https://nam-students.blogspot.com/2019/11/vickrey-william-1996-15-fatal-fallacies.html
ノーベル賞を取ったのはこちら
(COUNTERSPECULATION は 反投機ではなく、投機への対抗措置と訳される)
onlinelibrary.wiley.com/.../j.1540-6261.1961.tb02789....
COUNTERSPECULATION, AUCTIONS, AND COMPETITIVE SEALED TENDERS . William Vickrey. Columbia University.
https://www.cs.princeton.edu/courses/archive/spr09/cos444/papers/vickrey61.pdf
なんとラーナー統制の経済学から論が始まる
★
論文は1961年に発表された。タイトルは「投機への対抗措置、オークション、競争的封入入札」というもので、すぐに忘れられるだろうと思われた。しかし、10年後に再発見される。ヴィックリーの論文は、社会の問題を解決するオークションの力を示した最初の研究であり、「メカニズムデザイン」と呼ばれる経済学の領域を切り拓くことにつながって、1996年にノーベル賞を受賞した。
COUNTERSPECULATION, AUCTIONS, AND
COMPETITIVE SEALED TENDERS
WILLIAM VICKREY
Columbia University
IN HIS Economics of Control, A. P. Lerner threw out an interesting
suggestion that where markets are imperfectly competitive, a state
agency, through “counterspeculation," might be able to create the
conditions whereby the marginal conditions for efficient resource
allocation could be maintained. Unfortunately, it was not made clear
just how this counterspeculation was to be carried out, and to many
this term denotes just one more of the empty boxes that rattle
around in the economist's cupboard of ideas. And there appears to
have been, in the years since Economics of Control first appeared,
no attempt to examine critically just what this intriguingly labeled
box might in fact contain.
In Section I this counterspeculation box will be further examined;
it turns out that most of the devices that most immediately suggest
themselves under this heading prove to be inordinately expensive in
terms of their demands on the fiscal resources of the state relative to
the net benefits to be realized, at least where the commodity in ques-
tion is finely divisible. The other extreme case, where there is only a
single indivisible item to be allocated, is examined in Section II; in
this case the possibilities for reaching an optimum solution in a mar-
ket with a limited number of participants become considerably
brighter: the common or progressive type of auction can be shown
to provide better chances for optimal allocation than the regressive
or "Dutch" auction. The implications of these findings for the inore
significant cases where contracts are let or sales made by competitive
bids or tenders are examined in Section III; the analysis reveals a
likelihood that certain modifications of current practices in these
areas, more specifically by making the award price equal to the
second highest (or lowest) bid price rather than the highest bid
price, might prove generally beneficial in improving the allocation of
resources without being as prejudicial to the interests of sellers (or
buyers) as might at first seem to be the case. Section IV deals with
the somewhat more complicated and general class of cases where
there are several identical items to be auctioned, and Section V deals
with the application of the concepts derived in Section IV to the sale
6.
8
of a number of identical units under sealed-bid conditions; it turns
out that here, too, significant gains can be expected from certain
departures from currently prevalent practices.
I. THE EXCLUSIVE PUBLIC MARKETING AGENCY
To simplify the problem, let us consider the simple case of a
standardized commodity in which the only imperfection in the mar-
ket consists of the fact that either buyers or sellers or both are too
few in number to ignore the repercussions of their actions on the
market price but are either too numerous, too naïve, or too isolated
from each other to engage in any overtly or tacitly concerted action.
We will also assume that the individual marginal-cost and marginal-
value curves of the sellers and buyers are well defined and have
moderate positive and negative slopes, respectively. The normal
result in such a case is that less than the optimal quantity will be pro-
duced and sold, and this will be true even though a "countervailing
power" type of balance between buyers and sellers maintains the
price at the same level as would result under strictly competitive
conditions.
Let us now assume that there is established an exclusive public
marketing agency to which all sales of this commodity must be made
and from which all supplies of the commodity must be bought. A
simple solution to the problem would be available if the public mar-
keting agency could determine with confidence what the equilibrium
competitive price would be and could then establish this price for its
purchases and sales in such a way that neither buyers nor sellers
could expect to have any influence over it. This price would then be
a fixed datum to buyers and sellers, and competitive behavior could
be expected. This is, indeed, the type of solution that comes most
readily to mind on first meeting up with the concept of "counter-
speculation."
The trouble with this as a workable solution is that much of the
,,
information that the marketing agency would need in determining
the competitive equilibrium price would have to come from reports
and actions of buyers and sellers, who would have an incentive to un-
derstate prospective demands and supplies or to curtail their actual
sales and purchases in the hope of inducing the marketing agency to
change the price in their favor. In a static situation, a marketing
agency might conc;eivably manage not to be misled by such misinfor-
mation and to wit hstand the blackmail of curtailments in purchases
or sales. But in a dynamic situation, where the equilibrium price is
continually changing, it would be much more difficult to ascertain the
反論、オークション、および
競争力のある密封された入札者
ウィリアム・ヴィクレイ
コロンビア大学
HIS Economics of Controlでは、A。P. Lernerが興味深い
市場が不完全に競争している場合、国家
代理店は、「反投機」を通じて、
効率的なリソースの限界条件
割り当てを維持できます。残念ながら、それは明らかにされませんでした
この反投機をどのように実行するか、そして多くの人に
この用語は、ガタガタと鳴る空の箱のもう1つ
エコノミストの食器棚の中の周りに。そして、
制御経済学が最初に登場して以来、
これが興味をそそられてラベル付けされたものだけを批判的に検討する試みはありません
箱は実際に含むかもしれません。
セクションIでは、この反投機ボックスについてさらに検討します。
ほとんどのデバイスがすぐに提案することがわかります
この見出しの下の彼ら自身は
国家の財政資源に対する彼らの要求の条件
実現する正味の利益、少なくとも商品が
細かく分割できます。もう1つの極端なケースでは、
割り振られる単一の不可分な項目は、セクションIIで検討されます。に
この場合、市場で最適なソリューションに到達する可能性
参加者が限られた人数でかなり
より明るく:一般的またはプログレッシブタイプのオークションを表示できます
回帰よりも最適な割り当ての可能性を高めるため
または「オランダ語」オークション。これらの調査結果がイノアに及ぼす影響
契約が認められている重要なケース、または競合他社による販売
入札または入札はセクションIIIで検討されます。分析により、
これらの現在の慣行の特定の変更の可能性
エリア、より具体的には、落札価格を
最高入札額ではなく2番目に高い(または最低の)入札価格
価格は、一般的に割り当ての改善に有益であると判明するかもしれません
販売者の利益を害することのないリソース(または
バイヤー)最初はそうかもしれないように。セクションIVは
やや複雑で一般的なクラスのケース
オークションにかけられる同一のアイテムがいくつかあり、セクションVの取引
セクションIVで導出された概念を販売に適用して
6。
8
密閉入札条件下での同一のユニットの数;曲がる
ここでも、特定の
現在普及している慣行からの逸脱。
I.排他的なパブリックマーケティング代理店
問題を単純化するために、単純なケースを考えてみましょう
市場で唯一の欠陥である標準化された商品
ケットは、買い手または売り手、あるいはその両方があまりにも
少数の数は彼らに対する彼らの行動の影響を無視します
市場価格だが、多すぎる、ナイーブすぎる、または孤立しすぎる
お互いから、あからさまにまたは暗黙にコンサートされた行動に従事する。
また、個々の限界費用と限界費用
売り手と買い手の価値曲線は明確に定義されており、
中程度の正と負の勾配。普通
そのような場合の結果は、最適な量よりも少なくなることがプロ
誘導販売され、これは「相殺
買い手と売り手のバランスのタイプは維持します
厳格な競争下での結果と同じレベルの価格
条件。
今、排他的な公衆が設立されていると仮定しましょう
この商品のすべての販売を行う必要があるマーケティング代理店
そしてそこから商品のすべての供給を購入する必要があります。あ
この問題の簡単な解決策は、もし公衆が
ケティング機関は、どのような均衡が
競争力のある価格は、この価格を確立し、
購入者も販売者もいない方法での購入と販売
それに何らかの影響を与えると期待できます。この価格は
バイヤーとセラーへの固定データ、そして競争行動は
予想された。これは、確かに、ほとんどの種類のソリューションです
「対抗」の概念と最初に会うときにすぐに思い浮かぶ
投機。"
実行可能なソリューションとしてのこれの問題は、
、、
マーケティング代理店が決定する際に必要となる情報
競争力のある平衡価格はレポートから取得する必要があります
そして、買い手と売り手の行動。
将来の需要と供給を控えめにするか、または実際の削減
マーケティング代理店を誘導することを望んで販売および購入
彼らの好意で価格を変更します。静的な状況では、マーケティング
代理店は同意するかもしれません;おそらくそのような誤解に惑わされないように管理することができます-
購入と購入制限の恐喝を理解する
または販売。しかし、平衡価格が
絶えず変化しているので、
43 Comments:
ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983 年没)とカルドア(1986年没)は, それぞ
れが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナ
ダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下における
インセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,
評価対象となった]。 ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作
で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受
賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィック
レーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケイ
ンジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニ
ー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として
高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて
参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱え
るもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,
完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた
(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政
赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
MMTは学問的にも一般的にもポストケインジアンの系譜に位置付ける必要がある
以下の著者ラヴォアはポストケインジアンであってMMTerではないがその洞察は参考になる
《ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞ
れが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナ
ダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下における
インセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,
評価対象となった]。 ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作
