瀧澤弘和『現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論』 (中公新書) 2018
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第1章 市場メカニズムの理論
第2章 ゲーム理論のインパクト
第3章 マクロ経済学の展開
第4章 行動経済学のアプローチ
第5章 実験アプローチが教えてくれること
第6章 制度の経済学
第7章 経済史と経済理論との対話から
終章 経済学の現在とこれから
《アブナー・グライフはゲーム理論を使ってマグリブ商人とジェノヴァ商人の違い、そしてジェノヴァ商人の成功の要因を解き明かした。》
比較歴史制度分析 (叢書 制度を考える) 単行本(ソフトカバー) – 2009/12/9
Cultural Beliefs and the Organization Of Society: A Historical and Theoretical Reflection on Collectivist and Individualist Societies
- Nuts and Bolts for the Social Sciences (Cambridge, UK, 1989)
Cultural Beliefs and the Organization Of Society: A Historical and Theoretical Reflection on Collectivist and Individualist Societies
《アブナー・グライフはゲーム理論を使ってマグリブ商人とジェノヴァ商人の違い、そしてジェノヴァ商人の成功の要因を解き明かした。》
- Nuts and Bolts for the Social Sciences (Cambridge, UK, 1989)
著者は青木昌彦の著作の翻訳を行うなど(青木昌彦が英語で書いた『比較制度分析に向けて』の日本語訳)、青木昌彦の影響を受けており、「ゲーム理論」、「制度」といったものをキーに現代の経済学の潮流を読み解いています。
経済学に関する知識がまったくない人には厳しいかもしれませんが、経済学にそれほど通じていなくても、社会科学(政治学、社会学、経営学なと)に興味がある人であれば楽しめると思いますし、得るものも多いと思います。
目次は以下の通り。
序章 経済学の展開
第1章 市場メカニズムの理論
第2章 ゲーム理論のインパクト
第3章 マクロ経済学の展開
第4章 行動経済学のアプローチ
第5章 実験アプローチが教えてくれること
第6章 制度の経済学
第7章 経済史と経済理論との対話から
終章 経済学の現在とこれから
序章で著者はノーベル経済学賞の受賞者に注目しながら、現代の経済学の変化を指摘しています。
1980年代までの受賞者の受賞理由は、経済モデルの開発や計量的分析手法の確立に貢献した(サミュエルソンなど)、社会主義と資本主義、市場における政府の役割に関する論争に貢献した(ハイエク、フリードマンなど)、一般均衡モデルの発展に貢献した(ヒックス、アロー、ドブルーなど)の3つのタイプが主なものでした。
ところが、90年代以降になると傾向が変わってきます。市場の限界や、合理的な人間という経済学の想定に疑義を呈するような研究がとり上げられるようになり、同時にゲーム理論の発展とともに市場を介さない取り引きに関する研究も行われるようになってきます。そして、ノーベル経済学賞もそうした分野の研究者に与えられるようになっていくのです。
とは言っても、80年代までの主流派経済学を理解していなければ90年代以降の変化のインパクトもわかりません。そこでまず、第1章では新古典派経済学をとり上げています。
「経済学の父」と呼ばれるアダム・スミスが注目したのは交換と分業でした。そしてその交換の場としての市場が注目され、後の経済学ではこの市場の分析が中心となりました。
アダム・スミスやその後の続く経済学者は当初、商品の価値は労働によって決まると考えていましたが、ジェヴォンズ、メンガー、ワルラスらによる「限界革命」により、商品の価値は消費者が自分の効用と照らしてその財を追加でもう1単位購入するか否かによって決まると考えられるようになりました。
このとき、消費者は自分の効用を最大化するために「合理的」に行動すると想定されています。ここから市場を数理的に読み解くことが可能であると考えるのが新古典派経済学であり、新古典派経済学は数学を使って市場を精緻に分析していきました。
