月曜日, 10月 10, 2016

ミルグロム『組織の経済学』1992,1997



             (経済学リンク::::::::::) 
NAMs出版プロジェクト: ミルグロム『組織の経済学』1997 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html @
NAMs出版プロジェクト: ベン卜・ホルムストローム 2016ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_32.html
NAMs出版プロジェクト: オリバー・ハート 2016ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_39.html
NAMs出版プロジェクト: ジャン・ティロール2014年ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2014.html
NAMs出版プロジェクト: 安田洋祐 - Wikipedia
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/wikipedia_16.html

契約理論は効用関数を使ってはいるが、ゲーム理論の一環として考えるとスッキリする。


ポール・ミルグロム、ジョン・ロバーツ(奥野正寛、伊藤秀史、今井晴雄、西村理、八木甫訳)『組織の経済学』(NTT出版)、1997年

http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762 
米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏:日経ビジネスオンライン 201404
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/

ポール・ミルグロム - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%A0
(1992). Economics, Organization and Management. Prentice Hall. ISBN 0132246503.

https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
目次    
第1部 経済組織
第2部 コーディネーション―市場と組織
第3部 モティベーション―契約、情報とインセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供―契約と所有 ☆
第5部 雇用―契約、報酬、キャリア
第6部 資金調達―投資、資本構成、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス


参考:
ミルグロム 組織の経済学・マレニヨム
http://hakase-jyuku.com/mare/

http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry54.html
リスク・シェアリングの原理
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組織の経済学 | ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ, 奥野 正寛, 伊藤 秀史, 今井 晴雄, 西村 理, 八木 甫 1997
https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
702頁
本書は、当代一流の経済学者が書いた組織論のテキストブックである。テキストブックと言っても、日本によくある並みの教科書ではない。先端の理論を豊富に盛り込み、記述の密度が高い良書だ。 

本書の論述は厳密だ。アカデミックな研究の第一線に触れる内容が含まれている。だから気楽に読み進めるというには、ちょっと重たい内容だ。本自体が700ページにおよぶ大著でもある。しかし経営実務に携わっている人たちや学生が、この際少しまとまった時間をかけて「挑戦」してみようというのなら、おすすめしたい本だ。理論的論述が充実しているだけではなく、興味をそそるエピソードや事例も随所に盛り込まれていて、読者に対する配慮を忘れていない。 

経済学者は伝統的に市場における取引に注意を集中してきた。しかし今では多くの経済活動が市場取引ではなく、企業という組織の内部で行われている。その組織内部の現象にスポットを当てて、基本的には経済学的視点に立ち経済学的分析ツールを駆使して議論を体系化している。 

強いて言えば、本書で取り上げられているトピックの多くは、やや古い。日本で経営学とよばれるビジネス・リサーチの世界では、すでに主要トピックではなくなったものが、本書のトピックの多くを占めている。経営学では新製品開発、事業創造、ビジネスモデルの競争、経営イノベーションが主要テーマであって、議論の対象がきわめてダイナミックだ。たとえばゲーム理論の応用を考える場合も、本書で議論されている組織内部の現象より、むしろ競争戦略やビジネスモデルとの関連が議論されたら、はるかにおもしろかっただろう。 

とはいえ組織論の教科書として、これは第一級の本である。こういう高水準の教科書が出版され、そしてアメリカで売れていることは、かの国の高等教育がきわめて質の高いものであることを示唆している。(榊原清則)




efficient incentives contracts and ownership

https://books.google.co.jp/books?id=3xK7AAAAIAAJ&source=gbs_navlinks_s&redir_esc=y

Economics, Organization and Management:United States Edition - Paul Milgrom - 9780132246507 - Economics - Business Economics
https://www.pearson.ch/HigherEducation/Pearson/EAN/9780132246507/Economics-Organization-and-Management-United-States-Edition

TABLE OF CONTENTS 邦訳と違う版

I. THE CONCEPTUAL FRAMEWORK.
1. Does Organization Matter? 
2. Economic Organization and Efficiency. 
II. THEORIES OF COORDINATION AND MOTIVATION.
3. Using Prices for Coordination and Motivation. 
4. Coordinating Plans and Actions. 
5. Incentives and Motivation. 
6. Moral Hazard. 
7. Risk Sharing and Incentive Contracts. ☆
8. Rents and Efficiency. 
III. COORDINATION, MOTIVATION, AND MANAGEMENT.
9. Ownership and Property Rights. 
10. Employment Policy and Human-Resource Management. 
11. Internal Labor Markets, Job Assignments, and Promotions. 
12. Compensation and Motivation. 
13. Executive and Managerial Compensation. 
IV. DESIGNING AND CHOOSING ORGANIZATIONAL FORMS.
14. The Classical Theory of Investments and Finance. 
15. Financial Structure, Ownership, and Corporate Control. 
16. The Boundaries and Structure of the Firm. 
Glossary. 
Author and Subject Indexes. 


