつかれなかった。これをなんとかしようと、カレツキは 1936 年の論文で、自分のほうが先だったという主張を刊行することにしたが……これまたポーランド語でしか発表しなかった!

 でも、かれの英語の論文、特に ビジネスサイクル論 (1935, 1937, 1939, 1943, 1954) は、かれに独自の地位をもたらして、数学的動学を経済学に使う方法を進歩させた点で画期的だった。かれの研究はまた、いくつか 古典派 と マルクス派 の概念を導入していて、かなりの部分を「階級闘争」、所得分配と不完全競争に負っていた――これらの項目は、ケンブリッジのケインズ派たちに大きく影響を与える――時にロビンソン、カルドア、グッドウィンへの影響が大きい。また現代アメリカのポストケインズ派 経済学にも大きく影響している。

カレツキはほぼ一生にわたって、ワルシャワのビジネスサイクル&価格研究所で過ごした。

ミハウ・カレツキの主要著作

"Mr Keynes's Predictions", 1932, Przeglad Socjialistyczny.
An Essay on the Theory of the Business Cycle, 1933.
"Essai d'une theorie du mouvement cyclique des affaires", 1935, Revue d'economie politique.
"A Macrodynamic Theory of Business Cycles", 1935, Econometrica.
"The Mechanism of Business Upswing", 1935, Polska Gospodarcza.
"Some Remarks on Keynes's Theory", 1936, Ekonomista.
"A Theory of the Business Cycle", 1937, RES.
"A Theory of Commodity, Income and Capital Taxation", 1937, EJ.
"The Principle of Increasing Risk", 1937, Economica.
"The Determinants of Distribution of the National Income", 1938, Econometrica.
Essays in the Theory of Economic Fluctuations, 1939.
"A Theory of Profits", 1942, EJ.
Studies in Economic Dynamics, 1943.
"Political Aspects of Full Employment", 1943, Political Quarterly.
"Professor Pigou on the Classical Stationary State", 1944, EJ.
"Three Ways to Full Employment", 1944 in Economics of Full Employment.
"A Note on Long Run Unemployment", 1950, RES.
Theory of Economic Dynamics: An essay on cyclical and long- run changes in capitalist economy, 1954.
"Observations on the Theory of Growth", 1962, EJ.
Studies in the Theory of Business Cycles, 1933-1939, 1966.
"The Problem of Effective Demand with Tugan-Baranovski and Rosa Luxemburg", 1967, Ekonomista.
"The Marxian Equations of Reproduction and Modern Economics", 1968, Social Science Information.
"Trend and the Business Cycle", 1968, EJ.
"Class Struggle and the Distribution of National Income", 1971, Kyklos.
Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy, 1933-1970, 1971.
Selected Essays on the Economic Growth of the Socialist and the Mixed Economy, 1972.
The Last Phase in the Transformation of Capitalism, 1972.
Essays on Developing Economies, 1976.
ミハウ・カレツキに関するリソース

HET ページ:カレツキ分配サイクル
Peter Kriesler's Keynes, Kalecki and the General Theory"
Peter Kriesler's "Microfoundations: A Kaleckian perspective"
Malcolm Sawyer's "The Kaleckian Analysis and the New Mellium" working paper.
Review (by Gary Dymski) of Sebastiani's book, Kalecki and Unemployment Equilibrium in JEL


カレツキ『資本主義経済の動態理論』(邦訳1984)*は、ゲゼル『自然的経済秩序
(邦訳2007)とならんで必読。文庫化されるべき。マルクス、ケインズより重要。
(*あるいは、http://www.amazon.co.jp/Collected-Works-Michal-Kalecki-Capitalism/dp/0198285388/

*212頁
「労働者は得るものを支出し、資本家は支出するものを得る」
(Workers spend what they get Capitalists get what they spend)Kalecki

r(利潤率)=g(資本蓄積率)/Sc(貯蓄性向)
ケンブリッジ方程式

54 Comments:

Blogger yoji said...

経済計算論争(けいざいけいさんろんそう)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/経済計算論争-1308740
経済計算論争
けいざいけいさんろんそう


社会主義経済には資源配分を合理的に行うための計算的基礎が存在するかという問題をめぐって、両大戦間期に欧米の経済学者の間で展開された論争をいう。この論争は1920年にオーストリアの経済学者ミーゼスの論文「社会主義共同体における経済計算」によって開始されたが、その論旨は、社会主義のもとでは生産手段が公有であるため、少なくとも生産財については市場および市場価格が成立せず、価格のないところに経済計算はありえないから、そこでは資源配分が恣意(しい)的に行われ、つまるところ社会主義経済は運営不可能に陥る、というものであった。
 ところがミーゼスのこの問題提起は、理論的にはすでに1908年にイタリアの経済学者バローネの論文「集産主義国家における生産省」によって解決済みであることが、その後明らかにされた。バローネは、生産手段の公有制のもとでも中央計画当局(生産省)が各種の財や用役に一種の計算価格を設定し、これに市場価格と原理的に同一の機能を果たさせることが可能であり、したがって社会主義のもとでも資源の合理的配分が可能であることを数学的に証明していたのである。そこで、ミーゼスと同じ立場にたつイギリスの経済学者ロビンズとハイエクはこの点を考慮に入れて、1930年代なかばに、社会主義経済においてそのような計算価格が設定可能であることが理論的に証明されたとしても、現実問題としてそうするためには中央計画当局は膨大な量の統計資料を収集・加工し、それに基づいて数十万(ハイエク)ないし数百万(ロビンズ)の連立方程式を解かねばならないから、それは実行不可能であると主張した。
 これらの議論に反論しつつ社会主義のもとでの経済計算可能論を主張したのは、アメリカの経済学者F・M・テーラー、A・P・ラーナー、およびポーランドの経済学者で当時滞米中のO・R・ランゲらで、うちもっとも有名なのがランゲの論文「社会主義の経済理論」(1936~37)であった。ランゲはこの論文において、第一に、社会主義のもとでも合理的な資源配分を実現するためには、価格をシグナルとして個々の経済主体の意思決定が行われるという意味での「価格のパラメータ機能」が保持されなければならないが、その際の価格はかならずしも市場価格である必要はなく、技術的代替率に基づく計算価格であれば十分であること、第二に、その実際的解決の仕方として、企業に自律性(生産上、販売上の自由)を与え、中央計画当局は任意の計算価格をこれらの企業に伝達し、その結果生ずる需給の不均衡に応じて計算価格を逐次修正してゆけば、価格のパラメータ機能が果たされうることを明らかにした。このランゲの見解は、「競争的解決」とか「市場社会主義」とかよばれたが、要するに、ソ連で集権的計画経済システムが成立した1930年代に早くも、計画経済と市場メカニズム(価格メカニズム)のフィードバック機能との結合を内容とする分権的社会主義経済モデルを提唱したものであり、ランゲの見解は60年代以降の東欧やソ連における市場メカニズム導入論(それは結局、失敗に終わったが)に大きな影響を与えた。[宮鍋 幟]
『A・F・V・ハイエク編、迫間真治郎訳『集産主義計画経済の理論』(1950・実業之日本社) ▽O・ランゲ、F・M・テーラー著、B・E・リピンコット編、土屋清訳『計画経済理論』(1951・社会思想研究会出版部) ▽W・ブルス著、鶴岡重成訳『社会主義経済の機能モデル』(1971・合同出版)』
出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例


計画経済理論―社会主義の経済学説 (1951年)- – 古書, 1951
テーラー (著), ランゲ (著), 土屋 清 (翻訳)
-: 198ページ
出版社: 社会思想研究会出版部 (1951)
ASIN: B000JBFYPG
発売日: 1951


カレツキとランゲは親しかった…

Title カレツキの政治経済学( Abstract_要旨 ) Author(s) 山本, 英司 ...
(Adobe PDF)
repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/.../1/ykeik00174.pdf
本論文は,多岐の分野にわたるミハウ・カレツキの業績を,資本主義経済論,社会主義 経済論,開発経済論の3分野に整 ..... オスカー・ランゲの存在があったと思われるが, 権力機構に属していたと思われるランゲとカレツキとの関係が本論文 ...
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/148515/1/ykeik00174.pdf

「マルクス主義者」としてのカレツキ
山本栄司 2005
https://naragakuen.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=2024&item_no=1&attribute_id
=21&file_no=1&page_id=13&block_id=21










5:35 午前  
Blogger yoji said...

カレツキの政治経済学 (奈良産業大学経済・経営研究叢書) 単行本 – 2009/4/10
山本 英司 (著)

5:43 午前  
Blogger yoji said...


カレツキの政治経済学 (奈良産業大学経済・経営研究叢書) 単行本 – 2009/4/10
山本 英司 (著)
カレツキの政治経済学 - 千倉書房
http://www.chikura.co.jp/ISBN978-4-8051-0923-6.html
山本英司 著
 マルクスから批判的視点を受け継ぎ、ケインズに先駆けて「有効需要の理論」にたどり着いたミハウ・カレツキ。
イスラエル、メキシコ、インド、母国ポーランドで自らの経済理論の実践に携わった彼は、いま話題の「低開発国
問題」や「持続可能社会の構築」に最も早い時期から取り組んだ経済学者でもあった。その理論と生涯を丹念に追った労作。
2009年3月18日 定価4,104円(税込) A5判 232頁
目次
第1章 カレツキ入門
第2章 カレツキの資本主義経済研究における『景気循環理論』の位置
第3章 カレツキ資本主義経済論体系の形成と展開
第4章 カレツキの開発経済学
第5章 カレツキ開発経済学の実践
第6章 カレツキの比較経済体制論
第7章 「マルクス主義者」としてのカレツキ https://goo.gl/C8gqYY
第8章 「根本的な改革」から「決定的な改革」へ

鍋島直樹による書評がある。

5:49 午前  
Blogger yoji said...

ポスト・ケインズ派経済学―マクロ経済学の革新を求めて― 単行本 – 2017/3/3
鍋島 直樹 (著)
5つ星のうち 4.0 1 件のカスタマーレビュー
その他()の形式およびエディションを表示する

5つ星のうち4.0経済学の一派を知るために
投稿者モト2018年5月6日
 ゴールデンウィークということで、前々から読もうと思っていた『ポスト・ケインズ派経済学』に手をだしてみました。でも、こういった本は少し割高ですよね。5千円を超える本を気軽に買って読めるのは、社会人の特権ですな。学生時代なら、図書館に入るまで待つパターンですから。
 貨幣供給、「有効需要の理論」、ポスト・ケインジアンが共有している核心的な命題、「ホリゾンタリスト」(horizontalist)と「構造論者」(structuralist)、長期における「粗調整」(coarse-tuning)と短期における「微調整(fine-tuning)、「機能的財政」(functional finance)アプローチなど、ポスト・ケインズ派の重要な用語の概要を手っ取り早く知ることができて有益です。
 ポスト・ケインズ派には、参照にすべき見解が多々あるのですが、やはり異端派にとどまっているのもやむを得ないという面も見えてきます。正統派もおかしいですが...。経済学って、学者の変なこだわりが、全体の見通しを悪くしている感じですよね。正統派も異端派も、互いへの批判にはうなずけることが多いのですが、固執しているところは、何を言っているのだろう?って感じを受けてしまいます。
 経済学って、どの派閥も一理はあるけど、それだけでは本質を見失うように感じられます。異なる学派の見解を知っておくことは重要かもしれません。内容的には、マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』や、内藤敦之『内生的貨幣供給理論の再構築』などと重なるところが多いです。合わせて読むと理解が深まりますが、どれか手に入りやすいものから読めば良いと思います。

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5:45 午後  
Blogger yoji said...