新古典派経済学では一般的に、市場の参加者である個々の個人や企業は価格などに影響を与えないと考えられています。
これに対して相手の行動によって自分の意思決定が左右される局面を扱うのが、第2章でとり上げられているゲーム理論です。
例えば、向こうから人がやってきてぶつかりそうになったとき、避けるのがいいかそのまま直進するのがいいかは相手の行動によって変わります。これだけですと、たんなる予測問題と思われるかもしれませんが、ジョン・ナッシュが提案したナッシュ均衡というアイディアによってゲーム理論は大きく発展しました。
ナッシュ均衡は「両方のプレーヤーとも、相手の選択に対して最適な選択を示している状態」(63p)ですが、これは相手に対する信念(予測)のもと、それに対する最適な行動を選ぶことによってその正しさが証明するという「予言の自己成就」が成立している状態です。また、ナッシュ均衡は複数存在しえます。
さらに「囚人のジレンマ」は、利己的・合理的に行動することが必ずしも両者の利益につながらないということを示し、各々が利己的に振る舞うことによって社会が発展するという伝統的な市場観を揺さぶりました(69p)。
さらに1970年代にアカロフらによって提唱された「情報の非対称性」もゲーム理論によって記述・分析されるようになっていきました。
第3章はマクロ経済学の発展です。著者はマクロ経済学の専門家ではないので、マクロ経済学の変遷を詳しくたどっているわけではありませんが、マクロ経済の分析において重要になってきた「期待」という概念と、ゲーム理論の「信念」の類似性に注意を向けています。
マクロ経済はある程度の規模を持った経済(多くの場合は一国)を分析しますが、それとともにケインズに代表されるように財政政策や金融政策によって景気をコントロールすることを志向していきました。
しかし、これらのコントロールが1960年代後半になるとうまくいかなくなってきます。インフレ+不況というスタグフレーションが発生したのです。
こうした状況に対して、マクロ経済に「期待」という概念を持ち込んだのがミルトン・フリードマンです。さらに70年代後半になるとロバート・ルーカスが「合理的期待」に基づくマクロ経済学を打ち出しケインズ経済学に疑義を呈しました。
しかし、だからといってケインズ経済学が完全に否定されたわけでもなく、さまざまな理論を取り込みながら「総合芸術を志向している」のが現在のマクロ経済学だといいます。
第4章では行動経済学がとり上げられています。
今までの経済学は「現実の人間行動を分析する」のではなく、個々の経済主体が合理的に行動すると「仮定」して理論を組み上げてきました。J・S・ミルも経済学は演繹的な学問であり、その基礎をなす仮定は人間がより多くの富を求めているという命題にあると考えていました(111p)。
ハーバート・サイモンが「限定合理性」の概念を打ち出し、人間の認識能力には限界があり完全には合理的ではありえないとの考えを示したこともありましたが、経済学全体にはそれほど大きなインパクトは与えませんでした。行動経済学の登場によって初めて、この合理性の仮定は大きく揺さぶられることになるのです。
この章では、ヒューリスティクス・バイアス、プロスペクト理論、双曲割引など行動経済学の代表的な知見を紹介しつつ、fMRIなどを使った神経経済学などについても紹介しその意義と問題点を探っています。
また、行動経済学が人間の不合理な側面を明らかにする一方で、「合理性」概念を捨ててはないなことに注意を向けています(131-133p)。
第5章では実験経済学がとり上げられています。J・S・ミルもサミュエルソンも経済学で実験はできないと考えましたが、近年ではさまざまな経済学的な実験が行われ、バーノン・スミスは実験経済学によってノーベル賞を受賞しています。
さらに実際の政策に活かすために、近年ではRCT(ランダム化比較試験)という方法が開発され、開発経済学の現場などに持ち込まれています(デュフロ&バナジー『貧乏人の経済学』など)。
ただし、こうした手法には「外的妥当性」と「一般均衡効果」という2つの批判があるといいます。外的妥当性は実験で得られた結果が他のケースでも同じようにはたらくかということであり、一般均衡効果は実験で得られた効果が規模が拡大した場合でもうまくはたらくかということです。