Risk Sharing and Incentive Contracts. 
http://masonlec.org/site/rte_uploads/files/Milgrom%20Roberts-Chapter%207%20excerpt%20class%203%20reference.pdf


#7:

私は言った,「そこでだ,まっとうに仕事するのがとても大変で,インチキするには手間が

いらない,そしてどっちにしろ賃金は同じなのに,まっとうな仕事を習うなんて何の役に

立つのかい」

  ハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)


Well, then, says I , what's the use you learning to do right when it's troublesome to do right and ain't no trouble to do wrong , and the wages is just the same?
Huckleberry Finn
…だったら、正しいことを教わったとこで何の役に立つんだ?正しいことをしようとすりゃ面倒なことになって、正しくねえことをしてりゃ面倒になんねえんだったら?そんなで、損得もおなじだとしたら?…(ハックルベリーフィンの冒険16章)










http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
組織の経済学 |書籍出版|NTT出版
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
NTT出版 NTT Publishing Co.,Ltd.

組織の経済学 ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
奥野正寛/伊藤秀史/今井晴雄/西村理/八木甫 訳
発売日:1997.11.03
定価:5,940円
サイズ:B5判変型

この本の内容
補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と経営学の独創的ブレークスルー。日本の制度改革にも貴重な示唆を与える一冊。
書評掲載情報

週刊東洋経済(2015年9月12日号)
日経BPムック 日経ビジネス「新しい経済の教科書2014~2015年版」

目次
序文
日本語版への序文
訳者まえがき
第1部 経済組織
 第1章 組織は重要か
 第2章 経済組織と効率性
第2部 コーディネーション:市場と組織
 第3章 コーディネーションと動機づけにおける価格の役割
 第4章 計画と行動のコーディネーション
第3部 モティベーション:契約、情報とインセンティブ
 第5章 限定合理性と私的情報
 第6章 モラル・ハザードと業績インセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供:契約と所有
 第7章 リスク・シェアリングとインセンティブ契約 ☆
 第8章 レントと効率性
 第9章 所有と財産権
第5部 雇用:契約、報酬、キャリア
 第10章 雇用政策と人的資源のマネジメント
 第11章 内部労働市場、職務配置、昇進
 第12章 報酬と動機づけ
 第13章 経営者および管理者の報酬
第6部 資金調達:投資、資本構成、コーポレート・コントロール
 第14章 投資とファイナンスの古典的理論
 第15章 金融構造、所有、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
 第16章 企業の境界と構造
 第17章 経営・経済システムの進化
用語解説
事項索引
人名索引

著者紹介
ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)
スタンフォード大学経済学部教授。1948年米国デトロイト生まれ。
ジョン・ロバーツ(Jhon Roberts)
スタンフォード大学ビジネス・スクール教授。1945年カナダ、ウィニベグ生まれ。

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ラチェット効果とは、可処分所得が低下しても、低下した可処分所得の割合ほどには 消費を減らさない現象のこと。景気後退時にも、ラチェット効果により、所得の減少が そのまま…
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参考:

ミルグロム 組織の経済学・マレニヨム
http://hakase-jyuku.com/mare/
第3章 契約、情報とインセンティブ


http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry54.html
リスク・シェアリングの原理
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 それぞれ独立したリスクを持った二人以上の人間が、互いにリス
クを分担しあうことによって総リスク負担費用を抑えることができ
る。これを特に
「リスクシェアリングの原理」
と言う。

 リスクシェアリングの原理は、全ての保険契約の基礎となってい
る考えである。

 たとえば自動車事故にあう確率は、人間それぞれ独立している。

 つまりAさんが事故に遭えばBさんも事故に遭うというような従
属現象(つまりAさんの事故がある確率でBさんの事故を必ず引き
起こす)ということはまず起こらない。

 AさんはAさんで独立して事故に遭い、BさんはBさんでまた、
独立して事故に遭う。 

 それぞれが独立して事故に遭うから、それぞれに適当な事故確率
を設定でき保険料率を当てはめることができる。

 だから多数の人間が保険に加入し、事故に遭う確率が独立である
と、保険が上手く機能する。

 たとえば株を買うとき、ナントカ商事と、その子会社と、その関
連会社の株式を買うような事をすると、そのナントカ商事が潰れた
ら子会社や孫会社も影響を受け、たいてい全部損になってしまう。

 けれどナントカ商事の株と、ナントカ商事とは全然関係ない中位
の会社の株と、さらにそれらとまるで関連のない会社の株を買えば、
どれかはダメになって損はするが、丸ごと全部損にはならない。