資料情報 ( 所蔵情報 | 予約情報 )
タイトル  ポスト・ケインズ派経済学 マクロ経済学の革新を求めて
著者名等  鍋島直樹/著  ≪再検索≫
著者等紹介 1963年鹿児島県に生まれる 1987年早稲田大学教育学部社会科学専修卒業 19
93年一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学 現在 名古屋大学大学院
経済学研究科教授,京都大学博士(経済学) 著訳書『ケインズとカレツキ―ポスト・ケ
インズ派経済学の源泉』(名古屋大学出版会,2001年,第1回経済学史学会研究奨励
賞受賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版者   名古屋大学出版会
出版年   2017.3
大きさ等  22cm 344p
NDC分類 331.7
件名    マクロ経済学  ≪再検索≫
件名    ケインズ経済学  ≪再検索≫
要旨    資本主義経済の不安定性を解明したミンスキーなど、近年あらためて注目を集めるポスト
・ケインズ派。その核心をなす貨幣・金融理論の着想源や展開過程を解き明かし、最新の
動向を踏まえて学派の全体像に迫るとともに、新自由主義に代わる経済政策を展望する挑
戦の書。
目次    正統派経済学への挑戦;第1部 ポスト・ケインズ派経済学の歴史と現状;第2部 ポス
ト・ケインズ派における貨幣・金融理論の展開;第3部 ミンスキーの金融不安定性理論
の可能性;第4部 カレツキと現代経済;ポスト・ケインズ派経済学の課題と展望
内容    ミンスキーの金融不安定性仮説など、近年あらためて注目を集めるポスト・ケインズ派。
その核心をなす貨幣・金融理論の着想源や展開過程を解き明かし、細心の動向を踏まえて
学派の全体像に迫るとともに、新自由主義に代わる経済政策を展望する。
内容    ミンスキーの金融不安定性仮説など、近年あらためて注目を集めるポスト・ケインズ派。
その核心をなす貨幣・金融理論の着想源や展開過程を解き明かし、細心の動向を踏まえて
学派の全体像に迫るとともに、新自由主義に代わる経済政策を展望する。
内容    内容:正統派経済学への挑戦. ポスト・ケインズ派経済学の史的展開. ポスト・ケイ
ンズ派経済学の方法と理論. ケインズおよびポスト・ケインズ派の経済政策論. ポス
ト・ケインズ派貨幣経済論の回顧と展望. 現代主流派マクロ経済学の批判的考察. 金
融化と現代資本主義. ミンスキーの逆説. 金融的動学と制度的動学. 金融不安定性
仮説の意義と限界. カレツキの資本主義経済論. カレツキのマクロ経済学の核心. 
カレツキの経済政策論. ポスト・ケインズ派経済学の課題と展望
ISBN等 4-8158-0862-7
ISBN等 978-4-8158-0862-4
書誌番号  3-0500467245

5:46 午後  
Blogger yoji said...

鍋島直樹『ケインズとカレツキ』第7章155~6,198頁でこの借り手のリスクについて触れた「危険逓増の原理」1937が図解付きで解説されている(同159頁)。
中小企業ほど投資のリスクが大きいから規模の格差は決して解消されないのだ。

投資量の決定:
(a)伝統的理論(ケインズ):

   投 資 の
  |。  。  限 界
  |       。  効 
  |__________。____
  |          | 。率
  |b         |
  |          |  。
  |__________|____
  |p         |
  |__________|_____
       k0    k

(b)カレツキ:
  |             。
  | 投資の限界効率    。
  |__________。____
  |        。 | 
  |  。  。    |
  |     b    |  
  |__________|____
  |     p    |
  |__________|_____
       k0    k

危険逓増の原理 カレツキ The Principle of Increasing Risk ,Kalecki ,1937

《まず投資規模kは,投資の隈界効率MEIが利子率ρと投資に伴なうリスク率σの総和に等しくなる水準に決定されるとカレツキは想定する。そうすると図(a)から容易に理解されるように,伝統的理論においてはkの増大とともにMEIが低下する場合にのみ,一定の最適投資量k0が決定されることになる。一般にこのような下落は(1)大規模化の不経済,(2)不完全競争,によって発生するとされている.しかしカレツキは(1)の理由は非現実的であるとし,(2)についても,より現実的ではあるが,これによっては同時に異なる規模の企業が存在することが説明されないと言う.したがって企業規模の相違を説明する他の要因が存在するはずである.》
+
《カレツキによるとリスク率σは投資量とともに増大するという(図(b)).そしてその理由として次の2つが挙げられている.第1は,投資量が大きくなるほど事業の失敗における富の状態が危険になるといることであり,第2は,「非流動性」の危険性の存在, すなわち投資量の増大にしたがい,その主体の資産ポートフォリオに占める実物資産の割合が高まるということである.》

《…投資量の増大にしたがってその危険が逓増する場合には, 投資量はMEI[投資の限界効率]が一定のρおよび投資量とともに増大するσの総和に等しくなる点k0に決まる。そして企業の内部蓄積の増加(減少)は限界リスク曲線を右(左)にシフトさせるので、単一企業の投資決意率は,その資本蓄積と限界収益性の変化の速度に依存する」(Kalecki[1937b]p.447)ということになる。また以上から、同一産業における企業規模の相違の存在を説明することも可能となる。企業者はそれぞれ異なる量の白己資本を保有し,異なる規模で生産活動を開始する。だが自己資本の小さい企業者ほど投資の増加に伴う危険逓増にさらされやすい。彼らにとって生産規模の拡張は大企業者に比べると困難であり、よって企業規模の格差は温存されることになる.すなわち、「〈ビジネス・デモクラシー〉〔という仮定〕は誤りである.自己資本は〈投資の一要因〉となる」」(同上,p.443,〔〕内は引用者のもの)。》鍋島

10:37 午前  
Blogger yoji said...

鍋島 直樹
カレツキ有効需要理論と貨幣供給の内生性

鍋島直樹2001#8

6:32 午後  
Blogger yoji said...

資本理論とケインズ経済学
叢書名   ポスト・ケインジアン叢書  ≪再検索≫
著者名等  J.ロビンソン/著  ≪再検索≫
著者名等  山田克巳/訳  ≪再検索≫
出版者   日本経済評論社
出版年   1988.11
大きさ等  22cm 379p
NDC分類 331.74
要旨    ポスト・ケインズ派の総帥として新・新古典派理論の問題点を指摘し続けたロビンソン夫
人の5巻の『経済学論文集』から、ケインズ経済学、マルクス経済学、資本理論などに関
する諸論文を収め、難解といわれる夫人の理論の核心を把握できるよう配列し、解説を試
みる。
目次    第1編 ケインズ経済学(貨幣理論と産出量の分析;ハロッド氏の動学;21年後のハロ
ッド理論;カレツキーとケインズ;ケインズ革命はどうなったか);第2編 マルクス経
済学(マルクスとケインズ;労働価値論;価値と価格;マルクス主義の何が生き残るか)
;第3編 資本理論(経済学批判序説;生産関数と資本理論;都合よく機能しない生産関
数;資本蓄積と生産関数;最新の資本理論;資本の測定―論争の終結;資本の意味;再転
換の非重要性);第4編 経済理論の再構築(価格理論;価値論再考;「不完全競争」再
論;経済学の第2の危機);第5編 国際経済学(新しい重商主義;国際貿易論再検討の
必要性)
内容    付:文献

4:43 午前  
Blogger yoji said...

ポストケインズ派経済学入門
著者名等  マルク・ラヴォア/著  ≪再検索≫
著者名等  宇仁宏幸/訳  ≪再検索≫
著者名等  大野隆/訳  ≪再検索≫
著者等紹介 【ラヴォア】カールトン大学卒。オタワ大学社会科学学部経済学科教授。
著者等紹介 【宇仁】京都大学大学院経済学研究科教授。
出版者   ナカニシヤ出版
出版年   2008.7
大きさ等  19cm 205p
注記    L’e´conomie postkeyne´sienne./の翻訳
NDC分類 331.7
件名    経済学-近代経済学  ≪再検索≫
要旨    市場への介入と完全雇用政策を主張し、自由市場政策と新古典派経済学への体系的な代替
案を提示するポストケインズ派。従来難解で知られたその理論を初学者向けに平易に解説
し、その政策的含意を明らかにする入門書。
目次    1 ポストケインズ派という異端;2 異端派ミクロ経済学;3 マクロ経済的貨幣サー
キット;4 短期:有効需要と労働市場;5 長期:古い成長モデルと新しい成長モデル
;6 おわりに
内容    市場への介入と完全雇用政策を主張し、自由市場政策と新古典派経済学への体系的な代替
案を提示するポストケインズ派。従来難解で知られたその理論を、初学者向けに平易に解
説した待望の入門書。
ISBN等 4-7795-0267-5

形式: 単行本|Amazonで購入
 
 内外のポストケインズ派経済学の入門書をすべてフォローしているわけではない私なので、あくまで個人の主観だが、同派の撮要的書物として、私は本書とA.S.アイクナー編『ポスト・ケインズ派経済学入門』(緒方俊雄他訳,日本経済評論社,2003年)を挙げたい。ただ、アイクナーNY州立大学教授(刊行時)が編著した同書は、アイクナー教授以外の学者も執筆している関係から、教科書的であり、そういった意味で、私はポストケインズ派経済学の出発点としては、マルク・ラヴォア教授(オタワ大学,同上)の本書を、まずお薦めしたい。ただし、ラヴォア教授の説明に関しては、鍋島直樹・名古屋大学教授などが「カレツキ派(Kaleckian)に偏重している」旨指摘されているみたいだが(wiki.)、私自身はカレツキ(Michał Kalecki,1899~1970)に親和的であるため、全く違和感がないことを付け加えておきたい。