こうした問題を乗り越えるためにフィールド実験という実際の状況に近い環境で実験を行うやり方も出てきていますが、著者は経済学における実験は実際の因果関係を確定させるというものではなく理論をチェックするために行われるものではないかといいます。
アカロフの提示した中古車市場と情報の非対称性の理論も、「「だから現実世界では中古車市場は存在しない」とか、「中古車市場では質の良くない中古車しか出回らない」などと主張しているわけではなく、情報の非対称性が存在するときに作用するはずのロジックあるいはメカニズムを明確に示している」(165p)のであり、教室で実験を行うと理論の予測通りのことがおこるといいます。実験は現実ではなく理論と対峙しているのです。
第5章は制度の経済学、第6章では経済史を扱っていますが、第6章の経済史の主役はダグラス・ノースなので、コース、ウィリアムソン、ノースという新制度派の3人と青木昌彦がこの2つの章の主役になります。
経済学は主に市場を分析の対象としてきており、そのプレイヤーである企業に関しての研究は手薄でした。そこに「なぜ企業が存在するのか?(なぜすべてが市場で取引されないのか?」という問を提出し、取引費用という考えを打ち出したのがコースです(コース『市場・企業・法』を参照)。
さらにそのコースのアイディアをウィリアムソンが精緻化することにより、企業に対する研究が進み、市場以外の諸制度を分析することが重要だと考えられるようになっていきました。
ここではジャン・ティロールや岩井克人による、今までのコーポレート・ガバナンス論に対する批判にも軽く触れており興味深いです(192-196p)。
この制度の進化と各国の制度の違いをゲーム理論などを使って説明しようとしたのが青木昌彦です。青木は制度の補完性に注目し、制度をまとまりとして捉えようとしました(青木昌彦に関してはとりあえず『青木昌彦の経済学入門』を。
第6章では、まずQWERTYキーボードを例にあげ、経路依存性について説明し、経済事象における「歴史」の重要性を指摘しています。
そして「歴史」と「制度」について考察した経済史家としてダグラス・ノースをとり上げています(ノースの制度についての考えは『ダグラス・ノース 制度原論』など)。ノースは制度をゲームのルールとして捉え、制度の違いが西欧とそれ以外地域の経済発展を度合いを決定したと考えます(具体的には財産権の確立)。
また、アブナー・グライフはゲーム理論を使ってマグリブ商人とジェノヴァ商人の違い、そしてジェノヴァ商人の成功の要因を解き明かしました。また、この章ではピケティの『21世紀の資本』などにも 触れています。
終章は著者なりの総括ですが、著者はここで近年の経済学の多様な展開を、経済学が新古典派に代わる「法則」を見つける方向ではなく、メカニズムを解明する方向に移りつつあると考えています。 経財事象全体を貫く法則を発見するのではなく、ここの経財事象にはたらくメカニズムを解明すること経済学の仕事ではないかというのです。
また、経済学の「遂行性」にも注意を向けています。経済学は経済事象を分析するだけではなく、その分析対象である経済事象に影響を与えることがあります。例えば、金融におけるブラック=ショールズ式は、多くのトレーダーに共有されることによって市場がこの式に従って動くようになりました(257p)。
そして、最後はディルタイやヘーゲルについて言及しながら、経済学を人間の「歴史的生活」を理解する人間科学(=精神科学)として位置づけようとしています。
このように哲学的なところもあって少し難しく感じる人もいるかもしれませんが、逆に哲学をはじめとする他の諸学問についてある程度知っている人であれば、入っていきやすいかもしれません。
経済学の入門書とは少し違うと思いますが、現代の経済学の広がりを教えてくれるとともに、他の諸学問とのつながりに気づかせてくれる本となっています。
現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論 (中公新書)
瀧澤 弘和

バーノン・スミス - Wikipedia
バーノン スミスとは - コトバンク
非合理な意思決定を実験で分析 最善の選択を促す、行動経済学的 ...
バーノン・スミスとは - Weblio辞書
#バーノン・スミス hashtag on Twitter
Amazon.co.jp: フィリップ・バーノン・スミス: 本
実験経済学入門~完璧な金融市場への挑戦 | ロス・M・ミラー, 川越 敏司 ...
ダニエル・カーネマン氏とバーノン・スミス氏の 2002年ノーベル経済学賞 ...
