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The Theory of Corporate Finance
Honorable Mention, 2006 AAP Award for Best Professional/Scholarly Book in Finance & Economics |
Table of Contents with Links to Sample Chapters (PDF format)FrontmatterAcknowledgements Introduction Overview of the Field and Coverage of the Book Approach Prerequisites and Further Reading Some Important Omissions References I. An Economic Overview of Corporate Institutions 1. Corporate Governance 2. Corporate Financing: Some Stylized Facts II. Corporate Financing and Agency Costs 3. Outside Financing Capacity 4. Some Determinants of Borrowing Capacity 5. Liquidity and Risk Management, Free Cash Flow, and Long-Term Finance 6. Corporate Financing under Asymmetric Information 7. Topics: Product Markets and Earnings Manipulations III. Exit and Voice: Passive and Active Monitoring 8. Investors of Passage: Entry, Exit, and Speculation 9. Lending Relationships and Investor Activism IV. Security Design: The Control Right View 10. Control Rights and Corporate Governance 11. Takeovers V. Security Design: The Demand Side View 12. Consumer Liquidity Demand VI. Macroeconomic Implications and the Political Economy of Corporate Finance 13. Credit Rationing and Economic Activity 14. Mergers and Acquisitions, and the Equilibrium Determination of Asset Values 15. Aggregate Liquidity Shortages and Liquidity Asset Pricing 16. Institutions, Public Policy, and the Political Economy of Finance VII. Answers to Selected Exercises, and Review Problems (2MB Excerpt) Answers to Selected Exercises Review Problems Answers to Selected Review Problems Index Return to Book Description File created: 10/27/2005 |
生誕 | 1953年8月9日(65歳) フランス・トロワ |
---|---|
研究機関 | トゥールーズ第一大学 (UT1)・トゥールーズ・スクール・オブ・エコノミクス (TSE) |
研究分野 | ミクロ経済学 産業組織論 ゲーム理論 情報理論 |
母校 | マサチューセッツ工科大学 パリ・ドフィーヌ大学 国立土木学校 エコール・ポリテクニーク |
学位 | Ph.D. |
受賞 | ジョン・フォン・ノイマン賞(1998年) ノーベル経済学賞(2014年) |
情報 - IDEAS/RePEc |
|
5つ星のうち5.0ノーベル賞経済学者の良識と社会に対する責任感
良き社会のための経済学 Kindle版
ジャン・ティロール (著), 村井章子 (翻訳)
5つ星のうち 5.0 2件のカスタマーレビュー
その他(2)の形式およびエディションを表示する
2018
2018年10月14日
形式: Kindle版Amazonで購入
多方面に渡り業績をあげているティロールの一般向け書籍です。格差、気候変動、規制、プラットフォームなど現代社会の様々な問題に対して、経済学ではどう考えるかを冷静な語り口で教えてくれます。極論や感情論、先入観にとらわれず、ロジカルに、冷静に思考することの大切さを示してくれます。
後半の諸問題の分析の明快さもさることながら、本書の真価は、経済学の意義や経済学者の仕事ぶりなどを扱った前半にあると私は感じました。経済危機が起きるたびに無用の長物扱いされる経済学(者)と社会の不幸な断絶を埋めるため、ティロールは経済学がどんな風に物事を扱い、経済学者が日頃どんな生活を送り、何を考えているかを紹介することで社会の理解を進めようとします。批判は単なる無理解から来る部分も大きいからです。
一方で、経済学者の側に対しても「経済学者は、経済学教育を現実に即していて直観的にわかりやすいものにすべくもっと努力しなければならない。そのためには、現代の市場や企業や政府の意思決定の問題点を踏まえて教えることが必要だ」と促し、インナーサークルの評価に閉じこもりがちな「業界」に反省を促します。アクチュアルな政策立案に関与し続けながら、理論面でもノーベル賞を受けたティロールの言葉だけに格段の重みがあります。
いまの日本を見ても、オリンピックのボランティアに報酬を与えるべきか?、携帯電話の料金に政府が介入すべきか?など、経済学の考え方が応用できる問題は数多くあります。ティロールが言うように、経済学者はその知見を生かして、社会に対してアクチュアルな分析と発信を積極的に行ってほしいと思います。
θ
ベスト500レビュアー
5つ星のうち5.0経済学はいかに社会の問題を考え、解決策を出していくのか
2018年10月3日
形式: 単行本
本書は、失業、気候変動、デジタル技術に伴う問題など、広範な具体的な社会的問題に対して、経済学はいかなる視点で問題を眺め、解決策を提案できるか、を一般向けに書いた本である。
本書の主眼は、具体的な解決策の擁護ではなく、経済学の視点や分析枠組(インセンティブ、情報の非対称性とシグナリング、限定合理性等)が、それぞれの策のメリット・デメリットをどのようにあぶり出し、そしてそれを比較してどのように「もっともよさそうな解決策」につなげていくか、という思考プロセスの部分を明らかにしているところにある。
そうした事例を豊富に見せてくれることで、読者にも具体的な社会の問題を考える上での土台を提供してくれている。
経済学というと、ともすると「自由市場であればすべてうまくいく」とか、あるいは「自己利益の最大化だけ考えるホモ・エコノミクスのような非現実的仮定をする」とか言われたりする。
しかし、これらの見方は、現代経済学で大いに発達しているゲーム理論、情報の非対称性、制度の経済学、行動・実験経済学等の知見を踏まえないものであり、筆者もまたこうした人間の合理性の限界や情報の欠如、市場の失敗、外部性など、最近の成果まで含めて「経済学」と呼び、この見方を擁護している。
実際、筆者の主張の大半は「制度設計」に関わるものであり、制度をうまく設計することで社会がより望ましい状況にできる、という視点から分析されている。
経済学的視点からの制度設計の重要性を伝える一般書は、これまでWho Gets What (フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学や市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える”)がある(他にモラルや利他性に特化したものとしてはモラル・エコノミー:インセンティブか善き市民かがある)。
だが、これらの本が「分かりやすい例」をピックアップしているのに対し、本書は社会の重要な社会問題(複雑な要因が絡み合う)についての粘り強い考察を与えている点で一線を画している。
こうした本書のメインテーマの部分とは一線を画するが、本書のユニークな内容としては、3~5章に書かれた「経済学者の研究と日常」を記した部分であろう。
研究者は普段何をしていて、どういう風に研究を進め、成果をどのように発信するのか、論文の査読システムや研究者の評価システムは現状でいいのか(これは研究者共通)、政府の経済政策や一般向けの経済コラムにどこまでかかわるべきか(これは経済学者特有)、などが書かれており、これはなかなか類書では見ない記述である。
経済学が問題解決の「役に立つ」ことを示した本は多数あるが、ここまで幅広くかつ具体的な問題で記している本は稀有である。筆者自身も政府から経済政策の諮問を受けたり提案をしたりする立場だという点は、一つ一つの問題を深く考え、記述を肉厚にしてくれるのに資している。
フランスの話題が多いのでいくつかは日本には妥当しないものもある(例えばフランスは公務員が多すぎるらしいが、日本はむしろ公務員は少なすぎるので、改革の方向性も大きく変わるだろう)し、筆者の意見に同意しかねる部分もある(筆者はソロスのポンド危機は情報(ポンドが実際には弱いこと)を伝えるものだとして好意的に書いているが、どちらかというとソロスとその追従グループが市場の巨大プレイヤーとして自己成就的に市場を動かした面も大きいと思うので、この評価は同意しづらい)が、考え方の方向性を示し、提言をするにしても筋道立てて論拠を示しているので、あとは読者一人一人が判断すればいいものであろう。
本書はやや重厚であり、経済学の思考にある程度慣れていた方が読みやすい面もあるが、現代経済学が実際の社会問題にどう役に立つのか、どう考えて行けばいいのか、を示してくれる貴重な一冊だと思う。
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★ノーベル経済学賞が複数受賞可能なら何本受賞してもおかしくない、質量とも世界最高峰の業績を誇るティロール先生が、初めて一般向けに書き下ろした経済書! 良い社会をつくるために経済学はどう役立つのか、現実感覚に富んだスーパー経済学者が万人向けにわかりやすく解説します。
★なぜ、経済学が社会の問題を解決するのに活用できるのか、というそもそも論から、社会の制度、環境や雇用・失業、金融危機などのマクロ的な経済問題、競争政策や産業政策、イノベーション、規制など、幅広いテーマを取り上げます。ティロール先生がこれまで積み重ねてきた知見が凝縮されている本であり、自らの学者としての生活を交え、一般の読者向けに解説します。数式は一切なく、経済学を知らない人でも読みこなせる。質が高く、広く長く読まれる良書です。
★ティロール経済学の特色は、完全市場や完全情報などを前提とする従来の経済学とは異なり、不完全市場や経済的インセンティブだけで人は動かないなど、より現実的な前提をおいて、企業や個人、政府の行動を説明し、望ましい行動を促すための制度設計を提案する点にあります。「現実に使える経済学」「社会を良くするための経済学」です。
★ジャン・ティロール教授は2014年ノーベル経済学賞を受賞した、「スターの中のスター」といわれる「知の巨人」。ゲーム理論を応用した産業組織論、金融論、バブル論など、広範なフィールドにわたってきわめて優れた研究を相次いで発表。ノーベル経済学賞は「市場支配力と規制」に関するテーマで受賞したが、他の分野での受賞も取り沙汰されたほど研究領域は多岐にわたります。また、優れた理論家であると同時に現実感覚に秀でた研究者と評されています。
経済学が社会全体の利益のためにできること、なすべきことは何か。どう役立てることができるのか。どのような方法論でそれは可能なのか―。幅広い研究範囲を誇り、それらすべてにわたる優れた業績で知られ、世界の経済学研究をリードする「知の巨人」が一般読者向けに初めて書いた経済学啓蒙書。全編にわたり、経済学のあるべき姿を追究。市場と経済学に対する不信感が高まる中で経済学のあり方、経済学者のなすべきことを問うとともに、国家と市場の関係、企業組織・企業統治、気候変動、失業、ヨーロッパ経済、金融、金融危機、競争と産業政策、デジタル革命、イノベーション、産業規制など、世界が直面するさまざまな難題に対して経済学がどのような解決策を示すことができるのか真摯に論じる。
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フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 3972 KB
紙の本の長さ: 783 ページ
出版社: 日本経済新聞出版社 (2018/8/24)
販売: Amazon Services International, Inc.
言語: 日本語
ASIN: B07GWFYPLZ
目次日本語版序文謝辞はじめに第 Ⅰ部社会と経済学第 1章経済学はお好きですか ? 1なぜ経済学はわかりにくいのか ? 2市場以外に稀少性を管理する方法はあるか ? 3経済学をもっと広めるために第 2章市場の倫理的限界 1市場の倫理的限界か 、それとも市場の失敗か ? 2聖なる領域 3市場は社会の絆を脅かすのか ? 4不平等第 Ⅱ部経済学者の仕事第 3章市民社会における経済学者 1経済学者は公共の知識人である 2社会関与の罠 3学外交流と守るべきガイドライン 4理論から政策提言へ第 4章研究の日々 1理論と実証の間を行き来する 2アカデミックな経済学のミクロコスモス 3経済学者はキツネかハリネズミか ?