 ここで、カレツキの名が出てきたので、まず「異端派経済学の1つ」(本書p.1)であるポストケインズ派理論の「3つの異なる潮流」(p.27)を通覧してみたい。この3つの潮流とは「ファンダメンタリスト(「ケインズ原理主義」ともいう)」「スラッファ派」及び前記の「カレツキ派」である。それぞれの潮流の特徴についての詳言は避けるけれども、例えば上述のアイクナー教授は、ラヴォア教授によれば「3つのポストケインズ派すべてから影響を受けたことを認めるポストケインズ派経済学者」とされている(p.29)。逆に、ラヴォア教授は「カレツキ派」を自認している(p.33)。それはさておき、本書では、最初に異端派と新古典派の前提条件の違いを大枠で示した後、ラヴォア教授はポストケインズ派経済学の本質的特徴として2点、補助的特徴として5点を挙げている。以下、これらの諸点を見てみよう。

 まず、ポストケインズ派経済学の本質的特徴として、「有効需要原理」と「動学的歴史的時間」がある。次に、補助的特徴として、「価格の伸縮性がもつマイナス(不安定化)効果」「貨幣的な生産経済の存在」「根元的な不確実性」「適切で現代的なミクロ経済学」及び「方法と理論の多元的共存(理論化に対する多元的なアプローチ)」がある。これらのポイントの含意するところは、本書を直にあたってもらいたいと思う。そして、こうした諸点を踏まえ、解説が進んでいくわけだが、無論、その論理展開にあたって、ラヴォア教授はマルクスに学んだカレツキのモデルも応用する。実際、教授は「ケインズ経済学の根本的な内容を明らかにするためには、「ケインズよりカレツキ」に学ぶべきである」(p.123)との文言も記している。今、資本主義は新自由主義の旗の下、自由市場主義(市場至上主義)に毒され、規制緩和、民営化、緊縮財政等が持て囃されているが、その「解毒剤=代替理論」としてポストケインズ派経済学がある。 
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5:53 午前  
Blogger yoji said...

形式: 新書|Amazonで購入
  
 著者である広井良典さん(京都大学教授)の著作について、私は結構読み込んでいる方だろう。その広井さんの一連の著述でキーワードの一つとなっているのが「定常型社会」というものである。本書は、世紀が変わった2001年、千葉大学の助教授時代に刊行されており、ある意味、ストレートかつ瑞々しい問題意識が行間から垣間見えてくる。この前年、日本における計量経済学等の泰斗、佐和隆光さん(京都大学教授)がやはり『市場主義の終焉』(岩波新書)を世に出し、「旧式の社会民主主義と新自由主義という二つの道を超克する道」、すなわち「第三の道」などを提起している。20世紀から21世紀という「歴史の変曲点」(p.176)の際会にあたって相次いだこれらの述作を振り返ることは、決して無益ではないと、私は思う。

 まず、「定常型社会」というものについて、確認しておこう。広井さんによれば「「定常型社会」とは、さしあたり単純に述べるならば、「(経済)成長」ということを絶対的な目標としなくとも十分な豊かさが実現されていく社会ということであり、「ゼロ成長」社会といってもよい」(はじめに)としている。それは「基本的には、経済成長の究極の源泉である需要そのものが成熟ないし飽和状態に達しつつある」(同前)という現実がある。さらに、関連した重要な要因として、一点目が高齢化・少子化の進展、二点目が環境問題である。故に、「定常型社会とは実は、「高齢化社会」と「環境親和型社会」というふたつを結びつけるコンセプトでもある」(同前)ということだ。ここでの大きなポイントとしては「環境(自然)」であろう。

 実は、前出の佐和教授も上掲の書帙で、同じく「マテリアリズム(物質主義)」から「ポスト・マテリアリズム(脱物質主義)」のパラダイム・チェンジを時代の転轍点と見据えており、奇しくも「環境(自然)」というものを介して、社会保障論と計量経済学の両碩学の認識が一致していることは印象深い。それはさておき、本書でも「社会保障と環境政策の統合」をテーマに1章を割いている。それは「自然-コミュニティ-個人」=「環境-福祉-経済/市場」というシェーマの文脈で語っている訳だが、そのあたりは当書の肝でもあるので、是非本書を手にとってもらいたいと考える。ただ、当著は、広井さんのベーシックなセオリーを展開しており、例えば、「持続可能な福祉国家/福祉社会」などの大きな主題は詳論されていない。

 本書は、“広井理論”のいわば大枠を叙述しているものであり、若干荒削りな部分もあることは否めないだろう。しかしながら、その輪郭を掴むにあたっては、最適な書物と思われる。広井さんはその後、『持続可能な福祉社会』(2006年 ちくま新書。以下同)、『コミュニティを問いなおす』(2009年)、『創造的福祉社会』(2011年)等で、その論理を深め、世に問うてきている。財政学の分野でも、井手栄策さん(慶應義塾大学教授)のような若手研究者等が社会保障における「必要原理に基づく普遍主義」などを訴え、経済成長を前提としない「必要=共存型モデル」を提起している(『分断社会を終わらせる』筑摩選書 2016年)。私としては、上述した経済学や社会保障学、財政学などの考究が“日本型福祉社会論”の主潮になることを願っている。

5:56 午前  
Blogger yoji said...

『資本主義経済の動態理論』M・カレツキ 日本経済新聞評論社 1984年
M.カレツキ (著), 浅田統一郎 間宮 陽介
ケインズの主著『雇用、利子および貨幣の一般理論』と比べてみて、本書は簡潔で明晰である。
ケインズのが難解でまた内容が整理されていない(当のケインズが理解していなかったとさえ言われるくらいだ)のに対し、本書は数式を使って意味と論法を明確にし、内容もまとまっている。
そういう意味では、ケインズよりも先に本書を読んだほうがいいかもしれない。
また、ケインズ本が難解で読めない、あるいは時間がないという人には、本書を読んでいただきたい。


第I部冒頭の「景気循環理論概説」(1933年)がケインズに先駆けて有効需要の理論を打ち立てたとされる画期的論文。


目次
序文
第 I 部
第1章 景気循環理論概説 3
第2章 外国貿易と「国内輸出」について 16
第3章 景気上昇のメカニズム  26
第4章 商品税,所得税および資本税の理論  34

第II部
第5章 費用と価恪  45
第6章 国民所得の分配 64
第7章 利潤の决定要因  79
第8章 国民所得の決定と消費の決定 94
第9章 企業者資本と投資 106
第10章 投資の決定要因 111
第11章 景気循環  125

第lll部
第12章 完全雇用の政治的側面  141
第13章 ツガン-パラノフスキーとローザ・ルクセンブルグにおける有効需要の問題 148
第14章 階級闘争と国民所得の分配 158
第15章 趨勢と景気循環 167
統計付録 186
訳註 195
カレツキからポスト・ケインジアンへのマクロ分配理論の系譜
--訳者解説に代えて-- 209
索引 227

原書
Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
1971
https://books.google.co.jp/books/about/Selected_Essays_on_the_Dynamics_of_the_C.html?id=M-s7AAAAIAAJ&redir_esc=y

Introduction
Part Ⅰ
1 Outline of a theory of the business cycle
2 on foreign trade and ‘domestic exports,
3 The mechanism of the business upswing
4 A theory of commodity, income and capital
taxation
PART II
5 Costs and prices
6 Distribution of national income
7 Determinants of profits
8 Determination of national income and
consumption
9 Entrepreneurial capital and investment
10 Determinants of investment
I1 The business cycle
PART III
12 Political aspects of full employment
13 The problem of effective demand with
14 Class struggle and distribution of national income
15 Trend and the business cycle
Statistical appendix to chapters 5, 6, 7, 8 and 10
Tugan-Baranovski and Rosa Luxemburg


Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
1971
Michal Kalecki

6:45 午前  
Blogger yoji said...


https://www.amazon.co.jp/Studies-Theory-Business-Cycles-1933-1939-ebook/dp/B01N3YXPDS/
CONTENTS
Introduction by Joan Robinsoin
Foreword
Outline of a Theory of the Business Cycle
On Foreign Trade and "Domestic Exports"
The Mechanism of the Business Upswing
The Business Upswing and the Balance of Payments
Money and Real Wages, Part I Theory)
Money and Real Wages, Part II (Statistics)

6:47 午前  
Blogger yoji said...


Kalecki, M. [1933a], Proba teori koniunktury (Essay on the Business Cycle Theory),
Warsaw: Institute of Reserch on Business Cycles and Prices, partially reprinted in
Kalecki [1966] and Kalecki [197la]; integrally reprinted in Kalecki [1990]

Kalecki, M. [1966], Studies in the Theory of Business Cycle: 1933-39, Oxford: Basil Blackwell.×

Kalecki, M. [1971a], Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy,
Cambridge: Cambridge University Press (浅田統一郎·間宮陽介(訳)「資本主義経済の動態理論』日本経済評論社, 1984年).

Kalecki, M. [1990], Collected Works of Michal Kalecki, Vol. 1, Capitalism: Business
Cycles and Full Employment, ed. by Osiatynski, J., Oxford: Clarendon Press.

3:53 午前  
Blogger yoji said...


Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
1971
Michal Kalecki
ハードカバー
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『資本主義経済の動態理論』M・カレツキ 日本経済新聞評論社 1984年
M.カレツキ (著), 浅田統一郎 間宮 陽介
ケインズの主著『雇用、利子および貨幣の一般理論』と比べてみて、本書は簡潔で明晰である。
ケインズのが難解でまた内容が整理されていない(当のケインズが理解していなかったとさえ言われるくらいだ)のに対し、本書は数式を使って意味と論法を明確にし、内容もまとまっている。
そういう意味では、ケインズよりも先に本書を読んだほうがいいかもしれない。
また、ケインズ本が難解で読めない、あるいは時間がないという人には、本書を読んでいただきたい。


第I部冒頭の「景気循環理論概説」(1933年)がケインズに先駆けて有効需要の理論を打ち立てたとされる画期的論文。


目次
序文
第 I 部
第1章 景気循環理論概説 3
第2章 外国貿易と「国内輸出」について 16
第3章 景気上昇のメカニズム  26
第4章 商品税,所得税および資本税の理論  34

第II部
第5章 費用と価恪  45
第6章 国民所得の分配 64
第7章 利潤の决定要因  79
第8章 国民所得の決定と消費の決定 94
第9章 企業者資本と投資 106
第10章 投資の決定要因 111
第11章 景気循環  125

第lll部
第12章 完全雇用の政治的側面  141
第13章 ツガン-パラノフスキーとローザ・ルクセンブルグにおける有効需要の問題 148
第14章 階級闘争と国民所得の分配 158
第15章 趨勢と景気循環 167
統計付録 186
訳註 195
カレツキからポスト・ケインジアンへのマクロ分配理論の系譜
--訳者解説に代えて-- 209
索引 227

6:45 午前 削除
Blogger yoji さんは書きました...
原書
Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
1971
https://books.google.co.jp/books/about/Selected_Essays_on_the_Dynamics_of_the_C.html?id=M-s7AAAAIAAJ&redir_esc=y

Introduction
Part Ⅰ
1 Outline of a theory of the business cycle
2 on foreign trade and ‘domestic exports,
3 The mechanism of the business upswing
4 A theory of commodity, income and capital
taxation
PART II
5 Costs and prices
6 Distribution of national income
7 Determinants of profits
8 Determination of national income and
consumption
9 Entrepreneurial capital and investment
10 Determinants of investment
I1 The business cycle
PART III
12 Political aspects of full employment
13 The problem of effective demand with Tugan-Baranovski and Rosa Luxemburg
14 Class struggle and distribution of national income
15 Trend and the business cycle
Statistical appendix to chapters 5, 6, 7, 8 and 10

11:25 午後  
Blogger yoji said...