で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受
賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィック
レーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケイ
ンジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニ
ー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として
高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて
参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱え
るもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,
完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた
(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政
赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。》
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
ポストケインズという時最重要はカレツキだが上記書はカレツキ入門にもなっている
ヴィックレーに関して言えば情報の非対称性をゲーム理論、オークション理論で開花させた
最重要人物であり主流派も一目置かざるを得ないだろう
岡本氏はヴィックレーの倫理的な動機を強調するが情報の非対称性の問題から失業の問題へは直結する
ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞれが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,評価対象となった]。 ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作
で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィック
レーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケインジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニ
ー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて
参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱えるもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,
完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政
赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
https://brevis.exblog.jp/20554631/
《オークション理論の創始者であるヴィックリーは、この2位価格入札に、新しい生命を吹き込んだ。これこそ理論的に最も美
しく合理的な競争方式だ、というのである。絵画などの競売では、品物の「価値」は参加者各人が、自由に、自分の価値観のみ
に照らして決めることができる。ところで、2位価格入札においては、入札者は自分の感じる価値を、そのまま提示価格とするの
が最適戦略になることを、彼は数学的に示した。
それだけではない。ヴィックリーは、この2位価格封印入札と、イングリッシュ・オークションが実は戦略的に等価であり、また
逆に通常の1位価格封印入札とダッチ・オークションが等価であることを明らかにした。》
ウィリアム・ヴイックリー(1914~1996)
完全雇用の財政学― ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討 ―
岡本英男
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/10895/1/keizai293-12.pdf
以上見てきたヴィックリーの完全雇用の経済学を要約すれば,次のようになる。
インフレと政府の財政赤字を有害なものと考えることはやめなければならない。むしろ,財政赤字は政府が可処分所得に
貢献した指標と見なしうる。国債は退職時に備えるためにますます大きくなる個人の貯蓄が安心して投資できる対象である。
生産性の上昇にとって妨害となるのは,インフレの水準ではなく,インフレの不確実性である。たとえ,インフレが高まる
ようなことがあっても,自由市場システムの本質的条件を維持しながら,インフレをコントロールする方法は存在する。
かくして,より大規模な国債の供給,そしてインフレ率のある程度の増加は必要であり,人間の福祉という観点から見てはるか
に大きな災厄である失業を緩和する適切な手段である。
…
われわれは,ランドール・レイとマシュー・フォーステイアーにならい,これを現実の財政制度のなかで達成するカギと
なるのは,公的雇用の保障と貯蓄をリサイクルする政府予算とを結びつけることである,と考える。フォーステイアーは
そのことを「貯蓄のリサイクリングによる公的雇用(saving-recycling public employment)」と呼んでいる。しかし,
それは他のところではミッチェルによって「緩衝ストック雇用(buffer-stock employment)」と呼ばれ,モスラー,
レイ,その他の人によって「最後の雇用者としての政府(ELR)」と名付けられてきた51)。
ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞれが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,評価対象となった]。 ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作
で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィック
レーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケインジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニ
ー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて
参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱えるもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,
完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政
赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
https://brevis.exblog.jp/20554631/
《オークション理論の創始者であるヴィックリーは、この2位価格入札に、新しい生命を吹き込んだ。これこそ理論的に最も美
しく合理的な競争方式だ、というのである。絵画などの競売では、品物の「価値」は参加者各人が、自由に、自分の価値観のみ
に照らして決めることができる。ところで、2位価格入札においては、入札者は自分の感じる価値を、そのまま提示価格とするの
が最適戦略になることを、彼は数学的に示した。
それだけではない。ヴィックリーは、この2位価格封印入札と、イングリッシュ・オークションが実は戦略的に等価であり、また
逆に通常の1位価格封印入札とダッチ・オークションが等価であることを明らかにした。》
ウィリアム・ヴイックリー(1914~1996)
完全雇用の財政学― ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討 ―
岡本英男
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/10895/1/keizai293-12.pdf
以上見てきたヴィックリーの完全雇用の経済学を要約すれば,次のようになる。
インフレと政府の財政赤字を有害なものと考えることはやめなければならない。むしろ,財政赤字は政府が可処分所得に
貢献した指標と見なしうる。国債は退職時に備えるためにますます大きくなる個人の貯蓄が安心して投資できる対象である。
生産性の上昇にとって妨害となるのは,インフレの水準ではなく,インフレの不確実性である。たとえ,インフレが高まる
ようなことがあっても,自由市場システムの本質的条件を維持しながら,インフレをコントロールする方法は存在する。
かくして,より大規模な国債の供給,そしてインフレ率のある程度の増加は必要であり,人間の福祉という観点から見てはるか
に大きな災厄である失業を緩和する適切な手段である。
…
われわれは,ランドール・レイとマシュー・フォーステイアーにならい,これを現実の財政制度のなかで達成するカギと
なるのは,公的雇用の保障と貯蓄をリサイクルする政府予算とを結びつけることである,と考える。フォーステイアーは
そのことを「貯蓄のリサイクリングによる公的雇用(saving-recycling public employment)」と呼んでいる。しかし,
それは他のところではミッチェルによって「緩衝ストック雇用(buffer-stock employment)」と呼ばれ,モスラー,
レイ,その他の人によって「最後の雇用者としての政府(ELR)」と名付けられてきた51)。
437 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん (ササクッテロル Sp01-73l2)[sage] 2020/04/06(月) 04:21:38.40 ID:ho7AirAGp
完全雇用の財政学― ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討 ―
岡本英男
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/10895/1/keizai293-12.pdf
《以上見てきたヴィックリーの完全雇用の経済学を要約すれば,次のようになる。
インフレと政府の財政赤字を有害なものと考えることはやめなければならない。むしろ,財政赤字は政府が可処分所得に
貢献した指標と見なしうる。国債は退職時に備えるためにますます大きくなる個人の貯蓄が安心して投資できる対象である。
生産性の上昇にとって妨害となるのは,インフレの水準ではなく,インフレの不確実性である。たとえ,インフレが高まる
ようなことがあっても,自由市場システムの本質的条件を維持しながら,インフレをコントロールする方法は存在する。
かくして,より大規模な国債の供給,そしてインフレ率のある程度の増加は必要であり,人間の福祉という観点から見てはるか
に大きな災厄である失業を緩和する適切な手段である。
…
われわれは,ランドール・レイとマシュー・フォーステイアーにならい,これを現実の財政制度のなかで達成するカギと
なるのは,公的雇用の保障と貯蓄をリサイクルする政府予算とを結びつけることである,と考える。フォーステイアーは
そのことを「貯蓄のリサイクリングによる公的雇用(saving-recycling public employment)」と呼んでいる。しかし,
それは他のところではミッチェルによって「緩衝ストック雇用(buffer-stock employment)」と呼ばれ,モスラー,
レイ,その他の人によって「最後の雇用者としての政府(ELR)」と名付けられてきた。 》
Vickrey is famous for his auction theory.
私が意義を見いだす理由 MMTは新次元の政策 均衡財政主義の再考を=岡本英男 2019/6/17
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190625/se1/00m/020/047000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/06/12/20190612se100m020043000q/8.jpg?1
私が意義を見いだす理由 MMTは新次元の政策 均衡財政主義の再考を=岡本英男 2019/6/17
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190625/se1/00m/020/047000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/06/12/20190612se100m020043000q/8.jpg
図2でも分かるように、主要国では程度の差はあれ、赤字財政が常態であることが分かる。
日本でも赤字財政が通常の姿である現実を認めた上で、経済の安定化、具体的には完全雇用実現のために
は赤字財政の財源をどこから持ってくるのが望ましいかを真剣に検討をする時期に来ているのではないか。
それには、小さな政府、金本位制、均衡財政こそが善というパラダイムとの決別が必要だろう。
主流の財政学ではまず歳入を確保して、歳出に充てるという財政均衡を目指す。租税は歳入確保手段
なのである。これに対して、MMTにおいては歳出が先立つ。租税は市中のフィアットマネー量の調節手段である。
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/06/12/20190612se100m020044000q/9.jpg
主流の財政学ではまず歳入を確保して、歳出に充てるという財政均衡を目指す。租税は歳入確保手段
なのである。これに対して、MMTにおいては歳出が先立つ。租税は市中のフィアットマネー量の調節手段である。
私が意義を見いだす理由 MMTは新次元の政策 均衡財政主義の再考を=岡本英男 2019/6/17
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20190625/se1/00m/020/047000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/06/12/20190612se100m020044000q/9.jpg
主流の財政学ではまず歳入を確保して、歳出に充てるという財政均衡を目指す。租税は歳入確保手段
なのである。これに対して、MMTにおいては歳出が先立つ。租税は市中のフィアットマネー[命令貨幣]量の調節手段である。
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/06/12/20190612se100m020043000q/8.jpg
図2でも分かるように、主要国では程度の差はあれ、赤字財政が常態であることが分かる。
日本でも赤字財政が通常の姿である現実を認めた上で、経済の安定化、具体的には完全雇用実現のために
は赤字財政の財源をどこから持ってくるのが望ましいかを真剣に検討をする時期に来ているのではないか。
それには、小さな政府、金本位制、均衡財政こそが善というパラダイムとの決別が必要だろう。
28
The Journal of Finance
VI. SUMMARY
The problem of securing Pareto-optimal results in imperfect mar-
kets is thus a moderately difficult one. In the special class of cases
where it is known that each purchaser will want a specified quantity or
none at all (in particular, where the entire lot or contract must be
taken up by a single bidder or where each bidder wants either one
unit or none at all) and the total amount to be sold is fixed in advance,
it is possible, by establishing in advance that the price is to be de-
termined by the first rejected bid, to achieve the Pareto-optimal
result. Moreover, in spite of this method's appearing to accord a
lower price than necessary after the bids are in, the higher level of
bids induced by this method results, on balance, in a price averaging-
out at the same level as would be obtained under Dutch auction, in-
dividual bid pricing, or last-accepted-bid pricing methods, at least
for cases where the bidders are symmetrical with respect to the a
priori information which each one has about the probability distri-
bution of the values or bids of the others. In such cases there is a
rather strong presumption that a switch from other methods of ne-
gotiation to a first-rejected-bid pricing method would be to the long-
run advantage of all concerned, the gain being derived from the
greater certainty of obtaining a Pareto-optimal result and from the
reduction in non-productive expenditure devoted to the sizing-up of
the market by the bidders. To be sure, these conclusions are based
on a model in which a high degree of rationality and sophistication
is imputed to the bidders; nevertheless, in many markets the fre-
quency of the dealings and the professional characteristics of the
dealers are such as to make such an assumption not too far from
reality; moreover, the change to the first-rejected-price method
would substantially diminish the amount of sophistication required
to achieve the optimum result.