4数学の役割 5ゲ ーム理論と情報の経済学 6方法論の研究第 5章変貌を遂げる経済学 1心理的人間 2社会的人間 3インセンティブに釣られる人間 4法的人間 5意外な視点から第 Ⅲ部経済の制度的枠組み第 6章国家 1市場の失敗 2市場と国家の相補関係 3政治の優越か 、独立行政機関か ? 4行政改革第 7章企業 、統治 、社会的責任 1さまざまな組織形態は可能だが … …選ばれていない 2企業の社会的責任第 Ⅳ部マクロ経済の課題第 8章気候変動 1気候変動の実態 2交渉難航の原因 3不十分な目標 4汚染者負担の原則 5不平等とカ ーボン ・プライシング 6国際協定の信頼性 7交渉を正しい道に引き戻す第 9章失業
2016
bien comune
1フランスの現状 2労働契約の経済分析 3フランスの制度の内部矛盾 4労働市場改革 5雇用をめぐるさまざまな課題 6なぜ喫緊の課題なのか ?第 1 0章岐路に立つヨ ーロッパ 1ヨ ーロッパの建設 ─ ─希望から懐疑へ 2ユ ーロ危機の根本原因 3ギリシャ危機 4ヨ ーロッパに残された選択肢
第 1 1章金融は何の役に立つのか ? 1金融の役割とは ? 2有用な金融商品がなぜ有害になるのか ? 3市場は効率的なのか ? 4なぜ規制が必要なのか ?第 1 2章二〇〇八年グロ ーバル金融危機 1金融危機 2危機後の経済環境 3経済学者と危機防止
第 Ⅴ部産業の課題
第 1 3章競争政策と政治 1競争は何の役に立つのか ? 2産業政策とは何か第 1 4章デジタル技術とバリュ ーチェ ーン 1プラットフォ ームとデジタル経済 2二面市場 3ビジネスモデルのちがい 4二面市場と競争法
第 1 5章デジタル経済と社会的課題 1信頼性 2デ ータの所有権 3医療保険制度 4二一世紀における雇用の新しい形 5デジタル経済と雇用 6税制はどうあるべきか ?第 1 6章イノベ ーションと知的財産権 1イノベ ーションという至上命令 2知的財産権 3膨れ上がるロイヤリティ 4イノベ ーションを生む環境 5内製化とオ ープンソ ース 6知的財産権をめぐるさまざまな問題点第 1 7章産業規制 1規制改革とその根拠 2インセンティブの強化 3規制産業の料金設定 4ネットワ ークのアクセス料 5競争とユニバ ーサルサ ービス
原注
解説ジャン ・ティロ ールの経済学北村行伸
索引
良き社会のための経済学 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
目次日本語版序文謝辞はじめに第 Ⅰ部社会と経済学第 1章経済学はお好きですか ? 1なぜ経済学はわかりにくいのか ? 2市場以外に稀少性を管理する方法はあるか ? 3経済学をもっと広めるために第 2章市場の倫理的限界 1市場の倫理的限界か 、それとも市場の失敗か ? 2聖なる領域 3市場は社会の絆を脅かすのか ? 4不平等第 Ⅱ部経済学者の仕事第 3章市民社会における経済学者 1経済学者は公共の知識人である 2社会関与の罠 3学外交流と守るべきガイドライン 4理論から政策提言へ第 4章研究の日々 1理論と実証の間を行き来する 2アカデミックな経済学のミクロコスモス 3経済学者はキツネかハリネズミか ?
4数学の役割 5ゲ ーム理論と情報の経済学 6方法論の研究第 5章変貌を遂げる経済学 1心理的人間 2社会的人間 3インセンティブに釣られる人間 4法的人間 5意外な視点から第 Ⅲ部経済の制度的枠組み第 6章国家 1市場の失敗 2市場と国家の相補関係 3政治の優越か 、独立行政機関か ? 4行政改革第 7章企業 、統治 、社会的責任 1さまざまな組織形態は可能だが … …選ばれていない 2企業の社会的責任第 Ⅳ部マクロ経済の課題第 8章気候変動 1気候変動の実態 2交渉難航の原因 3不十分な目標 4汚染者負担の原則 5不平等とカ ーボン ・プライシング 6国際協定の信頼性 7交渉を正しい道に引き戻す第 9章失業
2016
bien comune
5:38 午前 削除
Blogger yoji さんは書きました...
1フランスの現状 2労働契約の経済分析 3フランスの制度の内部矛盾 4労働市場改革 5雇用をめぐるさまざまな課題 6なぜ喫緊の課題なのか ?第 1 0章岐路に立つヨ ーロッパ 1ヨ ーロッパの建設 ─ ─希望から懐疑へ 2ユ ーロ危機の根本原因 3ギリシャ危機 4ヨ ーロッパに残された選択肢
第 1 1章金融は何の役に立つのか ? 1金融の役割とは ? 2有用な金融商品がなぜ有害になるのか ? 3市場は効率的なのか ? 4なぜ規制が必要なのか ?第 1 2章二〇〇八年グロ ーバル金融危機 1金融危機 2危機後の経済環境 3経済学者と危機防止
第 Ⅴ部産業の課題
第 1 3章競争政策と政治 1競争は何の役に立つのか ? 2産業政策とは何か第 1 4章デジタル技術とバリュ ーチェ ーン 1プラットフォ ームとデジタル経済 2二面市場 3ビジネスモデルのちがい 4二面市場と競争法
第 1 5章デジタル経済と社会的課題 1信頼性 2デ ータの所有権 3医療保険制度 4二一世紀における雇用の新しい形 5デジタル経済と雇用 6税制はどうあるべきか ?第 1 6章イノベ ーションと知的財産権 1イノベ ーションという至上命令 2知的財産権 3膨れ上がるロイヤリティ 4イノベ ーションを生む環境 5内製化とオ ープンソ ース 6知的財産権をめぐるさまざまな問題点第 1 7章産業規制 1規制改革とその根拠 2インセンティブの強化 3規制産業の料金設定 4ネットワ ークのアクセス料 5競争とユニバ ーサルサ ービス
原注
解説ジャン ・ティロ ールの経済学北村行伸
索引
5:43 午前 削除
Blogger yoji さんは書きました...
良き社会のための経済学 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
5:44 午前 削除
一貫するのは情報の経済学
良き社会のための経済学 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
目次日本語版序文謝辞はじめに
第 Ⅰ部社会と経済学
第 1章経済学はお好きですか ? 1なぜ経済学はわかりにくいのか ? 2市場以外に稀少性を管理する方法はあるか ? 3経済学をもっと広めるために第 2章市場の倫理的限界 1市場の倫理的限界か 、それとも市場の失敗か ? 2聖なる領域 3市場は社会の絆を脅かすのか ? 4不平等
第 Ⅱ部経済学者の仕事
第 3章市民社会における経済学者 1経済学者は公共の知識人である 2社会関与の罠 3学外交流と守るべきガイドライン 4理論から政策提言へ第 4章研究の日々 1理論と実証の間を行き来する 2アカデミックな経済学のミクロコスモス 3経済学者はキツネかハリネズミか ?
4数学の役割 5ゲ ーム理論と情報の経済学 6方法論の研究第 5章変貌を遂げる経済学 1心理的人間 2社会的人間 3インセンティブに釣られる人間 4法的人間 5意外な視点から
第 Ⅲ部経済の制度的枠組み
第 6章国家 1市場の失敗 2市場と国家の相補関係 3政治の優越か 、独立行政機関か ? 4行政改革第 7章企業 、統治 、社会的責任 1さまざまな組織形態は可能だが … …選ばれていない 2企業の社会的責任
第 Ⅳ部マクロ経済の課題
第 8章気候変動 1気候変動の実態 2交渉難航の原因 3不十分な目標 4汚染者負担の原則 5不平等とカ ーボン ・プライシング 6国際協定の信頼性 7交渉を正しい道に引き戻す第 9章失業
1フランスの現状 2労働契約の経済分析 3フランスの制度の内部矛盾 4労働市場改革 5雇用をめぐるさまざまな課題 6なぜ喫緊の課題なのか ?第 1 0章岐路に立つヨ ーロッパ 1ヨ ーロッパの建設 ─ ─希望から懐疑へ 2ユ ーロ危機の根本原因 3ギリシャ危機 4ヨ ーロッパに残された選択肢
第 1 1章金融は何の役に立つのか ? 1金融の役割とは ? 2有用な金融商品がなぜ有害になるのか ? 3市場は効率的なのか ? 4なぜ規制が必要なのか ?第 1 2章二〇〇八年グロ ーバル金融危機 1金融危機 2危機後の経済環境 3経済学者と危機防止
第 Ⅴ部産業の課題
第 1 3章競争政策と政治 1競争は何の役に立つのか ? 2産業政策とは何か第 1 4章デジタル技術とバリュ ーチェ ーン 1プラットフォ ームとデジタル経済 2二面市場 3ビジネスモデルのちがい 4二面市場と競争法
第 1 5章デジタル経済と社会的課題 1信頼性 2デ ータの所有権 3医療保険制度 4二一世紀における雇用の新しい形 5デジタル経済と雇用 6税制はどうあるべきか ?第 1 6章イノベ ーションと知的財産権 1イノベ ーションという至上命令 2知的財産権 3膨れ上がるロイヤリティ 4イノベ ーションを生む環境 5内製化とオ ープンソ ース 6知的財産権をめぐるさまざまな問題点第 1 7章産業規制 1規制改革とその根拠 2インセンティブの強化 3規制産業の料金設定 4ネットワ ークのアクセス料 5競争とユニバ ーサルサ ービス
原注
解説ジャン ・ティロ ールの経済学北村行伸
索引
良き社会のための経済学 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
一貫するのは情報の経済学
良き社会のための経済学 2018 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
目次日本語版序文謝辞はじめに
第 Ⅰ部社会と経済学
第 1章経済学はお好きですか ? 1なぜ経済学はわかりにくいのか ? 2市場以外に稀少性を管理する方法はあるか ? 3経済学をもっと広めるために第 2章市場の倫理的限界 1市場の倫理的限界か 、それとも市場の失敗か ? 2聖なる領域 3市場は社会の絆を脅かすのか ? 4不平等
第 Ⅱ部経済学者の仕事
第 3章市民社会における経済学者 1経済学者は公共の知識人である 2社会関与の罠 3学外交流と守るべきガイドライン 4理論から政策提言へ第 4章研究の日々 1理論と実証の間を行き来する 2アカデミックな経済学のミクロコスモス 3経済学者はキツネかハリネズミか ?
