水曜日, 9月 28, 2016

孫子:メモ

                  (リンク::::::::::軍事老子
『イワン雷帝』(及び『影武者』)と形式化の極限:メモ(再掲)
http://nam-students.blogspot.jp/2013/12/blog-post_1.html
http://blog.livedoor.jp/yojisekimoto/archives/51758544.html

孫子』(そんし)は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書武経七書の一つ。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つである。紀元前5世紀中頃から紀元前4世紀中頃あたりに成立したと推定されている。

『孫子』以前は、戦争の勝敗は天運に左右されるという考え方が強かった。孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為によることを知り、勝利を得るための指針を理論化して、本書で後世に残そうとした。

以下の13篇からなる。

1計篇 - 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について述べる。
2作戦篇 - 戦争準備計画について述べる。
3謀攻篇 - 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について述べる。
4形篇 - 攻撃と守備それぞれの態勢について述べる。
5勢篇 - 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べる。
6虚実篇 - 戦争においていかに主導性を発揮するかについて述べる。
7軍争篇 - 敵軍の機先を如何に制するかについて述べる。
8九変篇 - 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べる。
9行軍篇 - 軍を進める上での注意事項について述べる。
10地形篇 - 地形によって戦術を変更することを説く。
11九地篇 - 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説く。
12火攻篇 - 火攻め戦術について述べる。
13用間篇 - 「間」とは間諜を指す。すなわちスパイ。敵情偵察の重要性

上記の篇名とその順序は、1972年に中国山東省臨沂県銀雀山の前漢時代のから出土した竹簡に記されたもの(以下『竹簡孫子』)を元に、 竹簡で欠落しているものを『宋本十一家注孫子』によって補ったものである。

『竹簡孫子』のほうが原型に近いと考えられており、 『竹簡孫子』とそれ以外とでは、用間篇と火攻篇、虚実(実虚)篇と軍争篇が入れ替わっている。


孫子曰、兵國之大事、死生之地、存之、不可不察也、故經之以五事、之以計、而索其、一曰、二曰天、三曰地、四曰將、五曰法、

 孫子はいう。戦争とは国家の大事である。〔国民の〕死活がきまるところで、〔国家の〕存亡のわかれ道であるから、よくよく熟慮せねばならぬ。それゆえ、五つの事がらではかり考え、〔七つの〕目算で比べあわせて、その時の実情を求めるのである。 〔五つの事というのは、〕第一は道、第二は天、第三は地、第四は将、第五は法である。


今こそ、孫子(大前研一):

[名企業参謀として知られる大前氏が、一九七〇年代後半に同僚と二人で日本の経営者にインタビューを重ね、『孫子』の英文解説書をつくろうとした事実は、知られてはいない。
「総論」「リーダーシップ」「作戦」「情報」のカテゴリーに再編集されたこの書は未完に終わったが、氏はこの古典を読むと、経営戦略の汲めども尽きぬイマジネーションが湧くと言う。]

この書には「戦略」のすべてが網羅されている「世界」に通じる
「日本的経営の教科書」大前研一

 計篇から用間篇まで一三篇から成るこの書を、その折、私たちは大幅に並べ替えようと思っていた。

 その編集方針は「総論」「リーダーシップ」「作戦」「情報」の四部に分けるというものだった。

「総論」の中で、最も重要な記述は『孫子』の冒頭にある「兵とは国の大事なり」である。この「兵」は一般に「戦争」と解釈されている。だが、企業の社会的な影響力や従業員に対する責任を考えると、この章句は「兵」とは「人間」、「戦争とは国家の大事である」と同時に、「企業は人なり」の同義語に思えてならない。

総論で重要なことは、計篇の「兵とは国の大事なり」に続く「これを経るに五事を以てし、これを校ぶるに(七)計を以てして、その情を索む」。五事とは道、天、地、将、法であり、七計については「主 孰れか有道なり、将 孰れか有能なる、天地 孰れか得たる、法令 孰れか行われる、兵衆 孰れか強き、士卒 孰れか練いたる、賞罰 孰れか明らかなると」である。
これは戦いの基本があくまでも本質的な資質や経営資源の差にある、としたもので、まさに戦略の最も重要なことを極めて具体的に表したものである。


『孫子』勢篇に「凡そ〔兵を用いるに〕衆を治むること寡を治むるが如くなるは、分数是なり」がある。その大意は、大勢の兵士をまるで小人数を統率するようにできるのは、部隊の編成によるというものだが、

次に重要なのは、虚実篇にある「兵に常勢なく、水に常形なし。能く敵に因りて変化して勝を取る者、これを神と謂う」。所変われば品変わるというが、市場環境、それからユーザー(顧客)、あるいは競争状態は一定ではないことの教えである。


PRESIDENT 2011年6月2日号別冊今こそ、孫子発 行 2011年5月16日編 者 プレジデント社企画編集部 APPアプリ


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孫子の兵法 (図解雑学) : 水野 実 : 本 : 中国史 : Amazon.co.jp

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徹底図解 孫子の兵法―信玄のみならず現代人も使える戦術書の決定版 単行本 – 2008/3