Where there is a significant asymmetry in the a priori positions
of the bidders, this conclusion must be somewhat modified: the one
complete analysis of an asymmetrical case shows that in some cases
the change to the first-rejected-bid method may be to the advantage
of the seller but that in other cases it may be substantially to his
disadvantage. To extrapolate rather rashly from a single example,
one may hazard the generalization that, in the change to the first-
rejected-bid or progressive method, bidders who have relatively
greater knowledge of the probable behavior of other bidders, either
through greater astuteness, more intensive research, or simply through
their own position being inherently less patent than that of other
bidders-as is exemplified in the example given by bidder 1 having
6.
28
ファイナンスジャーナル
VI。概要
パレート最適を確保するという問題は、不完全な
したがって、ケットは中程度に難しいものです。特別なケースの場合
各購入者が特定の数量または
まったくない(特に、ロット全体または契約が
単一の入札者が担当する場合、または各入札者がいずれかを希望する場合
単位またはまったくなし)、販売される合計金額は事前に固定されています、
価格を引き下げることを事前に確立することにより、
パレート最適を達成するために、最初の拒否された入札で終了
結果。さらに、この方法が一致しているように見えるにもかかわらず、
入札後、必要以上に低い価格、より高いレベル
この方法によって引き起こされた入札は、結果として、価格の平均化をもたらします。
オランダのオークションで得られるのと同じレベルで、
少なくとも個別の入札価格設定、または最後に承認された入札価格設定方法
入札者がaに関して対称である場合
確率分布についてそれぞれが持っている事前情報
他人の価値観や入札の主張。そのような場合には
他の方法からの切り替えは、
最初の拒否された入札の価格決定方法への習得は、
すべての関係者の利点を実行し、利益は
パレート最適な結果を得る確実性と
のサイジングに専念する非生産的支出の削減
入札者による市場。確かに、これらの結論は基づいています
高度な合理性と洗練性を備えたモデル
入札者に帰属します。それにもかかわらず、多くの市場で
取引の頻度と
ディーラーはそう遠くない距離にそのような仮定をするようなものです
現実;さらに、最初の拒否価格法への変更
必要な高度化の量が大幅に減少する
最適な結果を達成するため。
アプリオリの位置に大きな非対称性がある場合
入札者のうち、この結論は多少変更する必要があります。
非対称のケースの完全な分析は、いくつかのケースでそれを示しています
最初の拒否された入札方法への変更は有利になるかもしれません
売主のそれ以外の場合、それは彼に実質的にあるかもしれません
不利益。 1つの例からかなり突発的に推定するには、
最初に変更すると、
拒否された入札または進歩的な方法、比較的持っている入札者
他の入札者の予想される行動に関するより深い知識
より鋭敏さ、より集中的な研究を通じて、または単に
彼ら自身の立場は他のものより本質的に特許が少ない
bidders-asは、入札者1が
6。
Counterspeculation, Auctions, and Competitive Sealed Tenders 29
a value drawn from a distribution over the interval (0.1), and know-
ing the fixed value the article has for bidder 2, whereas bidder 2 is in
relative ignorance concerning the value drawn by bidder 1-will tend
to lose the advantage which their superior information gives them
in the less determinate situation, whereas the less informed bidders
tend to gain, sometimes rather substantially, as their lack of infor-
mation becomes irrelevant to their behavior in the situation where
all they are called upon to do is to make a bid equal to their full value.
In situations where the relatively uninformed bidders are the ones
more likely to be the successful bidders, the seller can expect to lose,
whereas if the informed bidders are the ones more likely to become
purchasers, the seller stands to gain from the change. The total gain
from the change will always be positive, however.
When it comes to markets where the amounts which each trader
might buy or sell are not predetermined but are to be determined
by the negotiating procedure along with the amount to be paid, the
prospects for achieving an optimum allocation of resources become
much dimmer. A theoretical method exists, to be sure, which involves
essentially paying each seller for his supply an amount equal to what
he could extract as a perfectly discriminating monopolist faced with
a demand curve constructed by subtracting the total supply of his
competing suppliers from the total demand, and symmetrically for
purchasers. But whether this method is thought of in terms of an
exclusive state marketing agency operating as an intermediary be-
tween suppliers and sellers or in terms of sales or purchases by a
government agency on its own account, the method is far too ex-
pensive in terms of the inflow of public funds that would be required,
in a context where perfectly efficient sources of additional public
revenues do not exist. Indeed, if speculation in the usual sense is
trading motivated by the prospect of profit, it would hardly be ex-
pected that "counterspeculation," motivated by substantially con-
trary objectives, could be anything but a losing proposition. It may
be that further analysis might reveal methods of dealing with im-
perfect markets that would produce a substantial improvement in
the allocation of resources without incurring prohibitive costs, but
the analysis of the relatively simple cases discussed here has already
shown itself fairly intricate, so that the matter must be left here for
the time being.
АРPENDIX I
ANALYSIS OF THE HOMOGENEOUS RECTANGULAR SINGLE-PRIZE BIDDING GAME
Given N players, designated by i = 1, 2, 3, ... , N, each drawing a value v, from
a rectangular distribution ranging from 0 to 1, and bidding for a single prize, the
反投機、オークション、および競争の封印された入札29
間隔(0.1)にわたる分布から得られた値、および
アーティクルがビッダー2に対して持っている固定値を使用しますが、ビッダー2は
入札者が引き出す価値に関する相対的な無知1-傾向がある
彼らの優れた情報が彼らに与える利点を失うために
確定度の低い状況では、情報の少ない入札者は
情報が不足しているため、時にはかなり大幅に増加する傾向があります。
メイションは、次のような状況での彼らの行動とは無関係になります
彼らがするように要求されるすべては、彼らの完全な価値と等しい入札をすることです。
比較的知識のない入札者が
落札者である可能性が高いほど、売り手は失うことを期待でき、
一方、情報に基づいた入札者がより可能性が高い入札者である場合
買い手は、売り手が変化から利益を得ようとしています。総利益
ただし、変化は常にプラスになります。
それは各トレーダーが
売買は事前に決定されていませんが、決定される可能性があります
交渉手続きと支払われる金額により、
リソースの最適な割り当てを達成するための見通しは
かなり暗い。確かに、理論的な方法が存在し、これには
基本的に各売り手に彼の供給に対して何に等しい量を支払う
彼は直面している完全に差別的な独占者として抽出することができました
彼の総供給を差し引いて構築された需要曲線
総需要から、そして対称的に
購入者。しかし、この方法が
仲介者として活動する独占的な国営販売代理店
サプライヤーとセラーの間、または販売または購入の観点から
政府機関自身のアカウントで、メソッドはあまりにも非常に
必要となる公的資金の流入という点で物思いにふける
追加のパブリックの完全に効率的なソースがある状況で
収益は存在しません。実際、通常の意味での推測が
利益の見通しに動機付けられた取引は、ほとんど
「反投機」は、実質的に
短期間の目標は、負けた命題以外の何でもあり得ます。かもしれない
さらに分析すると、問題に対処する方法が明らかになる可能性があります
大幅な改善をもたらす完璧な市場
法外なコストをかけずにリソースを割り当てる
ここで説明する比較的単純なケースの分析はすでに
かなり複雑になっているので、問題はここに残しておく必要があります
とりあえず。
АР付録I
均質な長方形の単一賞金入札ゲームの分析
i = 1、2、3、...、Nで指定されたN人のプレーヤーがいる場合、それぞれから値vを描画します
0から1の範囲の長方形の分布、および単一の賞の入札
Coieving an optimum allocation of resources become
A theoretical method exists, to be sure, which involves
ess ly paying each seller for his supply an amount equal to what
he could extract as a perfectly discriminating monopolist faced with
a demand curve constructed by subtracting the total supply of his
competing suppliers from the total demand, and symmetrically for
purchasers. But whether this method is thought of in terms of an
exclusive state marketing agency operating as an intermediary be-
tween suppliers and sellers or in terms of sales or purchases by a
government agency on its own account, the method is far too ex-
pensive in terms of the inflow of public funds that would be required,
in a context where perfectly efficient sources of additional public
revenues do not exist. Indeed, if speculation in the usual sense is
trading motivated by the prospect of profit, it would hardly be ex-
pected that "counterspeculation," motivated by substantially con-
trary objectives, could be anything but a losing proposition. It may
be that further analysis might reveal methods of dealing with im-
perfect markets that would produce a substantial improvement in
the allocation of resources without incurring prohibitive costs, but
the analysis of the relatively simple cases discussed here has already
shown itself fairly intricate, so that the matter must be left here for
the time being.