4数学の役割 5ゲ ーム理論と情報の経済学 6方法論の研究第 5章変貌を遂げる経済学 1心理的人間 2社会的人間 3インセンティブに釣られる人間 4法的人間 5意外な視点から
第 Ⅲ部経済の制度的枠組み
第 6章国家 1市場の失敗 2市場と国家の相補関係 3政治の優越か 、独立行政機関か ? 4行政改革第 7章企業 、統治 、社会的責任 1さまざまな組織形態は可能だが … …選ばれていない 2企業の社会的責任
第 Ⅳ部マクロ経済の課題
第 8章気候変動 1気候変動の実態 2交渉難航の原因 3不十分な目標 4汚染者負担の原則 5不平等とカ ーボン ・プライシング 6国際協定の信頼性 7交渉を正しい道に引き戻す第 9章失業
1フランスの現状 2労働契約の経済分析 3フランスの制度の内部矛盾 4労働市場改革 5雇用をめぐるさまざまな課題 6なぜ喫緊の課題なのか ?第 1 0章岐路に立つヨ ーロッパ 1ヨ ーロッパの建設 ─ ─希望から懐疑へ 2ユ ーロ危機の根本原因 3ギリシャ危機 4ヨ ーロッパに残された選択肢
第 1 1章金融は何の役に立つのか ? 1金融の役割とは ? 2有用な金融商品がなぜ有害になるのか ? 3市場は効率的なのか ? 4なぜ規制が必要なのか ?第 1 2章二〇〇八年グロ ーバル金融危機 1金融危機 2危機後の経済環境 3経済学者と危機防止
第 Ⅴ部産業の課題
第 1 3章競争政策と政治 1競争は何の役に立つのか ? 2産業政策とは何か第 1 4章デジタル技術とバリュ ーチェ ーン 1プラットフォ ームとデジタル経済 2二面市場 3ビジネスモデルのちがい 4二面市場と競争法
第 1 5章デジタル経済と社会的課題 1信頼性 2デ ータの所有権 3医療保険制度 4二一世紀における雇用の新しい形 5デジタル経済と雇用 6税制はどうあるべきか ?第 1 6章イノベ ーションと知的財産権 1イノベ ーションという至上命令 2知的財産権 3膨れ上がるロイヤリティ 4イノベ ーションを生む環境 5内製化とオ ープンソ ース 6知的財産権をめぐるさまざまな問題点第 1 7章産業規制 1規制改革とその根拠 2インセンティブの強化 3規制産業の料金設定 4ネットワ ークのアクセス料 5競争とユニバ ーサルサ ービス
原注
解説ジャン ・ティロ ールの経済学北村行伸
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良き社会のための経済学 / 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN 2016
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
一貫するのは情報の経済学
The Theory of Corporate Finance
Jean TiroleHonorable Mention, 2006 AAP Award for Best Professional/Scholarly Book in Finance & Economics
Book Description | Reviews
Table of Contents [PDF] | Exercises & Answers (2MB)
Lecture Transparencies
Table of Contents with Links to Sample Chapters (PDF format)
Frontmatter
Acknowledgements
Introduction
Overview of the Field and Coverage of the Book
Approach
Prerequisites and Further Reading
Some Important Omissions
References
I. An Economic Overview of Corporate Institutions
1. Corporate Governance
2. Corporate Financing: Some Stylized Facts
II. Corporate Financing and Agency Costs
3. Outside Financing Capacity
4. Some Determinants of Borrowing Capacity
5. Liquidity and Risk Management, Free Cash Flow, and Long-Term Finance
6. Corporate Financing under Asymmetric Information
7. Topics: Product Markets and Earnings Manipulations
III. Exit and Voice: Passive and Active Monitoring
8. Investors of Passage: Entry, Exit, and Speculation
9. Lending Relationships and Investor Activism
IV. Security Design: The Control Right View
10. Control Rights and Corporate Governance
11. Takeovers
V. Security Design: The Demand Side View
12. Consumer Liquidity Demand
VI. Macroeconomic Implications and the Political Economy of Corporate Finance
13. Credit Rationing and Economic Activity
14. Mergers and Acquisitions, and the Equilibrium Determination of Asset Values
15. Aggregate Liquidity Shortages and Liquidity Asset Pricing
16. Institutions, Public Policy, and the Political Economy of Finance
VII. Answers to Selected Exercises, and Review Problems (2MB Excerpt)
Answers to Selected Exercises
Review Problems
Answers to Selected Review Problems
Index
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File created: 10/27/2005
The Theory of Corporate Finance
The Theory of Corporate Finance [Kindle版](初版2006)
Jean Tirole
Princeton University Press
2010-08-26
コーポレート・ファイナンスの理論
Jean Tirole公認会計士、2006年AAP賞、財務・経済学のベストプロフェッショナル/学術誌
書籍の説明|レビュー
目次[PDF] |エクササイズ&アンサー(2MB)
講義の透明性
目次サンプル章へのリンク付き目次(PDF形式)
フロントの問題
謝辞
前書き
本の分野とカバレッジの概要
アプローチ
前提条件と追加情報
いくつかの重要な省略
参考文献
I.企業機関の経済的概要
1.コーポレート・ガバナンス
2.コーポレートファイナンス:いくつかの様式化された事実
II。コーポレートファイナンスと代理店コスト
3.外部資金調達能力
4.借入能力の決定要因
5.流動性およびリスク管理、フリー・キャッシュ・フローおよび長期金融
非対称情報による企業ファイナンス
7.トピックス:製品市場と収益管理
III。出口と音声:パッシブでアクティブな監視
8.パッセージの投資家:参入、退出、投機
9.貸出関係と投資家行動
IV。セキュリティ設計:コントロールの右図
10.支配権とコーポレート・ガバナンス
11.買収
V.セキュリティ設計:デマンドサイドビュー
12.消費者流動性需要
VI。マクロ経済への示唆と企業金融の政治経済
13.与信配分と経済活動
14.合併・買収と資産価値の均衡決定
15.流動性不足および流動性資産価格の総計
16.金融機関の制度、公共政策、政治経済
VII。選択した練習問題への回答、レビュー問題(2MB抜粋)
選択された練習問題への回答
レビューの問題
選択したレビュー問題への回答
インデックス
本の説明に戻る
作成されたファイル:10/27/2005
コーポレート・ファイナンスの理論
コーポレート・ファイナンスの理論[Kindle版](初版2006)
ジャン・チロル
プリンストン大学出版
2010-08-26
主著:
A Theory of Incentives in Procurement and Regulation (The MIT Press) (英語) ハードカバー – 1993/3/10
Jean-Jacques Laffont (著), Jean Tirole (著), Colette Laffont (寄稿)
https://www.amazon.co.jp/Theory-Incentives-Procurement-Regulation-Press/dp/0262121743
https://www.worldcat.org/title/theory-of-incentives-in-procurement-and-regulation/oclc/26720274
Jean-Jacques Laffont; Jean Tirole
この著者についてさらに詳しく:
ISBN: 0262121743 9780262121743
OCLC No.: 26720274
受賞歴: Winner of Honorable Mention in the category of Economics in the 1993 Professional/Scholarly Publishing Annual Awards Competition presented by the Association of American Publishers, Inc. 1993
物理形態: xxii, 705 pages : illustrations ; 26 cm
コンテンツ: Introduction --
I. Price and rate-of-return regulation --
1. Cost-reimbursement rules --
2. Pricing by a single-product firm with and without budget balance --
3. Pricing and incentives in a multiproduct firm --
4. Regulation of quality --
II. Product market competition --
5. Competitive Ramsey formulas and access pricing --
6. Bypass and cream skimming --
III. Bidding for natural monopoly --
7. Auctioning incentive contracts --
8. Repeated auctions of incentive contractsa, investment, and bidding parity --
IV. The dynamics of regulation --
9. Dynamics without commitment and the ratchet effect --
10. Commitment and renegotiation --
V. The politics of regulation --
11. Regulatory capture --
12. Cost padding, auditing, and collusion --
13. Cartelization by regulation --
14. Auction design and favoritism --
IV. Reglatory institutions --
15. Regulatory instruments, hearings, and interest group monitoring --
16. Commitment and political accountability --
16. Privatization and incentives.
責任者: Jean-Jacques Laffont and Jean Tirole.