Theory of Economic Dynamics 1st Edition, Kindle版
M. Kalecki (著)
https://www.amazon.co.jp/Theory-Economic-Dynamics-M-Kalecki-ebook/dp/B00CDUXRUK/

Theory of Economic Dynamics

Contents
Foreword
 Part 1 DEGREE OF MONOPOLY AND DISTRIBUTION OF INCOME
1 Costs and Prices
2 Distribution of National Income
 Part 2 DETERMINATION OF PROFITS AND NATIONAL INCOME
3 The Determinants of Profits
4 Profits and Investment
5 Determination of National Income and Consumption
 Part 3 THE RATE OF INTEREST
6 The Short-Term Rate of Interest
7 The Long-Term Rate of Interest
 Part 4 DETERMINATION OF INVESTMENT
8 Entrepreneurial Capital and Investment
9 Determinants of Investment
10 Statistical Illustration
 Part 5 THE BUSINESS CYCLE
11 The Mechanism of the Business Cycle
12 Statistical Illustration
13 The Business Cycle and Shocks
 Part 6 LONG-RUN ECONOMIC DEVELOPMENT
14 The Process of Economic Development
15 The Development Factors Statistical  
Appendix
Subject Index

○1958年の新評論版邦訳『経済変動の理論』(原著1954年,Theory of Economic Dynamics )
宮崎義一、伊東光晴訳
(x資本主義経済の動態理論 (ポスト・ケインジアン叢書 (6)) 単行本 – 1984/12ではない)

アマゾンレビューより:
ケインズより先に有効需要の原理を見つけた男
投稿者 θ トップ1000レビュアー 投稿日 2008/3/31

有効需要の原理といえば誰もがケインズを思い浮かべるだろう。
だが、ケインズよりはやく有効需要の原理を見つけたのが、このカレツキなのだ。

ケインズの主著『雇用、利子および貨幣の一般理論』と比べてみて、本書は簡潔で明晰である。
ケインズのが難解でまた内容が整理されていない(当のケインズが理解していなかったとさえ言われるくらいだ)のに対し、本書は数式を使って意味と論法を明確にし、内容もまとまっている。
そういう意味では、ケインズよりも先に本書を読んだほうがいいかもしれない。
また、ケインズ本が難解で読めない、あるいは時間がないという人には、本書を読んでいただきたい。

本書は、前半が利潤、所得、投資といった内容で、ケインズと重複するところが多い。
後半は、経済変動の循環の話であり、これもまた興味深い。

最後に目次を記しておく

第1部 独占度と所得の分配
費用と価格@☆
国民所得の分配@

第2部 利潤の決定と国民所得の決定
利潤の決定要因@
利潤と投資
国民所得の決定と消費の決定

第3部 利子率
短期利子率
長期利子率

第4部 投資の決定
企業者資本と投資@
投資の決定要因@
統計的説明

第5部 景気循環
景気循環(のメカニズム)@
統計的説明
景気循環と衝撃

第6部 長期経済発展
経済発展の過程
発展要因

@が日本経済評論社版に新訳で再録。
☆「費用と価格」で45°線分析が使われているがカレツキの使用は1937年からで、英語圏では最初期。

ケインズとカレツキは
レフリーと投稿者の関係だが
逆転する

マルクス再生産表式にかんしては
邦訳1958,47頁利潤の決定要因でカレツキ自身が触れている
この新評論社版は訳注54頁もある

11:27 午後  
Blogger yoji said...

https://www.concertedaction.com/tag/michal-kalecki/

New Book: Vol II Of Michał Kalecki’s Intellectual Biography By Jan Toporowski
Posted on April 7, 2018 by V. Ramanan
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The General Theory of Employment, Interest and Money was published in January, 1936.

Meanwhile, … , Michal Kalecki had found the same solution.

His book, Essays in the Theory of Business Cycles, published in Polish in 1933, clearly states the principle of effective demand in mathematical form. At the same time he was already exploring the implications of the analysis for the problem of a country’s balance of trade, along the same lines that I followed in drawing riders from the General Theory in essays published in 1937.

The version of his theory set out in prose (published in ‘Polska Gospodarcza’ No. 43, X, 1935) could very well be used today as an introduction to the theory of employment.

He opens by attacking the orthodox theory at the most vital point – the view that unemployment could be reduced by cutting money wage rates. And he shows (a point that Keynesians came to much later, and under his influence) that , of monopolistic influences prevent prices from falling when wage costs are lowered, the situation is still worse, because reduced purchasing power causes a fall in sales on consumption goods …



Michal Kalecki’s claim to priority of publication is indisputable.

– Joan Robinson, Kalecki And Keynes in Essays In Honour Of Michal Kalecki, 1964.
Jan Toporowski’s intellectual biography, volume 2 of Michał Kalecki is out now.

9:07 午後  
Blogger yoji said...

ロビンソン
資本理論とケインズ経済学
45頁

カレツキーとケインズ

9:11 午後  
Blogger yoji said...

カーンが
形成で引用したのは
xii

(4)) JOAN ROBINSON, Michal Kalecki on the Economics of Capitalism' in ÉPRIME ESHAG (ed.), "Michal Kalecki
Memorial Lectures', Oxford Bulletin of Economics and Statistics, Special Issue, February 1977, pp. 7-18.(引用
文は同誌8~9ぺージ); reprinted in JOAN ROBINSON, Collected Economic Papers, vol. V, Oxford: Basil
Blackwell, 1979, pp. 184-96. ( 引用文は同書186ぺージ)。

9:19 午後  
Blogger yoji said...

カーン

序文
ix
カレツキは, r一般理論』を執筆するために、勤めていたワルシャワの研究所から1年間の休暇を
とっていた。ストックホルムで彼にケインズの著書をくれた者がいた。彼はその本を読みはじめた。
ところが何とこれこそは、彼が自分で書こうとしていた本そのものであった。しかし、この本とて
もおそらくもっと後のところでは自分の考えているものと違ったところがあるに違いない、そう彼
は考えた。ところがそうではなかった。はじめから終りまで、彼の書こうとしていたものとそっく
り同じであった。カレツキは次のように言ったo r告白しますが、私は病気になってしまいました。
三日間ベッドに臥せていました。それから考えました。ケインズは私よりもはるかに有名だ。この
考え方はケインズの名前でまたたく間に成功をおさめるだろう。そのあとで私たちはそれを応用し
た面白い問題に進むことができるのだ。それから私は起き上がりました」。......
カレツキは、生涯の終りに、自分はケインズに対して敵対的な主張をしないようにうまくやった、
という感慨を私にもらした。そのことをもし言い出せばうんざりするような話にしかならないだろ
ジョーン· ロビンソン]が彼の正当な権利を主張しているのをいぶかしく思う人たちは、現
在の堕落した時代にこのような高貴な考え方をする者がいることを信じ難くなっているためである。

学学長イソノチェンツォ·ガスパリーニ教授から身に余る援助と激励を受けた。
編集者のアンジHi·ポルタ教授にも衷心より謝意を表したい。アンジェロ·ポルタ教授には格別のご
迷惑をおかけした。私の草稿のなかの無数のミスプリントを訂正していただいたばかりか、語句の修正
についても数々の貴重な示唆を与えてくれた。文献脚注と文献目録〔この邦訳書では割愛したそのものを
う。私[
 

 私は、ボッコーニ大
ix-

9:23 午後  
Blogger yoji said...

カーン

序文
ix
カレツキは,『一般理論』を執筆するために、勤めていたワルシャワの研究所から1年間の休暇を
とっていた。ストックホルムで彼にケインズの著書をくれた者がいた。彼はその本を読みはじめた。
ところが何とこれこそは、彼が自分で書こうとしていた本そのものであった。しかし、この本とて
もおそらくもっと後のところでは自分の考えているものと違ったところがあるに違いない、そう彼
は考えた。ところがそうではなかった。はじめから終りまで、彼の書こうとしていたものとそっく
り同じであった。カレツキは次のように言った。「告白しますが、私は病気になってしまいました。
三日間ベッドに臥せていました。それから考えました。ケインズは私よりもはるかに有名だ。この
考え方はケインズの名前でまたたく間に成功をおさめるだろう。そのあとで私たちはそれを応用し
た面白い問題に進むことができるのだ。それから私は起き上がりました」。......
カレツキは、生涯の終りに、自分はケインズに対して敵対的な主張をしないようにうまくやった、
という感慨を私にもらした。そのことをもし言い出せばうんざりするような話にしかならないだろ
う。私[ジョーン· ロビンソン]が彼の正当な権利を主張しているのをいぶかしく思う人たちは、現
在の堕落した時代にこのような高貴な考え方をする者がいることを信じ難くなっているためである。

9:24 午後  
Blogger yoji said...


タイトル  ケインズ『一般理論』の形成
叢書名   岩波モダンクラシックス  ≪再検索≫
著者名等  リチャード・カーン/〔著〕  ≪再検索≫
著者名等  浅野栄一/訳  ≪再検索≫
著者名等  地主重美/訳  ≪再検索≫
出版者   岩波書店
出版年   2006.10
大きさ等  20cm 387p
注記    The making of Keynes’ general theory./の翻

NDC分類 331.74
件名    ケインズ ジョン・メイナード
要旨    難解なことで知られる『一般理論』はどのように誕生したのか?ケインズの学問上の盟友
R.カーンが、20世紀最大の経済学者のダイナミックな思想展開を6回の講演でわかり
やすく解説。同時代の諸学説の影響や交友関係を通してケインズ理論の核心に肉薄する本
書は、初学者から研究者に至るまで必携のケインズ入門書である。
目次    第1講 初期ケインズ以前の経済学者への論評;第2講 貨幣数量説;第3講 『貨幣論
』と経済政策問題一九二八‐一九三一年;第4講 「乗数」から『一般理論』へ;第5講
 『雇用・利子および貨幣の一般理論』;第6講 ケインズの個人的交友関係;討論
内容    「一般理論」はどのように誕生したのか。ケインズの学問上の盟友R.カーンが、彼のダ
イナミックな思想展開をわかりやすく解説。同時代の諸学説の影響や交友関係を通して、
ケインズ理論の核心に肉薄する入門書。

9:37 午後  
Blogger yoji said...