 この場合、それぞれの株の安全性・危険性は独立しているから、
リスク・シェアリングを考えるのが簡単になる。

 簡単になればそれを調べる費用は安く済むし保険料率の設定やリ
スク・シェアリングも簡単になるから、より条件のいい保険を提示
でき、効率がよくなる。


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■インセンティブ報酬の原理
~業績指標に基づいた支払方法
----------

 個人や組織が、他人のために行動するように動機を与える問題は、
経済学では「プリンシパル(依頼人)=エージェント(代理人)問
題」として知られている。

 ここからしばらくは雇用問題におけるこの問題を考えることにす
る。プリンシパルが雇用主で、エージェントが従業員である。

 で前にも書いたとおり、従業員に仕事に対するインセンティブを
与えるには、従業員の報酬を何らかの形で企業の業績にリンクさせ
ねばならないが、しかしそれをするには従業員の仕事を客観的・明
示的にハッキリ測定できなくてはならず、結局大抵の場合、企業や
個人の業績に対して金銭的インセンティブが与えられるという形を
取る。

 つまり企業の業績が良く個人の寄与が大きければ、その者に与え
る給料やボーナスを増額し、逆に企業の業績が悪く個人の働きが悪
ければ給料は下がりボーナスはなし、、という形である。

 だが金銭的インセンティブは、企業の業績悪化によるリスクを従
業員で分散して負担するということである。

 だから給料を全てインセンティブ報酬にしてしまうと、個人のリ
スク負担は大きくなりすぎてしまう。

 たいていの人間は「リスク回避的」であると考えられるので、業
績が悪ければ給料0というのでは殆どの従業員が辞めてしまい、企
業はもはやその体をなさなくなり、長期的な企業運営が不可能にな
ってしまう。

 だから各個人が背負うリスクは、不確実な収入の不確実性を回避
できる程度にしなければならないが、そうすると今度は逆にリスク・
シェアリングが非効率なものとなる。

 リスクを均等に従業員に負担させると、個人が背負うリスクが大
きすぎてしまうのでそれは小さめに配分しなければならないが、そ
うすると今度はリスク・シェアリングとしては非効率になるから、
企業はこの差を負担せねばならない。これは企業にとっての損失で
ある。

 だが業績と報酬をリンクさせている企業は、従業員から優れた業
績を引き出すことによって、その損失を取り返せると考えている。

 そしてまたリスク回避的な従業員に支払う給料はその分安くつく
ので、企業はこれらの損失をいくらか埋め合わせているとも考えら
れる。

----------
■従業員の努力水準eと評価
----------
 それでは従業員に与えるインセンティブについて考えよう。

雇用主の利益を図って従業員が費やす努力の水準をe、その私的
費用をC(e)とする。

 努力水準eが示すのは、企業の業績向上に役立つために従業員が
行うあらゆる種類の行動 たとえば接客態度の向上(服装を正した
り言葉遣いを丁寧にしたり)、業務に役立つ勉強、業界動向や新技
術の研究、市場調査や分析、企画の提案、部内作業の効率化などな
どの水準である。

 そのために支払った授業料や時間、業務の不愉快さ、失われた利
益や名声、その他雇用主の利益向上と引き換えに失われる全てにか
かわる費用をC(e)とする。

 もちろんこれらの仕事が楽しかったり、努力が企業の業績向上と
ともに従業員のスキルアップに大きく意味があるならばC(e)は0や
マイナスになることだってあるだろう。

 が、これらの努力はたいてい正当な仕事の一部として認められな
かったり、貢献度を正当に評価されないことが多いので、プラスと
考える。

 企業の利潤P(e)を、従業員の努力水準eに依存する関数であると
仮定すると、eが高ければそれは高い利潤をもたらすことになる。

 たとえば接客態度の良い店員がいたとする。その店員のお陰で業
績が結構向上したとする。

 だがしかし、その業績向上が「店員の誰の接客態度」によっても
たらされたモノなのかは、店長や支配人にはわかりにくい。

 特に裏表がある人間は上司には態度が良いが、部下や客には態度
が悪かったりということがよくあるから、努力水準eやその結果を
評価するのは容易ではない。

 そんな状態で店長や支配人の主観で業績を評価し、それによって
従業員にボーナスを出したりするとたいていギクシャクする。

 同僚や部下はたいてい同僚の人物の裏面を上司や支配人よりよく
知っているのだから、それは当然だ。

 そしてまた上司や支配人に評価する資質があるかどうかも問題に
なる。原因と結果を正確に結びつけるような分析能力があるかどう
かという問題も起こってくる。

 従業員の努力水準eやそれによる業績向上という結果はそういう
わけで結局そうそう観察できるもんじゃないから、たいていの場合
は仕方なく便宜的に労働時間や仕事に費やしたエネルギー量などで
数値化することになってしまう。

 eを努力水準、xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に
対する需要水準とすると

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

というモデルを立てることができる。

 このモデルにおいて歩合給を決めるのは「本人の努力」と「店全
体の売り上げ」と「その産業全体の状態」である。

 このときのこの式のβを特に「インセンティブ強度」という。

 α(基本給:固定)が大きくβ(インセンティブ強度)が小さけ
れば、従業員に与えるインセンティブは弱く、逆にαが小さくβが
大きければ従業員に与えるインセンティブが強い、というわけであ
る。