調達と規制におけるインセンティブの理論
(The MIT Press)(英語)ハードカバー - 1993/3/10
Jean-Jacques Laffont(著)、Jean Tirole(著)、Colette Laffont(寄稿)
https://www.amazon.co.jp/Theory-Incentives-Procurement-Regulation-Press/dp/0262121743
https://www.worldcat.org/title/theory-of-incentives-in-procurement-and-regulation/oclc/26720274
Jean-Jacques Laffont;ジャン・チロル
この著者についてさらに詳しく:
ISBN:0262121743 9780262121743
OCLC番号:26720274
受賞歴:1993年アメリカン・パブリッシャーズ協会によって発表された1993年のプロフェッショナル/学術出版年次賞コンペティション部門の経済学部門で優秀賞に選ばれる
物理形態:xxii、705ページ:イラスト。 26センチ
コンテンツ:はじめに -
I.価格と収益率の規制 -
1.経費精算ルール -
2.予算のバランスがある場合とない場合の単一製品会社による価格設定 -
3.多製品企業の価格設定とインセンティブ -
4.品質の規制 -
II。製品市場の競争 -
5.競合Ramseyの公式とアクセス価格 -
6.バイパスとクリームスキミング -
III。自然独占に対する入札 -
7.オークションインセンティブ契約 -
8.インセンティブ契約、投資、および入札単価の繰り返しオークション -
IV。規制のダイナミクス -
9.コミットメントのないダイナミクスとラチェット効果 -
10.コミットメントと再交渉 -
V.規制の政治学 -
11.規制の捉え方 -
12.コストパディング、監査、そして結託 -
13.規則によるカルテル化 -
14.オークションのデザインと嗜好 -
IV。規制機関 -
15.規制法令、審問、および利益団体の監視 -
16.コミットメントと政治的説明責任 -
17.民営化とインセンティブ。
責任者:Jean-Jacques LaffontとJean Tirole。
自動翻訳
調達と規制におけるインセンティブの理論(The MIT Press)(英語)
コンテンツ:はじめに -
I.価格と収益率の規制 -
1.経費精算ルール -
2.予算のバランスがある場合とない場合の単一製品会社による価格設定 -
3.多製品企業の価格設定とインセンティブ -
4.品質の規制 -
II。製品市場の競争 -
5.競合Ramseyの公式とアクセス価格 -
6.バイパスとクリームスキミング -
III。自然独占に対する入札 -
7.オークションインセンティブ契約 -
8.インセンティブ契約、投資、および入札単価の繰り返しオークション -
IV。規制のダイナミクス -
9.コミットメントのないダイナミクスとラチェット効果 -
10.コミットメントと再交渉 -
V.規制の政治学 -
11.規制の捉え方 -
12.コストパディング、監査、そして結託 -
13.規則によるカルテル化 -
14.オークションのデザインと嗜好 -
IV。規制機関 -
15.規制法令、審問、および利益団体の監視 -
16.コミットメントと政治的説明責任 -
17.民営化とインセンティブ。
責任者:Jean-Jacques LaffontとJean Tirole。
良き社会のための経済学
著者名等 ジャン・ティロール/著 ≪再検索≫
著者名等 村井章子/訳 ≪再検索≫
著者等紹介 【ジャン・ティロール】経済学者。2014年度ノーベル経済学賞受賞。トゥールーズ・
スクール・オブ・エコノミクス(TSE)運営評議会議長、トゥールーズ高等研究所(I
AST)チェアマン、トゥールーズ第1大学産業経済研究所(IDEI)学術担当所長、
およびマサチューセッツ工科大学(MIT)客員教授。世界で最も影響力のある経済学者
の一人。産業組織論、規制政策、組織論、ゲーム理論、ファイナンス、マクロ経済学、経
済と心理学などの分野でそれぞれ第一級の研究を行う。専門論文は200本を超え、その
ほとんどが一流経済学術誌に掲載されている。1953年フランス生まれ。フランスのエ
コール・ポリテクニークなどで工学の学位、パリ第9大学で数学博士号、MITで経済学
Ph.D.を取得。MIT教授などを経て現職。ノーベル経済学賞のほか、数々の受賞歴
がある。主な著書に『The Theory of Industrial Organ
ization、Financial Crisis,Liquidity, and
the International Monetary System』(邦訳、北村
行伸・谷本和代訳『国際金融危機の経済学』)、『The Theory of Cor
porate Finance』など、12冊の著作がある。(本データはこの書籍が刊
行された当時に掲載されていたものです)
著者等紹介 【村井章子】翻訳家。上智大学文学部卒業。主な訳書にT・セドラチェク『善と悪の経済
学』、T・ピケティ『トマ・ピケティの新・資本論』、D・カーネマン『ファスト&スロ
ー』、A・スミス『道徳感情論』、C・ラインハート&K・ロゴフ『国家は破綻する』、
M・フリードマン『資本主義と自由』、J・K・ガルブレイス『大暴落1929』など。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版者 日本経済新聞出版社
出版年 2018.8
大きさ等 22cm 614p
注記 原タイトル:ECONOMIE DU BIEN COMMUN
NDC分類 331
件名 経済学 ≪再検索≫
件名 公益 ≪再検索≫
要旨 経済学が社会全体の利益のためにできること、なすべきことは何か。どう役立てることが
できるのか。どのような方法論でそれは可能なのか―。幅広い研究範囲を誇り、それらす
べてにわたる優れた業績で知られ、世界の経済学研究をリードする「知の巨人」が一般読
者向けに初めて書いた経済学啓蒙書。全編にわたり、経済学のあるべき姿を追究。市場と
経済学に対する不信感が高まる中で経済学のあり方、経済学者のなすべきことを問うとと
もに、国家と市場の関係、企業組織・企業統治、気候変動、失業、ヨーロッパ経済、金融
、金融危機、競争と産業政策、デジタル革命、イノベーション、産業規制など、世界が直
面するさまざまな難題に対して経済学がどのような解決策を示すことができるのか真摯に
論じる。
目次 第1部 社会と経済学(経済学はお好きですか?;市場の倫理的限界);第2部 経済学
者の仕事(市民社会における経済学者;研究の日々;変貌を遂げる経済学);第3部 経
済の制度的枠組み(国家;企業、統治、社会的責任);第4部 マクロ経済の課題(気候
変動;失業;岐路に立つヨーロッパ;金融は何の役に立つのか?;二〇〇八年グローバル
金融危機);第5部 産業の課題(競争政策と政治;デジタル技術とバリューチェーン;
デジタル経済と社会的課題;イノベーションと知的財産権;産業規制)
ISBN等 4-532-35782-9
ISBN等 978-4-532-35782-5
θ
ベスト500レビュアー
5つ星のうち5.0経済学はいかに社会の問題を考え、解決策を出していくのか
2018年10月3日
形式: 単行本
本書は、失業、気候変動、デジタル技術に伴う問題など、広範な具体的な社会的問題に対して、経済学はいかなる視点で問題を眺め、解決策を提案できるか、を一般向けに書いた本である。
本書の主眼は、具体的な解決策の擁護ではなく、経済学の視点や分析枠組(インセンティブ、情報の非対称性とシグナリング、限定合理性等)が、それぞれの策のメリット・デメリットをどのようにあぶり出し、そしてそれを比較してどのように「もっともよさそうな解決策」につなげていくか、という思考プロセスの部分を明らかにしているところにある。
そうした事例を豊富に見せてくれることで、読者にも具体的な社会の問題を考える上での土台を提供してくれている。
経済学というと、ともすると「自由市場であればすべてうまくいく」とか、あるいは「自己利益の最大化だけ考えるホモ・エコノミクスのような非現実的仮定をする」とか言われたりする。
しかし、これらの見方は、現代経済学で大いに発達しているゲーム理論、情報の非対称性、制度の経済学、行動・実験経済学等の知見を踏まえないものであり、筆者もまたこうした人間の合理性の限界や情報の欠如、市場の失敗、外部性など、最近の成果まで含めて「経済学」と呼び、この見方を擁護している。
実際、筆者の主張の大半は「制度設計」に関わるものであり、制度をうまく設計することで社会がより望ましい状況にできる、という視点から分析されている。
経済学的視点からの制度設計の重要性を伝える一般書は、これまでWho Gets What (フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学や市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える”)がある(他にモラルや利他性に特化したものとしてはモラル・エコノミー:インセンティブか善き市民かがある)。
だが、これらの本が「分かりやすい例」をピックアップしているのに対し、本書は社会の重要な社会問題(複雑な要因が絡み合う)についての粘り強い考察を与えている点で一線を画している。
こうした本書のメインテーマの部分とは一線を画するが、本書のユニークな内容としては、3~5章に書かれた「経済学者の研究と日常」を記した部分であろう。
研究者は普段何をしていて、どういう風に研究を進め、成果をどのように発信するのか、論文の査読システムや研究者の評価システムは現状でいいのか(これは研究者共通)、政府の経済政策や一般向けの経済コラムにどこまでかかわるべきか(これは経済学者特有)、などが書かれており、これはなかなか類書では見ない記述である。
経済学が問題解決の「役に立つ」ことを示した本は多数あるが、ここまで幅広くかつ具体的な問題で記している本は稀有である。筆者自身も政府から経済政策の諮問を受けたり提案をしたりする立場だという点は、一つ一つの問題を深く考え、記述を肉厚にしてくれるのに資している。
フランスの話題が多いのでいくつかは日本には妥当しないものもある(例えばフランスは公務員が多すぎるらしいが、日本はむしろ公務員は少なすぎるので、改革の方向性も大きく変わるだろう)し、筆者の意見に同意しかねる部分もある(筆者はソロスのポンド危機は情報(ポンドが実際には弱いこと)を伝えるものだとして好意的に書いているが、どちらかというとソロスとその追従グループが市場の巨大プレイヤーとして自己成就的に市場を動かした面も大きいと思うので、この評価は同意しづらい)が、考え方の方向性を示し、提言をするにしても筋道立てて論拠を示しているので、あとは読者一人一人が判断すればいいものであろう。
本書はやや重厚であり、経済学の思考にある程度慣れていた方が読みやすい面もあるが、現代経済学が実際の社会問題にどう役に立つのか、どう考えて行けばいいのか、を示してくれる貴重な一冊だと思う。
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5つ星のうち5.0ノーベル賞経済学者の良識と社会に対する責任感
2018年10月14日
形式: Kindle版Amazonで購入
多方面に渡り業績をあげているティロールの一般向け書籍です。格差、気候変動、規制、プラットフォームなど現代社会の様々な問題に対して、経済学ではどう考えるかを冷静な語り口で教えてくれます。極論や感情論、先入観にとらわれず、ロジカルに、冷静に思考することの大切さを示してくれます。
後半の諸問題の分析の明快さもさることながら、本書の真価は、経済学の意義や経済学者の仕事ぶりなどを扱った前半にあると私は感じました。経済危機が起きるたびに無用の長物扱いされる経済学(者)と社会の不幸な断絶を埋めるため、ティロールは経済学がどんな風に物事を扱い、経済学者が日頃どんな生活を送り、何を考えているかを紹介することで社会の理解を進めようとします。批判は単なる無理解から来る部分も大きいからです。
一方で、経済学者の側に対しても「経済学者は、経済学教育を現実に即していて直観的にわかりやすいものにすべくもっと努力しなければならない。そのためには、現代の市場や企業や政府の意思決定の問題点を踏まえて教えることが必要だ」と促し、インナーサークルの評価に閉じこもりがちな「業界」に反省を促します。アクチュアルな政策立案に関与し続けながら、理論面でもノーベル賞を受けたティロールの言葉だけに格段の重みがあります。
いまの日本を見ても、オリンピックのボランティアに報酬を与えるべきか?、携帯電話の料金に政府が介入すべきか?など、経済学の考え方が応用できる問題は数多くあります。ティロールが言うように、経済学者はその知見を生かして、社会に対してアクチュアルな分析と発信を積極的に行ってほしいと思います。
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柳川隆 産業組織論
3·
新産業組織論と構造-行動-成果パラダイム
1970年代に入り, ゲーム理論などの新しい経済理論の発展を受けて,理論的に寡占企業の
行動を考察しようとする新産業組織論が盛んになった。本節では, この新産業組織論の概略
を説明するとともに,構造-行動-成果パラダイムに新解釈を与えることで,新産業組織論
と伝統的産業組織論を統一的に理解できるようにしたい。第3· 1節では新産業組織論の発
生とその特徴について述べ,第3.2節では,修正した構造-行動-成果パラダイムを用い
て新産業組織論の体系を理解しようとする。新産業組織論は「静学的」な構造-行動-成果パ
ラダイムと,「動学的」な構造ㄧ行動-成果パラダイムに分けることで,構造一行動-成果パ
ラダイムと接合できる。第3. 3節では静学的な構造-行動-成果パラダイムを,第3. 4節
では動学的な構造-行動-成果パラダイムを説明することにする。
3.1
新産業組織論とは
新産業組織論の成果を表す代表的文献であるティロール(Tirole (1988))は,新産業組
織論発生の理由として三つを挙げている5)。一つは伝統的産業組織論におけるクロスセクショ
ン分析の限界に対する不満足である。たとえば,集中度もまた内生的に決まるということを
考えると,集中度などの市場構造から利潤率などの成果へ回帰分析を行う研究だけでは不十
分であり,外生的な需要や供給の基礎的条件から説明することも必要となるが, これには困
難な点が多かった。二つ目は, それまで競争均衡の研究をしていたミクロ経済学者が寡占市
場の研究に取り掛かったことである。完全競争市場においてなされた緻密で一般的な理論を
寡占市場においても生み出そうとしたことである。そして三つ目は,ゲーム理論における非
協力ゲームが戦略的行動の分析の標準的な手法となり, この分野での統的な分析手法となっ
たことである。
第一の要因は, それまでの実証的研究に飽き足りない人々に新たな領域,特に実証研究に
比して弱かった理論研究を志向させたという需要側の要因であり,第二と第三の要因は,産
業組織の理論的な研究がゲーム理論の発展とミクロ経済学者の参入により可能となったとい
う供給側の要因ということになろう。実際,新産業組織論の大きな貢献はゲーム理論の導
入により, それまでどちらかというと手薄であった企業行動の理論研究,なかでも戦略的行
動の分析と, そうした企業行動を踏まえたうえでの市場構造に関する理論研究を大きく進展
させることができた点にあると言えよう。
このように伝統的産業組織論が実証研究を中心としてきたのに対し,
新産業組織論は理論
5) Tirole (1988) pp.2-3
ジャン・マルセル・ティロール(Jean Marcel Tirole、1953年8月9日 - )は、フランスの経済学者。産業組織論、ゲーム理論、銀行とファイナンス、行動経済学、心理学、契約理論、マクロ経済学についての研究を行っている。またジャン=ジャック・ラフォン財団(トゥールーズ第1大学(fr)経済学部(fr))の代表でもある。
ジャン・ティロール
Jean Tirole
生誕
1953年8月9日(65歳)
フランスの旗 フランス・トロワ
研究機関
トゥールーズ第一大学(英語版) (UT1)・トゥールーズ・スクール・オブ・エコノミクス(英語版) (TSE)
研究分野
ミクロ経済学
産業組織論
ゲーム理論
情報理論
母校
マサチューセッツ工科大学
パリ・ドフィーヌ大学
国立土木学校
エコール・ポリテクニーク
学位
Ph.D.