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1時間でわかる図解孫子の兵法早わかり

謀攻篇【戦略理論】 一「百戦百勝は善の善なる者に非ず」   (百戦百勝は最高の勝ち方ではない)

九変篇
「智者の慮は必ず利害に雑う 」 (知恵のあるものは 、つねに利と害について考える )採算の取れない勝利は無意味である

「必死は殺され 、必生は虜にさる 」 (かけ引きを知らずに必死に戦う者は殺され 、生きることばかりを考える者は捕虜にされる )

「君命に受けざる所あり 」 (君主の命令に従わなくてよい場合がある )君主の命令に従わなくてもよい場合とは ?
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黒澤明『影武者』より(合成→反転)

疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」(疾(はや)きこと風の如く、徐(し ず)かなること林の如く、侵掠(かすめ)ること火の如く、動かざること山の如し
















虚実篇
6:6故形兵之極、至於無形、 そこで、軍の形(態勢)をとる極致は無形になることである。
6:7夫兵形象水、水之形、 そもそも軍の形は水の形のようなものである。
ーーーーー

 


故兵以詐立、以利動、以分合爲變也、故其疾如風、其徐如林、掠如火、不動如山、知如陰、動如雷震、掠鄕分、廓地分利、懸權而動、先知之計、此軍爭之法也、
 故に兵は詐(さ)を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり。故に其の疾(はや)きことは風の如く、其の 徐(しずか) なることは林の如く、侵 掠(しんりゃく) することは火の如く、知り難きことは陰の如く、動かざることは山の如く、動くことは雷の震(ふる)うが如くにして、郷を掠(かす)むるには衆を分かち、地を廓(ひろ)むるには利を分かち、権を懸けて而して動く。 迂直(うちょく) の計を先知する者は勝つ。此れ軍争の法なり。
 そこで、戦争は敵の裏をかくことを中心とし、利のあるところに従って行動し、分散や集合で変化の形をとっていくものである。だから、風のように迅速に進み、林のように息をひそめて待機し、火の燃えるように侵奪し、暗やみのように分かりにくくし、山のようにどっしりと落ちつき、雷鳴のようにはげしく動き、村里をかすめ取〔って兵糧を集め〕るときには兵士を手分けし、土地を〔奪って〕広げるときにはその要点を分守させ、万事についてよく見積りはかったうえで行動する。あいてに先きんじて遠近の計遠い道を近道に転ずるはかりごとを知るものが勝つのであって、これが軍争の原則である。#7(軍争篇):3 岩波文庫より
(注 権を懸け権ははかりの重り。それをかけるとは、ものごとをはかり考えること。)






yahoo知恵袋より
孫子の中で風林火山がある節は、主に敵軍を攻撃したり敵地に侵攻する場合を想定した部分ですが、次のような9つの4文字の言葉が連なっています。
其疾如風
其徐如林
侵掠如火
不動如山
難知如陰
動如雷震
掠郷分衆
廓地分利
懸権而動

信玄が「風林火山」に絞ったのは次のような理由が考えられるでしょう。
①風林火山までは大自然そのものに例えているので分かりやすい。
②「難知如陰」は「陰に潜むように敵にこちらの状況を知られにくくしろ」という意味で、「其徐如林」や「不動如山」と意味的には重複しています。
③「動如雷震」も「動く時は雷鳴が突然響き渡るように一気に激しくやれ」という意味で、やはり「其疾如風」と「侵掠如火」に意味が重複しています。

つまりこの文章構造は次のようになっているのです。
「其疾如風」&「侵掠如火」=「動如雷震」
「其徐如林」&「不動如山」=「難知如陰」

云わば、「難知如陰」と「動如雷震」は、その前の風林火山の4語を補足したり強調したりする役割を果たしているのです。

風林火山が使われた旗印とはマークですから、あまり複雑化すると訳がわからなくなるということもあります。できるだけ簡単で一目でわかることが望ましいのです。(話は別になりますが、日本国の国旗である日の丸は判りやすさという点では他国の追随を許さない究極のマークです)

だから、話が具体的過ぎる後ろの3語をカットしたのは当然としても、意味が重複している「難知如陰」「動如雷震」の2語も省略したのでしょう。

#11:9
是の故に始めは処女の如くにして、敵人 戸を開き、後は脱兎の如くにして、敵 拒ぐに及ばず。 


以下、新星出版社より

  軍事の重大性を知れ

『孫子』の一番最初にある言葉→兵(戦争)とは国の大事なり
 戦争は国の命運を決める重大な出来事である

    互いの実力を把握して
   慎重に判断する必要がある

①道→君主と民衆の気持ちがひとつになっているか?
②天→天候や気象条件はどのようになっているか?
③地→戦場の地形はどのような影響を与えるのか?
④将→将軍の知恵や勇気などの資質はどうか?
⑤法→軍事の制度はどのくらい整っているか?