ポストケインズ派経済学入門 単行本 – 2008/7
マルク ラヴォア (著), Marc Lavoie (原著), 宇仁 宏幸 (翻訳), 大野 隆 (翻訳)
5つ星のうち 5.0 2件のカスタマーレビュー
その他()の形式およびエディションを表示する
市場への介入と完全雇用政策を主張し、自由市場政策と新古典派経済学への体系的な代替案を提示するポストケインズ派。従来難解で知られたその理論を初学者向けに平易に解説し、その政策的含意を明らかにする入門書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ラヴォア,マルク
オタワ大学社会科学学部経済学科教授。カールトン大学卒業。パリ第1大学で修士号・博士号取得

宇仁/宏幸
京都大学大学院経済学研究科教授

大野/隆
立命館大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報
単行本: 205ページ
出版社: ナカニシヤ出版 (2008/07)
言語: 日本語
ISBN-10: 4779502675
ISBN-13: 978-4779502675
発売日: 2008/07



5つ星のうち5.0ポストケインズ派経済学における中心的論客の案内書―新自由主義に対抗する新しい代替理論の提起
2017年5月16日
形式: 単行本|Amazonで購入
 
 内外のポストケインズ派経済学の入門書をすべてフォローしているわけではない私なので、あくまで個人の主観だが、同派の撮要的書物として、私は本書とA.S.アイクナー編『ポスト・ケインズ派経済学入門』(緒方俊雄他訳,日本経済評論社,2003年)を挙げたい。ただ、アイクナーNY州立大学教授(刊行時)が編著した同書は、アイクナー教授以外の学者も執筆している関係から、教科書的であり、そういった意味で、私はポストケインズ派経済学の出発点としては、マルク・ラヴォア教授(オタワ大学,同上)の本書を、まずお薦めしたい。ただし、ラヴォア教授の説明に関しては、鍋島直樹・名古屋大学教授などが「カレツキ派(Kaleckian)に偏重している」旨指摘されているみたいだが(wiki.)、私自身はカレツキ(Michał Kalecki,1899~1970)に親和的であるため、全く違和感がないことを付け加えておきたい。

 ここで、カレツキの名が出てきたので、まず「異端派経済学の1つ」(本書p.1)であるポストケインズ派理論の「3つの異なる潮流」(p.27)を通覧してみたい。この3つの潮流とは「ファンダメンタリスト(「ケインズ原理主義」ともいう)」「スラッファ派」及び前記の「カレツキ派」である。それぞれの潮流の特徴についての詳言は避けるけれども、例えば上述のアイクナー教授は、ラヴォア教授によれば「3つのポストケインズ派すべてから影響を受けたことを認めるポストケインズ派経済学者」とされている(p.29)。逆に、ラヴォア教授は「カレツキ派」を自認している(p.33)。それはさておき、本書では、最初に異端派と新古典派の前提条件の違いを大枠で示した後、ラヴォア教授はポストケインズ派経済学の本質的特徴として2点、補助的特徴として5点を挙げている。以下、これらの諸点を見てみよう。

 まず、ポストケインズ派経済学の本質的特徴として、「有効需要原理」と「動学的歴史的時間」がある。次に、補助的特徴として、「価格の伸縮性がもつマイナス(不安定化)効果」「貨幣的な生産経済の存在」「根元的な不確実性」「適切で現代的なミクロ経済学」及び「方法と理論の多元的共存(理論化に対する多元的なアプローチ)」がある。これらのポイントの含意するところは、本書を直にあたってもらいたいと思う。そして、こうした諸点を踏まえ、解説が進んでいくわけだが、無論、その論理展開にあたって、ラヴォア教授はマルクスに学んだカレツキのモデルも応用する。実際、教授は「ケインズ経済学の根本的な内容を明らかにするためには、「ケインズよりカレツキ」に学ぶべきである」(p.123)との文言も記している。今、資本主義は新自由主義の旗の下、自由市場主義(市場至上主義)に毒され、規制緩和、民営化、緊縮財政等が持て囃されているが、その「解毒剤=代替理論」としてポストケインズ派経済学がある。 
もっと少なく読む


5つ星のうち5.0ポストケインズ派の入門書として最良
2008年8月20日
形式: 単行本
 本書はポストケインズ派の経済学を、コンパクトに解説した本です。
 本書は、ポストケインズ派の歴史と特徴、その諸潮流の解説、ミクロ、マクロ理論、そして短期、長期の理論に項目を分け、解説しています。多種多様なポストケインズ派を一括りにして解説するわけですから、全体としては共通する部分を、そして部分的に諸潮流間の違いを提示するという形になっています。ただ、カレツキやカレツキ派をベースに、全体が叙述されているような気がします。
 また、新古典派理論との対比もはっきりしており、論点がとても分かりやすくなっています。援用される数式が最小限に留められており、参考として必要なものは欄外のコラムにまとめてあるために、取りあえず全体像を把握した初心者にとっては、数式で躓くことなく読み進められるのも大きな特徴です。経済学の入門書で得た新古典派の知識と比べあわせ、数式に惑わされずにスムーズに全体を読むことができるこの構成は、大変画期的です。
 なかなか分かりにくく、体系的に全体像の見えなかったポストケインズ派の入門書として、他に比類のないほど適した本です。経済学を学ぶすべての人に読んでもらいたい本です。
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9:07 午後  
Blogger yoji said...

従来難解で知られたポストケインズ派の理論を初学者向けに平易に解説し、その政策的インプリケーションを明らかにする画期的入門書

著者 マルク・ラヴォア 著
宇仁 宏幸 訳
大野 隆 訳
ジャンル テキスト
経済・経営 > 経済学
教養・共通科目 > 教養科目
出版年月日 2008/07/01
ISBN 9784779502675
判型・ページ数 4-6・222ページ
定価 本体2,400円+税
http://www.nakanishiya.co.jp/book/b134567.html

日本語版への序文
はじめに

I ポストケインズ派という異端
 1 誰がポストケインズ派なのか
 2 異端派経済学の特徴
 3 ポストケインズ派経済学の本質的特徴
 4 ポストケインズ派理論のさまざまな潮流

II 異端派ミクロ経済学
 1 消費選択理論
 2 寡占的な市場と企業の諸目的
 3 費用曲線の形状
 4 価格設定
 5 費用マージンの決定要因
 6 マクロ経済理論にとっての含意

III マクロ経済的貨幣サーキット
 1 ポストケインズ派の貨幣分析のおもな特徴
 2 民間銀行と中央銀行の関係
 3 銀行と企業の関係
 4 貨幣的経済の体系的見方

IV 短期:有効需要と労働市場
 1 有効需要とその構成
 2 カレツキ・モデル
 3 カレツキ・モデルのさらなる展開

V 長期:古い成長モデルと新しい成長モデル
 1 古いポストケインズ派成長モデル
 2 新しいカレツキ・モデル
 3 カレツキ・モデルの拡張と批判

VI おわりに

参考文献

訳者あとがき
索引

9:09 午後  
Blogger yoji said...

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301089.html
2008年12月31日12:36
カテゴリEconomics
ケインズの葬送

今年は、ケインズがあらためて注目された年だった。マルクスは完全に葬られたが、ケインズはまだ成仏していないようだ。今ごろ墓場からよみがえるのは彼も本意ではないと思うので、その意義と限界を簡単にまとめておこう(この記事は入門的ではない)。

『一般理論』は非常に難解な本である。脱線や重複が多く、前後で矛盾していて、統一的な理論モデルがどこにも書かれていない。これは「ケインズ・サーカス」という研究会の記録をもとに書かれ、コアになったのはリチャード・カーンの乗数理論だったので、正確にはカーンとの共著だといわれる。この研究会のメンバーだったジョーン・ロビンソンも「ひどい本だ」と評した。特に岩波文庫の訳本は、絶対に読んではいけない。

乗数については、1933年にカレツキが(ポーランド語で)発表した理論のほうが数学的に明快だ。彼が依拠しているのは新古典派ではなくマルクスで、剰余価値率(マークアップ)が一定の固定価格経済を明示的に仮定している。所得が乗数倍になるためには、所得の増加によって需要が拡大しても価格が変化しないことが必要条件だからである。カレツキは、現代社会では価格が自由に調整されるのは生鮮食料品のようなマージナルな商品で、中核となる工業製品はマークアップで価格づけされていると論じている。

同様の議論はClower-Leijonhufvudなどによって行われ、Barro-Grossmanに集大成されている。ただBarro自身がのちにこの種の不均衡理論を放棄したように、不均衡状態で価格がなぜ変化しないのかという理由がはっきりしない。新古典派的な凸の戦略空間を考えると、需給ギャップは長期的には価格で調整されて不均衡はなくなるはずだ。この点を理論的に明らかにしたのがMankiw-Romerに代表される「新ケインズ派」で、コーディネーションの失敗(非凸性)があるときは、不均衡状態がナッシュ均衡になってしまうことを明らかにした。

現状は世界規模の取り付けによってコーディネーションの失敗が生じているので、ケインズ的な状況だという理解は必ずしも間違っていない。こうした複数均衡状態では「よい均衡」の所在を知っている賢明な政府が民衆を正しい解に導くことが望ましい、というケインズの思想はマルクスと同じで、こうした計画主義が20世紀後半の経済政策を支配した。しかし問題は、政府が正しい解を知っているのかということだ。

ケインズ自身は『一般理論』の均衡理論的な解釈を否定し、大恐慌では不確実な未来についての悲観的な予想によって過少投資が起きるので、政府がリスクをとるべきだと強調した。これは意外なことに、Lucasの考え方とよく似ている。彼はWSJに寄稿したエッセイで、FRBがリスク資産を買う非伝統的な金融政策は、従来の意味での金融政策というより、政府部門がリスクを負担して「悪い均衡」を脱却する政策だと理解している。

ただ悪い均衡を脱却しても、実際の戦略空間は非常に複雑なので、どこによい均衡があるかは誰にもわからない。もちろん政府が知っているとも限らない。したがって政府が特定の部門に裁量的に支出して、よい均衡に導こうとするケインズ政策は、有害無益な浪費に終わることが多い。悪い均衡を脱却したあとは、民間の経済主体が自律分散的にリスクをとって新しい均衡をさがすしかない。

こういうコーディネーションの問題を、集計的な総需要の不足として表現したケインズの理論は、彼の時代にはやむをえなかったとはいえ、きわめてミスリーディングなものだ。「需要が不足している」という話は、なぜ不足しているのか、そして不足がなぜ価格で調整されないのかを明らかにしないかぎり、説明にはならない。だからケインズの診断は正しかったが、その学問的表現は誤っており、不均衡状態を政府が解決できるという彼の処方箋は、社会主義に代わってパターナリズムの温床になった。彼をつつしんで葬送し、21世紀にふさわしい処方箋を考えることが、われわれの仕事だろう。

4:27 午前  
Blogger yoji said...