受賞
ジョン・フォン・ノイマン賞(1998年)
ノーベル経済学賞(2014年)
情報 - IDEAS/RePEc
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2014年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:市場の持つ力と規制に関する分析に対して
2014年10月、ノーベル経済学賞を受賞した[1]。
目次
経歴
著作
単著
共著
学術論文
受賞・名誉称号
講演
脚注
外部リンク
経歴 編集
トロワ出身。ナンシーにあるリセ・アンリ=ポアンカレのグランゼコール準備級からエコール・ポリテクニーク入学。さらに国立土木学校を経て、1978年、パリ・ドフィーヌ大学 (パリ第9大学、fr) 数学専攻第三課程(博士課程)修了。1981年にマサチューセッツ工科大学 (MIT) でPh.D.を所得。同年セルジー・ポントワーズ大学研究員となる。1984年より1991年まで MIT 経済学部教授、1995年より現在まで社会科学高等研究院教授、1998年に国際計量経済学会会長[2]。1999年から2006年はフランス首相官邸で経済分析官の任にあたる傍ら、2001年にはヨーロッパ経済学会会長[2]およびMIT客員教授を務めた。
ティロールは、1970年代まではあまり分析されていなかったM&Aなどにおける企業の意思決定というテーマに関して、ゲーム理論や情報経済学などの視点を取り入れた新しいフレームワークを提示した。1988年に著した『産業組織論(The Theory of Industrial Organization)』はこの分野の「古典」ともいえる著作となり[1]、「ティロールのIO」と呼ばれた[2]。また彼は、市場における独占や寡占に対して国はどのように規制を行ない消費者の利益を守るかという課題を[1]、緻密な数学モデルを中核に据えて分析し[3]、その理論は主に欧州各国の金融・通信分野などで規制政策や競争政策に大きな影響を与えてきた[1]。
ティロールのこの「規制の経済学(英語版)」は高く評価され、彼は2014年に「市場の力や規制についての分析」という理由でノーベル経済学賞を単独受賞した[1]。アカデミーは、ティロールが市場への規制は慎重に適用される必要があるということを示したと評した[4]。経済学者の依田高典は受賞に対して「誰も異存のない文句なしのもの」と述べた[2]。
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単著 編集
The Theory of Industrial Organization, (MIT Press, 1988).
Financial Crises, Liquidity, and the International Monetary System, (MIT Press, 2002)
(『国際金融危機の経済学』、北村行伸・谷本和代翻訳、東洋経済新報社、2007年).
The Theory of Corporate Finance, (MIT Press, 2006).
共著 編集
(ドリュー・フューデンバーグ(英語版))Game Theory, (MIT Press, 1991).
(ジャン=ジャック・ラフォン)A Theory of Incentives in Procurement and Regulation, (MIT Press, 1993).
(マティアス・ドュワトリポン(英語版))The Prudential Regulation of Banks, (MIT Press, 1994).
学術論文 編集
Guesnerie, R.; Tirole, Jean (1981). “Tax reform from the gradient projection viewpoint”. Econometrica 15 (3): 275-293. doi:10.1016/0047-2727(81)90012-8.
Tirole, Jean (1982). “On the Possibility of Speculation under Rational Expectations”. Econometrica 50 (5): 1163–1182. doi:10.2307/1911868. JSTOR 1911868.
Fudenberg, Drew; Tirole, Jean (1983). “Capital as a commitment: Strategic investment to deter mobility”. Journal of Economic Theory 31 (2): 227–250. doi:10.1016/0022-0531(83)90075-3.
Fudenberg, Drew; Tirole, Jean (1984). “The Fat-Cat Effect, the Puppy-Dog Ploy, and the Lean and Hungry Look”. The American Economic Review 74 (2): 361-366. JSTOR 1816385.
Fudenberg, Drew; Tirole, Jean (1985). “Preemption and Rent Equalization in the Adoption of New Technology”. The Review of Economic Studies 52 (3): 383-401. JSTOR 2297660.
Tirole, Jean (1985). “Asset Bubbles and Overlapping Generations”. The Review of Economic Studies 53 (5): 1071-1100. JSTOR 1911012.
Laffont, Jean-Jacques; Tirole, Jean (1986). “Using Cost Observation to Regulate Firms”. Journal of Political Economy 94 (3): 614-641. JSTOR 1833051.
Tirole, Jean (1986). “Hierarchies and Bureaucracies: On the Role of Collusion in Organizations”. Journal of Law, Economics, & Organization 2 (2): 181-214. JSTOR 765048.
Holmström, Bengt; Tirole, Jean (1993). “Market Liquidity and Performance Monitoring”. Journal of Political Economy 101 (4): 678-709. JSTOR 2138744.
Aghion, Philippe; Tirole, Jean (1994). “The Management of Innovation”. The Quarterly Journal of Economics 109 (4): 1185-1209. JSTOR 2118360.
Tirole, Jean (1996). “A Theory of Collective Reputations (with Applications to the Persistence of Corruption and to Firm Quality)”. The Review of Economic Studies 63 (1): 1-22. JSTOR 2298112.
Aghion, Philippe; Tirole, Jean (1997). “Formal and Real Authority in Organizations”. Journal of Political Economy 105 (1): 1-29. JSTOR 2138869.
Holmstrom, Bengt; Tirole, Jean (1997). “Financial Intermediation, Loanable Funds, and the Real Sector”. The Quarterly Journal of Economics 112 (3): 663-691. JSTOR 2951252.
Holmstrom, Bengt; Tirole, Jean (1998). “Private and Public Supply of Liquidity”. Journal of Political Economy 106 (1): 1-40.
Laffont, Jean-Jacques; Rey, Patrick; Tirole, Jean (1998). “Network Competition: I. Overview and Nondiscriminatory Pricing”. The RAND Journal of Economics 29 (1): 1-37. JSTOR 2555814.
Tirole, Jean (1999). “Incomplete Contracts: Where do We Stand?”. Econometrica 67 (4): 741-781.
Rochet, Jean-Charles; Tirole, Jean (2003). “Platform Competition in Two-sided Markets”. Journal of the European Economic Association 1 (4): 990-1029. JSTOR 40005175.
Bénabou, Roland; Tirole, Jean (2003). “Intrinsic and Extrinsic Motivation”. The Review of Economic Studies 70 (3): 489-520. JSTOR 3648598.
Rochet, Jean-Charles; Tirole, Jean (2006). “Two-Sided Markets: A Progress Report”. The RAND Journal of Economics 37 (3): 645-667. JSTOR 25046265.
Bénabou, Roland; Tirole, Jean (2006). “Incentives and Prosocial Behavior”. The American Economic Review 96 (5): 1652-1678. JSTOR 30034989.
^ a b c d e “ノーベル経済学賞にティロール氏、産業組織論に貢献”. 日本経済新聞 (2014年10月13日). 2014年10月15日閲覧。
^ a b c d 依田高典「2014年ノーベル経済学賞 ジャン・ティロール―現実へのビジョンに支えられた理論家」、『経済セミナー』第682巻、日本評論社、2015年、 80-83頁。
^ “ノーベル経済学賞にフランス人のティロール教授”. ウォール・ストリート・ジャーナル (2014年10月14日). 2014年10月15日閲覧。
^ ノーベル経済学賞、ティロール氏の功績とは東洋経済オンライン 2014年10月15日
^ ジャン・ティロール教授ノーベル経済学賞受賞決定の朗報を受けての学長声明 (2014年10月13日) - 一橋大学
外部リンク 編集
プロフィール (英語) - Industrial Economics Institute(英語版、フランス語版) (IDEI)
柳川隆 産業組織論より
新産業組織論の成果を表す代表的文献であるティロール(Tirole (1988))は,新産業組織論発生の理由として三つを挙げている5)。
一つは伝統的産業組織論におけるクロスセクション分析の限界に対する不満足である。たとえば,集中度もまた内生的に決まるということを考えると,集中度などの市場構造から利潤率などの成果へ回帰分析を行う研究だけでは不十分であり,外生的な需要や供給の基礎的条件から説明することも必要となるが, これには困難な点が多かった。
二つ目は, それまで競争均衡の研究をしていたミクロ経済学者が寡占市場の研究に取り掛かったことである。完全競争市場においてなされた緻密で一般的な理論を寡占市場においても生み出そうとしたことである。
そして三つ目は,ゲーム理論における非協力ゲームが戦略的行動の分析の標準的な手法となり, この分野での統的な分析手法となったことである。
The Theory of Industrial Organization, (MIT Press, 1988).