※もちろんβが大きければ大きいほど従業員の負担するリスクも大
きくなるので、それを受け入れる従業員数は少なくなる。


(つづく)
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          今週の・・・

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「保険」と言っても生命保険とか健康保険とかじゃなくて、社会の
中で発生するありとあらゆる「保険的なモノ」を指すと考えてくだ
さい。
NEXT:努力インセンティブと、契約の実現可能性



努力インセンティブと、契約の実現可能性
http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry55.html
インセンティブ報酬の原理
----------

雇用主の利益を図って従業員が費やす努力の水準をe、その私的
費用をC(e)とする。

 努力水準eが示すのは、企業の業績向上に役立つために従業員が
行うあらゆる種類の行動 たとえば接客態度の向上、業務に役立つ
勉強、業界動向や新技術の研究、市場調査や分析、企画の提案、部
内作業の効率化などなどの水準である。

 そのために支払った授業料や時間、業務の不愉快さ、失われた利
益や名声、その他雇用主の利益向上と引き換えに失われる全てにか
かわる費用をC(e)とする。

 企業の利潤P(e)を、従業員の努力水準eに依存する関数であると
すると、eが高ければそれは高い利潤をもたらすことになる。

 努力水準eはなかなか数値化できないので、代わりに労働時間や
仕事に費やしたエネルギー量などで数値化することになる。

 eを努力水準、xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に
対する需要水準とすると

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

というモデルを立てることができる。

 このモデルにおいて歩合給を決めるのは「本人の努力」と「店全
体の売り上げ」と「その産業全体の状態」である。

 このときのこの式のβを特に「インセンティブ強度」という。


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       インセンティブ契約の実現可能性

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■線型報酬関数を支える論理
----------

 従業員に与えるインセンティブ報酬のモデルは eを努力水準、
xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に対する需要水準と
したとき

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

であった。

 もちろんこのような線型の式で表されるような報酬体系以外にも、
世の中には様々な形のインセンティブ契約が存在する。

 たとえばセールスマンが一定以上の業績を挙げたときのみに支払
われる「成功報酬」である。

 商品やサービスを売った分だけ歩合を与えるというやり方で、モ
ノを仕入れて売るだけの販社によくあるパターンである。

 だがしかしこういう形式の契約には、大きな欠点がある。

 それは
「最初につまづいて、その成功報酬をもらうための規準となる業績
に達しない見込みになるや否や、従業員のインセンティブが急激に
落ちる」
ということである。

 与えられたノルマや達成水準に達しなければボーナス無し、とい
う条件下では、達成率30%も達成率99%も同じであるから、期
末に達成率が100%を越えなさそうだとわかった時点で従業員は
努力を止めて転職先を探し出し始めてしまう。

 だからそういう契約ではなく、線型の歩合給の形でインセンティ
ブ契約を結ぶというのは、売り上げを伸ばすために一様なインセン
ティブを与えるために有効なのである。

 線型の歩合給形式のインセンティブなら、期末に達成水準に達し
ないと分かった状態でも、次に一つ商品を売ったときに成功報酬を
受け取れるならセールスマンは商品を売ろうとするからである。

線型報酬関数に基づくインセンティブ契約は、そういうわけで従
業員に一様なインセンティブ・プレッシャーを与えることができ、
インセンティブ契約の最も良いモノの一つであると考えられる。

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■線型契約の下での総所得
----------

 雇用主が中規模以上の企業の場合、従業員一人が担えるリスク負
担能力は、雇用主と比べて取るに足らないくらい小さい。

 このため、インセンティブの問題を考えないとすれば、従業員の
給与に変動をもたらす全てのリスク発生源に対して保険を掛け、雇
用主が金銭的リスクを全部負担するのが最適であろう。

 だがしかし、報酬中の全てのリスクを取り除いてしまうと、努力
水準を高めて利潤を増大させるインセンティブが、同時に従業員か
ら失われてしまう。

 だから問題は(何度も書くが)リスク・シェアリングとインセン
ティブを与えバランスなのである。

 さてここで、努力水準eと雇用主から与えられたインセンティブ
契約の規準となるパラメータα(固定給)、β(インセンティブ強
度)、γを考えてみる。

 つまりベクトル(e、α、β、γ)によって、従業員の報酬が決
定されるようなインセンティブ契約を考えるわけである。

 このとき従業員の確実同値額は、

「報酬の期待値」-「努力に要する費用」-「リスク・プレミアム」

となり、ゴチャゴチャ計算して簡素化すると、

 α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)