リソースの最適な割り当てを取得することは
確かに、理論的な方法が存在し、これには
本質的に彼の供給のために各売り手に何に等しい量を支払う
彼は直面している完全に差別的な独占者として抽出することができました
彼の総供給を差し引いて構築された需要曲線
総需要から、そして対称的に
購入者。しかし、この方法が
仲介者として活動する独占的な国営販売代理店
サプライヤーとセラーの間、または販売または購入の観点から
政府機関自身のアカウントで、メソッドはあまりにも非常に
必要となる公的資金の流入という点で物思いにふける
追加のパブリックの完全に効率的なソースがある状況で
収益は存在しません。実際、通常の意味での推測が
利益の見通しに動機付けられた取引は、ほとんど
「反投機」は、実質的に
短期間の目標は、負けた命題以外の何でもあり得ます。かもしれない
さらに分析すると、問題に対処する方法が明らかになる可能性があります
大幅な改善をもたらす完璧な市場
法外なコストをかけずにリソースを割り当てる
ここで説明する比較的単純なケースの分析はすでに
かなり複雑になっているので、問題はここに残しておく必要があります
とりあえず。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b217712.html
限界費用価格形成原理の研究Ⅱ [日本交通政策研究会研究双書]
限界費用価格形成原理の研究Ⅱ
公共経済学における価格規制の理論の最重要課題である「限界費用価格形成原理」の古典的・代表的論文を集成した経済学者必読の書。
著者、編者、訳者など ウィリアム・S・ヴィックリー 著
大石 泰彦 編監訳
臼井 功 編監訳
關 哲雄 編監訳
庭田 文近 編監訳
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-50256-1
出版年月 2016年3月
判型・ページ数 A5判・320ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
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内容説明
本書は、ヴィックリー・オークションで有名な、また、古今を通じて限界費用価格形成原理についての最高研究者(一人)で、1996年のノーベル経済学書受賞者でもある、ウィリアム・ヴィックリーの限界費用価格形成に関するペーパーの中から10本を厳選して訳出する。
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目次
はしがき
第1章 限界費用価格形成に対する若干の異論
第2章 ニューヨーク地下鉄の料金構造の変更に関する一提案
第3章 輸送と公益事業における価格形成――公益事業に対する限界費用価格形成の若干の含意
第4章 都市交通・郊外交通における価格形成
第5章 混雑理論と交通投資
第6章 公益サーヴィス事業における反応的価格形成
第7章 最大産出量か,最大厚生か――オフ・ピーク価格形成問題に関する追論
第8章 航空会社の過剰予約――いくつかのさらなる解決法
第9章 ピークロード・プライシングに長期費用を用いることの誤謬
第10章 限界費用価格形成と平均費用価格形成
第11章 解題:ヴィックリーの限界費用価格形成原理研究について[臼井功]
あとがき
初出一覧
索引
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統制の経済学#3が論点らしい
https://www.google.com/search?tbm=bks&q=lerner+vickley
Markets
https://books.google.co.jp › books
In other words, Lerner's analysis had suggested to Vickrey that active efforts might be required to gather diffuse information together in one place. In both papers, Vickrey had expressed a novel concern: economists who had hoped to assist the ...
Armin Beverungen, Philip Mirowski, Edward Nik-Khah - 2019 - プレビュー - 他の版
https://books.google.com/books/about/Arrow_and_the_Foundations_of_the_Theory.html?hl=ja&id=ofWvCwAAQBAJ
Arrow and the Foundations of the Theory of Economic Policy
https://books.google.co.jp › books
... ++(0)–p, =(1-2p)/330 when p> 1/2, (i-1,2,3) 4 LERNER'S WAY It is taking a liberty to write Lerner-Vickrey-Samuelson. Abba Lerner's famous Chapter 3 in Economics of Control does not make out the case for equality of allocations in quite the ...
George R. Feiwel - 2016 - プレ
件名: Essays in Contemporary Fields of Economics: In Honor of Emanuel T. Weiler ... - Google ブックス
https://books.google.com/books/about/Essays_in_Contemporary_Fields_of_Economi.html?hl=ja&id=FBVsmX1iXw0C
Essays in Contemporary Fields of Economics: In Honor of Emanuel T ...
https://books.google.co.jp › books
However, it remained for Vickrey (1961) to propose a scheme for operationalizing Lerner's concept of "counterspeculation"; this scheme has since been recognized as an example of an incentive compatible mechanism conceptually akin to the ...
James Patrick Quirk, George Horwich, James P. Quirk - 1981 - プレビュー - 他の版
サミュエルソン1964も参照
Gibbard-Satterthwaite定理
ギバード=サタースウェイトの定理
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ギバード=サタースウェイトの定理とは、3つ以上の候補から投票により社会の選好を決める場合において、特定候補を排除せず、耐戦略性を満たすような社会選択ルールは独裁制だけであるという定理である[1][2]。アラン・ギバードとマーク・サタースウェイト(英語版)がこの定理を与えた。ここで、
特定候補の排除とは、いかなる投票結果であっても当選しない候補者がいる場合を指す。
耐戦略性とは、参加者が誰も戦略的操作(投票に参加する個人が自らの選好を偽って表明することで自らにとってより望ましい結果を実現すること)を起こす動機を持たないこと
独裁制とは、ある特定の個人(独裁者)が存在して、他の参加者がどのような選好を持っていようが独裁者にとって一位の選択肢が社会の決定となるようなルールである。
この定理によれば、3人以上が選ばれ得る投票では、独裁制でない限り参加者が自分の票が死票とならないように次善の(ある意味で虚偽の)案に投票することを避けられない。
参考文献 編集
^ 坂井豊貴 『社会的選択理論への招待』 日本評論社、2013年、79頁。ISBN 978-4-535-55754-3。
^ 田中靖人『社会的選択理論の基礎 – アローの定理,多数決,ギバード・サタースウェイトの定理を中心として–』
関連項目 編集
戦略投票#ギバード・サタースウェイトの定理
メカニズムデザイン
シャウプ勧告
戦後の日本の税制の骨子となりました。
簡単にいうと
・間接税の整理(戦費調達の名目のもと複雑不公平になっていた)
・家単位から個人単位への課税への移行
・地方自治体の税収の拡充
・贈与税、相続税の引き上げ(富の集中を防ぎ財閥の形成を阻害するため)
・青色申告制度の導入(それまでは帳簿不備による税の取りはぐれが多かった)
・いわゆる長者番付の導入(脱税に対する牽制)
などです。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
1949年コロンビア大学教授 C.シャウプを団長とする使節団が,日本の租税制度に関して行なった勧告。同使節団は同年5月 10日来日,調査ののち,同8月 26日シャウプが内外記者団と会見,その概要を発表。同9月 15日 GHQが全文を発表した。それは税制の根本的改革を指摘し,青色申告制度の創設などの所得税を中心とした税務行政の整備,富裕税,資産再評価法の新設,独立税を中心とする地方税体系の確立,地方財政平衡交付金制度の採用などを内容とし,一貫した租税体系として提案された。 50年以後実施された税制の改革はその一部分を導入したにすぎなかったが,法人優遇,資本蓄積の促進という勧告の基本的性格は引継がれ,ドッジ・ラインで与えられた戦後日本経済の租税体系の基礎となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
デジタル大辞泉の解説
米国の経済学者シャウプ(C.S.Shaoup)を団長とする税制使節団が、昭和24年(1949)と同25年に日本の税制改革に関して出した勧告。直接税中心主義の徹底、地方税を独立税とするなどを主な内容とした。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
百科事典マイペディアの解説