*産業組織論、(MIT Press、1988)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0093C1K3M/
http://www.library.fa.ru/files/Tirole-Theory.pdf
内容
(1会社とは何ですか?2利益最大化仮説3補足セクション:主体とエージェントの関係)
私は独占権の行使
1独占
2製品の選択、品質、そして宣伝
3価格差別
4垂直制御
II戦略的インタラクション
5短期ランニングコンテスト
6動的価格競争と暗黙の共謀
7製品の差別化:価格競争
8入場、宿泊、および退出
9情報と戦略的行動:評判、限界価格設定、および捕食
10研究開発と新技術の採用
11非協調ゲーム理論:ユーザーマニュアル
ミクロ経済学・入門サービスと政策を読みとく新版(有斐閣アルマ)2015/3/23柳川隆、町野和夫、吉野一郎
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/2015323.html
コア・ノーベルトーク:道徳的推論、市場と組織に関するJean TIROLE 2016
https://youtu.be/CLAqk2juIM4
Jean Tirole:市場の失敗と公共政策2015
https://youtu.be/pQ4Pgm8Lu0M
*The Theory of Industrial Organization, (MIT Press, 1988).
https://www.amazon.co.jp/dp/B0093C1K3M/
http://www.library.fa.ru/files/Tirole-Theory.pdf
Contents
(1 What Is a Firm? 2 The Profit-Maximization Hypothesis 3 Supplementary Section: The Principal–Agent Relationship)
I The Exercise of Monopoly Power
1 Monopoly
2 Product Selection, Quality, and Advertising
3 Price Discrimination
4 Vertical Control
II Strategic Interaction
5 Short-Run Price Competition
6 Dynamic Price Competition and Tacit Collusion
7 Product Differentiation: Price Competition
8 Entry, Accommodation, and Exit
9 Information and Strategic Behavior: Reputation, Limit Pricing, and Predation
10 Research and Development and the Adoption of New Technologies
11 Noncooperative Game Theory: A User’s Manual
ミクロ経済学・入門 ービジネスと政策を読みとく 新版 (有斐閣アルマ) 2015/3/23 柳川 隆 , 町野 和夫 , 吉野 一郎
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/2015323.html
CORE Nobel Talk: Jean TIROLE on Moral Reasoning, Markets and Organizations 2016
https://youtu.be/CLAqk2juIM4
Jean Tirole: Market Failures and Public Policy 2015
https://youtu.be/pQ4Pgm8Lu0M
*産業組織論、(MIT Press、1988)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0093C1K3M/
http://www.library.fa.ru/files/Tirole-Theory.pdf
内容
(1会社とは何ですか?2利益最大化仮説3補足セクション:主体とエージェントの関係)
1 独占権の行使
1独占
2製品の選択、品質、そして宣伝
3価格差別
4垂直制御
II戦略的インタラクション
5短期ランニングコンテスト
6動的価格競争と暗黙の共謀
7製品の差別化:価格競争
8入場、宿泊、および退出
9情報と戦略的行動:評判、限界価格設定、および捕食
10研究開発と新技術の採用
11非協調ゲーム理論:ユーザーマニュアル
Two-Sided Markets: A Progress Report∗ (Adobe PDF) -htmlで見る
www.tse-fr.eu/images/doc/by/rochet/rochet_tirole.pdf
Two-Sided Markets: A Progress Report∗. Jean-Charles Rochet†. Jean Tirole‡. November 29, 2005. Abstract.
Two-Sided Markets : A Progress Report - IDEAS/RePEc
ideas.repec.org/p/ide/wpaper/2145.html
Rochet, Jean-Charles & Tirole, Jean, 2005. "Two-Sided Markets : A Progress Report," IDEI Working Papers 275, Institut ...
双方向市場
ロシェとティロールによるこの分野のサーベイ論文(pdf)もあわせて参照されたい)。
ティロールはこちらが訳されるべきだ
*The Theory of Industrial Organization, (MIT Press, 1988).
https://www.amazon.co.jp/dp/B0093C1K3M/
http://www.library.fa.ru/files/Tirole-Theory.pdf
Contents
(1 What Is a Firm? 2 The Profit-Maximization Hypothesis 3 Supplementary Section: The Principal–Agent Relationship)
I The Exercise of Monopoly Power
1 Monopoly
2 Product Selection, Quality, and Advertising
3 Price Discrimination
4 Vertical Control
II Strategic Interaction
5 Short-Run Price Competition
6 Dynamic Price Competition and Tacit Collusion
7 Product Differentiation: Price Competition
8 Entry, Accommodation, and Exit
9 Information and Strategic Behavior: Reputation, Limit Pricing, and Predation
10 Research and Development and the Adoption of New Technologies
11 Noncooperative Game Theory: A User’s Manual
産業組織論、(MIT Press、1988)
内容
(1会社とは何か?2利益最大化仮説 3補足セクション:主体とエージェントの関係)
I 独占権の行使
1独占
2製品の選択、品質、そして宣伝
3価格差別
4垂直制御
II戦略的インタラクション
5短期ランニングコンテスト
6動的価格競争と暗黙の共謀
7製品の差別化:価格競争
8入場、宿泊、および退出
9情報と戦略的行動:評判、限界価格設定、および捕食
10研究開発と新技術の採用
11非協調ゲーム理論:ユーザーマニュアル
ティロール良き#4
ハ ーバ ード大学経済学教授のダニ ・ロドリックがみごとに言い表したとおり 、経済学者は賢いから数学を使うのではない 。十分に賢くないから使うのである 。
「私たちは 、自分が論理的に考えていることを確かめるために数学を必要とする 。結論は仮定から導き出しうるか 、論理展開に曖昧なところはないかを確かめるためにも 、数学を必要とする 。言い換えれば 、私たちは賢いから数学を使うのではなく 、十分に賢くないから使うのである 。とはいえ 、十分に賢くないと気づく程度には賢い 。私は学生たちにこう言った ─ ─この点を認識することが 、貧困や低開発について強硬な意見を言いたがる人たちから君たちを区別するのだ 、と ( 3 4 ) 」
加えて 、モデルを記述し分析することを通じて 、別の角度からも考えられるようになる (た
3 4 D a n i R o d r i k , W h y W e U s e M a t h i n E c o n o m i c s , D a n i R o d r i k ' s W e b l o g , S e p t e m b e r 4 , 2 0 0 7 .
#4
情報の経済学に重要な基本概念
モラルハザード
逆選択(逆淘汰とも言う)
#4
情報の経済学に重要な基本概念
モラルハザード 契約後
逆選択(逆淘汰とも言う) 契約時
第 9章失業二〇一五年のカンヌ映画祭では 、ステファヌ ・ブリデ監督作品 『市場の掟 』 (邦訳タイトル 『ティエリ ー ・トグルド ーの憂鬱 』 )で主役を演じたヴァンサン ・ランドンが主演男優賞を受賞した 。ランドン演じるティエリ ーは五〇代の男性 。大企業を解雇され 、失業保険をもらい 、当てもないまま職業
#11
エ ージェンシ ー理論 :個人の利益と社会の利益の乖離市場を見る第二の切り口は 、エ ージェンシ ー理論である 。この理論では 、個人にとっての合理性と社会にとっての合理性の不一致に注目する 。ある経済システムの中の経済主体は 、自分の立場からすれば合理的な行動をとることができるが 、その結果は社会全体からすれば有害だということがありうる 。規制の経済学において古くて新しいこのテ ーマは 、本書でも繰り返し論じてきた 。ここでは 、ある銀行が何らかのリスク資産 、たとえば株式を大量に抱えているとしよう 。何も問題が起きなければこの株は大きなリタ ーンを生み 、株主は大金を手にするはずだ 。だが問
第 1 3章競争政策と政治自由放任か計画経済かという不毛な二元論を超えて 、今日では 、政府が賢く市場を規制することによって市場の非効率を減らすと同時に 、政府の干渉に伴うイノベ ーションや創造性への悪影響を抑えることは可能だとする議論が主流になってきたように見受けられる 。競争と規制の最適な運用メカニズムを決めるに当たっては 、経済主体同士の複雑な相互作用 、情報の非対称性 、経済の不確実性や多様性など 、考えるべき要素は数多い 。経済学者は実証テストを行って理論の有効性を確かめたうえで 、市場の規制や運営に関する改革を提言していくことが求められる
#4
このほか契約の理論研究では 、契約の次の四つの面に注目して分析フレ ームワ ークの拡張に取り組んだ 。
第一は 、ダイナミクスである 。契約関係は繰り返されることが多く 、また契約期間中に再交渉が行われることもある 。ジャン =ジャック ・ラフォン 、オリバ ー ・ハ ート 、ドリュ ー ・フュ ーデンバ ーグとの共同研究 (および後年のロジェ ・ゲスネリ 、ハビエル ・フレイシャスとの共同研究 )では 、契約の動学的な見方を開発した 。たとえば逆選択の状況 (エ ージェントはプリンシパルの知らない情報を持っている )では 、エ ージェントの成果が当人の特徴や環境に関する情報 (仕事の難度 、エ ージェントの能力 、意欲など )を露呈し 、将来の契約に影響をおよぼす 。たとえば豊富な収穫を見た地主は 、貸した土地が肥沃であったこと 、あるいは小作人が勤勉であることを推察する 。すると地主は 、将来の契約により厳しい条件を課そうとする 。定額契約の場合には料金を吊り上げる 、収穫の一部を納める契約では収穫の目標を高めに設定する 、などだ 。こうした地主の行動を予想した小作人は 、対抗策として耕作を怠けたり 、収穫の一部を隠したりする 。
第二は 、階層である 。契約には 、しばしば両当事者 (プリンシパルとエ ージェント )以外の人間が関与する 。たとえば 、収穫を地主と小作人で折半する折半契約では 、収穫の計量と監視を代理人に委託することがある 。実際の経済でも 、こうした代理人や仲介人はあちこちに存在する 。金融サ ービス事業者 (銀行 、投資ファンドなど )はその代表例である 。このほか 、現場監督 、工場長などもそうだ 。多数のプレ ーヤ ーが関与していることに目をつけたプレ ーヤ ーの中には 、他の組織のメンバ ーと共謀を図る者も出てくる 。研究では 、クリ ーク (組織内に形成されるインフォ ーマル ・グル ープ )における共謀の危険性と組織内での情報の分布を関連づけ 、組織設計への影響を分析した 。
第三は 、情報に通じたプリンシパルである 。この研究はマスキンと共同で行い 、独自情報を持っているプリンシパルからエ ージェントに契約が提案されたケ ースを想定し 、その選択をモデル化する概念ツ ールを開発した 。たとえば 、金融市場で資金調達する企業経営者 (プリンシパル )は 、有望なプロジェクトのためにほんとうに資金を必要としているのかもしれないが 、自社に関する悪いニュ ースが公に出回る前に資産の一部を現金化したがっているのかもしれない 。投資家 (エ ージェント )は 、この企業が発行する形態 (株 、社債など )と数量をシグナルとして経営者の意図を読み取ろうとする 。
第四は 、企業や政府の内部組織である 。マティアス ・ドュワトリポン (ブリュッセル自由大学 )との共同研究では 、説明責任を徹底させる方法を研究した 。意見対立の際に中立の第三者に仲介させるのではなく 、弁護士を介入させ対決させることによって 、裁定者あるいは経営者はより多くの情報を引き出すことが可能になる (両当事者の弁護士が不都合な情報を伏せておこうとしても ) 。この研究では政府部内の業務分担の分析も行い 、包括的な責任を負わせるよりも明確に定義した業務を割り当てるほうが良いケ ース (二兎を追う者は一兎をも得ず )をあきらかにした 。
#4a