となる。

 そしてまた、同時に雇用主の確実同値額は、
「粗利潤の期待値」-「報酬支払い額の期待値」、つまり

 P(e)-(α+βe)

である。

 そういうわけで、従業員と雇用主の式を足しあわすと
「線型契約下における総所得」
が計算でき、それはつまり

P(e)-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)

ということになる。

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■努力インセンティブと、契約の実現可能性
----------
 さて今、従業員の確実同値額は、
α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)
であった。

 これはつまり従業員にとって収入が大きく変動すると困るから、
リスク・プレミアム分だけ安くていいから給料の基幹部分を固定給
にして、後はインセンティブ契約(つまり一部歩合給)で給与をも
らおうという仕組みである。

 だからもし従業員に上手くインセンティブを与えて業績を伸ばそ
うと雇用主が考えるなら、従業員の努力水準eが、他のパラメータ
とどういう関係にあるか、確かめておかねばならない。

 努力しても見返りがないなら、インセンティブ契約にはならない
から、βe-C(e)≧0は明らかであろう。がそれだけでは、適当な
インセンティブ・プレッシャーを与えているかどうかはわからない。

 そういうわけでこの式をeの関数であると見なしてeで微分する。
 するとβ-C'(e)となる。

 努力水準をe上げるのは、最初はたやすいかも知れないが、どん
どん難しくなっていく。だから努力の費用C(e)はeが大きくなるに
つれ増加していく。

 それに対してβが小さくなったり大きくなったりすると一様なイ
ンセンティブを与えることができなくなるから、βの値は常に、

  β-C'(e)=0

を満たすように決めなければならない。

 これを「インセンティブ制約式」と呼び、実現可能なインセンテ
ィブ雇用契約は、必ずこの式を満たさねばならないのである。


(つづく)
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          今週の・・・

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 計算式はややこしいけど、要するに常に努力するための費用の増
分とインセンティブ強度βが常に等しくなるように設定しなければ、
効率的な結果は得られないと言うことです。

 たとえばものすごく努力しなければ結果がでないような場合、イ
ンセンティブ強度βはかなり大きくないと誰も努力しない。

 これは激烈な競争をしているIT業界でストック・オプションが
多用される一つの原因である。

 しかし少しの努力で結果がでるような場合、βを大きくすると企
業は利益を従業員に還元しすぎてしまう。

、、、ということです。

NEXT:インセンティブ契約のおさらい

インセンティブ契約のおさらい
http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry56.html

■努力水準とインセンティブ報酬制度
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 さて、努力するにも何らかのコストがかかる。

 業績アップのために本を読んだり英会話学校に通ったり、、或い
はその他の様々なトレーニングを行ったり、、、、

 これらの費用をC(e)で表し、そしてIに
α(基本給)+β・(e+x+γy)
を代入して計算すると、インセンティブ契約における従業員の給料
(確実同値額)は、結局下のようになる。

 w=α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)
           (※ここでβ^2はβの二乗である。)

 wは努力水準eの関数である(つまり従業員の努力いかんによっ
て給料が変化するわけだから)から、これをeで微分すると努力水
準と支払われる給料の上昇速度関係がはっきりする。

 ∂w/∂e=β-C'(e) 
         ※C'(e)は努力一単位に必要な限界費用になる。

 ここでβ-C'(e)>0だと、努力が大きい人はもの凄くたくさん
歩合をもらえることになり、小さい努力しかしない人はまるで実入
りが増えないことになってしまう。そしてまら企業は報酬を払いす
ぎることになる。

 逆にβ-C'(e)<0だと、1努力した人は1もらえるが、10努力
したひとは7くらいしかもらえない事になる。

 そう言うわけだから効率的なインセンティブ契約となるのは、
β-C'(e)=0となる場合である。

 だからもし企業が従業員の努力水準を引き上げようと思うなら、
インセンティブ契約を結んだ上でβを引き上げなければならない。

 この式を特に「インセンティブ制約」と呼び、実現可能な雇用契
約は必ずこの式を満たさねばならない。「インセンティブ両立的」
な契約は「インセンティブ制約」を満たす。


NEXT:インフォーマティブ原理

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ベン卜・ホルムストローム 2016ノーベル経済学賞

BREAKING 2016 Prize in Economic Sci. to Oliver Hart @Harvard & Bengt Holmström
@MIT “for their contributions to contract theory” #NobelPrize

Bengt Holmstrom, born 1949 in Helsinki, Finland. 
Ph.D. 1978 from Stanford University, CA, USA. 
Paul A. Samuelson Professor of Economics, 
and Professor of Economics and Management at Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA, USA.