米国の経済学者シャウプを団長とする使節団が1949年8月(第1次),1950年9月(第2次)に連合国最高司令官マッカーサーに提出した日本の税制に関する報告書。ドッジ・ラインによる日本経済の安定化に対応して恒久的な租税制度の確立を目的とした。おもな内容は国税の所得税中心主義の徹底化,富裕税・再評価税の新設,相続税を実質的財産税とすること,地方税を独立税として地方財政平衡交付金制度を採用すること,税務行政では青色申告・予定申告・協議団制度の採用など。1950年の税制改革でこの勧告はほぼ実施され,戦後の税制の出発点となった。
→関連項目青色申告|固定資産税|事業税|住民税|付加価値税|富裕税|法人税
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
世界大百科事典 第2版の解説
コロンビア大学の財政学者C.S.シャウプを団長とする税制調査団が,1949年8月および50年9月に連合軍最高司令官マッカーサーに提出した第1次・第2次の報告書で,日本の税制の根本的な改正と建直しを勧告したもの。この時点でシャウプらが来日したのは,戦後の混乱や経済活動の収縮で徴税体制が弱体化し,税収が低下していたうえに,1949年からいわゆるドッジ・ラインが採用されて,その主要課題の一つが徴税強化だったにもかかわらず,ドッジ自身はこの件をほとんどすべてシャウプらに任せることにしていたことによる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
大辞林 第三版の解説
アメリカの経済学者シャウプ(C.S. Shoup)を団長とする日本税制使節団が1949年と50年に連合軍総司令部に提出した税制改革に関する勧告。直接税(特に所得税)中心の税制、申告納税制の採用、地方財政の強化など、日本の税制の原点をなす。
出典 三省堂大辞林 第三版について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
アメリカの財政学者カール・シャウプCarl Summer Shoup(1902―2000)を団長とする使節団によって、1949年(昭和24)8月(第一次)と50年9月(第二次)に、連合国最高司令官マッカーサーに提出された日本の税制改革に関する報告書をいう。当時、戦後インフレーションを収束するため経済安定九原則とドッジ・ラインが敷かれていたが、同勧告は、これを税制面から補完して経済安定を達成することを目的とすると同時に、将来にわたって細かい点を除いて修正の必要のない、正常的・恒久的税制の確立を意図していた。
同勧告の内容は、国税、地方税、税務行政の全般にわたっていた。まず国税については、直接税中心主義をとり、所得税は徹底した総合課税とし、その最高税率を引き下げるかわりに富裕税を設けること、法人税は、配当分について所得税の前払いとして課税すると同時に、個人が配当所得を取得したとき配当控除を認めること、そしてインフレによる減価償却不足を解消するため資産再評価を行い、評価益に再評価税を課すること、などを内容としていた。地方税については、地方に独立の税目(税金の種類)を配分して、付加税方式(国税収入の一定パーセントを地方税とするやり方)をやめること、地方税収入が地方財政需要額に不足する分については、財政平衡交付金制度をつくって国が全額補填(ほてん)することを求めていた。そして税務行政については、税負担の不公平さを一掃するために、青色申告制度、予定申告制度などの採用を勧告していた。
同勧告は、若干の点を除いて、ほとんど1950年度税制に採用され、その後、多くの改定が行われて勧告の基本路線が希薄になったとはいえ、現在に至るわが国税制の基礎となっている。[一杉哲也]
『林栄夫著『戦後日本の租税構造』(1958・有斐閣) ▽二見明著『戦後租税史年表』(1983・財経詳報社) ▽吉岡健次著『シャウプ勧告の研究』(1984・時潮社)』
[参照項目] | ドッジ・ライン
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典の解説
(シャウプは Shoup アメリカの経済学者の名から) 第二次世界大戦後、一九四九年(第一次)と五〇年(第二次)、アメリカのシャウプ税制使節団が連合国最高司令官マッカーサーに提出した日本の税制改革に関する勧告。直接税中心主義の徹底、地方税を独立税とするなどを主な内容とした。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
旺文社日本史事典 三訂版の解説
第二次世界大戦後,アメリカ税制使節団長シャウプ(Shoup)が行った日本の税制改革に関する勧告
1次勧告は1949年8月,2次勧告は'50年9月。内容は,(1)直接税中心主義,(2)資本蓄積のための減税措置,(3)地方自治強化(平衡交付金制の創設),(4)徴税機構の合理化などであり,これらは経済安定九原則('48)とドッジ‐ライン('49)に基づくもので,政府は'50年税制を大幅に改革し,これらをほぼ実現した。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
世界大百科事典内のシャウプ勧告の言及
【シャウプ】より
…またアメリカ財務省顧問,国連顧問,EEC財政金融委員会委員や,シャウプ税制使節団,ベネズエラ,リベリア各税制調査団の各団長を務め,アメリカはもとより各国の税制改革に実務面でも理論面に並ぶ貢献をした。とくに49‐50年にシャウプ使節団団長として来日してまとめた日本税制改革案(いわゆるシャウプ勧告)は50年に国税・地方税を含む根本的改正として実現し,現在に至るまで日本の税制の基盤となっている。広範な知識と実務経験に基づいて税制における理論と実践の融合に成功した点に,彼の業績の特徴がみられる。…
【所得税】より
…また譲渡・一時所得が新たに課税対象に加えられた。しかし最も根本的な改革は50年のシャウプ勧告に基づくもので,譲渡所得を全額課税し,利子所得の分離課税を廃止するなど,徹底した総合課税主義が採用された。その後の所得税は,いわばシャウプ税制の中核である総合課税主義の崩壊過程の歴史と評されている。…
【租税】より
…その後の根本的改正としては,26年,40年の改正を逸することはできない。 第2次大戦後の日本の税制は,1950年のシャウプ勧告にもとづく税制改革を出発点とする。シャウプ税制は,所得税と体系的に関連づけられた法人税,富裕税および相続税といった直接税を中心とし,補完税として酒税,専売益金といった間接税を配する理論的に首尾一貫した体系であった。…
【対日占領政策】より
…一方経済政策では,48年12月にGHQの示した経済安定九原則をドッジ公使の勧告をいれて強硬にすすめ,徹底的な引締め合理化政策をとった(ドッジ・ライン)。また税制ではシャウプ使節団の勧告にしたがって,所得税を中心とする直接税中心の増税,資本蓄積のための減税を行った(シャウプ勧告)。こうして厳しいデフレーション政策でインフレを止め,中小企業を整理して合理化を推し進め,大企業中心の経済発展の地ならしを行った。…
【地方財政】より
…47年12月末日には地方行財政を所管してきた内務省が解体され,つづいて48年1月,地方財政関係事項処理機関として内閣総理大臣のもとに地方財政委員会(第1次)が置かれ,同委員会は抜本的な地方税財政改革要領を作成した。
[地方税法の改正とシャウプ勧告]
そのなかで災害復旧基金や地方団体中央金庫創設などは見送られたが,1948年地方税法は全文改正され,府県に事業税(営業税を改組),特別所得税等,市町村に使用人税,余裕住宅税が創設されるなどのほか,自主課税権の強化がはかられた。49年までの改正により45年に税収の約7割を占めた国税付加税は姿を消し,市町村税が約7割を道府県税付加税に依存するものの,道府県税はすべて独立税という構成になった。…
※「シャウプ勧告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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C.S. シャウプ
有価証券取引税
付加税・附加税
外形標準課税
租税特別措置
平田 敬一郎
池田 勇人
REPORT ON JAPANESE TAXATION BY THE SHOUP MISSION ...
www.rsl.waikei.jp/shoup/shoup00.html
-キャッシュ
Surrey, School of Jurisprudence, University of California, Berkeley, California; Professor William Vickrey, Graduate Faculty ...
Carl Sumner Shoup (1902–2000) | Columbia | Economics
econ.columbia.edu/.../in.../carl-sumner-shoup-1902-20...
-キャッシュ
When Shoup arrived in Japan in 1949, along with two other Columbia professors, William Warren and William Vickrey, his objective was to give Japan “the best tax system in the world.” Shoup was fully ...
The Nakasone-Takeshita Tax Reform: A Critical Evaluation - Jstor(Adobe PDF)
www.jstor.org/stable/2117406
By TATSUO HATTA*. In 1949 the Shoup Mission, whose mem- bers included Carl Shoup, William Vickrey, and Howard R. ... postwar history of the Japanese tax system see Hiroshi. Miyajima (1986) and ...
カール・シャウプコレクションの内容と史料的意義 - 横浜国立大学学術 ...(Adobe PDF)
ynu.repo.nii.ac.jp/?action...action...
カール・シャウプ(Carl Sumner Shoup)は, 書・文書類のすべてを日本の機関に一括譲渡す. 1902年米国 ... 済部編『シャウプ勧告と日本経済』(乾元社, 1949. 究特別経費研究 ... W.S. ヴィックリー(William S. Vickrey).