ジョーン・ロビンソン
利子率その他諸研究
邦訳1955

the rate of interest…
1952
194頁

四 現代の人々
 1 カレッキー
 カレツキー氏がケインズとは独立に『一般理論』を発見したことは、科学の暗合の最も優れた一例
であった。彼の分析の展開は直接に景気循環のモデルに導いた(ケインズはそうしなかった)。彼の理
論は短期均衡という同じ概念に基いていたから、おのずとケインズ体系に当てはまり、そうして『一
般理論』のその後の発展においてケインズ体系に吸収されるに至った。現在では人がいずれから何を
学んだかを区別することは不可能である。
 私はカレツキー氏が過去の経験の平均として予想を取扱ったその取扱方について、彼に負うことを
とりわけ自覚している-- この簡単な工夫によって、われわれは将来にたいして確信を抱いている人
人から「自由意志」を余儀なく奪うことなしに、(安定的な状態においては)やがて正しかったこと
が判明するに至る将来に対する確信について考えることができるのである。
 私がカレツキー氏と主に相違している点は彼が資金を短期のボトルネックとして取扱う点にある。

(この項了)

4:19 午後  
Blogger yoji said...

info:ndljp/pid/3008097
タイトル
社会主義経済成長論概要
著者
ミハイル・カレツキ 著[他]
出版者
日本評論社
出版年月日
1965
請求記号

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社会主義経済成長論概要
目次・巻号
書誌情報
操作方法
目次・巻号
↓ 社会主義経済成長論概要 [83]
・ 目次
・ 序文
・ 第1章 定義と仮定/p1
・ 第2章 基本方程式/p11
・ 第3章 定率的発展/p19
・ 第4章 労働力予備が無限であるという条件のもとでの国民所得成長の加速化/p31
・ 第5章 労働力予備が制限されているという条件のもとでの国民所得成長の加速化/p43
・ 第6章 成長速度の制限要因としての貿易収支の均衡/p53
・ 第7章 資本集約度の引上げあるいは設備操業期間の短縮による労働生産性向上の加速化/p67
・ 第8章 完全就業のもとでの資本集約度引上げによる国民所得成長の加速化/p81
・ 第9章 完全就業のものでの設備操業期間の短縮による国民所得成長の加速化/p101
・ 第10章 外国貿易均衡の困難という条件のもとでの完全就業下の国民所得成長の加速化/p111
・ 第11章 無限の労働力予備があるばあいの資本集約度係数選択の問題/p117
・ 第12章 投資構造/p131
・ 訳者あとがき/p145
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12:59 午前  
Blogger yoji said...

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3008097

1:00 午前  
Blogger yoji said...

マクロ経済学基礎講義
版情報   第2版
著者名等  浅田統一郎/著  ≪再検索≫
著者等紹介 1954年愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。82年一橋大学大学院経済学研究
科博士後期課程単位修得満期退学。理論経済専攻。駒澤大学助教授、中央大学助教授を経
て、94年より中央大学経済学部教授。
出版者   中央経済社
出版年   2005.5
大きさ等  22cm 223p
NDC分類 331
件名    巨視的経済学  ≪再検索≫
要旨    マクロ経済学の初級テキストとして、できるかぎり標準的な内容を維持すると同時に、理
論経済学におけるやや高度な研究成果も随所に取り入れて平易に解説した。本書をマスタ
ーした読者に、さらに上級の分野を学習するための橋渡しとして巻末に詳しい文献案内を
レベル別、テーマ別にコメント付きで収録した。インフレーション・ターゲティングなど
最近のトピックスを加えて内容を充実させた第2版。
目次    第1章 国民経済計算の基礎;第2章 短期における国民所得の決定;第3章 貨幣の需
要と供給;第4章 IS・LM分析;第5章 投資と消費;第6章 総需要・総供給分析
(IS・LM分析の拡張);第7章 開放経済のマクロ分析;第8章 経済成長と景気循

内容    統計データの更新や文献案内の拡充、インフレ・ターゲティングなど日本の金融政策をめ
ぐる新しいトピックをフォローし、内容の充実を図ったマクロ経済学初級テキストの第2
版。


カレツキ
危険逓増の原理に触れている
107頁

7:24 午前  
Blogger yoji said...

たとえぱカーンも「ケインズは,投資の決定要因として危険のない利子率の一他の諸要因に比しての一重要性を誇張した点で,当然に批判されてよい」(Kahn[1984コ邦訳228頁)と指摘している.

形成

11:41 午後  
Blogger yoji said...


ミンスキー
ケインズ…157頁
#5

ケインズがこのようなモデルを選んだために、彼にとっては常に資金貸付の一属性にすぎない利子率が、モデルの中枢として不当に強調されることになってしまったし、資本の限界効率表は古典派経済学者たちが用いた右下がりの投資曲線と本質的に異ならないのだという主張が安易に受入れられることになってしまったのである。


10:53 午後 削除
Blogger yoji さんは書きました...
鍋島2001,#7,160


たとえぱカーンも「ケインズは,投資の決定要因として危険のない利子率の一他の諸要因に比しての一重要性を誇張した点で,当然に批判されてよい」(Kahn[1984 邦訳228頁)と指摘している.

形成

11:44 午後  
Blogger yoji said...

108
「多くの企業は,拡大に伴う『逓増する危険』のために資本市場を目
ぱい利用し尽すことをしないであろう。(中略)拡張を考えている企業は
企業者資本の額が所与のとき危険は投資額とともに増大するという事実に
直面するにちがいない。投資が企業者資本に比べて増えれば増えるほど,
事業が失敗に終わったさいの企業者所得の減少はそれだけいっそう大
なる。」(M· カレツキ『資本主義経済の動態理論」浅田統一郎·間宮陽介訳
日本経済評論社, P. 107)


きく
ケインズによる投資の最適条件,n-re,
カレツキは,
した。
以下のように修正
ただし, σは限界リスク(marginal risk)であり,投資水準1の増加関数で
あると仮定される。投資1が増加すれば,資金の借り手である企業のリスク
とともに資金の貸し手にとってのリスクも増加するので,市場利子率 より高
い利子を「リスク·プレミアム」として要求されるが, σには,そのような客
観的なコストの他に危険度の増加に伴う企業家の主観的なコストも含まれてい
る。カレツキは, このような条件のもとではたとえ投資の限界効率mが逓減
せず常に市場利子率 を上回る場合でも最適投資水準が決まることを示した
(図5-10参照)。図5-10に示されているように,企業の危険度が全般的に高ま
って限界リスク関数がσ1からOzへ上方にシフトすれば,最適投資水準は11か
ら12へ減少する。
E1
I,
図5-10
図5-11

12:55 午前  
Blogger yoji said...

カレツキ1984

第9章
企業者資本と投資
この発行分がまるまる引き受けられることはないだろう。たとえその企業が現
行利率よりも高い利子率で債券を発行しようとしても,高くした利子率それ自
体が企業の将来の支払い能力に疑念を抱かせるかもしれないから,債券の売れ
行きは改善されないかもしれない。
 そのうえ多くの企業は,拡大に伴う「逓増する危険」のために資本市場を目
いっぱい利用し尽すことをしないであろう。実際,企業のなかには,投資を企
業者資本の水準以下に抑え,その一部を証券の形で保有するものもあるかもし
れない。拡張を考えている企業は,企業者資本の額が所与のとき危険は投資額
とともに増大するという事実に直面するにちがいない。投資が企業者資本に比
べて増えれば増えるほど,事業が失敗に終わったさいの企業者所得の減少はそ
れだけいっそう大きくなる。たとえば企業者が事業からはなんの収益も得られ
なくなったと想定してみよう。そのさい, もしも事業に投資したのが彼の資本
のほんの一部分であって一部は一流の債券で保有されていたとすれば,彼は資
本からなおある額の純所得を得るであろう。もしも資本のすべてが投資されて
いるのなら所得はゼロになるであろうし,他方借入れをしていたのなら純損失
をこうむることになり,純損失の状態がかなり長く続こうものなら事業は消滅
を強いられるにちがいない。借入れが大きければ大きいほどこのような不測の
事態に伴う危険性がいっそう大きくなるのは明白である。
 このように企業規模は,企業資本の額によって,その資本借入れに与える影
響と危険の度合に与える影響との双方を通じて,制限されているように思われ
る。一定の時点で同一産業内の企業規模がまちまちであることは,企業者資本
の差異によって簡単に説明できるのである。多額の企業者資本をもっている企
業は大規模な投資のための資金を獲得できるであろうが,少額の企業者資本し
かもっていない企業にはそれは不可能だろう。企業者資本の差異に起因する企
業の地位の格差は, さらに,ある規模以下の企業は資本市場を利用できる可能
性をまったくもたないという事実によって,いっそう大きなものとなる。
以上のことからすると,企業の拡張は当然当期利潤からの資本の蓄積に依存
しているということになる。このような資本の蓄積があれば,企業は制限され

12:57 午前  
Blogger yoji said...

浅田マクロ講義


108
「多くの企業は,拡大に伴う『逓増する危険』のために資本市場を目
ぱい利用し尽すことをしないであろう。(中略)拡張を考えている企業は
企業者資本の額が所与のとき危険は投資額とともに増大するという事実に
直面するにちがいない。投資が企業者資本に比べて増えれば増えるほど,
事業が失敗に終わったさいの企業者所得の減少はそれだけいっそう大
なる。」(M· カレツキ『資本主義経済の動態理論」浅田統一郎·間宮陽介訳
日本経済評論社, P. 107)


きく
ケインズによる投資の最適条件,n-re,
カレツキは,
した。
以下のように修正
ただし, σは限界リスク(marginal risk)であり,投資水準1の増加関数で
あると仮定される。投資1が増加すれば,資金の借り手である企業のリスク
とともに資金の貸し手にとってのリスクも増加するので,市場利子率 より高
い利子を「リスク·プレミアム」として要求されるが, σには,そのような客
観的なコストの他に危険度の増加に伴う企業家の主観的なコストも含まれてい
る。カレツキは, このような条件のもとではたとえ投資の限界効率mが逓減
せず常に市場利子率 を上回る場合でも最適投資水準が決まることを示した
(図5-10参照)。図5-10に示されているように,企業の危険度が全般的に高ま
って限界リスク関数がσ1からOzへ上方にシフトすれば,最適投資水準は11か
ら12へ減少する。
E1
I,
図5-10
図5-11

12:58 午前  
Blogger yoji said...