   基本事項は誰でも知っているが、
    理解できなければ勝てない 

 具体的に見るべき事項「七計」
①どちらの君主がより賢明に民の心をっかめるか→道
②どちらの将軍がより優れた能力を持っているか→将
③どちらに天候や地形がもたらす利点があるか→天·地
④どちらが軍法や命令を徹底しているか→法
⑤どちらが兵の数に優れているか→道·地·法
⑥どちらの兵士が軍事訓練をしっかり積んでいるか→法
⑦どちらのほうが賞罰をはっきりと実行しているか→法



#8:5

智者の慮は必ず利害に雑(まじ)う。
智者の考えというものは、〔一つの事を考えるのに〕必ず利と害とをまじえ合わせて考える。

火曜日, 9月 27, 2016

日米欧の経済停滞は「資本主義の限界」なのか? - ライブドアニュース


日米欧の経済停滞は「資本主義の限界」なのか? - ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/11851211/
工学博士が読み解く『シン・ゴジラ』――ゴジラがデフレギャップを解消する - ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/11935829/






「供給=需要」「供給<<<需要」「供給>需要」「供給>>>需要」



「供給=需要」「供給<<<需要」「供給>需要」「供給<<<需要」


正と反の経済線(用語が平易になった。下図は過去の用語を併用
):

以下木下栄蔵『アメリカの次…』2012、『資本主義…』2016より

イ                          覇権国家
ンギ           |         成長経済 /\
フャ          /|\         ___/  \__→
レッ         /バ|バ\       |発展した
 プ 通常経済   /ブ | ブ\ 恐慌経済 |フェーズ
_________/ル  |  ル\     |
         発   |   崩\    |
デ       生    |    壊\___|
フギ インフレ      |      デフレ
レャ 経済成長する時期     次の経済成長のための
 ッ              社会的共通インフラを
 プ              構築する時期

    主役=市場         主役=国家
    〇財政再建         〇財政出動
    ✖︎財政出動         ✖︎財政再建

          投資効率(e)
        投資利益率/市場利子率
     e>1           e<1


「供給=需要」「供給<需要」「供給>>>需要」「供給<<<需要」
正の経済、正のバブル、反の経済、正のバブル

                      S=Y(供給関数)
   |               A'/
  需|         主問題経済学_ー D'=aY+I'
  要|             _ー/|    (需要関数)
   |           _ー / |
   |         _ー|主/ _ー D=aY+I
   |       _ー  |/_ー |
   |     _ー   A/ー   | 
   |   _ー    _ー|    _ー D''=aY+I''
   | _ー    _ー/対| _ー |
   |ー    _ー /  _ー   |
   |   _ー| / _ー|    |
   | _ー  |/_ー  |    |
   |ー A''/ー    |    |
   |    /双対問題経済学    |
   | _ー/ |     |    |
   |ー /  |     |    |
   | /   |     |    |
   |/45度_|_____|____|__________
         Y''   Y0   Y'       Y(生産、所得)
       a=0.9なら     a=0.9なら
   Y''-Y0=10▽I     Y'-Y0=10△I
        
上図の主問題経済学と双対問題経済学は、双対関係になっている。
(木下栄蔵『経済学はなぜ間違え続けるのか』2009年,147頁より)



用語がORのものになっている。
(『資本主義の限界』2016では正の経済と反の経済というわかりやすい用語になった)

主問題経済学と双対問題経済学、
通常経済  と 恐慌経済、
インフレギャップとデフレギャップ、
セイの法則 と 有効需要の原理が当てはまる。 

A・スミス と マルクス

木下はケインズを批判するが、ケインズの理論と言っていい。
現状認識が大事になる。
サミュエルソンの45度線分析(厳密にはサミュエルソン創始ではない)が今も有効だ。

O R …オペレ ーションズ ・リサ ーチ ( operations research )の略 。数学的 ・統計的モデルを利用して 、最も効率的な解を求める科学的技法 。


正と反の経済線:
現在の日本

以下木下栄蔵『アメリカの次…』2012、『資本主義…』2016より

イ                         
ンギ           |        
フャ          /|\        
レッ         /バ|バ\       
 プ 通常経済   /ブ | ブ\ 恐慌経済 
_________/ル  |  ル\______________
         発   |   崩\          デ
デ       生    |    壊\______   フ
フギ インフレ      |      デフレ   |  レ
レャ 経済成長する時期     次の経済成長のための|  ギ
 ッ              社会的共通インフラを|  ャ
 プ              構築する時期    金\ ッの
                          融 \プ拡
    主役=市場         主役=国家   緩  \大
    〇財政再建         〇財政出動   和   \
    ✖︎財政出動         ✖︎財政再建

          投資効率(e)
        投資利益率/市場利子率
     e>1           e<1

「供給=需要」「供給<<<需要」「供給>需要」「供給>>>」
正の経済、正のバブル、反の経済、反のバブル

日米欧の経済停滞は「資本主義の限界」なのか? - ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/11851211/

日米欧の経済停滞は「資本主義の限界」なのか?