《一九八〇年代後半には、経済学者のベン卜・ホルムストロームとポール・ミルグロム
により、もう一つの重要な研究結果が示された。両氏は数々の仮説に基づく極めて理論的
な論文において、通常は売上高にかかわらず歩合をー定に保つのが、営業担当者の報酬制
度として最適であると結論づけた。さまざまな種類のボーナスを設けたり、一定期間内に
目標を達成した人に以後は別の報酬体系を適用したりするなど、仕組みを複雑にしすぎる
と、担当者たちはそれにうまく乗じる方法を見つけ出すだろう、というのだ。

 ホルムストロームとミルグロムが提案したようなシンプル極まりない報酬体系は、訴求
力がありそうに見えるが(理由のーつとして、運用しやすくコストもかさまない)、実際のと
ころ、多くの企業はもっと複雑な仕組みを選ぶ。「営業担当者はそれぞれ個性があり、モ
チべーションやニーズが異なるため、いくつもの要素から成る報酬体系のほうが幅広い層
にアピールするだろう」と考えるのだ。その理屈でいえば、個々の担当者から最高の成果
を引き出すには、個別に報酬体系を決めるべきだということになる。…》
(「営業を本気にさせる報酬制度とは」ダグ J.チュン ハーバード・ビジネス・スクール 助教授
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2015年8/01号)

How to Really Motivate Salespeople
https://hbr.org/2015/04/how-to-really-motivate-salespeople
Another important study, from the late 1980s, came from the economists Bengt Holmstrom 
and Paul Milgrom☆. In their very theoretical paper, which relies on a lot of assumptions, they 
found that a formula of straight-line commissions (in which salespeople earn commissions 
at the same rate no matter how much they sell) is generally the optimal way to pay reps. 
They argue that if you make a sales comp formula too complicated—with lots of bonuses or 
changes in commission structure triggered by hitting goals within a certain period—reps will 
find ways to game it. The most common method of doing that is to play with the timing of 
sales. If a salesperson needs to make a yearly quota, for instance, she might ask a friendly 
client to allow her to book a sale that would ordinarily be made in January during the final 
days of December instead (this is known as “pulling”); a rep who’s already hit quota, in contrast, 
might be tempted to “push” December sales into January to get a head start on the next year’s goal.


Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives.(Adobe PDF)1987
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University 
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1987%20EMA%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全27頁
邦訳組織の経済学267頁#7参照

Multitask Principal-Agent Analyses: Incentive Contracts, Asset Ownership, and Job Design 1991
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University 
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1991%20JLEO%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全30頁

6章付録:インセンティブ契約の数学モデル より
表6.5 努力水準に対応した結果の確率
         収入
行動      R=10     R=30
e=1     P=2/3    P=1/3
e=2     P=1/3    P=2/3




√Z______
 |     / 
5|    /            
 |   /1/3√z-1=1/3√y
4|  /誘因制約
 | /        
3|/          
 |-_   参加制約
2|   ̄-_ 1/3(√y-1)+2/3(√z-1)=1
 |      ̄-_ 
1|         ̄-_
 |___________ ̄-__  
 0 1 2 3 4 5 6 √y

図6.1:この例では,点(0,3)はインセンテイブ制約と参加制約の両方を満たす範囲で,プリンシパルに最小のコ

ストをもたらす,このグラフは√yおよび√Zで表されている点に注意してほしい.


組織の経済学222頁




10 Comments:

Blogger yoji said...

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/
広野 彩子広野 彩子
バックナンバー
2014年4月16日(水)
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 日本を除く経済協力開発機構(OECD)諸国で採用されている、政府による周波数免許のオークション。その生みの親が、ポール・ミルグロム米スタンフォード大学教授である。別冊「2014~2015年版 新しい経済の教科書」では、周波数オークション誕生秘話や理論的背景、さらにはミルグロム教授が経済学者になったきっかけや、共著で著した教科書『組織の経済学』(NTT出版)などの誕生秘話まで詳しく掲載している。本稿では、そのインタビューの一部をご紹介する。(聞き手は広野彩子)
ミルグロム教授は、米国で1994年から実施されている、周波数免許を入札で決める「周波数オークション」の仕組みを作った生みの親の1人です。米国では、1人の売り手と複数の買い手(入札者)による取引を、ゲーム理論も応用して理論化した「オークション理論」が使われています。

 そうです。私は、博士課程の大学院生の時、ウィリアム・ビックリーという研究者が書いたオークション理論に関する論文に大変影響を受け、ゲーム理論と経済学に興味を持つようになりました。私の博士論文はオークション理論でしたし、オークションについては若い頃から研究してきました。

 その後幸運なことに、米国政府が周波数免許の割り当てをオークション方式で実行すると正式に決めた時、私の論文が脚注で引用されたのです。その影響で、大手通信会社数社から私のところに直接連絡がありました。周波数オークションにあたって助言を求めてきたのです。そのうちの1社のアドバイザーとして活動したのが発端でした。


ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)
1948年米国デトロイト生まれ。70年に米ミシガン大学を卒業、保険数理士(アクチュアリー)の仕事に数年間従事した後、78年米スタンフォード大学経営大学院でPh.D.を取得。87年から現職。著書に『組織の経済学』(ジョン・ロバーツ氏との共著、NTT出版)、『オークション理論とデザイン』(東洋経済新報社)などがある。(写真:林幸一郎)
 政府の提案書を見ると、オークションの中身は複雑でしたが、これが実現すれば社会的意義は大きい。大きなチャンスだと思い、かかわることになりました。

周波数オークションで、どのような問題を解決したかったのでしょうか。

 過去何百年もの間、(絵画などの入札で知られる)いわゆる「オークション」は、個々の財の競争的な価格を決める役割を果たしてきましたものです。周波数免許のオークションの仕組みづくりにあたって新しく、興味深かった点は、かなり多くの異なる「財」(ここでいうとたくさんの周波数)を、同時に、最適な買い手(通信会社など)に、最も役に立つ組み合わせで配分できるところにありました。

 その意味で、社会的に最も良い結果が出るように持っていくためには、オークションが、セットで売られる周波数の組み合わせ及び、組み合わせるルールを決める仕組みとなり、かつ価格決定機能を果たす必要がありました。

米国ではミルグロム教授のような経済学者が数多くの政策立案過程に本格的にかかわっています。また、経済学はビジネスにも活用されています。日本では米国ほどそうした動きはありません。経済理論をどのように使えば、ビジネスの役に立つのでしょうか?

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏 (2ページ目):日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/?P=2
ポール・ミルグロム米スタンフォード大学教授に聞く

広野 彩子広野 彩子
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2014年4月16日(水)
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 既に、数多くの経済分析が現実への応用に生かされています。金融市場はその最たるものです。オプションの価格決定モデルなどは典型でしょう。シリコンバレーの大手IT(情報技術)企業では、グーグルやフェイスブックが経済学者を様々な理由で雇っています。彼らがインターネット広告のオークション設計に理論面で役に立っているのは良く知られています。

周波数オークションは、今のところ日本では採用されていません。どのようなメリットがあるのですか。

 周波数オークションはまず、様々な意味で政府にとって役に立ちます。オークションであれば、事業への課税によって価格のゆがみを生み出すこともなく、政府に収益をもたらすことが可能です。また、周波数免許が、なるべく高い価値を生み出せる、つまりふさわしい価格で買おうとする買い手に割り当てられるようになります。それから、放送・通信事業会社の新規参入も促進します。

 そしてその過程を通じて、顧客(携帯電話などのユーザー)に恩恵をもたらすでしょう。既存企業に対しては品質・実績・収益性の向上を促す力になるからです。つまりこれは、誰にとっても役に立つのです。

 日本で周波数オークションが受け入れられないのは、主に政治的な理由だと私は思っています。既得権のある関係者は現状維持を好むものです。規制当局者も、周波数免許割り当てに自らの裁量を行使できる権限と影響力を保ちたいでしょう。

米国ではさらに新しいオークションを設計するそうですね。ミルグロム教授が相当かかわっているそうですが。

 新しい仕組みについて、専門的にはインセンティブ・オークションと呼んで設計に携わっているところですが、これまでの周波数オークションとは2つの意味で違います。第1に、このオークションでは買い手も売り手も入札に参加します。つまり、既存の放送局にあてがわれた周波数免許を買い取って、それをブロードバンドの会社に売るわけなのですが、この売りと買いを同時にするのです。

 これは買い手にとって大きなことです。ほかの周波数オークションと違って、金額がいくらの周波数免許を買えるのかが前もって分からないからです。また周波数免許を売る側、すなわち放送局側の立場は、周波数オークションにおける「新たな参加者」となります。



米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏 (3ページ目):日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/?P=3
 第2に、買い手は単に周波数免許を買い、売り手は単に周波数免許を売るだけのようにも見えますが、実際に売り買いされる権利はかなり違います。誰が売るかという情報に基づき、政府がどのチャンネル(局)が売りに出されるのか認識しつつ、残されたほかの放送局が互いに相互干渉することなく周波数免許を割り当てられ、どの免許を買い手に提示し得るのかについて判断しなければならないからです。

 オークションを通じてこうした問題を解決するためには、前代未聞の複雑な仕組みが必要になるのです。米国政府は2015年6月にも最初のオークションをしたいと思っているようで、それまでに仕組みを完成させるため、鋭意研究に取り組んでいます。

20140416

8:20 午後  
Blogger yoji said...