株は借金の手形に過ぎない
資本において本質なのは所有である

1:32 午前  
Blogger yoji said...

自己資本は投資の一要素なのである

鍋島156


158

企業者をして企業者たらしめる最も重要な要件は資本の所有なのである

1:42 午前  
Blogger yoji said...

カレツキ1984
108

た資本市場あるいは逓増する危険という障害に出くわすことなく新規の投資を
行なうことができるだろう。当期利潤からの貯蓄は直接事業に投資されうるだ
けでなく,企業資本のこのような増加は新たな借入れ契約を結ぶことをも可能
ならしめるであろう。
株式会社の問題
投資に対する先の制限が株式会社の場合にもあてはまるものかどうか, この
点に関して疑問が生じるのも道理であろう。会社が債券もしくは社債を発行す
るのであれば事態は実質的には変わりがない。発行額が多ければ多いほど,事
業が失敗したときに損なわれる収益も大きくなる。事情は優先株(これには普
通株への配当に先立って利潤から一定額の配当がなされる)を発行する場合も
同様である。しかるに普通株の発行についてはどうであろうか。一見したとこ
このような発行にはなんの制限もないかにみえるが, しかし実際にはかなり
多くの抑制要因が存在しているのである。

(a) まず述べておくべきは,株式会社は「株主の友愛団体」などではなく
大株主から成る支配グループによって経営されていて,他方それ以外の株主は
伸縮的な利子率をもつ債券の保有者と変わるところがない, ということである。

ところでこのグループは, もしも支配を継続しようとするならば無際限な数の
株を公衆に売ることはできない。このような困難はなるほど部分的には,たと
えば持株会社を創設することによって,克服されるかもしれない1)。にもかか
わらず,上位株主による支配の維持という問題は「公衆」への株式発行になん
らかの抑制的な影響を及ぼしているのである。
(b)
株式発行により調達された投資は,
この発行が株式資本や準備資本を
1) ある会社の51%の株を保有しているグループが彼らの株を保有するところの新会
社を創設する。このグループは新会社の株の51%を手元に残し, 49%は公衆に売却
する。いまやこのグループは持株会社を支配し,それを通して旧会社をその資本の
わすか26%程度で支配することになるが,他方この資本の25%ほどは現金でもっこ
とになり,
これは旧会社の新株発行に自由に投資できる。
108

1:57 午前  
Blogger yoji said...

た資本市場あるいは逓増する危険という障害に出くわすことなく新規の投資を
行なうことができるだろう。当期利潤からの貯蓄は直接事業に投資されうるだ
けでなく,企業資本のこのような増加は新たな借入れ契約を結ぶことをも可能
ならしめるであろう。
 
 株式会社の問題
 
 投資に対する先の制限が株式会社の場合にもあてはまるものかどうか, この
点に関して疑問が生じるのも道理であろう。会社が債券もしくは社債を発行す
るのであれば事態は実質的には変わりがない。発行額が多ければ多いほど,事
業が失敗したときに損なわれる収益も大きくなる。事情は優先株(これには普
通株への配当に先立って利潤から一定額の配当がなされる)を発行する場合も
同様である。しかるに普通株の発行についてはどうであろうか。一見したとこ
このような発行にはなんの制限もないかにみえるが, しかし実際にはかなり
多くの抑制要因が存在しているのである。
 (a) まず述べておくべきは,株式会社は「株主の友愛団体」などではなく
大株主から成る支配グループによって経営されていて,他方それ以外の株主は
伸縮的な利子率をもつ債券の保有者と変わるところがない, ということである。
ところでこのグループは, もしも支配を継続しようとするならば無際限な数の
株を公衆に売ることはできない。このような困難はなるほど部分的には,たと
えば持株会社を創設することによって,克服されるかもしれない1)。にもかか
わらず,上位株主による支配の維持という問題は「公衆」への株式発行になん
らかの抑制的な影響を及ぼしているのである。
 (b)株式発行により調達された投資は,この発行が株式資本や準備資本を

1) ある会社の51%の株を保有しているグループが彼らの株を保有するところの新会
社を創設する。このグループは新会社の株の51%を手元に残し, 49%は公衆に売却
する。いまやこのグループは持株会社を支配し,それを通して旧会社をその資本の
わすか26%程度で支配することになるが,他方この資本の25%ほどは現金でもっこ
とになり,これは旧会社の新株発行に自由に投資できる。
108

2:00 午前  
Blogger yoji said...

#9
企業者資本と投資
1937,1954

た場合,その会社の株式に対する資本市場は拡大する傾きをもつであろ
いうのは,一般に会社が大きくなればなるほど,その会社の株式市場における
役割はいっそう重要なものとなるからである。
う。と
 
 結語
 
 企業規模が企業者資本の利用可能性によって制限されるということは資本主
義システムの核心である。多くの経済学者は,少なくとも彼らの抽象理論にお
しては,企業者能力をもっている人なら誰でも事業を始めるための資本を入手
できるというビジネス·デモクラシーの状態を仮定している。「純粋」企業者
の活動のこのような描写は控え目にいっても非現実的である。企業者をして企
業者たらしめるもっとも重要な要件は資本の所有なのである。
 以上の事柄は投資決意の理論にとって大きな重要性をもっている。投資決意
の重要な要因の1つは,当期利潤からの企業資本の蓄積である。この問題は次
章で詳しく論じることにしよう2)。

2)
ここで論じられた問題は資本集中の理論にとってもまた相当の重要性をもってい
a, J. Steindl, ‘Capitalist Enterprise and Risk', Oxford Economic Papers,
March 1945を参照。
2)
110頁

2:02 午前  
Blogger yoji said...

浅田マクロ講義
カレツキ1984

108
「多くの企業は,拡大に伴う『逓増する危険』のために資本市場を目
ぱい利用し尽すことをしないであろう。(中略)拡張を考えている企業は
企業者資本の額が所与のとき危険は投資額とともに増大するという事実に
直面するにちがいない。投資が企業者資本に比べて増えれば増えるほど,
事業が失敗に終わったさいの企業者所得の減少はそれだけいっそう大きく
なる。」(M· カレツキ『資本主義経済の動態理論」浅田統一郎·間宮陽介訳
日本経済評論社, P. 107)


きく
ケインズによる投資の最適条件,n-re,
カレツキは,
した。
以下のように修正
ただし, σは限界リスク(marginal risk)であり,投資水準1の増加関数で
あると仮定される。投資1が増加すれば,資金の借り手である企業のリスク
とともに資金の貸し手にとってのリスクも増加するので,市場利子率 より高
い利子を「リスク·プレミアム」として要求されるが, σには,そのような客
観的なコストの他に危険度の増加に伴う企業家の主観的なコストも含まれてい
る。カレツキは, このような条件のもとではたとえ投資の限界効率mが逓減
せず常に市場利子率 を上回る場合でも最適投資水準が決まることを示した
(図5-10参照)。図5-10に示されているように,企業の危険度が全般的に高ま
って限界リスク関数がσ1からOzへ上方にシフトすれば,最適投資水準は11か
ら12へ減少する。
E1
I,
図5-10
図5-11

2:08 午前  
Blogger yoji said...

Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy 1933-1970
https://books.google.co.jp/books?isbn...

Michal Kalecki - 1971 - ‎プレビュー - ‎他の版
Michal Kalecki.

9. ENTREPRENEURIAL CAPITAL AND INVESTMENT [ (1937) 1954 ]

THE SIZE OF THE FIRM AND ENTREPRENEURIAL CAPITAL Two factors are usually mentioned as limiting the size of a firm: (1) dis-economies of a large ...

2:20 午前  
Blogger yoji said...

ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki) - cruel.org
cruel.org/econthought/profiles/kalecki.html
ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki), 1899-1970. ... "The Principle of Increasing Risk", 1937, Economica . "The Determinants ...

2:35 午前  
Blogger yoji said...

カレツキと貨幣経済の理論* 服 部 茂 幸 - J-Stage (Adobe PDF)
www.jstage.jst.go.jp/article/jshet1963/37/37/37.../_pdf
貨幣論」 と 「危険逓増の原理」 という貨幣 ・金. 融の問題 ... 因果 関係 を否定するのに対 して, カレツキは. 「資本家の支出が利潤 ...
カレツキ - J-Stage (Adobe PDF)
www.jstage.jst.go.jp/article/peq/47/4/47.../_pdf
は1955年 2 月にポーランドに帰国するまでである❖1)。 第 3 の時期は, .... た危険逓増 の原理を除いて,その後のカレツキの理論. 展開の基本的 ...... ─[1937]“The Principle of Increasing Risk,” Economi- ca, Vol.
カレツキの資本主義経済論 - 宇野理論を現代にどう活かすか (Adobe PDF) -htmlで見る
www.unotheory.org/files/No8/newsletter_2-8-2.pdf
失とさらに倒産の危険性が増大するという「逓増する危険」によって、企業自身が外部資 ... 理」による貸し手および企業自身のリスクの増大)を緩和することによっても、投資を拡 ... したがって、カレツキにおいては、在庫投資は「加速度原理」によって、与えられ ...
Correspondence between Keynes and Kaleckiメモ - NAMs出版 ...
nam-students.blogspot.com/.../correspondence-between-keyne...
危険逓増の原理 カレツキ The Principle of Increasing Risk ,Kalecki ,1937. 《まず投資規模kは,投資の限界効率MEIが利子率ρと投資に伴なうリスク率σの総和に等しくなる水準に決定されるとカレツキは想定する。
NAMs出版プロジェクト: ケインズ=カレツキ往復書簡 Keynes ,Kalecki ...
nam-students.blogspot.com/.../keynes-kalecki-correspo...
この往復書簡はマルクスとプルードンの往復書簡と同じくらい興奮する。 ... 予想収益に関する危険は,資本の限界効率についての私の定式化においてすでに考慮され ... Kalecki "The Principle of Increasing Risk", 1937a, Económica. ..... 頁でこの借り手のリスクについて触れた「危険逓増の原理」1937が図解付きで解説されている(同159頁)。
NAMs出版プロジェクト: ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki):マクロ経済学 ...
nam-students.blogspot.com/2015/.../michal-kalecki.htm...
危険逓増の原理 カレツキ The Principle of Increasing Risk ,Kalecki ,1937 《まず投資規模kは,投資の隈界効率MEIが利子 ...

2:37 午前  
Blogger yoji said...