木下栄蔵・著『資本主義の限界』P55より

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 日本とユーロ圏でマイナス金利となり、アメリカも次なる利上げに踏み込めないでいる。金利の否定は資本主義の否定にも等しい。やはり資本主義は限界を迎えているのか? 新刊『資本主義の限界』において、「『正と反の経済学』によって『限界』を突破できる」と指摘している名城大学都市情報学部の木下栄蔵教授に聞いた。

――最近では「資本主義は戦争によってしか発展できない」とする、思想家の内田樹氏と政治学者の白井聡氏の対談が話題になりました。資本主義限界論がここそこで聞こえてきます。

木下:私はそうは思いません。それを説明するのに好都合なのが、私が提唱している「正と反の経済線」です。

――「経済線」とはどんな線なのでしょうか?

木下:需要と供給の差をラインに示したものです。この線が原点よりも上にあればインフレギャップが存在し、下にあればデフレギャップが存在していることを示します。気をつけてほしいのは、「高い水準にあるから高成長」「低い水準にあるから成長していない」といったように経済の規模や成長率を示す線ではないということです。その国の経済がインフレギャップなのか、デフレギャップなのかを示したシンプルなラインです。

――図を見ると、日本が高度経済成長期にあった時代も経済線は横ばいですね。

木下:この時代、細かなインフレギャップやデフレギャップ、あるいは好況や不況はありましたが、基本的には大きな需給ギャップは発生せず、日本経済は発展していきました。それが大きく変わったのは1985年のプラザ合意です。急激に円高が進み、「円高不況」「円高デフレ」となりました。そこで当時の澄田智日銀総裁は政策金利を引き下げました。これがインフレギャップを発生させ、平成バブルの元凶となりました。

――1989年の大納会、日経平均は今も破られていない史上最高値の3万8915円をつけました。

木下:まさにバブルのピークです。ところがそれ以降、ソ連の崩壊などパラダイムの転換となる大事件が続き、日本経済も大きな転換点を迎えることになります。バブル崩壊です。富の先食いであるバブルは必ず弾けます。戦後ずっと「正の経済」にあった日本経済ですが、バブル崩壊後に「反の経済」へと遷移しました。

――バブル崩壊で発生した「失われた20年」、そしてデフレギャップをいまだ日本は解消できていない、と。ところで経済線を見ると、直近はデフレギャップが拡大しているようです。これは何を意味するのでしょうか。

木下:これこそが前編で指摘した「反のバブル」の発生を示しています。きっかけとなったのは前述したように日銀の異次元緩和であり、それを加速させたのがマイナス金利でした。通常、バブルはインフレギャップの拡大により発生します。つまり経済線が極端に上方へ移動することで発生していました。チューリップバブルしかり南海バブルしかり、あるいは日本の不動産バブルやアメリカでリーマンショック前に発生していたバブルしかりです。ところが今回、初めてデフレギャップの発生した「反の経済」の下でバブルが発生しました。

――ではデフレギャップとは何なのでしょうか。

木下:ひと言でいえば、銀行に滞留したお金です。今はいくら日銀がお金ばらまいても、金利をマイナスにしても、企業は設備投資しないし、消費者も消費しない。だから「供給>需要」の関係は変わりません。新たな需要が生まれていないからです。むしろ、デフレギャップは拡大しているのが現状です

――この状況を救う方策はあるのでしょうか。

木下:ひとつ考えられるのが戦争です。先ほどの「経済線」を今一度見直してください。日本は大正バブルの崩壊後にも「反の経済」へ陥りましたが、戦争によって脱却しています。第2次世界大戦によって京都や奈良、北海道などのごく一部を除く日本全土が空爆を受けました。その結果、日本の供給能力はほぼゼロになるほど壊滅させられました。大正バブル崩壊後、「供給>需要」となりデフレギャップを抱えていたのが、空爆によって「供給<<<需要」へと急転換した。敗戦後、インフレという副作用はあったものの、日本は「正の経済」へと復帰して、高度経済成長を遂げていくのです。

日米欧の経済停滞は「資本主義の限界」なのか?


――では、今の日本が復活する道も戦争である、と?

木下:広島と長崎に落とされた2発の悲惨な原子力爆弾を人類が経験した今、大規模な総力戦である戦争は国際的に許されるものではありません。いくら戦争が資本主義再生の手段として有効だからといって、決して選ぶべきでないことは明らかです。戦争以外にも日本が「反の経済」を脱して発展を遂げる方策もあることはあります。資本主義がダメだからといって、社会主義、共産主義を選択することは愚の骨頂ですから、我々でなんとかして資本主義の限界を突破する方法を模索せねばなりまません。

 資本主義の限界を突破する秘策とは……? 次回後編では、新刊『資本主義の限界』の骨子でもある「反のバブル崩壊」について話を聞いた。〈取材・文/高城泰 撮影/岡戸雅樹〉