情報の経済学は 、ケネス ・アロ ー (一九七二年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジョ ージ ・アカロフ 、マイケル ・スペンス 、ジョセフ ・スティグリッツ (三人ともに二〇〇一年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジェ ームズ ・マ ーリ ーズとウィリアム ・ヴィクリ ー (二人ともに一九九六年にノ ーベル賞受賞 ) 、レオニ ード ・ハーヴィッツ 、ロジャ ー ・マイヤ ーソン 、エリック ・マスキン (三人ともに二〇〇七年にノ ーベル賞受賞 ) 、オリバ ー ・ハ ート 、ベント ・ホルムストロ ーム (二人ともに二〇一六年にノ ーベル賞受賞 ) 、ジャン =ジャック ・ラフォン 、ポ ール ・ミルグロムらによって発展した 。この理論で重要な役割を果たすのは 、次の二つの基本概念である 。
一つは 、モラルハザ ードである 。モラルハザ ードは 、ある契約当事者の行動が 、その行動に影響を受ける契約相手からも 、あるいは係争になったときに契約条件の遵守を強制するはずの裁判所からも 、見られずに済む場合に起こりうる 。モラルハザ ードの例として 、小作契約すなわち収穫の一部を地主に納めるという条件で耕作を小作人に託す契約を考えてみよう 。小作契約の当事者は地主と小作人であるが 、地主はプリンシパルすなわち委託者に 、小作人はエ ージェントすなわち受託者に相当する 。小作人は 、植え付ける作物の選択や種まきの時期に十分な注意を
…
情報の経済学におけるもう一つの基本概念は 、逆選択である (逆淘汰とも言う ) 。これは 、契約後ではなく 、契約する時点ですでに 、一方が他方の知らない情報を持っている可能性に注目した概念である 。先ほどの小作契約の例で言えば 、土地の耕作にどれだけ時間をかけられるかとか 、自分はこの仕事に向いているか 、がんばる気があるか 、といったこ
#2
本を読んだら一ドルあげると子供に言ったら (一部の学校はそうしている ) 、読書はお金になると子供に教えるだけでなく 、読書のほんとうの価値を子供から永久に奪ってしまうことになりかねない 。市場は無垢ではないのである 。 ─ ─マイケル ・サンデル ( 2 )
2ガ ーディアン紙二〇一三年四月二七日付 。
#2
目的の国では 、あらゆるものは価格か尊厳を持つ 。価格を持つものは 、ほかの等価物で置き換えることができる 。これに対していっさいの価格を超えたもの 、したがっていかなる等価物もあり得ないものは 、尊厳を持つ 。
─ ─イマヌエル ・カント 『道徳形而上学原論 ( 1 ) 』
1 F o n d e m e n t s d e l a m é t a p h y s i q u e d e s m o e u r s ( 1 7 8 5 ) , I I .この引用文は 、バカロレアの哲学の試験でたびたび出題されている 。
ティロールはいわゆるインセンティブには懐疑的
基本的な考え方と学説を説明した#2,4がわかりやすい
特に#4はかけそうで誰もかけない
#5-3
マルチタスク問題 (本来 、複数の任務を負っている労働者 〔代理人 〕に対して 、報酬を目に見えやすい貢献についてだけ連動させることにより 、努力配分の歪みを引き起こすこと )は多くの分野で見受けられる ( 3 8 ) 。そうした中から 、いくつか例を挙げよう 。金融部門の一部のプレ ーヤ ーは 、短期的な実績に基づくインセンティブを与えられた結果 、長期的に社会に害をおよぼす行為に走った 。その結果が 、二〇〇八年の世界金融危機である (第 1 2章参照 ) 。ある企業は 、コスト削減を奨励し 、その成果に報奨を与えた 。すると保守点検作業が削られ 、事故のリスクが増大した 。したがってコスト削減に対してインセンティブが設けられるときには 、規制当局が保守点検の監視を強化する必要がある (第 1 7章参照 ) 。
強力なインセンティブを設けることのマイナス面は 、このほかに
3 8マルチタスク問題は 、次の論文などで分析されている 。 B e n g t H o l m s t r ö m a n d P a u l M i l g r o m , M u l t i t a s k P r i n c i p a l A g e n t A n a l y s e s : I n c e n t i v e C o n t r a c t s , A s s e t O w n e r s h i p , a n d J o b D e s i g n , J o u r n a l o f L a w , E c o n o m i c s a n d O r g a n i z a t i o n , 1 9 9 1 , n o . 7 , p p . 2 4 5 2 .
3 9 R i c h a r d T i t m u s s , T h e G i f t R e l a t i o n s h i p : F r o m H u m a n
ティロールが#5脚注で挙げた
Multitask Principal-Agent Analyses: Incentive Contracts, Asset Ownership, and Job Design 1991
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1991%20JLEO%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全30頁
https://management-company.work/bubble-2/
バブルの許容量はGDPの5倍
銀行などへの預金・投資を通じて国債を事実上買えたのは、実は裕福であるところの高齢者のシルバーマネーだ。
社会保障費を削ったり、増税したり、高齢者が持っている資産に課税したりする代わりに、痛みを先送りする切り札として国債が使われ始めた。
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つい四半世紀前は日本の財政は先進国のなかでは健全だったのに、今では国債漬けとなってしまった。
借金漬けの国家が過剰なインフラを抱え、高齢者が過大な住宅資産を抱える日本の経済構造そのものが、綱渡りの「バブル」と考えることもできる。
不動産マクロ買いのためには、バブルについて見識を深めたい。
そうすれば、あなたは不動産を売買した際に、損失を回避し、儲けることだってできる。
だから、今から勉強すればいい。
バブル経済の研究では、フランスのジャン・ティロール氏が85年に出した「資産バブルと世代の複合」が有名である。
日本のバブルは86年から起きたが、その前に書かれたティロールの研究で、日本のバブルはほぼ説明できる。
バブル経済の研究は90年代に出された野口悠紀雄氏の「バブルの研究」が有名だが、最近の最高傑作は、慶応大学の櫻川昌哉教授の「経済を動かす単純な論理』だ。
この本で櫻川氏はティロールを引用しながら、土地、株、国債(貨幣を含めて考えてもよい)の3大バブルの総額はGDPの5.0倍から5.7倍でほぼ一定しており、土地バブルの崩壊後はバブルを国債が引き受けたと説明している。
5つ星のうち5.0天才ノーベル賞学者は退屈な分厚い入門書など絶対に書くべきではない
2018年11月22日
形式: 単行本Amazonで購入
天才ノーベル賞学者は退屈な分厚い入門書など絶対に書くべきではない。ノーベル賞受賞前に出された「資産バブルと世代の複合」は日本のバブル経済の醸成過程とやバブル崩壊を事前に予測したスリリングな展開の傑作だった。「土地、株式、国債の三大バフルの許容量は GDP の 5 倍 で、異なる顔をした複数のバブルは相互に代替可能」というロジックにのけぞった。世界経済が支えるバブル総量は一定だというのだ。しかし、ピケキィの分厚い5000円クラスの経済書が売れたので、追随したのだろうが、記述がたるい。同じノーベル賞のセーラーやカーネマンの本は読み切れるのに。ただ、ゴーン(日産)の一件で、政府の産業振興策についての記述は、ルノーとフランス政府の失敗や焦りに照らし合わせれば「なるほどな!」と思わせる。フランスの経済学者ならでは解説だ。パリバ河野さん、東大柳川さんらがみな絶賛していたが、櫻川さんの読後感想を聞いてみたい!
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ジャン ・ティロ ール “ A s s e t b u b b l e s a n d o v e r l a p p i n g g e n e r a t i o n s , ” E c o n o m e t r i c a 5 3 , 1 9 8 5 .
ジャン・マルセル・ティロール(Jean Marcel Tirole、1953年8月9日 - )
Tirole, Jean (1985). “ Asset Bubbles and Overlapping Generations”.
#11-3
近年では、バブル 、エ ージェンシー理論 、金融恐慌 、行動ファイナンス理論 、市場摩擦を切り口に 、より精緻な市場分析に取り組む研究が増えてきた 。以下ではこの五つの見方を一つひとつ検討する 。
数量限定、「長期」資産がバブルになる
バブルについては1985年論考の方がいい
ティロール絶賛
ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀: 公正な社会への資本主義と民主主義改革 (日本語) 単行本 – 2019/12/20
エリック・A・ポズナー (著), E・グレン・ワイル (著), 安田 洋祐 (翻訳), 遠藤 真美 (翻訳)
殿堂入りベスト10レビュアー
5つ星のうち5.0 新しいオークション資本主義!
2020年2月10日に日本でレビュー済み
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未来社会へのアイデアが満載の新資本主義論である。オークション資本主義である。
①オークションとは、出品商品に最高高値を付けた人に落札される仕組みである。これでは高所得者が商品を独占するのではないかと懸念される。
②しかし、そうはならないと著者は言う。出品された商品は、高所得者→中所得者→低所得者へと回り、すべての者が落札された商品を購入出来る。
③高所得者が手にした商品は、二回目には中所得者が入手する。そして三回目には低所得者に落札される。こうして落札価格は下がり、最終的には、低所得者が買えるまでに下がるのである。これはアダム・スミスが発見した市場(価格)メカニズム=市場原理と完全自由競争を前提した仕組みである。
④しかし、住宅などは、サブプライムローンが失敗したように、低所得者には負担があまりに大きい。最も高額な商品である。高級自動車などもそうである。低所得者が入手できない高額な商品である。だとすれば、住宅や自動車は所有せず、複数の人間でシェアし、所有者に低額なレンタル料(家賃)を支払う仕組みを作り、オークションに出品すれば良い。
⑤こうしたオークションの徹底によって、私有財産は否定され、必要な者同士がシェアする仕組みが未来社会における資本主義の原理となる。こうして所有と私有財産は否定され、格差社会は解消していく。しかし、そう簡単には行かない。政府の役割は重要である。
新しいアイデア満載の本署は資本主義の市場原理を徹底させることで得られるのだ。
お勧めの一冊だ。
もっと少なく読む
5つ星のうち5.0 資本主義を超えるアイデア(共産主義ではない)
2020年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず最初に、本書は社会を良くするためのアイデアが描かれている。
ではその良い社会とは。貴重な資産が死蔵せず有効活用される。民主的な投票だが少数の意見も汲み上げる。一時滞在の移民を多く受け入れても地元の人が不利益を被らない。
こういう、従来はトレードオフと考えられてきた問題を仕組みの改変で解決しようとしている。
それぞれかなり根本的な手法であり、また既得権益を脅かすことから、実際にはなかなか実現しないだろう。しかし現在の資本主義や民主主義が決して究極の姿ではないということを再認識させてくれる。
得てしてこういう論は共産主義の焼き直しだが、本書はあくまで資本主義の延長であって、それ故の面白さと、それ故の分かりにくさを有していると思う。
ただ、例えば著作権におけるクリエイティブ・コモンズのように、どこかで始まって徐々に拡大する可能性を秘めている。決して考える価値がない訳ではない。
文句なしの星5つ。
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Mkengar
5つ星のうち4.0 思考実験の良書
2020年4月14日に日本でレビュー済み
タイトルに明示されているように、本書は、21世紀の一般的な人々からすればラディカル(急進的)だと思えるような提案が多数盛り込まれている本です。しかし思考実験としては良いきっかけを与えてくれます。彼らが提案する制度が導入されるとどんな世の中になるのだろう、という想像です。本書は所有権の部分共有による切り崩し(1章)、投票制度の改革(2章)、移民制度の改革(3章)、機関投資家の力の切り崩し(4章)、データを労働力としてみる(5章)、というような構成になっていますが、特にインパクトが大きく、著者らが特に力点を置いているのが前半の所有権の切り崩しと選挙制度の改革でしょう。
私は特に2章の投票制度について関心を持ちました。投票制度の問題は以前から議論されていて、アローの一般可能性定理やアマルティア・センが指摘したパレート最適の毒性問題があります(詳細は、たとえば『「きめ方」の論理』ちくま学芸文庫を参照のこと)。パレート最適の毒性問題を回避するための一つの方法は、「自分が関心の低い事案については投票しない(意見表明を差し控える)」ことです。これは自己抑制的という意味でアジア的な解決策と言えるのかもしれませんが、本書が提示しているQV方式と呼ばれるものはその逆で、「自分の関心が高い事案については、他人より多くの票を投ぜよ」という解決策です。私はこれを自己主張的な欧米型の解決策ととらえました(人間は自己主張しなければならないという欧米的な強迫観念が背後にあるとも言えます)。この場合、少数のその事案に高い関心がある人の意見が、多数のあまり関心がない人に勝つ可能性があるわけです。
その意味で、本書は確かにラディカルな制度提言が盛り込まれていて興味深く読みましたが、いずれも自己主張、競争、対立といった価値観が著者らの背後に見え隠れしており、そのような価値観に社会が覆われているという意味できわめて欧米的であります。つまり、逆に自己抑制、協調、和合の社会設計という選択肢についても可能性がないのだろうかと本書を読んで思いましたが、いずれにせよ頭を柔らかくする、想像力を働かせるという意味で面白い本でした。
もっと少なく読む
富裕層による富の独占、膠着した民主主義、巨大企業によるデータ搾取。21世紀初頭の難題を解決するまったく新しいビジョン!