国立国会図書館デジタルコレクション - ケインズ雇傭と賃銀理論の研究
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2386038
著者カレッキ 著 増田操 訳

出版者戦争文化研究所
出版年月日1944

↓ ケインズ雇傭と賃銀理論の研究 [82]
・ 目次
・ 訳者序
・ 原著者序
・ 第一章 国民所得の分配/1
・ 第二章 投資と所得/28
・ 第三章 貨幣と実質賃銀/60
・ 第四章 逓増危険の原理/79
・ 第五章 長期利子率/89
・ 第六章 景気変動の理論/100
・ 附論 物品税、所得税及び資本税に関する一理論/130
・ 索引/141

2:40 午前  
Blogger yoji said...

ヒックスが『価値と資本』#17(邦訳文庫下67,73頁参照)で用例を借りたという以下のカレツキの論文は未邦訳×のようだ。
The Principle of Increasing Risk 1937
http://www.redeco.economia.unam.mx/home/Pdf/bibliografia/Kalecki_The_principle_of_increasing_risk.pdf
原文全9頁


ESSAYS IN THE THEORY OF ECONOMIC FLUCTUATIONS by MICHAL KALECKI
1939

2:43 午前  
Blogger yoji said...

カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある


カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"
http://nam-students.blogspot.jp/2017/07/1964-econometric-model-and-historical.html

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘
224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCと
いうカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

4:03 午前  
Blogger yoji said...

ヒックスが『価値と資本』#17(邦訳文庫下67,73頁参照)で用例を借りたという以下のカレツキの論文は未邦訳×のようだ。
The Principle of Increasing Risk 1937
http://www.redeco.economia.unam.mx/home/Pdf/bibliografia/Kalecki_The_principle_of_increasing_risk.pdf
原文全9頁


ESSAYS IN THE THEORY OF ECONOMIC FLUCTUATIONS by MICHAL KALECKI

1944年に邦訳があった
入手困難

4:04 午前  
Blogger yoji said...

カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある

カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"
http://nam-students.blogspot.jp/2017/07/1964-econometric-model-and-historical.html

以下参考、
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
さらにカレツキは国家を含めた投資家を階級に加えることで有効需要をケインズに先駆けて発見、定式化した。

投資家1
資本家2
労働者3

以下、カレツキの業績について参考までに 別論文を紹介、
『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘 224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCと
いうカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

5:12 午前  
Blogger yoji said...

カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある

カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"


以下参考、
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
さらにカレツキは国家を含めた投資家を階級に加えることで有効需要をケインズに先駆けて発見、定式化した。

投資家1
資本家2
労働者3

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘 224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCと
いうカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

5:13 午前  
Blogger yoji said...

カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある

カレッキ「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"

以下参考、
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
さらにカレツキは国家を含めた投資家を階級に加えることで有効需要をケインズに先駆けて
発見、定式化した。
マルクス
資本家1
労働者2

カレツキ
投資家1
資本家2
労働者3
[ただし各部門内に各要素がある]

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘 224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、[マルクスの記号だとw,m,v]
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家[消費財生産者]は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値[V1]と資本家の消費財の価値[V2]
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CC
[CCは資本家の投資]
というカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

5:56 午後  
Blogger yoji said...

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘より



   所得           支出
資本家の所得(P)      投資(I)
              資本家の消費(CC)
労働者の所得(W)     労働者の消費(CW)
労働者はその所得をすべて消費する(すなわち、W=CW)
と仮定されているから、
    P=I十CC
資本家は、利潤を決定することは出来ないがゆえに、この式は、I十CCがPを決定することを示している。
両辺からCCを減じると、
    S=I

(同188-9頁より)


 カレツキが、マルクスの再生産表式に関心を持って、マルクス研究に没頭した一時期があったことは、すでに本文でも述べたとおりである。では、彼はマルクスの再生産表式をどのように自らの理論に取り入れたのだろうか。ここでは それを簡単に説明しておきたいと思う。
 まず、経済をカレツキ的に、投資財を生産する第I部門、資本家の消費財を生産する第II部門、そして賃金財を生産する第III部門の三つに分割しよう。 
  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えられるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだがただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCというカレツキの命題が得られるわけである。
Cf.,Josef Poschl and Gareth Locksley, Michal Kalecki : A Comprehensive Challenge to orthodoxy,
in J. R.Shackleton and Gareth Locksley eds.,Twelve Contemporary Economists,1981,p.157.

(同224-5頁より)

5:54 午後 削除
Blogger yoji さんは書きました...
カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある

カレッキ「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"

以下参考、
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
さらにカレツキは国家を含めた投資家を階級に加えることで有効需要をケインズに先駆けて
発見、定式化した。
マルクス
資本家1
労働者2

カレツキ
投資家1
資本家2
労働者3
[ただし各部門内に各要素がある]

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘 224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、[マルクスの記号だとw,m,v]
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家[消費財生産者]は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値[V1]と資本家の消費財の価値[V2]
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CC
[CCは資本家の消費]
というカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

5:56 午後  
Blogger yoji said...

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘より



   所得           支出
資本家の所得(P)      投資(I)
              資本家の消費(CC)
労働者の所得(W)     労働者の消費(CW)
労働者はその所得をすべて消費する(すなわち、W=CW)
と仮定されているから、
    P=I十CC
資本家は、利潤を決定することは出来ないがゆえに、この式は、I十CCがPを決定することを示している。
両辺からCCを減じると、
    S=I
   [貯蓄=投資]

(同188-9頁より)


 カレツキが、マルクスの再生産表式に関心を持って、マルクス研究に没頭した一時期があったことは、すでに本文でも述べたとおりである。では、彼はマルクスの再生産表式をどのように自らの理論に取り入れたのだろうか。ここでは それを簡単に説明しておきたいと思う。
 まず、経済をカレツキ的に、投資財を生産する第I部門、資本家の消費財を生産する第II部門、そして賃金財を生産する第III部門の三つに分割しよう。 
  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えられるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだがただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値と資本家の消費財の価値の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CCというカレツキの命題が得られるわけである。
Cf.,Josef Poschl and Gareth Locksley, Michal Kalecki : A Comprehensive Challenge to orthodoxy,
in J. R.Shackleton and Gareth Locksley eds.,Twelve Contemporary Economists,1981,p.157.

(同224-5頁より)


カレツキが史的唯物論を一般化された計量経済学の中に統合した論文が興味深い
結局下部から上部への一方通行の史的唯物論を双方向に読み替えているので
視野の狭い計量経済学を批判するとともに従来の史的唯物論を批判していることになる
柄谷の生産様式から交換様式への読み替えも国家と経済を双方行に読み替えているので
両者は(経済学に内在的/外在的の違いはあるが)繋がるものがある

カレッキ「計量経済学モデルと史的唯物論」1964 "Econometric Model and Historical Materialism"

以下参考、
http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_b710.html
カレツキの再生産表式は、マルクスの再生産表式の価値部分のみを表現しているもので、
現物部分の存在を無視している。
さらにカレツキは国家を含めた投資家を階級に加えることで有効需要をケインズに先駆けて
発見、定式化した。

マルクス
資本家1
労働者2

カレツキ
投資家1
資本家2
労働者3
[ただし各部門内に各要素がある]

以下、『現代イギリス経済学の群像―正統から異端へ』1989/4/27 根井雅弘 224-5頁より

  各部門の産出の価値Vは、利潤Pと賃金Wの和に等しいから、[マルクスの記号だとw,m,v]
  Vi=Pi+Wi (i =1,2,3)                     (1)
 第III部門の資本家[消費財生産者]は、産出の価値のうちのW3にあたるものをその部門内
の労働者へ、残りのP3にあたるものを第I・II部門の労働者へ販売すると考えら
れるから、
  P3=W1+W2                            (2)
 ここで、第I部門と第II部門の産出の価値を合計すると、
  V1+V2=P1+P2+W1+W2                     (3)
を得るのだが、(2)式を(3)式に代入すると、次式が得られるのだが
ただちにわかるだろう。
  V1+V2=P1+P2+P3                        (4)
 (4)式は、経済全体の利潤が、投資財の価値[V1]と資本家の消費財の価値[V2]
の和に等しいことを示している。こうして、本文で述べたような、P=I十CC
[CCは資本家の消費]
というカレツキの命題(「投資と資本家消費が利潤と国民所得を決定する」という
有効需要の原理)が得られるわけである。

5:58 午後  
Blogger yoji said...

鍋島2001
152

このように,有効需要増加の局面において,それに対応する銀行システムによる信用供与,すなわち貨幣供給量の増大の必然性を強調するところにカレッキ理論の特徴がある.

ゲゼルにつながる認識

カレツキ1984#7 景気上昇のメカニズム
29~30
r産出量が増加すれば流通している貨幣への需要が増カロし,したがって中央.   銀行に対する信用の増加を招くであろうことは指摘しておくべきである・も    し中央銀行が,利子率を新発明によって引き起こされた追加的な投資の増加    と同額だけ総投資が減少する水準まで引き上げることによってこの事態に対    処すれぱ,経済状態はまったく改善されないであろう・したがって,景気上    昇のための前提条件は,現金需要の増加に反応して利子率があまり急速に上    昇してはならない,ということである」(同上,29-30貫).


12:01 午前  
Blogger yoji said...

鍋島2001
152

このように,有効需要増加の局面において,それに対応する銀行システムによる信用供与,すなわち貨幣供給量の増大の必然性を強調するところにカレッキ理論の特徴がある.

ゲゼルにつながる認識

151に引用
カレツキ1984#7 景気上昇のメカニズム
29~30
「産出量が増加すれば流通している貨幣への需要が増加し、したがって中央銀行に対する信用の増加を招くであろうことは指摘しておくべきである。もし中央銀行が,利子率を新発明によって引き起こされた追加的な投資の増加と同額だけ総投資が減少する水準まで引き上げることによってこの事態に対処すれぱ,経済状態はまったく改善されないであろう・したがって,景気上昇のための前提条件は,現金需要の増加に反応して利子率があまり急速に上昇してはならない,ということである」(同上,29-30貫).

12:03 午前  
Blogger yoji said...

鍋島2001
151に引用

カレツキ1984#7 景気上昇のメカニズム
29~30
「産出量が増加すれば流通している貨幣への需要が増加し、したがって中央銀行に対する信用の増加を招くであろうことは指摘しておくべきである。もし中央銀行が,利子率を新発明によって引き起こされた追加的な投資の増加と同額だけ総投資が減少する水準まで引き上げることによってこの事態に対処すれぱ,経済状態はまったく改善されないであろう・したがって,景気上昇のための前提条件は,現金需要の増加に反応して利子率があまり急速に上昇してはならない,ということである」(同上,29-30貫).


鍋島2001
152
このように,有効需要増加の局面において,それに対応する銀行システムによる信用供与,すなわち貨幣供給量の増大の必然性を強調するところにカレッキ理論の特徴がある.

ゲゼルにつながる認識

12:05 午前  

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