- Nuts and Bolts for the Social Sciences (Cambridge, UK, 1989)
目次
経歴
哲学
主要著作
- Leibniz et la formation de l'esprit capitaliste (Paris, 1975) ISBN 2-7007-0018-X
- Leibniz and the development of economic rationality (Oslo, 1975)
- Logic and Society (New York, 1978)
- Ulysses and the Sirens (Cambridge, 1979)
- Sour Grapes: Studies in the Subversion of Rationality (Cambridge, 1983)
- 『酸っぱい葡萄――合理性の転覆について』、玉手慎太郎訳、勁草書房、2018年。
- Explaining Technical Change : a Case Study in the Philosophy of Science (Oslo, 1983)
- Making Sense of Marx (Cambridge, 1985)
- An Introduction to Karl Marx (Cambridge, 1986)
- The Cement of Society: A study of social order (Cambridge, 1989)
- Solomonic Judgments: Studies in the limitation of rationality (Cambridge, 1989)
- Nuts and Bolts for the Social Sciences (Cambridge, UK, 1989)
- Local Justice: How institutions allocate scarce goods and necessary burdens (Russell Sage, 1992)
- Political Psychology (Cambridge, 1993)
- The Ethics of Medical Choice (London, 1994) - with Nicolas Herpin
- Strong Feelings: Emotion, Addiction, and Human Behavior The Jean Nicod Lectures. (MIT Press, 1999)
- Alchemies of the Mind: Rationality and the Emotions (Cambridge, 1999)
- Ulysses Unbound: Studies in Rationality, Precommitment, and Constraints (Cambridge Univ. Press, 2000)
- Closing the Books: Transitional Justice in Historical Perspective (Cambridge, 2004)
- Explaining Social Behavior: More Nuts and Bolts for the Social Sciences (Cambridge, 2007)
- Reason and Rationality (Princeton University Press, 2009)
- Alexis de Tocqueville: The First Social Scientist (Cambridge University Press, 2009)
- Le désintéressement (Paris: Seuil 2009)
- L'irrationalité (Paris: Seuil 2010)
- Securities Against Misrule. Juries, Assemblies, Elections (Cambridge University Press, 2013) ISBN 9781107649958
共著
- Institutional design in post-communist societies: rebuilding the ship at sea, wiht Claus Offe, Ulrich K. Preuss, Frank Boenker, Ulrike Goetting, and Friedbert W. Rueb, Cambridge University Press, 1998.
編著
- Foundations of social choice theory, co-edited with Aanund Hylland, Cambridge University Press, 1986.
- The multiple self, Cambridge University Press, 1986.
- Rational choice, B. Blackwell, 1986.
- Karl Marx: a reader, Cambridge University Press, 1986.
- Constitutionalism and democracy, co-edited with Rune Slagstad, Cambridge University Press, 1988.
- Alternatives to capitalism, co-edited with Karl Ove Moene, Cambridge University Press, 1989.
- Interpersonal comparisons of well-being, co-edited with John E. Roemer, Cambridge University Press, 1991.
- Choice over time, co-edited with George Loewenstein, Russell Sage Foundation, 1992.
- The ethics of medical choice, co-edited with Nicolas Herpin, Pinter Publishers, 1994.
- The roundtable talks and the breakdown of communism, University of Chicago Press, 1996.
- Deliberative democracy, Cambridge University Press, 1998.
- Addiction: entries and exits, Russell Sage Foundation, 1999,
- Getting hooked: rationality and addiction, co-edited with Ole-Jørgen Sko , Cambridge University Press, 1999.
- Retribution and reparation in the transition to democracy, Cambridge University Press, 2006.
脚注
- ^ Yeghiayan, Eddie. “JON ELSTER A Selected Bibliography”. UCI Department of Philosophy. 2000年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月18日閲覧。
- ^ “Gruppe 3: Idéfag” (Norwegian). Norwegian Academy of Science and Letters. 2009年10月28日閲覧。
- ^ Chapter on Jon Elster by Daniel Little in New Horizons in Economic Thought: Appraisals of Leading Economists, edited by Warren Samuels (Edward Elgar Publishing, 1992) ISBN 1-85278-379-6. Also available as download [1]
- ^ Elster, Jon (1993年). “Some unresolved problems in the theory of rational behaviour”. Acta Sociologica36 (3): 179–189 [p. 179]. doi:10.1177/000169939303600303.
- ^ Hollis, Martin, Why Elster is stuck and needs to recover his faith, London Review of Books, 13 January 1991
- ^ Explaining Social Behaviour, pp. 5, 25ff
- ^ Explaining Social Behaviour, p. 232
- ^ Review of Le désintéressement, by Gloria Origgi, The Possibility of Disinterested Action, The Berlin Review of Books, 8 January 2010.