【木下栄蔵(きのした えいぞう)】
1949年、京都府生まれ。1975年、京都大学大学院工学研究科修了、現在、名城大学都市情報学部教授、工学博士。この間、交通計画、都市計画、意思決定論、サービスサイエンス、マクロ経済学などに関する研究に従事。特に意思決定論において、支配型AHP(Dominant AHP)、一斉法(CCM)を提唱、さらにマクロ経済学における新しい理論(Paradigm)を提唱している。1996年日本オペレーションズリサーチ学会事例研究奨励賞受賞、2001年第6回AHP国際シンポジウムでBest Paper Award受賞、2005年第8 回AHP国際シンポジウムにおいてKeynote SpeechAward受賞、2008年日本オペレーションズリサーチ学会第33回普及賞受賞。2004年4月より2007年3月まで文部科学省科学技術政策研究所客員研究官を兼任。2005年4月より2009年3月まで、および2013年4月より名城大学大学院都市情報学研究科研究科長並びに名城大学都市情報学部学部長を兼任。8月12日に新刊『資本主義の限界』(扶桑社)を発売

工学博士が読み解く『シン・ゴジラ』――ゴジラがデフレギャップを解消する - ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/11935829/

工学博士が読み解く『シン・ゴジラ』――ゴジラがデフレギャップを解消する

『資本主義の限界』(扶桑社)P42より

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日本経済再生への足取りは鈍い。日本経済はどうしたら再生できるのか。「ゴジラが日本経済を救う」と、真顔で主張するのは、『資本主義の限界』を上梓した名城大学都市情報学部の木下栄蔵教授だ。確かに興行収入は50億円を超えるとも言われ、経済効果は高い。しかし、日本経済を救うとは大げさな気もする。その真意とは?

木下:経済効果云々といった微細な話をしたいわけではありません。もっと日本経済の根本的な問題と、その解決策を私は『シン・ゴジラ』の向こう側に見たのです。

――さっぱり意味がわからないのですが……。

木下:順を追って説明しましょう。先日上梓した『資本主義の限界』に書いたとおり、日本経済の苦境はデフレギャップがすべての元凶です。需要に対して供給が過剰、つまりいくらモノをつくっても売れない。消費者は欲しいものがないからモノを買わないし、売り上げの増加が見込めないなかでは企業も新たな投資には及び腰です。バラ撒いた紙幣はタンス預金や銀行に滞留し、デフレギャップが拡大する一方なのです。

◆政府・日銀が歪める金融市場

――しかし、政府・日銀も財政政策、金融政策を進めています。

木下:むしろ逆効果でしかありません。日本銀行が紙幣を大量にバラ撒いているため、余った大量のお金は国債市場や株式市場に雪崩れ込み、株式市場や国債市場に「デフレギャップバブル」を発生させています。

――7月の日銀会合ではETFの買い入れ額を6兆円に増額、日本株市場の歪みには拍車がかかっています。

木下:日銀がいくらETFを買おうと、あるいはヘリコプターからマネーをバラ撒いたとしても問題は解決されません。なぜならば、課題は「供給>需要」の関係をいかに均衡させるかなのです。いくら紙幣をバラ撒いても、需要は増えないし、供給は減らない。

――「供給>需要」を均衡させるためには、単純に考えれば供給を減らすか、需要を増やすかの2択ですね。

木下:その前者、すなわち供給を減らすことでデフレギャップを克服した国があります。この日本です。20世紀前半、大正バブルの崩壊や世界恐慌により、日本ではデフレギャップが発生しました。それを克服したきっかけは第二次大戦。本土空襲により、日本の供給源はほぼ壊滅しました。「供給>需要」から一気に「供給<需要」へと転換したのです。本土空襲が日本のデフレギャップを解消したのです。

◆ゴジラ上陸で株も円も国債も大暴落!

――まさか、今の日本でも戦争が起きればデフレギャップは解消されると?

木下:私は平和主義者です。戦争なんて望みません。しかし、戦争によらず日本の過剰な供給源を一気に激減させてくれるのがゴジラなのです。東京湾から上陸したゴジラは東京を半壊させました。映画内ではゴジラの襲撃後、「株も円も国債も大暴落だ!」と叫ぶシーンがありました。あれだけの衝撃が起これば、投資家は落ち着くまで日本株や国債を手放さざるをえない。つまり供給源の激減によりデフレギャップは解消され、市場は暴落してデフレギャップバブルも一掃される。その結果、デフレギャップを抱えた「反の経済」(デフレギャップ状態の経済を示す木下氏の造語)から、通常の「正の経済」(インフレギャップ状態の経済)へと復帰できるのです。

――しかし、ゴジラにどこまでの知能があるか不透明。「デフレギャップを解消させる程度の破壊にしてくれ」とお願いしたところで、日本全土を蹂躙するでしょう。

木下:日本が得意とするロボット技術を活用すればいい。ゴジラにAIを搭載し、メカゴジラ化にすればいいでしょう。……冗談です。ゴジラのような怪獣が本当に出てくれば、こんな与太話はしていられないでしょう。しかし、『シン・ゴジラ』の大ヒットは、「日本経済が抱えている“シン”の問題は何か」を私たちに問うているのです。