William Vickrey: Contributions to Public Policy | SpringerLink
link.springer.com/article/10.1023/A:1008672627120
269–282.Google Scholar. Shoup, C., and W. Vickrey. (1949). Report on Japanese Taxation. The Shoup Tax Mission.
william s. vickrey - National Academy of Sciences(Adobe PDF)
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2091&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1
シャウプ使節団日本税制報告書(序文、目次)
http://www.rsl.waikei.jp/shoup/shoupj00.html
シャウプ使節団日本税制報告書
この E-text (html) は 底本:「シャウプ使節団日本税制報告書」をもとにしています。
底本:シヤウプ使節団日本税制報告書 巻1-4 、連合国最高司令官本部
1949年 刊 総合司令部民間情報教育局 訳
シャウプ使節団日本税制報告書
序文 (FOREWORD)
税制使節団は、連合国最高司令官の要請によって編成されたものであるが、日本の租税制度に関する本報告書を右連合国最高司令官に提出するものである。
本使節団は、日本における恒久的な租税制度を立案することをその主要な目的としている。従って、本年度および明年度における財政的な問題を超えて考慮されるべき諸問題に重点がおかれている。 しかしながら、われわれの勧告が1949-50会計年度および1950-51会計年度の予算にどのような影響をおよぼすかについては、細部にわたってこれを具体的に論ずる必要があった。長期の計画は1949年の春、ドッジ使節団の勧告の助成によって最近達せられた経済安定を阻害することなく、実施され得るようなものでなければならない。
本報告における勧告は本使節団のものであって総司令部、第八軍または日本政府はこれに対していかなる責任をも負わない。われわれは、この勧告が、総司令部の各局各課の担当官があらゆる点において妥当と見られる解決策を探求するにあたって重ねてきた幾多の努力にもかかわらず、なお、かれらが直面している特定の困難な諸問題から生ずる諸要請に適応するよう努力した。しかしこの報告に対する責任はわれわれのみが負うべきところのものである。
税制使節団の各構成員は、本報告の主要な結論においては大体意見は一致している。しかし、日本を立ち去る時期が各自異っていたため、報告の最終的なものはシャウプ、ヴィツクリー、ウオレンだけが眼を通した、従って勧告の全文に対して他の構成員は同じ程度の責任を負うべきではない。
税制使節団の各委員の氏名および職名は左のとおりである。
ハワード・R・ボーエン=イリノイ大学、商業および経営経済学部長
ヂェローム・B・コーエン=ニューヨーク市立単科大学、経済学部教授
ローランド・F・ハットフィールド=ミネソタ州、セント・ポール収税庁、税制調査局長
カール・S・シャウプ=コロムビヤ大学、商学部教授兼政治学部大学院教授(税制使節団長)
スタンレー・S・サリー=カリホルニヤ洲、バークレー市、カリホルニヤ大学法学部教授
ウィリアム・C・ヴィツクリー=コロムビヤ大学、政治学部、大学院教授
ウィリアム・C・ウオレン=コロムビヤ大学、法学部教授
日本語の訳文は、原文の最終的修正が行われている最中に、極端な時間の制限のもとになされたものである。対照上相違が生じた場合は、英文によるべきである。
東京において
C S シャウプ
1949年8月27日
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▲[先頭へ]
[ # この章の目次 --- e-text 版のみ ]
A節 租税収入総額
B節 租税収入と国民所得
C節 国、都道府県および市町村の財政関係
D節 直接税および間接税
E節 直接税の形態
F節 間接税の形態
G節 税務行政
H節 公平
I節 経済安定
この章は、日本の現行租税制度を概説したものであって、第二章以下に述べる本使節団の勧告にかかる改正案の理解を容易ならしめようとするものである。
A 租税収入総額 (Total Tax Yield)
国、都道府県および市町村を含む日本の租税制度は、本会計年度末、すなわち1950年3月31日までの十二カ月間に約七千八百億円の収入を見込んでいる。これは男、女、子供を問わず一人当り約九千五百円の負担である。標準世帯に近い一世帯五人の家族は直接に、または間接に、平均四万七千五百円の税金を納めることになる。工業労務者男子の平均賃銀月収入は、九千円を少し上回っている。従って、このような標準労務者がその税金を納めるには、彼の給料のほぼ五カ月半分を要する。しかし、この比較は、税金を誇張した見方であって、一般には、一家族には一人以上の所得者がいる場合が多い。のみならず、このような「平均税額」を納める者はほとんどいない。すなわち税制は、全般的に見て、標準家族が平均税額より低い税額を納める程度に累進的であると考えられる。一家族の平均税額が四万七千五百円であることは、別の見方からすれば一家族の煙草に充てる平均支出と比較することからもうかがうことができる。煙草特に巻煙草に対する消費の総支出額は、年千六百億円よりも若干少い。これは、かりに日本における煙草を消費する世帯総数が約千六百万戸とすれば一世帯当り年平均ほとんど一万円となる。もちろん、その支出の大部分は、政府収入すなわち政府の専売益金として徴収される。しかしながら、これらの消費者がかれらの選出した議員をとおして国会で可決することを欲する四万七千五百円の税負担に比して煙草の消費のために、一世帯当り年ほとんど一万円を消費することを欲し、またそれをなしうるということは注目すべきところである。
本年度の政府歳出に比して、この税収総額はある意味においては大きいが、別の意味においてはそれ程大きくはない。政府の一般会計の歳出は、地方団体が消費するようにこれに対して与えるための交付金も債務償還のための支出も含まないで、本年度は五千億円を若干上回ることになる。地方歳出は、起債および国からの交付金を含めて約三千八百億円となる。したがって政府の歳出総額は、政府の特別会計及び債務償還の支出を除いて、約八千八百億円となる。これは税収総額より一千億円多い。しかし、この差額は税以外の他の普通歳入すなわち国及び地方の手数料収入、地代および雑収入ならびに貧困の地方団体がその住民から徴収した約四百億円のいわゆる自発的な寄付金によって十二分に補填されている。これらの収入を勘定に入れると、国の一般会計は約六百億円の黒字を生じ、これは債務償還に充てられるが、他方、地方予算において生ずる百八十億円の赤字は起債によって賄われる。したがって、全体としては、今春編成された予算における本年度の歳入は、歳出を約四百億円程度上回ることとなる。
しかし、説明はこれでつきるわけではない。見返り資金は、政府の特別会計の一つであって、その収入は、米国の対日援助計画に基いて輸入される物資の日本消費者および商工業者への売却から得られるものである。この資金から、債務償還に少くとも六百億円が、また鉄道、電話および資本設備を改良、拡張しようとしているその他の経済分野の整備に恐らく八百億円程度が充当されるであろう。
本年度の予算のみを考えるとき、税収総額は十分であるが、本年度の歳出と比較すれば特に大きいとはいえない。尤も過去数年間に亘る政策が変更されたことを考え合わせると、税収総額は非常に大きいものになっている。歳入が歳出に遥かに及ばなかった過去のインフレーションの時代に続いて超均衡予算時代が出現した。この突然の変化は、経済安定計画の重要な要素であったが、経済安定史にも未だ類例のない特筆すべき成果といわなければならない。これは、もちろん本年度の歳入が多すぎるということではない。将来日本においてインフレーションが昂進する虞れは今なお去ったわけではない。さらに前記の黒字を一部相殺する赤字が、特別会計のうちに発見されるかもしれない。
国債の殆んど全部は、日本の金融機関が保有している。課税による債務の償還は、貨幣が一般大衆から取りあげられて、商業銀行または日本銀行の手中に入ることを意味し日本の現状において、債務償還のもたらす結果は、まず貨幣が流通過程から取りあげられることである。もちろん、金融機関は営業または消費部門に対して更に貸出することもあるが、しかしかような結果になることについては、債務償還の機構自体にはなんらの保証もない。それ故に、租税による国債償還は、デフレ的性質をもっているし、またそのような意図があるわけであるが、これまた経済安定計画の主要な要素である。見返資金による債務償還についても、また同様である。
将来に残された問題は、どのような速度で債務償還が行わるべきかにある。余りに急速な債務償還は、デフレ的な加重によって経済を阻害する虞れがある。
その限界が数字的にいってどの辺にあるかということは本報告の論ずる限りではない。しかし、この部門の研究は、いかなる時期においても良識ある判断が下せるように恒久的基礎の上に着手され、持続されるべきものである。
右に述べたところは、インフレーション政策の努力を直ちに緩和すべきことを容認したものと解すべきではない。将来インフレーションが昂進することを抑制することがなお現在の急務である。
ウィリアム・スペンサー・ヴィックリー(William Spencer Vickrey、1914年6月21日 - 1996年10月11日)は、カナダ生まれのアメリカ合衆国の経済学者。コロンビア大学教授。1992年アメリカ経済学会会長。
ウィリアム・ヴィックリー
ポスト・ケインジアン
生誕
1914年6月21日
カナダ, ブリティッシュコロンビア州,ヴィクトリア
死没
1996年10月11日(82歳)
ニューヨーク州,ハリソン
国籍
カナダの旗 カナダ
研究機関
コロンビア大学
研究分野
公共経済学
母校
コロンビア大学
イェール大学
影響を
受けた人物
Robert Murray Haig
ハロルド・ホテリング
ジョン・メイナード・ケインズ
論敵
シカゴ学派
影響を
与えた人物
ジャック・ドレーズ
ハーベイ・レヴィン
Lynn Turgeon
実績
ヴィックリー競売
収入同値定理
密集価格付け
受賞
ノーベル経済学賞 (1996)
情報 - IDEAS/RePEc
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1996年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究
目次
業績 編集
情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究でケンブリッジ大学のジェームズ・マーリーズと共に1996年ノーベル経済学賞を受賞したが、その発表3日後に亡くなった(ノーベル賞の規定では、死者に賞を与えることは認められていないが、受賞者決定後に本人が亡くなった場合には授賞が取り消されることはない)。
ヴィックリー・オークションで有名。交通渋滞、道路通行料金、電力料金の最適化等の研究でも知られる。
経歴 編集
1914年:ブリティッシュコロンビア州ビクトリアに生まれる。
1931年:Phillips Andover Academy卒。
1935年:イェール大学卒(B.S.数学)。
1937年:コロンビア大学(M.A.経済)。
1937年:National Resources Planning Board(Washington D.C.),Division of Tax Research, US Treasury Department。
1939年:Twentieth Century Fund(公共ユティリティーの最適価格に関する研究)。
1946年:コロンビア大学講師。
1948年:コロンビア大学(Ph.D.経済)を得る(博士論文のAgenda for Progressive Taxationは1972年に出版された)。
1950年:シャウプ使節団のメンバーとして日本へのミッションに参加。
1951年:NY市の委託を受けてNY市地下鉄の料金体系に関する研究実施。
1958年:コロンビア大学教授就任。
1964年-1967年:経済学部長。
1971年:McVickar Professor of Political Economy就任。
1979年:シカゴ大学名誉博士号授与。
1982年:退官。McVickar Professor of Political Economy Emeritus就任。
1992年:米経済学会会長、米国科学アカデミー会員就任。
1996年:ノーベル経済学賞受賞。
1996年:ノーベル経済学賞受賞発表の3日後に、心臓発作でニューヨーク州ハリソンで死去。
著書 編集
Public Economics 1994 by Cambridge University Pressに同氏の全ての著作が掲載されている。(書籍8冊、論文139件、評論27件、未発表の論文等61件)
Nobelpricewinner Prof. William Vickrey: 15 fatal fallacies of financial fundamentalism-A Disquisition on Demand Side Economics
HAMILTON:
Thomas. That was a real nice declaration. Welcome to the present. We’re running a real nation. Would you like to join us, or stay mellow, Doin’ whatever the hell it is you do in Monticello? If we assume the debts, the Union gets a new line of credit, a financial diuretic. How do you not get it? If we’re aggressive and competitive. The union gets a boost. You’d rather give it a sedative? A civics lesson from a slaver. Hey neighbor. Your debts are paid cuz you don’t pay for labor. “We plant seeds in the South. We create.” Yeah, keep ranting. We know who’s really doing the planting. And another thing, Mr. Age of Enlightenment, Don’t lecture me about the war, you didn’t fight in it. You think I’m frightened of you, man? We almost died in a trench While you were off, getting high with the French. Thomas Jefferson, always hesitant with the President Reticent—there isn’t a plan he doesn’t jettison. Madison, you’re mad as a hatter, son, take your medicine. Damn, you’re in worse shape than the national debt is in, Sittin’ there useless as two shits. Hey, turn around, bend over, I’ll show you where my shoe fits.