契約理論について、邦書でも以下の優れた教科書があります。
前者は、先ほどの伊藤教授による完備契約(ホルムストロムが大きく貢献した)に関する上級レベルのテキスト、後者は東大の柳川教授による不完備契約(ハートが特に貢献した)分野の分かりやすい入門テキストです:

契約の経済理論
契約の経済理論 [単行本]
伊藤 秀史
有斐閣
2003-05

契約の経済理論
著者名等  伊藤秀史/著  
著者等紹介 1982年一橋大学商学部卒。京都大学経済学部助教授、大阪大学社会経済研究所助教授を経て、2000年より一橋大学大学院商学研究科教授。この間カリフォルニア大学サンディエゴ校、スタンフォード大学、コロンビア大学で客員助教授等を務める。専攻:組織の経済学と契約理論。
出版者   有斐閣
出版年   2003.4
大きさ等  22cm 422p
NDC分類 331
件名    経済学  
要旨    情報が等しく共有されていないとき最も望ましい行動に人々を誘う仕組みを考えるための基礎理論と分析手法。

目次   
第1章 アドバース・セレクションの基本モデル
第2章 アドバース・セレクションのモデル:バリエーションと拡張
第3章 複数エージェントのアドバース・セレクション
第4章 モラル・ハザードの基本モデル
第5章 モラル・ハザードのモデル:バリエーションと拡張
第6章 複数エージェントのモラル・ハザード
第7章 ダイナミック・モデル
第8章 複数プリンシパルの理論
第9章 不完備契約の理論
数学付録☆

内容
情報が等しく共有されていないとき、最も望ましい行動に人々を誘うことが出来る仕組みとは。保険市場や政府の内部組織、人事慣行などの様々な分野で利用されている契約理論の基礎理論と標準的な分析手法を解説。


リスク・プレミアム394頁
くじ(確率分布関数)396頁

契約と組織の経済学
契約と組織の経済学 [単行本]
柳川 範之
東洋経済新報社
2000-03-01

契約と組織の経済学
著者名等  柳川範之/著  
出版者   東洋経済新報社
出版年   2000.04
大きさ等  21cm 224p
NDC分類 331
件名    経済学  
要旨    最先端のテーマを、数式を用いずにやさしく解説。
目次    契約理論の新展開;不完備契約の考え方;不完備契約理論の基礎;企業の境界と所有権の
配分;権限配分への応用;形式的権限と実質的権限;法律の役割;公的企業組織の問題;
民営化の問題;金融契約への応用〔ほか〕
内容    文献あり 索引あり
ISBN等 4-492-31272-2

4:32 午前  
Blogger yoji said...

川越敏司「マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学」
https://itun.es/jp/eicr6.l


ミルグロムを創始者と位置付ける

6:55 午後  
Blogger yoji said...

ミルグロムは自身で1995年にマーケット・デザインに関するコンサルティング会社Market Design Inc.を設立しました(8)。おそらくこれが、マーケット・デザインという用語が公式に生まれた瞬間なのだと思います。

6:56 午後  
Blogger yoji said...

メカニズム・デザインでは目標を実現するメカニズムが理論的にデザインできればそれで研究課題を達成したことになるが、マーケット・デザインではそうしてデザインしたメカニズムを実地に適用せねばならず、

7:00 午後  
Blogger yoji said...

シャプレーが1962年にデビッド・ゲールとともに執筆したのが「大学入学と結婚の安定性」という論文(3)で、これがノーベル経済学賞受賞対象となった「配分の安定性」に関する研究です

、そのアルゴリズムの特徴から受入保留方式(4

3 Gale and Shapley (1962)

4 Deferred Acceptance algorithmの訳。



7:04 午後  
Blogger yoji said...

アルヴィン・ロス(写真1)は、重要な応用例を発見します。それは、医学部を卒業した研修医が研修先の病院を決める問題です。これを研修医マッチングというのですが、この問題は大学入学問題と基本的に同じ問題です

7:05 午後  
Blogger yoji said...

1961年にウィリアム・ヴィッカレー(5)が書いた論文以来のことです(6)。ヴィッカレーは、このオークションに関する研究を通じて、経済主体の間で情報上の格差のある状況(情報の非対称性といいます)を分析

Vickrey (1961) 7 strategy-proofnessの訳。戦略的操作不能性とも訳されます。 8 http://www.marketdesign.com/

7:06 午後  
Blogger yoji said...

100アメリカ合衆国で周波数オークションが検討されるようになったのは1950年代後半のことです。「法と経済学」という研究分野の創始者でノーベル経済学賞受賞者のロナルド・コースが、FCCに提案を行い、論文を書いています(Coase (1959))。

7:08 午後  
Blogger yoji said...

カップリング・パーティのマッチング方式の性質を新規に研究する必要性に迫られました。執筆も後半になって、この方式は、アルヴィン・ロスが調べたイギリスでの研修医マッチングで使用されていた方式(順位優先方式)と類似

7:09 午後  

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