――『シン・ゴジラ』の“シン”からは「新」と「真」の2つの意味が読み取れます。

木下:日本経済が抱えているデフレギャップこそ「真」の問題であり、デフレギャップバブルという「新」問題が起きていることを政府・日銀は認識すべきでしょう。そうでなければ、我々はゴジラの上陸を待つまで、永遠のデフレギャップに苦しむことになってしまいます。

 これまで世界中のどんな経済学も有効に機能したことはなかった。しょせん机上の空論である経済学に新たな展望をもたらした「正と反の経済学」の詳細は新刊『資本主義の限界』でぜひ確認してもらいたい。〈取材・文/高城泰 撮影/岡戸雅樹〉

【木下栄蔵(きのした えいぞう)】
1949年、京都府生まれ。1975年、京都大学大学院工学研究科修了、現在、名城大学都市情報学部教授、工学博士。この間、交通計画、都市計画、意思決定論、サービスサイエンス、マクロ経済学などに関する研究に従事。特に意思決定論において、支配型AHP(Dominant AHP)、一斉法(CCM)を提唱、さらにマクロ経済学における新しい理論(Paradigm)を提唱している。1996年日本オペレーションズリサーチ学会事例研究奨励賞受賞、2001年第6回AHP国際シンポジウムでBest Paper Award受賞、2005年第8 回AHP国際シンポジウムにおいてKeynote SpeechAward受賞、2008年日本オペレーションズリサーチ学会第33回普及賞受賞。2004年4月より2007年3月まで文部科学省科学技術政策研究所客員研究官を兼任。2005年4月より2009年3月まで、および2013年4月より名城大学大学院都市情報学研究科研究科長並びに名城大学都市情報学部学部長を兼任。8月12日に新刊『資本主義の限界』(扶桑社)を発


日曜日, 9月 25, 2016

木下栄蔵 O R …オペレ ーションズ ・リサ ーチ ( operations research )


             (経済学リンク::::::::::) 
NAMs出版プロジェクト: 経済学日本人著者入門書
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_9.html
木下栄蔵 O R …オペレーションズ・リサーチ ( operations research )
http://nam-students.blogspot.jp/2016/09/o-p-e-r-t-i-o-n-s-re-s-e-r-c-h.html@
     正の経済(主問題経済学)          反の経済(双対問題経済学)

経済学革命:

木下 フリードマンなんかは完全にハイエクのほうですね。ケインズのほうはサミュエルソンかもしれない。ハイエク派とケインズ派があるんですよ。ずっと論争していて、いまだに論争しています。…

ハイエク派とケインズ派がこっちやあっちやと言っているんだけど、両方とも正しいし、ある意味で両方とも間違っている。
  そして、この論争は「1つの経済学には2つの視点がある」と、みんな見ているんです。ケインズもね。「1つの経済には2つの視点がある」というベースの上で行われている。 
 それに対して私は「2つの経済にそれぞれ1つの視点がある」と提唱しているのです。 
 経済の空間によって違ってくるわけです。こんなふうに整理しますと頭の中がすっきりしてくると思います。
 実は、戦後の米国は通常経済でした。そのときに不況がいっぱいあった。そこでケインズ政策をしたらあかんということです。
正と反の経済線:
現在の日本

以下木下栄蔵『アメリカの次の覇権国はどこか?
』2012、『資本主義の限界』2016より

イ                         
ンギ           |        
フャ          /|\        
レッ         /バ|バ\       
 プ 通常経済   /ブ | ブ\ 恐慌経済 
_________/ル  |  ル\______________
         発   |   崩\          デ
デ       生    |    壊\______   フ
フギ インフレ      |      デフレ   |  レ
レャ 経済成長する時期     次の経済成長のための|  ギ
 ッ              社会的共通インフラを|  ャ
 プ              構築する時期    金\ ッ
                          融 \プ
    主役=市場         主役=国家   緩  \
    〇
財政再建         〇財政出動   和
    ×財政出動         ×財政再建

          投資効率(e)
        投資利益率/市場利子率
     e>1           e<1

「供給=需要」「供給<<<需要」「供給>需要」「供給>>>需要」

木下はケインズを批判するが、ケインズの理論と言っていい。


『経済学革命』(2011,2014)より
・ O R …オペレ ーションズ ・リサ ーチ ( o p e r a t i o n s  r e s e a r c h )の略 。数学的 ・統計的モデルを利用して 、最も効率的な解を求める科学的技法 。

                      S=Y(供給関数)
   |               A'/
  需|         主問題経済学_ー D'=aY+I'
  要|             _ー/|    (需要関数)
   |           _ー / |
   |         _ー|主/ _ー D=aY+I
   |       _ー  |/_ー |
   |     _ー   A/ー   | 
   |   _ー    _ー|    _ー D''=aY+I''
   | _ー    _ー/対| _ー |
   |ー    _ー /  _ー   |
   |   _ー| / _ー|    |
   | _ー  |/_ー  |    |
   |ー A''/ー    |    |
   |    /双対問題経済学    |
   | _ー/ |     |    |
   |ー /  |     |    |
   | /   |     |    |
   |/45度_|_____|____|__________
         Y''   Y0   Y'       Y(生産、所得)
       a=0.9なら     a=0.9なら
   Y''-Y0=10▽I     Y'-Y0=10△I
        