「トマス。実に素敵な宣言だったね。
今の時代にようこそ。我々は今、国を実際に運営しているんだ。
我々と一緒にやっていきたいのか、それともお気楽にやっていきたいのか。
モンティセロで好きなように何でもやっていればいいのでは。
もし我々が州債を肩代わりできれば、連邦は信用を得る。
財政の利尿剤だ。信用なしであなたはどうやっていくんだ。
もし我々が積極的になれば、連邦はうまくいく。あなたはそれよりも鎮静剤を与えようというのか。
奴隷所有者からの教訓。やあ親しい隣人よ。労働に対価を払っていないからあなたは債務を支払える。
『我々は南部で種を植える。我々は作物を育てる』。戯言を続けていればいいさ。
我々は、いったい誰が種を植えているのか知っている。それに啓蒙時代の代表たるジェファソン氏よ、
戦ったこともないのに私に戦争について講釈を垂れようとは。私があなたを恐れるとでも。
あなたがあちらへ行ってフランス人と浮かれている間に我々は塹壕で死にかけていた。
トマス・ジェファソン、いつも大統領に対してよそよそしい。話したがらない。
ジェファソンが諦めてしまう方策などないのだ。マディソン、もう気が狂わんばかりだね、
お大事に。公債よりもどうやら悪い具合のようだね。二人してそこでぼんやり座っているがいいさ。
それからくるっと回って跪け、私の靴がぴったりあっているか見せてやろう」
JEFFERSON:
When we were on death’s door. When we were needy. We made a promise. We signed a treaty. We need money and guns and half a chance. Uh, who provided those funds?
「我々が死の瀬戸際にいた時。我々が助けを求めていた時。我々は約束を結んだ。我々は同盟条約を締結した。我々はお金と銃、そして、ちょっとした希望を必要としていた。ああ、誰がお金を出してくれたのか」
解説:独立戦争中、イギリスを敵に回して苦戦していたアメリカは、フランスの助力で最終的に勝利できた。ジェファソンはフランス革命の理念に共鳴していたのでできればフランスを支援したいと考えていた。
MADISON:
France.
「フランス」
JEFFERSON:
In return, they didn’t ask for land. Only a promise that we’d lend a hand. And stand with them If they fought against oppressors, And revolution is messy but now is the time to stand. Stand with our brothers As they fight against tyranny. I know that Alexander Hamilton is here and he Would rather not have this debate. I’ll remind you that he is not secretary of state. He knows nothing of loyalty. Smells like new money, dresses like fake royalty. Desperate to rise above his station, Everything he does betrays the ideals of our nation.
「見返りにフランスは土地を求めたりしなかった。ただいざとなったら我々に手を貸してほしいと約束しただけ。もしフランスが圧制者と戦うならともに立ち上がろう。革命が危機にある今こそ立ち向かう時。専制者と戦う我が兄弟達とともに立ち上がろう。アレグザンダー・ハミルトンがここにいるが議論に加わらないほうがいいだろう。よく思い出すように、ハミルトンが国務長官ではないことを。誠実とは何かなんてハミルトンは知らないぞ。新しいお金のようにぷんぷん匂うし、僭称者のように着飾っているぞ。のしあがろうと一生懸命なあまりに我が国の理想をことごとく裏切っているぞ」
解説:同盟条約でフランスがアメリカに求めた条件は、主に北アメリカのフランス植民地の保護である(フランス領アンティル諸島の防衛義務)。本来、外交は国務長官の管轄だが、ハミルトンは多くの事柄に干渉していた。この当時、行政府の中で最大の部署はハミルトンが長官を務める財務省であった。
ENSEMBLE:
Ooh!!
「おおお」
JEFFERSON:
And if ya don’t know, now ya know, Mr. President.
「もうこれでおわかりでしょう、大統領閣下」
解説:ジェファソンは常々、ハミルトンが耄碌したワシントンを騙していたと信じていた。しかし、ワシントンの判断力はまったく衰えていなかった。
WASHINGTON:
Thank you, Secretary Jefferson. Secretary Hamilton, your response.
「ありがとう、ジェファソン長官。ハミルトン長官、意見を」
HAMILTON:
You must be out of your goddamn mind If you think The President is going to bring the nation to the brink Of meddling in the middle of a military mess, A game of chess, Where France is Queen and Kingless. We signed a treaty with a King whose head is now in a basket. Would you like to take it out and ask it? "Should we honor our treaty, King Louis’s head?“ "Uh...do whatever you want, I’m super dead.”
「君は憂さが晴れるのか。大統領が国民を兵乱に干渉させようとするなら。女王も国王もいないフランスでごたごたに巻き込まれるなら。我々が同盟条約を交わした国王の首なら今、バスケットの中にある。我々は国王の首を取り出して聞けばいいのか。『我々は条約を守るべきか、国王ルイの首よ』、『なあに好きなようにするがよい。なにしろ私はすぐく死んでいるからね』」
解説:国王夫妻が斬首されたことはすでにアメリカに伝わっていた。そもそも独立戦争中にアメリカと同盟を結んだのはブルボン王家であり、そのブルボン王家が打倒された今、同盟条約を守る必要は無いとハミルトンは論じている。
WASHINGTON:
Enough. Enough. Hamilton is right.
「もうよい。もうよい。ハミルトンの言う通りだ」
JEFFERSON:
Mr. President—
「大統領閣下」
WASHINGTON:
We’re too fragile to start another fight.