外部リンク
- Elster page - コロンビア大学哲学部の教員紹介サイト
- Elster page[リンク切れ] - コレージュ・ド・フランスの教員紹介サイト
- Jon Elster page maintained by Hans O. Melberg (Internet Archive)
- Selected quotes by Jon Elster
- 図書館にあるヤン・エルスターに関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ
- When the lottery is fairer than rational choice. Interview with Jon Elster (text&video), laviedesidees.fr, 26/11/2008
酸っぱい葡萄 合理性の転覆について | |
叢書名 | 双書現代倫理学 ≪再検索≫ |
著者名等 | ヤン・エルスター/著 ≪再検索≫ |
著者名等 | 玉手慎太郎/訳 ≪再検索≫ |
著者等紹介 | 【ヤン・エルスター】1940年生まれ.コロンビア大学ロバート・K・マートン社会科 学教授(政治学・哲学),ならびにコレージュ・ド・フランス終身教授.著書に『社会科 学の道具箱』(ハーベスト社)など.(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載され ていたものです) |
著者等紹介 | 【玉手慎太郎】東京大学特任研究員.共著に『権利の哲学入門』(社会評論社,2017 年)ほか.(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |
出版者 | 勁草書房 |
出版年 | 2018.9 |
大きさ等 | 20cm 371,19p |
注記 | 原タイトル:SOUR GRAPES |
NDC分類 | 115.3 |
件名 | 合理主義 ≪再検索≫ |
要旨 | 適応的選好形成という倫理学そして功利主義の重要問題を抉出する。 |
目次 | 第1章 合理性;第2章 本質的に副産物である状態;第3章 酸っぱい葡萄;第4章 信念・バイアス・イデオロギー |
ISBN等 | 4-326-19970-9 |
ISBN等 | 978-4-326-19970-9 |
経済学説の系譜と論点:
19世紀 20世紀 21世紀
エンゲル シュモラー
ウェーバー
ゾンバルト ヴェブレン コース
ドイツ歴史学派━制度学派━新制度学派
┣━━━━━━━━━━━━━━━レギュラシオン学派
リカード ┃ 分析的マルクス主義
投下労働価値説━労働価値説・恐慌論┳正統派 数理的マルクス主義
┃┃マルクス(学派) ┗宇野派 森嶋通夫 A
シスモンディ┃ ┗━カレツキ━━━━━┓┗━━日本人経済学者 生産者費用
┃┗━━━━━━スラッファ ┃ 宇沢弘文 マルクス
┃ ┃ ____________________
┣プルードン━ゲゼル ┃ 岩村充 D
┃ ┃ プルードン
┃ ┃ 生産者効用
┃ ┃ ____________________
┃ リンダール┃レーン=メイドナー 岩井克人
┃(北欧)ヴィクセル┳┛ ┃
┃ ┃ ┃
┃ ケインズ ┃ ミンスキー スティグリッツ
┃ ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃ ┃ハロッド カルドア ロビンソン ┃ マンキュー
ペティ ┃ ケンブリッジ学派 ┃クルーグマン
┃ ┃ ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
┗古典派┫ レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミス┣J.S.ミル ┏━━━━━━━━┛トービン ┗━┓
18世紀 ┃ マーシャル 部分均衡 奥野正寛┃
┃ ┃ピグー ルイス ┃ ピケティ
┃ ┣━ヒックス IS・LM マンデル ┃
マルサス ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ B
支配労働価値説┓ ┃ ┃ ┃ 消費者費用
┃ ┃ ┃ ┃ マルサス
┃ ┃ ________┃ _______┃_______
┃ ┏┛ノイマン 内生的━┛ OLG ┃
┗新古典派経済学 シュンペーター ローマー┃
ワルラス 一般均衡 コース AKモデル┃ C
テュルゴー クールノー┃パレート シカゴ学派 バロー ┃ ワルラス
コンディヤック ┃ 主流派 フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー ┃ ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
┃ ┃ サージェント ┃
(貨幣中立説) ┃ ┃RBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛ 外生的 プレスコット
ヒューム ┃フィッシャー ハイエク キドランド
連続的影響説 エッジワース ドラッカー ┃
シーニョア ┃オーストリア学派 内生的 ┏━━━┛
平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク ┗DSGE
セイ ジェボンズ 転形論争
消費者 生産者
四元的 費用 B A
価値論 効用 C D
上下逆に改変:
第2章 ゲーム理論のインパクト