上図の主問題経済学と双対問題経済学は、双対関係になっている。
(木下栄蔵『経済学はなぜ間違え続けるのか』2009年,147頁より)









用語がORのものになっている。

(『資本主義の限界』2016では正の経済と反の経済というわかりやすい用語になった)

  主問題経済学 と 双対問題経済学、
   通常経済  と 恐慌経済、
インフレギャップ と デフレギャップ
   セイの法則 と 有効需要(effective demand)の原理が当てはまる。 

   A・スミス と マルクス

木下はケインズを批判するが、ケインズの理論と言っていい。
現状認識が大事になる。
サミュエルソンの45度線分析(厳密にはサミュエルソン創始ではない)が今も有効だ。


参考:
Ivar Jantzen 1939 「45度線分析」の創始者

デンマーク人。経済学者になる前は探検隊の測量担当者?

覇権国家が覇権を取るのは恐慌後、社会共通インフラを整えた後…
木下はコンドラチェフの波を80年と考えている
経済にはエルゴード性がありバブルは未来の資産を切り崩している
木下は『世界経済の覇権…』では日本の核武装推進論をゲーム理論で説いている








以下木下栄蔵『アメリカの次…』2012より

                        覇権国家
                   成長経済 /\
         /\         ___/  \__→
        /  \       |発展した
通常経済   /    \ 恐慌経済 |フェーズ
______/      \_____|
インフレ          デフレ
経済成長する時期      次の経済成長のための
              社会的共通インフラを
              構築する時期

主役=市場         主役=国家
〇財政再建         〇財政出動
✖︎財政出動         ✖︎財政再建

投資効率(e)
投資利益率/
市場利子率
  e 〉1        e〈1

上の図は『資本主義の限界』2016でさらに改定されている。
____


  

 「 2つの経済にそれぞれ 1つの視点がある 」




木下 細い右上がりの線は 、需要関数です 。これは 、企業が設備投資をすれば上に上がるんです 。この上の斜線の部分が 、セイの法則が成立する部分です 。そして 、設備投資を減らした場合は 、下の斜線の部分が需要不足になります 。この図ではっきりと 、右上が通常経済 、左下が恐慌経済ということがわかると思います 。
三橋 ということは 、トリガ ーは 、企業が投資を増やすか 、減らすか 、基本的にはそれだけなんですか 。
木下 そうです 。それがきっかけです 。その結果 、消費が影響してきます 。先に企業です 。その後に消費です 。
三橋 ということは 、対策としては 、この下の有効需要の不足 、需要不足が出ているときは 、 D "を Dに上げなければいけないということですね 。だれかが投資をしなければいけないと 。
木下 そうそう 。だから 、これを上げるのは 、まず政府が上げなければいけないんです 。

木下 …恐慌経済では一般的に供給力は需要量よりも多い 。式であらわせば 、 「 Y <  C + I 」です 。このことは 、セイの法則 「モノを作れば必ず売れる 」が成立しないことを意味しています 。ここが大事なんです 。物をつくっても 、消費しないということなんですよ 。このとき 、リカ ードの比較優位説により 、貿易すると 、総供給量が増えるんですが 、セイの法則は働きません 。したがって 、需要量は全く増えない 。
三橋 恐慌経済ではリカ ードの比較優位説は成立しないわけですね 。
木下 そうです 。しかも 、恐慌経済が抱える 2つの問題 。通常経済の場合とは違って 、恐慌経済の抱える 2つの問題は 、デフレギャップと失業者なんです 。

木下 逆に恐慌経済の場合は 、これが絶えず 「 Y <  C + I 」なんですよ 。
木下 サミュエルソンの晩年の作品 、作品の名前は忘れましたが 、その作品に次のようなことが書かれています 。つまり 、リカ ードの比較優位説は 1国しかもうからないという結論に達しているんです 。でも 、理由がわからないと 。
三橋 事例を見たら 、そうなっているということですね 。

バブルとバブル崩壊は 8 0年単位で起こる

再掲:

____

木下栄蔵『世界経済の覇権…』より


通常経済      恐慌経済
インフレ      デフレ
経済成長する時期  次の経済成長のための
          社会的共通インフラを構築する時期

主役=市場     主役=国家
〇財政再建     〇財政出動
✖︎財政出動     ✖︎財政再建

投資効率(e)
投資利益率/
市場利子率
  e 〉1     e〈1




三橋貴明のスタイルは 、過去のデ ータを見える化 (グラフ化 )し 、現在の状況に至る 「流れ 」および解決策を構築するというものになります 。

木下栄蔵先生の手法は 、オペレ ーションズ ・リサ ーチという数学的技法により 、現在の状況及び解決策を導き出すという画期的なものです 。

アプロ ーチが異なるにも関わらず 、両者の結論が全く同じになっているという点については 、注目に値します 。すなわち 、この世の中には 「 2つの経済 」があり 、一方の経済における政策や対策は 、もう一方の経済においては無効もしくは逆効果になってしまうのです 。木下栄蔵先生の言葉でいえば 、 「通常経済 」と 「恐慌経済 」になります 。これを一般的な言葉でいえば 、インフレ経済とデフレ経済になるわけですが 、デフレ環境下でインフレ対策を実施すると 、デフレはより深刻化します 。逆もまた 、真なりです 。ところが 、現実の日本においては 、デフレ下にも関わらずインフレ対策 (増税 、公共投資削減 、 T P Pなど )を叫ぶ政治家や評論家ばかりが跋扈しており 、日本経済はデフレの泥沼で足掻き続けています 。