「我々はまた戦争を始めるにはあまりに弱国だ」
解説:当時の連邦軍の規模は、その当時、起きた北西部インディアン戦争で一時拡張されたものの、外国と戦える規模ではなかった。
本書はヴィックリーに捧げられている
ただしヴィックリーが換骨奪胎されているので
本書を読んでもヴィックリーについてはわからない
以下は補足する意味でヴィックリーについて述べる
ヴィックリーはノーベル賞を取った唯一のポストケインズ派経済学者(byラヴォア)
ただし受賞理由はオークション理論への貢献だ
(ちなみにヴィックリーは税制の専門家としてシャウプ勧告団の一人として1949~1950年に来日している)
1961年のオークション論文は2位価格オークションを復活させた
二位価格は正直な評価を引き出しやすいらしい(ヤフオクの仕組みが基本的には二位価格オークション)
川越敏司『マーケット・デザイン 』2010に分かりやすい解説がある(ゲーテの事例を紹介)
岡本英男が論考しているがヴィックリー1996年論考はMMTに近い
ただし1961年のオークション論文、ノーベル賞受賞論文でも冒頭でラーナー(MMT開祖)に触れている
タイトルにあるcounterspeculation対抗投機をラーナーのように国家ではなく
市場取引方法に内在させようとしたのがヴィックリーだ
(ヴィックリーはよく誤解されるが制度学派コースが新自由主義者と誤解されるのに似ている)
本書はヴィックリーへのヘンリー・ジョージの影響を詳述している部分が貴重だ
ヘンリー・ジョージはゲゼルの自由土地のアイデアに影響を与えた
マルクスはジョージをブルジョワ的だと批判したが
持たざる者は持った時の対処をあらかじめ知っておくべきだろう
MMtTerレイが土地ではなく住居空間体積に課税せよと言っているのはジョージを反面教師に
しているのかも知れない
ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞ
れが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナ
ダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下における
インセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,
評価対象となった]。 ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作
で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受
賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィック
レーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケイ
ンジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニ
ー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として
高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて
参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱え
るもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,
完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた
(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政
赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
参考
A Trans-Keynesian Manifesto (Thoughts about an Asset-Based Macroeconomics)
William Vickrey 1997
https://doi.org/10.1080/01603477.1997.11490125
完全雇用の財政学― ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討 ―
岡本英男
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/10895/1/keizai293-12.pdf
参考
A Trans-Keynesian Manifesto (Thoughts about an Asset-Based Macroeconomics)
William Vickrey
https://doi.org/10.1080/01603477.1997.11490125
Journal of Post Keynesian Economics
Volume 19, 1997 - Issue 4
ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞれが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の有力候補であると,多くの
経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナダ出身のアメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィック
レー(William Vickrey)が, 1996年に,情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,評価対象となった]。
ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,ヴィックレーの受
賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィックレーは,晩年(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケイ
ンジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師であったシドニー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として
高名なポール・デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて参加していたからである。また,ヴィックレーは,現代経済が抱え
るもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,完全雇用のためには,相当な財政赤字が必要であると考えた
(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように, 財政赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
ヴィックレーは土地改革で知られるヘンリージョージを信奉していた
オークション関連を含む主要論考でラーナーの名前を出している
ギバード=サタースウェイトの定理 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%EF%BC%9D%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86
ギバード=サタースウェイトの定理
ギバード=サタースウェイトの定理とは、3つ以上の候補から投票により社会の選好を決める場合において、特定候補を排除せず、耐戦略性を満たすような社会選択ルールは独裁制だけであるという定理である[1][2]。アラン・ギバードとマーク・サタースウェイト(英語版)がこの定理を与えた。ここで、
特定候補の排除とは、いかなる投票結果であっても当選しない候補者がいる場合を指す。
耐戦略性とは、参加者が誰も戦略的操作(投票に参加する個人が自らの選好を偽って表明することで自らにとってより望ましい結果を実現すること)を起こす動機を持たないこと
独裁制とは、ある特定の個人(独裁者)が存在して、他の参加者がどのような選好を持っていようが独裁者にとって一位の選択肢が社会の決定となるようなルールである。
この定理によれば、3人以上が選ばれ得る投票では、独裁制でない限り参加者が自分の票が死票とならないように次善の(ある意味で虚偽の)案に投票することを避けられない。
参考文献
坂井豊貴 『社会的選択理論への招待』 日本評論社、2013年、79頁。ISBN 978-4-535-55754-3。
田中靖人『社会的選択理論の基礎 – アローの定理,多数決,ギバード・サタースウェイトの定理を中心として–』
関連項目
戦略投票#ギバード・サタースウェイトの定理
メカニズムデザイン
iPhoneから送信
ケルトン #2
だ。ウィリアム・ヴィックリーの言葉を借りれば、このような公共事業を通じて、社会は「活用されていない労働力を、さまざまな公共のアメニティや施設に転換できる(26)」。制度の目的は求職者にコミュニティに役立つ有意義な仕事を与え、それに対してまっとうな賃金と福利厚生というかたちで報酬を支払うことだ。
15ff
《ポストケインズ派のノーベル賞受賞者
ロビンソン(1983年没)とカルドア(1986年没)は, それぞれが亡くなるまで, ノーベル経済学賞の
有力候補であると,多くの経済学者が認めていたが,彼らは受賞できなかった。しかし,カナダ出身の
アメリカ人ポストケインズ派経済学者ウィリアム・ヴィックレー(William Vickrey)が, 1996年に,
情報の非対称性下におけるインセンティブに関する研究でノーベル経済学賞を受賞した[ポス
トケインズ派学派としての業績ではなく,新古典派経済学の研究部分が,評価対象となった]。
ヴィックレーは発表のたった3日後に心臓発作で亡くなったが, ノーベル経済学賞選考委員は,
ヴィックレーの受賞演説を聞いたら驚いたに違いないだろう。というのは, ヴィックレーは,晩年
(12年ぐらい),『ジャーナル・オブ・ポストケインジアン・エコノミクス』の創始者(彼の最初の師で
あったシドニー·ウェイントローブとともに)であり,ポストケインズ派として高名なポール・
デヴィッドソンが手がけた学会やセミナーにすべて参加していたからである。また,ヴィックレーは,
現代経済が抱えるもっとも大きな問題は,総需要の構造的欠如にあり,その結果,完全雇用のためには,
相当な財政赤字が必要であると考えた(Vickrey [1997])。そのため, マーストリヒト条約のように,
財政赤字の上限が設定された規制を痛烈に批判していた。》
マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』10頁
ちなみに、ヴィックレーは土地改革で知られるヘンリージョージを信奉していた(『ラディカル・マーケット』参照)
オークション関連を含む主要論考でラーナーの名前を出している。
773 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 2021/10/02(土) 17:46:11.20 ID:dRET85Dt
ヴィックレーは基本的に二位価格オークションの理論1961で有名。
(今のヤフオクの仕組みは基本的には二位価格オークション)
veil of ignoranceもVickreyのこの論文が最初だと言われます。
Vickrey (1945, Econometrica) "Measuring Marginal Utility by Reactions to Risk"
https://twitter.com/kanamemiyagi/status/1273248536457441280?s=21
これはトリビアなのだが、[来日した]シャウプ勧告団のなかには、若き日の William Vickrey(オークション
理論の創始者、1996年ノーベル賞)が含まれている。彼の多才さや創造性には驚くばかりである。
彼は60年代にはGibbard-Satterthwaite定理を予想し、その助けになる命題の証明までしている。
https://twitter.com/toyotaka_sakai/status/1273238412720398338?s=20
完全雇用の財政学-ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討- 岡本英男
https://twitter.com/_luminous_woman/status/1444221603500290052?s=21
《以上見てきたヴィックリーの完全雇用の経済学を要約すれば,次のようになる。
インフレと政府の財政赤字を有害なものと考えることはやめなければならない。むしろ,
財政赤字は政府が可処分所得に貢献した指標と見なしうる。国債は退職時に備えるために
ますます大きくなる個人の貯蓄が安心して投資できる対象である。生産性の上昇にとって
妨害となるのは,インフレの水準ではなく,インフレの不確実性である。》
《自由市場の本質を維持する方法でインフレを制御する。》
(controlling inflation in ways that preserve the essence of free markets.)
We Need a Bigger ‘Deficit’ Vickrey2004,#14:137
チャーネバは雇用市場における椅子取りゲームの比喩をヴィックレーから受け継いでいる。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account
ヴィックレーは基本的に二位価格オークションの理論1961で有名。
(今のヤフオクの仕組みは基本的には二位価格オークション)
veil of ignoranceもVickreyのこの論文が最初だと言われます。
Vickrey (1945, Econometrica) "Measuring Marginal Utility by Reactions to Risk"
https://twitter.com/kanamemiyagi/status/1273248536457441280?s=21
これはトリビアなのだが、[来日した]シャウプ勧告団のなかには、若き日の William Vickrey(オークション
理論の創始者、1996年ノーベル賞)が含まれている。彼の多才さや創造性には驚くばかりである。
彼は60年代にはGibbard-Satterthwaite定理を予想し、その助けになる命題の証明までしている。
https://twitter.com/toyotaka_sakai/status/1273238412720398338?s=20
完全雇用の財政学― ウィリアム・ヴィックリーの完全雇用の経済学の検討 岡本英男
https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/10895/1/keizai293-12.pdf
https://twitter.com/_luminous_woman/status/1444221603500290052?s=21
《以上見てきたヴィックリーの完全雇用の経済学を要約すれば,次のようになる。
インフレと政府の財政赤字を有害なものと考えることはやめなければならない。むしろ,
財政赤字は政府が可処分所得に貢献した指標と見なしうる。国債は退職時に備えるために
ますます大きくなる個人の貯蓄が安心して投資できる対象である。生産性の上昇にとって
妨害となるのは,インフレの水準ではなく,インフレの不確実性である。》
《自由市場の本質を維持する方法でインフレを制御する。》
(controlling inflation in ways that preserve the essence of free markets.)
We Need a Bigger ‘Deficit’ Vickrey2004,#14:137
チャーネバは雇用市場における椅子取りゲームの比喩をヴィックレーから受け継いでいる。
A Trans-Keynesian Manifesto (Thoughts about an Asset-Based Macroeconomics)
William Vickrey
Journal of Post Keynesian Economics
Vol. 19, No. 4 (Summer, 1997), pp. 495-510
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