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞
ゲーム理論______________________________
1994 人間行動 I 取引費用経済学 I
ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン I 1991 行動ゲーム理論
\ I ロナルド・コース 実験ゲーム理論
\ I
\ I 行動経済学/実験経済学
\ 経済ガバナンスの理論 2002
\ 2009 カーネマン/スミス
\インセンティブ オストロム/
/\制度設計 ウィリアムソン
/ \
/ \
/ \___情報の非対称性
対立と協力 \ 1996マーリーズ/ヴィックリー
2005 /\ 2001アカロフ/スペンス/スティグリッツ
オーマン/ / \ /
シェリング / \ /
/ \ /
マーケット・デザイン メカニズム・デザイン /
/ \ 2007 /
/ \ ハーヴィッツ/マスキン/マイヤーソン/
/ \ \ /
マッチング理論 \ \ /
2012 \ 契約理論
ロス/シャプレー オークション理論 2016
ハート/ホルムストローム
上下逆に改変:
第2章 ゲーム理論のインパクト
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞
1988 モーリス・アレ
市場と資源の効率的利用に関する理論
ゲーム理論______________________________
1994 人間行動 I 取引費用経済学 I
ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン I 1991 行動ゲーム理論
\ I ロナルド・コース 実験ゲーム理論
\ I
\ I 行動経済学/実験経済学
\ 経済ガバナンスの理論 2002
\ 2009 カーネマン/スミス
\インセンティブ オストロム/
/\制度設計 ウィリアムソン
/ \
/ \___情報の非対称性
/ \ 1996マーリーズ/ヴィックリー
対立と協力 \ 2001アカロフ/スペンス/スティグリッツ
2005 /\ I
オーマン/シェリング / \ I
/ \ I
マーケット・デザイン メカニズム・デザイン I
/ \ 2007 I
/ \ ハーヴィッツ/マスキン/ I
/ \ マイヤーソン \ I
マッチング理論 \ \ I
2012 \ 契約理論
ロス/シャプレー オークション理論 2016
ハート/ホルムストローム
上下逆にして改変:
第2章 ゲーム理論のインパクト
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞
1988 モーリス・アレ 市場と資源の効率的利用に関する理論
1991 ロナルド・コース 取引費用経済学
ゲーム理論__________________________________
1994 人間行動 I I
ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン 行動ゲーム理論 I
\ 実験ゲーム理論 I
/ \__情報の非対称性 I I
/ \ 1996マーリーズ/ヴィックリー I I
/ \2001アカロフ/スペンス/スティグリッツ I I
対立と協力 \ I 2002 I
オーマン/シェリング / \ I I
/ \ I I
マーケット・デザイン メカニズム・デザイン I I
/ \ 2007 I 経済ガバナンスの理論
/ \ ハーヴィッツ/マスキン/ I 2009
/ \ マイヤーソン \ I オストロム/
2012 \ 契約理論
ロス/シャプレー オークション理論 2016
ハート/ホルムストローム
瀧澤弘和『現代経済学』より
.[上下逆にして改変]:
第2章 ゲーム理論[と行動経済学]のインパクト
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞
1988 モーリス・アレ 市場と資源の効率的利用に関する理論
1991 ロナルド・コース 取引費用経済学
ゲーム理論__________________________________
1994 人間行動 I I
ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン 行動ゲーム理論 I
\ 実験ゲーム理論 I
\インセンティブ I I
\制度設計 I I
\ I I
/ \__情報の非対称性 I I
/ \ 1996マーリーズ/ヴィックリー I I
/ \2001アカロフ/スペンス/スティグリッツ I I
/ \ I I I
/ \ I 行動経済学/実験経済学I
対立と協力 \ I 2002 I
2005 /\ I カーネマン/スミス I
オーマン/シェリング / \ I I I
/ \ I I I
マーケット・デザイン メカニズム・デザイン I I I
/ \ 2007 I I 経済ガバナンスの理論
/ \ ハーヴィッツ/マスキン/ I I 2009
/ \ マイヤーソン \ I I オストロム/
マッチング理論 \ \ I I ウィリアムソン
2012 オークション理論 契約理論 I
ロス/シャプレー 2016 I
ハート/ホルムストローム I
I
行動経済学 ナッジ理論
2017
リチャード・セイラー
第4回 実験経済学の発展が意味するもの
3. 実験ゲーム理論の発展
4.社会科学における実験と因果関係