わたくしは上記の状況を変えるべく 、正しい政策を実施するよう言論活動を続けてきたわけですが 、木下栄蔵先生の 『経済学はなぜ間違え続けるのか ─マルクスもケインズも見逃した経済の 2つの法則 』 (徳間書店 )に出会い 、衝撃を受けました 。わたくしがデ ータに基づき正しいと 「推測 」していた経済理論が 、数式で証明されていたのです 。








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商品説明

OR(オペレーションズ・リサーチ)の各手法をはじめて学ぶ人のためのテキスト。「線形計画法」「待ち行列」など各章1つずつ手法を取り上げ、そのモデルをルールとして説明し、ルールに沿って解ける問題を例題として示す。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

木下 栄蔵

略歴
〈木下栄蔵〉1949年生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。工学博士。名城大学都市情報学部学部長、同大学大学院都市情報学研究科・研究科長、教授。共著に「戦略的意思決定手法AHP」等。

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本書では経済状況を「正の経済」と「反の経済」に分類する。正の経済では「供給<需要」であって、供給がなされれば需要がそれに追いつく。資金供給が設備投資となり、供給が需要に追いつき均衡が達成する。逆に反の経済では「供給>需要」であり、資金需要があっても設備投資につながらない。必要なのは需要を増やすことである。
著者はもともとオペレーションズリサーチ(OR)の専門家である。ORの最もポピュラーな手法であるLP(線形計画)問題では、上限制約の中で最大値を求める問題(主問題)と下限制約下で最小値を求める問題(双対問題)の関係が教科書で述べられるが、著者はこのことから、正/反の経済を想起したことは、既存の著書において著されている。
本書でいう「経済学の限界」とは、経済理論がその時代の正あるいは反の経済状態でしか通用しないものであること意味している。本書ではそれらを包含するものとして、各国の正反の経済状況を歴史的経緯とともに示し、我が国の今の状況はまさに「反の経済」下であるとする。いくら金融緩和をしても設備投資に結びつかず、必要なのは、需要を増やすことで、デフレギャップを解消することだとしている。

では、どのようにして、需要を増やし、反の経済から脱するのか?本書では過去の歴史で何度も陥ってきた戦争による解消や、無駄な公共事業の実施ではないと述べる。「反のバブルの崩壊」により、「正の経済」へ復帰すると述べられている。反のバブル崩壊とは如何なる状況か?理論的にはそれが明快に示されているが、現実の事象としてそれがどのような状況なのかは詳らかにされていない。提示された平易な理論のもと、読者はこのことを色々と想像してみることができる。このことこそ本書が読者に投げかけている問であろう。多くの人にとって大いに刺激となる本である。 

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『アメリカの次…』2012より

覇権国家成立のための5つの条件
① 資本主義が確立していること   
② 経済バブルが発生し、その経済バブルが崩壊すること(経済の1サイクルを経験する)  
③ バブル崩壊後の恐慌経済下で財政出動して、後の発展のための社会資本を整備すする   
④ バブル崩壊時、経済債権国であること   
⑤ 民主主義国家であること

《これまで日本は、覇権国とうまく付き合ってきました。》

木下はインドに言及していない





図はわかりやすくなっている




図25 バブルと乗数効果:


バブル経済の崩壊:

消費全体が委縮して、消費係数aは1を切って、a < 1 となり、正常な消費活動にもどるのです。















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孫子の兵法の数学モデル―最適戦略を探る意思決定法AHP (ブルーバックス) | 木下 栄蔵 | 本 | Amazon.co.jp
1998

 AHPとは、いくつか選択肢のいずれかをを選ぶ、あるいは、複数の選択肢に対する力配分を決める、というごく日常的な行動において、数学的に最適解を求めるための方法論である。数学テクニック的には行列計算の知識があれば理解できるのだが、その根拠を本当にきちんと理解するのは骨が折れる。ページ数が少ないので、この本だけで得心するのは難しいかもしれない。また、AHPにはいくつか「仮定」が必要であり(それがAHPのよさというか特徴ともいえるのだが)、そのような仮定をベースとする意思決定の妥当性(説得力)をどう考えればいいのか、いろいろと疑問も残る。
 いろいろ腑に落ちないところはあるのだが、とてもおもしろい本である(本がおもしろいというよりAHPがおもしろいともいえるが)。こういった問題の整理の仕方や数学の使い方というのは個人的にはとても新鮮であり、AHPの本をもっと読んでみたいと思った。
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