著者について
エリック・A・ポズナー
法学者
シカゴ大学ロースクールのカークランド・アンド・エリス特別功労教授。The Twilight of Human Rights Law(未訳)、『法と社会規範』(太田勝造監訳、藤岡大助[ほか]訳、木鐸社)など著書多数。シカゴ在住。
E・グレン・ワイル
経済学者
マイクロソフト首席研究員で、イェール大学における経済学と法学の客員上級研究員。ボストン在住。
安田 洋祐(ヤスダ ヨウスケ)
経済学者
大阪大学大学院経済学研究科准教授。1980年生まれ。東京大学経済学部卒業後、米国プリンストン大学へ留学しPh.D.を取得。政策研究大学院大学助教授を経て、2014年4月から現職。専門はゲーム理論、産業組織論。編著に『学校選択制のデザイン』(NTT出版)、監訳に『レヴィット ミクロ経済学 発展編』(東洋経済新報社)など。学術研究の傍らマスメディアを通した情報発信や、政府での委員活動に取り組んでいる。大阪在住。
遠藤 真美(エンドウ マサミ)
翻訳家
主な訳書にティム・ハーフォード『50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ』(日本経済新聞出版社)、リチャード・ボールドウィン『世界経済 大いなる収斂』(日本経済新聞出版社)、マーヴィン・キング『錬金術の終わり』(日本経済新聞出版社)、リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』(早川書房)、マーティン・ウルフ『シフト&ショック』(早川書房)、フェリックス・マーティン『21世紀の貨幣論』(東洋経済新報社)、ジャスティン・フォックス『合理的市場という神話』(東洋経済新報社)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ポズナー,エリック・A.
シカゴ大学ロースクールのカークランド・アンド・エリス特別功労教授。シカゴ在住
ワイル,E.グレン
マイクロソフト首席研究員で、イェール大学における経済学と法学の客員上級研究員。ボストン在住
安田/洋祐
大阪大学大学院経済学研究科准教授。1980年生まれ。東京大学経済学部卒業後、米国プリンストン大学へ留学しPh.D.を取得。政策研究大学院大学助教授を経て、2014年4月から現職。専門はゲーム理論、産業組織論。学術研究の傍らマスメディアを通した情報発信や、政府での委員活動に取り組んでいる
遠藤/真美
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
もっと少なく読む
既得権をなくす! 独占を壊す!
自由な社会をどうつくるか?
若き天才経済学者が描く、資本主義と民主主義の未来!
支配なき公正な世界のデザインとは?
富裕層による富の独占、膠着した民主主義、巨大企業によるデータ搾取……
21世紀初頭の難題を解決する、まったく新しいビジョン!
「私はずっと、テクノロジーと市場の力を用いて平等な社会を実現する方法を探してきた。本書こそが、その方法を示している」――サティア・ナデラ(第3代マイクロソフトCEO)
「深淵かつオリジナルな本書の分析は、あなたの世界観を根底から覆すだろう」――ジャン・ティロール(2014年ノーベル経済学賞受賞者)
経済の停滞、政治の腐敗、格差の拡大。この状況を是正するには、発想を自由にして抜本的な再設計を行わなくてはならない。社会を成立させるための最良の方法は市場と考えるが、最も重要な市場が今は独占されているか、存在していない。
だが、真の競争が可能な、開放的で自由な市場を創出することによって、格差を縮小し、繁栄をもたらし、社会の分断を解消できるはずだ。すなわち、オークションを要とするラディカル・マーケット(競争原理によって誰もが参加できる自由な取引市場)である。
私有財産は本質的に独占的なものである。そのため、私有財産を廃止し、財産をより高く評価する者の手に渡らせ、彼らに財産を有効活用させればよい。これを実現するのが、著者たちの主張する「共同所有自己申告税」(COST)だ。
また、現行の投票制度では、多数者が大きな影響力を持ち、少数者の利益は守られない。そして、ある問題に関する関心の強さは人によってまちまちだが、その関心の強さを票に反映することは不可能だ。著者たちの主張する「二次の投票」(QV)を導入すれば、投票者は自分の関心の強さを投票に反映することが可能となり、強い関心をもつ少数者が多数者の支配から守られる。これこそが本書で述べられる「ラディカル・デモクラシー」である。
本書は、移住の自由化への反感、機関投資家による市場の独占、巨大なプラットフォーム企業によるデータ労働の搾取といった、21世紀のさまざまな問題を解決し、繁栄と進歩を可能にするために、古い真理を疑い、物事を根底まで突き詰め、新しいアイデアを提案する「ラディカル」な提案の書である。
ヴィックリーに言及
/ ジャン・ティロール/著 村井章子/訳. 4,536円 ...
目次日本語版序文謝辞はじめに
第 Ⅰ部社会と経済学
第 1章 経済学はお好きですか ? 1なぜ経済学はわかりにくいのか ? 2市場以外に稀少性を管理する方法はあるか ? 3経済学をもっと広めるために
第 2章 市場の倫理的限界 1市場の倫理的限界か、それとも市場の失敗か? 2聖なる領域 3市場は社会の絆を脅かすのか? 4不平等
第 Ⅱ部経済学者の仕事
第 3章 市民社会における経済学者 1経済学者は公共の知識人である 2社会関与の罠 3学外交流と守るべきガイドライン 4理論から政策提言へ
第 4章 研究の日々 1理論と実証の間を行き来する 2アカデミックな経済学のミクロコスモス 3経済学者はキツネかハリネズミか ?
4数学の役割 5ゲーム理論と情報の経済学 6方法論の研究
第 5章 変貌を遂げる経済学 1心理的人間 2社会的人間 3インセンティブに釣られる人間 4法的人間 5意外な視点から
第 Ⅲ部経済の制度的枠組み
第 6章 国家 1市場の失敗 2市場と国家の相補関係 3政治の優越か、独立行政機関か? 4行政改革
第 7章 企業 、統治 、社会的責任 1さまざまな組織形態は可能だが … …選ばれていない 2企業の社会的責任
第 Ⅳ部マクロ経済の課題
第 8章 気候変動 1気候変動の実態 2交渉難航の原因 3不十分な目標 4汚染者負担の原則 5不平等とカーボン ・プライシング 6国際協定の信頼性 7交渉を正しい道に引き戻す
第 9章 失業1フランスの現状 2労働契約の経済分析 3フランスの制度の内部矛盾 4労働市場改革 5雇用をめぐるさまざまな課題 6なぜ喫緊の課題なのか ?
第 1 0章 岐路に立つヨーロッパ 1ヨ ーロッパの建設 ─ ─希望から懐疑へ 2ユーロ危機の根本原因 3ギリシャ危機 4ヨーロッパに残された選択肢
第 1 1章 金融は何の役に立つのか? 1金融の役割とは? 2有用な金融商品がなぜ有害になるのか? 3市場は効率的なのか? 4なぜ規制が必要なのか ?
第 1 2章 二〇〇八年グロ ーバル金融危機 1金融危機 2危機後の経済環境 3経済学者と危機防止
第 Ⅴ部産業の課題
第 1 3章 競争政策と政治 1競争は何の役に立つのか? 2産業政策とは何か
第 1 4章 デジタル技術とバリューチェーン 1プラットフォームとデジタル経済 2二面市場 3ビジネスモデルのちがい 4二面市場と競争法
第 1 5章 デジタル経済と社会的課題 1信頼性 2データの所有権 3医療保険制度 4二一世紀における雇用の新しい形 5デジタル経済と雇用 6税制はどうあるべきか ?
第 1 6章 イノベ ーションと知的財産権 1イノベーションという至上命令 2知的財産権 3膨れ上がるロイヤリティ 4イノベーションを生む環境 5内製化とオープンソース 6知的財産権をめぐるさまざまな問題点
第 1 7章 産業規制 1規制改革とその根拠 2インセンティブの強化 3規制産業の料金設定 4ネットワークのアクセス料 5競争とユニバーサルサービス
原注
解説 ジャン・ティロ ールの経済学 北村行伸
索引
…一貫するのは情報の経済学
《はじめに …本書は五つの大きなテ ーマを経糸として構成されているが 、それらを結び合わせる緯糸は 、 「情報の経済学 」というおそらく読者にはあまりなじみのない理論である 。ここ四〇年間の経済学の進歩は 、この理論によるところが大きい 。情報の経済学は 、経済のプレ ーヤ ー (個人 、企業 、国家 )の意思決定は 、得られる情報が完全でないことに制約されるという明白な事実から出発している 。こうした制約の結果はそこここで見受けられる 。たとえば 、市当局が実行しようとする政策を住民が理解し評価するのはむずかしい…》